JP5368921B2 - 太陽電池用裏面保護シート及びこれを用いた太陽電池モジュール - Google Patents
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Description
ポリウレタン系樹脂の初期縮合物100重量部に、エポキシ系のシランカップリング剤8.0重量部とブロッキング防止剤1.0重量部を添加して均一に混練してプライマー樹脂組成物を作製した。
参考例1と同様の要領で積層シートBを製造した。次に、変性ポリプロピレン系樹脂(三井化学社製 商品名「アドマーQE060」、融点:142℃)100重量部及びビニルトリメトキシシラン3重量部を封止層を構成する組成物として第一押出機に供給する一方、融点が168℃で且つ曲げ弾性率1700MPaのホモポリプロピレン80重量部と、融点が160℃で且つ曲げ弾性率が550MPaの軟質ホモプロピレン20重量部とからなる曲げ弾性率が1200MPaのポリプロピレン系樹脂を熱緩衝層を構成する組成物として第二押出機に供給し、第一、第二押出機を共に接続させているTダイからシート状に共押出して、厚みが80μmの封止層3と、厚みが120μmの熱緩衝層4とが積層一体化されてなる重合シートを製造した。
封止層を構成している変性ポリプロピレン系樹脂として、変性ポリプロピレン系樹脂(三菱化学社製 商品名「モディックP555」、融点:134℃)を用いたこと以外は参考例1と同様にして太陽電池用裏面保護シート及び太陽電池モジュールを得た。
熱緩衝層を構成する組成物として、融点が143℃で且つ曲げ弾性率1200MPaのランダムポリプロピレン100重量部を用いたこと以外は実施例1と同様にして太陽電池用裏面保護シート及び太陽電池モジュールを得た。
参考例1と同様にして積層シートBを製造した。又、有機過酸化物としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート(日本油脂社製 商品名「パーブチルE」)0.8重量%を含有する厚さ400μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体シ−トを用意した。
封止層にビニルトリメトキシシランを含有させなかったこと以外は実施例1と同様にして太陽電池用裏面保護シートA及び太陽電池モジュールDを得た。
得られた太陽電池用裏面保護シートの水蒸気透過率を温度40℃、相対湿度90%の条件下にて、JIS K7126に準拠してGTR社から商品名「GTR−100GW/30X」にて市販されている測定機を用いて測定した。
太陽電池用裏面保護シートから幅20mmの試験片を切り出した。ガラス板上に試験片をその封止層又はエチレン−酢酸ビニル共重合体シートによって接着し、JIS K6854に準拠して引張速度300mm/分にて90°剥離試験を行い、下記基準に基づいて評価した。
○:引張り力が19.6N以上を示すが、連続的に試験片をガラス板から剥離できず、
封止層又はエチレン−酢酸ビニル共重合体層が凝集破壊した。
△:引張り力が19.6N以上で且つ連続的に試験片をガラス板から剥離できた。
×:引張り力が19.6N未満で且つ連続的に試験片をガラス板から剥離できた。
太陽電池モジュールを85℃、相対湿度85%の環境下に1000時間に亘って放置した後、上記接着性同様に、JIS K6854に準拠して90°剥離試験を行い、下記基準に基づいて評価した。なお、比較例2、3は、試験片が自然剥離した。
○:引張り力が19.6N以上を示すが、連続的に試験片をガラス板から剥離できず、
エチレン−酢酸ビニル共重合体層が凝集破壊した。
△:引張り力が19.6N以上で且つ連続的に試験片をガラス板から剥離できた。
×:引張り力が19.6N未満で且つ連続的に試験片をガラス板から剥離できた。
得られた太陽電池モジュールにおけるアモルファスシリコン薄膜太陽電池Cの非強化青板ガラス基板5上に一辺が90cmの平面正方形状の試験枠を任意の箇所に形成した。試験枠内において、太陽電池と太陽電池用裏面保護シートとの界面にて発生している直径が1mm以上の気泡数を目視により数えた。太陽電池モジュールを10個用意し、太陽電池モジュール毎の気泡数の相加平均値を気泡数とし、下記基準により評価した。なお、比較例1では、太陽電池と太陽電池用裏面保護シートとを積層一体化させる際に太陽電池用裏面保護シートに皺が発生したので気泡数を数えなかった。
○:気泡は発生していなかった。
△:気泡は発生していたが2個以下であった。
×:気泡が2個を超えていた。
JIS C8917−1989に基づいて太陽電池モジュールの環境試験を行い、試験前後の光起電力の出力を測定して下記式に基づいて算出した。
出力低下率(%)=100×(試験後の光起電力の出力−試験前の光起電力の出力)
/試験前の光起電力の出力
2 耐候性基材
3 封止層
4 熱緩衝層
5 透明基板
A 太陽電池用裏面保護シート
B 積層シート
C 太陽電池
D 太陽電池モジュール
Claims (4)
- 金属箔上に耐候性基材が積層一体化されている積層シートの何れか一方の面に封止層が積層一体化されてなり、上記封止層は、変性ポリオレフィン系樹脂100重量部と、R1Si(OR2)3で示されるシラン化合物0.001〜20重量部とを含有している太陽電池用裏面保護シートであって、上記積層シートと上記封止層との間に、JIS K7121に準拠して測定された融点が160℃以上で且つ曲げ弾性率が500〜1500MPaであるポリオレフィン系樹脂からなる熱緩衝層が介在していることを特徴とする太陽電池用裏面保護シート。但し、R1は、非加水分解性であって且つ重合性を有する官能基を示す。R2は、炭素数が1〜5であるアルキル基を示す。
- 封止層は、不飽和カルボン酸又はその無水物でグラフト変性され且つJIS K7121に準拠して測定された融点が120〜170℃である変性ポリオレフィン系樹脂100重量部と、R1Si(OR2)3で示されるシラン化合物0.001〜20重量部とを含有していることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池用裏面保護シート。但し、R1は、非加水分解性であって且つ重合性を有する官能基を示す。R2は、炭素数が1〜5であるアルキル基を示す。
- 封止層は、不飽和カルボン酸又はその無水物でグラフト変性され且つJIS K7121に準拠して測定された融点が120〜170℃である変性ポリプロピレン系樹脂100重量部と、R1Si(OR2)3で示されるシラン化合物0.001〜20重量部とを含有していることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池用裏面保護シート。但し、R1は、非加水分解性であって且つ重合性を有する官能基を示す。R2は、炭素数が1〜5であるアルキル基を示す。
- 透明基板の一面に太陽電池素子が薄膜状に形成されている薄膜太陽電池における上記透明基板の一面に、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の太陽電池用裏面保護シートがその封止層を上記太陽電池素子に対向させた状態に積層一体化されてなることを特徴とする太陽電池モジュール。
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