JP5379710B2 - 補強層付フレキシブル配線回路基板の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、補強層付フレキシブル配線回路基板の製造方法、詳しくは、電子部品などが実装される補強層付フレキシブル配線回路基板に関する。
フレキシブル配線回路基板には、所望の部位、例えば、電子部品が実装される実装部などに、補強層を設けることにより、かかる部位を補強することが知られている。
例えば、補強板を、熱硬化性樹脂接着剤を介してフレキシブル配線回路基板と接着する補強板付フレキシブルプリント配線板の製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、例えば、図9(e)に示すように、特許文献1などの製造方法により製造される補強層付フレキシブル配線回路基板40は、フレキシブル配線回路基板31と、その実装部32の下に、第1接着剤層33を介して接着される第1補強層34と、第1補強層34およびそれから露出するフレキシブル配線回路基板31の下に、第2接着剤層35を介して接着される第2補強層36とを備えている。また、第1補強層34の一端(右端)は、厚み方向に投影したときに、フレキシブル配線回路基板31と第2補強層36とに含まれるように配置されている。
そして、この補強層付フレキシブル配線回路基板40を得るには、図9(a)に示すように、まず、フレキシブル配線回路基板31を用意し、次いで、図9(b)に示すように、第1補強層34を、フレキシブル配線回路基板31の下に、第1接着剤層33を介して接着し、次いで、図9(c)〜図9(e)に示すように、第2補強層36を、フレキシブル配線回路基板31および第1補強層34の下に、第2接着剤層35を介して接着する。
詳しくは、第2補強層36の接着では、図9(c)に示すように、まず、第2接着剤層35を、第1補強層34およびそれから露出するフレキシブル配線回路基板31の下にわたって貼着し、次いで、図9(d)に示すように、第2補強層36を、厚み方向に投影したときに第1補強層34を含むように、それの下に形成し、次いで、図9(d)の矢印および図9(e)に示すように、それらを熱プレスして、第2接着剤層35を熱硬化させている。
しかし、図9(c)で示される第2接着剤層35は、第1補強層34の一端によって形成される段部37によって、フレキシブル配線回路基板31の下面から第1補強層34の端部の下面に至るように傾斜している。
そのため、図9(d)に示すように、かかる第2接着剤層35の下に、第2補強層36を配置し、続いて、図9(e)に示すように、第2接着剤層35を熱硬化させると、第2補強層36の傾斜部分38には、隙間(ボイド)39を生じるという不具合がある。
その結果、かかる隙間37に起因するボイド破裂(あるいはポップコーン現象)を生じ、実装部32に電子部品を確実に実装することができないという場合がある。
本発明の目的は、第1補強層の端面に配置される第2接着剤層における隙間の発生を確実に低減させて、信頼性に優れる補強層付フレキシブル配線回路基板を製造することのできる補強層付フレキシブル配線回路基板の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の補強層付フレキシブル配線回路基板は、フレキシブル配線回路基板と、前記フレキシブル配線回路基板の厚み方向一方側に第1接着剤層を介して接着される第1補強層と、前記第1補強層の前記一方側に、第2接着剤層を介して接着される第2補強層とを備える補強層付フレキシブル配線回路基板の製造方法であって、前記第1補強層を、前記フレキシブル配線回路基板の前記一方側に、前記厚み方向に投影したときに前記第1補強層の端面が前記フレキシブル配線回路基板に含まれるように、前記第1接着剤層を介して接着する第1接着工程、充填用接着剤層を、前記第1補強層から露出する前記フレキシブル配線回路基板の前記一方側に、少なくとも前記第1接着剤層の端面に隣接するように、かつ、前記第1接着剤層および前記第1補強層の合計厚みより薄い厚みで積層する第1積層工程、前記第2補強層を、前記第1補強層の前記一方側、および、前記第1補強層から露出するフレキシブル配線回路基板の前記一方側に、前記充填用接着剤層および前記第2接着剤層を介して接着する第2接着工程を備えることを特徴としている。
また、本発明の補強層付フレキシブル配線回路基板の製造方法では、前記充填用接着剤層および前記第2接着剤層は、熱硬化性接着剤からなり、前記第2接着工程は、前記第2補強層を、前記第1補強層の前記一方側、前記充填用接着剤層の前記一方側、および、前記充填用接着剤層から露出する前記フレキシブル配線回路基板の前記一方側に、前記第2接着剤層を介して貼着する工程、および、前記充填用接着剤層および前記第2接着剤層を熱硬化させる工程を備えることが好適である。
また、本発明の補強層付フレキシブル配線回路基板の製造方法では、前記第1接着工程は、前記第1接着剤層を、前記フレキシブル配線回路基板の前記一方側に積層する第2積層工程と、前記第1補強層を、前記第1接着剤層の前記一方側に接着する工程とを備え、前記第2積層工程と前記第1積層工程とを同時に実施することが好適であり、さらに、前記第1接着剤層および前記充填用接着剤層が一体的に形成されていることが好適である。
また、本発明の補強層付フレキシブル配線回路基板の製造方法では、前記充填用接着剤層において、前記第1補強層の端面に対する直交方向長さが、前記第1接着剤層および前記第1補強層の合計厚みに対して、100〜10000%であることが好適である。
本発明の補強層付フレキシブル配線回路基板の製造方法では、第1積層工程において、充填用接着剤層を、少なくとも第1接着剤層の端面に隣接させ、第2接着工程において、第2補強層を、充填用接着剤層および第2接着剤層を介して、第1補強層およびフレキシブル配線回路基板の厚み方向一方側に接着するので、充填用接着剤層によって、第2接着剤層における第1補強層の端面の近傍を充填することができる。そのため、上記した隙間(ボイド)の発生を確実に低減することができる。
その結果、電子部品を確実に実装することができ、信頼性に優れる補強層付フレキシブル配線回路基板を製造することができる。
図1は、本発明の補強層付フレキシブル配線回路基板の一実施形態により製造される補強層付フレキシブル配線回路基板の平面図、図2は、図1に示す補強層付フレキシブル配線回路基板の底面図、図3および図4は、本発明の補強層付フレキシブル配線回路基板の一実施形態の製造工程図で、図1および図2のA−A線に沿う断面図、図5は、本発明の補強層付フレキシブル配線回路基板の一実施形態の製造工程図で、図2に対応する底面図、図6は、第2接着剤層を示す。
図1において、この補強層付フレキシブル配線回路基板1は、電気機器や電子機器に用いられ、長手方向に延びる平帯状に形成され、より具体的には、平面視略T字状に形成されている。この補強層付フレキシブル配線回路基板1は、補強部10と配線部9とを備えている。
補強部10は、幅方向(長手方向に直交する方向)に延びる平面視略矩形状に形成されている。また、補強部10には、フレキシブル配線回路基板2と、それに第1接着剤層3を介して接着される第1補強層4と、それに第2接着剤層5を介して接着される第2補強層6とが設けられている(図4(f)参照。)。
なお、後述するが、補強部10では、図4(g)に示すように、その先側部分が、第1補強層4および第2補強層6の両方によって補強される第1補強部11とされ、後側部分が、第2補強層6のみによって補強される第2補強部12とされている。
また、第1補強部11の幅方向中央には、電子部品などが実装される第1実装領域13が区画されている。
また、第2補強部12の後側の幅方向両端には、図1に示すように、電子部品などが実装される第2実装領域14がそれぞれ区画されている。
配線部9は、補強部10の後端(長手方向一方側端)の幅方向中央から後側に向かって延びる平面視略矩形状に形成されている。また、配線部9には、フレキシブル配線回路基板2が設けられている。
つまり、補強層付フレキシブル配線回路基板1は、図1および図4(g)に示すように、配線部9において、フレキシブル配線回路基板2を備え、補強部10において、フレキシブル配線回路基板2と、フレキシブル配線回路基板2の下(厚み方向一方側)に、第1接着剤層3を介して接着される第1補強層4と、第1補強層4の下(厚み方向一方側)に、第2接着剤層5を介して接着される第2補強層6とを備えている。
フレキシブル配線回路基板2は、補強層付フレキシブル配線回路基板1の外形形状に対応する形状に形成されている。また、フレキシブル配線回路基板2は、ベース絶縁層15と、その上に形成される導体層16と、ベース絶縁層15の上に、導体層16を被覆するように形成されるカバー絶縁層17とを備えている。
ベース絶縁層15は、フレキシブル配線回路基板2の外形形状に対応する形状に形成されている。
導体層16は、ベース絶縁層15の上面に形成され、補強部10および配線部9にわたって形成されている。また、導体層16は、第1端子19と、第2端子20と、それらを接続する配線18とを一体的に備える配線回路パターンとして形成されている。
第1端子19は、補強部10に複数設けられ、詳しくは、第1補強部11および第2補強部12の両方に配置されている。
第1端子19は、補強部10において、長手方向および幅方向に間隔を隔てて複数並列配置されている。また、第1端子19のうち、第1補強部11に設けられる第1端子19は第3端子21とされ、第2補強部12に設けられる第1端子19は第4端子22とされる。
第2端子20は、配線部9の後端部に複数設けられており、幅方向に間隔を隔てて並列配置されている。
配線18は、補強部10および配線部9にわたって形成されている。また、配線18は、配線部9において、長手方向に延びるように形成され、幅方向に間隔を隔てて並列配置されている。
また、配線18は、補強部10において、幅方向に間隔を隔てて並列配置されている。具体的には、配線18は、第2補強部12において、その後端から先側に向かって延び、その後、幅方向両外側に屈曲し、最後側の配線(後側配線)18aが第4端子22に連続するように配置されている。また、配線18は、上記屈曲後の後側配線18aより先側の配線(先側配線)18bが、第2補強部12における幅方向両側端部において、先側に屈曲して、第1補強部11に至り、その後、幅方向内側に屈曲して、第3端子21に連続するように配置されている。なお、配線18は、配線部9の後端部において、第2端子20に連続するように配置されている。
カバー絶縁層17は、導体層16が配置されるベース絶縁層15に対応して形成されており、配線18を被覆し、第1端子19および第2端子20を露出するように形成されている。
第1補強層4は、図2に示すように、底面視略矩形平板形状に形成されている。また、第1補強層4は、図4(g)が参照されるように、長手方向および幅方向に沿う断面視で、略矩形状に形成されている。
また、第1補強層4は、補強部10の下に、厚み方向に投影したときに第1補強層4の後端面8が補強部10に含まれるように接着されている。すなわち、第1補強層4の後端面8は、図2に示すように、厚み方向に投影したときに、補強部10の前後方向途中に位置し、幅方向に沿って延びるように形成されている。
さらに、第1補強層4の先端面および幅方向両端面は、補強部10の先端面および幅方向両端面と、厚み方向に投影したときに、同一位置に位置するように形成されている。
第1接着剤層3は、図3(b)が参照されるように、第1補強部11の下面と第1補強層4の上面との間に介在しており、厚み方向に投影したときに、第1補強層4と同一位置に配置されている。
第2補強層6は、図1、図2および図4(g)が参照されるように、第1補強層4より長さ(長手方向長さ)が長い平面視略矩形平板形状に形成されている。また、第2補強層6は、長手方向および幅方向に沿う断面視において、略矩形状に形成されている。
また、第2補強層6は、補強部10の下に設けられている。詳しくは、第2補強層6は、補強部10において、厚み方向に投影したときに第1補強層4の後端面8を含むように、第1補強層4の下、および、第1補強層4から露出するフレキシブル配線回路基板2の下に、第2接着剤層5を介して接着されている。
より具体的には、第2補強層6は、第1補強部11において、第1補強層4の下に、第2接着剤層5を介して接着されている。また、第2補強層6は、第2補強部12の下において、フレキシブル配線回路基板2の下に、第2接着剤層5および充填用接着剤層7(あるいはそれらの合一部分23、後述する。)を介して接着されている。
第2接着剤層5は、第1補強層4の下面および第1補強層4から露出するフレキシブル配線回路基板2の下面と、第2補強層6の上面との間に介在しており、厚み方向に投影したときに、第2補強層6と同一位置に配置されている。
充填用接着剤層7は、後で詳述するが、図3(c)に示すように、第1接着剤層3の後端面25に隣接するように配置され、その配置(フレキシブル配線回路基板2に対する貼着)後、図4(f)および図4(g)が参照されるように、第2接着剤層5とともに熱硬化して、合一部分23を形成する。
次に、この補強層付フレキシブル配線回路基板1の製造方法を、図3〜図6を参照して説明する。
まず、この方法では、図3(a)および図5(a)に示すように、フレキシブル配線回路基板2を作製する。
フレキシブル配線回路基板2は、ベース絶縁層15に、導体層16およびカバー絶縁層17を順次積層することにより、作製する。
すなわち、フレキシブル配線回路基板2を作製するには、まず、ベース絶縁層15を用意する。
ベース絶縁層15を形成する絶縁材料としては、例えば、ポリイミド、ポリアミドイミド、アクリル樹脂、ポリエーテルニトリル、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ塩化ビニルなどの合成樹脂が用いられる。これらのうち、好ましくは、ポリイミドが用いられる。
ベース絶縁層15は、感光性の上記した合成樹脂の溶液(ワニス)を図示しない支持基板の上に塗布し、乾燥後、露光および現像し、必要により硬化させることにより、上記したパターンとして用意する。また、ベース絶縁層15は、例えば、上記したパターンに予め形成された絶縁材料のフィルムとして用意することもできる。
ベース絶縁層15の厚みは、例えば、5〜50μm、好ましくは、10〜30μmである。
次いで、導体層16をベース絶縁層15の上に形成する。
導体層16を形成する導体材料としては、例えば、銅、ニッケル、金、はんだ、またはそれらの合金などの金属材料が用いられる。これらのうち、好ましくは、銅が用いられる。
導体層16を形成するには、例えば、サブトラクティブ法、アディティブ法などの公知のパターンニング法が用いられる。好ましくは、サブトラクティブ法が用いられる。
導体層16をサブトラクティブ法により形成するには、まず、上記した導体材料からなる導体箔(図示せず)を上記したベース絶縁層15の上面全面に積層する。なお、ベース絶縁層15と、その上面に接着剤層を介して予め積層された導体箔とを備える金属張積層板(図示せず)を用いることもできる。
次いで、導体箔(図示せず)の上に、導体層16の配線回路パターンと同一パターンのエッチングレジスト(図示せず)を形成する。次いで、エッチングレジストから露出する導体箔を、エッチングする。その後、エッチングレジストを除去する。
これによって、導体層16をサブトラクティブ法により形成することができる。
導体層16の厚みは、例えば、3〜30μm、好ましくは、5〜20μmである。
次いで、カバー絶縁層17を、ベース絶縁層15の上に、上記したパターンで形成する。
カバー絶縁層17を形成する絶縁材料としては、上記したベース絶縁層15を形成する絶縁材料と同様のものが用いられる。
カバー絶縁層17は、感光性の上記した合成樹脂の溶液(ワニス)を、導体層16を含むベース絶縁層15の上に塗布し、乾燥後、露光および現像し、必要により硬化させることにより、上記したパターンとして形成する。また、カバー絶縁層17は、例えば、上記したパターンに予め打ち抜きなどにより形成された絶縁材料のフィルムを用意し、これを、必要により、接着剤を介して、導体層16を含むベース絶縁層15の上に貼着することもできる。
カバー絶縁層17の厚みは、例えば、1〜40μm、好ましくは、3〜25μmである。
その後、ベース絶縁層15の下の支持基板(図示せず)を除去する。
これにより、フレキシブル配線回路基板2を作製する。
このようにして作製したフレキシブル配線回路基板2の厚みは、配線18が形成される部分(ベース絶縁層15、導体層16およびカバー絶縁層17の積層部分)において、例えば、10〜120μm、好ましくは、15〜75μmである。
次いで、この方法では、図3(b)および図5(b)に示すように、第1補強層4を、フレキシブル配線回路基板1の下に、上記した配置で、第1接着剤層3を介して接着する(第1接着工程)。
第1補強層4を形成する材料としては、例えば、樹脂、金属などが用いられる。好ましくは、補強性、耐熱性および断熱性を併有する材料、具体的には、樹脂、さらに好ましくは、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミドが用いられる。
第1補強層4の厚みt1は、例えば、10〜200μm、好ましくは、40〜100μmである。
第1接着剤層3を形成する接着剤としては、例えば、ポリイミド系接着剤、エポキシ系接着剤、エポキシ−ニトリルブチルゴム系接着剤、エポキシ−アクリルゴム系接着剤、アクリル系接着剤、ブチラール系接着剤、ウレタン系接着剤などの熱硬化性接着剤、例えば、合成ゴム系接着剤などの熱可塑性接着剤、例えば、アクリル系接着剤などの感圧性接着剤などが用いられる。好ましくは、熱硬化性接着剤および/または感圧性接着剤が用いられ、さらに好ましくは、熱硬化性接着剤が用いられる。
第1補強層4を、フレキシブル配線回路基板1の下に、第1接着剤層3を介して接着するには、まず、第1接着剤層3と、その上面に積層される第1接着剤層3とを備える第1接着剤層付補強層26の第1接着剤層3を、フレキシブル配線回路基板2の下面に貼着する。
あるいは、図示しないが、まず、第1接着剤層3を、フレキシブル配線回路基板2の下面に貼着し、続いて、第1補強層4を第1接着剤層3の下面に貼着する。
なお、上記した第1補強層4のフレキシブル配線回路基板2への貼着には、例えば、第1補強層4およびフレキシブル配線回路基板2を、真空(減圧)雰囲気下にて熱プレスする真空ラミネータが用いられる。真空ラミネータの加熱温度は、例えば、30〜80℃、好ましくは、40〜70℃である。
その後、第1接着剤層3が熱硬化性接着剤から形成されている場合には、第1接着剤層3を熱硬化させる。
第1接着剤層3を熱硬化させるには、フレキシブル配線回路基板2、第1接着剤層3および第1補強層4からなる積層体を、例えば、硬化炉などに投入する。熱硬化の条件は、加熱温度が、例えば、100〜180℃、好ましくは、120〜160℃であり、加熱時間が、例えば、0.5〜7時間、好ましくは、1〜5時間である。
これにより、第1補強層4を、フレキシブル配線回路基板1の下に、第1接着剤層3を介して接着することができる。
このようにして熱硬化した第1接着剤層3の厚みt2は、例えば、5〜200μm、好ましくは、25〜100μmである。なお、熱硬化後の第1接着剤層3の厚みt2は、熱硬化時における溶剤や添加剤などの蒸発によって、熱硬化前の第1接着剤層3の厚みより薄くなる場合があり、熱硬化後の第1接着剤層3の厚みt2は、例えば、熱硬化前の第1接着剤層3の厚みに対して、例えば、99〜50%の厚みとなる。
また、第1接着剤層3の厚みt2および第1補強層4の厚みt1の合計厚みTは、例えば、15〜400μm、好ましくは、50〜200μmである。
次いで、この方法では、図3(c)および図5(c)に示すように、充填用接着剤層7を、第1補強層4から露出するフレキシブル配線回路基板2の下に、第1接着剤層3の後端面25に隣接するように積層する(第1積層工程)。
充填用接着剤層7を形成する接着剤としては、特に限定されず、上記した第1接着剤層3を形成する接着剤と同様の接着剤、好ましくは、熱硬化性接着剤が用いられる。
充填用接着剤層7は、フレキシブル配線回路基板2の幅方向に長く延びる平面視略矩形平板形状に形成されている。また、充填用接着剤層7は、フレキシブル配線回路基板2の幅方向および長手方向に沿う断面視において、略矩形状に形成されている。
具体的には、充填用接着剤層7を、フレキシブル配線回路基板2の下面に、第1接着剤層3の後端面25と幅方向に沿って接触するように、貼着する。また、充填用接着剤層7は、厚み方向に投影したときに、幅方向両端面が、補強部10の幅方向両端面と同一位置に位置するように貼着される。
充填用接着剤層7の幅(充填用接着剤層7におけるフレキシブル配線回路基板1の長手方向長さ、つまり、第1補強層4の後端面8に対する直交方向長さ)L1は、上記した第1接着剤層3の厚みt2および第1補強層4の厚みt1の合計厚みTに対して、例えば、100〜10000%、好ましくは、500〜5000%であり、具体的には、0.3〜3mm、好ましくは、0.5〜1.5mmである。
また、充填用接着剤層7の厚みt3は、第1接着剤層3の厚みt2および第1補強層4の厚みt1の合計厚みTより薄く、具体的には、上記した合計厚みTに対して、例えば、80%以下、好ましくは、60%以下、さらに好ましくは、40%以下であり、通常、5%以上である。具体的には、充填用接着剤層7の厚みt3は、具体的には、例えば、1〜300μm、好ましくは、5〜150μm、さらに好ましくは、5〜25μmである。
充填用接着剤層7の積層(貼着)には、例えば、ラミネータ、具体的には、例えば、2枚の平板により充填用接着剤層7およびフレキシブル配線回路基板2(充填用接着剤層7の積層前のフレキシブル配線回路基板2)を、真空(減圧)雰囲気下にて熱プレスする平板真空ラミネータ、例えば、ロールにより充填用接着剤層7およびフレキシブル配線回路基板2(充填用接着剤層7の積層前のフレキシブル配線回路基板2)を、真空(減圧)雰囲気下にて熱プレスするロール真空ラミネータなどが用いられる。
また、ラミネータの条件は、加熱温度が、例えば、30〜80℃、好ましくは、40〜70℃である。
次いで、この方法では、図3(d)、図4(e)〜図4(g)、図5(d)および図5(e)に示すように、第2補強層6を、第1補強層4の下、および、第1補強層4から露出するフレキシブル配線回路基板2の下に、第2接着剤層5および充填用接着剤層7を介して接着する(第2接着工程)。
第2補強層6を形成する材料としては、例えば、樹脂、金属など用いられる。好ましくは、補強性を有する材料、具体的には、金属、さらに好ましくは、アルミニウム、ステンレス、鉄、銅、42アロイが用いられる。
第2補強層6の厚みは、例えば、100〜1000μm、好ましくは、200〜800μmである。
第2接着剤層5を形成する接着剤としては、上記した第1接着剤層3を形成する接着剤と同様の接着剤、好ましくは、熱硬化性接着剤が用いられる。
第2接着剤層5の厚みは、例えば、3〜50μm、好ましくは、5〜25μmである。
第2補強層6を、第1補強層4およびフレキシブル配線回路基板2の下に、第2接着剤層5および充填用接着剤層7を介して接着するには、まず、図3(d)および図6に示すように、第2接着剤層5を用意する。
第2接着剤層5は、図6に示すように、平面視略矩形平板形状に形成され、具体的には、厚み方向に投影したときに、第2補強層6と同一の略矩形状に形成されている。
また、第2接着剤層5には、第1補強層4の後端面8に沿うスリット(切込み)24が、第2接着剤層5の厚み方向に形成されている。
スリット24は、図5(d)および図6(a)に示すように、第2接着剤層5の長手方向の途中で、第2接着剤層5の幅方向途中に形成されている。具体的には、スリット24は、第2接着剤層5の幅方向中央から幅方向両端縁の内側まで連続して形成されている。また、スリット24の幅方向両外側における第2接着剤層5は、長手方向両側に連続している。
次に、この方法では、図3(d)の矢印、図4(e)および図5(d)で示すように、第2接着剤層5を、第1補強層4の下、充填用接着剤層7の下、および、充填用接着剤層7から露出するフレキシブル配線回路基板2の下に貼着する。
第2接着剤層5は、図4(e)に示すように、スリット24が第1補強層4の後端面8に一致するように、第1補強層4の下面、充填用接着剤層7の下面、および、充填用接着剤層7から露出するフレキシブル配線回路基板2の下面に貼着する。
具体的には、厚み方向に投影したときには、スリット24が、第1補強層4の後端面8に一致し、スリット24より先側の第2接着剤層5およびスリット24より後側の第2接着剤層5が連続するように、第2接着剤層5を貼着する。一方で、幅方向に投影したときには、スリット24より先側の第2接着剤層5およびスリット24より後側の第2接着剤層5が上下に分断されるように、第2接着剤層5を貼着する。詳しくは、スリット24より先側の第2接着剤層5が第1補強層4の下面に積層される一方、スリット24より後側の第2接着剤層5が充填用接着剤層7の下面に積層されるように、第2接着剤層5を貼着する。
第2接着剤層5の貼着には、上記した充填用接着剤層7の積層(貼着)と同様の方法が用いられ、ラミネータの条件は、上記と同様である。
次いで、図4(f)および図5(e)に示すように、第2補強層6を、第2接着剤層5の下に貼着する。
第2補強層6の第2接着剤層5の下への貼着では、上記した真空ラミネータが用いられる。真空ラミネータの条件は、上記と同様である。
なお、第2接着剤層5が、フレキシブル配線回路基板2、第1補強層4および充填用接着剤層7の各下面に積層され、第1補強層4および充填用接着剤層7の下面が、厚み方向において、フレキシブル配線回路基板2の下面からの長さ(深さあるいは高さ)がそれぞれ異なることから、第2補強層6は、第2接着剤層5の当接時に、図4(f)に示すように、第1補強層4の下に積層される第2接着剤層5に接触し、上記した真空ラミネート時に、図4(g)が参照されるように、充填用接着剤層7およびフレキシブル配線回路基板2の各下面に積層される第2接着剤層5に接触する。
次いで、この方法では、図4(g)に示すように、充填用接着剤層7および第2接着剤層5が熱硬化性樹脂から形成されている場合には、充填用接着剤層7および第2接着剤層5を熱硬化させる。
充填用接着剤層7および第2接着剤層5を熱硬化させるには、フレキシブル配線回路基板2、第1接着剤層3、第1補強層4、第2接着剤層5、充填用接着剤層7および第2補強層6からなる積層体を、例えば、硬化炉などに投入する。熱硬化の条件は、加熱温度が、例えば、120〜180℃、好ましくは、130〜165℃であり、加熱時間が、例えば、0.5〜7時間、好ましくは、1〜5時間である。
第2接着剤層5および充填用接着剤層7は、上記した熱硬化において、合一(一体化)してそれらの合一部分23を形成する。
これによって、第2補強層6を、第1補強層4の下、および、フレキシブル配線回路基板2の下に、第2接着剤層5および充填用接着剤層7を介して接着することができる。
その後、図1が参照されるように、第1実装領域13に電子部品を実装して、その電子部品の端子(図示せず)と第3端子21とをはんだを介して電気的に接続する。また、第2実装領域14に電子部品を実装して、その電子部品の端子(図示せず)と第4端子22とをはんだを介して電気的に接続する。これらはんだによる接続では、例えば、はんだを、例えば、180〜280℃に加熱して溶融させる。
そして、上記した補強層付フレキシブル配線回路基板1の製造方法では、第1積層工程において、充填用接着剤層7を、第1接着剤層3の後端面25に隣接させ、第2接着工程において、第2補強層6を、第2接着剤層5および充填用接着剤層7を介して、第1補強層4、および、第1補強層4から露出するフレキシブル配線回路基板2の下に接着するので、充填用接着剤層7によって、第2接着剤層5における第1補強層4の後端面8の近傍を充填することができる。そのため、上記した隙間(ボイド)の発生、さらには、それに起因するボイド破裂(あるいはポップコーン現象)を確実に低減することができる。
その結果、第1実装部13および第2実装部14に電子部品を確実に実装することができ、信頼性に優れる補強層付フレキシブル配線回路基板1を製造することができる。
また、上記した第1積層工程では、スリット24を、第1補強層4の後端面8に一致させることによって、充填用接着剤層7の下面と第1補強層6の後端面8との隅部に、第2接着剤層5を充填することができる。そのため、上記した隙間(ボイド)の発生をより一層確実に低減することができる。
また、充填用接着剤層7の幅L1が、第1接着剤層3の厚みt2および第1補強層4の厚みt1の合計厚みTに対して、上記した特定範囲内にあれば、充填用接着剤層7における幅L1が比較的狭い一方、合一部分23の接着性を向上させながら、上記した隙間(ボイド)を有効に防止することができる。
図7は、本発明の補強層付フレキシブル配線回路基板の他の実施形態(スリットがない第2接着剤層を用いる態様)の製造工程図、図8は、本発明の補強層付フレキシブル配線回路基板の他の実施形態(第1接着剤層および充填用接着剤層が一体的に形成される態様)の製造工程図を示す。図7および図8において、上記した各部に対応する部材については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
上記した説明では、図3(d)および図6に示すように、スリット24を、第2接着剤層5に形成しているが、例えば、図7(a)に示すように、スリット24を形成することなく、第2接着剤層5を用意することもできる。
その場合には、図7(b)に示すように、第2接着剤層5を、幅方向に投影したときに、第1補強層4の下面および後端面8と、充填用接着剤層7の下面とに連続するように貼着する。
この方法によれば、スリット24を第2接着剤層5に形成する手間を省略することができ、また、第2接着剤層5の取扱性を向上させることができる。
また、上記した図4の説明では、第2接着剤層5を、第1補強層4の下面、充填用接着剤層7の下面、および、充填用接着剤層7から露出するフレキシブル配線回路基板2の下面に貼着し、その後、第2補強層6を、第2接着剤層5の下面に貼着しているが、例えば、図7(a)の仮想線が参照されるように、第2補強層6と、その上面に予め積層された第2接着剤層5とを備える第2接着剤層付補強層27を用意し、次いで、図7(b)の仮想線が参照されるように、第2接着剤層付補強層27の第2接着剤層5を、第1補強層4の下面、充填用接着剤層7の下面、および、充填用接着剤層7から露出するフレキシブル配線回路基板2の下面に貼着することもできる。
また、上記した説明では、充填用接着剤層7および第2接着剤層5が熱硬化性接着剤から形成されている場合には、それらを、第2補強層6の第2接着剤層5への貼着後、一度に熱硬化させているが、例えば、それらを順次(別々に)熱硬化させることもできる。すなわち、充填用接着剤層7の貼着後に、充填用接着剤層7を熱硬化させ、次いで、第2補強層6の貼着後に、第2接着剤層5を熱硬化させる。
好ましくは、図4に示すように、充填用接着剤層7および第2接着剤層5を一度に熱硬化させる。これにより、熱硬化性接着剤からなる合一部分23(図4(g))を確実に形成することができるので、かかる合一部分23によって、上記した隙間(ボイド)の発生をより一層確実に低減することができる。
さらに、上記した説明では、第1接着剤層3と、充填用接着剤層7とを別々に熱硬化させているが、例えば、それらを一度に熱硬化させることもできる。例えば、第1接着剤層3の貼着後において、それを熱硬化させることなく、続いて、充填用接着剤層7を貼着して、その後、第1接着剤層3および充填用接着剤層7を一度に熱硬化させる。
また、上記した図3(c)に示す第1積層工程では、充填用接着剤層7を、第1接着剤層3の後端面25のみに接触させているが、例えば、図示しないが、充填用接着剤層7の厚みt3に応じて、第1接着剤層3の後端面25と第1補強層4の後端面8との両面に接触させることもできる。
さらに、上記した図3(c)に示す第1積層工程では、充填用接着剤層7を、第1接着剤層3の後端面25に接触させているが、例えば、図示しないが、長手方向において、充填用接着剤層7の先端面と第1接着剤層3の後端面25とに、微少間隔を隔てて対向配置することもできる。充填用接着剤層7の先端面と、第1接着剤層3の後端面25との間隔は、例えば、200μm以下である。
また、上記した図3の説明では、第1接着工程(図3(b))および第1積層工程(図3(c))を、順次別々に実施している。つまり、第1接着工程における第1接着剤層3のフレキシブル配線回路基板2への貼着と、第1積層工程におけるフレキシブル配線回路基板2への貼着とを、順次別々に実施しているが、例えば、図8に示すように、同時に実施することもできる。
その場合には、まず、図8(a)に示すように、第1接着剤層3および充填用接着剤層7とが一体的に形成された第3接着剤層28を用意する。
第3接着剤層28において、第1接着剤層3と充填用接着剤層7とha、長手方向に連続するように形成されている。
次いで、図8(a)矢印および図8(b)に示すように、第3接着剤層28をフレキシブル配線回路基板2の下面に貼着(積層)する(第1積層工程および第2積層工程)。続いて、必要により、第3接着剤層28を熱硬化させる。
その後、図8(b)矢印および図8(c)に示すように、第1補強層4を、第3接着剤層28の下面に貼着(積層)する。
第1補強層4は、充填用接着剤層7として区画される部分を露出するように、かつ、第1接着剤層3として区画される部分を被覆するように、第3接着剤層28の下面に貼着する。
そして、この方法によれば、第2積層工程および第1積層工程を同時に(まとめて)実施するので、簡易な方法で補強層付フレキシブル配線回路基板1を製造することができる。
さらに、第1接着剤層3および充填用接着剤層7が一体的に形成されているので、それらを別々に形成する手間を省略することができる。
つまり、充填用接着剤層7が第1接着剤層3と一体的に形成される第3接着剤層28は、取扱性に優れている。詳しくは、幅L1が比較的狭い充填用接着剤層7(図3(c)参照)を、第1接着剤層3と一体化させて、第3接着剤層28として取り扱うので、充填用接着剤層7のみを取り扱う場合に比べて、取扱性を向上させることができる。
なお、上記の場合には、第3接着剤層28において、第1接着剤層3の厚みt2(図3(b)参照)と、充填用接着剤層7の厚みt3(図3(c)参照)とは、好ましくは、同一である。
また、上記した説明では、第1補強層4が樹脂から形成されている場合には、第1実装領域13において、第3端子21および電子部品の端子(図示せず)の電気的な接続のためのはんだの加熱時に、熱が、第3補強層6に拡散することを防ぐ(断熱する)ことができ、接続信頼性に優れる補強層付フレキシブル配線回路基板1を得ることができる。
以下に実施例および比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、何ら実施例および比較例に限定されない。
実施例1
(充填用接着剤層およびスリットが形成された第2接着剤層を順次貼着する態様)
まず、フレキシブル配線回路基板を作製した(図3(a)参照)。
(充填用接着剤層およびスリットが形成された第2接着剤層を順次貼着する態様)
まず、フレキシブル配線回路基板を作製した(図3(a)参照)。
すなわち、ポリイミドからなる厚み25μmのベース絶縁層と、その上面に接着剤層を介して予め積層され、銅からなる厚み15μmの導体箔とを備える銅張積層板(商品名:LEAS0518、厚み40μm、有沢製作所社製)を用意した。次いで、銅張積層板の導体箔の上に、エッチングレジストを形成し、次いで、エッチングレジストから露出する導体箔を、エッチングし、その後、エッチングレジストを除去した。これにより、第1端子、第2端子(第3端子および第4端子)および配線を備える導体層を形成した。
その後、金型による打ち抜きによって上記したパターンに予め形成されているポリイミドからなる厚み20μmのフィルムを用意し、このフィルムを接着剤を介して導体層を含むベース絶縁層の上に貼着した。
これにより、ベース絶縁層、導体層およびカバー絶縁層を備え、厚み(ベース絶縁層、配線およびカバー絶縁層の積層部分の厚み)60μmのフレキシブル配線回路基板を作製した。
次いで、上記した形状に形成された厚み100μmの第1接着剤層付補強層(すなわち、アクリル系接着剤からなる厚み25μmの第1接着剤層と、その下面に積層され、ポリイミドからなる厚み(t1)75μmの第1補強層とを備える第1接着剤層付補強層)の第1接着剤層を、フレキシブル配線回路基板の下に貼着した(第1接着工程。図3(b)および図5(b)参照)。
具体的には、第1接着工程では、加熱温度60℃の真空ラミネータを用いて、第1接着剤層付補強層の第1接着剤層を、フレキシブル配線回路基板の下に貼着した。
その後、フレキシブル配線回路基板、第1接着剤層および第1補強層からなる積層体を、150℃の硬化炉に3時間投入することによって、第1接着剤層を熱硬化させた。これによって、第1補強層を、フレキシブル配線回路基板の下に、第1接着剤層を介して接着した。
なお、熱硬化後の第1接着剤層の厚み(t2)は15μmであった。つまり、第1補強層の厚み(t1=75μm)および熱硬化後の第1接着剤層の厚み(t2=15μm)の合計厚み(T)は90μmである。
次いで、アクリル系接着剤からなり、幅(L1)1mm、厚み(t3)25μmの充填用接着剤層を、第1補強層から露出するフレキシブル配線回路基板の下に、充填用接着剤層の先端面が第1接着剤層の後端面と接触するように、貼着した(第1積層工程。図3(c)および図5(c)参照))。充填用接着剤層は、加熱温度60℃の平板真空ラミネータによって、フレキシブル配線回路基板の下面に貼着した。
また、スリットが厚み方向に形成され、アクリル系接着剤からなる厚み25μmの第2接着剤層を用意した(図3(d)および図6参照))。
次いで、第2接着剤層を、第1補強層の下面、充填用接着剤層の下面、および、充填用接着剤層から露出するフレキシブル配線回路基板の下面に、スリットが第1補強層の後端面に一致するように、貼着した(図3(d)の矢印、図4(e)および図5(d)参照)。第2接着剤層は、加熱温度60℃の平板真空ラミネータによって、第1補強層の下面、充填用接着剤層の下面およびフレキシブル配線回路基板の下面に貼着した。
次いで、アルミニウムからなる厚み300μmの第2補強層を、第1補強層の下、および、第1補強層から露出するフレキシブル配線回路基板の下に、充填用接着剤層および第2接着剤層を介して接着した(第2接着工程。図4(f)、図4(g)および図5(e)参照)。
具体的には、まず、第2補強層を、加熱温度60℃の平板真空ラミネータによって、第2接着剤層の下に貼着した。その後、フレキシブル配線回路基板、第1接着剤層、第1補強層、第2接着剤層、充填用接着剤層および第2補強層からなる積層体を、150℃の硬化炉に3時間投入することによって、充填用接着剤層および第2接着剤層を熱硬化させた(図4(g)参照)。
これによって、第2補強層を、第1補強層およびフレキシブル配線回路基板の下に、充填用接着剤層および第2接着剤層を介して接着した。
これにより、補強層付フレキシブル配線回路基板を得た。
実施例2
(充填用接着剤層およびスリットが形成されていない第2接着剤層を順次貼着する態様)
スリットが形成されていない第2接着剤層を用いた以外は、実施例1と同様に処理して、補強層付フレキシブル配線回路基板を得た(図7参照)。
(充填用接着剤層およびスリットが形成されていない第2接着剤層を順次貼着する態様)
スリットが形成されていない第2接着剤層を用いた以外は、実施例1と同様に処理して、補強層付フレキシブル配線回路基板を得た(図7参照)。
比較例1(充填用接着剤層を貼着せずに、第2接着剤層を貼着する態様)
充填用接着剤層を貼着することなく、第2接着剤層を貼着した以外は、実施例1と同様に処理して、補強層付フレキシブル配線回路基板を得た(図9参照)。
充填用接着剤層を貼着することなく、第2接着剤層を貼着した以外は、実施例1と同様に処理して、補強層付フレキシブル配線回路基板を得た(図9参照)。
すなわち、第2接着工程では、第2接着剤層を、第1補強層およびそれから露出するフレキシブル配線回路基板の下面に貼着した。
実施例3
(第1接着剤層および充填用接着剤層が一体的に形成される第3接着剤層を一度に貼着する態様)
上記した第1積層工程および第1接着工程に代えて、第1接着剤層および充填用接着剤層が一体的に形成される第3接着剤層を、フレキシブル配線回路基板の下に同時(一度)に貼着し(図8(a)および図8(b)参照)、続いて、第1補強層を、第3接着剤層の下に積層した(図8(c)参照)以外は、実施例1と同様に処理して、補強層付フレキシブル配線回路基板を得た(図8参照)。
(第1接着剤層および充填用接着剤層が一体的に形成される第3接着剤層を一度に貼着する態様)
上記した第1積層工程および第1接着工程に代えて、第1接着剤層および充填用接着剤層が一体的に形成される第3接着剤層を、フレキシブル配線回路基板の下に同時(一度)に貼着し(図8(a)および図8(b)参照)、続いて、第1補強層を、第3接着剤層の下に積層した(図8(c)参照)以外は、実施例1と同様に処理して、補強層付フレキシブル配線回路基板を得た(図8参照)。
比較例1(充填用接着剤層を貼着せずに、第2接着剤層を貼着する態様)
充填用接着剤層を貼着することなく、第2接着剤層を貼着した以外は、実施例1と同様に処理して、補強層付フレキシブル配線回路基板を得た(図9参照)。
充填用接着剤層を貼着することなく、第2接着剤層を貼着した以外は、実施例1と同様に処理して、補強層付フレキシブル配線回路基板を得た(図9参照)。
すなわち、第2接着工程では、第2接着剤層を、第1補強層およびそれから露出するフレキシブル配線回路基板の下面に貼着した。
(評価)
実施例1〜3および比較例2により得られた補強層付フレキシブル配線回路基板の第1補強部および第2補強部の境界を、目視によって観察した。
実施例1〜3および比較例2により得られた補強層付フレキシブル配線回路基板の第1補強部および第2補強部の境界を、目視によって観察した。
その結果、実施例1〜3では、ボイドが観察されなかった。
一方、比較例1では、ボイドが観察された。
1 補強層付フレキシブル配線回路基板
2 フレキシブル配線回路基板
3 第1接着剤層
4 第1補強層
5 第2接着剤層
6 第2補強層
7 充填用接着剤層
8 後端面(第1補強層)
25 後端面(第1接着剤層)
L1 充填用接着剤層の幅
t3 充填用接着剤層の厚み
T 第1接着剤層および第1補強層の合計厚み
2 フレキシブル配線回路基板
3 第1接着剤層
4 第1補強層
5 第2接着剤層
6 第2補強層
7 充填用接着剤層
8 後端面(第1補強層)
25 後端面(第1接着剤層)
L1 充填用接着剤層の幅
t3 充填用接着剤層の厚み
T 第1接着剤層および第1補強層の合計厚み
Claims (5)
- フレキシブル配線回路基板と、前記フレキシブル配線回路基板の厚み方向一方側に第1接着剤層を介して接着される第1補強層と、前記第1補強層の前記一方側に、第2接着剤層を介して接着される第2補強層とを備える補強層付フレキシブル配線回路基板の製造方法であって、
前記第1補強層を、前記フレキシブル配線回路基板の前記一方側に、前記厚み方向に投影したときに前記第1補強層の端面が前記フレキシブル配線回路基板に含まれるように、前記第1接着剤層を介して接着する第1接着工程、
充填用接着剤層を、前記第1補強層から露出する前記フレキシブル配線回路基板の前記一方側に、少なくとも前記第1接着剤層の端面に隣接するように、かつ、前記第1接着剤層および前記第1補強層の合計厚みより薄い厚みで積層する第1積層工程、
前記第2補強層を、前記第1補強層の前記一方側、および、前記第1補強層から露出するフレキシブル配線回路基板の前記一方側に、前記充填用接着剤層および前記第2接着剤層を介して接着する第2接着工程
を備えることを特徴とする、補強層付フレキシブル配線回路基板の製造方法。 - 前記充填用接着剤層および前記第2接着剤層は、熱硬化性接着剤からなり、
前記第2接着工程は、
前記第2補強層を、前記第1補強層の前記一方側、前記充填用接着剤層の前記一方側、および、前記充填用接着剤層から露出する前記フレキシブル配線回路基板の前記一方側に、前記第2接着剤層を介して貼着する工程、および、
前記充填用接着剤層および前記第2接着剤層を熱硬化させる工程
を備えることを特徴とする、請求項1に記載の補強層付フレキシブル配線回路基板の製造方法。 - 前記第1接着工程は、
前記第1接着剤層を、前記フレキシブル配線回路基板の前記一方側に積層する第2積層工程と、
前記第1補強層を、前記第1接着剤層の前記一方側に接着する工程とを備え、
前記第2積層工程と前記第1積層工程とを同時に実施することを特徴とする、請求項1または2に記載の補強層付フレキシブル配線回路基板の製造方法。 - 前記第1接着剤層および前記充填用接着剤層が一体的に形成されていることを特徴とする、請求項3に記載の補強層付フレキシブル配線回路基板の製造方法。
- 前記充填用接着剤層において、前記第1補強層の端面に対する直交方向長さが、前記第1接着剤層および前記第1補強層の合計厚みに対して、100〜10000%であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の補強層付フレキシブル配線回路基板の製造方法。
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