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JP5378862B2 - 樹脂組成物及び光学積層体 - Google Patents

樹脂組成物及び光学積層体 Download PDF

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Description

本発明は、液晶ディスプレイ(LCD)やプラズマディスプレイ(PDP)等のディスプレイ表面に設ける光学積層体に関し、特に帯電防止性と防汚性を有する光学積層体に関する。
液晶ディスプレイ、CRTディスプレイ、プロジェクションディスプレイ、プラズマディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ等の画像表示装置における画像表示面は、取り扱い時に傷がつかないように、耐擦傷性を付与することが要求される。そのため、ディスプレイ表面には、これに対して、基材フィルムにハードコート層を形成させたハードコートフィルムや、防眩性等光学機能を付与したハードコートを利用することにより、画像表示装置の画像表面の耐擦傷性を向上させることが一般的になされている。
ディスプレイの大型化、高精細化、高コントラスト化が進み機能性フィルムに求められる性能の向上の要求が出てきている。ここで、ディスプレイの視認性を低下させる塵埃が付着するのを防止するために、帯電防止性が要求される。帯電防止性を付与するために、透光性基体上に、導電層、ハードコート層を順に積層させることが知られている(特許文献1)。
また、ディスプレイ表面への汚れが付着しにくい、汚れが拭き取りやすいなどの防汚性の要求が出てきている。防汚性を付与するために、ハードコート層上に防汚層を設けることが知られている(特許文献2)。
特開2005−67118号公報 特開2007−297543号公報
上記のように帯電防止性と防汚性を満足するハードコートフィルムを得るためには、複数の層を設ける必要があった。しかしながら、複数の層を設けるとコストが高くなる問題を有していた。そこで、本発明は、良好な帯電防止性、防汚性を発現する光学積層体及び樹脂組成物を提供することを第一の目的とする。また、本発明は、1層構成であり、低コストな光学積層体を提供することを第二の目的とする。
本発明(1)は、π共役系導電性高分子と、高分子ドーパントと、電離放射線硬化型フッ化アクリレートと、前記電離放射線硬化型フッ化アクリレートとは異なる多官能ウレタンアクリレートと、を含有し、
前記電離放射線硬化型フッ化アクリレートが、フッ素化アルキル基含有ウレタンアクリレートであり、
前記π共役系導電性高分子の配合量は、固形成分の全重量に対して、0.5〜5.0重量%であり、
前記高分子ドーパントに対する、前記π共役系導電性高分子の割合としては、質量比として前記高分子ドーパント成分:前記π共役系導電性高分子成分が5:95〜99:1の範囲であり、
前記電離放射線硬化型フッ化アクリレートの配合量は、固形成分の全重量に対して、0.05〜50重量%であり、
前記多官能ウレタンアクリレートの使用割合は、固形成分の全重量に対して、10〜80重量%であることを特徴とする樹脂組成物である。
本発明(2)は、無機透光性微粒子を含有することを特徴とする前記発明(1)の樹脂組成物である。
本発明(3)は、有機透光性微粒子を含有することを特徴とする前記発明(1)又は(2)の樹脂組成物である。
本発明(4)は、透光性基体の片面または両面に、直接又は他の層を介して、光学機能層を設けた光学積層体であって、
前記光学機能層が、前記発明(1)〜(3)のいずれかの樹脂組成物を硬化させて得られるものであることを特徴とする光学積層体である。
本発明(5)は、前記光学機能層を構成する樹脂組成物のフッ素含有量が500〜500000ppm以下であることを特徴とする前記発明(4)の光学積層体である。
本発明(6)は、前記放射線硬化型フッ化アクリレートの官能基数が3個以上であることを特徴とする前記発明(4)又は(5)の光学積層体である。
本発明によれば、硬化物が、良好な帯電防止性、防汚性を発現するという効果を奏する。
《光学積層体》
本最良形態に係る光学積層体は、透光性基体上に、光学機能層が積層されたものを基本構成とする。光学機能層は、π共役系導電性高分子と、高分子ドーパントと、電離放射線硬化型フッ化アクリレートと、を含有する樹脂組成物を硬化させて得られるものである。ここで、前記光学機能層は透光性基体の片面に積層されていても両面に積層されていてもよい。更には、当該光学積層体は他の層を有していてもよい。ここで他の層としては、例えば、偏光基体、ハードコート層、他の機能付与層(例えば、近赤外線(NIR)、吸収層、ネオンカット層、電磁波シールド層、光学機能層)、を挙げることができる。また、当該他の層の位置は、例えば、偏光基体の場合には前記光学機能層とは反対面の前記透光性基体上とし、他の機能性付与層の場合には前記光学機能層の下層とする。以下、本最良形態に係る光学積層体の各構成要素(透光性基体、光学機能層等)を詳述する。
(透光性基体)
はじめに、本最良形態に係る透光性基体としては、透光性である限り特に限定されず、石英ガラスやソーダガラス等のガラスも使用可能であるが、ポリエチレンテレフタレート(PET)、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、含ノルボルネン樹脂、ポリエーテルスルホン、セロファン、芳香族ポリアミド等の各種樹脂フィルムを好適に使用することができる。これらのフィルムは無延伸のものも、延伸加工を施したものも使用可能である。特に二軸延伸加工されたポリエチレンテレフタレートフィルムが、機械的強度や寸法安定性に優れる点で好ましく、無延伸のトリアセチルセルロース(TAC)はフィルム面内の位相差が非常に少ないという点で好ましい。なお、PDP、LCDに用いる場合は、これらのPET、TACフィルムがより好ましい。
これら透光性基体の透明性は高いものほど良好であるが、全光線透過率(JIS K7105)としては80%以上、より好ましくは90%以上が良い。また、透光性基体の厚さとしては、軽量化の観点からは薄い方が好ましいが、その生産性やハンドリング性を考慮すると、1〜700μmの範囲のもの、好ましくは20〜250μmを使用することが好適である。本発明の光学積層体をLCD用途に使用する場合、透光性基体として20〜80μmのTACを使用することが好ましい。本発明の光学積層体においては、特に透光性基体として20〜80μmのTACを使用した場合において、カールを防止することができるため、薄型軽量化が求められているLCD用途に好適に使用することができる。
また、透光性基体に、アルカリ処理、コロナ処理、プラズマ処理、スパッタ処理、ケン化処理等の表面処理や、界面活性剤、シランカップリング剤等の塗布、またはSi蒸着などの表面改質処理を行うことにより、透光性基体と光学機能層との密着性を向上させることができる。これらの処理を行うことによって、透光性基体と光学機能層との密着性が向上するため、当該光学機能層における耐スクラッチ性、表面硬度及び耐薬品性が向上する。
(光学機能層及び樹脂組成物)
次に、本最良形態に係る光学機能層について詳述する。本最良形態に係る樹脂組成物は、π共役系導電性高分子と、高分子ドーパントと、電離放射線硬化型フッ化アクリレートとを含有する。本最良形態にかかる光学機能層は、前記樹脂組成物を硬化させることにより形成される。π共役系導電性高分子の配合量は、光学機能層中の固形成分の全重量に対して、0.5〜5.0重量%が必須に含有され、0.8〜3.0重量%が特に好適である。π共役系導電性高分子の配合量が0.5重量%よりも少ないと、帯電防止性が発現しにくくなる。π共役系導電性高分子の配合量が5重量%よりも多いと、π共役系導電性高分子自体が着色しているためヘイズが上昇し、光学特性が損なわれる場合がある。高分子ドーパントに対する、π共役系導電性高分子の割合としては、質量比として高分子ドーパント成分:π共役系導電性高分子成分が5:95〜99:1の範囲が好ましい。高分子ドーパントの割合が5よりも少ないと、π共役系導電性高分子へのドーピング効果が弱くなる傾向にあり、帯電防止性が不足することがある。高分子ドーパントの割合が95よりも多いと、π共役系導電性高分子の含有割合が少なくなり、やはり十分な帯電防止性が得られにくい。電離放射線硬化型フッ化アクリレートの配合量は、光学機能層中の固形成分の全重量に対して、0.05〜50重量%が好適であり、0.1〜40重量%が特に好適である。電離放射線硬化型フッ化アクリレートの配合量が0.05重量%よりも少ないと、撥水効果、滑り性が低下し、耐スクラッチ性、防汚性、耐薬品性が悪くなる。電離放射線硬化型フッ化アクリレートの配合量が50重量%よりも多いと、製膜性が悪くなる可能性がある。フッ素含有量は、光学機能層中の固形成分の全重量に対して、500〜500000ppmが好適であり、1000〜450000ppmが特に好適である。フッ素含有量が500ppmよりも少ないと、撥水効果、滑り性が低下し、耐スクラッチ性、防汚性、耐薬品性が悪くなる。フッ素含有量が500000ppmより多いと製膜性が悪くなる可能性がある。
π共役系導電性高分子
π共役系導電性高分子は、主鎖がπ共役系で構成されている高分子であれば特に限定されず、例えば、ポリピロール類、ポリチオフェン類、ポリアセチレン類、ポリフェニレン類、ポリフェニレンビニレン類、ポリアニリン類、ポリアセン類、ポリチオフェンビニレン類、及びこれらの共重合体等が挙げられる。これらの中でも、重合の容易さ、空気中での安定性の点からは、ポリピロール類、ポリチオフェン類及びポリアニリン類が好ましい。
π共役系導電性高分子の具体例としては、ポリピロール、ポリ(N−メチルピロール)、ポリ(3−メチルピロール)、ポリ(3−エチルピロール)、ポリ(3−n−プロピルピロール)、ポリ(3−ブチルピロール)、ポリ(3−オクチルピロール)、ポリ(3−デシルピロール)、ポリ(3−ドデシルピロール)、ポリ(3,4−ジメチルピロール)、ポリ(3,4−ジブチルピロール)、ポリ(3−カルボキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシエチルピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシブチルピロール)、ポリ(3−ヒドロキシピロール)、ポリ(3−メトキシピロール)、ポリ(3−エトキシピロール)、ポリ(3−ブトキシピロール)、ポリ(3−ヘキシルオキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−ヘキシルオキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−ヘキシルオキシピロール)、ポリ(チオフェン)、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ(3−エチルチオフェン)、ポリ(3−プロピルチオフェン)、ポリ(3−ブチルチオフェン)、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)、ポリ(3−ヘプチルチオフェン)、ポリ(3−オクチルチオフェン)、ポリ(3−デシルチオフェン)、ポリ(3−ドデシルチオフェン)、ポリ(3−オクタデシルチオフェン)、ポリ(3−ブロモチオフェン)、ポリ(3−クロロチオフェン)、ポリ(3−ヨードチオフェン)、ポリ(3−シアノチオフェン)、ポリ(3−フェニルチオフェン)、ポリ(3,4−ジメチルチオフェン)、ポリ(3,4−ジブチルチオフェン)、ポリ(3−ヒドロキシチオフェン)、ポリ(3−メトキシチオフェン)、ポリ(3−エトキシチオフェン)、ポリ(3−ブトキシチオフェン)、ポリ(3−ヘキシルオキシチオフェン)、ポリ(3−ヘプチルオキシチオフェン)、ポリ(3−オクチルオキシチオフェン)、ポリ(3−デシルオキシチオフェン)、ポリ(3−ドデシルオキシチオフェン)、ポリ(3−オクタデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジヒドロキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジメトキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジエトキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジプロポキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジブトキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジヘキシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジヘプチルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジオクチルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジドデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、ポリ(3,4−プロピレンジオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ブテンジオキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−メトキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−エトキシチオフェン)、ポリ(3−カルボキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシエチルチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシブチルチオフェン)、ポリアニリン、ポリ(2−メチルアニリン)、ポリ(3−イソブチルアニリン)、ポリ(2−アニリンスルホン酸)、ポリ(3−アニリンスルホン酸)等が挙げられる。
これらのπ共役系導電性高分子の中でも、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリ(N−メチルピロール)、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ(3−メトキシチオフェン)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)から選ばれる1種又は2種からなる(共)重合体が抵抗値、反応性の点から好適に用いられる。さらには、ポリピロール、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)は、導電性がより高い上に、耐熱性が向上する点から、より好ましい。アルキル基の中では導電性に悪影響を与えることがないため、メチル基が好ましい。さらに、ポリスチレンスルホン酸をドープしたポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT−PSSと略す)は、比較的熱安定性が高く、重合度が低いことから塗膜成形後の透明性が有利となる点で好ましい。PEDOT−PSSと、電離放射線硬化型フッ化アクリレートとの組合せにより、耐薬品性試験前後の特性の変化が少なくなるというメリットがある。
高分子ドーパント
高分子ドーパントとは、電子供与性あるいは電子受容性を持つ高分子を指す。高分子ドーパントは、特に分子内にアニオン性基を有するポリアニオンをドーパントとすることが特に好ましい。以下、ポリアニオンからなるドーパントを「ポリアニオンドーパント」とする。このポリアニオンドーパントは、導電性高分子に化学酸化ドープして塩を形成して複合体を形成する。
ポリアニオンドーパントのアニオン基としては、π共役系導電性高分子への化学酸化ドープが起こり、かつアニオン基のプロトン酸がビニル基、グリシジル基、ヒドロキシル基のいずれかと結合可能な官能基であることが好ましい。具体的には、硫酸基、リン酸基、スルホン酸基、カルボキシル基、ホスホ基等が好ましく、さらに、化学酸化ドープの観点から、スルホン酸基、カルボキシル基がより好ましい。
スルホン酸基を有するポリアニオンドーパントとしては、例えば、ポリビニルスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、ポリアクリルスルホン酸、ポリメタクリルスルホン酸、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ポリイソプレンスルホン酸等が挙げられる。これらの単独重合体であってもよいし、2種以上の共重合体であってもよい。
カルボキシル基を有するポリアニオンドーパントとしては、例えば、ポリビニルカルボン酸、ポリスチレンカルボン酸、ポリアリルカルボン酸、ポリアクリルカルボン酸、ポリメタクリルカルボン酸、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンカルボン酸、ポリイソプレンカルボン酸、ポリアクリル酸等が挙げられる。これらの単独重合体であってもよいし、2種以上の共重合体であってもよい。
本最良形態に係る樹脂組成物は、電気伝導性と熱安定性をより向上させるために高分子ドーパント以外のドーパントを含有してもよい。そのドーパントとしては、ハロゲン化合物、ルイス酸、プロトン酸などが挙げられ、具体的には、有機カルボン酸、有機スルホン酸等の有機酸、有機シアノ化合物、フラーレン化合物などが挙げられる。
ハロゲン化合物としては、例えば、塩素、臭素、ヨウ素、塩化ヨウ素、臭化ヨウ、フッ化ヨウ素等が挙げられる。プロトン酸としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホウフッ化水素酸、フッ化水素酸、過塩素酸等の無機酸や、有機カルボン酸、フェノール類、有機スルホン酸等が挙げられる。さらに、有機カルボン酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、ショウ酸、安息香酸、フタル酸、マレイン酸、フマル酸、マロン酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、コハク酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ニトロ酢酸、トリフェニル酢酸等が挙げられる。有機スルホン酸としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、アルキルナフタレンジスルホン酸、ナフタレンスルホン酸ホルマリン重縮合物、メラミンスルホン酸ホルマリン重縮合物、ナフタレンジスルホン酸、ナフタレントリスルホン酸、ジナフチルメタンジスルホン酸、アントラキノンスルホン酸、アントラキノンジスルホン酸、アントラセンスルホン酸、ピレンスルホン酸などが挙げられる。また、これらの金属塩も使用できる。有機シアノ化合物としては、例えば、ジクロロジシアノベンゾキノン(DDQ)、テトラシアノキノジメタンテトラシアノアザナフタレンなどが挙げられる。フラーレン化合物としては、例えば、水素化フラーレン、水酸化フラーレン、カルボン酸化フラーレン、スルホン酸化フラーレンなどが挙げられる。
本最良形態に係るπ共役系導電性高分子は、溶媒中、π共役系導電性高分子を形成する前駆体モノマーを、適切な酸化剤と酸化触媒と前記高分子ドーパント(好適にはポリアニオン)の存在下で化学酸化重合することによって製造することが好適である。以下、π共役系導電性高分子と高分子ドーパントの複合体においてポリアニオンドーパントを例にとって説明する。
複合体の形成の際には、導電性高分子の主鎖の成長と共にポリアニオンドーパントのアニオン基が導電性高分子と塩を形成するため、導電性高分子の主鎖はポリアニオンドーパントに沿って成長する。よって、得られた導電性高分子とポリアニオンドーパントは無数に塩を形成した複合体になる。この複合体においては、導電性高分子のモノマー3ユニットに対して1ユニットのアニオン基が塩を形成し、短く成長した導電性高分子の数本が長いポリアニオンドーパントに沿って塩を形成しているものと推定されている。
導電性高分子とポリアニオンドーパントとを複合した複合体を形成する方法としては、例えば、ポリアニオンドーパントの存在下、導電性高分子を形成するモノマーを化学酸化重合する方法などが挙げられる。
化学酸化重合においてモノマーを重合するために使用される酸化剤、酸化触媒としては、前記前駆体モノマーを酸化させてπ共役系導電性高分子を得ることができるものであればよく、例えば、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸ナトリウム、ペルオキソ二硫酸カリウム等のペルオキソ二硫酸塩、塩化第二鉄、硫酸第二鉄、硝酸第二鉄、塩化第二銅等の遷移金属化合物、三フッ化ホウ素、塩化アルミニウムなどの金属ハロゲン化合物、酸化銀、酸化セシウム等の金属酸化物、過酸化水素、オゾン等の過酸化物、過酸化ベンゾイル等の有機過酸化物、酸素等が挙げられる。
また、化学酸化重合は溶媒中で行われてもよい。その際に使用される溶媒としては、ポリアニオンドーパントおよび導電性高分子を溶解するものであれば特に制限されず、例えば、水、メタノール、エタノール、プロピレンカーボネート、クレゾール、フェノール、キシレノール、アセトン、メチルエチルケトン、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、ジオキサン、ジエチルエーテル、アセトニトリル、ベンゾニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジン、ジメチルイミダゾリン、酢酸エチル、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ジフェニルスルホン等が挙げられる。これら溶媒は必要に応じて、1種類もしくは2種類以上の混合溶媒で用いることができる。
π共役系導電性高分子のユニットあたりの分子量と、高分子ドーパントのユニットあたりの分子量の比が1:1〜1:5であることが好ましく、1:1〜1:2であることがより好ましい。
電離放射線硬化型フッ化アクリレート
電離放射線硬化型樹脂とは、紫外線、可視光線、赤外線、電子線などの電離放射線の照射を受けた時に直接、又は開始剤の作用を受けて間接的に、重合や二量化等の大分子化を進行させる反応を起す硬化反応性官能基を有するモノマー、オリゴマー及びポリマー等をいう。具体的には、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基などのエチレン性不飽和結合を有するラジカル重合成のモノマー、オリゴマーなどがある。フッ化アクリレートとは、分子内にフッ素成分を含有するアクリレートをいい、具体的にはアクリレートのアルキル基をフッ化アルキル基に置き換えたものなどがある。フッ化アクリレートは、電離放射線硬化型であることにより、分子間での架橋が起きるため耐薬品性に優れ、ケン化処理後にも十分な防汚性を発現する、分子間で架橋が起きるため、硬化後にフッ素成分のブリードアウトが生じず、帯電防止性を阻害しないといった効果が奏される。電離放射線硬化型フッ化アクリレートとしては、例えば、2−(パーフルオロデシル)エチルメタクリレート、2−(パーフルオロ−7−メチルオクチル)エチルメタクリレート、3−(パーフルオロ−7−メチルオクチル)−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−(パーフルオロ−9−メチルデシル)エチルメタクリレート、3−(パーフルオロ−8−メチルデシル)−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−パーフルオロオクチル−2−ヒドロキシルプロピルアクリレート、2−(パーフルオロデシル)エチルアクリレート、2−(パーフルオロ−9−メチルデシル)エチルアクリレート、ペンタデカフルオロオクチル(メタ)アクリレート、ウナデカフルオロヘキシル(メタ)アクリレート、ノナフルオロペンチル(メタ)アクリレート、ヘプタフルオロブチル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、トリフルオロ(メタ)アクリレート、トリイソフルオロイソプロピル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、下記化合物(i)〜(xxx)などを用いることができる。尚、下記化合物はいずれもアクリレートの場合を示したものであり、式中のアクリロイル基はいずれもメタクリロイル基に変更可能である。
Figure 0005378862
Figure 0005378862
Figure 0005378862
Figure 0005378862
Figure 0005378862
上記化合物(i)〜(xxxi)は、下記一般式(1)中のRとして水素原子のもののみを記載しており、カルボニル炭素に結合するメチレン基中の水素原子の1つはいずれもメチル基に変更可能である。
Figure 0005378862
これらは、単独若しくは複数種類混合して使用することも可能である。フッ化アクリレートの内、ウレタン結合を持つフッ化アルキル基含有ウレタンアクリレートが、硬化物の耐磨耗性と伸び及び柔軟性の点より好ましい。また、フッ化アクリレートの中でも、多官能フッ化アクリレートが好適である。尚、ここでの多官能フッ化アクリレートとは2個以上(好適には3個以上、より好適には4個以上)の(メタ)アクリロイルオキシ基を有するものを意味する。
多官能アクリレート
本発明において、硬度、基材との密着性などを付与するために、多官能アクリレートを添加することが好ましい。多官能アクリレートとは、1分子中に3(より好ましくは4、更に好ましくは5)個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単量体若しくはオリゴマー、プレポリマーである。このような組成物としては、1分子中に3個以上のアルコール性水酸基を有する多価アルコールの該水酸基が、3個以上の(メタ)アクリル酸のエステル化合物となっている化合物などを挙げることができる。
具体的な例としては、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、などを用いることができる。これらは、1種又は2種以上を混合して使用することができる。
多官能アクリレートの使用割合は、光学機能層構成成分総量に対して、20〜80重量%が好ましく、より好ましくは30〜70重量%である。多官能アクリレートの含有量が、20%未満の場合十分な耐磨耗性が得られない可能性がある。
ウレタンアクリレート
本最良形態に係る樹脂組成物は、ウレタンアクリレートを含有することが好適である。
ウレタンアクリレートとしては、ウレタン結合部とアクリロイル基とを有するウレタンアクリレートモノマーが重合してなるものであれば特に限定されない。ここで、当該ウレタンアクリレートモノマーに含まれるアクリロイル基の数は、1つであっても良く、または、複数であっても良い。また、上記ウレタンアクリレートモノマーに含まれるウレタン結合部の数は、1つであってもよく、または、複数であってもよい。
ウレタンアクリレートは、ジイソシアナートとポリエステルまたはポリエーテルポリオールとを反応させることによって合成される。この反応によってイソシアナート末端基をもつウレタンが生じる。柔軟性がより高い。対照的に、芳香族ウレタンアクリレートはより硬質で耐薬品性に優れている。また、ポリオール主鎖は硬化速度の決定及び硬化フィルムの特性に重要な役割を果たす。ポリマーフィルムの柔軟性は例えばポリオールの分子量及び官能価の関数であり、ジオールの分子量が高いほど柔軟性が大きくなる。
本発明において、ウレタンアクリレートを添加することが好ましい、特に、下記式(1)及び(2)で表されるウレタン(メタ)アクリレート化合物が基材との密着性、耐磨耗性、耐薬品性に優れていることから好ましい。以下、これらの化合物について説明する。
Figure 0005378862
(式中、R1は水素原子またはCH3、R2は多価アルコール残基、Xはイソシアネート残基、Yは多価アルコール残基を表す。kは1〜5の整数、lは1〜3の整数、mは1〜2の整数、nは1〜6の整数を表す。但し、kとl、kとmとnは同時に1ではない。)
式(1)のウレタン(メタ)アクリレート化合物は、水酸基含有(メタ)アクリレート化合物とイソシアネート化合物の反応生成物であって、(メタ)アクリレート基を少なくとも2個有する化合物である。また、式(2)のウレタン(メタ)アクリレート化合物は、水酸基含有(メタ)アクリレート化合物とポリイソシアネート化合物とポリオール化合物の反応生成物であって、(メタ)アクリレート基を少なくとも2個有する化合物である。また、上記ウレタン(メタ)アクリレートを得る方法としては、いずれの公知の方法も用いることができる。
水酸基含有(メタ)アクリレート化合物としては、グリセリン(メタ)アクリレート、トリメチロール(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これらは単独でも複数組み合わせて使用することも可能である。
イソシアネート化合物としては、o−トリルイソシアネート、p−トリルイソシアネート、4−ジフェニルメタンイソシアネートや、ポリイソシアネートとして2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、o−トリジンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’−メチレンビスシクロヘキシルイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−(イソシアナートメチル)シクロヘキサン、およびこれらのビュレット化物、ヌレート化物等の重縮合物を挙げることができる。これらは単独でも複数組み合わせて使用することも可能である。特に好ましくは、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートおよびヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート化物、イソホロンジイソシアネートのヌレート化物等が挙げられる。
ポリオール化合物としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、カルボン酸含有ポリオール等の脂肪族多価アルコール、各種ビスフェノールのエチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイド反応物、ビスフェノールフルオレンのエチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイド反応物等の芳香族多価アルコール、また脂肪族、芳香族に拘らず、式(2)で表されるような、分子中に(メタ)アクリロイル基を有するポリオールが挙げられる。特に好ましくは、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、ビスフェノキシエタノールフルオレン等が挙げられる。
これらのウレタンアクリレートは、単独若しくは複数種混合して使用することも可能である。上記のウレタンアクリレートの中でも、多官能ウレタンアクリレートが好適である。尚、ここでの多官能ウレタンアクリレートとは2個以上(好適には3個以上、より好適には4個以上)の(メタ)アクリロイルオキシ基を有するものを意味する。
具体的な例としては、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートトルエンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートイソホロンイソシアネートウレタンプレポリマーなどを用いることができる。これらは、1種又は2種以上を混合して使用することができる。
ウレタンアクリレートは粘度が高いため、π共役系導電性高分子の分散性を向上させることができ、良好な導電性が得られる点で好ましい。
ウレタンアクリレートの使用割合は、光学機能層構成成分総量に対して、10〜80重量%が好ましく、より好ましくは30〜70重量%である。ウレタンアクリレートの含有量が、10%以下の場合十分な柔軟性が得られない可能性がある。
上記の樹脂組成物を硬化せしめる電離放射線としては、紫外線、可視光線、赤外線、電子線のいずれであってもよい。また、これらの放射線は、偏光であっても無偏光であってもよい。特に、設備コスト、安全性、ランニングコスト等の観点から紫外線が好適である。紫外線のエネルギー線源としては、例えば、高圧水銀ランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプ、窒素レーザー、電子線加速装置、放射性元素などが好ましい。エネルギー線源の照射量は、紫外線波長365nmでの積算露光量として、100〜5,000mJ/cmの範囲が好ましく、300〜3,000mJ/cm照射量が、100mJ/cm未満の場合は、硬化が不十分となるため、光学機能層の硬度が低下する場合がある。また5,000mJ/cmを超えると、光学機能層が着色して透明性が低下する。紫外線照射による硬化を行う場合は、光重合開始剤の添加が必要である。光重合開始剤としては、従来公知のものを用いることができる。例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、N,N,N,N−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、ベンジルメチルケタールなどのベンゾインとそのアルキルエーテル類;アセトフェノン、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフエノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロへキシルフェニルケトンなどのアセトフェノン類;メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−アミルアントラキノンなどのアントラキノン類;キサントン;チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントンなどのチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタールなどのケタール類;ベンゾフェノン、4,4−ビスメチルアミノベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類;その他、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン等を例示できる。これらは単独でまたは2種以上の混合物として使用できる。光重合開始剤の使用量は、放射線硬化型樹脂組成物に対して、全固形分比で5%以下程度、さらには1〜4%が好ましい。
上記放射線硬化型樹脂組成物の系に、その重合硬化を妨げない範囲で高分子樹脂を添加使用することができる。この高分子樹脂は、後述する光学機能層塗料に使用される有機溶剤に可溶な熱可塑性樹脂であり、具体的にはアクリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、セルロース誘導体等が挙げられ、これらの樹脂中には、カルボキシル基やリン酸基、スルホン酸基等の酸性官能基を有することが好ましい
また、レベリング剤、増粘剤、帯電防止剤、充填剤、体質顔料等の添加剤を使用することができる。レベリング剤は、塗膜表面の張力均一化を図り塗膜形成前に欠陥を直す働きがあり、上記放射線硬化型樹脂組成物より界面張力、表面張力共に低い物質が用いられる。
光学機能層は、主に上述の樹脂組成物などの硬化物により構成されるが、その形成方法は、樹脂組成物と有機溶剤からなる塗料を塗工し、有機溶剤を揮発させた後に放射線(例えば電子線または紫外線照射)や熱により硬化せしめるものである。ここで使用される有機溶剤としては、樹脂組成物を溶解するのに適したものを選ぶ必要がある。具体的には、透光性基体への濡れ性、粘度、乾燥速度といった塗工適性を考慮して、アルコール系、エステル系、ケトン系、エーテル系、芳香族炭化水素から選ばれた単独または混合溶剤を使用することができる。特に、π共役系導電性高分子及び高分子ドーパントを良好に溶解させることができる有機溶剤を選択することにより、良好な導電性を得ることができる。π共役系導電性高分子及び高分子ドーパントを良好に溶解させることができる有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等のアルコール系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤、酢酸エチル等のエステル系溶剤などが挙げられる。これらの中では、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤が、π共役系導電性高分子及び高分子ドーパントを良好に溶解させることができるため好ましく、特に、イソプロパノール、エタノールが好ましい。
光学機能層の厚さは3〜50μmの範囲であることが必要であり、より好ましくは5〜30μmの範囲であり、更に好ましくは7〜20μmの範囲である。光学機能層が3μmより薄い場合は、耐擦傷性が劣化するとともに、干渉ムラが顕著に現れるため好ましくない。50μmより厚い場合は、光学機能層の硬化収縮によりカールが発生したり、光学機能層表面にマイクロクラックが発生したり、透光性基体との密着性が低下したり、さらには光透過性が低下したりする。そして、膜厚の増加に伴う必要塗料量の増加によるコストアップの原因ともなる。
光学機能層には透光性微粒子を添加してもよい。透光性微粒子としては、例えば、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリル共重合体、ポリエチレン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化エチレン系樹脂等よりなる有機透光性微粒子や、酸化チタン、酸化ケイ素(シリカ)、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化カルシウム、酸化インジウム、酸化アンチモン、又はこれらの複合物等の無機透光性微粒子(無機の超微粒子)を使用することができる。尚、これら微粒子は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。透光性微粒子として、架橋された有機透光性微粒子と無機透光性微粒子を使用することが好適である。これにより、硬化後のハードコートフィルム(光学積層体)の鉛筆硬度を向上させるとともに、カールを防ぐことができる。また、透光性微粒子として、シリカを用いると、光学機能層の屈折率が低下し、ディスプレイの画質に影響する干渉ムラが軽減されるため好ましい。更に、シリカをシリケート系の材料(例えば、ビニル基、メタクリル基、アミノ基、エポキシ基などの官能基を有するアルコキシシランなどのシランカップリング剤)で処理すると、ケン化処理の際にシリカの溶出を防ぐことができる。透光性微粒子の粒径は1〜100nmが好適であり、10〜50nmがより好適である。粒径が1nmより小さい場合、耐薬品性が低下したり、粒子の生産コストが高くなったりする。100nmより大きい場合には、透過率が低下したり、ヘイズが上昇したり、コントラストが低下するといった光学特性に影響が発生する。「粒径」は、電子顕微鏡で実測した100個の粒子の直径の平均値を指す。尚、全個数の内、当該微粒子の製造工程において混入する微細粉及び粗大粉は、5%未満(より好ましくは1%未満)である。透光性微粒子の配合量は、5〜70重量%が好適であり、10〜50重量%がより好適である。配合量が5重量%より少ない場合、カール防止効果、鉛筆硬度が低下する。配合量が70重量%よりも多い場合、耐スクラッチ性が悪くなる。透光性微粒子はゾル化して使用することが好ましく、塗料化が行ないやすくなるとともに、塗料中の透光性微粒子の分散性が向上する。ゾル化した透光性微粒子としては、例えば、アルミナゾルやシリカゾル等を使用することができる。
本発明の光学積層体において、透光性基体の屈折率と光学機能層の屈折率の差([透光性基体の屈折率]−[光学機能層の屈折率])が、0.10以下であることが好ましく、光学機能層の屈折率が、透光性基体の屈折率以下であることがより好ましい。前記屈折率差を前記範囲となるように制御することにより、表面での光の反射を低く抑えることができる。
前記屈折率の制御は、無機透光性微粒子を光学機能層中に適宜含有させしめることでできる。無機透光性微粒子は、その配合量に応じて光学機能層の見かけの屈折率を調整する機能を有する。透光性基体の屈折率と光学機能層の屈折率は上述の通り、近似していることが好ましい。そのため、光学機能層形成材料の調製にあたっては、前記透光性基体の屈折率と光学機能層の屈折率の差が小さくなるように、無機透光性微粒子の配合量を適宜に調整するのが好ましい。前記屈折率差が大きいと、光学積層体に入射した外光の反射光が虹色の色相を呈する干渉ムラと呼ばれる現象が発生し、表示品位を落としてしまう。特に、光学積層体を備えた画像表示装置が使用される頻度の高いオフィスでは、蛍光灯として、三波長蛍光灯が非常に増加してきている。三波長蛍光灯は、特定の波長の発光強度が強く、物がはっきり見える特徴を有するが、この三波長蛍光灯下では更に干渉ムラが顕著に現れることが判っている。
(偏光基体)
本発明においては、光学機能層とは反対面の透光性基体上に、偏光基体を積層してもよい。ここで、当該偏光基体は、特定の偏光のみを透過し他の光を吸収する光吸収型の偏光フィルムや、特定の偏光のみを透過し他の光を反射する光反射型の偏光フィルムを使用することが出来る。光吸収型の偏光フィルムとしては、ポリビニルアルコール、ポリビニレン等を延伸させて得られるフィルムが使用可能であり、例えば、2色性素子として沃素または染料を吸着させたポリビニルアルコールを一軸延伸して得られたポリビニルアルコール(PVA)フィルムが挙げられる。光反射型の偏光フィルムとしては、例えば、延伸した際に延伸方向の屈折率が異なる2種類のポリエステル樹脂(PEN及びPEN共重合体)を、押出成形技術により数百層交互に積層し延伸した構成の3M社製「DBEF」や、コレステリック液晶ポリマー層と1/4波長板とを積層してなり、コレステリック液晶ポリマー層側から入射した光を互いに逆向きの2つの円偏光に分離し、一方を透過、他方を反射させ、コレステリック液晶ポリマー層を透過した円偏光を1/4波長板により直線偏光に変換させる構成の日東電工社製「ニポックス」やメルク社製「トランスマックス」等が挙げられる。
《製造方法》
本発明の層を形成する方法としては、例えば、上記で述べた成分中、および水或いは有機溶剤と共に、ペイントシェーカー、サンドミル、パールミル、ボールミル、アトライター、ロールミル、高速インペラー分散機、ジェットミル、高速衝撃ミル、超音波分散機等によって分散した塗料又はインキを、エアドクターコーティング、ブレードコーティング、ナイフコーティング、リバースコーティング、トランスファロールコーティング、グラビアロールコーティング、キスコーティング、キャストコーティング、スプレーコーティング、スロットオリフイスコーティング、カレンダーコーティング、電着コーティング、ディップコーティング、ダイコーティング等のコーティングや、フレキソ印刷等の凸版印刷、ダイレクトグラビア印刷、オフセットグラビア印刷等の凹版印刷、オフセット印刷等の平板印刷、スクリーン印刷等の孔版印刷等の印刷により透明基材の片面若しくは両面上に、直接或いは他の層を介し、単層若しくは多層に分けて設け、溶剤を含んでいる場合は、熱乾燥工程を経て、紫外線(紫外線の場合、開始剤が必要)又は電子線照射により塗工層もしくは印刷層を硬化させることによって形成する方法等が挙げられる。尚、電子線による場合はコックロフトワルトン型、バンデグラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器から放出される50〜1000KeVのエネルギーを有する電子線等が使用され、紫外線の場合は、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等の光源から発する紫外線が利用できる。
尚、本発明は下記構成であってもよい。
本発明(i)は、π共役系導電性高分子と、高分子ドーパントと、電離放射線硬化型フッ化アクリレートと、を含有することを特徴とする樹脂組成物である。
本発明(ii)は、ウレタンアクリレートを含有することを特徴とする前記発明(i)の樹脂組成物である。
本発明(iii)は、透光性基体の片面または両面に、直接又は他の層を介して、光学機能層を設けた光学積層体であって、
前記光学機能層が、π共役系導電性高分子と、高分子ドーパントと、電離放射線硬化型フッ化アクリレートと、を含有する樹脂組成物を硬化させて得られるものであることを特徴とする光学積層体である。
本発明(iv)は、前記光学機能層を構成する樹脂組成物のフッ素含有量が500〜500000ppm以下であることを特徴とする前記発明(iii)の光学積層体である。
本発明(v)は、前記放射線硬化型フッ化アクリレートの官能基数が3個以上であることを特徴とする前記発明(iii)又は(iv)の光学積層体である。
本発明(vi)は、前記電離放射線硬化型フッ化アクリレートが、フッ素化アルキル基含有ウレタンアクリレートであることを特徴とする前記発明(iii)〜(v)の光学積層体である。
本発明(i)によれば、硬化物が、良好な帯電防止性、防汚性を発現するという効果を奏する。
本発明(ii)によれば、硬化物の密着性、耐磨耗性、耐薬品性が優れるという効果を奏する。
本発明(iii)によれば、1層構成であり、低コストでありながら、良好な帯電防止性、防汚性を発現するという効果を奏する。
本発明(iv)によれば、耐スクラッチ性、防汚性、耐薬品性が向上するという効果を奏する。
本発明(v)によれば、分子間での架橋がより密になるため、より高い耐薬品性を発揮するという効果を奏する。
本発明(vi)によれば、より高い耐磨耗性と伸び及び柔軟性を有するという効果を奏する。
(製造例1)フッ化アクリレート A液の合成
500mlの反応フラスコ中、イソホロンジイソシアナート22.2g(0.1モル)のMIBK(メチルイソブチルケトン)100ml溶液に、エアーバブリングを行いながらペンタエリスリトールトリアクリレート59.6g(0.20モル)のMIBK50ml溶液を25℃で滴下した。滴下終了後、ジブチル錫ジラウレート0.3gを加え更に70℃で4時間加熱攪拌を行った。反応終了後、反応溶液を5%塩酸100mlで洗浄した。有機層を分取した後、40℃以下で溶媒を減圧留去することで無色透明粘調液体のウレタンアクリレート80.5gを得た。200ml反応フラスコに、調製したウレタンアクリレート40.8g(0.05モル)、パーフルオロヘプチルエチルメルカプタン64.2g(0.15モル)、MIBK60gを投入し均一とした。この混合溶液に25℃でトリエチルアミン1.0gを徐々に加えた。加え終わった後、さらに50℃で3時間撹拌した。反応終了後、50℃以下の条件でエバポレーターを用いて、トリエチルアミンを減圧留去し、さらに真空ポンプで乾燥することで、構造式1で示されるフッ素化アルキル基含有ウレタンアクリレートを含有し、アクリロイル基とパーフルオロヘプチルエチルメルカプタンとの付加反応の位置が前記構造式1とは異なる化合物を更に含む混合物からなる生成物A液を得た。
Figure 0005378862
(製造例2)ポリスチレンスルホン酸の合成
1000mlのイオン交換水に206gのスチレンスルホン酸ナトリウムを溶解し、80℃で攪拌しながら、予め10mlの水に溶解した1.14gの過硫酸アンモニウム酸化剤溶液を20分間滴下し、この溶液を12時間攪拌した。得られたスチレンスルホン酸ナトリウム含有溶液に10質量%に希釈した硫酸を1000ml添加し、限外ろ過法を用いてポリスチレンスルホン酸含有溶液の約1000ml溶液を除去し、残液に2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法を用いて約2000ml溶液を除去した。上記の限外ろ過操作を3回繰り返した。さらに、得られたろ液に約2000mlのイオン交換水を添加し、限外ろ過法を用いて約2000ml溶液を除去した。この限外ろ過操作を3回繰り返した。得られた溶液中の水を減圧除去して、無色の固形物を得た。
(製造例3)ポリスチレンスルホン酸ドープポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PSS−PEDOT)の合成
14.2gの3,4−エチレンジオキシチオフェンと、36.7gのポリスチレンスルホン酸を2000mlのイオン交換水に溶かした溶液とを20℃で混合した。これにより得られた混合溶液を20℃に保ち、掻き混ぜながら、200mlのイオン交換水に溶かした29.64gの過硫酸アンモニウムと8.0gの硫酸第二鉄の酸化触媒溶液とをゆっくり添加し、3時間攪拌して反応させた。得られた反応液に2000mlのイオン交換水を添加し、限外ろ過法を用いて約2000ml溶液を除去した。この操作を3回繰り返した。そして、得られた溶液に200mlの10質量%に希釈した硫酸と2000mlのイオン交換水とを加え、限外ろ過法を用いて約2000mlの溶液を除去し、これに2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法を用いて約2000mlの液を除去した。この操作を3回繰り返した。さらに、得られた溶液に2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法を用いて約2000mlの溶液を除去した。この操作を5回繰り返し、1.5質量%の青色のポリスチレンスルホン酸ドープポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PSS−PEDOT)の水溶液を得た。
(製造例4)ポリスチレンスルホン酸ドープポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PSS−PEDOT)のイソプロピルアルコール分散液 B液の作成
ポリスチレンスルホン酸ドープポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PSS−PEDOT)の1.5質量%の水分散液100gをフラスコにとり、イソプロピルアルコール100gを添加、撹拌しながら、10%塩酸を0.5ml添加した。その後30分撹拌を継続した後、1時間放置した。得られたゲル状物を、グラスフィルターを用いて減圧ろ過、その後イソプロピルアルコール200gを添加、減圧ろ過という操作を8回繰り返した。固形分が完全に乾燥しない状態でグラスフィルターから取り出し、加熱重量減少から固形分重量を算出、固形分7.8%の湿潤青色固体15gを得た。イソプロピルアルコール15gをビーカーにとり、アミンアルキレンオキシド付加物(商品名:エソミン
C/15、ライオンアクゾ社製)0.4gを添加した後、得られた湿潤青色固体15gを加えて、乳化分散機(商品名:TKホモディスパー、特殊機化工業製)を用い、回転数4000rpmで10分処理を行い、PSS−PEDOTイソプロピルアルコール分散液を得た(固形分濃度5%、水含有量20%以下)。
(製造例5)フッ素系界面活性剤 C液の合成
攪拌装置、コンデンサ−、温度計を備えたガラスフラスコにフッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレ−ト単量体(構造式2)19重量部、分岐状脂肪族炭化水素基を有するエチレン性不飽和単量体(構造式3)30重量部、分子量400のエチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体を側鎖にもつモノアクリレ−ト化合物39重量部、テトラエチレングリコ−ルの両末端がメタクリレ−ト化された化合物4重量部、メチルメタクリレ−ト8重量部、そしてイソプロピルアルコ−ル(以下、IPAと略す)350重量部を仕込み、窒素ガス気流中、還流下で、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(以下、AIBNと略す)1重量部と、連載移動剤としてラウリルメルカプタン10重量部を添加した後、85℃にて7時間還流し重合を完成させた。この重合体のGPCによるポリスチレン換算分子量はMn=5,500であった。この共重合体をフッ素系界面活性剤C液とする。
Figure 0005378862
Figure 0005378862
<実施例1>
前記A液、およびB液を含む表1記載の所定の混合物をディスパーにて30分間攪拌することによって得られた光学機能層用の塗料を、膜厚80μm、全光線透過率92%からなる透明基体のTAC(富士フィルム;TD80UL)の片面上にロールコーティング方式にて塗布(ラインスピード;20m/分)し、30〜50℃で20秒間予備乾燥を経た後、100℃で1分間乾燥し、窒素雰囲気(窒素ガス置換)中で紫外線照射(ランプ;集光型高圧水銀灯、ランプ出力;120W/cm、灯数:4灯、照射距離;20cm)を行うことで塗工膜を硬化させた。このようにして、厚さ6.4μmの光学機能層を有する実施例1の光学積層体を得た。
<実施例2>
光学機能層用塗料を表1記載の所定の混合液に変更した以外は、実施例1と同様にして、厚さ5.7μmの実施例2の光学積層体を得た。
<実施例3>
光学機能層用塗料を表1記載の所定の混合液に変更した以外は、実施例1と同様にして、厚さ6.3μmの実施例3の光学積層体を得た。
<実施例4>
光学機能層用塗料を表1記載の所定の混合液に変更した以外は、実施例1と同様にして、厚さ5.8μmの実施例4の光学積層体を得た。
<比較例1>
光学機能層用塗料を表1記載の所定の混合液に変更した以外は、実施例1と同様にして、厚さ6.0μmの比較例1の光学積層体を得た。
<比較例2>
光学機能層用塗料を表1記載の所定の混合液に変更した以外は、実施例1と同様にして、厚さ5.8μmの比較例2の光学積層体を得た。
<比較例3>
光学機能層用塗料を表1記載の所定の混合液に変更した以外は、実施例1と同様にして、厚さ5.7μmの比較例3の光学積層体を得た。
<比較例4>
光学機能層用塗料を表1記載の所定の混合液に変更し放射線硬化型でないフッ化アクリレートを使用した以外は、実施例1と同様にして、厚さ5.4μmの比較例4の光学積層体を得た。
ヘイズ値
ヘイズ値は、JIS K7105に従い、ヘイズメーター(商品名:NDH2000、日本電色社製)を用いて測定した。尚、表3中の透明性(ヘイズ値)の判断基準は、○は1%未満、△は1〜2%未満、×は2%以上である。
フッ素含有量
フッ素含有量は、ボンベ燃焼―イオンクロマトグラフ法にて行った。測定は、ボンベ中で高圧酸素とともに塗料の固形成分を燃焼させ、フッ素を吸収させる。この吸収液中のF(フッ化物イオン)をイオンクロマトグラフにて定量し、塗料の固形成分中のフッ素(F)含有量を算出した。前処理は、規格BN EN 14582に準拠して実施した。
測定装置:イオンクロマトグラフ QIC(ダイオネクス社製)
表面抵抗値
表面抵抗値は、JIS K6911に従い、高抵抗率計(商品名:Hiresta−UP、三菱化学製)を用いて測定した。測定は、サンプルを20℃ 65%RH環境下で1時間調湿した後、20℃ 65%RHの条件で行った。測定は、印加電圧250V 印加時間 10秒で実施した。表面抵抗値が、1E+11Ω/□未満を○、1E+11Ω/□未満以上1E+12Ω/□未満を△、1E+12Ω/□以上を×とした。
水の接触角(θ/2法)
まず、光学機能層表面の水の接触角を測定した。次にケン化処理された光学機能層表面の水の接触角を測定した。水の接触角は、JIS R3257(基板ガラス表面のぬれ性試験方法)に準拠し、接触角計(商品名;エルマG−1型接触角計、エルマ社製)を使用して、測定した。
光学積層体のケン化処理は以下の手順に従う。
(1)55℃、6%の水酸化ナトリウム水溶液に2分間浸漬。
(2)30秒間水洗。
(3)35℃、0.1規定の硫酸に30秒間浸漬。
(4)30秒間水洗。
(5)120℃、1分間、熱風乾燥。
接触角の値が大きければ撥水効果が上がり、耐薬品性、耐摩耗性、防汚性が良くなる。ケン化処理前の接触角は90°以上、好ましくは100°以上で、ケン化処理後の接触角は70°以上、好ましくは80°以上が良い。ここで、ケン化後の水の接触角が85°以上を○、ケン化処理後の水の接触角が70°以上85°未満を△、ケン化処理後の水の接触角が70°未満のものを×とした。
防汚性 マッキー(登録商標)試験
作製した光学積層体の光学機能層上に油性ペン(商品名;マッキー(登録商標)、ZEBRA製)で3cm長さの線を引き、1分間放置後、クリーンワイパー(品番;FF−390C クラレクラフレックス株式会社製)により拭き取る方法で評価した。500g/cm2荷重で20回往復擦った後、完全に拭き取れた場合を○、拭き取れない部分があった場合を△、全く拭き取れない場合を×とした。
Figure 0005378862
Figure 0005378862
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Claims (6)

  1. π共役系導電性高分子と、高分子ドーパントと、電離放射線硬化型フッ化アクリレートと、前記電離放射線硬化型フッ化アクリレートとは異なる多官能ウレタンアクリレートと、を含有し、
    前記電離放射線硬化型フッ化アクリレートが、フッ素化アルキル基含有ウレタンアクリレートであり、
    前記π共役系導電性高分子の配合量は、固形成分の全重量に対して、0.5〜5.0重量%であり、
    前記高分子ドーパントに対する、前記π共役系導電性高分子の割合としては、質量比として前記高分子ドーパント成分:前記π共役系導電性高分子成分が5:95〜99:1の範囲であり、
    前記電離放射線硬化型フッ化アクリレートの配合量は、固形成分の全重量に対して、0.05〜50重量%であり、
    前記多官能ウレタンアクリレートの使用割合は、固形成分の全重量に対して、10〜80重量%であることを特徴とする樹脂組成物。
  2. 無機透光性微粒子を含有することを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 有機透光性微粒子を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
  4. 透光性基体の片面または両面に、直接又は他の層を介して、光学機能層を設けた光学積層体であって、
    前記光学機能層が、請求項1〜3のいずれかに記載された樹脂組成物を硬化させて得られるものであることを特徴とする光学積層体。
  5. 前記光学機能層を構成する樹脂組成物のフッ素含有量が500〜500000ppm以下であることを特徴とする請求項4に記載の光学積層体。
  6. 前記放射線硬化型フッ化アクリレートの官能基数が3個以上であることを特徴とする請求項4又は5に記載の光学積層体。
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