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JP5300454B2 - 色素増感光電変換素子 - Google Patents

色素増感光電変換素子 Download PDF

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JP5300454B2
JP5300454B2 JP2008323206A JP2008323206A JP5300454B2 JP 5300454 B2 JP5300454 B2 JP 5300454B2 JP 2008323206 A JP2008323206 A JP 2008323206A JP 2008323206 A JP2008323206 A JP 2008323206A JP 5300454 B2 JP5300454 B2 JP 5300454B2
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Description

本発明は金属錯体色素で増感された半導体微粒子の薄膜を有する色素増感光電変換素子及びそれを用いた太陽電池に関し、より詳しくは酸化物半導体微粒子の薄膜に特定の構造を有する金属錯体色素(金属錯体化合物)又はその塩を担持させた色素増感光電変換素子及びそれを利用した太陽電池に関する。
石油、石炭等の化石燃料に代わるエネルギー資源として太陽光を利用する太陽電池が注目されている。現在、結晶又はアモルファスのシリコンを用いたシリコン太陽電池、あるいはガリウム、ヒ素等を用いた化合物半導体太陽電池等について、盛んに開発検討がなされている。しかしながら、それら太陽電池の製造には多大なエネルギーが必要で、その結果として太陽電池の製造コストは未だ割高であり、太陽電池が汎用的に使用されることを妨げる一因となっている。
一方では、色素で増感された半導体微粒子からなる半導体層を用いた光電変換素子(以下、単に色素増感光電変換素子ともいう)及び該素子を用いた太陽電池も知られており、これらを構成する材料や製造技術が報告されている。(特許文献1、非特許文献1、非特許文献2を参照)
色素増感光電変換素子の半導体層には、酸化チタン等の比較的安価な酸化物半導体の微粒子が用いられることから、従来のシリコン等からなる半導体層を用いた光電変換素子よりも安価に光電変換素子が得られる可能性がある。又、カラフルな太陽電池が得られること等からも色素増感光電変換素子を用いた太陽電池は注目を集めている。
特許文献2には、ある種の金属錯体色素を増感色素に用いた色素増感光電変換素子が記載されている。しかしながら、ここに記載されている色素増感光電変換素子を用いた太陽電池は、シリコンを半導体層に用いた太陽電池に比べて変換効率が低く、更なる変換効率の向上が望まれている。
日本特許第2664194号公報 日本特許第3731752号公報 B.O’'Reganら、Nature;第353巻、737頁 (1991年) M.K.Nazeeruddinら、J.Am.Chem.Soc.;第115巻、6382頁 (1993年)
金属錯体色素で増感された、安定かつ変換効率が高く実用性の高い色素増感光電変換素子、及び該色素増感光電変換素子を用いた太陽電池を提供することを目的とする。
本発明者等は前記課題を解決すべく鋭意努力した結果、特定の構造を有する金属錯体色素を用いて半導体微粒子の薄膜を増感し、色素増感光電変換素子を作成する事により前記課題が解決されることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、
(1)基板上に設けられた酸化物半導体微粒子の薄膜に、下記式(1)で表される金属錯体色素又はその塩を担持させてなる色素増感光電変換素子、
Figure 0005300454
(式(1)中、Y1及びY2は、それぞれ独立にチオシアネート基(−SCN)、ハロゲン原子又はイソチオシアネート基(−NCS)を表すか、若しくはY1とY2が結合して一つの配位子を形成する。M1及びM2は、それぞれ独立に水素原子又はアンモニウムイオンを表す。Q1〜Q14は、それぞれ独立に水素原子、置換基を有していてもよい芳香族残基、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素残基、ヒドロキシル基、リン酸基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、カルボンアミド基、アルコキシカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコキシル基、アリールオキシ基、置換アミド基、アセトアミド基、アシル基若しくは置換又は非置換アミノ基を表す(但し、Q7〜Q14から選ばれる1つ又は2つは下記式(2)
Figure 0005300454
(式(2)中、n1は0乃至3の整数を表す。R1及びR2は、それぞれ独立に水素原子、シアノ基、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素残基又は置換基を有していてもよいアルコキシル基を表すか、若しくはR1及び/又はR2の複数個が結合して置換基を有していてもよい芳香族環、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素環又は置換基を有していてもよい複素環を形成する。又、n1が2以上及び/又はQ7〜Q14から選ばれる2つが式(2)で表され、R1及びR2がそれぞれ複数存在する場合、それぞれのR1及びR2は同じか又は異なっていてもよい。R3及びR4は、それぞれ独立に水素原子、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素残基又は置換基を有していてもよい芳香族残基を表すか、若しくはR3とR4が結合して置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素環又は置換基を有していてもよい複素環を形成する。又、Q7〜Q14から選ばれる2つが式(2)で表され、R3及びR4がそれぞれ複数存在する場合、それぞれのR3及びR4は同じか又は異なっていてもよい。)を表す。)
(2)式(1)におけるQ9及びQ12の少なくとも1つが、式(2)で表される金属錯体色素又はその塩である前項(1)に記載の色素増感光電変換素子、
(3)式(1)におけるQ9及びQ12が、式(2)で表される金属錯体色素又はその塩である前項(2)に記載の色素増感光電変換素子、
(4)式(1)におけるY1及びY2が、NCS基である前項(1)乃至(3)のいずれか一項に記載の色素増感光電変換素子、
(5)式(2)におけるR3及びR4が、それぞれ独立に置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素残基である前項(4)に記載の色素増感光電変換素子、
(6)式(2)におけるR3及びR4が、それぞれ独立に置換基を有していてもよい炭素数1乃至18の飽和の脂肪族炭化水素残基である前項(5)に記載の色素増感光電変換素子、
(7)式(2)におけるR3及びR4が、n−ブチル基である前項(6)に記載の色素増感光電変換素子、
(8)式(2)におけるR1及びR2が、水素原子である前項(1)乃至(7)のいずれか一項に記載の色素増感光電変換素子、
(9)基板上に設けられた酸化物半導体微粒子の薄膜に、更にメチン系色素及び/又は式(1)以外の構造を有する金属錯体色素或いはその塩を担持させてなる前項(1)乃至(8)のいずれか一項に記載の色素増感光電変換素子、
(10)二酸化チタン、酸化亜鉛又は酸化スズを含有する酸化物半導体微粒子の薄膜を用いてなる前項(1)乃至(9)のいずれか一項に記載の色素増感光電変換素子、
(11)包摂化合物の存在下において、式(1)で表される金属錯体色素又はその塩を担持させてなる前項(1)乃至(10)のいずれか一項に記載の色素増感光電変換素子、
(12)前項(1)乃至(11)のいずれか一項に記載の色素増感光電変換素子を用いてなる太陽電池、
(13)前項(1)に記載の式(1)で表される金属錯体色素又はその塩、
に関する。
本発明の特定の金属錯体色素又はその塩を増感色素として用いることにより、変換効率が高く安定性の高い色素増感光電変換素子及び該色素増感光電変換素子を用いた太陽電池を提供する事が出来た。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の色素増感光電変換素子は、基板上に設けられた酸化物半導体微粒子の薄膜に下記式(1) で表される金属錯体色素又はその塩を担持させたものである。尚、以下の文中においては、特に断りの無い限り「金属錯体色素」は「金属錯体色素又はその塩」を、「化合物」は「化合物又はその塩」をそれぞれ表すものとする。
Figure 0005300454
式(1)中、Y1及びY2はそれぞれ独立にチオシアネート基(−SCN)、ハロゲン原子又はイソチオシアネート基(−NCS)を表すか、若しくはY1とY2が結合して一つの配位子を形成する。
1及びY2における「ハロゲン原子」としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子又は塩素原子であることが好ましく、塩素原子であることが更に好ましい。
1とY2が結合して形成する「配位子」としては、特に限定されないが、例えば下記式(3)〜(8)等が挙げられる。
Figure 0005300454
式(3)〜(8)中、Rはそれぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシル基、炭素数1乃至30のアルキル基、炭素数1乃至7のパーフルオロアルキル基、炭素数1乃至30のアルコキシアルキル基、炭素数1乃至30のアミノアルキル基、炭素数1乃至30のアリール基、炭素数1乃至6のアルコキシル基、ジ炭素数1乃至4のアミノ基又はカルボキシル基を表す。
1及びY2としては、これらのうち、イソチオシアナート基(−NCS)であることが特に好ましい。
式(1)中、M1及びM2は同じか又は異なっていても良く、水素原子又はアンモニウムイオンを表す。「アンモニウムイオン」としては、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオン、テトラヘキシルアンモニウムイオン等のアルキルアンモニウムイオン、1,3−ジメチルイミダゾリウムイオン等の環状芳香族アンモニウムイオン等が挙げられる。
式(1)中、Q1〜Q14は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよい芳香族残基、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素残基、ヒドロキシル基、リン酸基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、カルボンアミド基、アルコキシカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコキシル基、アリールオキシ基、置換アミド基、アシル基若しくは置換又は非置換アミノ基を表す(但し、Q7〜Q14から選ばれる1つ又は2つは下記式(2)を表す。)。
Figure 0005300454
1〜Q14が表す「置換基を有していてもよい芳香族残基」における「芳香族残基」とは、芳香族環から水素原子を1つ除いた基を意味し、該芳香族環の具体例としては、例えばベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナンスレン、ピレン、ペリレン、テリレン等の芳香族炭化水素環、インデン、アズレン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピラゾール、ピラゾリジン、チアゾリジン、オキサゾリジン、ピラン、クロメン、ピロール、ピロリジン、ベンゾイミダゾール、イミダゾリン、イミダゾリジン、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、トリアジン、ジアゾール、インドリン、チオフェン、チエノチオフェン、フラン、オキサゾール、オキサジアゾール、チアジン、チアゾール、インドール、ベンゾチアゾール、ベンゾチアジアゾール、ナフトチアゾール、ベンゾオキサゾール、ナフトオキサゾール、インドレニン、ベンゾインドレニン、ピラジン、キノリン、キナゾリン等の複素芳香環、フルオレン、カルバゾール等の縮合型芳香環等が挙げられ、炭素数5〜16の芳香環(芳香環及び芳香環を含む縮合環)を有する芳香族残基であることが好ましい。
1〜Q14が表す「置換基を有していてもよい芳香族残基」における「置換基」としては、例えば、芳香族残基、脂肪族炭化水素残基、ヒドロキシル基、リン酸基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、カルボンアミド基、アルコキシカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコキシル基、アリールオキシ基、置換アミド基、アシル基若しくは置換又は非置換アミノ基等が挙げられる。
1〜Q14が表す「芳香族残基」が有していてもよい置換基としての「芳香族残基」としては、上記Q1〜Q14が表す「置換基を有していてもよい芳香族残基」における「芳香族残基」と同様の置換基が挙げられる。
1〜Q14が表す「芳香族残基」が有していてもよい置換基としての「脂肪族炭化水素残基」としては、炭素数1乃至36の飽和又は不飽和の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基や炭素数3乃至8のシクロアルキル基などが挙げられ、好ましくは炭素数1乃至18の飽和又は不飽和の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基や炭素数4乃至6のシクロアルキル基であり、より好ましくは炭素数1乃至10の飽和の直鎖アルキル基である。これら脂肪族炭化水素残基の具体例としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、t−ブチル基、オクチル嬉、オクタデシル基、イソプロピル基、シクロヘキシル基、ビニル基、プロペニル基、ペンチニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、ヘキサジエニル基、イソプロペニル基、イソへキセニル基、シクロへキセニル基、シクロペンタジエニル基、エチニル基、プロピニル基、ペンチニル基、へキシニル基、イソへキシニル基、シクロへキシニル基等が挙げられる。
1〜Q14が表す「芳香族残基」が有していてもよい置換基としての「ハロゲン原子」としては、上記Y1及びY2におけるハロゲン原子と同様のものが挙げられ、フッ素原子又は塩素原子であることが好ましく、塩素原子であることが更に好ましい。
1〜Q14が表す「芳香族残基」が有していてもよい置換基としての「アルコキシカルボニル基」とは、炭素数1乃至10のアルコキシカルボニル基等であり、その具体例としては、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、n−ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、sec−ブトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、n−ペントキシカルボニル、n−ヘキシルオキシカルボニル、n−ヘプチルオキシカルボニル、n−ノニルオキシカルボニル、n−デシルオキシカルボニルが挙げられる。
1〜Q14が表す「芳香族残基」が有していてもよい置換基としての「アリールカルボニル基」の具体例としては、例えばベンゾフェノン、ナフトフェノン等のアリール基とカルボニルが連結した基等が挙げられる。
1〜Q14が表す「芳香族残基」が有していてもよい置換基としての「アルコキシル基」とは、上記Q1〜Q14が表す「芳香族残基」が有していてもよい置換基としての「脂肪族炭化水素残基」と酸素原子とをエーテル結合させた基であり、その具体例としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等が挙げられる。
1〜Q14が表す「芳香族残基」が有していてもよい置換基としての「アリールオキシ基」の具体例としては、例えばフェノキシ基、ナフトキシ基等が挙げられる。
1〜Q14が表す「芳香族残基」が有していてもよい置換基としての「置換アミド基」の具体例としては、例えばアミド基、アセトアミド基、N−メチルアミド基、N−エチルアミド基、N−(n−プロピル)アミド基、N−(n−ブチル)アミド基、N−イソブチルアミド基、N−(sec−ブチル)アミド基、N−(t−ブチル)アミド基、N,N−ジメチルアミド基、N,N−ジエチルアミド基、N,N−ジ(n−プロピル)アミド基、N,N−ジ(n−ブチル)アミド基、N,N−ジイソブチルアミド基、N−メチルアセトアミド基、N−エチルアセトアミド基、N−(n−プロピル)アセトアミド基、N−(n−ブチル)アセトアミド基、N−イソブチルアセトアミド基、N−(sec−ブチル)アセトアミド基、N−(t−ブチル)アセトアミド基、N,N−ジメチルアセトアミド基、N,N−ジエチルアセトアミド基、N,N−ジ(n−プロピル)アセトアミド基、N,N−ジ(n−ブチル)アセトアミド基、N,N−ジイソブチルアセトアミド基等のアミド基、アセトアミド基及びアルキルアミド基、又はフェニルアミド基、ナフチルアミド基、フェニルアセトアミド基、ナフチルアセトアミド基等のアリールアミド基が挙げられる。
1〜Q14が表す「芳香族残基」が有していてもよい置換基としての「アシル基」としては、例えば炭素数1乃至10のアルキルカルボニル基、アリールカルボニル基等が挙げられる。好ましくは炭素数1乃至4のアルキルカルボニル基であり、具体的にはアセチル基、プロピオニル基、トリフルオロメチルカルボニル基、ペンタフルオロエチルカルボニル基、ベンゾイル基、ナフトイル基等である。
1〜Q14が表す「芳香族残基」が有していてもよい置換基としての「置換又は非置換アミノ基」の具体例としては、例えばアミノ基、モノ又はジメチルアミノ基、モノ又はジエチルアミノ基、モノ又はジ(n−プロピル)アミノ基、モノ又はジ(n−ブチル)アミノ基、モノ又はジ(n−ヘキシル)アミノ基等のアルキル置換アミノ基、モノ又はジフェニルアミノ基、モノ又はジナフチルアミノ基等の芳香族置換アミノ基、モノアルキルモノフェニルアミノ基等のアルキル基と芳香族残基が一つずつ置換したアミノ基又はベンジルアミノ基、アセチルアミノ基、フェニルアセチルアミノ基等が挙げられる。
尚、Q1〜Q14が表す「置換基を有していてもよい芳香族残基」における上記「置換基」は、それら自体が更に置換基を有していてもよく、該置換基としてはQ1〜Q14が表す「置換基を有していてもよい芳香族残基」における「置換基」と同様のものが挙げられる。
1〜Q14が表す「置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素残基」における「脂肪族炭化水素残基」としては、上記Q1〜Q14が表す「芳香族残基」が有していてもよい置換基としての「脂肪族炭化水素残基」と同様のものが挙げられる。
また、Q1〜Q14が表す「置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素残基」における「置換基」としては、上記Q1〜Q14が表す「置換基を有していてもよい芳香族残基」における「置換基」と同様のものが挙げられる。
1〜Q14が表す「ハロゲン原子」としては、上記Y1及びY2におけるハロゲン原子と同様のものが挙げられ、フッ素原子又は塩素原子であることが好ましく、塩素原子であることが更に好ましい。
1〜Q14が表す「アルコキシカルボニル基」としては、上記Q1〜Q14が表す「芳香族残基」が有していてもよい置換基としての「アルコキシカルボニル基」と同様のものが挙げられる。
1〜Q14が表す「アリールカルボニル基」としては、上記Q1〜Q14が表す「芳香族残基」が有していてもよい置換基としての「アリールカルボニル基」と同様のものが挙げられる。
1〜Q14が表す「アルコキシル基」としては、上記Q1〜Q14が表す「芳香族残基」が有していてもよい置換基としての「アルコキシル基」と同様のものが挙げられる。
1〜Q14が表す「アリールオキシ基」としては、上記Q1〜Q14が表す「芳香族残基」が有していてもよい置換基としての「アリールオキシ基」と同様のものが挙げられる。
1〜Q14が表す「置換アミド基」としては、上記Q1〜Q14が表す「芳香族残基」が有していてもよい置換基としての「置換アミド基」と同様のものが挙げられる。
1〜Q14が表す「アシル基」としては、上記Q1〜Q14が表す「芳香族残基」が有していてもよい置換基としての「アシル基」と同様のものが挙げられる。
1〜Q14が表す「置換又は非置換アミノ基」としては、上記Q1〜Q14が表す「芳香族残基」が有していてもよい置換基としての「置換又は非置換アミノ基」と同様のものが挙げられる。
但し、式(1)におけるQ7〜Q14から選ばれる1つ又は2つは上記式(2)を表す。
式(2)中、n1は0乃至3の整数を表す。
式(2)中、R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、シアノ基、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素残基又は置換基を有していてもよいアルコキシル基を表すか、若しくはR1及び/又はR2の複数個が結合して置換基を有していてもよい芳香族環、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素環又は置換基を有していてもよい複素環を形成する。又、n1が2以上及び/又はQ7〜Q14から選ばれる2つが式(2)で表され、R1及びR2がそれぞれ複数存在する場合、それぞれのR1及びR2は同じか又は異なっていてもよい。
1及びR2が表す「ハロゲン原子」としては、上記Y1及びY2におけるハロゲン原子と同様のものが挙げられ、フッ素原子又は塩素原子であることが好ましく、塩素原子であることが更に好ましい。
1及びR2が表す「置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素残基」における「脂肪族炭化水素残基」としては、上記Q1〜Q14が表す「芳香族残基」が有していてもよい置換基としての「脂肪族炭化水素残基」と同様のものが挙げられる。
また、R1及びR2が表す「置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素残基」における「置換基」としては、上記Q1〜Q14が表す「置換基を有していてもよい芳香族残基」における「置換基」と同様のものが挙げられる。
1及びR2が表す「置換基を有していてもよいアルコキシル基」における「アルコキシル基」としては、上記Q1〜Q14が表す「芳香族残基」が有していてもよい置換基としての「アルコキシル基」と同様のものが挙げられる。
また、R1及びR2が表す「置換基を有していてもよいアルコキシル基」における「置換基」としては、上記Q1〜Q14が表す「置換基を有していてもよい芳香族残基」における「置換基」と同様のものが挙げられる。
1及び/又はR2の複数個が結合して形成する「置換基を有していてもよい芳香族環」における「芳香族環」としては、上記Q1〜Q14が表す「置換基を有していてもよい芳香族残基」における「芳香族残基」の説明部分に記載した芳香族環の具体例と同様のものが挙げられる。
また、R1及び/又はR2の複数個が結合して形成する「置換基を有していてもよい芳香族環」における「置換基」としては、上記Q1〜Q14が表す「置換基を有していてもよい芳香族残基」における「置換基」と同様のものが挙げられる。
1及び/又はR2の複数個が結合して形成する「置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素環」における「脂肪族炭炭化水素環」の具体例としては、例えばシクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環等の飽和炭化水素環、シクロブテン環、シクロペンテン環、シクロヘキセン環等の不飽和炭化水素環等が挙げられる。
また、R1及び/又はR2の複数個が結合して形成する「置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素環」における「置換基」としては、上記Q1〜Q14が表す「置換基を有していてもよい芳香族残基」における「置換基」と同様のものが挙げられる。
1及び/又はR2の複数個が結合して形成する「置換基を有していてもよい複素環」における「複素環」の具体例としては、例えば1,3−ジオキサン環、1,3−ジチアン環、1,3−ジオキソラン環、2,3,4,5−テトラヒドロピリジン環、3,4,5,6−テトラヒドロピリダジン環、5,5−ジメチル−1,3−ジオキサン環等が挙げられる。
また、R1及び/又はR2の複数個が結合して形成する「置換基を有していてもよい複素環」における「置換基」としては、上記Q1〜Q14が表す「置換基を有していてもよい芳香族残基」における「置換基」と同様のものが挙げられる。
式(2)のR1及びR2としては、これらのうち、水素原子又は置換基を有してもよい脂肪族炭化水素残基が好ましく、水素原子が特に好ましい。
式(2)中、R3及びR4は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素残基又は置換基を有していてもよい芳香族残基を表すか、若しくはR3とR4が結合して置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素環又は置換基を有していてもよい複素環を形成する。又、Q7〜Q14から選ばれる2つが式(2)で表され、R3及びR4がそれぞれ複数存在する場合、それぞれのR3及びR4は同じか又は異なっていてもよい。
3及びR4が表す「置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素残基」における「脂肪族炭化水素残基」としては、上記Q1〜Q14が表す「芳香族残基」が有していてもよい置換基としての「脂肪族炭化水素残基」と同様のものが挙げられる。
また、R3及びR4が表す「置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素残基」における「置換基」としては、上記Q1〜Q14が表す「置換基を有していてもよい芳香族残基」における「置換基」と同様のものが挙げられる。
3及びR4が表す「置換基を有していてもよい芳香族残基」における「芳香族残基」としては、上記Q1〜Q14が表す「置換基を有していてもよい芳香族残基」における「芳香族残基」と同様のものが挙げられる。
また、R3及びR4が表す「置換基を有していてもよい芳香族残基」における「置換基」としては、上記Q1〜Q14が表す「置換基を有していてもよい芳香族残基」における「置換基」と同様のものが挙げられる。
3とR4が結合して形成する「置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素環」における「脂肪族炭化水素環」としては、上記R1及び/又はR2の複数個が結合して形成する「置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素環」における「脂肪族炭化水素環」と同様のものが挙げられる。
また、R3とR4が結合して形成する「置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素環」における「置換基」としては、上記Q1〜Q14が表す「置換基を有していてもよい芳香族残基」における「置換基」と同様のものが挙げられる。
3とR4が結合して形成する「置換基を有していてもよい複素環」における「複素環」としては、上記R1及び/又はR2の複数個が結合して形成する「置換基を有していてもよい複素環」における「複素環」と同様のものが挙げられる。
また、R3とR4が結合して形成する「置換基を有していてもよい複素環」における「置換基」としては、上記Q1〜Q14が表す「置換基を有していてもよい芳香族残基」における「置換基」と同様のものが挙げられる。
上記式(1)で表される金属錯体色素のうち、式(1)におけるQ9及びQ12の少なくとも1つが式(2)で表される金属錯体色素が好ましく、式(1)におけるQ9及びQ12の両方が式(2)で表される金属錯体色素が特に好ましい。
また、式(2)におけるR3及びR4としては、これらのうち、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素残基であることが好ましく、置換基を有していてもよい飽和の脂肪族炭化水素残基であることが更に好ましく、炭素数1乃至18の飽和の脂肪族炭化水素残基であることが特に好ましく、n-ブチル基であることがとりわけ好ましい。
前記式(1)で表される金属錯体色素がカルボキシル基、リン酸基、ヒドロキシル基、スルホン酸基等の酸性基を置換基として有する場合は、それぞれそれらの塩を形成していてもよく、塩の例としては例えばリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属等との塩、又は有機塩基、例えばテトラメチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、ピリジニウム、イミダゾリウム、ピペラジニウム、ピペリジニウムなどの4級アンモニウム等との塩を挙げることができる。好ましいものはテトラブチルアンモニウム塩及びピペリジニウム塩である。
前記式(1)で表される金属錯体色素はシス体、トランス体及びその混合物、光学活性体、ラセミ体等の構造異性体をとりうるが、特に限定されず、いずれの異性体も本発明における光増感用色素として良好に使用しうるものである。
前記式(1)で表される金属錯体色素は、例えば、以下に示す反応式によって製造することができる。尚、以下の反応式において、n1、Y1、Y2、M1、M2、R1、R2、R3、R4及びQ1〜Q14は前記式(1)におけるのと同様の意味を表すものとする。
すなわち、下記式(10)で表されるブロモフルオレン体をアルキル化剤等により置換体式(11)とし、この式(11)を式(12)のオレフィン置換体とし、更に2−クロロ−4−ヨードピリジンとのカップリング反応で式(13)及び式(14)とする。この式(13)と式(14)を更にカップリングさせることで式(15)のビピリジン体を得ることができる。式(15)をルテニウム−p−シメンダイマーと反応させて式(16)へと誘導し、さらに、式(17)で表されるビピリジン体及び式(18)のチオシアン酸アンモ二ウムと反応することにより上記式(1)で表される金属錯体色素が得られる。
Figure 0005300454
以下に式(1)におけるQ9及びQ12が式(2)であり、M1、M2、Q1〜Q8、Q10、Q11、Q13及びQ14がいずれも水素原子である金属錯体色素の具体例を、下記式(20)に基づいて示す。
Figure 0005300454
Figure 0005300454
その他の具体例を以下に示す。
Figure 0005300454
Figure 0005300454
Figure 0005300454
本発明の色素増感光電変換素子は、基板上に設けられた酸化物半導体微粒子の薄膜に前記式(1)で表される金属錯体色素を担持させたものである。
酸化物半導体微粒子の薄膜を設ける基板としては、その表面が導電性であるものが好ましい。具体的には、例えば、ガラスや、ポリエチレンテレフタレート又はポリエーテルスルフォン等の透明性のある高分子材料の表面に、蒸着法や無電解メッキ法等により、インジウム、フッ素、アンチモン等をドープした酸化スズなどの導電性金属酸化物や銅、銀、金等の金属の薄膜を設けたものを用いることが出来る。基板の表面抵抗は通常1000Ω/cm2以下、好ましくは100Ω/cm2以下である。このような導電性の薄膜の設けられた基板は、FTOガラス、ITOガラス、Znガラス及びATOガラス等が市販品として入手可能であり、それらをそのまま使用することも出来る。
微粒子で用いられる酸化物半導体としては金属酸化物が好ましく、その具体例としてはチタン、スズ、亜鉛、タングステン、ジルコニウム、ガリウム、インジウム、イットリウム、ニオブ、タンタル及びバナジウム等の酸化物が挙げられる。これらのうちチタン、スズ、亜鉛、ニオブ及びインジウム等の酸化物が好ましく、チタン、亜鉛及びスズの酸化物が最も好ましい。これらの酸化物半導体は単独で使用することも出来るが、混合したり、半導体の表面にコーティングして使用することも出来る。これら酸化物半導体の微粒子の粒径は平均粒径として、通常1〜500nmで、好ましくは1〜100nmである。この酸化物半導体の微粒子は大きな粒径のものと小さな粒径のものを混合したり、多層にして用いることも出来る。
基板上に酸化物半導体微粒子の薄膜を設ける方法としては、スプレイ噴霧などで直接基板上に酸化物半導体微粒子の薄膜を形成する方法、基板を電極として電気的に酸化物半導体微粒子の薄膜を基板上に析出させる方法、酸化物半導体微粒子のスラリー又は半導体アルコキサイド等の酸化物半導体微粒子の前駆体を加水分解することにより得られた微粒子を含有するペーストを基板上に塗布した後、乾燥、硬化若しくは焼成する方法等が挙げられる。この酸化物半導体微粒子の設けられた基板は、本発明の太陽電池の一方の電極となるが、電極の性能上、スラリーを用いる方法が好ましい。この方法においては、2次凝集している酸化物半導体微粒子を常法により分散媒中に平均1次粒子径が1〜200nmになるように分散させることによりスラリーが調製される。
スラリーを分散させる分散媒としては酸化物半導体微粒子を分散させ得るものであれば特に限定されず、水、エタノール等のアルコール、アセトン及びアセチルアセトン等のケトン、ヘキサン等の炭化水素等が用いられ、これらは混合して用いても良い。特に水を用いることはスラリーの粘度変化を少なくするという点で好ましい。またスラリーには、酸化物半導体微粒子の分散状態を安定化させる目的で分散安定剤を併用することが出来る。用いうる分散安定剤の例としては、酢酸、塩酸、硝酸及びアクリル酸等の酸、又はアセチルアセトン、ポリエチレングリコール及びポリビニルアルコール等の有機溶媒等が挙げられる。
スラリーを塗布した基板は焼成してもよく、その焼成温度は通常100℃以上、好ましくは200℃以上であり、かつ上限は概ね基板の融点(軟化点)以下の通常900℃以下、好ましくは600℃以下である。焼成時間は特に限定されないが概ね4時間以内が好ましい。こうして得られた基板上の酸化物半導体微粒子の薄膜の膜厚は、通常1〜200μm、好ましくは3〜50μm、特に好ましくは5〜30μmである。
酸化物半導体微粒子の薄膜には2次処理を施してもよい。例えば酸化物半導体と同一の金属のアルコキサイド、金属アシロキシド、塩化物、硝化物、硫化物又はアセチル化物等の溶液に、酸化物半導体微粒子の薄膜の設けられた基板全体を直接浸漬させた後に乾燥若しくは再焼成することにより、酸化物半導体微粒子の薄膜の性能を向上させることが出来る。用いうる金属アルコキサイドとしてはチタンエトキサイド、チタンイソプロポキサイド及びチタンt−ブトキサイド等が、また金属アシロキシドとしてはn−ジブチル−ジアセチルスズ等がそれぞれ挙げられ、通常それらのアルコール溶液が用いられる。塩化物としては例えば四塩化チタン、四塩化スズ及び塩化亜鉛等が挙げられ、通常それらの水溶液が用いられる。
このようにして得られた酸化物半導体薄膜は酸化物半導体の微粒子から成っている。
次に酸化物半導体微粒子の薄膜に本発明の前記式(1)で表される金属錯体色素を担持させる方法について説明する。
前記式(1)の金属錯体色素を担持させる方法としては、該色素を溶解しうる溶媒にて色素を溶解して得た溶液、又は溶解性の低い色素にあっては色素を分散せしめて得た分散液に、上記酸化物半導体微粒子の薄膜の設けられた基板を浸漬する方法が挙げられる。浸漬温度は概ね常温から色素の溶解又は分散に用いた溶媒の沸点迄であり、また浸漬時間は1分間から48時間程度である。本発明の金属錯体色素を溶解させるのに使用しうる溶媒の具体例として、例えば、メタノール、エタノール、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、アセトン及びt−ブタノール等が挙げられる。色素溶液中、或いは色素分散液中における色素の濃度は通常1×10-6M〜1M、好ましくは1×10-5 M〜1×10-1Mである。この様にして前記式(1)の金属錯体色素で増感された酸化物半導体微粒子の薄膜を有した本発明の色素増感光電変換素子が得られる。
酸化物半導体微粒子の薄膜に担持する前記式(1)で表される金属錯体色素は、1種類のみを用いても良いし、複数種類を混合して用いても良い。また、本発明の式(1)で表される金属錯体色素と、式(1)以外の金属錯体色素や有機色素とを混合して用いても良い。特に吸収波長の異なる色素同士を混合して用いることにより、幅広い波長領域の光が利用出来るので、変換効率の高い太陽電池が得られる。混合しうる式(1)以外の金属錯体色素としては、例えばルテニウム錯体やその4級塩、フタロシアニン、ポルフィリンなどが挙げられ、混合しうる有機色素としては、例えば非金属のフタロシアニン、ポルフィリンやシアニン、メロシアニン、オキソノール、トリフェニルメタン系、アクリル酸系色素などのメチン系色素や、キサンテン系、アゾ系、アンスラキノン系、ペリレン系等の色素が挙げられ、好ましくは、ルテニウム錯体やメロシアニン、アクリル酸系等のメチン系色素が挙げられる。色素を2種以上用いる場合は各色素を半導体微粒子の薄膜に順次吸着させてもよいし、各色素を予め混合溶解して吸着させても良い。
メチン系色素としては、国際公開2002-011213号公報、国際公開2004-082061号公報、国際出願JP/2007/053885、特開2002-334729号公報、特開2003-007358号公報、特開2003-017146号公報、特開2003-059547号公報、特開2003-086257号公報、特開2003-115333号公報、特開2003-132965号公報、特開2003-142172号公報、特開2003-151649号公報、特開2003-157915号公報、特開2003-282165号公報、特開2004-014175号公報、特開2004-022222号公報、特開2004-022387号公報、特開2004-227825号公報、特開2005-005026号公報、特開2005-019130号公報、特開2005-135656号公報、特開2006-079898号公報、特開2006-134649号公報、特開平11-086916号公報、特開平11-163378号公報、特開平11-167937号公報、特開平11-214730号公報、特開平11-214731号公報、特開2000-106224号公報、特開2000-223167号公報、特開2000-228233号公報、特開2000-251958号公報、特開2000-277180号公報、特開2000-285978号公報、特開2000-294303号公報、特開2000-294305号公報、特開2001-006761号公報、特開2001-024253号公報、特開2001-043906号公報、特開2001-052766号公報、特開2001-067931号公報、特開2001-076773号公報、特開2001-076775号公報、特開2001-229984号公報、特開2002-042907号公報、特開2002-042908号公報、特開2002-050779号公報、特開2002-100420号公報、特開2002-164089号公報、特開2002-231325号公報、特開2002-343455号公報、特開2002-352871号公報、特開2003-007359号公報、特開2003-007360号公報、特開2003-017145号公報、特開2003-059547号公報、特開2003-078152号公報、特開2003-115333号公報、特開2003-132965号公報、特開2003-142172号公報、特開2003-147329号公報、特開2003-151649号公報、特開2003-157915号公報、特開2003-197281号公報、特開2003-203684号公報、特開2003-234133号公報、特開2003-249274号公報、特開2003-327948号公報、特開2003-346925号公報、特開2004-139755号公報、特開2003-249275号公報、特開2003-264010号公報、特開2003-282165号公報、特開2004-143355号公報、特開2004-152854号公報、特開2004-171969号公報、特開2004-200068号公報、特開2004-207224号公報、特開2004-220974号公報、特開2004-234953号公報、特開2004-235052号公報、特開2004-247158号公報、特開2004-253333号公報、特開2004-269695号公報、特開2004-292742号公報、特開2004-292743号公報、特開2004-292744号公報、特開2004-296170号公報、特開2004-319202号公報、特開2004-319309号公報、特開2005-005026号公報、特開2005-011800号公報、特開2005-019124号公報、特開2005-019249号公報、特開2005-019250号公報、特開2005-019251号公報、特開2005-0192520号公報、特開2005-019253号公報、特開2005-019756号公報、特開2005-026030号公報、特開2005-026114号公報、特開2005-026115号公報、特開2005-026116号公報、特開2005-032475号公報、特開2005-056650号公報、特開2005-056697号公報、特開2005-078887号公報、特開2005-078888号公報、特開2005-078995号公報、特開2005-085643号公報、特開2005-123013号公報、特開2005-123033号公報、特開2005-126586号公報、特開2005-129329号公報、特開2005-129429号公報、特開2005-129430号公報、特開2005-132914号公報、特開2005-135656号公報、特開2005-209359号公報、特開2005-209682号公報、特開2005-264025号公報、特開2001-052766号公報等に記載の色素が挙げられる。
金属錯体系色素としては、例えば、特開2000-026487号公報、特開2000-268889号公報、特開2000-268890号公報、特開2001-006760号公報、特開2001-039995号公報、特開2001-059062号公報、特開2001-060467号公報、特開2001-060468号公報、特開2001-203005号公報、特開2001-226607号公報、特開2001-229983号公報、特開2001-236999号公報、特開2001-237000号公報、特開2001-247546号公報、特開2001-247546号公報、特開2001-253894号公報、特開2001-291534号公報、特開2002-025636号公報、特開2002-093473号公報、特開2002-093474号公報、特開2002-100417号公報、特開2002-105346号公報、特開2002-176188号公報、特開2002-193935号公報、特開2002-241634号公報、特開2003-003083号公報、特開2003-051343号公報、特開2003-051344号公報、特開2003-212851号公報、特開2003-261536号公報、特開2003-272721号公報、特開2003-288953号公報、特開2001-253894号公報、特開2004-176072号公報、特開2000-268890号公報、特開2005-120042号公報、特開2005-222941号公報、特開2005-222942号公報、特開2005-255992号公報、特開2001-039995号公報、特開2001-247546号公報、特許第2664194号公報、特許第3731752号公報、特許第3783872号公報、特許第3849005号公報、特公平8−15097号公報、米国特許第5350644号等に記載の錯体色素等が挙げられる。
上記メチン系色素及び金属錯体系色素以外の色素として、特開平9-199744号公報、特開平10-051049号公報、特開平10-093118号公報、特開平10-093121号公報、特開平10-189065号公報、特開平10-334954号公報、特開平10-340742号公報、特開平11-049773号公報、特開平11-097725号公報、特開平11-204821号公報、特開平10-093118号公報、特開2000-082506号公報、特開2000-100482号公報、特開2000-100483号公報、特開2000-195570号公報、特開2000-243463号公報、特開2000-251956号公報、特開2000-251957号公報、特開2000-285976号公報、特開2001-093589号公報、特開2001-203006号公報、特開2002-042909号公報、特開2002-047290号公報、特開2002-063949号公報、特開2002-100419号公報、特開2002-184476号公報、特開2002-270865号公報、特開2002-334729号公報、特開1999-049773号公報、特開2003-007358号公報、特開2003-017146号公報、特開2003-031273号公報、特開2003-086257号公報、特開2003-123863号公報、特開2003-152208号公報、特開2003-346926号公報、特開1998-340742号公報、特開2002-0639497号公報、特開2004-143463号公報、特開2004-363096号公報、特開2002-047290号公報、特開2005-085659号公報、特開2004-143463号公報等に記載の色素等も用いることが出来る。
複数種類の色素を混合して担持する場合のそれぞれの色素の混合比率には特に限定は無く、それぞれの色素により最適条件が適宜選択されるが、一般的には等モルずつの混合から、1つの色素につき少なくとも10%モル程度以上を混合することが好ましい。尚、複数種類の色素を混合して担持する場合でも、溶液中における色素の合計濃度は1種類のみ担持する場合と同様でもよい。また、この時用いうる溶媒としては前記と同様のものが挙げられ、1種類の溶媒を用いてもよいし、色素毎に別々の溶媒を用いてから混合してもよい。また、複数種類の色素を担持する方法として、1種類ずつ順番に担持する方法を用いても良い。
包摂化合物の共存下で酸化物半導体微粒子の薄膜に色素を担持することは、色素同士の会合を防ぐために効果的である。ここで包摂化合物としては、コール酸等のステロイド系化合物、クラウンエーテル、シクロデキストリン、カリックスアレン及びポリエチレンオキサイド等が挙げられるが、好ましいものとしてはデオキシコール酸、デヒドロデオキシコール酸、ケノデオキシコール酸、コール酸メチルエステル及びコール酸ナトリウム等のコール酸類やポリエチレンオキサイド等が挙げられる。
又、色素を担持させた後、4−t−ブチルピリジン等のアミン化合物で酸化物半導体微粒子の薄膜を処理しても良い。処理の方法は例えばアミン化合物のエタノール溶液に色素を担持した酸化物半導体微粒子の薄膜の設けられた基板を浸漬する方法等が採られる。浸漬温度は通常室温(20℃程度)であり、浸漬時間は通常1〜72時間、好ましくは2〜48時間である。
本発明の太陽電池は、上記酸化物半導体微粒子の薄膜に式(1)で表される色素を担持させた色素増感光電変換素子を一方の電極とし、これと対向して設けられたもう一方の電極である対極、及び両電極の間に充填された電荷移動層から構成される。
対極としてはその表面に導電性を有する基板、例えばガラスや高分子フィルムに導電性を有する物質を蒸着した基板、或いは導電性を有する物質の微粒子を塗り付けた基板等が用いられる。対極に用いられる導電性を有する物質としては、Pt、Ti、W、Rh、Ru、炭素或いは前記した色素増感光電変換素子の酸化物半導体微粒子の薄膜として用いられる金属酸化物等、それ自体が導電性を有するものであれば特に制限なく用いることが出来るが、導電率や電解質に対する耐腐食性の面から通常Pt、Ti、W等の金属や金属酸化物が好ましく用いられ、特にPtが好ましい。尚、Pt以外の導電性を有する材料を用いる際は、レドックス電解質(後述)の還元反応に触媒的に作用する物質、例えばPt、炭素等の薄膜をその表面に形成しておくことが好ましい。
本発明の太陽電池を構成する電荷移動層としては、レドックス電解質、正孔輸送材料又はp型半導体等が挙げられ、これらは、液体、凝固体(ゲル及びゲル状)、固体から選ばれるいずれの形態であっても構わない。液体状のものとしてはレドックス電解質、溶融塩、正孔輸送材料又はp型半導体等をそれぞれ溶媒に溶解させたものや常温溶融塩等を、凝固体状(ゲル及びゲル状)のものとしては前記液体状のものをポリマーマトリックスや低分子ゲル化剤等に含ませたもの等を用いることが出来る。また固体状のものとしてはレドックス電解質、溶融塩、正孔輸送材料又はp型半導体等を用いることが出来る。
レドックス電解質としては、ハロゲンイオンを対イオンとするハロゲン化合物及びハロゲン分子からなるハロゲン酸化還元系電解質、フェロシアン酸塩−フェリシアン酸塩やフェロセン−フェリシニウムイオン、コバルト錯体などの金属錯体等の金属酸化還元系電解質、アルキルチオール−アルキルジスルフィド、ビオロゲン色素、ヒドロキノン−キノン等の有機酸化還元系電解質等をあげることができるが、ハロゲン酸化還元系電解質が好ましい。ハロゲン化合物−ハロゲン分子からなるハロゲン酸化還元系電解質におけるハロゲン分子としては、例えばヨウ素分子や臭素分子等が挙げられ、ヨウ素分子が好ましい。又、ハロゲンイオンを対イオンとするハロゲン化合物としては、例えばLiBr、NaBr、KBr、LiI、NaI、KI、CsI、CaI2、MgI2、CuI等のハロゲン化金属塩あるいはテトラアルキルアンモニウムヨーダイド、イミダゾリウムヨーダイド、ピリジニウムヨーダイドなどのハロゲンの有機4級アンモニウム塩等が挙げられるが、ヨウ素イオンを対イオンとする塩類が好ましい。又、上記ヨウ素イオンの他にビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオン、ジシアノイミドイオン等のイミドイオンを対イオンとする電解質を用いることも好ましい。電荷移動層中におけるレドックス電解質の濃度は、通常0.01〜99質量%、好ましくは0.1〜90質量%程度である。
正孔輸送材料としてはアミン誘導体やポリアセチレン、ポリアニリン、ポリチオフェンポリフェニレンビニレン及びポリフルオレンビニレン等の導電性高分子や、トリフェニレン系化合物等のディスコティック液晶相に用いる化合物等が挙げられる。
又、p型半導体としてはCuI、CuSCN等が挙げられる。
電荷移動層がレドックス電解質、正孔輸送材料又はp型半導体等を含む溶液の形で構成されている場合、その溶媒には電気化学的に不活性なものが用いられる。例えばアセトニトリル、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、3−メトキシプロピオニトリル、メトキシアセトニトリル、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、γ−ブチロラクトン、ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルスルホキシド、1,3−ジオキソラン、メチルフォルメート、2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチル−オキサゾリジン−2−オン、スルホラン、テトラヒドロフラン、水等が挙げられ、これらの中でも、特に、アセトニトリル、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、3−メトキシプロピオニトリル、メトキシアセトニトリル、エチレングリコール、3−メチル−オキサゾリジン−2−オン、γ−ブチロラクトン等が好ましい。これらは単独もしくは2種以上組み合わせて用いても良い。
電荷移動層がレドックス電解質、正孔輸送材料又はp型半導体等を含む凝固体状電解質の場合は、オリゴマ−及びポリマー等のマトリックスに電解質あるいは電解質溶液を含有させたものや、Chem.Lett.、1241頁(1998年)に記載の低分子ゲル化剤等に同じく電解質あるいは電解質溶液を含有させたもの等が挙げられる。
以下に実施例に基づき、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例中、部は特に指定しない限り質量部を表す。
合成例1
窒素雰囲気下、カリウム−tert−ブトキシド20.8部をN,N−ジメチルスルホキシド(DMSO)102部に溶解させた溶液に、2−ブロモフルオレン15.4部をDMSO153部に溶解させた溶液を滴下した。30分間撹拌後、反応液温度を40〜45℃に保ちながらヨウ化ブチル27.8部を滴下した。40℃で40分間撹拌後、反応液を氷水に加えた。クロロホルム−水で抽出しクロロホルム相を硫酸マグネシウムで乾燥後、クロロホルムを留去し、褐色タール状固体を得た。この褐色タール状固体を少量のクロロホルムに溶解し、カラムクロマトグラフィー(充填材;ワコーゲルC−400HG(商品名 和光純薬製)、溶出液;ヘキサン)で分離、精製し、2−ブロモ−9,9−ジブチルフルオレン12.6部を無色の結晶として得た。
合成例2
窒素雰囲気下、カリウムビニルトリフルオロボラート0.40部と2−ブロモ−9,9−ジブチルフルオレン0.89部を1−プロパノール32部に溶解した後、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)のジクロロメタン付加体0.039部とトリエチルアミン0.25部を加え、還流下3時間反応させた。反応混合物をクロロホルムで抽出し、クロロホルム相を硫酸マグネシウムで乾燥後、クロロホルムを留去した。得られたタール状混合物をカラムクロマトグラフィー(充填材;ワコーゲルC−400HG(商品名 和光純薬製)、溶出液;ヘキサン)で分離、精製し、下記化合物(1001)0.70部を白色固体として得た。
Figure 0005300454
合成例3
上記化合物(1001)0.43部と2−クロロ−4−ヨードピリジン0.34部をトリエタノールアミン3.1部に溶解した後、酢酸パラジウム(II)0.011部を加え、100℃で10時間反応させた。反応混合物をクロロホルムで抽出し、クロロホルム相を硫酸マグネシウムで乾燥後、クロロホルムを留去した。混合物をカラムクロマトグラフィー(充填材;ワコーゲルC−400HG(商品名 和光純薬製)、溶出液;クロロホルム)で分離、精製し、下記化合物(1002)0.15部を白色固体として得た。
Figure 0005300454
合成例4
窒素雰囲気下、上記化合物(1002)0.61部をテトラヒドロフラン8.9部に溶解した後、ジブロモビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)0.23部、亜鉛粉末0.18部、塩化リチウム0.11部、テトラエチルアンモニウムヨージド0.39部を加え、還流下20時間反応させた。反応混合液を室温にした後、26%アンモニア水7.0部、水4.8部、ジクロロメタン27部を加え、15分間撹拌した。反応混合物をジクロロメタンで抽出し、ジクロロメタン相を硫酸マグネシウムで乾燥後、ジクロロメタンを留去した。混合物をカラムクロマトグラフィー(充填材;ワコーゲルC−400HG(商品名 和光純薬製)、溶出液;クロロホルム)で分離、精製し、下記化合物(1003)0.046部を白色固体として得た。
Figure 0005300454
合成例5
窒素雰囲気下、上記化合物(1003)0.048部とルテニウム−p−シメンダイマー0.019部をクロロホルム4部中、4時間加熱還流した。反応終了後、クロロホルムを留去し、カラムクロマトグラフィー(充填材;Sephadex−LH−20(商品名 Amersham Biosciences社製)、溶出液;メタノール)にて精製を行った。精製後、60℃で14時間乾燥し、下記化合物(1004)0.054部を黄色結晶として得た。
Figure 0005300454
実施例1
遮光及び窒素雰囲気下、上記化合物(1004)0.039部と2,2’−ビピリジン−4,4’−ジカルボン酸0.0082部を脱水N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)3部中、140℃で4時間攪拌した。チオシアン酸アンモニウム0.054部を添加し、更に4時間攪拌した。反応終了後、室温まで放冷、36時間放置した。その後、反応液をろ過し、ろ液を水15部に注加し、析出した結晶をろ取した。水2部で2回洗浄し、70℃で14時間乾燥し、化合物(6)(表1を参照)0.033部を黒褐色結晶として得た。
この化合物(6)について、分光光度計(UV−3150 島津製作所製)により実施した吸光度の測定結果は次の通りである。
最大吸収波長;λmax=367nm
分子吸光係数(ε)=55063(溶媒:N,N−ジメチルホルムアミド)
尚、この化合物は、541nmに極大吸収波長を有する。
実施例2
透明導電性ガラス電極上に、酸化チタン分散液PASOL HPW−18NR(商品名 触媒化成工業株式会社製)をペースト化して塗布することにより酸化チタン膜を形成した。この酸化チタン膜を有する透明導電性ガラス電極に450℃で30分間焼成を行うことにより、厚さ7μmの二酸化チタンの半導体膜を有する透明導電性ガラス電極を得た。尚、二酸化チタンの半導体膜の膜厚は、表面粗さ形状測定機(東京精密社製 サーフコム570A)を用いて測定した。次いで、この電極上の二酸化チタン半導体膜に0.04M四塩化チタン水溶液約1ccを滴下後60℃で30分間静置し、更に水洗を施した後に450℃で30分間再度焼成を行うことにより評価用の多孔質基板を得た。
実施例1で得られた化合物(6)を、3.0×10-4Mになるようにtert−ブタノールとアセトニトリルの1:1混合溶液に溶解し、更にケノデオキシコール酸を40mMになるように添加した。この溶液に前記の方法で得られた評価用の多孔質基板を室温(20℃)で12時間浸漬させて色素を担持せしめ、次いでこの多孔質基板を前記混合溶媒で洗浄し、更に乾燥させることにより色素増感された半導体微粒子の薄膜からなる本発明の色素増感光電変換素子を得た。このようにして得られた本発明の色素増感光電変換素子と、白金でスパッタされた導電性ガラスのスパッタ面とを対峙させて20μmの空隙を設けてクリップで固定し、その空隙に電解質を含む溶液(電解液)を注入して空隙を満たすことにより本発明の太陽電池を得た。尚、電解液としては、3−メトキシプロピオニトリルに、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムヨーダイド/LiI/I2/tert−ブチルピリジンをそれぞれ0.6M/0.1M/0.1M/0.5Mになるよう溶解したレドックス電解質を使用した。
実施例2で得られた太陽電池の光電変換能力を評価した。
評価に用いた太陽電池は、実効部分の面積を0.25cm2とした。光源には500Wのキセノンランプを用い、AM(大気圏通過空気量)1.5フィルターを通して太陽電池への照射量を100mW/cm2とした。ソーラシュミレータYSS−50A(山下電装社製)を用いて測定した開放電圧、短絡電流、変換効率及びフィルファクターは下記の通りであった。
開放電圧(V) 0.69
短絡電流(mA/cm2) 10.09
変換効率(%) 4.62
フィルファクター 0.66
以上の結果より、本発明の式(1)で表される化合物(6)を色素増感光電変換素子の増感色素に用いることにより、二酸化チタン微粒子の半導体層が通常よりも薄い7μmの場合においても高い変換効率が得られることが確認された。この化合物で増感された色素増感光電変換素子は変換効率以外の諸性能にも優れており、又、本発明の式(1)で表される金属錯体色素は精製過程や二酸化チタン電極上に吸着させる際の有機溶媒への溶解性も高いことから、これらの作業を効率よく行うことができるという優れた性質をも備えている。

Claims (13)

  1. 基板上に設けられた酸化物半導体微粒子の薄膜に、下記式(1)で表される金属錯体色素又はその塩を担持させてなる色素増感光電変換素子。
    Figure 0005300454
    (式(1)中、Y1及びY2は、それぞれ独立にチオシアネート基(−SCN)、ハロゲン原子又はイソチオシアネート基(−NCS)を表すか、若しくはY1とY2が結合して一つの配位子を形成する。M1及びM2は、それぞれ独立に水素原子又はアンモニウムイオンを表す。Q1〜Q14は、それぞれ独立に水素原子、置換基を有していてもよい芳香族残基、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素残基、ヒドロキシル基、リン酸基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、カルボンアミド基、アルコキシカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコキシル基、アリールオキシ基、置換アミド基、アセトアミド基、アシル基若しくは置換又は非置換アミノ基を表す(但し、Q7〜Q14から選ばれる1つ又は2つは下記式(2)
    Figure 0005300454
    (式(2)中、n1を表す。R1及びR2は、それぞれ独立に水素原子、シアノ基、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素残基又は置換基を有していてもよいアルコキシル基を表すか、若しくはR1及び/又はR2の複数個が結合して置換基を有していてもよい芳香族環、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素環又は置換基を有していてもよい複素環を形成する。又7〜Q14から選ばれる2つが式(2)で表され、R1及びR2がそれぞれ複数存在する場合、それぞれのR1及びR2は同じか又は異なっていてもよい。R3及びR4は、それぞれ独立に水素原子、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素残基又は置換基を有していてもよい芳香族残基を表すか、若しくはR3とR4が結合して置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素環又は置換基を有していてもよい複素環を形成する。又、Q7〜Q14から選ばれる2つが式(2)で表され、R3及びR4がそれぞれ複数存在する場合、それぞれのR3及びR4は同じか又は異なっていてもよい。)を表す。)
  2. 式(1)におけるQ9及びQ12の少なくとも1つが、式(2)で表される金属錯体色素又はその塩である請求項1に記載の色素増感光電変換素子。
  3. 式(1)におけるQ9及びQ12が、式(2)で表される金属錯体色素又はその塩である請求項2に記載の色素増感光電変換素子。
  4. 式(1)におけるY1及びY2が、NCS基である請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の色素増感光電変換素子。
  5. 式(2)におけるR3及びR4が、それぞれ独立に置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素残基である請求項4に記載の色素増感光電変換素子。
  6. 式(2)におけるR3及びR4が、それぞれ独立に置換基を有していてもよい炭素数1乃至18の飽和の脂肪族炭化水素残基である請求項5に記載の色素増感光電変換素子。
  7. 式(2)におけるR3及びR4が、n−ブチル基である請求項6に記載の色素増感光電変換素子。
  8. 式(2)におけるR1及びR2が、水素原子である請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の色素増感光電変換素子。
  9. 基板上に設けられた酸化物半導体微粒子の薄膜に、更にメチン系色素及び/又は式(1)以外の構造を有する金属錯体色素或いはその塩を担持させてなる請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の色素増感光電変換素子。
  10. 二酸化チタン、酸化亜鉛又は酸化スズを含有する酸化物半導体微粒子の薄膜を用いてなる請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の色素増感光電変換素子。
  11. 包摂化合物の存在下において、式(1)で表される金属錯体色素又はその塩を担持させてなる請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載の色素増感光電変換素子。
  12. 請求項1乃至請求項11のいずれか一項に記載の色素増感光電変換素子を用いてなる太陽電池。
  13. 請求項1に記載の式(1)で表される金属錯体色素又はその塩。
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