JP5136223B2 - グロメット - Google Patents
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Description
該グロメット100Aは、車体係止凹部101に対して、車体パネル2の貫通穴3の周縁の車体パネルの一面2aが車体係止凹部101の底面101cを挟む一方の厚肉部側面101aに当接し、貫通穴3の内周面3aから突出したバーリング3bの先端が他方の傾斜壁部側面101bの下部に突き当たる状態で挿入係止される。
これに対して、図7(B)に示すグロメット100Bは、車体パネル2の貫通穴3に対して、エンジンルーム側(X)から押し込んで車室(Y)へと引き出す工程で、図7(C)に示すように、貫通穴3を車体係止凹部101に挿入係止している。この種のグロメットは一方向の移動だけでよいため、所謂ワンモーション型のグロメットと称されている。該ワンモーション型のグロメットは、グロメットをエンジンルーム側等の一方側からの押し込む操作のみでよいため、工程数が低減できる利点を有する。
前記ワイヤハーネスの電線群を密着させて貫通する小径な内筒と、
前記内筒の外周面に連続する大径の外筒とを備え、
前記外筒は傾斜壁部の大径端に厚肉部を備え、該傾斜壁部と厚肉部との境界に環状の前記車体係止凹部を設けており、
前記車体係止凹部の底面を挟む一方の厚肉部側面の先端は他方の傾斜壁部側面より外方へ突出し、該傾斜壁部側面は前記車体パネルの一面との接触面となる一方、
前記車体係止凹部の底面と接する前記厚肉部側面は、その下端に前記バーリング差し込み用の窪みを設けていると共に先端部分に前記車体パネルの他面に接触させる防水用リブを突設し、かつ、
前記内筒の両端の押込側と引出側に挟まれた長さ方向中間部の外周から環状連結部を突設し、該環状連結部の外周端に前記外筒の厚肉部を連続させ、該外筒の傾斜壁部の小径端側内周面は前記小径な内筒の外周面と空間をあけて切り離し、該小径な内筒の引出側は前記傾斜壁部より外方へ突出させ、前記環状連結部はV字状に屈曲させ、該環状連結部から前記外筒の前記傾斜壁部の内面に向けて押しリブを突設し、当該グロメットを前記バーリング穴に押込作業時に前記押しリブを前記傾斜壁部の内面に当接して押込力を前記外筒に伝達させる構成としていることを特徴とするグロメットを提供している。
よって、グロメットを通したワイヤハーネスが急激に曲げられて車体係止凹部と貫通穴の内周面とに隙間が生じても、車体係止凹部内に水が溜まっていないため、浸水が生じる可能性を低減することができる。
本発明のグロメットは、内筒の両端の押込側と引出側に挟まれた長さ方向中間部の外周から環状連結部を突設し、該環状連結部の外周端に前記外筒の厚肉部を連続させ、該外筒の傾斜壁部の小径端側内周面は前記小径な内筒の外周面と空間をあけて切り離し、該小径な内筒の引出側は前記傾斜壁部より外方へ突出させている。
この切り離し型としたグロメットでは、グロメットから引き出されて車室側に配索されるワイヤハーネスが90度近く急激に屈曲され、内筒が屈曲されても、外筒に直接的に内筒の変形を伝達させないようにすることができる。また、内筒の引出端側から距離をあけた長さ方向の中間位置から環状連結部を介して外筒と連結しているため、内筒の変形は環状連結部でも吸収でき、外筒の大径端側に設けた車体係止凹部に変形の影響を与えないようにすることができる。
前記のように、環状連結部をV字状とすると、内筒がワイヤハーネスの曲げにより変形した際に、環状連結部で変形を吸収できる量が増加し、車体係止凹部に変形を発生させないようにすることができる。
即ち、グロメットを車体パネルの貫通穴に挿入する際、内筒の押込側から引き出されるワイヤハーネスを作業員が持って押し込んでいる。該内筒には環状連結部を介して外筒を連結しているため、外筒の引出側の傾斜壁部には押し込み力が伝わりにくい。そのため、環状連結部に押しリブを突設し、該押しリブを傾斜壁部の引出側の内周面に押しあてて、押しリブを介して傾斜壁部へ押し込み力を伝達し、グロメットの挿入作業性を高めている。
また、該環状連結部を薄肉としていると共に、径方向に突出させずに、傾斜させて突出させているため、内筒がワイヤハーネスの曲げにより変形した時に環状連結部で変形を吸収でき、外筒に変形の影響を及ぼさないようにすることができる。これにより、押込側のエンジンルーム側でワイヤハーネスが急激に曲げられても、環状連結部で変形を吸収できる。
また、前記押しリブは厚肉として全周に連続して設けると、傾斜壁部へ伝える押し込み力を均等に作用させることができるために好ましい。
参考実施形態のグロメット1Aは、自動車のエンジンルーム(X)から車体パネル2に設けたバーリング穴3を通して車室(Y)へと配索されるワイヤハーネスW/Hに装着し、バーリング穴3の周縁に係止して車体に取り付けるものである。グロメット1Aをエンジンルーム側からの押し込み操作のみでバーリング穴3を通して車体に取り付けるワンモーション型のグロメットであり、グロメット1Aの一端は押込側P1、他端は引出側P2となる。グロメット1はゴムまたはエラストマーで一体成形している。
該グロメット1Aを取り付けるバーリング穴3は、バーリング3bが押込側P1(エンジンルーム側)に突出している。
傾斜壁部側側面62は先端側を車体係止凹部55の内部に向けて傾斜させている。
一方、厚肉部側面61は底面60と接する部分に、バーリング差し込み用の窪み64を設け、該窪み64の上部をグロメットの軸線方向と直交する垂直面65としている。該垂直面65の上部で対向する傾斜壁部62の先端より突出する先端部分に傾斜壁部52に向けて突設した防水リブ66を環状に突設している。また、底面60の中央に圧接用のシールリップ67を突設している。
該グロメット1Aは内筒50をバーリング穴3内に通して、エンジンルーム側の押込側P1よりグロメット1Aを押し込んでいる。この押し込み過程で、傾斜壁部52を内方へ撓ませ、図2に示すように、バーリング穴3を車体係止凹部55内に落とし込んで係止している。
該グロメット1Bは前記参考実施形態のグロメットと同様にエンジンルームと車室との間の車体パネルのバーリング穴に装着されるものであり、かつ、ワンモーション型のグロメットからなる。該グロメット1Bは外筒の小径端を内筒と空間をあけて切り離したタイプとしている。
外筒8は環状連結部6の外周との連続位置から引出側P2へと延在し、該連続位置に設けた厚肉部9を設け、厚肉部9に連続して引出側P2へ縮径する傾斜壁部11を延在している。厚肉部9と傾斜壁部11の大径端との境界に車体係止凹部10を外周面に環状に開口して設けている。
前記屈曲部11cでは突条15を周方向の連続させた仮想外径を車体パネル2のバーリング貫通穴3の内径と同等としている。
環状連結部6には、内周端6bからV字の突出端6cとの間の傾斜部に前記傾斜壁部11に向けて屈曲した屈曲部6dを設けている。該屈曲部6dに厚肉とした押しリブ18を傾斜壁部11に向けて突出している。
エンジンルーム側でワイヤハーネスが曲げられた場合も、V字状に屈曲した環状連結部6で変形を吸収でき、外筒8に変形の影響を及ぼさないため、前記線材の貫通ガイド部も変形せず、シール性を確保することができる。
2 車体パネル
3 バーリング穴
3b バーリング
5 内筒
6 環状連結部
8 外筒
9 厚肉部
10 車体係止凹部
10a 底面
10b 厚肉部側面
10c 傾斜壁部側面
10d 窪み
10f、66 防水リブ
11 傾斜壁部
18 押しリブ
Claims (2)
- 車体パネルのバーリング穴に挿通するワイヤハーネスに外装し、前記車体パネルのバーリング穴に対してバーリングの突出方向から押し込み、外周面に設けた車体係止凹部に前記バーリング穴を挿入係止する弾性体からなるワンモーション型のグロメットであって、 前記ワイヤハーネスの電線群を密着させて貫通する小径な内筒と、
前記内筒の外周面に連続する大径の外筒とを備え、
前記外筒は傾斜壁部の大径端に厚肉部を備え、該傾斜壁部と厚肉部との境界に環状の前記車体係止凹部を設けており、
前記車体係止凹部の底面を挟む一方の厚肉部側面の先端は他方の傾斜壁部側面より外方へ突出し、該傾斜壁部側面は前記車体パネルの一面との接触面となる一方、
前記車体係止凹部の底面と接する前記厚肉部側面は、その下端に前記バーリング差し込み用の窪みを設けていると共に先端部分に前記車体パネルの他面に接触させる防水用リブを突設し、かつ、
前記内筒の両端の押込側と引出側に挟まれた長さ方向中間部の外周から環状連結部を突設し、該環状連結部の外周端に前記外筒の厚肉部を連続させ、該外筒の傾斜壁部の小径端側内周面は前記小径な内筒の外周面と空間をあけて切り離し、該小径な内筒の引出側は前記傾斜壁部より外方へ突出させ、前記環状連結部はV字状に屈曲させ、該環状連結部から前記外筒の前記傾斜壁部の内面に向けて押しリブを突設し、当該グロメットを前記バーリング穴に押込作業時に前記押しリブを前記傾斜壁部の内面に当接して押込力を前記外筒に伝達させる構成としていることを特徴とするグロメット。 - 前記車体係止凹部の厚肉部側面は前記窪みと前記防水用リブとの間に軸直角方向の垂直面を備え、かつ、底面の中央部に圧接用リップを突設している請求項1に記載のグロメット。
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