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JP5397395B2 - 光ディスク装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光ディスクの再生又は記録を行う光ディスク装置に関するものであり、特にシーク処理時のサーボ外れを抑制することが可能な光ディスク装置に関する。
近年、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)といった光ディスクが普及し、一般的に用いられるようになっている。そして光ディスクに記録された情報、例えば音声情報や画像情報を読み出して記録/再生するための装置として、光ディスク装置が存在する。広く知られている光ディスク装置としては、例えばCDプレイヤ、DVDプレイヤ、或いはパソコンに接続されるCD−ROMドライブ等があげられる。
光ディスク装置は、光ディスクに対して光ビームを照射して情報の読み取りを行うための光ピックアップを備えている。光ピックアップは、ターンテーブル上に固定されて回転している光ディスクの情報記録面に対して光ビームを照射する。
そして情報記録面からの反射光を光ピックアップ内に設けられた光検出器、例えばフォトダイオードによって受光する。そして光検出器により光を電気信号に変換し、得られた電気信号に基づいて光ディスクに記録されている情報を出力する。
光ディスクを再生可能状態とするためのマウント処理においては、まずフォーカスサーチによるフォーカス引き込み位置の取得、フォーカス引き込み、及びフォーカスサーボのオンを行う必要がある。これをなすために光ピックアップ内には、対物レンズを光軸方向に駆動させるためのアクチュエータと、アクチュエータの制御を行うフォーカスサーボとが備えられている。
上記に関連して特許文献1には、光ピックアップによるサーチ動作時に、光ピックアップのフォトディテクタのディスク半径方向の受光ずれ量を検出し、ずれ量をキャンセルする方向に光ピックアップの対物レンズを動かしてマウントすることで、デトラックを緩和する光ディスク再生装置が開示されている。
また特許文献2には、RF信号のレベルの最大値になったときのフォーカスエラー信号のバランス調整値と、ジッタが最小値になったときのフォーカスエラー信号のバランス調整値との中間のバランス調整値によりフォーカスバランス調整を行うことで、フォーカスエラー信号のバランス調整を改善し、フォーカスサーボの精度の向上を図る光ディスク再生装置が開示されている。
また特許文献3には、光ピックアップのレンズシフト特性を調整時に把握することで、レンズシフト特性の悪いピックアップヘッドを有効に使えるようにサーボやイコライザを最適な状態にする自動調整方法が開示されている。
特開2008−123636号公報 特開2006−134447号公報 特開2002−92914号公報
上記の特許文献1〜特許文献3に開示されている光ディスク装置はいずれも、光ディスクのマウント処理時において、まずFE信号のフォーカスエラーバランスが最小となるバランス調整(以下、「S字バランス調整」という)により、サーボ安定性がよい位置へ光ピックアップを調整している。そしてその後、RF信号のレベルが最大となるバランス調整(以下、「フォーカスバランス調整」という)により、再生性能がよい位置へ光ピックアップを調整している。これにより、FE信号のバランスを適正に調整している。
しかしながらデフォーカスが大きい光ピックアップ等では、S字バランス調整値とフォーカスバランス調整値との差が大きくなる。このため、フォーカスバランス調整値を用いてシーク処理を行った場合、シーク中にサーボ外れが多発し、再生できないという問題があった。
本発明の目的は、マウント処理時にS字バランス調整及びフォーカスバランス調整を行う光ディスク装置であって、S字バランス調整値とフォーカスバランス調整値の差が大きい場合であっても、安定したシーク処理を行うことが可能な光ディスク装置を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明の光ディスク装置は、光ディスクの記録面に光ビームを照射させる光源、及び前記記録面からの反射光を光電変換する光検出器を備えた光ピックアップと、前記光電変換により得られた電気信号から、前記反射光の光量を示す全反射信号、及びフォーカスエラー信号を生成する信号生成部と、前記全反射信号及び前記フォーカスエラー信号に基づいて前記光ピックアップの制御を行うサーボ制御部とを備えた光ディスク装置において、前記フォーカスエラー信号のエラーバランスが最小となるよう前記光ピックアップを調整するための調整値である第一調整値と、前記全反射信号が最大となるよう前記光ピックアップを調整するための調整値である第二調整値との差分値を算出し、前記差分値が予め定められた閾値を超えるか否かを判定し、前記差分値が前記閾値を超える場合に、予め定められた種別の処理において前記第一調整値を用いて前記光ピックアップの調整を行うよう前記サーボ制御部を制御する主制御部を備えることを特徴としている。
この構成によると、本発明の光ディスク装置は、光ディスクの記録面に光ビームを照射させる光源、及び記録面からの反射光を光電変換する光検出器を備えた光ピックアップを備える。また、光電変換により得られた電気信号から、反射光の光量を示す全反射信号とフォーカスエラー信号とを生成する信号生成部を備える。また、全反射信号及びフォーカスエラー信号に基づいて光ピックアップの制御を行うサーボ制御部を備える。さらに、フォーカスエラー信号のエラーバランスが最小となるよう光ピックアップを調整するための調整値である第一調整値と、全反射信号が最大となるよう光ピックアップを調整するための調整値である第二調整値との差分値を算出する主制御部を備える。主制御部は、この差分値が所定の閾値を超えるか否かを判定する。そして超える場合に、所定の処理の実行時において、第一調整値を用いて光ピックアップの調整を行うようサーボ制御部を制御する。
また上記目的を達成するために本発明の光ディスク装置は、情報の記録を行う記録部を備え、前記主制御部は、前記光ディスク装置に装着された光ディスクのマウント処理時において前記第一調整値及び前記第二調整値を取得して前記記録部に記録し、前記第一調整値及び前記第二調整値から前記差分値を算出し、前記差分値が予め定められた閾値を超える場合に、シーク処理時において前記第一調整値を用いて前記光ピックアップの調整を行うよう前記サーボ制御部を制御する。
この構成によると、光ディスク装置は、情報の記録を行う記録部を備えている。主制御部は、光ディスクのマウント処理時において、第一調整値及び第二調整値を取得して記録部に記録する。また主制御部は、上記の差分値が所定の閾値を超える場合に、シーク処理時において第一調整値を用いて光ピックアップの調整を行うよう、サーボ制御部を制御する。
また上記目的を達成するために本発明の光ディスク装置が備える前記主制御部は、シーク処理時における前記光ピックアップの調整が前記第一調整値により実施され、且つ前記シーク処理が完了した場合に、前記シーク処理後における前記光ピックアップの調整を前記第二調整値により行うよう前記サーボ制御部を制御する。
この構成によると、主制御部は、シーク処理時において光ピックアップの調整が第一調整値により実施され、且つシーク処理が完了した場合に、シーク処理後における光ピックアップの調整を第二調整値により行うようサーボ制御部を制御する。
また上記目的を達成するために本発明の光ディスク装置が備える前記主制御部は、前記差分値が予め定められた閾値を超えない場合に、シーク処理時において前記第二調整値を用いて前記光ピックアップの調整を行うよう前記サーボ制御部を制御する。
この構成によると、主制御部は、上記の差分値が所定の閾値を超えない場合に、シーク処理時において第二調整値を用いて光ピックアップの調整を行うよう、サーボ制御部を制御する。
本発明によれば、フォーカスエラー信号に基づく第一調整値と、全反射信号に基づく調整値との差が大きい場合に、第一調整値を用いてシーク処理を行う。これにより、シーク時のサーボ安定性を増加させる。従って光ピックアップのデフォーカスが大きい場合であっても、シーク時のサーボ外れを抑制することが可能である。
本発明の一実施形態に係る光ディスク装置の構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係る光ピックアップの光学系を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係るマウント処理の処理フローを示すフロー図である。 本発明の一実施形態に係るシーク処理の処理フローを示すフロー図である。 フォーカスエラー信号及び全反射信号の関係を示すグラフ図である。
以下に本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。なお、ここで示す実施形態は一例であり、本発明はここに示す実施形態に限定されるものではない。
〈1.内部構成について〉
図1は、本発明の一実施形態に係るディスクプレイヤ100(=光ディスク装置)を示す構成図である。ディスクプレイヤ100は、光ピックアップ1、信号生成回路21(=信号生成部)、DSP(Digital Signal Processor)31(=サーボ制御部)、再生処理回路32、出力回路33、システムコントローラ41(=主制御部)、ドライバ42、表示部43、操作部44、記録部45、送りモータ51、及びスピンドルモータ52を備えている。
光ピックアップ1は、光ディスク2に光ビームを照射して、光ディスク2に記録された音声情報、画像情報等の各種情報の読み取りを行う。この光ピックアップ1には、CD用光ビーム、DVD用光ビーム、BD(Blu-ray Disc、登録商標) 用光ビームが設けられている。なお、光ピックアップ1内部の詳細については後述する。
信号生成回路21は、光ピックアップ1が含む光検出器19(図2)により得られた信号をもとに演算処理を行い、RF信号、FE信号(=フォーカスエラー信号)、トラッキングエラー信号及びAS信号(=全反射信号)等の各種信号を生成する。そして生成した各種信号を、DSP31へ出力する。なおAS信号とは、光検出器19が受光した全光量に対応する電気信号の総和を示す信号である。AS信号は、RF信号の低周波成分の信号であり、光ディスクの反射率を示す。
DSP31は、信号生成回路21より入力したRF信号をもとに画像処理を行うことにより画像信号を生成し、再生処理回路32へ与える。再生処理回路は、画像信号を不図示のモニタへ出力するためにD/A変換処理を行う。変換処理により得られた信号は、出力回路33により外部装置へ出力される。
またDSP31は、信号生成回路21より入力したFE信号やトラッキングエラー信号に基づいてサーボ信号を生成する。例えばトラッキングサーボを行うためのトラッキングサーボ信号や、フォーカスサーボを行うためのフォーカスサーボ信号を生成する。生成されたサーボ信号はドライバ42へ与えられる。これにより例えば、光ピックアップ1が含む対物レンズ17(図2)のトラッキング制御やフォーカス制御等が実施される。
システムコントローラ41は、DSP31を介して、光ピックアップ1、送りモータ51、及びスピンドルモータ52等の動作を制御する。なおシステムコントローラ41は、例えば複数のマイクロプロセッサ等の演算処理装置上で所定のプログラムを実行することにより実現される。
システムコントローラ41は、操作部44からの情報を受け付けてDSP31に伝送すると共に、DSP31から受けた情報を表示部43に伝送する。またシステムコントローラ41は、各種演算に用いる情報を、半導体記憶素子等からなる記録部45に記録する。
ドライバ42は、DSP31から与えられるサーボ信号等に基づいて、光ピックアップ1、送りモータ51、及びスピンドルモータ52の駆動を制御する。送りモータ51は、光ピックアップ1を光ディスク2の径方向に駆動する。スピンドルモータ52は、光ディスク2を回転方向に駆動する。
〈2.光ピックアップの構成について〉
図2は、本発明の一実施形態に係る光ピックアップ1の光学系を示す概略図である。光ピックアップ1は、光ディスク2に対して、光ビームを照射して反射光を受光する。これにより、光ディスク2の記録面に記録されている情報を読み取る。
光ピックアップ1は、第一光源11a(=光源)と、第二光源11b(=光源)と、ダイクロプリズム12と、コリメートレンズ13と、ビームスプリッタ14と、立ち上げミラー15と、液晶素子16と、対物レンズ17と、検出レンズ18と、光検出器19と、アクチュエータ20とを備えている。
第一光源11aは、DVDに対応する650nm帯の光ビームと、CDに対応する780nm帯の光ビームとを出射できるレーザダイオードである。第二光源11bは、BDに対応する405nm帯の光ビームを出射できるレーザダイオードである。
なお、本実施形態では、第一光源11aとして、2種類の波長の光ビームを出射できる二つの発光点を有する2波長一体型のレーザダイオードを用いているが、これに限られる趣旨ではなく、例えば単一の波長の光ビームのみを出射するレーザダイオードを用いても構わない。
ダイクロプリズム12は、DVD用の光ビームを出射する第一光源11aから出射される光ビームを透過し、BD用の光ビームを出射する第二光源11bから出射される光ビームを反射する。そして、第一光源11a及び第二光源11bから出射される光ビームの光軸を一致させる。ダイクロプリズム12において、透過又は反射された光ビームは、コリメートレンズ13に送られる。
コリメートレンズ13は、ダイクロプリズム12を透過した光ビームを平行光に変換する。ここで、平行光とは、第一光源11a及び第二光源11bから出射された光ビームの全ての光路が光軸とほぼ平行である光をいう。コリメートレンズ13で平行光とされた光ビームは、ビームスプリッタ14に送られる。
ビームスプリッタ14は、入射する光ビームを分離する光分離素子として機能し、コリメートレンズ13から送られてきた光ビームを透過して、光ディスク2側へと導くとともに、光ディスク2で反射された反射光を反射して光検出器19側へと導く。ビームスプリッタ14を透過した光ビームは、立ち上げミラー15に送られる。
立ち上げミラー15は、ビームスプリッタ14を透過してきた光ビームを反射して光ディスク2へと導く。立ち上げミラー15は、ビームスプリッタ14からの光ビームの光軸に対して45°傾いた状態となっており、立ち上げミラー15で反射された光ビームの光軸は、光ディスク2の記録面と略直交する。立ち上げミラー15で反射された光ビームは、液晶素子16に送られる。
液晶素子16は、透明電極に挟まれた液晶(いずれも図示せず)に電圧を印加することで、液晶分子がその配向方向を変える性質を利用して、屈折率の変化を制御し、液晶素子6を透過する光ビームの位相の制御を可能とする素子である。
この液晶素子16を配置することによって、光ディスク2の記録面を保護する樹脂層の厚みの違い等によって生じる球面収差の補正が可能となる。液晶素子16を通過した光ビームは対物レンズ17へと送られる。
対物レンズ17は、液晶素子16を透過した光ビームを光ディスク2の記録面上に集光させる。また、対物レンズ17は後述するアクチュエータ20によって、例えば、図2の上下方向及び左右方向に移動可能とされており、フォーカスサーボ信号及びトラッキングサーボ信号に基づいてその位置が制御される。
光ディスク2で反射された反射光は、対物レンズ17、液晶素子16の順に通過し、立ち上げミラー15で反射された後、さらにビームスプリッタ14で反射されて、検出レンズ18によって光検出器19上に設けられる受光素子へと集光される。
光検出器19は、フォトダイオード等の受光素子を用いて受光した光を、電気信号に変換して信号生成回路21へ出力する。光検出器19は例えば四分割された受光領域を備えており、領域ごとに個別に光電変換を行って電気信号を出力することが可能である。
アクチュエータ20は、ドライバ42で生成され出力された対物レンズ駆動信号に従って、対物レンズ17を光ディスク2の径方向に移動させる。アクチュエータ20はそれには限定されないが、ここでは、永久磁石(不図示)によって形成される磁界内にコイル(不図示)に駆動電流を流し、ローレンツ力にて対物レンズ17を駆動することができるものであってもよい。
またアクチュエータ20は、対物レンズ17を光ディスク2の記録面に沿う方向に移動させるトラッキング動作の他に、対物レンズ17より照射される光ビームの光軸が揺動するように対物レンズ17を傾動させるチルト動作や、対物レンズ17を光ディスク2に対して接近離反するように移動させるフォーカス動作も行うことができる。
〈3.マウント処理について〉
次に、本発明の一実施形態に係る光ディスクのマウント処理を、図3のフロー図を用いながら説明する。図3に示す本処理は、ディスクプレイヤ100に対する光ディスク2の装着がシステムコントローラ41により検知され、且つマウント処理の実行指示が検知された場合に開始される。
上記の指示を検知したシステムコントローラ41はステップS110において、光ディスク2の所定記録領域より、光ディスク2の種別を識別するための識別情報を読み取るよう、DSP31へ指示する。そして取得した識別情報より、光ディスクの種別、例えばCDやDVDといった種別を判別する。
次にシステムコントローラ41はステップS120において、FE信号の振幅調整を行う。さらにシステムコントローラ41はステップS130において、FE信号のS字バランス調整を行う。
S字バランス調整は、図5(a)に示すFES、及びV1を用いて行う。FESは、FE信号の最大値と最小値との差を示している。またV1は、FE信号の最大値からFES/2を引いた値と、基準電圧(=GND)との差を示している。
フォーカスエラーバランス(以下、「FEB」という)は、下記の計算式により算出される。
FEB=V1/FES×100
システムコントローラ41は、上記で算出されたFEBを0へ近づけるバランス調整、つまりFE信号の波形を上下均等にするバランス調整を実施するよう、DSP31へ指示する。そして実施したバランス調整の内容を示すS字バランス調整値(=第一調整値)を、記録部45へ記録する。S字バランス調整値は例えば、対物レンズ17をバランス調整後の基準位置まで移動させるためのステップ数等を示す値である。
次にシステムコントローラ41はステップS140において、上記で得られたS字バランス調整値を用いて、光ピックアップ1が光ディスク2の記録面に対してフォーカスオンを行うよう、DSP31へ指示する。これを受けたDSP31は、アクチュエータ20の駆動をドライバ42へ指示することにより、対物レンズ17のフォーカス制御を行う。
次にシステムコントローラ41はステップS150において、FE信号のフォーカスバランス調整を行う。フォーカスバランス調整は、図5(b)に示すAS信号を用いて行う。
システムコントローラ41は、AS信号の値が最大となるように光ピックアップ1を調整するよう、DSP31へ指示する。そして実施した調整の内容を示すフォーカスバランス調整値(=第二調整値)を、記録部45へ記録する。
なお、ステップS150においてシステムコントローラ41は、光ピックアップ1のデフォーカス(以下、「DEF」という)の大きさにかかわらず、ASが最大となる調整を実施する。光ピックアップ1のDEFは、下記の計算式により算出可能である。
DEF=V2/FES×100
上記式のV2(図5(a)に図示)は、図5(b)に示すAS信号が最大となる調整を行った場合に発生する、FE信号の値と基準電圧との差を示している。
次にシステムコントローラ41はステップS160において、TE系の調整を実施するよう、DSP31へ指示する。さらにステップS170において、トラックオンを実施するよう、DSP31へ指示する。さらにステップS180において、トラックオン後の各種調整、例えばフォーカスゲイン調整やトラックゲイン調整を実施するよう、DSP31へ指示する。
次にシステムコントローラ41はステップS190において、FE信号のフォーカスバランス調整を再実施する。これにより、調整精度を向上させる。ただし処理内容自体はステップS150と同様であるため、ここでは説明を省略する。
次にシステムコントローラ41はステップS200において、その他の各種調整を実施するよう、DSP31へ指示する。この各種調整には例えば、球面収差調整、RF振幅調整、チルト調整、RFイコライザ調整、フォーカスゲイン調整、トラックゲイン調整等が含まれる。これらの各種調整が完了するとマウントが完了し、本処理を終了する。
〈4.シーク処理について〉
次に、本発明の一実施形態に係る光ディスクのシーク処理を、図4のフロー図を用いながら説明する。図4に示す本処理は、ディスクプレイヤ100のマウント処理が完了しており、且つシーク処理の実行指示が検知された場合に開始される。
上記の指示を検知したシステムコントローラ41はステップS310において、予めマウント処理時に記録されているS字バランス調整値(=ステップS130で取得された値)とフォーカスバランス調整値(=ステップS190で取得された値)とを記録部45より読み出し、両値の差分を示す調整値差(=差分値)を算出する。
そしてステップS320において、調整値差が、予め定められた閾値αを超えるか否かを判定する。なおαの値は、ディスクプレイヤ100の製造時等において実施される実験データに基づいて、光ディスク、またはセットの平均値等から決定し、記録部45等に予め記録されているものとする。システムコントローラ41は記録部45よりこの閾値αを読み出して、上記の判定を行う。
調整値差が閾値αを超えない場合、後述するステップS340へ移行する。調整値差が閾値αを超える場合、システムコントローラ41はステップS330において、シーク時に用いる調整値としてS字バランス調整値を用いるよう、設定を行う。
次にシステムコントローラ41はステップS340において、上記のS字バランス調整値またはフォーカスバランス調整値を用いたシーク処理を行うよう、DSP31へ指示する。なおシーク処理の詳細については従来技術と同様であるため、ここでは説明を省略する。
シーク処理が完了すると、システムコントローラ41はステップS350において、以降の処理に用いる調整値としてフォーカスバランス調整値を用いるよう、設定を行う。これにより、一時的に設定されていたS字バランス調整値を、フォーカスバランス調整値に戻す。設定が完了すると、本処理を終了する。
以上に説明した本実施形態によれば、S字バランス調整値とフォーカスバランス調整値との差が大きい場合に、S字バランス調整値を用いてシーク処理を行うように設定変更し、シーク完了後に、フォーカスバランス調整値に戻すよう設定変更している。これにより、シーク時におけるサーボの安定性を増加させている。従って、光ピックアップ1や光ディスク2の特性によりデフォーカスが大きい場合であっても、シーク時のサーボ外れを抑制することが可能である。
[その他の実施の形態]
以上、好ましい実施の形態及び実施例をあげて本発明を説明したが、本発明は必ずしも上記実施の形態及び実施例に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内において様々に変形して実施することができる。
従って本発明は、以下の形態にも適用可能である。
(A)上記実施形態では、本発明のマウント処理、及びシーク処理に関わる各機能がマイクロプロセッサ等の演算処理装置上でプログラムを実行することにより実現されているが、これら各機能が複数の回路により実現される形態でもよい。
(B)上記実施形態では、本発明のマウント処理、及びシーク処理を行う光ディスク装置としてディスクプレイヤ100を例示したが、これ以外の光ディスク装置において本発明を実施する形態でもよい。例えば、光ディスクに対して記録を行うDVDレコーダにおいて実施する形態でもよい。
(C)上記実施形態では、シーク処理の実行指示が検知されるごとに調整値差の算出、及び調整値差と閾値αとの比較を行っているが、例えばマウント処理が完了した時点で上記の算出及び比較を予め行っておき、判定結果を記録部45等に記録しておく形態でもよい。
100 ディスクプレイヤ(光ディスク装置)
1 光ピックアップ
2 光ディスク
11a 第一光源(光源)
11b 第二光源(光源)
17 対物レンズ
19 光検出器
20 アクチュエータ
21 信号生成回路(信号生成部)
31 DSP(サーボ制御部)
41 システムコントローラ(主制御部)
45 記録部

Claims (3)

  1. 光ディスクの記録面に光ビームを照射させる光源、及び前記記録面からの反射光を光電変換する光検出器を備えた光ピックアップと、
    前記光電変換により得られた電気信号から、前記反射光の光量を示す全反射信号、及びフォーカスエラー信号を生成する信号生成部と、
    前記全反射信号及び前記フォーカスエラー信号に基づいて前記光ピックアップの制御を行うサーボ制御部とを備えた光ディスク装置において、
    前記フォーカスエラー信号のエラーバランスが最小となるよう前記光ピックアップを調整するための調整値である第一調整値と、前記全反射信号が最大となるよう前記光ピックアップを調整するための調整値である第二調整値との差分値を算出し、前記差分値が予め定められた閾値を超えるか否かを判定し、前記差分値が前記閾値を超える場合に、予め定められた種別の処理において前記第一調整値を用いて前記光ピックアップの調整を行うよう前記サーボ制御部を制御する主制御部を備え
    情報の記録を行う記録部を更に備え、
    前記主制御部は、前記光ディスク装置に装着された光ディスクのマウント処理時において前記第一調整値及び前記第二調整値を取得して前記記録部に記録し、前記第一調整値及び前記第二調整値から前記差分値を算出し、前記差分値が予め定められた閾値を超える場合に、シーク処理時において前記第一調整値を用いて前記光ピックアップの調整を行うよう前記サーボ制御部を制御し、
    前記主制御部は、シーク処理時における前記光ピックアップの調整が前記第一調整値により実施され、且つ前記シーク処理が完了した場合に、前記シーク処理後における前記光ピックアップの調整を前記第二調整値により行うよう前記サーボ制御部を制御すること
    を特徴とする光ディスク装置。
  2. 前記主制御部は、前記差分値が予め定められた閾値を超えない場合に、シーク処理時において前記第二調整値を用いて前記光ピックアップの調整を行うよう前記サーボ制御部を制御する、
    請求項1に記載の光ディスク装置。
  3. 前記フォーカスエラー信号のエラーバランスが最小となるようとする前記光ピックアップの調整は、前記フォーカスエラー信号の最大値から、前記フォーカスエラー信号の最大値と最小値との差の1/2を引いた値と基準電圧との差を用いて行われ、
    前記全反射信号が最大となるようとする前記光ピックアップの調整は、前記全反射信号が最大となる前記フォーカスエラー信号の値と基準電圧との差を用いて行われる、
    請求項1または請求項2に記載の光ディスク装置。
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