JP5355016B2 - 冷凍装置及び熱源機 - Google Patents
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Description
二段圧縮機式冷凍装置は運転圧力範囲が広いため、圧縮機吸込冷媒の密度の変動が大きく、冷凍装置の冷媒質量流量が大きく変動し、中間冷却器を通過する冷媒の質量流量も大きく変動する。このため設計点から外れた運転状態では、中間冷却器の冷却容量が相対的に過大または過小になる。また、中間冷却器冷却側出口過熱度により、中間冷却器用電子膨張弁の開度を制御する場合、中間冷却器の容量が過大であるような運転状態では、中間冷却器の冷媒流量が過大となり、圧縮機入力の増加に伴う成績係数COPの低下を引き起こすという問題がある。また中間冷却器冷却側出口過熱度により電子膨張弁の開度を制御する場合、冷媒流量が大きく変動すると、制御定数の設定が非常に困難であるという問題がある。
一方、中間冷却器被冷却側液アプローチにより電子膨張弁の開度を制御する場合、制御定数の設定は比較的容易であるが、中間冷却器の容量が過小となるような運転状態では、中間冷却器の冷媒流量が過大となり、圧縮機入力の増加に伴う成績係数COPの低下や、圧縮機吐出冷媒温度の低下により油分離器の分離効率が低下して、潤滑油枯渇が発生し圧縮機損傷が起こる可能性があった。
図1に本発明における実施の形態である二段式冷凍装置の構成図を示す。
冷媒圧縮機10は圧縮機中間室13を介して接続された2つの低段圧縮機構11及び高段圧縮機構12を内蔵する二段式圧縮機であり、その吐出配管は凝縮器20に接続されている。凝縮器20は、冷媒圧縮機10により圧縮された高温高圧の冷媒ガスを冷却し凝縮させる熱交換器であり、冷媒圧縮機10のガス冷媒と外部から供給される2次冷媒との間で熱交換を行う装置である。2次冷媒の例としては、本冷凍装置を給湯のために用いるケースなどでは、水が用いられる。また、凝縮器20が熱交換する対象は、水に限らず他の冷媒であってもよいし、また、熱交換器とファンとを組み合わせ、ファンから送られる空気と冷媒を熱交換させるものであっても構わない。
冷凍装置の運転中、制御回路50は、各種センサの検出値を読み取り、この検出値に基づいて中間冷却器用膨張弁41の開度を調整する。まず、制御回路50は、中間冷却器用膨張弁41の中間冷却器の被冷却側液温度と圧縮機中間室圧力相当飽和液温度を各配管に接続された温度センサ54、55から読み取り、これら検出温度の差を算出する。そして、この中間冷却器被冷却側液アプローチにおける温度差が目標域より小さい場合、制御回路50は、中間冷却器用膨張弁41に対して開度を小さくする制御信号を送信し、中間冷却器用膨張弁41の開度を現在の開度より小さく制御する(ステップS3)。例えば、中間冷却器用膨張弁41がステッピングモータで駆動されるタイプのものである場合には、この制御信号は調整開度に応じた回数のパルス信号である。中間冷却器用膨張弁41の開度が絞られると、中間冷却器40の冷却側(分流側)に流れる冷媒の量が減るため、中間冷却器40での冷却量を低下させることができる。
また、中間冷却器出口冷媒に液滴が混じり始めると成績係数COPが低下し始めるので、開度アップ禁止過熱度は、5〜10℃以上とすることが望ましい。
また、本実施の形態では、減圧手段として電子膨張弁を用いたが、エゼクタや膨張機等のその他の減圧手段を用いても良い。
本実施の形態は、実施の形態1の中間冷却器用電子膨張弁の制御に、圧縮機吐出温度が事前に設定した値以上になると開度制限の開始条件を変更し、開度アップ禁止過熱度及び開度ダウン開始過熱度をより低い温度に設定変更する制御を追加したものである。図3に制御フローを示す。図3において、図2と同一の符号は同一又は相当の処理を表しており、以下、異なる処理を中心に説明する。
本実施の形態は、実施の形態2の中間冷却器用膨張弁41の制御に、圧縮機中間室冷媒噴射の制御を追加したものである。図4に本実施の形態の冷凍装置の構成図を示す。図5に制御フローを示す。図4及び5において、図1〜3と同一の符号は同一又は相当の部分を表している。以下、実施の形態1及び2と異なる点を中心に説明する。
ここで、開度維持(ステップS2)/開度ダウン(ステップS3)の制御が行われた場合には、制御回路50は(再度)圧縮機吐出温度が所定の設定温度以上であるかを調べ(ステップS22)、圧縮機吐出温度が所定温度より低いと判断した場合には、中間室用冷媒噴射弁60を閉とし(ステップS23)、設定温度以上と判断したときは、中間室用冷媒噴射弁60を開とする制御信号を送信する。この制御信号を受けた中間室用冷媒噴射弁60は、圧縮機中間室13へ冷媒を噴射するため、冷媒圧縮機10の吐出温度を下げることができる。
このような場合でも、本実施の形態では、圧縮機中間室13へ冷媒を噴射して圧縮機吐出冷媒温度を下げ、圧縮機損傷を防止することができる。
また、圧縮機吐出温度の過熱時のみ中間室用冷媒噴射弁60により圧縮機中間室13に冷媒噴射するので、圧縮機吐出冷媒温度の過度の低下を防止し、また冷媒循環量増大による圧縮機入力増大を防止して成績係数COPの低下を防止することが出来る。
(1)冷媒圧縮機10が運転中である。
(2)圧縮機吸込圧力が事前に設定した値(例えば0.15MPa)未満である。
(3)圧縮機吐出冷媒温度が事前に設定した値(例えば85℃)以上である。
(1)冷媒圧縮機10が停止中である。
(2)圧縮機吸込圧力が事前に設定した値(例えば0.15MPa)以上である。
(3)圧縮機吐出冷媒温度が事前に設定した値(例えば75℃)未満である。
Claims (6)
- 多段の圧縮装置を有する圧縮機と、
この圧縮機で圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮器と、
この凝縮器により凝縮した冷媒を膨張させる蒸発器側膨張弁と、
この蒸発器側膨張弁により膨張した冷媒を蒸発させ前記圧縮機へ流す蒸発器と、
前記凝縮器から前記蒸発器側膨張弁へ流れる冷媒の主流から一部を副流として分岐させ前記多段の圧縮装置の間に注入するバイパス配管と、
このバイパス配管に設けられ前記冷媒の副流を膨張させる膨張弁と、
この膨張弁で膨張された前記冷媒の副流を用いて前記冷媒の主流を冷却する中間冷却器と、
前記冷媒の主流と前記膨張弁により膨張した副流の温度差が目標域より大きい場合は、前記膨張した副流の過熱度に基づき前記膨張弁の開度を制御する制御手段と、を備えた冷凍装置。 - 低段圧縮装置及び高段圧縮装置を有する圧縮機と、
この圧縮機で圧縮された冷媒を冷却する熱交換器と、
この熱交換器で冷却された冷媒の主流から分岐した冷媒の一部を副流として前記低段圧縮装置と前記高段圧縮装置との間に注入するバイパス配管と、
このバイパス配管に設けられ前記冷媒の副流を膨張させる膨張弁と、
この膨張弁で膨張された前記冷媒の副流を用いて前記冷媒の主流を冷却する中間冷却器と、
前記冷媒の主流と前記膨張弁により膨張した副流の温度差が目標域より大きい場合は、前記膨張した副流の過熱度に基づき前記膨張弁の開度を制御する制御手段と、を備えた熱源機。 - 前記制御手段は、前記膨張した副流の過熱度が第1の所定値以下の場合に、前記膨張弁の開度の増大を制限し、前記過熱度が前記第1の所定値を下回る第2の所定値以下の場合に、前記膨張弁の開度を減少させることを特徴とする請求項2記載の熱源機。
- 前記制御手段は、前記圧縮機から吐出される冷媒の温度に応じて、前記膨張弁の開度制限の開始条件を変更することを特徴とする請求項2又は3記載の熱源機。
- 前記制御手段は、前記圧縮機から吐出される冷媒の温度が所定の温度を超えた場合に、前記膨張弁の開度制限に係わらず、前記膨張弁の開度を増大させることを特徴とする請求項2〜4の何れか1項に記載の熱源機。
- 前記バイパス配管と並列に開閉弁を有する他のバイパス配管を設け、前記中間冷却器で冷却された冷媒を負荷側装置を迂回して前記低段圧縮装置と前記高段圧縮装置との間に注入することを特徴とする請求項5に記載の熱源機。
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