JP5314476B2 - コジェネレーションシステム - Google Patents
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Description
このコジェネレーションシステムに用いられるエンジン発電装置では、ガスを燃焼して回転駆動するエンジンに発電機が機械的に連結されている。
このエンジン発電装置では、起動時には、発電機を電動機として機能させることによりエンジンを起動させる。エンジンが回転し始めた状態で、エンジンに混合気を供給すると共に、点火装置にて点火制御をする。これにより、エンジンが完爆して自発回転を始める。自発回転し始めた後には、発電機(電動機として機能している)によるエンジンの回転駆動を停止する。
一方、冷却媒体をエンジンに流通させて加熱すると共に、エンジンから排出される高温の排気ガスにより冷却媒体を更に加熱して家庭用の給湯器に供給している。
そこで本発明は、リーンバーンエンジンのように始動直後の回転が不安定であり、家庭内に供給することのできない不安定な電力であっても始動直後の電力を有効活用し、電力供給開始直後から電力使用装置(以下、外部というということもある)に向けて、安定した供給ができるコジェネレーションシステムを提供することを目的とする。
エンジンが始動を開始してから回転が安定するまで、換言すると電力が安定するまでは電力を外部に出力せず、電力が安定した後に外部に供給すれば、外部には当初より安定した電力を供給できる。そして、安定するまでに発電された電力を積極的に使用することが効率的である。ここで、コジェネレーションシステムは、エンジンの排熱を利用して水を加熱する給湯システムを備えるが、安定するまでに発電された電力は水(冷却媒体)を加熱するのに利用することができる。
また、本発明に係るコジェネレーションシステムは、ヒータを余剰電力ヒータとして機能させることが好ましい。コジェネレーションシステムは、家庭内の電力使用装置における使用電力が、コジェネレーションシステムの定格電力よりも少ない時、又は、停電時に、余剰となった発電電力を使用して水を温める余剰電力ヒータを備えていることがある。そこで、エンジンの始動から所定期間に電力が供給されるヒータに、この余剰電力ヒータとしての機能を持たせる。一つのヒータ手段に二つの機能を持たせることで、コスト上昇を抑える。
コジェネレーション装置1は、発電を行なう給電部3と給湯を行なう給湯部5から構成される。
<給電部3>
給電部3には、発電機7と、発電機7を駆動するガスエンジン9とが設けられている。発電機7の回転軸とガスエンジン9の回転軸とは機械的に連結されており、ガスエンジン9が回転駆動して発電機7を回転させると、発電機7は発電を行なう。発電機7で発電された電力は、系統連系用のインバータ装置11によって、外部電源である商用系統39と電圧及び周波数が一致するように整えられ、給電線13及び配電盤45を介して家庭内の電力使用装置47に送られる。
一方、商用系統39に接続された起動インバータ(AC/DCコンバータ)37から発電機7に電力を供給すると、発電機7は電動機として機能し、回転力を発生してガスエンジン9を起動できるようになっている。
ミキサ69には、エアクリーナ71を介して外部から吸い込んだ空気が供給されると共に、ガスライン73を介してガスが供給され、ミキサ69にて空気とガスとが混合され、混合気となる。
ガスライン73には、ガス遮断弁(遮断弁)75とガバナ77が介装されている。ガバナ77は、ミキサ69に供給するガスの圧力を調整する。
ミキサ69にて空気とガスとが混合されてなる混合気は、スロットル79を介してガスエンジン9に吸い込まれる。このとき、スロットル79の開度を調節することにより、ガスエンジン9への混合気の供給量を調節できる。
本実施形態において、余剰電力ヒータ19は他の機能を奏する。つまり、コジェネレーションシステム1は、ガスエンジン9の始動から所定期間内に発電された電力を余剰電力ヒータ19に供給して冷却媒体循環路15内の冷却媒体を加熱する。
給湯部5では、冷却媒体循環路15内の加熱された冷却媒体は、熱交換器21、23によって、貯湯タンク25に貯えられる水や、図示しない家庭内に設けられた暖房用機器(例えば、床暖房機器)に給水される水を温める。また、給湯部5には、家庭内に給湯する水を加熱する熱交換器27、29、さらには熱源が不足した場合の補助熱源器31が設けられている。
給電部3に設けられるインバータ基板35には、AC/DCコンバータ37と、DC/ACインバータ41が設けられている。商用系統39は電圧、周波数はほとんど変動しない。しかし、発電機7で発電された電力は、ガスエンジン9の回転変動又は電力の使用状況により、電圧、周波数が変動しやすい。したがって、AC/DCコンバータ37及びDC/ACインバータ41により、発電機7で発電された電力の電圧、周波数を商用系統39に一致させる。そのなかで、AC/DCコンバータ37は、発電機7により発電された例えば270V、213Hzの交流を、約380Vの直流に変換する。また、DC/ACインバータ41は、変換された約380Vの直流を、商用系統39における電圧、周波数と同じ100V/200V、50Hz/60Hzの交流に変換する。なお、AC/DCコンバータ37は、ガスエンジン9の始動時には、前述した起動インバータとして機能する。
また、インバータ基板35には、リレー61が設けられている。コジェネレーション装置1において、停電時に商用系統39に電力が供給されると、停電に対応する電気系統の保守作業に支障を来たす。そこで、停電時には、リレー61を開く(OFF,図2の状態)ことにより、商用系統39への電力供給を遮断できるようになっている。
コントロールパネル83に設けられているメインスイッチ(図示せず)をオンにすることにより、コジェネレーション装置1は始動要求される(図3 S101)。メインスイッチは、給湯が必要な場合に、ユーザの操作によりオンできるが、ユーザの操作を学習することにより、自動的にオンすることもできる。
また、本実施形態は、スロットル79のみでガスエンジン9の回転数を制御する。ガスエンジン9としてリーンバーンエンジンを用いると、酸素濃度計、三元触媒を設ける必要がないため、ガスエンジン9が始動されると同時に発電を行うことができる。したがって、電力が定格電力に達するまでは余剰電力ヒータ19で電力を消費したとしても、比較的早期に電力使用装置47に電力の供給を始めることができる。
また、定格電力に達するまでに発電された電力を消費する対象として余剰電力ヒータ19としたが、余剰電力ヒータ19とは別個にヒータを設けて、そこで定格電力に達するまでに発電された電力を消費することもできる。
また、余剰電力ヒータ19はエンジンより下流側の冷却媒体循環路上に配置されることが多いが、上流側に配置しても、実現可能である。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択し、あるいは他の構成に適宜変更することが可能である。
Claims (3)
- 回転力を出力するエンジンと、
前記エンジンが出力する回転力により駆動されることで電力を出力する発電機と、
前記発電機から出力される電力を外部に供給する給電線と、
冷却媒体が前記エンジンを循環する冷却媒体循環路と、
前記エンジンより下流側の前記冷却媒体循環路上に配置されて、前記冷却媒体を加熱するヒータと、
前記冷却媒体循環路を流れる前記冷却媒体との熱交換により加熱される水を蓄えるタンクと、
前記発電機から出力される電力を、前記給電線及び前記ヒータのいずれか一方又は双方に供給することを指示する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記発電機から出力される電力を、
前記エンジンの始動から所定期間は、前記ヒータに供給するように指示し、
前記所定期間経過後に、前記給電線に供給するよう指示することを特徴とするコジェネレーションシステム。 - 前記制御手段は、
前記所定期間を、前記発電機が発電した電力が、所定の値に達したと判断したことに基づいて定めることを特徴とする請求項1に記載のコジェネレーションシステム。 - 前記ヒータは、余剰電力ヒータとして機能することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のコジェネレーションシステム。
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