以下に、本発明に係る画像処理装置、磁気共鳴イメージング装置および画像管理システムの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下では、磁気共鳴イメージング装置を「MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置」と呼び、MRI装置によって撮像された画像を「MR画像」と呼ぶ。
なお、以下に示す実施例では、脂肪抑制T1強調画像、3D−FASE画像およびBlack Blood画像を用いた場合について説明する。ここで、「3D−FASE画像」とは、FASE(Fast Advanced Spin Echo)と呼ばれる高速なSE法で撮影された3次元画像である。また、「Black Blood画像」とは、血液の輝度値を低くする撮像法であるBlack Blood法で撮像された画像であり、血管内や血流が豊富な組織については輝度値が低くなり、黒く描出される。
まず、本実施例1に係るMRI装置の全体構成について説明する。図1は、本実施例1に係るMRI装置100の全体構成を示す図である。図1に示すように、このMRI装置100は、静磁場磁石1、傾斜磁場コイル2、傾斜磁場電源3、寝台4、寝台制御部5、送信RFコイル6、送信部7、受信RFコイル8、受信部9、シーケンス制御部10および計算機システム20を備える。
静磁場磁石1は、中空の円筒形状に形成された磁石であり、内部の空間に一様な静磁場を発生する。この静磁場磁石1としては、例えば永久磁石、超伝導磁石等が使用される。
傾斜磁場コイル2は、中空の円筒形状に形成されたコイルであり、静磁場磁石1の内側に配置される。この傾斜磁場コイル2は、互いに直交するX,Y,Zの各軸に対応する3つのコイルが組み合わされて形成されており、これら3つのコイルは、後述する傾斜磁場電源3から個別に電流供給を受けて、X,Y,Zの各軸に沿って磁場強度が変化する傾斜磁場を発生させる。なお、Z軸方向は、静磁場と同方向とする。傾斜磁場電源3は、傾斜磁場コイル2に電流を供給する装置である。
ここで、傾斜磁場コイル2によって発生するX,Y,Z各軸の傾斜磁場は、例えば、スライス選択用傾斜磁場Gs、位相エンコード用傾斜磁場Geおよびリードアウト用傾斜磁場Grにそれぞれ対応している。スライス選択用傾斜磁場Gsは、任意に撮像断面を決めるために利用される。位相エンコード用傾斜磁場Geは、空間的位置に応じて磁気共鳴信号の位相を変化させるために利用される。リードアウト用傾斜磁場Grは、空間的位置に応じて磁気共鳴信号の周波数を変化させるために利用される。
寝台4は、被検体Pが載置される天板4aを備え、後述する寝台制御部5による制御のもと、被検体Pが載置された状態で天板4aを傾斜磁場コイル2の空洞(撮像口)内へ挿入する。通常、この寝台4は、長手方向が静磁場磁石1の中心軸と平行になるように設置される。寝台制御部5は、制御部30による制御のもと、寝台4を制御する装置であり、寝台4を駆動して、天板4aを長手方向および上下方向へ移動する。
送信RFコイル6は、傾斜磁場コイル2の内側に配置され、送信部7から高周波パルスの供給を受けて高周波磁場を発生する。送信部7は、ラーモア周波数に対応する高周波パルスを送信RFコイル6に送信する装置である。
受信RFコイル8は、傾斜磁場コイル2の内側に配置され、上記の高周波磁場の影響によって被検体Pから放射される磁気共鳴信号を受信する。この受信RFコイル8は、磁気共鳴信号を受信すると、その磁気共鳴信号を受信部9へ出力する。
受信部9は、受信RFコイル8から出力される磁気共鳴信号に基づいてk空間データを生成する。具体的には、この受信部9は、受信RFコイル8から出力される磁気共鳴信号をデジタル変換することによってk空間データを生成する。このk空間データには、前述したスライス選択用傾斜磁場Gs、位相エンコード用傾斜磁場Geおよびリードアウト用傾斜磁場Grによって、PE(Phase Encode)方向、RO(Read Out)方向、SE(Slice Encode)方向の空間周波数の情報が対応付けられている。そして、k空間データを生成すると、受信部9は、そのk空間データをシーケンス制御部10へ送信する。
シーケンス制御部10は、計算機システム20から送信されるシーケンス情報に基づいて、傾斜磁場電源3、送信部7および受信部9を駆動することによって、被検体Pのスキャンを行う。ここで、シーケンス情報とは、傾斜磁場電源3が傾斜磁場コイル2に供給する電源の強さや電源を供給するタイミング、送信部7が送信RFコイル6に送信するRF信号の強さやRF信号を送信するタイミング、受信部9が磁気共鳴信号を検出するタイミングなど、スキャンを行うための手順を定義した情報である。
なお、シーケンス制御部10は、傾斜磁場電源3、送信部7および受信部9を駆動して被検体Pをスキャンした結果、受信部9からk空間データが送信されると、そのk空間データを計算機システム20へ転送する。
計算機システム20は、MRI装置100の全体制御や、データ収集、画像再構成などを行う。この計算機システム20は、特に、インタフェース部21、画像再構成部22、記憶部23、入力部24、表示部25および制御部30を有している。
インタフェース部21は、シーケンス制御部10との間で授受される各種信号の入出力を制御する。例えば、このインタフェース部21は、シーケンス制御部10に対してシーケンス情報を送信し、シーケンス制御部10からk空間データを受信する。k空間データを受信すると、インタフェース部21は、各k空間データを被検体Pごとに記憶部23に格納する。
画像再構成部22は、記憶部23によって記憶されたk空間データに対して、後処理、すなわちフーリエ変換等の再構成処理を施すことによって、被検体P内における所望核スピンのスペクトラムデータあるいは画像データを生成する。
記憶部23は、インタフェース部21によって受信されたk空間データと、画像再構成部22によって生成された画像データなどを、被検体Pごとに記憶する。この記憶部23には、Black Blood法や遅延造影法、Tagging法などの各種撮像方法によって撮像された画像が記憶される。
入力部24は、操作者からの各種指示や情報入力を受け付ける。この入力部24としては、マウスやトラックボールなどのポインティングデバイス、モード切替スイッチ等の選択デバイス、あるいはキーボード等の入力デバイスを適宜に利用可能である。
表示部25は、制御部30による制御のもと、スペクトラムデータあるいは画像データ等の各種の情報を表示する。この表示部25としては、液晶表示器などの表示デバイスを利用可能である。
制御部30は、図示していないCPUやメモリ等を有し、MRI装置100の全体制御を行う。具体的には、この制御部30は、入力部24を介して操作者から入力される撮像条件に基づいてシーケンス情報を生成し、生成したシーケンス情報をシーケンス制御部10に送信することによってスキャンを制御したり、スキャンの結果としてシーケンス制御部10から送られるk空間データに基づいて行われる画像の再構成を制御したりする。
次に、本実施例1に係る制御部30の機能構成について説明する。図2は、本実施例1に係る制御部30の機能構成を示すブロック図である。図2に示すように、制御部30は、特に、画像入力部31、血管プラーク抽出部32、血管プラーク解析部33および画像出力部34を有する。
画像入力部31は、画像再構成部22によって再構成された脂肪抑制T1強調画像および3D−FASE画像を入力する。具体的には、画像入力部31は、脂肪抑制T1強調画像入力部31aおよび3D−FASE画像入力部31bを有する。
血管プラーク抽出部32は、画像入力部31によって入力された脂肪抑制T1強調画像および3D−FASE画像それぞれから、血管プラークを示す血管プラーク領域を抽出する。具体的には、血管プラーク抽出部32は、血管内腔抽出部32a、血管内腔境界線抽出部32bおよびプラーク領域推定部32cを有する。
血管プラーク解析部33は、血管プラーク抽出部32によって抽出された血管プラーク領域のうち、脂肪抑制T1強調画像および3D−FASE画像の両方で信号値が所定の閾値以下である領域を安定プラーク領域として抽出する。また、血管プラーク解析部33は、抽出された安定プラーク領域を用いて、不安定プラーク領域を推定する。具体的には、血管プラーク解析部33は、血管プラーク領域入力部33a、解析用画像合成部33b、安定プラーク領域抽出部33c、不安定プラーク候補抽出部33dおよびプラーク不安定度算出部33eを有する。
画像出力部34は、血管プラーク解析部33によって推定された不安定プラーク領域を表示部25に出力する。具体的には、画像出力部34は、表示画像入力部34a、血管プラーク不安定度解析結果合成部34b、幾何条件設定部34c、表示条件設定部34dおよび画像表示部34eを有する。
次に、本実施例1に係る制御部30が有する各部によって行われる処理について説明する。図3は、本実施例1に係る制御部30が有する各部によって行われる処理の流れを示すフローチャートである。なお、ここでは、脂肪抑制T1強調画像から血管内腔を抽出する場合について説明するが、3D−FASE画像から血管内腔を抽出することも可能である。
図3に示すように、本実施例1に係る制御部30では、まず、脂肪抑制T1強調画像入力部31aが、脂肪抑制T1強調画像を読み込む(ステップS01)。続いて、血管プラーク抽出部32が、脂肪抑制T1強調画像入力部31aによって読み込まれた脂肪抑制T1強調画像内の血管プラーク領域を推定する(ステップS02)。
ここで、本実施例1に係る血管プラーク領域の推定について詳細に説明する。図4は、本実施例1に係る血管プラーク領域の推定の流れを示すフローチャートである。また、図5は、本実施例1に係る血管プラーク領域の推定の一例を示す図である。
図4に示すように、血管プラーク領域を推定する際には、脂肪抑制T1強調画像入力部31aが、脂肪抑制T1強調画像を読み込む(ステップS11)。続いて、血管内腔抽出部32aが、閾値処理等を利用して、図5の(a)に示すように、脂肪抑制T1強調画像入力部31aによって読み込まれた脂肪抑制T1強調画像から高信号に描出された血管内腔領域を抽出する(ステップS12)。
続いて、血管内腔境界線抽出部32bが、血管内腔抽出部32aによって抽出された血管内腔領域から血管芯線を抽出する。その後、血管内腔境界線抽出部32bは、抽出した血管芯線に垂直な内腔境界線(閉曲線)を一定間隔で抽出する(ステップS13)。
続いて、プラーク領域推定部32cが、血管内腔境界線抽出部32bによって抽出された血管芯線に沿って、図5の(b)に示すように、内腔境界線の形状変化や面積変化の顕著な箇所を、プラークを含む血管外壁の形状が描出できなかった「欠損箇所」として検出する(ステップS14)。その後、プラーク領域推定部32cは、図5の(c)に示すように、検出した欠損箇所周辺の内腔境界線の形状に基づいて欠損箇所を補間することで、プラーク領域を推定する(ステップS15)。
図3にもどって、プラーク領域推定部32cは、プラーク領域を推定した後に、脂肪抑制T1強調画像入力部31aによって読み込まれた脂肪抑制T1強調画像から、推定した血管プラーク領域のみを抽出する(ステップS03)。
また、この一方で、3D−FASE画像入力部31bが、3D−FASE画像を読み込む(ステップS04)。また、血管プラーク領域入力部33aが、プラーク領域推定部32cによって抽出された血管プラーク領域を入力する。
そして、解析用画像合成部33bが、3D−FASE画像入力部31bによって読み込まれた3D−FASE画像から、血管プラーク領域入力部33aによって入力された血管プラーク領域のみを抽出する(ステップS05)。
そして、脂肪抑制T1強調画像および3D−FASE画像それぞれから血管プラーク領域が抽出された後に、安定プラーク領域抽出部33cが、脂肪抑制T1強調画像と3D−FASE画像の血管プラーク領域内の信号値がともに低信号である部位を抽出し、抽出した部位を「安定プラーク」としてラベリングする。
さらに、不安定プラーク候補抽出部33dが、安定プラーク領域抽出部33cによって安定プラークとしてラベル付けされていない残りの血管プラーク領域を「不安定プラーク候補」として抽出する(ステップS06)。この処理は、MR画像において不安定プラークの信号値は一定ではないが、安定プラークは安定して低信号を呈するという考えに基づいている。
ここで、本実施例1に係る不安定プラーク候補の抽出について詳細に説明する。図6は、本実施例1に係る不安定プラーク候補の抽出の流れを示すフローチャートである。また、図7は、本実施例1に係る不安定プラーク候補の抽出の一例を示す図である。
図6に示すように、本実施例1では、プラーク領域推定部32cが、脂肪抑制T1強調画像入力部31aを読み込み(ステップS21)、読み込んだ脂肪抑制T1強調画像から血管プラーク領域を抽出する(ステップS22)。そして、プラーク領域推定部32cは、図7の(a)に示すように、抽出した血管プラーク領域から、信号値が所定の閾値以下である領域を低信号領域として抽出する(ステップS23)。また、プラーク領域推定部32cは、信号値が所定の閾値を超える領域を高信号領域として抽出する。
続いて、解析用画像合成部33bが、3D−FASE画像を読み込み(ステップS24)、読み込んだ3D−FASE画像から血管プラーク領域を抽出する(ステップS25)。そして、安定プラーク領域抽出部33cが、図7の(b)に示すように、解析用画像合成部33bによって抽出された血管プラーク領域のうち、信号値が所定の閾値以下である領域を低信号領域として抽出する(ステップS26)。また、安定プラーク領域抽出部33cは、信号値が所定の閾値を超える領域を高信号領域として抽出する。
そして、安定プラーク領域抽出部33cは、図7の(c)に示すように、脂肪抑制T1強調画像および3D−FASE画像の両方で低信号領域となった箇所を「安定プラーク」と定義する(ステップS27)。
この一方で、不安定プラーク候補抽出部33dが、図7の(c)に示すように、脂肪抑制T1強調画像および3D−FASE画像の両方で高信号領域となった箇所、および、一方で低信号領域となり他方で高信号領域となった箇所を「不安定プラーク候補」として抽出する(ステップS28)。すなわち、不安定プラーク候補抽出部33dは、解析用画像合成部33bによって抽出された血管プラーク領域から、安定プラーク領域抽出部33cによって定義された安定プラークを除いた残りを不安定プラーク候補として推定する。そして、不安定プラーク候補抽出部33dは、図7の(d)に示すように、抽出した不安定プラーク候補のみをラベリングする。
図3にもどって、不安定プラーク候補が抽出された後に、プラーク不安定度算出部33eが、抽出された不安定プラーク候補の信号値からプラークの脆弱性を定量化するための不安定度を算出する。
その後、表示画像入力部34aが、血管の形態を表示可能な任意のMR画像(以下、「MR形態画像」と呼ぶ)を記憶部23から読み込む。例えば、表示画像入力部34aは、2次元画像、3次元画像、MPR断面画像、3次元画像上にMPR断面を表示した画像などをMR形態画像として読み込む。ここで読み込まれるMR形態画像は、画像入力部31によって読み込まれる脂肪抑制T1強調画像および3D−FASE画像と同一の検査内で撮像された画像であることが望ましい。それにより、画像の詳細な位置合わせ処理が不要になる。
続いて、血管プラーク不安定度解析結果合成部34bが、プラーク不安定度算出部33eによって算出された不安定度に基づいて、表示画像入力部34aによって読み込まれたMR形態画像上に不安定プラーク候補を強調表示した画像を生成する(ステップS07)。
図8は、不安定プラーク候補の表示例を示す図である。図8に示すように、例えば、血管プラーク不安定度解析結果合成部34bは、血管の形態を示す画像上に不安定プラークの位置・範囲を強調表示した画像を生成する。
その後、幾何条件設定部34cが、操作者もしくはプリセットによる視点位置や回転設定などの幾何条件を入力し、表示条件設定部34dが、カラー・オパシティ設定などの表示条件を入力する。そして、画像表示部34eが、幾何条件設定部34cによって入力された幾何条件および表示条件設定部34dによって入力された表示条件にしたがって、血管プラーク不安定度解析結果合成部34bによって生成された画像を表示部25に表示させる。
上述してきたように、本実施例1では、脂肪抑制T1強調画像入力部31aが、脂肪抑制T1強調画像を読み込み、3D−FASE画像入力部31bが、3D−FASE画像を読み込む。また、血管プラーク抽出部32が、読み込まれた脂肪抑制T1強調画像および3D−FASE画像それぞれから血管プラーク領域を抽出する。また、血管プラーク解析部33が、抽出された血管プラーク領域のうち、脂肪抑制T1強調画像および3D−FASE画像の両方で信号値が所定の閾値以下である領域を安定プラーク領域として抽出する。さらに、血管プラーク解析部33が、抽出された安定プラーク領域を用いて、不安定プラーク領域を推定する。したがって、本実施例1によれば、カテーテル挿入を行うことなく、MR画像を用いて血管プラークの脆弱性解析を支援することが可能である。
ところで、上述した実施例1では、脂肪抑制T1強調画像または3D−FASE画像から血管内腔を抽出する場合について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、血管内腔を抽出する画像として、Black Blood画像を用いてもよい。Black Blood画像では、血管内が黒く描出されるので、より精度よく血管内腔を抽出することが可能になる。
そこで、以下では、実施例2として、Black Blood画像から血管内腔を抽出する場合について説明する。なお、本実施例2に係るMRI装置は、基本的には、図1に示したものと同様の構成を有し、計算機システムの制御部によって行われる処理が異なるのみであるので、ここでは、本実施例2に係る制御部の機能について説明する。
まず、本実施例2に係る制御部40の構成について説明する。図9は、本実施例2に係る制御部40の機能構成を示すブロック図である。なお、ここでは説明の便宜上、図2に示した各部と同様の役割を果たす機能部については、同一の符号を付すこととしてその詳細な説明を省略する。
図9に示すように、本実施例2に係る制御部40は、特に、画像入力部41、血管プラーク抽出部42、血管プラーク解析部33および画像出力部34を有する。つまり、図2に示した構成と比べて、画像入力部41および血管プラーク抽出部42が異なっている。
画像入力部41は、画像再構成部22によって再構成された脂肪抑制T1強調画像、3D−FASE画像およびBlack Blood画像を入力する。具体的には、画像入力部41は、脂肪抑制T1強調画像入力部31a、3D−FASE画像入力部31bおよびBlack Blood画像入力部41cを有する。つまり、図2に示した構成と比べて、Black Blood画像入力部41cが異なっている。
血管プラーク抽出部42は、画像入力部41によって入力された脂肪抑制T1強調画像、3D−FASE画像およびBlack Blood画像それぞれから、血管プラークを示す血管プラーク領域を抽出する。具体的には、血管プラーク抽出部42は、血管内腔抽出部42a、血管内腔境界線抽出部32bおよびプラーク領域推定部32cを有する。つまり、図2に示した構成と比べて、血管内腔抽出部42aが異なっている。
次に、本実施例2に係る制御部40が有する各部によって行われる処理について説明する。図10は、本実施例2に係る制御部40が有する各部によって行われる処理の流れを示すフローチャートである。
図10に示すように、本実施例2に係る制御部40では、まず、Black Blood画像入力部41cが、Black Blood画像を読み込む(ステップS31)。続いて、血管プラーク抽出部42が、Black Blood画像入力部41cによって読み込まれたBlack Blood画像内の血管プラーク領域を推定する(ステップS32)。
ここで、本実施例2に係る血管プラーク領域の推定について詳細に説明する。図11は、本実施例2に係る血管プラーク領域の推定の流れを示すフローチャートである。また、図12は、本実施例2に係る血管プラーク領域の推定の一例を示す図である。
図11に示すように、本実施例2では、Black Blood画像入力部41cが、Black Blood画像を読み込む(ステップS41)。続いて、血管内腔抽出部42aが、閾値処理等を利用して、図12の(a)に示すように、Black Blood画像入力部41cによって読み込まれたBlack Blood画像から血管内腔領域を抽出する(ステップS42)。
続いて、血管内腔境界線抽出部32bが、血管内腔抽出部42aによって抽出された血管内腔領域から血管芯線を抽出する。その後、血管内腔境界線抽出部32bは、抽出した血管芯線に垂直な内腔境界線(閉曲線)を一定間隔で抽出する(ステップS43)。
続いて、プラーク領域推定部32cが、血管内腔境界線抽出部32bによって抽出された血管芯線に沿って、図12の(b)に示すように、内腔境界線の形状変化や面積変化の顕著な箇所を、プラークを含む血管外壁の形状が描出できなかった「欠損箇所」として検出する(ステップS44)。その後、プラーク領域推定部32cは、図12の(c)に示すように、検出した欠損箇所周辺の内腔境界線の形状に基づいて欠損箇所を補間することで、プラーク領域を推定する(ステップS45)。
図10にもどって、上記のようにプラーク領域の推定が行われた後に、血管プラーク領域入力部33aが、プラーク領域推定部32cによって抽出された血管プラーク領域を入力する。
また、脂肪抑制T1強調画像入力部31aが、脂肪抑制T1強調画像を読み込む(ステップS33)。そして、解析用画像合成部33bが、脂肪抑制T1強調画像入力部31aによって読み込まれた脂肪抑制T1強調画像から、血管プラーク領域入力部33aによって入力された血管プラーク領域のみを抽出する(ステップS34)。
また、この一方で、3D−FASE画像入力部31bが、3D−FASE画像を読み込む(ステップS35)。そして、解析用画像合成部33bが、3D−FASE画像入力部31bによって読み込まれた3D−FASE画像から、血管プラーク領域入力部33aによって入力された血管プラーク領域のみを抽出する(ステップS36)。
以降、ステップS37およびS38の処理は、図3に示したステップS06および07の処理と同様であるので、ここでは説明を省略する。
上述してきたように、本実施例2では、Black Blood画像入力部41cが、Black Blood画像を読み込む。また、血管プラーク抽出部42が、Black Blood画像入力部41cによって読み込まれたBlack Blood画像から血管内腔を抽出する。そして、血管プラーク抽出部42は、抽出された血管内腔領域に基づいて血管プラーク領域を抽出する。したがって、本実施例2によれば、血管内腔と他組織との間で高いコントラスト分解能を有するBlack Blood画像を利用することによって、プラーク領域の推定を高い精度で実行することが可能である。
ところで、上述した実施例2では、脂肪抑制T1強調画像、3D−FASE画像、Black Blood画像がそれぞれ読み込まれる場合について説明したが、それぞれの画像に対して位置合せを行うようにしてもよい。画像入力部41によって読み込まれた画像の位置合せを行うことによって、より精度よくプラークの解析を行うことが可能になる。
そこで、以下では、実施例3として、脂肪抑制T1強調画像、3D−FASE画像、Black Blood画像の位置合せを行う場合について説明する。なお、本実施例3に係るMRI装置は、基本的には、図1に示したものと同様の構成を有し、計算機システムの制御部によって行われる処理が異なるのみであるので、ここでは、本実施例3に係る制御部の機能について説明する。
まず、本実施例3に係る制御部50の構成について説明する。図13は、本実施例3に係る制御部50の機能構成を示すブロック図である。なお、ここでは説明の便宜上、図2および図9に示した各部と同様の役割を果たす機能部については、同一の符号を付すこととしてその詳細な説明を省略する。
図13に示すように、本実施例3に係る制御部50は、特に、画像入力部41、血管プラーク抽出部52、血管プラーク解析部33、画像出力部34および画像位置合せ部55を有する。つまり、図2および図9に示した構成と比べて、血管プラーク抽出部52および画像位置合せ部55が異なっている。
画像位置合せ部55は、画像入力部41によって入力された脂肪抑制T1強調画像、3D−FASE画像およびBlack Blood画像それぞれの血管内腔領域に基づいて、各画像の位置合せを行う。
血管プラーク抽出部52は、画像位置合せ部55によって位置合せされた各画像から、血管プラークを示す血管プラーク領域を抽出する。具体的には、血管プラーク抽出部52は、血管内腔抽出部52a、血管内腔境界線抽出部32bおよびプラーク領域推定部32cを有する。つまり、図2および図9に示した構成と比べて、血管内腔抽出部52aが異なっている。
次に、本実施例3に係る制御部50が有する各部によって行われる処理について説明する。図14は、本実施例3に係る制御部50が有する各部によって行われる処理の流れを示すフローチャートである。
図14に示すように、本実施例3に係る制御部50では、まず、脂肪抑制T1強調画像入力部31aが、脂肪抑制T1強調画像を読み込む(ステップS51)。また、Black Blood画像入力部41cが、Black Blood画像を読み込む(ステップS52)。また、3D−FASE画像入力部31bが、3D−FASE画像を読み込む(ステップS53)。
続いて、画像位置合せ部55が、読み込まれた各画像それぞれから内腔領域を抽出する。そして、画像位置合せ部55は、抽出した内腔領域やMI(Mutual Information)等の画像特徴量を用いて回転行列や画像Warping率を算出し、算出結果に基づいて、線形位置合せ処理または非線形位置合わせ処理を実行する(ステップS54)。
その後、血管プラーク抽出部52が、Black Blood画像入力部41cによって読み込まれたBlack Blood画像内の血管プラーク領域を推定する(ステップS55)。その際、血管内腔抽出部52aが、閾値処理等を利用して、Black Blood画像入力部41cによって読み込まれたBlack Blood画像から血管内腔領域を抽出する。
以降、ステップS56〜S59の処理は、図10に示したステップS34〜S38の処理と同様であるので、ここでは説明を省略する。
上述してきたように、本実施例3では、画像位置合せ部55が、画像入力部41によって入力された脂肪抑制T1強調画像、3D−FASE画像およびBlack Blood画像それぞれの血管内腔領域に基づいて、各画像の位置合せを行う。基本的には、同一検査内にて撮像された画像群を用いれば、画像間の位置合わせは不要である。しかし、本実施例によれば、正確な解析処理が必要な場合や、歪んだ画像を利用する場合でも、画像間の位置合せを行うことで、血管プラークの脆弱性解析を支援することが可能である。
ところで、実施例1〜3では、MR形態画像上に不安定プラーク候補を強調表示する場合について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、リスクが高い血管(以下、「高リスク血管」と呼ぶ)を特定して、不安定プラーク候補とともに表示するようにしてもよい。
そこで、以下では、実施例4として、高リスク血管を特定して表示する場合について説明する。なお、本実施例4に係るMRI装置は、基本的には、図1に示したものと同様の構成を有し、計算機システムの制御部によって行われる処理が異なるのみであるので、ここでは、本実施例4に係る制御部の機能について説明する。
まず、本実施例4に係る制御部60の構成について説明する。図15は、本実施例4に係る制御部60の機能構成を示すブロック図である。なお、ここでは説明の便宜上、図2、図9および図13に示した各部と同様の役割を果たす機能部については、同一の符号を付すこととしてその詳細な説明を省略する。
図15に示すように、本実施例4に係る制御部60は、特に、画像入力部41、血管プラーク抽出部42、血管プラーク解析部33、画像出力部64および高リスク血管解析部66を有する。つまり、図2、図9および図13に示した構成と比べて、画像出力部64および高リスク血管解析部66が異なっている。
高リスク血管解析部66は、血管プラーク抽出部42によって抽出された血管内腔領域を細線化し、細線化した血管内腔領域の構造に基づいて、血管の枝構造を示す血管枝構造情報を生成する。そして、高リスク血管解析部66は、生成された血管枝構造情報および血管プラーク解析部33によって推定された不安定プラーク領域の位置関係に基づいて、リスクが高い血管である高リスク血管を特定する。具体的には、高リスク血管解析部66は、血管細線化部66a、血管分岐点部66b、血管枝構造生成部66cおよび高リスク血管枝検出部66dを有する。
画像出力部64は、血管プラーク解析部33によって推定された不安定プラーク領域、および、高リスク血管解析部66によって特定された高リスク血管を表示部25に出力する。具体的には、画像出力部64は、表示画像入力部34a、血管プラーク不安定度解析結果合成部64b、幾何条件設定部34c、表示条件設定部34dおよび画像表示部34eを有する。つまり、図2、図9および図13に示した構成と比べて、血管プラーク不安定度解析結果合成部64bが異なっている。
次に、本実施例4に係る制御部60が有する各部によって行われる処理について説明する。図16は、本実施例4に係る制御部60が有する各部によって行われる処理の流れを示すフローチャートである。
図16に示すように、本実施例4に係る制御部60では、まず、脂肪抑制T1強調画像入力部31aが、脂肪抑制T1強調画像を読み込む(ステップS61)。また、Black Blood画像入力部41cが、Black Blood画像を読み込む(ステップS62)。また、3D−FASE画像入力部31bが、3D−FASE画像を読み込み(ステップS63)。
続いて、血管プラーク抽出部42が、Black Blood画像入力部41cによって読み込まれたBlack Blood画像内の血管プラーク領域を推定する(ステップS64)。その後、血管プラーク領域入力部33aが、プラーク領域推定部32cによって抽出された血管プラーク領域を入力する。
そして、解析用画像合成部33bが、脂肪抑制T1強調画像入力部31aによって読み込まれた脂肪抑制T1強調画像から、血管プラーク領域入力部33aによって入力された血管プラーク領域のみを抽出する(ステップS65)。
また、この一方で、解析用画像合成部33bが、3D−FASE画像入力部31bによって読み込まれた3D−FASE画像から、血管プラーク領域入力部33aによって入力された血管プラーク領域のみを抽出する(ステップS66)。
続いて、安定プラーク領域抽出部33cが、脂肪抑制T1強調画像と3D−FASE画像の血管プラーク領域内の信号値がともに低信号である部位を抽出し、抽出した部位を「安定プラーク」としてラベリングする。さらに、不安定プラーク候補抽出部33dが、安定プラーク領域抽出部33cによって安定プラークとしてラベル付けされていない画素を「不安定プラーク候補」として抽出する(ステップS68)。
また、高リスク血管解析部66が、血管内腔領域を血管枝構造情報へ変換し(ステップS67)、血管枝構造情報および不安定プラーク候補の位置関係に基づいて、高リスク血管を特定する(ステップS69)。
ここで、本実施例4に係る高リスク血管の特定について詳細に説明する。図17は、本実施例4に係る高リスク血管の特定の流れを示すフローチャートである。また、図18は、本実施例4に係る高リスク血管の特定の一例を示す図である。
図17に示すように、本実施例4では、Black Blood画像入力部41cが、Black Blood画像を読み込む(ステップS71)。続いて、血管内腔抽出部42aが、閾値処理等を利用して、Black Blood画像入力部41cによって読み込まれたBlack Blood画像から血管内腔領域を抽出する(ステップS72)。
その後、血管細線化部66aが、図18の(a)および(b)に示すように、血管内腔抽出部42aによって抽出された血管内腔領域を細線化する(ステップS73)。このとき、血管細線化部66aは、例えば、一般的に知られた公知の細線化処理を用いる。
続いて、血管分岐点部66bが、図18の(b)に示すように、血管細線化部66aによって細線化された血管内腔領域の構造から血管分岐点(血管芯線の交点)を抽出する。そして、血管枝構造生成部66cが、血管分岐点部66bによって抽出された血管分岐点をもとに、血管の枝構造を示す血管枝構造情報を生成する(ステップS74)。
続いて、高リスク血管枝検出部66dが、血管枝構造生成部66cによって生成された血管枝構造情報における任意枝の範囲内に不安定プラーク候補が存在しているか否かを判定する。そして、高リスク血管枝検出部66dは、任意枝の範囲内に不安定プラーク候補が存在していた場合には、図18の(c)に示すように、該当枝を高リスク血管としてラベル付けする(ステップS75)。
その後、画像出力部64が、MR形態画像上でラベル付けされた高リスク血管を強調表示する(ステップS76)。その際、血管プラーク不安定度解析結果合成部64bが、プラーク不安定度算出部33eによって算出された不安定度、および、高リスク血管枝検出部66dによってラベル付けされた高リスク血管に関する情報に基づいて、MR形態画像上に高リスク血管および不安定プラーク候補をそれぞれ強調表示した画像を生成する。
図19は、高リスク血管および不安定プラーク候補の表示例を示す図である。図19に示すように、例えば、血管プラーク不安定度解析結果合成部64bは、血管の形態を示す画像上に、高リスク血管および不安定プラークの位置・範囲をそれぞれ強調表示した画像を生成する。
上述してきたように、本実施例4では、高リスク血管解析部66が、血管プラーク抽出部42によって抽出された血管内腔領域を細線化し、細線化した血管内腔領域の構造に基づいて、血管の枝構造を示す血管枝構造情報を生成する。そして、高リスク血管解析部66は、生成された血管枝構造情報および血管プラーク解析部33によって推定された不安定プラーク領域の位置関係に基づいて高リスク血管を特定する。したがって、本実施例4によれば、不安定プラークによってリスクが高くなっている血管を明示的に示すことができるので、施術方法や治療方法の検討などを的確に支援することが可能である。
ところで、実施例1〜4では、MRI装置について説明したが、本発明はこれに限られるわけではない。例えば、ネットワークを介して接続された各種サーバとクライアントを有する画像管理システムにも同様に適用することができる。そこで、以下では、本発明を画像管理システムに適用した場合を実施例5として説明する。
まず、本実施例5に係る画像管理システムの全体構成について説明する。図20は、本実施例5に係る画像管理システムの全体構成を示す図である。図20に示すように、この画像管理システムは、ネットワークを介して接続されたMRI装置80、血管プラーク不安定度解析装置70および画像出力装置90を有する。
MRI装置80は、磁気共鳴現象を利用して被検体内を画像化する。具体的には、MRI装置80は、撮影条件入力部81、画像撮影部82、画像再構成部83、撮影画像保存部84および撮影画像送信部85を有する。
撮影条件入力部81は、操作者によって入力される各種の撮像条件を受け付ける。画像撮影部82は、撮影条件入力部81によって受け付けられた撮像条件に基づいて被検体にRFパルスおよび傾斜磁場を印加し、それによって被検体から発せられる磁気共鳴信号を収集する。
画像再構成部83は、画像撮影部82によって収集された磁気共鳴信号に基づいて画像を再構成する。撮影画像保存部84は、画像再構成部83によって再構成された画像を保存する。撮影画像送信部85は、撮影画像保存部84に保存された画像を付帯情報とともに血管プラーク不安定度解析装置70に送信する。
血管プラーク不安定度解析装置70は、MRI装置80によって撮像されたMR画像に基づいて、血管プラークの不安定度を解析する。具体的には、血管プラーク不安定度解析装置70は、撮影画像受信部77、画像入力部71、血管プラーク抽出部42、血管プラーク解析部33、画像出力部74および表示画像送信部78を有する。なお、ここでは説明の便宜上、図9に示した各部と同様の役割を果たす機能部については、同一の符号を付すこととしてその詳細な説明を省略する。
撮影画像受信部77は、MRI装置80から送信された画像を受信する。
画像入力部71は、撮影画像受信部77によって受信された画像を入力する。具体的には、画像入力部71は、脂肪抑制T1強調画像入力部71a、3D−FASE画像入力部71bおよびBlack Blood画像入力部71cを有する。
ここで、脂肪抑制T1強調画像入力部71aは、撮影画像受信部77によって受信された脂肪抑制T1強調画像を読み込む。3D−FASE画像入力部71bは、撮影画像受信部77によって受信された3D−FASE画像を読み込む。Black Blood画像入力部71cは、撮影画像受信部77によって受信されたBlack Blood画像を読み込む。
画像出力部74は、血管プラーク解析部33によって推定された不安定プラーク領域を図示していない記憶装置に格納する。具体的には、画像出力部74は、画像・解析結果合成部74b、幾何条件設定部34c、表示条件設定部34dおよび表示画像生成部74fを有する。
ここで、画像・解析結果合成部74bは、すでに説明した実施例と同様に、血管プラーク解析部33によって行われた血管プラーク不安定度解析の解析結果に基づいて、MR形態画像上に不安定プラークや高リスク血管を強調した画像を生成する。表示画像生成部74fは、幾何条件設定部34cによって入力された幾何条件および表示条件設定部34dによって入力された表示条件にしたがって、画像・解析結果合成部74bによって生成された画像をもとに表示画像を生成し、図示していない記憶装置に格納する。
表示画像送信部78は、画像出力装置90からの要求に応じて、画像出力部74によって生成された表示画像を画像出力装置90に送信する。
画像出力装置90は、MRI装置80によって撮像されたMR画像、および、血管プラーク不安定度解析装置70による解析結果を表示する。具体的には、画像出力装置90は、表示画像受信部91および表示出力部92を有する。
表示画像受信部91は、血管プラーク不安定度解析装置70から送信された表示画像を受信する。表示出力部92は、表示画像受信部91によって受信された表示画像を表示装置に出力する。
次に、本実施例5に係る画像管理システムの処理手順について説明する。図21は、本実施例5に係る画像管理システムの処理手順を示すフローチャートである。
図21に示すように、本実施例5に係る画像管理システムでは、まず、MRI装置80において、画像撮影部82が、撮影条件入力部81によって受け付けられた一連のシーケンスにしたがって、脂肪抑制T1強調画像、3D−FASE画像およびBlack Blood画像を撮影する(ステップS81)。
続いて、撮影画像保存部84が、画像撮影部82によって撮影された各画像を、図示していないMRI装置80内の記憶装置または外部記憶装置に保存する(ステップS82)。そして、撮影画像送信部85が、撮影画像保存部84によって保存された画像を血管プラーク不安定度解析装置70に送信する。
その後、血管プラーク不安定度解析装置70において、撮影画像受信部77が、MRI装置80から送信された各画像の画像情報および付帯情報を受信する。そして、画像入力部71が、撮影画像受信部77によって受信された各画像をそれぞれ入力する。さらに、血管プラーク抽出部42および血管プラーク解析部33が、すでに説明した実施例と同様に、血管プラーク不安定度解析を行う(ステップS83)。
続いて、画像出力部74が、血管プラーク解析部33によって行われた血管プラーク不安定度解析の結果をMRI装置80から送信された画像情報と関連付けて、図示していない血管プラーク不安定度解析装置内の記憶装置または外部記憶装置に保存する(ステップS84)。
その後、画像出力装置90に実装されたアプリケーションをユーザが起動された場合に、表示画像送信部78が、画像出力装置90からの要求に応じて、表示画像と関連のある血管プラーク不安定度解析結果を記憶装置から読み出して画像出力装置90に送信する。そして、画像出力装置90において、表示画像受信部91によってプラーク不安定度解析結果が受信されると、表示出力部92が、受信されたプラーク不安定度解析結果を表示装置に出力する(ステップS85)。
上述してきたように、本実施例5では、脂肪抑制T1強調画像入力部71aが、撮影画像受信部77によって受信された脂肪抑制T1強調画像を読み込み、3D−FASE画像入力部71bが、撮影画像受信部77によって受信された3D−FASE画像を読み込む。また、血管プラーク抽出部42が、読み込まれた脂肪抑制T1強調画像および3D−FASE画像それぞれから血管プラーク領域を抽出する。また、血管プラーク解析部33が、抽出された血管プラーク領域のうち、脂肪抑制T1強調画像および3D−FASE画像の両方で信号値が所定の閾値以下である領域を安定プラーク領域として抽出する。さらに、血管プラーク解析部33が、抽出された安定プラーク領域を用いて、不安定プラーク領域を推定する。そして、表示画像送信部78が、推定された不安定プラーク領域を前記画像出力装置に出力させる。したがって、本実施例5によれば、カテーテル挿入を行うことなく、MR画像を用いて血管プラークの脆弱性解析を支援することが可能である。また、画像撮影後に自動的に不安定プラークの解析処理が実行されるので、画像出力装置90から解析結果の表示を要求してから解析結果が表示されるまでの待ち時間が少なく、ワークフローのスループットを向上させることができる。
なお、上記実施例では、脂肪抑制T1強調画像、3D−FASE画像およびBlack Blood画像を用いた場合について説明した。しかしながら、本発明はこれに限られるものではなく、他の撮像法によって撮像された画像を用いた場合でも同様に適用することが可能である。
以上で説明したように、上記実施例によれば、診断作業開始時から血管プラーク安定度解析を開始するのではなく、画像撮影後に自動的に解析処理が実行されるため、待ち時間が少なく、ワークフローのスループットを向上させる効果が期待できる。
また、上記実施例によれば、従来は困難であったMR画像を用いた血管プラーク脆弱性評価を自動的に実施できることによって、カテーテル検査やCT検査を回避できるため、侵襲・被曝等の患者負担を軽減することが可能である。また、破裂リスクの高い血管プラーク候補を自動的に表示できるため、CAS(Carotid Artery Stenting:頚動脈ステント留置術)等の適用判定を効率的に実施できる。その結果、従来実施されていたCEA(Carotid Endarterestomy:頚動脈内膜剥離術)から、侵襲性の低いCASへ移行できる機会を増やすことが可能である。