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JP5370731B2 - 回路ユニット、回路構成体、電気接続箱および回路ユニットの製造方法 - Google Patents

回路ユニット、回路構成体、電気接続箱および回路ユニットの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、回路ユニット、回路構成体、電気接続箱および回路ユニットの製造方法に関する。
従来より、複数の導電部材により構成された回路パターンを有し、その表面または裏面に電子部品が実装される回路ユニットが知られている(例えば特許文献1)。この回路ユニットは、金属製の板材を所定形状に打ち抜いて、絶縁性材料でモールドしてなるものである。
特開2006−24620公報
ところで、回路ユニットは、一般にケース内に収容されて車両のエンジンルーム内に格納されるものであり、エンジンルーム内のスペースには限りがあるため、できるだけ小型化を図りたいという要望がある。しかし、上記のような構成の回路ユニットは、回路パターンを構成する全ての導電部材が面方向に並べられているため、回路ユニットの面積が大きくなってしまうという問題があった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、小型化を図ることが可能な回路ユニット、回路構成体、電気接続箱および回路ユニットの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の回路ユニットは、複数の導電部材により構成された回路パターンを有し、その表面または裏面に電子部品が実装される回路ユニットであって、前記導電部材は表裏に重ねて配置され、その間に絶縁部がモールド成形されており、前記表面または裏面のうちの一方の面に実装された前記電子部品の端子部は、表裏に重ねて配置された前記導電部材の双方に接続され、前記表面または裏面のうちの他方の面に配置された前記導電部材のうち前記電子部品の端子部が接続される部品接続部は、前記一方の面に配置された前記導電部材のうち前記電子部品の端子部が接続される部品接続部側に突出して設けられている。このような構成によれば、全ての導電部材を面方向に並べて配置する場合に比べて回路ユニットの面積を小さくすることができ、もって回路ユニットを小型化することができる。
またこのような構成によれば、表裏に重ねて配置された導電部材の部品接続部の間の段差が小さくなる。ここで、導電部材を表裏に重ねて配置し、その両導電部材に一の電子部品の端子部を接続する場合には、両導電部材の表裏方向の段差分だけ端子部を長くする必要が生じ、この段差が大きいほど電子部品の大型化を招くことになる。しかしながら、表裏に重ねて配置された導電部材の部品接続部の間の段差が小さくなるから、その分端子部の長さ寸法を小さくすることができ、もって電子部品の小型化を図ることができる。
また、前記電子部品は、一の前記導電部材に対して複数並べて配置され、この一の導電部材には、複数の前記電子部品の端子部が接続されているものとしてもよい。このような構成によれば、各電子部品の熱は、一の導電部材に伝わってそこから放熱されるから、放熱効率を良くすることができる。
また、表裏に重ねて配置された前記導電部材のうち一方は電源からの電力が供給される入力回路を構成し、他方は前記電力を外部へ出力する出力回路を構成するものとされ、前記一方の導電部材に対して前記他方の導電部材が複数並べて配置され、前記一方の導電部材のうち前記電子部品の端子部が接続される部品接続部は、前記他方の導電部材のうち前記電子部品の端子部が接続される部品接続部側に突出して設けられるとともに、前記他方の導電部材の部品接続部の並び方向に沿って延びているものとしてもよい。
本発明の回路構成体は、前記回路ユニットを回路基板に組み付けてなるベース基板を有する回路構成体であって、前記回路基板には、前記回路ユニットのうち前記電子部品の端子部が接続される部品接続部が嵌合可能な開口部が形成され、前記回路ユニットは、前記部品接続部を前記回路基板の一面側に露出させて前記回路基板に組み付けられている。
本発明の電気接続箱は、前記回路構成体をケースに収容してなる。
本発明の回路ユニットの製造方法は、複数の導電部材により構成された回路パターンを有し、その表面または裏面に電子部品が実装される回路ユニットであって、前記導電部材は表裏に重ねて配置され、その間に絶縁部がモールド成形されている回路ユニットの製造方法であって、表裏に重ねて配置される前記導電部材のうち一方には表裏方向に貫通する貫通孔が設けられ、前記絶縁部をモールド成形する上型および下型のうち下型には、前記一方の導電部材を載置する載置面から上方に突出するとともに前記貫通孔を貫通する突出台が設けられており、前記貫通孔に前記突出台を貫通させて前記一方の導電部材を前記載置面に載置するとともに、前記突出台の突出端面に前記他方の導電部材を載置した状態にセットし、前記絶縁部をモールド成形する。
また、前記他方の導電部材には表裏方向に貫通する貫通孔が設けられ、前記突出台の突出端面には、前記貫通孔を貫通する突出ピンが設けられており、前記貫通孔に前記突出ピンを貫通させて前記他方の導電部材を前記突出台の突出端面に載置した状態にセットするものとしてもよい。
本発明によれば、小型化を図ることが可能な回路ユニット、回路構成体、電気接続箱および回路ユニットの製造方法を提供することができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態について、図1〜図17を参照しつつ詳細に説明する。
本実施形態における電気接続箱10は、バッテリー等の電源(図示せず)と、ヘッドランプ、ワイパー等の車載電装品(図示せず)との間に接続されて、各種車載電装品の通断電制御を行うものである。以下、各構成部材において、図2の上側を表方、下側を裏方、左手前側を下方、右奥側を上方として説明する。
電気接続箱10は、ケース20内に回路構成体30を収容してなるものである。
ケース20は合成樹脂製であって、全体として扁平な形状をなし、回路構成体30に対して裏側から組み付けられる第1ケース20Aと、表側から組み付けられる第2ケース20Bとを有している。第1ケース20Aは表方に開口する浅皿状をなし、第2ケース20Bは第1ケース20Aの開口を塞ぐ形態をなしている。なお、回路構成体30は図示しないネジにより第1ケース20Aに固定され、第1ケース20Aと第2ケース20Bとは超音波溶着により接合されている。
第2ケース20Bには、図示しない電線を介して電源または車載電装品に接続された相手側コネクタが嵌合可能なコネクタ嵌合部21が、下方に開口して形成されている。また、第2ケース20Bには、複数の端子金具22がインサート成形により一体に備えられている(図4および図5参照)。各端子金具22は、L字型に屈曲された形態をなし、その一端側はコネクタ嵌合部21内において下方へ突出して配置され、相手側コネクタと電気的に接続される。また、端子金具22の他端側はケース20内に突出し、回路構成体30と電気的に接続される。
回路構成体30は、回路ユニット40と回路基板50とを組み付けてなるベース基板31を有し、その表面には、半導体スイッチング素子32等の電子部品が実装されている(図2参照)。
半導体スイッチング素子32は、本体部32Aと、本体部32Aの裏面に設けられた図示しないドレイン端子(電力用端子)と、本体部32Aの側面に突出して設けられたゲート端子32B(制御用端子)およびソース端子32C(電力用端子)とを有している。なお、ドレイン端子およびソース端子32Cが、それぞれ本発明の電子部品の端子部に該当する。半導体スイッチング素子32の各端子は、半田付け等の公知の手法により回路構成体30に接続されている。
回路ユニット40は、複数の導電部材41により構成された回路パターンを有している。導電部材41は表裏に重ねて配置され、その間には絶縁部42がモールド成形されている(図8参照)。表裏に重ねて配置された導電部材41のうち一方は、電源からの電力が供給される入力回路を構成し、他方は電力を外部へ出力する出力回路を構成している。なお、入力回路を構成する導電部材41を第1導電部材41A、出力回路を構成する導電部材41を第2導電部材41Bと称する。
第1導電部材41Aは金属製であって、全体として略矩形の板状に加工されたものである。第1導電部材41Aは、本体板部43と、半導体スイッチング素子32のドレイン端子が電気的に接続される部品接続部(第1部品接続部44と称する)とを有している。
第1部品接続部44は、本体板部43から表側に突出して設けられるとともに、本体板部43の長手方向の一端から他端にわたり直線状に延びている。第1部品接続部44の本体板部43からの突出寸法は、回路基板50の板厚寸法と同等であり、全体にわたり一定とされている(図7参照)。なお、第1部品接続部44は、本体板部43の短手方向(上下方向)の中間部に設けられている。
本体板部43は、全体として厚さ寸法が一定の薄い板状をなしている(図9参照)。本体板部43のうち第1部品接続部44よりも上側の部分には、第2導電部材41Bが重ねて配置されている。本体板部43のうち第2導電部材41Bが重ねて配置される部分には、後述する下型60Bの突出台62が嵌合可能な貫通孔(第1貫通孔45Aと称する)が複数形成されている。各第1貫通孔45Aは、本体板部43の長手方向に沿って長い長円形状をなし、本体板部43を表裏方向に貫通している。なお、第1貫通孔45Aの周面は絶縁部42に覆われている(図7参照)。
本体板部43のうち第2導電部材41Bが重ねて配置される部分よりも外側には、端子金具22の他端側が電気的に接続される端子接続孔46が複数設けられている(図8および図9参照)。各端子接続孔46は略円形をなし、本体板部43を表裏方向に貫通している。なお、端子接続孔46は、第1貫通孔45Aよりも若干上方寄りの位置に形成され、本体板部43の上縁に沿って配置されている。
第2導電部材41Bは、金属板材をプレス加工することにより所定の形状に形成されてなるものである。第2導電部材41Bの板厚寸法は回路基板50の板厚寸法よりも薄く、全ての第2導電部材41Bにおいてほぼ等しくされている。
第2導電部材41Bは、一の第1導電部材41Aに対して複数(本実施形態では5枚)並べて配置されている。複数の第2導電部材41Bは、互いに所定の間隔を空けて第1導電部材41Aの第1部品接続部44の長さ方向に沿って並べられている。
第2導電部材41Bのうち下縁部(突出部に沿って配置される部分)は、半導体スイッチング素子32のソース端子32Cが接続される部品接続部(第2部品接続部47)とされている(図7参照)。第1部品接続部44の本体板部43からの突出寸法は、絶縁部42および第2導電部材41Bの厚さ寸法を加算した寸法と同等とされており、第1部品接続部44の突出端面(表側の面)と第2部品接続部47の表面(第2導電部材41Bの表面)とは、高さ(回路ユニット40の厚さ方向の位置)が揃っている。そして、第1部品接続部44の突出端面と、絶縁部42の表面と、第2部品接続部47の表面とは、平坦な面を構成している。
各第2導電部材41Bのうち上縁部には、貫通孔(第2貫通孔48と称する)が設けられている。第2貫通孔48は、各第2導電部材41Bの上縁に沿って配置され、それぞれ略円形をなして第2導電部材41Bを表裏方向に貫通している。全ての第2導電部材41Bのうち複数の第2導電部材41Bに設けられた第2貫通孔48は、第1導電部材41Aの第1貫通孔45Aと表裏方向に重なって配置され(図7参照)、第2貫通孔48の全体が、一の第1貫通孔45Aを介して回路ユニット40の裏面に露出している。また、全ての第2導電部材41Bのうち他の第2導電部材41Bに設けられた第2貫通孔48は、第1導電部材41Aの上角部に形成された切り欠き部45Bを介して回路ユニット40の裏面に露出している(図10参照)。第2貫通孔48には、全ての端子金具22のうち複数の端子金具22の他端側が挿通され、半田付け等により電気的に接続されている(図4参照)。
絶縁部42は、図8に示すように、第1導電部材41Aの本体板部43と第2導電部材41Bとの間を絶縁する第1絶縁部42Aと、第1導電部材41Aの第1部品接続部44と第2導電部材41Bの第2部品接続部47との間を絶縁する第2絶縁部42Bと、隣り合う第2導電部材41Bの間を絶縁する第3絶縁部42Cとを有している。絶縁部42のうち第2貫通孔48の裏側に位置する部分は、表裏方向に開口している。
回路基板50は、ケース20内に収容可能な略矩形をなしている。回路基板50の表面にはプリント配線手段により導電路(図示せず)が形成されている。
回路基板50には、端子金具22の他端側を挿通可能な端子挿通孔51が複数箇所に設けられている(図6参照)。端子挿通孔51は、回路ユニット40の端子接続孔46の表側に位置する部分に形成され、回路基板50の長手方向に沿って長い略長円形をなし、回路基板50を表裏方向(厚さ方向)に貫通している。端子接続孔46は、端子挿通孔51を介して回路構成体30の表側に露出しており、全ての端子金具22のうち複数の端子金具22の他端側は、端子挿通孔51から端子接続孔46に挿通した状態で、半田付け等により端子接続孔46に電気的に接続されている(図5参照)。
回路基板50には、回路ユニット40のうち本体板部43を除く部分が嵌合可能な開口部52が形成されている。開口部52は、回路ユニット40の第1部品接続部44および第2導電部材41Bの外形に沿う形状をなしている。回路ユニット40の第1部品接続部44および第2導電部材41Bは回路基板50の表側に露出し、その他の部分は回路構成体30の裏側に配置され、回路ユニット40と回路基板50とは、図示しない接着材により接着され一体になっている。回路ユニット40の第1部品接続部44および第2導電部材41Bの表面と回路基板50の表面とは、高さ(回路基板50の厚さ方向における位置)が揃っており、ベース基板31の表面は平坦な面となっている。
次に、本実施形態にかかる回路ユニット40の製造工程の一例を説明する。
まず、金属材料を鍛造、圧延、プレス加工または切削加工等して第1導電部材41Aを形成するとともに、金属板材を所定の形状にプレス加工して第2導電部材41Bを形成する。
次いで、第1導電部材41Aと第2導電部材41Bとを成形金型60にセットして、絶縁部42をモールド成形する。
成形金型60は上型60Aと下型60Bとを有している。下型60Bには、図12に示すように、第1導電部材41Aがセットされる下側凹部61が設けられている。下側凹部61の平面形状は、全体として第1導電部材41Aの外形に沿う形状をなし、下側凹部61の深さ寸法は、第1導電部材41Aの本体板部43の板厚寸法と同等とされている(図15参照)。
下側凹部61の底面(第1導電部材41Aを載置する載置面)には、上方に突出する突出台62が設けられ、突出台62の突出端面には、上方に突出する突出ピン63が設けられている。
突出台62は、第1導電部材41Aの第1貫通孔45Aおよび切り欠き部45Bに対応する位置に設けられ、第1貫通孔45Aに対応する突出台62は、第1貫通孔45Aの形状に沿う略長円形断面をなして上方へ突出し、また切り欠き部45Bに対応する突出台62は、切り欠き部45Bの形状に沿う断面形状をなして上方へ突出している。突出台62の突出寸法は、第1導電部材41Aの本体板部43の板厚寸法よりも大きく、また第1導電部材41Aの第1部品接続部44における厚さ寸法よりも小さい寸法とされている(図15参照)。なお、突出台62の突出端面は、下型60Bのうち上型60Aとの当接面64よりも上方に突出している。
突出ピン63は、第2導電部材41Bの第2貫通孔48に対応する位置に設けられている。突出ピン63は、第2貫通孔48の形状に沿う略円形断面をなして上方へ突出し、その突出寸法は、第2導電部材41Bの板厚寸法よりも大きい寸法とされている(図17参照)。
上型60Aには、下側凹部61と対向して上側凹部65が設けられている。上側凹部65の深さ寸法は、第1部品接続部44の突出寸法と同等とされ、上側凹部65の上面には、突出ピン63が嵌合するピン用凹部66が設けられている。
回路ユニット40の製造においては、図12および図13に示すように、まず第1導電部材41Aを下型60Bにセットする。第1導電部材41Aをセットする際には、第1貫通孔45Aを突出台62に嵌合させる。第1導電部材41Aの外形と下型60Bの下側凹部61の形状により、第1導電部材41Aは、下型60Bに対して位置決めされた状態になる。このとき、突出台62と第1貫通孔45Aとの間には、所定の間隔があいた状態になる(図15参照)。また、各突出台62は各第1貫通孔45Aを貫通し、その略半部分が第1導電部材41Aの本体板部43から上方へ突出した状態になる。
次いで、図14および図15に示すように、第2導電部材41Bを下型60Bにセットする。第2導電部材41Bをセットする際には、第2貫通孔48を突出ピン63に嵌合させる(図17参照)。突出ピン63と第2貫通孔48とはほぼ隙間なく嵌合する。これにより、第2導電部材41Bは、下型60Bに対して位置決めされた状態になり、隣り合う第2導電部材41Bの間、および第2導電部材41Bと第1導電部材41Aの第1部品接続部44との間には所定の隙間が確保された状態になる。また、第2導電部材41Bは、第1導電部材41Aの本体板部43に対して略平行な姿勢で保持され、第2導電部材41Bと本体板部43との間には所定の隙間が確保された状態になる。なお、各突出ピン63は各第2貫通孔48を貫通し、その略半部分が第2導電部材41Bから上方へ突出した状態になる。
そして、図16および図17に示すように、上型60Aと下型60Bとを閉じる。すると、上側凹部65の上面が第1導電部材41Aの第1部品接続部44の突出端面および第2導電部材41Bの上面に当接し、また突出ピン63の先端部がピン用凹部66に嵌合した状態になる。
次いで、上型60Aと下型60Bとの間に形成された空間に、所定の温度に設定した溶融樹脂を射出して充填し、溶融樹脂が固化した後、上型60Aと下型60Bとを離型する。すると、第1導電部材41Aと第2導電部材41Bとが一体化された回路ユニット40が形成される。
次に、上記のように構成された本実施形態の作用および効果について説明する。
本実施形態の回路ユニット40は、複数の導電部材41(第1導電部材41Aおよび第2導電部材41B)により構成された回路パターンを有し、その表面に半導体スイッチング素子32が実装される回路ユニット40であって、第1導電部材41Aおよび第2導電部材41Bは表裏に重ねて配置され、その間に絶縁部42がモールド成形されている。これにより、全ての導電部材を面方向に並べて配置する場合に比べて回路ユニット40の面積を小さくすることができるから、回路ユニット40を小型化することができる。
また、表裏に重ねて配置された第1導電部材41Aおよび第2導電部材41Bのうち半導体スイッチング素子32のドレイン端子が接続される第1部品接続部44は、ソース端子32Cが接続される第2部品接続部47側に突出して設けられている。これにより、表裏に重ねて配置された第1導電部材41Aの第1部品接続部44と第2導電部材41Bの第2部品接続部47との間の段差が小さくなる。ここで、導電部材を表裏に重ねて配置し、その両導電部材に一の電子部品を接続する場合には、両導電部材の表裏方向の間にある段差分だけ電子部品の端子部を長くする必要が生じ、この段差が大きいほど電子部品の大型化を招くことになる。しかしながら、本実施形態の回路ユニット40においては、表裏に重ねて配置された第1導電部材41Aの第1部品接続部44と第2導電部材41Bの第2部品接続部47との間の段差が小さくなるから、その分半導体スイッチング素子32の端子の長さ寸法を小さくすることができ、もって半導体スイッチング素子32の小型化を図ることができる。
また、半導体スイッチング素子32は、一の第1導電部材41Aに対して複数並べて配置され、この一の第1導電部材41Aには、複数の半導体スイッチング素子32のドレイン端子が接続されている。これにより、各半導体スイッチング素子32の熱は、第1導電部材41Aに伝わって放熱される。この第1導電部材41Aは、各半導体スイッチング素子32毎に別体に設けられている場合に比べて面積が大きいから、放熱効率を良くすることができる。また、半導体スイッチング素子32の熱が第1導電部材41Aに広く分散されるから、局所的に高温になることを防ぐことができる。加えて、半導体スイッチング素子32のドレイン端子が第1部品接続部44に直接に接続しているから、半導体スイッチング素子32からの熱は第1部品接続部44に伝わるまでの間に周囲に漏れ出しにくく、このため半導体スイッチング素子32の周囲に熱を溜まりにくくすることができる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、第1部品接続部44は、並列する全ての第2導電部材41Bにわたる長さ寸法とされているが、これに限らず、例えば第1部品接続部は、複数に分割して設けられていてもよく、また隣り合う第2導電部材の間に設けられていてもよい。
(2)上記実施形態では、回路基板50と回路ユニット40とが接着材により一体に組み付けられているが、回路基板と回路ユニットとをどのような方法で一体に組み付けてもよい。
(3)上記実施形態では、第1部品接続部44が第2部品接続部47側へ突出するものとされているが、これに限らず、第1部品接続部を本体板部と平坦な部分とし、第2部品接続部を第1部品接続部側へ突出するものとしてもよい。
本実施形態の電気接続箱の外観斜視図 同分解斜視図 同表面図 図3のA−A断面図 図3のB−B断面図 ベース基板の外観斜視図 同断面図 回路ユニットの外観斜視図 同分解斜視図 回路ユニットを裏側から見た斜視図 ベース基板の分解斜視図 第1導電部材を下型にセットする前の状態を表す斜視図 同断面図 第2導電部材を下型にセットする前の状態を表す斜視図 同断面図 上型と下型とを閉じる前の状態を表す斜視図 上型と下型とを閉じた状態を表す断面図
10…電気接続箱
20…ケース
30…回路構成体
31…ベース基板
32…半導体スイッチング素子(電子部品)
40…回路ユニット
41A…第1導電部材(一方の導電部材)
41B…第2導電部材(他方の導電部材)
42…絶縁部
44…第1部品接続部
45A…第1貫通孔
47…第2部品接続部
48…第2貫通孔
50…回路基板
52…開口部
60A…上型
60B…下型
62…突出台
63…突出ピン

Claims (7)

  1. 複数の導電部材により構成された回路パターンを有し、その表面または裏面に電子部品が実装される回路ユニットであって、
    前記導電部材は表裏に重ねて配置され、その間に絶縁部がモールド成形されており、
    前記表面または裏面のうちの一方の面に実装された前記電子部品の端子部は、表裏に重ねて配置された前記導電部材の双方に接続され、
    前記表面または裏面のうちの他方の面に配置された前記導電部材のうち前記電子部品の端子部が接続される部品接続部は、前記一方の面に配置された前記導電部材のうち前記電子部品の端子部が接続される部品接続部側に突出して設けられている回路ユニット。
  2. 前記電子部品は、一の前記導電部材に対して複数並べて配置され、この一の導電部材には、複数の前記電子部品の端子部が接続されている請求項1に記載の回路ユニット。
  3. 表裏に重ねて配置された前記導電部材のうち一方は電源からの電力が供給される入力回路を構成し、他方は前記電力を外部へ出力する出力回路を構成するものとされ、
    前記一方の導電部材に対して前記他方の導電部材が複数並べて配置され、
    前記一方の導電部材のうち前記電子部品の端子部が接続される部品接続部は、前記他方の導電部材のうち前記電子部品の端子部が接続される部品接続部側に突出して設けられるとともに、前記他方の導電部材の部品接続部の並び方向に沿って延びている請求項1または請求項2に記載の回路ユニット。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の回路ユニットを回路基板に組み付けてなるベース基板を有する回路構成体であって、
    前記回路基板には、前記回路ユニットのうち前記電子部品の端子部が接続される部品接続部が嵌合可能な開口部が形成され、
    前記回路ユニットは、前記部品接続部を前記回路基板の一面側に露出させて前記回路基板に組み付けられている回路構成体。
  5. 請求項4に記載の回路構成体をケースに収容してなる電気接続箱。
  6. 複数の導電部材により構成された回路パターンを有し、その表面または裏面に電子部品が実装される回路ユニットであって、前記導電部材は表裏に重ねて配置され、その間に絶縁部がモールド成形されている回路ユニットの製造方法であって、
    表裏に重ねて配置される前記導電部材のうち一方には表裏方向に貫通する貫通孔が設けられ、
    前記絶縁部をモールド成形する上型および下型のうち下型には、前記一方の導電部材を載置する載置面から上方に突出するとともに前記貫通孔を貫通する突出台が設けられており、
    前記貫通孔に前記突出台を貫通させて前記一方の導電部材を前記載置面に載置するとともに、前記突出台の突出端面に前記他方の導電部材を載置した状態にセットし、前記絶縁部をモールド成形する回路ユニットの製造方法。
  7. 前記他方の導電部材には表裏方向に貫通する貫通孔が設けられ、
    前記突出台の突出端面には、前記貫通孔を貫通する突出ピンが設けられており、
    前記貫通孔に前記突出ピンを貫通させて前記他方の導電部材を前記突出台の突出端面に載置した状態にセットする請求項6に記載の回路ユニットの製造方法。
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