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JP5442190B2 - 相似形先端部バッフルエーロフォイル - Google Patents

相似形先端部バッフルエーロフォイル Download PDF

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Description

本発明は、一般にガスタービンエンジンに関し、特に、ガスタービンエンジンのタービンブレードに関する。
ガスタービンエンジンにおいては、圧縮機で空気が加圧され、加圧空気は燃料と混合され、燃焼器において燃焼ガスを生成する。エンジンに動力を供給し、仕事を生成するために、種々のタービン段は燃焼ガスからエネルギーを抽出する。
燃焼器のすぐ後に続く高圧タービン(HPT)は、最高温度の燃焼ガスからエネルギーを抽出して、1つの駆動軸を介して上流側の圧縮機に動力を供給する。HPTの後に続く低圧タービン(LPT)は、燃焼ガスから更にエネルギーを抽出して、別の駆動軸に動力を供給する。LPTは、ターボファン航空機エンジンに適用される場合は上流側のファンに動力を供給し、船舶用及び工業用として適用される場合には外部軸に動力を供給する。
最新のガスタービンにおいて設計上重要な目標は、エンジン効率及び燃料消費率(SFC)である。種々のタービン動翼及びそれに対応するノズル羽根の空力面は、空気力学的効率を最大限にするために、空力面に沿った速度分布及び圧力分布を制御するように精密に構成される。
動翼及びノズル羽根の対応するエーロフォイルは、ほぼ凹形の加圧側及びほぼ凸形の吸引側を有する。加圧側及び吸引側は、前縁部とその反対側の後縁部との間で軸方向に翼弦に沿って延在する。エーロフォイルの半径方向断面は三日月形のプロファイルを有し、その幅は前縁部から最大幅領域まで急激に増加し、その後、後縁部に向かって徐々に縮小する。
エーロフォイルの周囲方向又は横方向に対向する側面も、半径方向に翼幅に沿って根元部から先端部まで延在する。通常、エーロフォイルは、超合金の鋳造により形成された薄い側壁を有し、内部冷却回路は種々の実施形態を有する。それらの実施形態は、全て、効率を最大限にする一方で、動作中にエーロフォイルを効率よく冷却するように用途別に適合されている。
しかし、エーロフォイルのすべての列における個々のエーロフォイルの3次元(3D)構成と、動作中にエーロフォイル間で搬送される燃焼ガスの対応する複雑な流れとを考慮すると、タービンエーロフォイルの空気力学的構造は著しく複雑である。そのように複雑な構造及び周囲環境に加えて、動作中に周囲を取り囲む固定シュラウドの内側で高速で回転するタービンブレードの半径方向外側の先端部周辺には、特殊な流れ場が存在する。
ブレード先端部とタービンシュラウドとの間の動作空隙又は間隙を通過する燃焼ガス流れの漏れを最小限にするために、間隙は実用的な値として可能な限り狭くなければならないが、その一方で、回転する先端部と固定シュラウドとの間の望ましくない摩擦を発生することなく、ブレード及びシュラウドの熱膨張及び収縮を可能にしなければならない。
動作中、タービン列のブレードは、エーロフォイル吸引側が反対側のエーロフォイル加圧側より先に進む状態で、回転している支持回転翼円板を駆動する。通常、エーロフォイルは、根元部から先端部まで、回転翼円板の周囲から半径方向にねじれ、前縁部は、上流側でエンジンの軸方向中心線軸と斜めに対面し、それにより、対応するノズル羽根の傾斜した吐出し渦角度に整合する。燃焼ガスは、一般に軸方向下流側の方向に流れ、周囲方向成分又は接線方向成分は、まず、1つの流れ方向においてエーロフォイル前縁部に当たり、その後、異なる流れ方向に後縁部を越えてエーロフォイルから離れる。
エーロフォイルの加圧側と吸引側との間の差圧を最大限にし、高温燃焼ガスからのエネルギー抽出を最大限にするために、加圧側及び吸引側は相応して異なる3Dプロファイルを有する。凹形の加圧側及び凸形の吸引側は、それらの面に沿って異なる速度分布及び圧力分布を実現し、速度分布及び圧力分布は前縁部と後縁部との間で相応して変化し、また、根元部から先端部までの間にも相応して変化する。しかし、必要な先端部空隙においてエーロフォイル先端部から漏れる燃焼ガスは、仕事を実行する場合であっても、有用な仕事を殆ど実行しない。
更に複雑なタービンブレード構造は、ブレード先端部が露出しているものである。露出しているため、先端部は燃焼ガスの中に浸され、動作中、燃焼ガスが先端部に沿って漏れる。動作中、タービンブレードの長期耐用年数を確保するために、ブレードを適切に冷却することが必要である。
最新のタービンブレード構造は、通常、前縁部から後縁部に至るエーロフォイルの加圧側及び吸引側の短い半径方向延長部分であるスクイーラ先端部リブを含む。通常、先端部リブは矩形の横断面形状を有し、横方向又は周囲方向に互いに離間されて配置され、エーロフォイルの上に開放された先端空洞部を規定する。エーロフォイルは、通常は中空であるエーロフォイル及び内部冷却回路を包囲する一体の先端部フロアを有する。
短い先端部リブは、先端部の擦れが発生した場合に、先端部フロア及び内部冷却回路を望ましくない損傷から保護するための犠牲材料を提供する。先端部リブは、燃焼ガスの流れ場を更に複雑にし、その結果、タービン効率、流れ漏れ及び先端部冷却に影響を及ぼす局所二次流れ場を導入する。
燃焼ガスの一次流れ方向は、隣接するブレードの間に規定された流路内の軸方向下流側に向かう方向である。更に、軸方向流れは、各エーロフォイルの根元部から先端部まで半径方向に沿って変化する。また、それらの軸方向及び半径方向の流れの変化は、エーロフォイル先端部に沿って更に大きくなり、燃焼ガスは、先端部において各エーロフォイルの加圧側と吸引側との間で漏れ出す。
従って、従来の技術においては、タービン効率、先端部漏れ及び先端部冷却を含む異なる問題及び性能上考慮すべき点に対応するためのタービンブレード先端部の種々の構成が提案されている。それら3つの重要な問題は、少なくとも一部では互いに関連しているが、エーロフォイル先端部及び前縁部と後縁部との間における異なる加圧側及び吸引側に沿った複雑な3D流れ場は、それらの問題の評価を極めて複雑にしている。
しかし、最新の計算流体力学(CFD)は、ガスタービンエンジンにおける複雑な3D流れを数理的に解析する能力を改善する強力なソフトウェアを含む。このソフトウェアは、タービンブレード設計の更なる改善を実現できるメカニズムを提供する。
例えば、先端部流れ漏れを減少するか、タービン効率を向上するか、又は先端部冷却を改善するか、あるいはそれらの要因を別個に又は一体に任意に組み合わせることにより、タービンブレード先端部の設計を改善することが望まれる。
米国特許第3,635,585号公報 米国特許第3,781,129号公報 米国特許第4,010,531号公報 米国特許第4,142,824号公報 米国特許第4,390,320号公報 米国特許第4,424,001号公報 米国特許第4,606,701号公報 米国特許第4,893,987号公報 米国特許第4,940,388号公報 米国特許第4,893,987号公報 米国特許第4,992,025号公報 米国特許第5,261,789号公報 米国特許第5,282,721号公報 米国特許第5,476,364号公報 米国特許第5,503,527号公報 米国特許第5,660,523号公報 米国特許第5,564,902号公報 米国特許第5,660,523号公報 米国特許第5,720,431号公報 米国特許第6,039,531号公報 米国特許第6,059,530号公報 米国特許第6,086,328号公報 米国特許第6,164,914号公報 米国特許第6,224,336号公報 米国特許第6,527,514号公報 米国特許第6,554,575号公報 米国特許第6,595,749号公報 米国特許第6,672,829号公報 米国特許第6,790,005号公報 米国特許出願第11/162433号 米国特許出願第11/162434号 Mischo, B., "Flow Physics and Profiling of Recessed Blade Tips: Impact on Performance and Heat Load", ASME GT2006-91074, May 8-11, 2006, pp: 1-11
タービンブレードは、先端部フロアから延出する第1の先端部リブ及び第2の先端部リブを有するエーロフォイル先端部を含む。リブはブレードの加圧側及びその反対側の吸引側に沿って延出し、前縁部及びその反対側の後縁部において互いに接合される。先端部バッフルはリブの間に横方向に組込まれ、対応する加圧側に沿って延在する第1の先端部ポケット及び対応する吸引側に沿って延在する第2の先端部ポケットにエーロフォイル先端部を二分割するために、第2のリブの形状に相似する形状を有する。
添付の図面と関連させた以下の詳細な説明において、好適な実施形態に従って、本発明を更なる目的及び利点と共に更に詳細に説明する。
図1は、ガスタービンエンジンのHPTにおいて使用するための第1段タービン動翼10の一例を示した図である。通常、動翼は超合金から鋳造され、エーロフォイル12、動翼の根元部のプラットフォーム14及び支持ダブテール16を一体の構体として有する。
ダブテール16は、図1に示される軸方向差込ダブテールのような任意の従来の形態を有してもよく、これは、支持回転翼円板(図示せず)の周囲にある対応するダブテール溝穴に動翼を装着する。回転翼円板は、周囲方向に互いに離間して配置された1列の動翼を保持し、動翼の間に動翼間流路を規定する。
動作中、エンジンの燃焼器(図示せず)において燃焼ガス18が生成される。燃焼ガス18は、対応するタービン動翼10に沿って下流側へ適切に搬送され、動翼10は、支持回転翼円板に動力を供給するためのエネルギーを燃焼ガスから抽出する。個々のプラットフォーム14は、燃焼ガスに対して半径方向内側の境界を形成し、1列のタービン動翼において隣接するプラットフォームに隣接する。
図1及び図2に示されるエーロフォイル12は、周囲方向又は横方向に互いに反対の側にある加圧側20及び吸引側22を含む。加圧側20及び吸引側22は、前縁部24とその反対側の後縁部26との間で翼弦に沿って軸方向に延在する。エーロフォイル12は、エーロフォイル根元部28から翼幅に沿って半径方向に延在し、半径方向外側の先端部キャップ又は先端部30で終端する。エーロフォイル加圧側20は、前縁部と後縁部との間でほぼ凹形であり、前縁部と後縁部との間でほぼ凸形であるエーロフォイル吸引側22に対して相補形である。
動作中、燃焼ガスからのエネルギー抽出を最大限にするために、エーロフォイルの加圧側20及び吸引側22の外面は、それらの面に沿った燃焼ガスの適切な速度分布及び圧力分布を実現するように構成された従来の典型的な三日月形プロファイルを有する。
図2は、エーロフォイルの半径方向横断面及びエーロフォイルの典型的な三日月プロファイルの例を示した図である。三日月プロファイルは、燃焼ガスからエネルギーを抽出するために、必要に応じてエーロフォイルの根元部から先端部まで適切に変化する。種々の半径方向横断面に共通するのは、エーロフォイルの横方向幅Wが前縁部24からエーロフォイルの翼弦中央の直前に位置する最大幅のハンプ領域まで後方へ急激に増加し、その後、エーロフォイルの幅は、幅の狭い、すなわち、細い後縁部26まで徐々に減少するという点である。
通常、エーロフォイル12は中空であり、内部冷却回路32を含む。冷却回路は、前縁部の背後及び後縁部の前方の対応する流路で終端する図示されるような2つの3パス蛇行回路などの任意の従来の構成を有してもよい。冷却回路は、プラットフォーム及びダブテールを通過して延在する。従来通り、エンジンの圧縮機(図示せず)から加圧冷却空気34を受入れるために、対応する複数の入口がダブテールの底面に配置される。
このように、動翼は、内部冷却空気により、根元部から先端部に向かって前縁部と後縁部との間で内部冷却される。冷却空気は、その後、薄いエーロフォイル側壁を通って、従来通りの大きさ及び形状の薄膜冷却穴の種々の列において排出されてもよい。
通常、エーロフォイルの前縁部は最も高温の流入燃焼ガスにさらされるので、任意の適切な方法による前縁部専用の冷却が実行される。また、エーロフォイルの薄い後縁部領域は、通常、使用済み冷却空気の一部を排出するための加圧側後縁部冷却溝穴の列を含む。
上述のように、最初に図1に示されるタービンエーロフォイル12は、精密に規定された3D外部プロファイルを有し、これは、燃焼ガス18が前縁部24から後縁部26まで軸方向下流側の方向に流れる間に、燃焼ガスの速度分布及び圧力分布に影響を及ぼす。動翼は支持円板の周囲に装着され、動作中に回転する。それにより、動翼は燃焼ガス中に二次流れ場を生成し、通常、燃焼ガスはエーロフォイルの翼幅に沿って半径方向外側へ移動する。
更に、エーロフォイルの加圧側20における燃焼ガスの相対圧力はエーロフォイルの吸引側に沿った圧力より高く、動作中に動翼が対応して回転するのに伴って燃焼ガスは露出されたエーロフォイル先端部30に沿って半径方向上方へ更には先端部30を越えて流れ、燃焼ガスの流れ場は更に二次的又は三次的な影響を受ける。
以上説明したタービン動翼は、例えば、HPTの第1段を含めて、ガスタービンエンジンにおいて使用するための従来通りの構成であり、従来通りに動作してもよい。そこで、以下に説明されるように、従来の動翼は、第1のスクイーラ先端部リブ36及び第2のスクイーラ先端部リブ38を含むようにエーロフォイル先端部30において変形されてもよい。それらのスクイーラ先端部リブ36、38は、それぞれ、エーロフォイルの加圧側及び吸引側、又は側壁20、22の半径方向に一体の延長部分であり、加圧側及び吸引側に倣ったプロファイル又は湾曲を有する。
第1のリブ又は加圧側リブ36は、翼弦方向にエーロフォイルの凹形の加圧側20に倣った形状又はプロファイルを有し、それに対応して、第2のリブ又は吸引側リブ38は、エーロフォイルの凸形の吸引側22に従った翼弦方向プロファイルを有する。2つのリブ36、38は、エーロフォイル前縁部24及び相対的に薄いエーロフォイル後縁部26において互いに一体に接合される。
2つのリブ36、38は、共通の先端部フロア40から等しい高さで翼幅方向又は高さ方向に半径方向外側へ延出し、エーロフォイル先端部の周囲全体に沿った境界を規定する。リブは、エーロフォイルの対応する加圧側及び吸引側の形状に倣った空気力学的プロファイルを有する。先端部フロア40は通常は中実であるが、任意の従来の方法により内部冷却回路から使用済み空気の一部を排出するための複数の小さな冷却穴又は除塵穴(図示せず)を有してもよい。
図1及び図3に示されるように、エーロフォイル先端部は、前縁部24と反対側の後縁部26との間で翼弦方向後方へ延出する弓形又は凸形の先端部バッフル又はリブ42を更に含む。先端部バッフル42は、2つのリブ36、38の間に周囲方向又は横方向に組込まれ、エーロフォイルの凸形の吸引側の境界を規定する凸形の第2のリブ38の形状に倣った空気力学的プロファイルを有する。組込まれたバッフルは、分離バッフルの両側で第1の先端部空洞又はポケット44及び第2の先端部空洞又はポケット46にエーロフォイル先端部30を二分割する。それらのポケットの外側境界は、対応するリブ36、38により規定される。
前述のように、2つのリブ36、38は、エーロフォイルの対応する加圧側側壁及び吸引側側壁の短い半径方向延長部分であり、タービンブレードの性能及び寿命を改善するためのくぼんだ先端部ポケットを導入する。狭いリブは、タービンにおいて偶発的に起こる先端部摩擦に対応し、内部冷却回路32を摩擦から保護してもよい。しかし、先端部ポケットは、動作中に燃焼ガスがタービンブレードの加圧側と吸引側との間で先端部を越えて漏れ出すときに燃焼ガスが流れる局所領域を更に形成する。
先端部バッフル42は、第2の先端部リブ38より翼弦方向に短いが、タービンブレードの性能を改善するために、凸形の空気力学的プロファイルを共有する。バッフル42の凸形の翼弦方向プロファイルは、第2のリブ38の凸形の翼弦方向プロファイルと相似形である。第2の先端部ポケット46が、エーロフォイルの相対的に薄く且つ収束する形状の後方部分において、加圧側の第1のリブ36に沿って第1の先端部ポケット44の後方まで延在するように、バッフル42の翼弦方向プロファイルは、第2のリブ38の翼弦方向プロファイルより適切に短くなっている。
図4は、関連部分において示される従来のタービンシュラウド48の内側に適切に装着された境界を規定する加圧側リブ36と吸引側リブ38との間の相似形先端部バッフル42を示した半径方向断面図である。エーロフォイル先端部は、従来の超合金から一般的な方法により各部品を一体に鋳造することにより製造されるのが好ましい。
2つのリブ36、38とそれらに相似する形状の先端部バッフル42とは、先端部フロア40から等しい高さ又は翼幅で一体の構体として協働し、周囲を取り囲むタービンシュラウド48の内面との間に相対的に狭い空隙又は間隙を規定する同一面上の半径方向外側の先端部面を実現する。このようにして、動作中、エーロフォイル先端部を越えてブレードとシュラウドとの間の間隙を通る燃焼ガス18の漏れを最小限に抑えることができる。
図3に示されるように、先端部を含めたエーロフォイルは、前縁部とその反対側の後縁部との間で、加圧側とその反対側の吸引側との間の中間線又は中央面線を表す従来の弓形のキャンバー線50を含めて、典型的な三日月形の空気力学的プロファイルを有する。加圧側20は凹形であり、第1の先端部リブ36は、加圧側に倣った凹形のプロファイルを有する加圧側の半径方向延長部分である。反対側の吸引側22は凸形であり、第2のリブ38は、吸引側22に滑らかにつながるように、吸引側から半径方向外側へ延出する。
これに対応して、先端部バッフル42は、エーロフォイルの弓形のキャンバー線50にほぼ従うように両側の先端部リブ36、38の間に導入される。従って、先端部バッフル自体は、翼弦プロファイルにおいては凸形であり、第2のリブ38の対応する凸形プロファイルに倣う凸形のプロファイルを有する。
図2に最初に示されるように、エーロフォイル12の横方向幅Wは、前縁部24から特定の半径方向断面について最大の横方向幅を有するハンプ52まで増加又は拡張する。その後、エーロフォイル12の幅は、ハンプ52から後縁部26に向かって後方へ減少又は縮小する。その結果形成されるエーロフォイルの空気力学的プロファイルは、エーロフォイルの前方部分又は前半分においては相対的に大きな凸形の湾曲を含み、エーロフォイルの収束形状の後方部分又は後半分においては相対的に小さな湾曲を含み、後縁部において相対的に細くなる。
図3に示されるように、凸形の先端部バッフル42は、エーロフォイル先端部の横方向中央部の付近のエーロフォイル先端部のハンプ52の場所においてキャンバー線50の形状にほぼ従った形状となるように、第1のリブ36とその反対側の第2のリブ38との間で離間して配置されるのが好ましい。この構成においては、凸形バッフル42は、エーロフォイル先端部のほぼハンプ領域(湾曲凸部先端領域)における第1のリブ36の形状より、その反対側の凸形の第2のリブ38の形状により類似した形状を有する。
図3に示される第1のリブ36は、エーロフォイル加圧側20の凹形のプロファイルに従った形状であるので、その外面も同様に凹形であるが、内面は、第1のポケット44と境を接する場所において相応して凸形である。
これに対応して、第2のリブ38は、吸引側22の凸形のプロファイルに従った形状である。第2のリブ38の外面は吸引側22と同一の面にあり、同様に凸形であるが、第2のリブ38の内面は、第2の先端部ポケット46と境を接する場所において相応して凹形である。
先端部バッフル42は、第2のリブ38の凸形輪郭に従った輪郭形状を有し、従って、第2のリブ38に面する凸形の外面と反対側の第1のリブ36に面する相応して凹形の内面とを有する。
図4に示される第2のリブ38及び先端部バッフル42は、ほぼ矩形の半径方向断面を有し、約25〜35mil(0.6〜0.9mm)の共通する厚さを有してもよい。それらに共通する高さは約40mil(1.0mm)である。
図4に示される第1のリブ36は一部破線で示されるほぼ矩形の横断面を有するが、図4に示される実施形態は弓形のフレア54を更に含む。フレア54は、タービンブレードの独立した開発特徴に従って空気力学的性能を向上するために使用されてもよい。フレア54は、加圧側20と第1のリブ36の半径方向外側の面との間に滑らかにつながる弓形の隅肉を形成し、それに相応して、フレア54において第1のリブ36の厚さが増加する。
先端部バッフル42の長手方向長さは、両側のリブ36、38より短いのが好ましいので、図3に示されるように、先端部バッフル42は、前縁部24とハンプ52との間で、好ましくは前縁部24に近い場所で第2のリブ38と一体に始まるのが好ましい。
それに対応して、バッフル42は、翼弦方向にハンプ52と後縁部26の間であって第2のリブ38の後端部の前方の位置で反対側の第1のリブ36と一体に終わるのが好ましい。これにより、収束する形状の第2のポケット46は、先端部バッフル及び第1のポケット44から後方まで延在できる。2つのリブ及びバッフルの長手方向プロファイルは連続しており、第2のポケット46は、第1の先端部ポケット44を越えて伸びる2つのリブ36、38の後方延長部分により境界を規定される。
エーロフォイルの収束する形状の後縁部領域から上流側へ相当の距離をおいた場所において第1のポケット44を終端することにより、第2のポケット46は、エーロフォイルの性能に悪影響を及ぼすほど第2のポケットの幅を過剰に狭くすることなく、第2のポケットを通過する燃焼ガスを搬送するための適切な幅を維持する。
凸形の先端部バッフル42の形状と図3に示される凸形の第2のリブ38の形状との相似性を最大限にするために、先端部バッフルの前端部は、エーロフォイル先端部における下流側ハンプ52より前縁部24に近接する位置で第2のリブ38の前端部に接合するのが好ましい。
その一方で、第1のポケット44の幅が第2のポケット46の対応する部分の幅より横方向に広くなるように、先端部バッフル42の前端部は前縁部24からわずかに離間して配置されるのが好ましい。バッフル42は、エーロフォイルの前縁部領域から後方へ延在し、2つの先端部ポケット44、46は、それに相応して後方へ延在し、ポケットの幅は、2つのリブ36、38及びそれらの間に配置されたバッフル42のそれぞれ対応するプロファイルに従って最初は拡張する。
バッフル42が凸形の湾曲を有することにより、バッフルの前端部は、第2のポケット46の前方部分の境界を規定する鋭角の開先角度で第2のリブ38と接線方向に融合する。
これに対応して、バッフル42の後端部は、浅い開先角度で第1のリブ36と接線方向に融合し、第1のポケット44の後端部の境を接するのが好ましい。バッフル42の後端部と第1のリブ36との接合部は、下流側又は第1のポケットの後端部から後方で第2のポケット46の後端部と境を接する。
エーロフォイル先端部の後縁部26よりハンプ52により近接する位置にバッフル42の後端部を接合することによって、エーロフォイルの細い後縁部領域において、第2のポケット46の横方向幅を最大にしてもよい。
通常、エーロフォイルの最大幅のハンプ領域は、エーロフォイルの翼弦長の初めの50%の中で現れる。ハンプは、動作中に燃焼ガスからエネルギーを抽出するために、エーロフォイルの両側における差圧を最大限にする。先端部バッフル42の終端は、前縁部から翼弦長の約75%までの全般領域の中で、後縁部よりハンプ領域により近接して位置するのが好ましい。
図3に示されるエーロフォイル先端部のハンプ部分において、凸形バッフル42は、キャンバー線が延在する場所であるエーロフォイルの横方向中央部の付近に離間配置される。図4に更に示されるように、この翼弦部分において第2のポケット46が第1のポケット44よりわずかに狭くなるように、先端部バッフルは、第1のリブ36より第2のリブ38に近接して離間配置されるのが好ましい。
図3に示されるように、2つのポケット44、46の幅は、最初は前縁部とハンプとの間で拡張するが、ハンプ52と後縁部26との間では後方に向かって横方向に縮小する。
また、エーロフォイル先端部のハンプ52において、先端部バッフル42及び第2のリブ38は、エーロフォイル効率を最大限にするために、同様にほぼ最大の凸形湾曲及びキャンバーを有する。空気力学的性能を改善する際の先端部バッフル42の効果を最大限にするために、先端部バッフル42は、最大凸形湾曲のハンプ領域においてキャンバー線に沿ってエーロフォイル先端部に選択的に導入される。
先に示したように、タービンブレードの空気力学的性能を評価するため、並びに相似形先端部バッフル42の構成の変化及びそれがタービンブレード性能に及ぼす効果を判定するために、CFD解析が使用されてもよい。
加圧側フレア54を含む場合及び含まない場合の双方に関して、図1〜図4に示される先端部構造の実施形態に対して比較CFD解析を実行した。フレア54を含まず第1のリブ36が単純な矩形の横断面を有する場合、先端部バッフル42は、先端部バッフルを含まない基準エーロフォイル先端部と比較して、タービン効率を著しく改善すると予測される。これに相応して、先端部バッフル42は、エーロフォイル先端部を越える燃焼ガスの漏れも著しく減少すると予測される。
加圧側フレア54の導入は、先端部バッフル42の導入とは関係のない改善手段である。CFD解析は、張り出し部分であるフレアを組み込むことによってタービン効率が更に向上すると予測する。向上の大きさは、バッフル自体による効率改善のほぼ2倍である。従って、先端部バッフル42と共にフレア54を導入することにより、先端部漏れは2倍以上減少すると予測される。
図3は、動作中に燃焼ガス18がエーロフォイル先端部を越えて下流側へ流れる間の燃焼ガス18の流線の例を示す。先端部バッフル42は、エーロフォイル先端部を周囲方向に仕切るため、エーロフォイルの両側に沿って後方へ延在する互いに隣接する2つのポケット44、46が形成される。
流入する流れの流線は、前縁部24に沿って側方へ広がり、第2のリブ38の前方部分を越えて軸方向下流側の方向に2つの先端部ポケット44、46の中へ漏れ出す。先端部を分割する先端部バッフル42は、先端部流れに対して追加の流れ制限を導入すると共に、その流れを2つのくぼんだポケット44、46を通して下流側へ案内する。
2つのポケットの中で、流れの流線に二次流れ渦が発生し、ポケットが収束するにつれて、それらの渦は後方へ流れる。第1のポケット44により捕捉された先端部漏れの部分は、先端部バッフル42の後端部を越えて排出され、第2のポケット46の後端部に入る。合流したガスは、第2のポケット46から第2のリブ38を越えて後縁部に向かって横方向に漏れ出す。
ガスの別の部分は、第1のリブ36の後端部を越え、第2のポケット46の後端部を越えて横方向へ漏れ出し、第2のリブ38を越えて排出される。
従って、エーロフォイルの加圧側と吸引側との間の流れ漏れの軸方向成分及び周囲方向成分は、相似形先端部バッフル42及びそれに対応する2つのポケット44、46の導入により影響を受ける。凸形の先端部バッフル42は、漏れ流れからエネルギーを抽出できるもう1つの凸面を提供するので、漏れ流れ自体の量が減少する。
エーロフォイル先端部を3つのくぼんだ先端部ポケットに仕切るために、第2の凸形先端部バッフルを導入することは可能であるが、第2のバッフルの導入は不都合であるように思われる。特に収束する形状の後方部分において、エーロフォイル先端部は相対的に狭い。先端部ポケットのうちいずれか1つのポケットの横方向幅があまりに狭すぎると、そのように狭いポケットは、先端部流れを捕捉してポケット内部で渦を案内する能力を失う。
狭すぎる先端部ポケットは、中実のエーロフォイル先端部のように、単にポケットを越えて先端部漏れを流すだけである。その結果、タービン効率が低下すると共に、先端部漏れが増加してしまう。
先端部バッフル42は、エーロフォイルの高キャンバー領域に選択的に導入されるので、吸引側ポケット46の横方向幅は、エーロフォイルが相対的に狭くなる後縁部から上流側で終端する翼弦方向長さの全長にわたり相対的に広いままである。
これに対応して、凸形のバッフル42がエーロフォイル先端部を2つの相対的に幅広の部分に分割するため、加圧側ポケット44の横方向幅は相当に広くなる。
また、改善された先端部性能を確保するために、2つのポケットの各々の最小横方向幅は約40mil(1.0mm)であってもよい。
本発明の好適な実施形態であると考えられるものを説明したが、以上の教示から、本発明の他の変形は当業者には明らかであろう。従って、本発明の真の趣旨の範囲内に入るそのような変形の全ては添付の特許請求の範囲において保護されることが望まれる。
従って、合衆国特許法により保護されることが望まれるものは、添付の特許請求の範囲において定義され且つ区別されるような発明である。
第1段タービン動翼の一例を示した部分断面等角投影図である。 図1に示されるエーロフォイルの線2‐2に沿った半径方向断面図である。 図1に示されるエーロフォイル先端部を示した平面図である。 図1に示されるエーロフォイル先端部をその周囲を取り囲むタービンシュラウドと共に示した図1の線4‐4に沿った横方向半径方向断面図である。
符号の説明
10…第1段タービン動翼、12…エーロフォイル、14…プラットフォーム、16…支持ダブテール、18…燃焼ガス、20…加圧側、22…吸引側、24…前縁部、26…後縁部、28…(エーロフォイルの)根元部、30…先端部、32…冷却回路、36…第1の先端部リブ、38…第2の先端部リブ、40…先端部フロア、42…先端部バッフル、44…第1の先端部ポケット、46…第2の先端部ポケット、52…ハンプ、54…弓形のフレア

Claims (9)

  1. エーロフォイル(12)、プラットフォーム(14)及び一体のダブテール(16)を備えるタービンブレード(10)であって、
    前記エーロフォイル(12)は、前縁部(24)とその反対側の後縁部(26)との間に翼弦方向に延在し且つ根元部(28)から先端部(30)まで翼幅方向に延在する凹形の加圧側(20)及び横方向にその反対側に位置する凸形の吸引側(22)を含み、
    前記エーロフォイル(12)の幅は、前記前縁部(24)から最大幅を有するハンプ(52)まで後方へ増加し、前記ハンプから前記後縁部(26)まで後方へ減少し;
    前記エーロフォイルの先端部(30)は、共通の先端部フロア(40)から外側へ延出し、且つ前記加圧側及び前記吸引側の形状に相似する形状をそれぞれ成すように、前記前縁部(24)及び前記後縁部(26)において互いに一体に接合される第1のリブ(36)及び横方向にその反対側に位置する第2のリブ(38)を含み、
    前記タービンブレード(10)は更に、前記前縁部と前記後縁部(26)との間で翼弦方向後方に延在し、前記第1のリブ(36)と前記第2のリブ(38)との間に横方向に組込まれ、前記第1のリブ(36)と前記第2のリブ(38)と一体で鋳造され、前記エーロフォイル先端部(30)を前記第1のリブ(36)及び前記第2のリブ(38)により境界を規定される第1の先端部ポケット(44)及び第2の先端部ポケット(46)に二分割する先端部バッフル(42)を備え、
    前記先端部バッフル(42)は、前記第2のリブ(38)に向かって凸形状であり、
    前記第2の先端部ポケット(46)が、前記第1のリブ(36)に沿って前記第1の先端部ポケット(44)の後方へ延在し、
    前記先端部バッフル(42)は、前記エーロフォイル先端部(30)の前記ハンプ領域において、前記第1のリブ(36)より前記凸形の第2のリブ(38)の形状に更によく相似するように、前記第1のリブ(36)と前記第2のリブ(38)との間に離間配置される、
    タービンブレード(10)。
  2. 前記先端部バッフル(42)は、前記前縁部(24)と前記ハンプ(52)との間で前記第2のリブ(38)と一体の状態で始まり、前記先端部フロア(40)の上方において同一の高さとなるように前記ハンプ(52)と前記後縁部(26)との間で前記第1のリブ(36)と一体の状態で終端し、前記第2のポケット(46)は、前記第1のポケット(44)の後方で前記第1のリブ(36)及び前記第2のリブ(38)の双方により境界を規定される請求項1記載のブレード。
  3. 前記先端部バッフル(42)は、前記ハンプ(52)より前記前縁部(24)に近接する位置で前記第2のリブ(38)に接合する請求項2記載のブレード。
  4. 前記先端部バッフル(42)は、前記後縁部(26)より前記ハンプ(52)に近接する位置で前記第1のリブ(36)に接合する請求項3記載のブレード。
  5. 前記先端部バッフル(42)は、前記ハンプ(52)において前記第1のリブ(36)より前記第2のリブ(38)に近接して離間配置される請求項4記載のブレード。
  6. 前記第1の先端部ポケット(44)及び前記第2の先端部ポケット(46)の双方の横方向幅は、前記ハンプ(52)と前記後縁部(26)との間で後方へ縮小する請求項4記載のブレード。
  7. 前記先端部バッフル(42)は、前記第1のリブ(36)に向かって凹形であり、前記第2のリブ(38)に向かって凸形であり、ほぼ一定の厚さを有する請求項4記載のブレード。
  8. 前記先端部バッフル(42)及び前記第2のリブ(38)の双方は、前記ハンプ(52)の付近で最大凸形湾曲を有する請求項4記載のブレード。
  9. 前記先端部バッフル(42)は、前記第2のリブ(38)と鋭角の開先角度を成して前記第2のリブ(38)と接線方向に融合し、前記第1のリブ(36)と接線方向に融合し、前記第2のポケット(46)とその後方で境を接する請求項4記載のブレード。
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