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JP5333816B2 - ガラス板の切線加工装置及び切線加工方法 - Google Patents

ガラス板の切線加工装置及び切線加工方法 Download PDF

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Description

本発明はガラス板の切線加工装置及び切線加工方法に係り、特に所定の大きさのガラス板を、FPD(Flat Panel Display)に用いられる矩形状ガラス基板のサイズに切断するために、ガラス板の4辺に切線を加工するガラス板の切線加工装置及び切線加工方法に関する。
液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等のFPD用ガラス基板は、切折工程でガラス板を所定の矩形状サイズに切り折り加工し、これを面取工程でエッジ部を面取り加工することにより、製品外形寸法のガラス基板に加工される。そして、このガラス基板は、面取工程の後段に配された洗浄工程、及び検査工程を経て表面研磨工程に移送され、ここで製品厚さのガラス基板に加工される。
ところで、前記切折工程に設置されたガラス板の切線加工装置は、ガラス板を矩形状に加工するためにガラス板の表面上でカッターを走行させてガラス板の表面に、X方向の2本の切り線と、X方向に直交するY方向の2本の切り線と、を加工する装置であり、特許文献1等にその一例が開示されている。
特許文献1のガラス板の切線加工装置は、ブリッジフレームに備えられてカッターをX軸方向に直動させるX方向直動手段と、前記ブリッジフレームをボールねじ装置によってY軸方向に直動させるY軸直動手段と、から構成されている。
すなわち、特許文献1の切線加工装置は、前記X方向直動手段及びY軸直動手段によって1台のカッターをガラス板の表面上においてX、Y方向に交互に走行させることにより、ガラス板の表面に4本の切線を加工する装置である。
一方、他の切線加工装置として、X方向に移動するXフレームに2台のカッターが搭載されるとともに、Y方向に移動するYフレームに2台のカッターが搭載された切線加工装置が知られている。この切線加工装置は、まず、Xフレームをガラス板上で移動させ、Xフレームの2台のカッターによってガラス板にX方向の2本の切線を加工し、次に、Yフレームをガラス板上で移動させ、Yフレームの2台のカッターによってガラス板にY方向の2本の切線を加工する。これにより、ガラス板に4本の切線が加工される。
特開平8−188433号公報
しかしながら、特許文献1の切線加工装置は、1台のカッターをX、Y方向に走行させてガラス板に4本の切線を加工するものなので切線加工に時間がかかるという欠点があった。このように切線加工に長時間を要すると、この切線加工工程がガラス基板製造ラインの律速段階になるので、ガラス基板の生産効率を悪化させていた。
一方、Xフレーム、及びYフレームにそれぞれ2台のカッターが取り付けられた切線加工装置は、XフレームをX方向に移動させ、YフレームをY方向に移動させるだけで4本の切線をガラス板に加工できるため、特許文献1の切線加工装置と比較して切線加工時間を短縮することができる。しかしながら、この切線加工装置は、一辺が2000mmを超えるような大型のガラス板の場合(一辺の切線が長い場合)には、切線加工時間にやはり長時間を要してしまい、これもまた、ガラス基板の生産効率を悪化される要因になっていた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、ガラス基板の生産効率を向上させることができるガラス板の切線加工装置及び切線加工方法を提供することを目的とする。
本発明は、前記目的を達成するために、ガラス板を矩形状に加工するために、カッターを走行させてガラス板の表面に4本の切線を加工するガラス板の切線加工装置において、前記カッターは前記4本の切線に対応して4台備えられ、該4台のカッターがそれぞれ走行移動手段を有し、前記カッターは、該カッターの走行方向に対し直交方向に移動自在に支持され、前記カッターの走行方向の直線移動軌跡が、予め設定された切線軌跡に合致するように、更に前記カッターの走行案内部材の直進精度を補完するように、該直交方向の移動量が制御されることを特徴とするガラス板の切線加工装置を提供する。
本発明は、前記目的を達成するために、ガラス板を矩形状に加工するために、カッターを走行させてガラス板の表面に4本の切線を加工するガラス板の切線加工方法において、前記4本の切線に対応して備えられた4台のカッターを、該4台のカッターがそれぞれ有する走行移動手段によって同時に走行移動させ、前記カッターは、該カッターの走行方向に対し直交方向に移動自在に支持され、前記カッターの走行方向の直線移動軌跡が、予め設定された切線軌跡に合致するように、更に前記カッターの走行案内部材の直進精度を補完するように、該直交方向の移動量を制御して、4本の切線を同時に加工することを特徴とするガラス板の切線加工方法を提供する。
本発明によれば、4本の切線に対応して、それぞれの走行移動手段により走行移動するカッターを4台備え、その4台のカッターを同時に走行移動させて4本の切線を同時に加工する。これにより、本発明は、切線1本分の加工時間で全て(4本)の切線を加工するため、切線加工時間を大幅に短縮できる。よって、本発明は、ガラス基板の生産性を向上させることができる。
また、本発明において、前記カッターは、該カッターの走行方向に対し直交方向に移動自在に支持され、該直交方向の移動量が制御されることが好ましい。これにより、本発明は、4本の切線の直角度と平行度の微妙な精度補正が可能となる。
更に、本発明において、隣接する前記カッターの走行案内部材が高さを違えて配置され、低い側の走行案内部材に支持されたカッターが、高い側の走行案内部材の下方位置を走行移動するとともに、高い側の走行案内部材に支持されたカッターが、低い側の走行案内部材の上方位置を走行移動することが好ましい。これにより、本発明は、カッターがガラス基板の端まで走行移動することができるので、4本の切線がガラス板の一方の端から他方の端まで加工でき、隣り合う切り線が繋がったものとなるので、折り工程において欠け等の無い品質のよいガラス基板を製造できる。
本発明に係るガラス板の切線加工装置及び切線加工方法によれば、4本の切線毎に、それぞれ単独で走行移動するカッターを4台備え、その4台のカッターを同時に走行移動させて4本の切線を同時に加工するようにしたので、切線加工時間を大幅に短縮でき、これによって、ガラス基板の生産性を向上させることができる。
以下、添付図面に従って本発明の実施の形態に係るガラス板の切線加工装置及び切線加工方法の好ましい形態について詳説する。
図1は、実施の形態のガラス板の切機(切線加工装置)10を示した全体斜視図であり、図2は切機10の平面図である。
これらの図に示す切機10は、基台12上にガラス吸着テーブル14が水平に設置され、このガラス吸着テーブル14に吸着保持されたガラス板16上で4台のカッターヘッド18、20、22、24が所定の方向に走行移動することにより、X方向の2本の切り線と、X方向の切線と略直角に交わるY方向の2本の切り線と、である4本の切線A、B、C、Dをガラス板16に加工する装置である。これにより、ガラス板16から矩形状のガラス基板が切り出される。また、カッターヘッド18〜24の下部には、回転自在な円盤状のカッター19、21、23、25が取り付けられている。これらのカッター19〜25が所定の圧力でガラス板16の表面に押圧され、後述する走行移動手段によりガラス板16の各辺16A、16B、16C、16Dに沿って単独で同時に走行移動されることにより、切線A〜Dがガラス板16の各辺16A〜16Dに沿って同時に加工される。なお、ガラス吸着テーブル14は、表面が矩形状に形成されるとともに全体が箱型に構成されており、その平坦な表面に形成された不図示の吸引孔に矩形状のガラス板16が吸着保持されて位置決めされている。なお、切機10によって切線が加工されて切り出されるガラス板16の好適なサイズは、1500×1800mm以上の大きさで厚さが0.1〜3.0mmのガラス板である。
カッターヘッド18〜24は、ロッド26、28、30、32を介してスライダ34、36、38、40に取り付けられている。また、ロッド26〜32は、切線A〜Dに対し直交する方向に移動自在にスライダ34〜40に支持されており、図3に示すサーボ機構50、52、54、56により前記直交する方向の移動量が切線A〜Dの位置に応じて制御されている。これにより、カッター19〜25の走行方向の直線移動軌跡を、予め設定された切線軌跡に合致するように補完することができる。
図3に示す制御部58は、切機10の駆動部全般を統括制御するマイコンであり、外部記憶装置である記憶部60に記憶された補完情報に基づいてサーボ機構50〜56を制御している。すなわち、記憶部60には、カッター19〜25の走行方向の直線移動軌跡を予め設定された切線軌道に合致させるための、カッター走行位置に応じた補完情報が記憶されている。制御部58は、その補完情報に基づいてサーボ機構50〜56を制御し、カッター19〜25の走行方向の直線移動軌跡を予め設定された切線軌跡に合致させて切線A〜Dを加工する。
図1、図2に示すようにスライダ34、38は、ガラス吸着テーブル14の側面であって、ガラス板16の辺16A、16Cに沿って平行に敷設されたガイドレール(走行案内部材)42、46にスライド移動自在に取り付けられている。また、走行移動手段である図3の送りねじ装置62、66のねじ棒(不図示)がガイドレール42、46と平行に配設されてスライダ34、38に螺合されている。したがって、スライダ34、38は、送りねじ装置62、66の駆動力によって、ガラス板16の板の辺16A、16Cの一方の端の手前から他方の端を越えて移動される。この移動により、カッター19がガラス板16の辺16A、16Cに沿って走行移動されるので、切線A、Cがガラス板16に加工される。なお、前記ねじ棒は、ガラス吸着テーブル14に設置されている。
スライダ36、40は、ガラス板16の辺16B、16Dに沿って平行に立設されたガイドレール(走行案内部材)44、48にスライド移動自在に取り付けられている。このガイドレール44、48は、基台12上に立設されている。また、走行移動手段である図3の送りねじ装置64、68のねじ棒(不図示)が、ガイドレール44、48に設置されるとともに、ガイドレール44、48と平行に配設されてスライダ36、40に螺合されている。したがって、スライダ36、40は、送りねじ装置64、68が駆動されると、ガラス板16の板の辺16B、16Dの一方の端の手前から他方の端を越えて移動される。この移動により、カッター21、25がガラス板16の辺16B、16Dに沿って走行移動されるので、切線B、Dがガラス板16に加工される。
このように構成された切機10によれば、4本の切線A〜Dに対応する、それぞれの走行移動手段である送りねじ装置62〜68により単独で走行移動するカッター19〜25を4台備えている。そして、制御部58が送りねじ装置62〜68を同時に駆動制御し、4台のカッター19〜25を同時に走行移動させて4本の切線A〜Dを同時に加工する。なお、走行移動手段は、ベルト送り装置でもよく、カッターを所定の速度で移動させることができるものであれば良い。
これにより、実施の形態の切機10は、切線1本分の加工時間で4本の切線A〜Dを加工することができるため、従来の切線加工装置と比較して切線加工時間を大幅に短縮できる。よって、実施の形態の切機10によれば、ガラス基板の生産性を向上させることができる。なお、切線加工は各々のカッターヘッドが干渉しなければ同時に動作開始しなくてもよく、タイミングを変えて動作してもよい。また、切線加工速度は、同速度でもよいが、ガラス板のX方向とY方向の辺の長さが異なる場合、切線加工時間が合うように、切線加工速度をX方向とY方向で変えてもよい。
また、この切機10のカッター19〜25は、前述したように切線A〜Dに沿った走行方向に対し直交する方向の移動量がサーボ機構50〜56によって制御されているので、カッター19〜25の走行方向の直線移動軌跡を、予め設定された切線軌跡に合致するように補完することができる。これにより、実施の形態の切機10は、予め設定された切線軌跡に沿ってカッター19〜25が走行移動するので、ガラス板が予め設定された寸法に切り折りされる。
ところで、サーボ機構50〜56によってカッター19〜25の直線移動軌跡を前述の如く補完しない場合、カッター19〜25はガイドレール42〜48の直進精度のみに依存して走行移動することになる。最近のガラス基板の寸法精度は、一辺が2000mmを超えるものについても、その幅寸法の誤差が±0.1mm(片側±0.05mm)程度が必要とされており、前記精度を満足するようにガイドレール42〜48を調整することは困難である。
そこで、実施の形態の切機10では、カッター19〜25の走行方向の直線移動軌跡を、予め設定された切線軌跡に合致するように、カッター19〜25の走行方向と直交する方向の移動量をサーボ機構50〜56によって補完(ガイドレールの精度を補完)できるので、ガイドレール42〜48の微妙な調整が不要であり、より精度の良い切寸法のガラスを得ることができる。
この効果は、次工程の面取工程に波及する。すなわち、前工程の切折工程でガラス板16がより精度よく切り折りされるため、次工程の面取工程においては、面取りの研削代も各辺で均等になり、また少量となる。よって、面取工程における面取加工時間を短縮でき、かつ面取砥石の長寿妙化を図ることができるという効果も得られる。
また、実施の形態の切機10によれば、図1に示すように隣接するカッター19〜25のガイドレール42〜48が高さを違えて配置されている。すなわち、ガイドレール42に対してガイドレール44が高く、ガイドレール44に対してガイドレール46が低く、ガイドレール46に対してガイドレール48が高く設定されている。また、ガイドレール42とガイドレール46が同じ高さに、ガイドレール44とガイドレール48が同じ高さに設定されている。
そして、低い側のガイドレール42、46に支持されたカッターヘッド18、22が、その走行移動端において図1の如く高い側のガイドレール44、48の下方を走行移動できるとともに、高い側のガイドレール44、48に支持されたカッターヘッド22、24が、低い側のガイドレール42、46の上方位置を走行移動できる。
上記ガイドレール構造の利点を説明する。
図1の如くガラス板16をガラス吸着テーブル14に水平に固定し、4台のカッターヘッド18、20、22、24をそれぞれガイドレール42、44、46、48に支持させて走行移動させる切機10であって、4本の切線A〜Dをガラス板16に加工して矩形状のガラス基板を切り出す切機10の場合、各ガイドレール42、44、46、48の高さを全て同じ高さに設定すると、カッター19〜25の走行移動端において隣接するガイドレール42、44、46、48の端部同士が干渉するため、カッターヘッド18、20、22、24を走行移動端まで走行移動させることができず、4本の切線を交差させることが困難になる。4本の切線を交差させないと、折り工程でガラス基板の隅部に欠けが発生することがあり、品質のよいガラス基板の製造が困難になる。したがって、4本の切線を交差させるため、カッターヘッド18、20、22、24にもう一軸駆動装置を取付ける等の対策が必要になり装置の構造が複雑になる。
そこで、実施の形態の切機10では、隣接するガイドレール42〜48の高さを違えて配置することにより、低い側のガイドレール42、46に支持されたカッターヘッド18、22が、高い側のガイドレール44、48の下方を走行移動可能とし、高い側のガイドレール44、48に支持されたカッターヘッド20,24が、低い側のガイドレール42、46の上方を走行移動可能とした。
これにより、実施の形態の切機10は、簡単な構造でカッターヘッド18、20、22、24がガラス板16の1辺の一方の端から他方の端まで走行移動することができるので、隣合う4本の切線A〜Dが交差し、折り工程において欠け等の無い品質のよいガラス基板を製造できる。
なお、切線加工の方法はホイルカッターに限定されず、レーザーカッティングでもよい。
実施の形態の切機の全体構造を示した斜視図 実施の形態の切機の平面図 図1に示した切機の構成を示すブロック図
符号の説明
10…切機、12…基台、14…ガラス吸着テーブル、16…ガラス板、16A、16B、16C、16D…ガラス板の辺、18、20、22、24…カッターヘッド、19、21、23、25…カッター、26、28、30、32…ロッド、34、36、38、40…スライダ、42、44、46、48…ガイドレール、50、52、54、56…サーボ機構、58…制御部、60…記憶部、62、64、66、68…送りねじ装置

Claims (3)

  1. ガラス板を矩形状に加工するために、カッターを走行させてガラス板の表面に4本の切線を加工するガラス板の切線加工装置において、
    前記カッターは前記4本の切線に対応して4台備えられ、該4台のカッターがそれぞれ走行移動手段を有し、
    前記カッターは、該カッターの走行方向に対し直交方向に移動自在に支持され、前記カッターの走行方向の直線移動軌跡が、予め設定された切線軌跡に合致するように、更に前記カッターの走行案内部材の直進精度を補完するように、該直交方向の移動量が制御されることを特徴とするガラス板の切線加工装置。
  2. 隣接する前記カッターの走行案内部材が高さを違えて配置され、低い側の走行案内部材に支持されたカッターが、高い側の走行案内部材の下方位置を走行移動するとともに、高い側の走行案内部材に支持されたカッターが、低い側の走行案内部材の上方位置を走行移動する請求項1に記載のガラス板の切線加工装置。
  3. ガラス板を矩形状に加工するために、カッターを走行させてガラス板の表面に4本の切線を加工するガラス板の切線加工方法において、
    前記4本の切線に対応して備えられた4台のカッターを、該4台のカッターがそれぞれ有する走行移動手段によって同時に走行移動させ、
    前記カッターは、該カッターの走行方向に対し直交方向に移動自在に支持され、前記カッターの走行方向の直線移動軌跡が、予め設定された切線軌跡に合致するように、更に前記カッターの走行案内部材の直進精度を補完するように、該直交方向の移動量を制御して、4本の切線を同時に加工することを特徴とするガラス板の切線加工方法。
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