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JP5365429B2 - グロメット - Google Patents

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JP5365429B2 JP2009204681A JP2009204681A JP5365429B2 JP 5365429 B2 JP5365429 B2 JP 5365429B2 JP 2009204681 A JP2009204681 A JP 2009204681A JP 2009204681 A JP2009204681 A JP 2009204681A JP 5365429 B2 JP5365429 B2 JP 5365429B2
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本発明は、自動車に配索されるワイヤハーネスに外装して車体パネルの貫通孔に挿入係止するグロメットに関し、特に、バーリングが突出している貫通孔へ挿入係止するグロメットにおいて、挿入係止を確実に行えるようにすると共に挿入力の軽減を図るものである。
従来、自動車に配索されるワイヤハーネスに外装して車体パネルの貫通孔に装着し、防水、防塵、遮音等を図るグロメットは本出願人の出願を含めて多数提供されている。例えば、特開2002−171646号公報では図8(A)に示すグロメットGを提供しており、該グロメットGは車体パネルPの貫通孔Hの周縁からエンジンルーム等の室外側に向けてバーリングBが突出している。即ち、室外側から挿入するグロメットGの挿入方向X1と逆向きにバーリングBが突出している。かつ、グロメットGでは車体係止凹部101を挟む傾斜壁100側の側面101aは底面101bに対して鋭角に突出し、側面101aと対向する側面101c側へと傾斜させている。
この場合、グロメットGを室外側から室内側へと挿入する際、グロメットGの傾斜壁100はバーリングBに押さえられて内方へと撓み、傾斜壁100の先端100aをバーリングBが越えた時点で、図8(B)に示すように、グロメットGの車体係止凹部101にバーリングBおよびバーリングBに連続する車体パネルPが落ち込み、車体パネルPの外面Paに傾斜壁100の先端が当接する。また、バーリングBの突出端Baは車体係止凹部101の先端側の側面101cの窪み101dに挿入した状態となる。
前記したバーリングBの突出方向と逆向き、即ち、グロメットGの挿入方向X1と同一方向X1にバーリングBが突出し、車体パネルPがエンジンルームと車室とを仕切るダッシュパネルの場合、該ダッシュパネルに設けた貫通孔から車室側に向けてバーリングBが突出している場合もある。
この場合、図9(A)に示すように、グロメットGの小径筒部110を挿入側先端として、エンジンルーム側から車室側に向けて挿入していくと、グロメットGの室内方向への引っ張りによりグロメットGの傾斜壁100がバーリングBにより押さえられると共に薄肉としている傾斜壁100が伸びる。かつ、傾斜壁100の側面101aを対向する側面101c側へと傾斜させているため、図9(B)に示すように、傾斜壁100の先端側は車体係止凹部101に向けて押し潰されるように変形する。傾斜壁100が伸びることで、バーリングBの突出側が傾斜壁100の先端を押さえた状態のままで、車体パネルPが先端側壁と当接する恐れがある。即ち、車体係止凹部101に倒れた込んだ傾斜壁100上にバーリングBを当接し、車体係止凹部101にバーリングBが落とし込まれた状態で係止されず、係止保持力が無く、かつ、防水性も損なわれる。
特開2002−171646号公報
本発明は、前記図9に示すように、グロメットを挿入係止する車体パネルの貫通孔の周縁からグロメットの挿入方向と同一方向にバーリングが突出している場合に、グロメットに設けた車体係止凹部に貫通孔のバーリングを確実に落とし込んで係止できるようにし、かつ、グロメットの挿入力の軽減も図ることを課題としている。
前記課題を解決するため自動車に配索されるワイヤハーネスを密着して挿通する小径筒部と、該小径筒部の一端に拡径して連続する拡径筒部と、該拡径筒部の大径側に環状に設けた車体係止凹部を備えているゴムまたはエラストマーからなるグロメットであって、
車体パネルの貫通穴へは前記小径筒部側から挿入すると共に、前記貫通穴の周縁には前記小径筒部の挿入方向へ突出するバーリングがあり、
前記車体係止凹部の底面を挟む小径筒部側の第1側壁は前記底面に対して鈍角で傾斜させる一方、反対側の大径側の第2側壁は前記底面に対して鋭角で傾斜させると共に前記第1側壁よりも外方へ突出させ、該第2側壁の突出端にシールリブを設け、
かつ、前記第1側壁の先端に第2側壁に向けて屈折させた屈折部を設けた引掛形状とし、該屈折部の先端と前記第2側壁との間の寸法は前記バーリングの突出長さより大とし、該屈折部と前記底面との間に前記バーリングの先端部を差し込む収容空間を設けていることを特徴とするグロメットを提供している。
また、前記グロメットにおいて、前記車体係止凹部の底面の軸線方向の中間位置にスリットを環状に設けていることが好ましい。
前記本発明のグロメットでは、車体パネルの貫通穴に挿入し、接触するバーリングにより押し潰されるように変形しても、車体係止凹部を挟む第1側壁は底面より鈍角に立設しているため、第1側壁は車体係止凹部に倒れ込むことはない。
また、車体係止凹部の底面にスリットまたは窪みを設けると、車体係止凹部の底面が第1側壁と第2側壁との間に設けたスリットまたは窪みを中心として開くように変形し、第1側壁が第2側壁に向けて車体係止凹部を塞ぐように変形することはない。また、車体係止凹部の溝幅がスリットまたは窪みの広がりにより伸びる結果、バーリングの先端が第1側壁を押さえた状態のままで第1側壁に車体パネルが当接することはなく、第1側壁に車体パネルが接触した時点でバーリングの先端は第1側壁から離脱する。よって、前記図9(B)に示すように、車体係止凹部の第1側壁が倒れ込んだ状態となり、バーリングが倒れた第1側壁に乗った状態のままとならず、車体係止凹部に確実に落とし込んで係止することができる。
前記窪みは幅狭な深い窪みが好ましく、V形状あるいはU形状としている。
さらに、グロメットの挿入時には、車体係止凹部のスリットが開くことにより、傾斜壁がグロメットの挿入方向に伸びやすくなり小径化するため、傾斜壁を乗り越えるための挿入力を低減できる。
さらにまた、バーリングが車体係止凹部に落ち込んで係止状態となると、該1側壁の傾斜壁の先端はバーリングから外れているため、傾斜壁および第1側壁は原形に復帰し、かつ、車体係止凹部の底面に対する引張負荷もなくなるためスリットも元に戻り、車体係止凹部の幅はバーリングの突出量と同等となる。よって、車体係止凹部に落ち込んだバーリングの先端は第1側壁に突き当たり、車体パネルの貫通穴にグロメットを確実に保持できる。
かつ、車体パネルに当接させる車体係止凹部の第2側壁は第1側壁より外方へ突出させると共に車体係止凹部の底面に対して鋭角で傾斜させ、その突出端にシールリブを設け、シールリブが車体パネルに接触しやすくし、かつ、グロメットに車室側からの引っ張り負荷が作用すると、シールリブは車体パネルにより強固に圧接することで、防水性を高めることができる。
前記車体係止凹部を挟む第1側壁は底面からの立設角度θ1を90°より大きく160以下が好ましい。また、第2側壁は底面からの立設角度θ2を90°未満60°以上が好ましい。
本発明のグロメットは、前記のように、第1側壁の先端を予め屈折させてバーリング先端部を差し込む収容空間を設けている点を特徴とする。バーリングの突出端を車体係止凹部の底面側に設けた収容空間に収容していることで、グロメットの保持力を高めることが出来ると共に防水性も高めることができる。
上述したように、本発明は、グロメットを挿入係止する貫通穴の周縁よりバーリングが突出し、該バーリングがグロメットの挿入方向と同一方向に突出している場合に、グロメットの車体係止凹部の底面から突出する第1側壁を鈍角、第2側壁を鋭角としているため、バーリングをグロメットに設けた車体係止凹部内に確実に落とし込んで係止でき、グロメットの車体パネルへの保持力を高めることが出来ると共に防水性も確保でき、さらに、挿入係止時における挿入力の低減を図ることができる。かつ、車体係止凹部の第1側壁を屈折させて、底面側にバーリングの先端を差し込む収容空間を設けているため、グロメットの保持力を高めることが出来ると共に防水性も向上させることができる。
参考実施形態のグロメットを取り付けたワイヤハーネスを挿入係止する車体パネルの貫通穴を示す図面である。 前記参考実施形態のグロメットの要部断面図である。 前記参考実施形態のグロメットを前記車体パネルの貫通穴に貫通する工程を示す図面である。 前記参考実施形態のグロメットの変形例の要部断面図である。 本発明の第1実施形態のグロメットを示す断面図である。 前記実施形態のグロメットを前記車体パネルの貫通穴に係止した状態の断面図である。 本発明の第実施形態のグロメットを示す断面図である。 (A)(B)は従来例のグロメットを示す図面である。 (A)(B)は従来のグロメットの問題点を示す図面である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図3に参考実施形態のグロメット1を示す。
グロメット1は、図1に示すように、自動車のエンジンルーム(ER)と車室(IR)とを仕切るダッシュパネルDPに設けた貫通穴Hを通すワイヤハーネスW/Hに取り付けるものである。貫通穴Hの周縁からはバーリングBが車室(IR)に向けて突出している。
グロメット1はゴムまたはエラストマーで成形しており、ワイヤハーネスW/Hを構成する複数の電線Wを密着して貫通させる小径筒部2と、該小径筒部2の一端から拡径する拡径筒部3と、該拡径筒部3の比較的薄肉とした傾斜壁4と、大径側先端の厚肉部5との間に環状に設けた車体係止凹部6を備えている。
前記車体係止凹部6は底面7を傾斜壁4側の第1側壁10と厚肉部5側の第2側壁11とで挟んでいる。
前記車体係止凹部6の底面7の軸線方向の幅(a)は前記バーリングBの突出長さと同等としている。
車体係止凹部6の底面7を挟む前記第1側壁10は底面7に対する角度θ1は鈍角として、傾斜壁4側へと傾けている。該角度θ1は、90°より大きく160°以下とし、本実施形態では、θ1を約135度としている。
一方、第1側壁10と対向する大径側の第2側壁11は、底面7に対する角度θ2を鋭角とし、90°未満60°以上とし、本実施形態ではθ2を約70°としている。
また、第2側壁11を第1側壁10の外方へ突出させ、該第2側壁11の突出端にはシールリブ13を設けている。
さらに、車体係止凹部6の底面7の軸線方向の略中央にはスリット15を環状に設けている。なお、スリット15に変えて、図4に示すようにU形状の窪み15Aとしてもよい。
前記形状としたグロメット1は小径筒部2を拡げ治具(図示せず)を通して拡径し、この状態でワイヤハーネスW/Hを構成する多数の電線Wを挿通し、反対側の厚肉部5の中空より引き出している。その後、小径筒部2の先端からワイヤハーネスW/Hの外周面にかけて粘着テープTを巻き付けて、ワイヤハーネスW/Hにグロメット1を外装固着している。
前記グロメット1を取り付けたワイヤハーネスW/Hを、自動車の組立ラインで、エンジンルーム(ER)から車室(IR)へとダッシュパネルDPの貫通穴Hを通して配索する。
ワイヤハーネスW/Hに取り付けたグロメット1は図3に示すように小径筒部2を挿入側先端として貫通穴Hに矢印X1で示すように、エンジンルーム(ER)から車室(IR)へと挿入する。即ち、エンジンルーム(ER)からX1方向へ押し込むと共に、車室(IR)からX1方向に引き込む。
小径筒部2から貫通穴Hへ挿入したグロメット1は、拡径筒部3の傾斜壁4の外径が貫通穴Hの内径と一致した時点から、バーリングBは傾斜壁4と接触して傾斜壁4を押圧する。かつ、グロメット1をX1方向へと引っ張っているため、グロメット1は車体係止凹部6の底面7のスリット15を支点として底面7が開くように引っ張られ、第1側壁10は傾斜角度θ1が更に開いて鈍角となり、第1側壁10の突出高さは低くなる。
バーリングBによる押圧力は車体係止凹部6の第1側壁10を乗り越える時に最大となるが、第1側壁10の突出量がスリット15の開きにより低くなることで、バーリングBによる押圧力を低減でき、その分、グロメット1を引っ張る挿入力の低減がはかれる。
前記のように、貫通穴Hにグロメット1を挿通させる際に、第1側壁10は傾斜壁4側に向けて開くように傾斜させ、かつ、スリット15が開くために、車体係止凹部6の底面7に向けて第1側壁10が倒れるようにバーリングBで押し潰されるのを防止できる。
グロメット1が更に挿入され、前記バーリングBの先端Baが第1側壁10の先端から外れると、バーリングBは車体係止凹部6に落とし込まれ、バーリングBの内周面Biは車体係止凹部6の底面7に当接する。第1側壁10はバーリングBによる押圧が解かれて原形に復帰し、かつ、スリット15への引張力も解かれてスリット15も原形に復帰する。車体係止凹部6の底面7の軸線方向の長さ(a)をバーリングBの長さと同様としているため、バーリングBの先端Baは第1側壁10に隙間無く突き当たる。かつ、バーリングBの基端と連続したダッシュパネルDPのエンジンルーム側面DPaに鋭角で突出した第2側壁11の先端のシールリブ13が圧接する。
これにより、バーリングBは車体係止凹部6の底面7に沿って位置決め保持され、バーリングBの先端Baは第1側壁10に圧接し、バーリングBの基体側のダッシュパネルに第2側壁のシールリブ13が圧接し、防水性も確保できる。
図5および図6に本発明の第1実施形態のグロメット1Aを示す。
グロメット1Aは前記参考実施形態のグロメット1に対して車体係止凹部6の第1側壁20の先端に屈折部20aを設けて形状を相違させている。他の構成は同様である。
即ち、第1側壁20は傾斜壁4の突出端から第2側壁11に向けて略水平に屈折させた屈折部20aを設けた引掛形状とし、第1側壁20の突出量は参考実施形態の第1側壁10の突出量よりも小さくしている。該屈折部20aと底面7との間にバーリングBの先端Baを差し込む収容空間21を設けている。
前記屈折部20aの先端と第2側壁11との間の寸法dはバーリングBの寸法より大とし、かつ、該第2側壁11の立設角度θ2bは参考実施形態の角度θ2よりは小さくして第1側壁側に向けて大きく傾斜させている。
また、前記収容空間21を含む底面7の軸線方向の幅(a1)は参考実施形態の幅(a)より大としている。
前記グロメット1AをワイヤハーネスW/Hに取り付け、参考実施形態と同様に、バーリングBが突出した貫通穴Hに挿入係止する。
その際、バーリングBにより傾斜壁4側の第1側壁20を押圧するが、第1側壁20の突出量は小さいため、挿入力の低減を図ることができる。バーリングBの寸法より第1側壁20の屈折部20aと第2側壁11の隙間を大きくしているため、バーリングBを屈折部20aと第2側壁11との間で底面7へと落とし込むことができる。バーリングBが落ち込んだ状態で第2側壁11によりダッシュパネルDPが第1側壁20側へと押し戻され、バーリングBの先端Baは屈折部20aと底面7との間の収容空間21に差し込まれる。
これにより、バーリングBの先端Baは収容空間21内において第1側壁20に圧接し、バーリングBの基端側のダッシュパネルに第2側壁11のシールリブ13が圧接し、グロメット1は貫通穴Hに確実に保持されると共に防水性を高めることができる。
図7に第実施形態のグロメット1Bを示す。
グロメット1Bは参考実施形態と前記第1実施形態とを組み合わせたもので、参考実施形態と同様に車体係止凹部6の底面7に環状のスリット15を設けている。また、第1実施形態と同様に、傾斜壁4側の第1側壁20に第2側壁11に向けた屈折部20aを設けたバーリングの収容空間21を設けている。
該第実施形態では、スリット15により車体係止凹部6の底面7が拡がるため、収容空間21を含めた底面7の軸線方向の長さ(a2)は第実施形態より小さくできる。
作用効果は参考実施形態および第実施形態と同様であるため説明を省略する。
1、1A、1B グロメット
2 小径筒部
3 拡径筒部
4 傾斜壁
6 車体係止凹部
7 底面
10、20 第1側壁
20a 屈折部
11 第2側壁
15 スリット
21 収容空間
DP ダッシュパネル
H 貫通穴
B バーリング
W/H ワイヤハーネス
W 電線

Claims (3)

  1. 自動車に配索されるワイヤハーネスを密着して挿通する小径筒部と、該小径筒部の一端に拡径して連続する拡径筒部と、該拡径筒部の大径側に環状に設けた車体係止凹部を備えているゴムまたはエラストマーからなるグロメットであって、
    車体パネルの貫通穴へは前記小径筒部側から挿入すると共に、前記貫通穴の周縁には前記小径筒部の挿入方向へ突出するバーリングがあり、
    前記車体係止凹部の底面を挟む小径筒部側の第1側壁は前記底面に対して鈍角で傾斜させる一方、反対側の大径側の第2側壁は前記底面に対して鋭角で傾斜させると共に前記第1側壁よりも外方へ突出させ、該第2側壁の突出端にシールリブを設け、
    かつ、前記第1側壁の先端に第2側壁に向けて屈折させた屈折部を設けた引掛形状とし、該屈折部の先端と前記第2側壁との間の寸法は前記バーリングの突出長さより大とし、該屈折部と前記底面との間に前記バーリングの先端部を差し込む収容空間を設けていることを特徴とするグロメット。
  2. 前記車体係止凹部の底面の軸線方向の中間位置にスリットまたは窪みを環状に設けている請求項1に記載のグロメット。
  3. 前記車体係止凹部を挟む前記第1側壁は、該車体係止凹部の底面からの立設角度θ1を90°を越えて160°以下、
    前記第2側壁は、該車体係止凹部の底面からの立設角度θ2を60°以上90°未満としている請求項1または請求項2に記載のグロメット。
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