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JP5328173B2 - インクジェット記録用インクセット及び画像記録方法 - Google Patents

インクジェット記録用インクセット及び画像記録方法 Download PDF

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Description

本発明は、2液凝集型のインクジェット記録用インクセット及びこれを用いた画像記録方法に関する。
インクジェット記録用の被記録媒体としては、様々な記録媒体が検討されており、市販の普通紙でも高品位の画像を形成し得る技術が求められている。また、インクにおいても、耐水性や耐光性などを与えるインク材料として、顔料などの色材の検討が行なわれている。
ところが、普通紙を用いて記録を行なう場合に、滲みが大きく充分な画像濃度や定着性が得られない場合がある。特にインクジェット記録の高速化に対する要求は高く、シャトルスキャン方式ではなく、1回のヘッド操作で記録可能なシングルパス方式で高速記録する場合の記録適性が求められている。
様々な被記録媒体に画像形成した場合において、高い定着性、2次色の色再現域拡大、高速印字における光学濃度の確保、滲み防止といった課題を解決する方法として、顔料粒子を含有する第一の液体と、プリント性を向上させる液体組成物を含有する第二の液体との2種の液体を用いる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この方法においては、第一の液体に含有される顔料の粒子径、具体的には粒径150nm以上の粗大粒子の占有比率を減らすことにより、かかる課題を解決できるとされている。
また、平均粒径が小さく、サイズ均一性の高い高分子顔料微粒子が分散状態で含有された液体組成物の製造方法に関する開示がある(例えば、特許文献2参照)。ここでは、1液で記録する記録方法が主に記載されており、着色された液体組成物以外の第2の液体を用いた画像固定プロセスに関しては、多価カチオンを用いる方法が記載されている。
特開2007−261206号公報 特開2007−119586号公報
しかしながら、上記した第一の液体と第二の液体の2種の液体を用いる方法では、近年のインクジェット記録の高速化の要求に対応しようとすると、画像滲みや乾燥等に伴なうひび割れ等の画像変形、耐光性の低下を招くといった課題がある。
また、上記従来の液体組成物の製造方法では、画像滲み、画像変形に対して満足できる改善効果は得られない。
本発明は、上記に鑑みなされたものであり、耐光性に優れると共に、画像滲み、及びひび割れ等の画像変形の発生を防止できるインクジェット記録用インクセット及び画像記録方法を提供することを目的とし、該目的を達成することを課題とする。
本発明は、水性の着色インク中に分散含有される顔料粒子の平均粒子径及び単分散度が所定の範囲内で小さい安定系では、pHを酸性側に変化させる液体を用いることによる、画像滲み及び画像変形の防止、耐光性向上への寄与が大きいとの知見を得、かかる知見に基づいて達成されたものである。
前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
<1> 樹脂粒子、水溶性有機溶媒、水、及びビルドアップ法で作製され、分散されている顔料を含み、前記顔料の平均粒子径が5〜50nmであって、かつ単分散度が1.5以下である第1の液体と、前記第1の液体と接触したときに、前記第1の液体を顔料粒子の分散安定領域から不安定領域に変化させる、有機酸を含む第2の液体と、を有するインクジェット記録用インクセットである。
<2> 前記第1の液体の少なくとも1種は、前記顔料としてマゼンタ色系顔料を含むマゼンタ色系液体であり、更に、平均粒子径が前記マゼンタ色系顔料より30nm以上大きいブラック色系顔料を含むブラック色系液体を有することを特徴とする前記<1>に記載のインクジェット記録用インクセットである。
<3> 前記第1の液体の少なくとも1種は、前記顔料としてシアン色系顔料を含むシアン色系液体であり、更に、平均粒子径が前記シアン色系顔料より30nm以上大きいブラック色系顔料を含むブラック色系液体を有することを特徴とする前記<1>又は前記<2>に記載のインクジェット記録用インクセットである。
<4> 前記第1の液体の少なくとも1種は、前記顔料としてイエロー色系顔料を含むイエロー色系液体であり、更に、平均粒子径が前記イエロー色系顔料より30nm以上大きいブラック色系顔料を含むブラック色系液体を有することを特徴とする前記<1>〜前記<3>のいずれか1つに記載のインクジェット記録用インクセットである。
<5> 前記第1の液体として、ブラック色系液体、シアン色系液体、マゼンタ色系液体、及びイエロー色系液体を少なくとも含むことを特徴とする前記<1>〜前記<4>のいずれか1つに記載のインクジェット記録用インクセットである。
<6> 前記<1>〜前記<5>のいずれか1つに記載のインクジェット記録用インクセットを用いた画像記録方法である。
<7> 第1の液体を付与する工程と、第2の液体を付与する工程とを含むことを特徴とする前記<6>に記載の画像記録方法である。
<8> 前記第2の液体を付与する工程の後に、前記第1の液体を付与する工程を含むことを特徴とする前記<7>に記載の画像記録方法である。
本発明によれば、耐光性に優れると共に、画像滲み、及びひび割れ等の画像変形の発生を防止できるインクジェット記録用インクセット及び画像記録方法を提供することができる。
以下、本発明のインクジェット記録用インクセット及びこれを用いた画像記録方法について詳細に説明する。
<インクジェット記録用インクセット>
本発明のインクジェット記録用インクセットは、樹脂粒子、水溶性有機溶媒、水、及びビルドアップ法で作製され、分散されている顔料を含む第1の液体と、第1の液体を顔料粒子の分散安定領域から不安定領域に変化させる、有機酸を含む第2の液体とを備え、第1の液体と第2の液体との接触時に凝集を起こさせて画像化するものである。本発明のインクジェット記録用インクセットは、第1の液体及び第2の液体をそれぞれ1種含む形態であってもよいし、少なくとも一方を複数種含む形態であってもよい。
(第1の液体)
本発明のインクジェット記録用インクセットにおける第1の液体(以下、「インク組成物」ということがある。)は、樹脂粒子、水溶性有機溶媒、水、及びビルドアップ法で作製され、分散されている顔料を含み、顔料の平均粒子径を5〜50nmとし、かつ単分散度を1.5以下として構成したものである。本発明におけるインク組成物は、樹脂微粒子又はポリマーラテックス(総称して、「樹脂粒子」という。)を含み、必要に応じて、界面活性剤などの他の成分を用いて構成することができる。
本発明においては、インク組成物中に分散含有されている顔料粒子の平均粒子径を5〜50nmの小径領域とし、かつ顔料粒子の単分散度を1.5以下の均一径領域とすることで、後述の第2の液体の作用でpHを酸性側に変化させて画像記録した場合に、画像滲みが抑えられ、溶媒等の蒸発等に伴なって生じ易いひび割れ等の画像変形も抑制されると共に、画像の耐光性も向上する。これにより、インクジェット記録の高速化が可能になり、画像品質及び光堅牢性に優れた画像を例えばシングルパス方式で高速記録することができる。
ここで、顔料の平均粒子径、単分散度について説明する。
〜平均粒子径〜
顔料の平均粒子径は、体積平均粒子径(Mv)をいい、Micorotrac粒度分布測定装置(Version 10.1.2−211BH(商品名)、日機装(株)製)を用い、動的光散乱法により測定されるものである。すなわち、動的光散乱法により顔料の分散状態を評価し、これにより平均粒子径を算出することができる。この原理は次の通りである。
粒子径が約1nm〜5μmの範囲にある顔料粒子は、液中で並進・回転等のブラウン運動により、その位置・方位を時々刻々と変えている。したがって、これらの顔料粒子にレーザー光を照射し、出てくる散乱光を検出すると、ブラウン運動に依存した散乱光強度の揺らぎが観測される。この散乱光強度の時間の揺らぎを観測することで、粒子のブラウン運動の速度(拡散係数)が得られ、さらには粒子の大きさを知ることができる。
本発明における第1の液体(インク組成物)中の顔料の体積平均粒子径Mvは50nm以下であり、30nm以下がより好ましく、20nm以下がさらに好ましい。Mvが50nmを超えると、画像滲み及び画像変形を防止できない。また、極小サイズの微粒子は安定に作製することが難しいことが多く、5nm以上であるのが好ましい。
〜単分散度〜
単分散度は、分散物の分散性を評価する指標となるものであり、動的光散乱法により得られる体積平均粒子径(Mv)及び個数平均粒子径(Mn)の比(Mv/Mn)で表される。体積平均粒子径(Mv)及び個数平均粒子径(Mn)は、Micorotrac粒度分布測定装置(Version 10.1.2−211BH(商品名)、日機装(株)製)を用い、動的光散乱法により測定される。
本発明における第1の液体(インク組成物)中の顔料の単分散度は、顔料粒子のMv/Mnの値が1.5以下であり、1.3以下であることが好ましい。Mv/Mnの値が1.5を超えると、画像滲み及び画像変形を防止できなくなる。
本発明において、顔料の平均粒子径及び単分散度の調整は、後述の顔料の製法で顔料を分散させる際に、例えば、有機顔料を溶解した溶液と水性媒体との接触させる速度(例えば、一方の液を他方の液中に注入するときの注入速度)や温度の調節、分散剤の添加割合、水性媒体のpH調節などによって行なうことができる。
本発明における第1の液体は、水系インクが好ましく、特に水分散性顔料を着色剤として含有することが好ましい。以下、第1の液体を構成する各成分について詳述する。
−顔料−
本発明における第1の液体は、着色剤として顔料の少なくとも1種を分散して含有する。顔料としては、着色により画像を形成する機能を有する任意の顔料を適宜選択することができるが、本発明においては、均一性が保たれるように分散して含有させる観点から、水分散性顔料が好ましい。また、本発明の効果を損なわない範囲で、顔料に加えて染料や他の着色微粒子が含有されてもよい。
前記水分散性顔料の具体例としては、下記(1)〜(4)に示す顔料が挙げられる。
(1)カプセル化顔料、即ち、ポリマー微粒子に顔料を含有させてなるポリマーエマルジョンであり、より詳しくは、親水性水不溶性の樹脂で顔料を被覆し顔料表面の樹脂層にて親水化することで顔料を水に分散したものである。
(2)自己分散顔料、即ち、表面に少なくとも1種の親水基を有し、分散剤の不存在下で水分散性及び水溶性の少なくともいずれかを示す顔料、より詳しくは、主にカーボンブラックなどを表面酸化処理して親水化し、顔料単体が水に分散するようにしたものである。
(3)樹脂分散顔料、即ち、質量平均分子量50,000以下の水溶性高分子化合物により分散された顔料
(4)界面活性剤分散顔料、即ち、界面活性剤により分散された顔料。
上記のうち、(1)カプセル化顔料、(2)自己分散顔料が好ましく、特に好ましくは、(1)カプセル化顔料である。
顔料粒子には、例えば、有機顔料、無機顔料が挙げられ、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、多環式顔料、染料キレート、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、などが挙げられる。これらの中でも、アゾ顔料、多環式顔料などがより好ましい。
前記アゾ顔料としては、例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、などが挙げられる。
前記多環式顔料としては、例えば、フタロシアニン顔料、ぺリレン顔料、ぺリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料、などが挙げられる。
前記染料キレートとしては、例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート、などが挙げられる。
前記有機顔料としては、イエローインクの顔料として、C.I.ピグメント・イエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、14C、16、17、24、34、35、37、42、53、55、65、73、74、75、81、83、93、95、97、98、100、101、104、108、109、110、114、117、120、128、129、138、150、151、153、154、155、180等が挙げられ、特に、C.I.ピグメント・イエロー74が好ましい。
マゼンタインクの顔料として、C.I.ピグメント・レッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、48(Ca)、48(Mn)、48:2、48:3、48:4、49、49:1、50、51、52、52:2、53:1、53、55、57(Ca)、57:1、60、60:1、63:1、63:2、64、64:1、81、83、87、88、89、90、101(ベンガラ)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、163、166、168、170、172、177、178、179、184、185、190、193、202、209、219、269等、及びC.I.ピグメント・バイオレット19が挙げられ、特に、C.I.ピグメントレッド122が好ましい。
シアンインクの顔料として、C.I.ピグメント・ブルー1、2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:34、16、17:1、22、25、56、60、C.I.バットブルー4、60、63等が挙げられ、特に、C.I.ピグメント・ブルー15:3が好ましい。
無機顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエロー、カーボンブラック、などが挙げられる。これらの中でも、カーボンブラックが特に好ましい。なお、前記カーボンブラックとしては、例えば、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたものが挙げられる。
黒色系のものとしては、カーボンブラックの具体例として、Raven7000,Raven5750,Raven5250,Raven5000 ULTRAII,Raven 3500,Raven2000,Raven1500,Raven1250,Raven1200,Raven1190 ULTRAII,Raven1170,Raven1255,Raven1080,Raven1060,Raven700(以上、コロンビアン・カーボン社製)、Regal400R,Regal330R,Regal660R,Mogul L,Black Pearls L,Monarch 700,Monarch 800,Monarch 880,Monarch 900,Monarch 1000,Monarch 1100,Monarch 1300,Monarch 1400(以上、キャボット社製)、Color Black FW1, Color Black FW2,Color Black FW2V,Color Black 18,Color Black FW200,Color Black S150,Color Black S160,Color Black S170,Printex35,Printex U,Printex V,Printex140U,Printex140V,Special Black 6,Special Black 5,Special Black 4A,Special Black4(以上、デグッサ社製)、No.25,No.33,No.40,No.45,No.47,No.52,No.900,No.2200B,No.2300,MCF−88,MA600,MA7,MA8,MA100(以上、三菱化学社製)等を挙げることができる。但し、これらに限定されるものではない。
顔料は、1種単独種で使用してもよく、また、上記した各群内もしくは各群間より複数種選択してこれらを組み合わせて使用してもよい。
〜顔料の製法〜
第1の液体に分散して含有される顔料は、有機顔料を溶解した溶液と水性媒体とを接触させて有機顔料を析出させる方法(以下、「ビルドアップ法」と称する。)により好適に得られる。有機顔料を析出させる際は、有機顔料を溶解した溶液と水性媒体との少なくとも一方の液に分散剤が含有される。例えば、有機顔料を良溶媒(顔料が溶ける溶媒;例えばジメチルスルホキシド等の非プロトン系極性有機溶剤)に溶解した溶液を、ノズルから分散剤を含む貧溶媒(顔料が溶けない水性媒体;水など)中に所定速度(例えば高速)で注入して、連続的に微粒子を析出させることにより顔料粒子が得られる。この方法によると、粒子形成と同時に顔料粒子表面が分散剤で覆われ安定化するため、より微細で粒子径分布の狭い粒子を形成することができる。つまり、溶解した有機顔料を析出させる際に分散剤が存在すると、析出した顔料表面に分散剤が素早く吸着することにより、微細な有機顔料粒子が安定に存在できるものと考えられる。
有機顔料を溶解した溶液と水性媒体とを接触させる方法としては、一方の液に他方の液を添加してもよいし、両者の液を同時に供給し、その後撹拌混合してもよい。添加スピード、撹拌の強度などは、目的に応じて適宜選択することができる。
前記「有機顔料を溶解した溶液」の調製に際し、有機顔料を溶解する方法としては、強い溶解力を持ち、水混和性がある溶媒を用いることが好ましく、例えば、硫酸を用いる方法などが挙げられる。また、有機顔料がキナクリドン系顔料である場合は、溶媒は、非プロトン系極性有機溶剤、水、及びアルカリの混合物であることが好ましい。非プロトン系極性有機溶剤は、具体的には、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、テトラメチル尿素などが挙げられる。非プロトン系極性有機溶剤の使用量は、キナクリドン系顔料に対して5〜20倍量が適当である。非プロトン系極性有機溶剤と水との比率(有機溶剤/水)は、97/3〜70/30(質量比)が好ましい。水が存在しないか少ない場合は、キナクリドン系顔料の完全な溶解が困難であり、また、水の量が多くなり過ぎると再び溶解が困難になる。アルカリの使用量としては、キナクリドン系顔料1モルに対して、1.5モル以上、好ましくは2〜3モルが好ましい。
前記水性媒体は、水又は、水と水性溶剤との混合物が挙げられる。混合物の場合は、水を容積%として50%以上、好ましくは80%以上含む液が好ましい。水性溶剤の具体例としては、後述の水溶性有機溶剤を挙げることができる。
顔料が分散された分散液は、加熱処理又は特定の有機溶媒で洗浄することが好ましい。
特定の有機溶媒としては、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、アルコール系溶媒、芳香族系溶媒、脂肪族系溶媒が好ましく、エステル系溶媒、ケトン系溶媒がより好ましく、エステル系溶媒が特に好ましい。前記エステル系溶媒としては、例えば、酢酸エチル、乳酸エチル、2−(1−メトキシ)プロピルアセテートなどが挙げられる。前記ケトン系溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどが挙げられる。前記アルコール系溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、n−ブタノールなどが挙げられる。前記芳香族系溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどが挙げられる。前記脂肪族系溶媒としては、例えば、n−ヘキサン、シクロヘキサンなどが挙げられる。中でも、アセトン、乳酸エチルが特に好ましい。
上記のように、加熱処理又は特定の有機溶媒での洗浄により、顔料の結晶性が良くなり(強固な結晶が形成)、このような顔料分散液を用いて調製したインク組成物(第1の液体)で記録した画像は耐候性が顕著に向上する。加熱処理の温度(℃)は、40〜100℃が好ましく、40〜90℃がより好ましく、50〜90℃が更に好ましい。また、加熱処理の時間は、10分〜3日間が好ましく、1時間〜3日間がより好ましく、6時間〜2日間が更に好ましい。この間、液は静置しておいてもよいし、撹拌してもよい。
顔料の分散には、分散剤を用いることができる。分散剤は、(1)析出した顔料表面に素早く吸着して、微細な顔料粒子を形成し、かつ(2)これらの粒子が再び凝集することを防ぐ作用を有するものである。
分散剤としては、界面活性剤、高分子、極性置換基が導入された顔料誘導体、ノニオン性、アニオン性、カチオン性、又は両性の化合物などを使用することができる。これらの分散剤は、1種単独で又は2種以上を混合して使用することができる。好ましい態様としては、アニオン性界面活性剤を水性媒体に含有し、かつノニオン性界面活性剤及び/又は高分子を、有機顔料を溶解した溶液に含有する態様が挙げられる。
前記界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤として、アシルメチルタウリン塩、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等を挙げることができる。中でも、アシルメチルタウリン塩が好ましい。アニオン性界面活性剤は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
ノニオン性界面活性剤として、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステルなどを挙げることができる。中でも、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルが好ましい。ノニオン性界面活性剤は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記高分子の具体例としては、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリアクリルアミド、ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール−部分ホルマール化物、ポリビニルアルコール−部分ブチラール化物、ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロック共重合体、ポリアクリル酸塩、ポリビニル硫酸塩、ポリ(4−ビニルピリジン)塩、ポリアミド、ポリアリルアミン塩、縮合ナフタレンスルホン酸塩、スチレン−アクリル酸塩共重合物、スチレン−メタクリル酸塩共重合物、アクリル酸エステル−アクリル酸塩共重合物、アクリル酸エステル−メタクリル酸塩共重合物、メタクリル酸エステル−アクリル酸塩共重合物、メタクリル酸エステル−メタクリル酸塩共重合物、スチレン−イタコン酸塩共重合物、イタコン酸エステル−イタコン酸塩共重合物、ビニルナフタレン−アクリル酸塩共重合物、ビニルナフタレン−メタクリル酸塩共重合物、ビニルナフタレン−イタコン酸塩共重合物、セルロース誘導体、でんぷん誘導体などが挙げられる。その他、アルギン酸塩、ゼラチン、アルブミン、カゼイン、アラビアゴム、トンガントゴム、リグニンスルホン酸塩などの天然高分子類も挙げられる。中でも、スチレン−アクリル酸塩共重合物、スチレン−メタクリル酸塩共重合物が好ましい。高分子は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記のほか、ノニオン性化合物、アニオン性化合物、カチオン性化合物、両性化合物等については、例えば、α,β−エチレン性不飽和基を有するモノマーの共重合体等が挙げられる。
α,β−エチレン性不飽和基を有するモノマーの例としては、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、酢酸ビニル、酢酸アリル、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、クロトン酸エステル、イタコン酸、イタコン酸モノエステル、マレイン酸、マレイン酸モノエステル、マレイン酸ジエステル、フマル酸、フマル酸モノエステル、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、スルホン化ビニルナフタレン、ビニルアルコール、アクリルアミド、メタクリロキシエチルホスフェート、ビスメタクリロキシエチルホスフェート、メタクリロキシエチルフェニルアシドホスフェート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン誘導体、ビニルシクロヘキサン、ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、芳香族基を置換してもよいアクリル酸アルキルエステル、アクリル酸フェニルエステル、芳香族基を置換してもよいメタクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸フェニルエステル、メタクリル酸シクロアルキルエステル、クロトン酸アルキルエステル、イタコン酸ジアルキルエステル、マレイン酸ジアルキルエステル、ビニルアルコール、並びに上記化合物の誘導体等が挙げられる。
前記α,β−エチレン性不飽和基を有するモノマーの単独若しくは複数を共重合して得られる共重合体は高分子分散剤として使用される。具体的には、アクリル酸アルキルエステル−アクリル酸共重合体、メタクリル酸アルキルエステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸アルキルエステル−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニルエステル−メタクリル酸、スチレン−メタクリル酸シクロヘキシルエステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−スチレンスルホン酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−メタクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ポリスチレン、ポリエステル、ポリビニルアルコール等が挙げられる。
分散剤の平均分子量は、重量平均分子量で2,000〜60,000の範囲が好ましい。分散剤の顔料粒子に対する添加比率としては、質量比で10%以上100%以下の範囲が好ましく、20%以上70%以下がより好ましく、更に好ましくは30%以上50%以下である。
−水溶性有機溶媒−
本発明における第1の液体は、水溶性有機溶剤の少なくとも1種を含有する。水溶性有機溶剤は、乾燥防止剤、湿潤剤あるいは浸透促進剤の目的で用いられる。乾燥防止剤としては、噴射ノズルのインク吐出口においてインクが付着乾燥して凝集体ができ、目詰まりするのを防止する目的で用いられ、乾燥防止剤や湿潤剤としては、水より蒸気圧の低い水溶性有機溶剤が好ましい。また、浸透促進剤としては、紙へのインク浸透性を高める目的で用いられる。
本発明における第1の液体に含有する水溶性有機溶剤は、水との相溶性の観点から、乾燥防止剤、湿潤剤又は浸透促進剤としての機能を考慮して公知の水溶性の有機溶剤の中から適宜選択することができる。
水溶性有機溶媒の例としては、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、ジプロピレングリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ペンタンジオール、4−メチル−1,2−ペンタンジオール等のアルカンジオール(多価アルコール類);グルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、アルドン酸、グルシトール、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース等の糖類;糖アルコール類;ヒアルロン酸類;尿素類等のいわゆる固体湿潤剤;エタノール、メタノール、ブタノール、プロパノール、イソプロパノールなどの炭素数1〜4のアルキルアルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテルなどのグリコールエーテル類;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルスルホキシド、ソルビット、ソルビタン、アセチン、ジアセチン、トリアセチン、スルホラン等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
乾燥防止剤や湿潤剤の目的としては、多価アルコール類が有用であり、例えば、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、テトラエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
浸透剤の目的としては、ポリオール化合物が好ましく、脂肪族ジオールとして例えば、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジメチル−1,2−ブタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、5−ヘキセン−1,2−ジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールなどが挙げられる。これらの中でも、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールが好ましい例として挙げることができる。
水溶性有機溶剤は、1種単独で又は2種類以上を混合して使用することができる。
水溶性有機溶剤の第1の液体中における含有量としては、1〜60質量%が好ましく、より好ましくは5〜40質量%である。
−水−
本発明における第1の液体は、水を含有するものであるが、水の量には特に制限はない。中でも、水の好ましい含有量は、10〜99質量%であり、より好ましくは30〜80質量%であり、更に好ましくは50〜70質量%である。
−その他−
本発明におけるインク組成物は、上記の成分に加え、樹脂微粒子又はポリマーラテックス(樹脂粒子)を含み、さらに必要に応じて、例えば、界面活性剤、紫外線吸収剤、褪色防止剤、防黴剤、pH調整剤、防錆剤、酸化防止剤、乳化安定剤、防腐剤、消泡剤、粘度調整剤、分散安定剤、キレート剤等の他の成分を含有してもよい。
前記樹脂微粒子としては、例えば、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン系樹脂、架橋アクリル樹脂、架橋スチレン系樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン系樹脂、パラフィン系樹脂、フッ素系樹脂等の微粒子、又はこれらを含むポリマーラテックスを用いることができる。
アクリル系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、スチレン系樹脂、架橋アクリル樹脂、架橋スチレン系樹脂の微粒子、又はこれらを含むポリマーラテックスを好ましい例として挙げることができる。
樹脂微粒子又はポリマーラテックスを添加してインク組成物を調製する場合、樹脂微粒子又はポリマーラテックスは、定着性を高める点で、顔料分散物を調製する際に顔料等と同時に添加することが好ましい。
樹脂微粒子の重量平均分子量は、1万以上20万以下が好ましく、より好ましくは10万以上20万以下である。
樹脂微粒子の平均粒径は、10nm〜1μmの範囲が好ましく、10〜200nmの範囲がより好ましく、20〜100nmの範囲が更に好ましく、20〜50nmの範囲が特に好ましい。
樹脂微粒子の添加量は、インクに対して、0.5〜20質量%が好ましく、3〜20質量%がより好ましく、5〜15質量%がさらに好ましい。
樹脂微粒子のガラス転移温度(Tg)は、30℃以上であることが好ましく、40℃以上がより好ましく、50℃以上がさらに好ましい。
また、ポリマー粒子の粒径分布に関しては、特に制限はなく、広い粒径分布を持つもの、又は単分散の粒径分布を持つもののいずれでもよい。また、単分散の粒径分布を持つポリマー微粒子を、2種以上混合して使用してもよい。
前記pH調整剤は、調製されるインク組成物に悪影響を及ぼさずにpHを所望の値に調整するものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
pH調整剤としては、例えば、アルコールアミン類(例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−エチル−1,3プロパンジオールなど)、アルカリ金属水酸化物(例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど)、アンモニウム水酸化物(例えば、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物)、ホスホニウム水酸化物、アルカリ金属炭酸塩などが挙げられる。
前記界面活性剤は、表面張力調整剤として用いられ、ノニオン系、カチオン系、アニオン系、ベタイン系の界面活性剤が挙げられる。
界面活性剤は、インクジェット法で良好に打滴するために、インク組成物の表面張力を20〜60mN/mに調整できる量を含有するのが好ましい。中でも、界面活性剤の含有量は、表面張力を20〜45mN/mに調整できる量が好ましく、より好ましくは25〜40mN/mに調整できる量である。
界面活性剤としては、分子内に親水部と疎水部を合わせ持つ構造を有する化合物等が有効に使用することができ、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤のいずれも使用することができる。
アニオン系界面活性剤の具体例としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルポコハク酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、ナトリウムジオクチルスルホサクシネート、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテ硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、t−オクチルフェノキシエトキシポリエトキシエチル硫酸ナトリウム塩等が挙げられ、これらの1種、又は2種以上を選択することができる。
ノニオン性界面活性剤の具体例としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、オキシエチレン・オキシプロピレンブロックコポリマー、t−オクチルフェノキシエチルポリエトキシエタノール、ノニルフェノキシエチルポリエトキシエタノール等が挙げられ、これらの1種、又は2種以上を選択することができる。
カチオン性界面活性剤としては、テトラアルキルアンモニウム塩、アルキルアミン塩、ベンザルコニウム塩、アルキルピリジウム塩、イミダゾリウム塩等が挙げられ、具体的には、例えば、ジヒドロキシエチルステアリルアミン、2−ヘプタデセニル−ヒドロキシエチルイミダゾリン、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、セチルピリジニウムクロライド、ステアラミドメチルピリジウムクロライド等が挙げられる。
界面活性剤のインク組成物中における含有量は、特に制限はなく、1質量%以上が好ましく、より好ましくは1〜10質量%であり、更に好ましくは1〜3質量%である。
前記紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤、などが挙げられる。

前記褪色防止剤としては、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。有機の褪色防止剤としてはハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、ヘテロ環類などがあり、金属錯体としてはニッケル錯体、亜鉛錯体などがある。
前記防黴剤としては、デヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ナトリウムピリジンチオン−1−オキシド、p−ヒドロキシ安息香酸エチルエステル、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、ソルビン酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウムなどが挙げられる。これらはインク中に0.02〜1.00質量%使用するのが好ましい。
前記防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライトなどが挙げられる。
前記酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、りん系酸化防止剤などが挙げられる。
前記キレート剤としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウムなどが挙げられる。
−インク組成物の物性−
本発明におけるインク組成物の表面張力(20℃)としては、20mN/m以上60mN/m以下であることが好ましい。より好ましくは、20mN以上45mN/m以下であり、更に好ましくは、25mN/m以上40mN/m以下である。
表面張力は、表面張力計(協和界面科学(株)製、表面張力計CBVP−Z等)を用いて、ウィルヘルミー法で液温20℃、60%RHにて測定される値である。
また、本発明におけるインク組成物の20℃での粘度は、1.2mPa・s以上15.0mPa・s以下であることが好ましく、より好ましくは2mPa・s以上13mPa・s未満であり、更に好ましくは2.5mPa・s以上10mPa・s未満である。
粘度は、VISCOMETER TV−22(TOKI SANGYO CO.LTD製)を用い、水性インクを20℃の条件下で測定されるものである。
本発明におけるインク組成物は、多色のカラー画像(例えばフルカラー画像)の形成に用いることができる。フルカラー画像の形成には、マゼンタ色調のインク組成物、シアン色調のインク組成物、及びイエロー色調のインク組成物を用いることができ、さらに色調を整えるために、ブラック色調のインク組成物を用いることができる。
また、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の色調以外のレッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)、白色(W)の色調のインク組成物や、いわゆる印刷分野における特色のインク組成物等を用いることができる。
上記の各色調のインク組成物は、着色剤として用いる顔料の色相を所望により変更することにより調製できる。
マゼンタ色系液体、シアン色系液体、及びイエロー色系液体と、ブラック色系液体との間の顔料粒子の平均粒子径が近いときには、画像の滲みや変形を生じやすくなることがあるため、マゼンタ色系液体、シアン色系液体、及びイエロー色系液体のうちの少なくとも1種を、既述の本発明における第1の液体(水溶性有機溶媒、水、及び顔料を含み、顔料の平均粒子径が5〜50nm、かつ単分散度が1.5以下)であるインク組成物とし、これに更に、ブラック色のインク組成物として、平均粒子径(Mv)が、既述の本発明における第1の液体(マゼンタ色系液体、シアン色系液体、及びイエロー色系液体の少なくとも1つ)より30nm以上大きいブラック色系顔料を含むブラック色系液体を組み合わせた使用が好ましい。ここでの平均粒子径は、上記同様に体積平均粒子径である。
中でも、マゼンタ色系液体、シアン色系液体、及びイエロー色系液体での顔料粒子の平均粒子径Mvと、ブラック色系液体の顔料粒子の平均粒子径Mvとの差(Mv−Mv)は、滲みやひび割れ等の発生を抑えた高解像度が得られる点で、30〜100nmの範囲内であることが好ましく、50〜100nmの範囲内であることがより好ましい。
(第2の液体)
本発明のインクジェット記録用インクセットにおける第2の液体は、前記第1の液体(インク組成物)と接触したときに第1の液体のpHを酸性側に変化させる成分である有機酸を少なくとも含んでなり、必要に応じて他の成分を用いて構成することができる。
−pHを酸性側に変化させる成分−
本発明における第2の液体は、インク組成物のpHを酸性側に変化させる成分の少なくとも1種を含有する。インクジェット法で吐出されたインク組成物に第2の液体が混合することにより、インク組成物中の顔料粒子が分散安定領域から不安定領域に変化する。これにより、インク組成物中で安定的に分散している顔料の凝集が促進される。
このとき、第2の液体のpH(25℃)は1〜6の範囲が好ましく、2〜5の範囲がより好ましく、3〜5の範囲がさらに好ましい。この場合、インク組成物のpH(25℃)は、7.5以上が好ましく、8.5以上であることがより好ましい。
中でも、本発明においては、画像濃度、解像度、及びインクジェット記録の高速化の観点から、前記インク組成物のpH(25℃)が7.5以上であって、第2の液体のpH(25℃)が5以下である場合が好ましい。また、インク組成物のpH(25℃)は、第2の液体により3.5以上酸性側に変化させ得ることが望ましく、4.5以上変化させることがより好ましい。
pHを酸性側に変化させる成分としては、有機酸が好適に挙げられる。有機酸としては、例えば、ポリアクリル酸、酢酸、グリコール酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、アスコルビン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、スルホン酸、オルトリン酸、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、ピロールカルボン酸、フランカルボン酸、ピリジンカルボン酸、クマリン酸、チオフェンカルボン酸、ニコチン酸、若しくはこれらの化合物の誘導体、又はこれらの塩等の中から選ばれることが好ましい。これらの化合物は、1種類で使用されてもよく、2種類以上併用されてもよい。
pHを酸性側に変化させる成分は、1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
pHを酸性側に変化させる成分の第2の液体中における含有量としては、約1〜約10質量%が好ましく、より好ましくは約1.5〜約7質量%であり、更に好ましくは約2〜約6質量%の範囲である。
<画像記録方法>
本発明の画像記録方法は、既述の本発明のインクジェット記録用インクセットを用いて画像を記録するものである。好ましくは、本発明の画像記録方法は、既述の本発明のインクジェット記録用インクセットを用い、第1の液体を付与する工程と、第2の液体を付与する工程とを有して構成される。具体的には、被記録媒体上に、水溶性有機溶媒、水、及び分散されている顔料を含み、前記顔料の平均粒子径が5〜50nmであって、かつ単分散度が1.5以下である第1の液体をインクジェット法により付与する第1の液体付与工程と、被記録媒体上に、第1の液体のpHを酸性側に変化させる成分を含み、第1の液体を顔料粒子の分散安定領域から不安定領域に変化させる第2の液体を付与する第2の液体付与工程とを設け、第1の液体と第2の液体とを接触させて画像を形成するものである。
より好ましくは、本発明の画像記録方法は、第2の液体を付与する工程の後に、第1の液体を付与する工程を含む。
第1の液体付与工程では、第1の液体(インク組成物)をインクジェット法により付与する。具体的には、エネルギーを供与することにより、所望の被記録媒体、すなわち普通紙、樹脂コート紙、例えば特開平8−169172号公報、同8−27693号公報、同2−276670号公報、同7−276789号公報、同9−323475号公報、特開昭62−238783号公報、特開平10−153989号公報、同10−217473号公報、同10−235995号公報、同10−337947号公報、同10−217597号公報、同10−337947号公報等に記載のインクジェット専用紙、フィルム、電子写真共用紙、布帛、ガラス、金属、陶磁器等にインク組成物を吐出し、着色画像を形成する。なお、本発明に好ましいインクジェット記録方法として、特開2003−306623号公報の段落番号0093〜0105に記載の方法が適用できる。
インクジェット法は、特に制限はなく、公知の方式、例えば、静電誘引力を利用してインクを吐出させる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射して放射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェット方式、及びインクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット(バブルジェット(登録商標))方式等のいずれであってもよい。インクジェット法としては、特に、特開昭54−59936号公報に記載の方法で、熱エネルギーの作用を受けたインクが急激な体積変化を生じ、この状態変化による作用力によって、インクをノズルから吐出させるインクジェット法を有効に利用することができる。
尚、前記インクジェット法には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式が含まれる。
また、インクジェット法で用いるインクジェットヘッドは、オンデマンド方式でもコンティニュアス方式でも構わない。また、吐出方式としては、電気−機械変換方式(例えば、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型、シェアードウォール型等)、電気−熱変換方式(例えば、サーマルインクジェット型、バブルジェット(登録商標)型等)、静電吸引方式(例えば、電界制御型、スリットジェット型等)及び放電方式(例えば、スパークジェット型等)などを具体的な例として挙げることができるが、いずれの吐出方式を用いても構わない。
尚、前記インクジェット法により記録を行う際に使用するインクノズル等については特に制限はなく、目的に応じて、適宜選択することができる。
第2の液体付与工程では、第1の液体の付与前又は付与後に、被記録媒体上に第2の液体を付与する。第2の液体の付与は、塗布法、インクジェット法、浸漬法などの公知の方法を適用して行なうことができる。塗布法としては、バーコーター、エクストルージョンダイコーター、エアードクターコーター、ブレッドコーター、ロッドコーター、ナイフコーター、スクイズコーター、リバースロールコーター、バーコーター等を用いた公知の塗布方法によって行なうことができる。インクジェット法の詳細については、既述の通りである。
本発明においては、第2の液体付与工程で第2の液体を付与した後に第1の液体付与工程を設ける態様が好ましい。すなわち、被記録媒体上に、第1の液体(インク組成物)を付与する前に、予めインク組成物を顔料粒子の分散安定領域から不安定領域に変化させる(例えば顔料を凝集させる)第2の液体を付与しておき、被記録媒体上に付与された第2の液体に接触するようにインク組成物を付与して画像を形成する態様が好ましい。これにより、インクジェット記録を高速化でき、高速記録しても濃度、解像度の高い画像が得られる。
画像記録の際に、光沢性や耐水性を付与したり、耐候性を改善する目的で、ポリマーラテックス化合物を併用してもよい。ポリマーラテックス化合物を付与する時期については、インク組成物を付与する前及び後のいずれでもよく、また、同時付与されてもよい。したがって、ポリマーラテックス化合物は、被記録媒体に付与する態様で用いてもよいし、インク組成物に添加する態様で用いてもよく、あるいはポリマーラテックス化合物を別の液状物とする態様で用いてもよい。
具体的には、特開2002−166638号公報(特願2000−363090)、特開2002−121440号公報(特願2000−315231)、特開2002−154201号公報(特願2000−354380)、特開2002−144696号公報(特願2000−343944)、特開2002−080759号公報(特願2000−268952)に記載の方法を好ましく用いることができる。
本発明の画像形成方法は、インク組成物を付与する第1の液体付与工程、及び第2の液体を付与する第2の液体付与工程に加えて、さらに他の工程が設けられてもよい。他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、被記録媒体に付与されたインク組成物中の有機溶媒を乾燥除去する乾燥除去工程、インク組成物中に含まれる樹脂微粒子又はポリマーラテックスを溶融定着する加熱定着工程、等が挙げられる。
本発明の画像形成方法の他の例としては、最初に画像形成する被記録媒体として中間転写体を用い、中間転写体上に、水溶性有機溶媒、水、及び顔料を含み、前記顔料の平均粒子径が5〜50nmであって、かつ単分散度が1.5以下である第1の液体(インク組成物)をインクジェット法により付与する第1の液体付与工程と、中間転写体上に、第1の液体のpHを酸性側に変化させる成分を含み、第1の液体を顔料粒子の分散安定領域から不安定領域に変化させる第2の液体を付与する第2の液体付与工程とを設け、インク組成物と第2の液体とを接触させて中間転写体上に画像を形成した後、中間転写体に形成された画像を所望とする最終の被記録媒体に転写する転写工程を設けた方法が挙げられる。
この場合も、上記と同様に、例えば、乾燥除去工程、加熱定着工程などの他の工程を更に設けることができる。また、第1の液体付与工程と第2の液体付与工程とでは、第2の液体付与工程で第2の液体を付与した後に第1の液体付与工程を設ける態様が好ましい。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
(実施例1)
−ポリマーの合成−
(合成例1)
攪拌装置、還流管、温度計、滴下ロートを備えた2000mlのセパラブルフラスコ内を窒素置換した後、このセパラブルフラスコにジエチレングリコールモノメチルエーテル200.0部を入れて攪拌しながら80℃に昇温した。次いで、滴下ロートにジエチレングリコールモノメチルエーテル200.0部、ベンジルアクリレート483.0部、アクリル酸100.8部、及びt−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)4.8部を入れ、これをセパラブルフラスコ中に80℃で4時間かけて滴下して反応させた。滴下終了後、80℃で1時間保持した後、t−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)0.8部を加え、さらに80℃で1時間反応を行なった。その後、減圧蒸留によりジエチレングリコールモノメチルエーテルを除去した。そして、メチルエチルケトン600.0部を加え、樹脂固形分50質量%のポリマー組成物溶液を調製した。
このようにして得られたポリマー組成物溶液の一部を取り、105℃の強熱乾燥機で1時間乾燥した後、得られたポリマー組成物の固形物の酸価、重量平均分子量を測定したところ、酸価は130mgKOH/gであり、重量平均分子量は28000であった。
なお、重量平均分子量は、TSKgel GMHxL、TSKgel G4000HxL、TSKgel G2000HxL(いずれも東ソー(株)製)のカラムを使用したGPC分析装置により、溶媒THFにて示差屈折計により検出し、標準物質としてポリスチレンを用いて換算して求めた。
(合成例2)
前記合成例1において、アクリル酸100.8部に代えて、アクリル酸77.4部を用いたこと以外は、合成例1と同様にポリマーを合成、ポリマー組成物溶液を調製した。このポリマー組成物溶液の一部を取り、105℃の乾燥機で1時間乾燥した後、得られたポリマー組成物の固形分の酸価、重量平均分子量を測定したところ、酸価は98mgKOH/gであり、重量平均分子量は34000であった。重量平均分子量の測定は、上記と同様に行なった。
−ラテックスの調製−
(合成例3)
水120gに、ラテムルASK((株)花王製、カルボン酸塩系乳化剤)19.7g、5mol/L水酸化ナトリウム水溶液6g、及び2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩0.3gを加え、均一に溶解させた。これを70℃に加熱し、窒素気流下でスチレン25.8gとブチルアクリレート26.4gとアクリル酸5.1gのモノマー混合物を2時間かけて添加した。その後、70℃で2時間、80℃で3時間加熱した。室温に冷却後、pHが9前後になるように、攪拌しながら1mol/L水酸化ナトリウム水溶液を加えて、ラテックス分散液LX−1を得た。ラテックス分散液の固形分は、33質量%であった。
−水性インク(マゼンタインク)101の調製−
まず、以下に示す方法(ビルドアップ法)により顔料分散液Aを調製した。
分散剤として前記合成例1にて調製したポリマー組成物溶液の固形物(乾燥物)4部をジメチルスルホキシド80部に溶解させ、これにC.I.ピグメント・レッド122(キナクリドン顔料)10部をフラスコ中で空気雰囲気下、25℃で懸濁させた。次に、25%水酸化テトラメチルアンモニウムメタノール溶液(和光純薬工業(株)製)を少量ずつ滴下してキナクリドン顔料を溶解させ、濃青紫色の顔料溶液を得た。この顔料溶液を3時間撹拌した後、これをインペラー式撹拌羽(800r.p.m.)で撹拌している冷却保温したイオン交換水(顔料10部に対してイオン交換水400部となる量:0℃)に、システムディスペンサー(武蔵エンジニアリング社製、ニードル内径:0.58mm、吐出圧:4.0kgf/cm)2基を用いて速やかに投入し、透明で赤みがかった顔料分散体を得た。
この顔料分散体の平均体積粒径を以下に示す方法で動的光散乱法により求めたところ、48.7nm(TEM平均粒子径:34.3nm)であり、単分散性の指標である単分散度〔体積平均粒径Mv/個数平均粒径Mnの比〕は1.50であった。
次いで、この顔料分散体に塩酸を滴下してpHを3.5に調整し、顔料分散体から顔料粒子を凝集させた。その後、この凝集物を平均孔径0.2μmのメンブレンフィルターを用いて減圧濾過し、イオン交換水で2回水洗し、脱塩及び脱溶剤された顔料粒子の分散体のペーストを得た。
次に、このペーストに100部のアセトンを加え、攪拌及び超音波処理を行なった。その後、平均孔径0.2μmのメンブレンフィルターを用いて減圧濾過した。濾過後のペーストをイオン交換水で水洗し、平均孔径0.2μmのメンブレンフィルターを用いて再び減圧濾過し、顔料粒子を含む分散体ペーストを得た。
次いで、得られた分散体ペーストに少量のイオン交換水を加え、さらに15%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液(和光純薬工業(株)製)を加えた後、イオン交換水を加えて1時間攪拌を行なった。その後、顔料分が10質量%になるようにイオン交換水を加えた。更に、15%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を加え、pH9.3に調整した後、顔料分散液Aとした。
この顔料分散液Aを使って、以下に示す組成のマゼンタインク101(pH=8.8(25℃))を作製した。
このマゼンタインク101を超純水で50倍に希釈した後、以下に示す方法で動的光散乱法により求めた平均体積粒径Mvは、49.0nm(TEM平均粒径:34.8nm)であり、単分散性の指標である単分散度〔体積平均粒径Mv/個数平均粒径Mnの比〕は1.50であった(粒径測定は、マゼンタインク101と同様の作製法でラテックス分散液LX−1が入っていない液を作製し測定した値である)。2週間保存後の粒径に変化は見られず、また沈降物も見られず、変色もみられなかった。
<組成>
・前記顔料分散液A ・・・40.0g
・ジエチレングリコール ・・・12.0g
・グリセリン ・・・18.0g
・前記ラテックス分散液LX−1 ・・・18.2g
・オルフィンE1010(日信化学工業(株)製) ・・・0.9g
・水 ・・・全体で100gになる量
−水性インク102〜105の調製−
ポリマー組成物溶液の量や25%水酸化テトラメチルアンモニウムメタノール溶液(和光純薬工業(株)製)の量を変化させることにより、下記表1に示すように顔料の平均粒子径Mv及び単分散度の異なるマゼンタ色の水性インク102〜105を得た。得られた水性インクの25℃でのpHはいずれも8.8であった。顔料の平均粒子径及び単分散度の測定方法は、以下に示す通りである。
−水性インク107(比較用インク)の調製−
まず、次に示す方法(以下、「ブレイクダウン法」と称する。)により顔料分散液Bを調製した。
前記合成例2において調製されたポリマー組成物溶液120.0部に対して30%水酸化ナトリウム水溶液3.0部を加え、さらにマゼンタ顔料C.I.ピグメント・レッド122を480.0部加え、浅田鉄鋼(株)製のピコミル(分散メディア:ジルコニア、温度:20℃、分散メデイア/分液質量比:8/2)を用いて周速8m/sにて12.5時間の分散処理により、顔料分散スラリーを得た。そして、この顔料分散スラリーを超高圧ホモジナイザー(マイクロフルイダイザー、みずほ工業(株)製)により200MPaの圧力で10回連続して分散を繰り返し、顔料分散液を得た。
さらに、上記のようにして得られた顔料分散液からエバポレーターを用いた減圧蒸留によりメチルエチルケトン及び水の一部を留去し、遠心分離機(05P−21、(株)日立製作所製)により30分間5000r.p.m.で遠心分離させた後、顔料濃度16質量%になるようにイオン交換水を添加して顔料分散液Bを調製した。そして、2.5μmのメンブレンフィルター(アドバンテック社製)を用いて、加圧濾過した。
濾過後の顔料分散液Bを使って、以下に示す組成のマゼンタインク107(pH=8.8 (25℃))を作製した。
このマゼンタインク107を超純水で500倍に希釈した後、上記に示す方法で動的光散乱法により求めた平均体積粒径Mvは、49.0nm(TEM平均粒径:27.3nm)であり、単分散性の指標である単分散度〔体積平均粒径Mv/個数平均粒径Mnの比〕は1.70であった(粒径測定は、マゼンタインク107と同様の作製法でラテックス分散液LX−1が入っていない液を作製し測定した値である)。
<組成>
・前記顔料分散液B ・・・25.0g
・ジエチレングリコール ・・・12.0g
・グリセリン ・・・18.0g
・前記ラテックス分散液LX−1 ・・・18.2g
・オルフィンE1010(日信化学工業(株)製) ・・・0.9g
・水 ・・・全体で100gになる量
−水性インク108〜109の調製−
水性インク107の調製において、分散時間を変えることにより下記表1に示すように顔料の平均粒子径Mv及び単分散度の異なる水性インク108〜109を得た。得られた水性インクの25℃でのpHはいずれも8.8であった。顔料の平均粒子径及び単分散度の測定方法は、以下に示す通りである。
−平均粒子径及び単分散度の測定−
[1.体積平均粒子径(Mv)]
得られた水性インクについて、Micorotrac粒度分布測定装置(Version 10.1.2−211BH(商品名)、日機装(株)製)を用い、動的光散乱法により体積平均粒子径(二次粒子)を測定した。顔料粒径の測定は、LXの影響を除くため、LX−1の入っていない水性インク10μlに対してイオン交換水10mlを加えて測定用サンプル液を調製し、これを25℃に調温して行なった。測定結果は下記表1に示す。
[2.単分散度]
得られた水性インクについて、前記Mvの測定と同様に、水性インク10μlに対してイオン交換水10mlを加えて調製した測定用サンプル液(25℃)を用いて、Micorotrac粒度分布測定装置(Version 10.1.2−211BH(商品名)、日機装(株)製)による動的光散乱法にて、体積平均粒子径(Mv)及び個数平均粒子径(Mn)を測定し、体積平均粒子径及び数平均粒子径の比(Mv/Mn)を求めた。測定結果は下記表1に示す。
−水性凝集液1の調製−
以下の組成の成分を混合して、水酸化ナトリウム溶液を用いてpH3.3に調整し、水性凝集液1(第2の液体)を調製した。
<組成>
・クエン酸 ・・・15部
・イオン交換水 ・・・84部
・オルフィンE1010(日信化学工業(株)製) ・・・1部
−水性凝集液2の調製−
以下の組成の成分を混合して、水性凝集液2(第2の液体)を調製した。この水性凝集液の25℃でのpHは、7.8であった。
<組成>
・硝酸マグネシウム・六水和物(和光純薬(株)製) ・・・15.0部
・イオン交換水 ・・・69.0部
・オルフィンE1010(日信化学工業(株)製) ・・・1.0部
・グリセリン ・・・15.0部
以上のようにして、マゼンタ色の水性インク101〜105及び107〜109、並びに水性凝集液1〜2を調製し、これらを下記表1に示すように組み合わせ、インクセットとして用いた。
−インクセットの評価−
上記より得られたインクセットに対して下記の評価を行なった。評価結果は、下記表1に示す。
<1.滲み>
インクジェット記録装置として、
・ヘッド:1,200dpi/20inch幅フルラインヘッド
・吐出液滴量:0、2.0、3.5、4.0pLの4値記録
・駆動周波数:30kHz(記録媒体搬送速度635mm/sec)
の試作プリントヘッドを備えた画像記録装置を外部から液供給できるように作製した。この装置に上記で得たインクセットを装填し、得られた水性凝集液と水性インクとを各々別個の吐出ノズルから、この順に上質紙(製品名:しらおい、76.5g/m品、日本製紙(株)製)上に吐出し、マゼンタ画像を記録した後、これを乾燥後、100℃10秒間定着加熱して画像を固定した。そして、画像部の滲みの程度を下記の評価基準にしたがって、目視にて官能評価を行なった。
<評価基準>
A・・・滲みはほとんど発生していなかった。
B・・・滲みが少なかった。
C・・・滲みは発生しているが、実用上許容範囲内であった。
D・・・滲みが大きく、実用上許容できない程度であった。
E・・・滲みが顕著であった。
<2.画像変形>
前記<1.滲み>の評価と同様にして5cm×5cmのマゼンタ画像を記録した後、乾燥後、100℃10秒間定着加熱して画像を固定した。その後、画像部を目視により観察し、下記の評価基準にしたがって評価した。
<評価基準>
A・・・画像部にワレやムラがほとんど発生していなかった。
B・・・ワレやムラが少なかった。
C・・・ワレやムラの発生が見られるが、実用上許容範囲内であった。
D・・・ワレやムラの発生が多く見られ、実用上許容できない程度であった。
E・・・ワレやムラの発生が顕著であった。
<3.耐光性>
前記<1.滲み>の評価の場合と同様の方法でインクジェットペーパー(写真用紙<光沢>、エプソン(株)製)にマゼンタ画像を記録し、このマゼンタ画像を24時間自然乾燥させた後、画像濃度CiをGretag Spectrolino(商品名:Gretag社製)を用いて測定した。測定後、アトラス社製のウェザーメーターを用いて、画像にキセノン光(10万ルックス)を30日間連続照射した後、再び同様の方法で、キセノン照射前の反射濃度が1.0の領域の画像濃度Cfを測定し、次式により色素残存率(%)を求め、下記の評価基準にしたがって評価した。
色素残存率(%) = Cf/Ci×100
<評価基準>
A・・・色素残存率は90%以上であった。
B・・・色素残存率は75以上90%未満であった。
C・・・色素残存率は75%未満であった。
Figure 0005328173
前記表1に示すように、実施例では、画像滲み及び画像変形が防止され、耐光性も良好であった。これに対し、多価カチオンを用いた比較例では、画像滲みの発生及びひび割れ等の画像変形が顕著であり、画像品質の点で大きく劣っていた。また、5nm≦Mv≦50nm及び単分散度≦1.5を満たさない比較例では、画像滲みの発生が見られ、ひび割れ等の画像変形が顕著であり、やはり画像品質の点で劣っていた。
(実施例2)
−水性インク201(ブラックインク)の調製−
実施例1の顔料分散液Bにおいて、調製に用いたマゼンタ顔料C.I.ピグメント・レッド122(480.0部)をカーボンブラック「S170」(エボニック・デグサ・ジャパン社製)480部に代えたこと以外は、顔料分散液Bの調製と同様にして、顔料分散液Cを調製した。
この顔料分散液Cを使って、以下に示す組成のブラックインク201(pH=8.5(25℃))を作製した。
このブラックインク201の平均粒子径について、前記水性インク101と同様に、ブラックインク201からラテックス分散液LX−1を除いた処方の溶液を調製し、これを超純水で1000倍に希釈した後、上記と同様の方法で体積平均粒径Mvを動的光散乱法により求めた。その結果、体積平均粒径Mvは81.0nm(TEM平均粒径:46.9nm)であり、単分散性の指標である単分散度〔体積平均粒径Mv/個数平均粒径Mnの比〕は1.68であった。
<組成>
・前記顔料分散液C ・・・40.0g
・ジエチレングリコール ・・・12.0g
・グリセリン ・・・18.0g
・前記ラテックス分散液LX−1 ・・・18.2g
・オルフィンE1010(日信化学工業(株)製) ・・・0.9g
・水 ・・・全体で100gになる量
−水性インク202〜203の調製−
前記水性インク201において、分散条件を変更するほか、遠心分離装置を20000回転で30分間遠心分離操作を行なうことにより顔料の平均粒子径Mvを調整し、ブラック色の水性インク202〜203を調製した。得られた水性インクの25℃でのpHはいずれも8.5であった。なお、平均粒子径は、実施例1と同様にして測定した。測定結果は下記表2に示す。
−水性凝集液1の調製−
実施例1と同様にして、水性凝集液1(第2の液体)を調製した。この凝集液の25℃でのpHは、3.3であった。
−インクセットの評価−
実施例1で調製したマゼンタ色の水性インク104及び水性凝集液1(クエン酸含有)と共に、上記より得たブラック色の水性インク201〜203を順次、実施例1と同様の画像記録装置に装填し、得られた水性凝集液1と水性インク(水性インク104と水性インク201〜203のいずれか)とを各々別個の吐出ノズルから、この順にインクジェットペーパー(写真用紙<光沢>、エプソン(株)製)に吐出し、マゼンタとブラックの1cm角の色パッチが交互に並んだ画像を記録し、マゼンタ色の画像部について、実施例1と同様の方法により、画像滲み、画像変形、及び耐光性の評価を行なった。評価結果は、下記表2に示す。
Figure 0005328173
前記表2に示すように、マゼンタ色とブラック色の水性インク間における両顔料の平均粒子径にサイズ差を設けると、2色併用時に生じやすい画像滲みや画像変形がより防止できた。また、耐光性も良好であった。
(実施例3)
−水性インク301(シアンインク)の調製−
顔料としてC.I.ピグメント・ブルー15:3を1部と、ポリビニルピロリドンK25(商品名:東京化成工業(株)製)2部とをメタンスルホン酸50部に室温で加えて2時間攪拌し、蟻酸を少量ずつ滴下して顔料を溶解し、顔料溶解液を得た。
得られた顔料溶解液に超音波処理をした後、これをインペラー式撹拌羽(800r.p.m.)で撹拌している冷却保温したイオン交換水500部に、システムディスペンサー(武蔵エンジニアリング社製、ニードル内径:0.58mm、吐出圧:4.0kgf/cm)を用いて速やかに投入し、透明で青みがかった顔料分散液を得た。その後、限外濾過装置(アドバンテック東洋社製、UHP−62K、分画分子量5万)により蒸留水を加えて濾液を排除して体積を一定にしながら精製した後、顔料10.0質量%まで濃縮し、その後オレイン酸ナトリウムを顔料に対して20質量%加えて超音波分散処理を行ない、顔料分散液Dを調製した。
実施例1の水性インク101の調製に用いた顔料分散液Aを顔料分散液Dに変更したこと以外は、水性インク101と同様にして、水性インク(シアンインク)301を調製した。このとき、水性インク301は、体積平均粒子径Mv28nm、単分散度1.3になるように調整した。得られた水性インク301の25℃でのpHは8.6であった。
次に、実施例2において、マゼンタ色の水性インク104を上記で得たシアン色の水性インク301に代えたこと以外は、実施例2と同様にして、シアンとブラックの1cm角の色パッチが交互に並んだ画像を記録し、シアン色の画像部について、実施例1と同様の方法により、画像滲み、画像変形、及び耐光性の評価を行なった。
評価の結果、実施例2と同様の結果が認められた。
(実施例4)
実施例1の「水性インク101〜105の調製」において、マゼンタ顔料C.I.ピグメント・レッド122をイエロー顔料C.I.ピグメント・イエロー74に代えたこと以外は、実施例1と同様にして、イエロー色の水性インク(イエローインク)401(第1の液体)を調製した。このとき、イエロー色の水性インク401は、体積平均粒子径Mv28nm、単分散度1.3になるように調整した。得られた水性インクの25℃でのpHは8.9であった。
次に、実施例2において、マゼンタ色の水性インク104を上記で得たイエロー色の水性インク401に代えたこと以外は、実施例2と同様にして、イエローとブラックの1cm角の色パッチが交互に並んだ画像を記録し、イエロー色の画像部について、実施例1と同様の方法により、画像滲み、画像変形、及び耐光性の評価を行なった。
評価の結果、実施例2と同様の結果が認められた。

Claims (8)

  1. 樹脂粒子、水溶性有機溶媒、水、及びビルドアップ法で作製され、分散されている顔料を含み、前記顔料の平均粒子径が5〜50nmであって、かつ単分散度が1.5以下である第1の液体と、
    前記第1の液体と接触したときに、前記第1の液体を顔料粒子の分散安定領域から不安定領域に変化させる、有機酸を含む第2の液体と、
    を有するインクジェット記録用インクセット。
  2. 前記第1の液体の少なくとも1種は、前記顔料としてマゼンタ色系顔料を含むマゼンタ色系液体であり、
    更に、平均粒子径が前記マゼンタ色系顔料より30nm以上大きいブラック色系顔料を含むブラック色系液体を有することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用インクセット。
  3. 前記第1の液体の少なくとも1種は、前記顔料としてシアン色系顔料を含むシアン色系液体であり、
    更に、平均粒子径が前記シアン色系顔料より30nm以上大きいブラック色系顔料を含むブラック色系液体を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のインクジェット記録用インクセット。
  4. 前記第1の液体の少なくとも1種は、前記顔料としてイエロー色系顔料を含むイエロー色系液体であり、
    更に、平均粒子径が前記イエロー色系顔料より30nm以上大きいブラック色系顔料を含むブラック色系液体を有することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インクセット。
  5. 前記第1の液体として、ブラック色系液体、シアン色系液体、マゼンタ色系液体、及びイエロー色系液体を少なくとも含むことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インクセット。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インクセットを用いた画像記録方法。
  7. 第1の液体を付与する工程と、第2の液体を付与する工程とを含むことを特徴とする請求項6に記載の画像記録方法。
  8. 前記第2の液体を付与する工程の後に、前記第1の液体を付与する工程を含むことを特徴とする請求項7に記載の画像記録方法。
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