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JP5350766B2 - 5軸加工機用数値制御装置 - Google Patents

5軸加工機用数値制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、テーブルに固定されて取り付けられたワーク(加工物)に対して直線軸3軸と回転軸2軸によって加工する5軸加工機を制御する数値制御装置に関する。
テーブルに取り付けられたワーク(加工物)を直線軸3軸と回転軸2軸によって加工する5軸加工機を制御する数値制御装置において、各軸の座標値を制御する方法として、工具の位置、工具とワークの相対的な姿勢(以下「工具姿勢」という)、および速度をテーブルに固定された直交座標系(テーブル座標系)上で指令し、これを機械の制御点における各軸の座標値に座標変換して制御する方法である工具先端点制御が知られている(特許文献1参照)。
工具先端点制御では、工具の位置と速度が制御され、工具姿勢は各回転軸の位置を補間することによって決定される。工具先端点制御では工具先端点の位置と速度が制御されるが、回転軸2軸は独立して制御されており、指令ブロック途中での工具姿勢は制御されない。
これに対し、指令ブロック始点と指令ブロック終点の間における工具姿勢を、指令ブロック始点と指令ブロック終点における指令回転軸位置に基づいて計算される工具姿勢を含む平面内に存在するようにサンプリング周期ごとに回転軸位置と直線軸位置を制御する方法である工具姿勢制御も知られている。
工具姿勢制御では、図1に示されるように、指令ブロック途中の工具1の工具姿勢は、指令ブロック始点と終点の工具姿勢を含む平面内を移動し、工具先端点は直線上を移動する(工具先端点の軌跡)ことから、工具姿勢制御はこの直線を含む平面(加工平面)を工具の側面で加工する用途に使用される。また工具姿勢制御は工具姿勢の変化が予測しやすいため、機械構造物と工具との予期しない干渉や衝突を防ぐことができる。
一方、工具姿勢制御では、工具姿勢を指令ブロックの始点と終点の工具姿勢を含む平面内に保つために、回転軸2軸の動作が不安定になる場合がある。例えば、回転軸2軸のうち1軸の位置が任意となる特異点(特異点姿勢)が存在する機械において工具姿勢制御を行っているときに、指令ブロック途中の工具姿勢が特異点を通過する指令を行い、テーブル座標系で指令された速度で工具を動作させた場合、特異点において回転軸の速度や加速度が非常に大きくなる場合がある(後述する図6参照)。
特許文献2には、上記工具姿勢制御が有する問題点を解決するために、工具の姿勢誤差が姿勢誤差許容値以下となるように特異点近傍の範囲を決定し、その範囲では工具先端点制御を行い、それ以外の範囲では工具姿勢制御を行うことにより、工具姿勢誤差は要求精度を満たしながら、特異点における速度や加速度を抑え、かつ工具の移動時間を出来るだけ短縮しようとする技術が開示されている。
特開2003−195917号公報 特開2004−220435号公報
背景技術で説明した特許文献2に開示される工具姿勢制御が有する問題点を解決する技術では、工具先端点制御と工具姿勢制御の切り換え部分で工具姿勢が滑らかに変化しない。または特異点付近での工具姿勢誤差は許容値内ではあるが許容値そのものの誤差を持つといった問題がある。
実際の加工では加工物や加工場所により、多少の工具姿勢誤差は認めるが工具姿勢を滑らかに変化させたい、または許容値はあるものの工具姿勢誤差を出来るだけ小さくしたいといった要求がある。
そこで本発明の目的は、工具姿勢制御において特異点を通過すると判断した場合には、特異点における回転軸の速度や加速度の非常に大きな移動変動を回避可能な5軸加工機用数値制御装置を提供することである。
本願の請求項1に係る発明は、直線軸3軸と工具傾斜用回転軸と工具回転用回転軸の回転軸2軸を有する5軸加工機を工具姿勢制御してテーブルに固定されたワークを工具により加工するための指令解析部と補間処理部を有する5軸加工機用数値制御装置において、該工具姿勢制御は、指令ブロックの指令ブロック始点と指令ブロック終点の間における前記ワークに対する前記工具の姿勢が、該指令ブロック始点と該指令ブロック終点における指令回転軸位置に基づいて計算される工具姿勢を含む平面内に存在するようにサンプリング周期毎に前記直線軸3軸と前記回転軸2軸を制御する制御であって、該指令解析部は特異点通過判断部を有し、該特異点通過判断部は、該指令ブロック始点での指令と該指令ブロック終点での指令に基づく計算によって、該指令ブロックにおいて該工具回転用回転軸が任意の位置となる特異点または工具姿勢が該特異点での工具姿勢に対して設定値より近くなる特異点近傍を通過するか否かを判断し、該指令解析部は特異点動作回避準備部を有し、該特異点動作回避準備部は、該特異点通過判断部において該特異点または該特異点近傍を通過すると判断された場合には、該指令ブロック全体に渡って前記工具回転用回転軸を移動させ、かつ前記工具傾斜用回転軸が本来特異点に到達すべき時刻にあらかじめ決められた角度になるように該指令ブロック始点から該指令ブロック終点に向かって前記工具傾斜用回転軸を移動させることにより工具姿勢を滑らかに変化させるように該指令ブロック全体の指令工具経路を変更した工具経路を作成し、該補間処理部は特異点動作回避部を有し、該特異点動作回避部は、該特異点動作回避準備部で変更された工具経路を実行することを特徴とする5軸加工機用数値制御装置である。
請求項2に係る発明は、該特異点動作回避準備部は、工具姿勢誤差が工具姿勢誤差許容値以下となるように該工具傾斜用回転軸が2次曲線を描き、かつ該工具回転用回転軸が該指令ブロック全体で線形に移動するよう該工具傾斜用回転軸と該工具回転用回転軸の工具経路を変更した工具経路を作成することを特徴とする請求項1に記載の5軸加工機用数値制御装置である。
請求項3に係る発明は、直線軸3軸と工具傾斜用回転軸と工具回転用回転軸の回転軸2軸を有する5軸加工機を工具姿勢制御してテーブルに固定されたワークを工具により加工するための指令解析部と補間処理部を有する5軸加工機用数値制御装置において、該工具姿勢制御は、指令ブロックの指令ブロック始点と指令ブロック終点の間における前記ワークに対する前記工具の姿勢が、該指令ブロック始点と該指令ブロック終点における指令回転軸位置に基づいて計算される工具姿勢を含む平面内に存在するようにサンプリング周期毎に前記直線軸3軸と前記回転軸2軸を制御する制御であって、該指令解析部は特異点通過判断部を有し、該特異点通過判断部は、該指令ブロック始点での指令と該指令ブロック終点での指令に基づく計算によって、該指令ブロックにおいて該工具回転用回転軸が任意の位置となる特異点または工具姿勢が該特異点での工具姿勢に対して設定値より近くなる特異点近傍を通過するか否かを判断し、該指令解析部は特異点動作回避準備部を有し、該特異点動作回避準備部は、該特異点通過判断部において該特異点または該特異点近傍を通過すると判断された場合には、該工具回転用回転軸の移動がなくなるような該工具傾斜用回転軸のブロック終点を計算することによって指令ブロック終点における工具姿勢が指令回転軸位置に基づいて計算される工具姿勢と同じ工具姿勢となるように該指令ブロック全体の工具経路を変更した工具経路を作成し、該補間処理部は特異点動作回避部を有し、該特異点動作回避部は、該特異点動作回避準備部で変更された工具経路を実行することを特徴とする5軸加工機用数値制御装置である。
本発明により、工具姿勢制御において特異点を通過すると判断した場合には、特異点における回転軸の速度や加速度の非常に大きな移動を回避可能な数値制御装置を提供することができる。
以下、本発明の実施形態を図面と共に説明する。
図2は、工具ヘッドが回転する形式の5軸加工機の説明図である。
5軸加工機は2つの回転軸A軸とC軸を有する。A軸はX軸方向を回転中心軸としワークに対して工具1の姿勢を傾斜させる軸である。C軸はZ軸方向を回転中心軸としワークに対して工具1の姿勢を回転させる軸である。符号3は機械制御点を表している。工具先端点から機械制御点3までの距離を工具長とする。ワークWはテーブル4上に固定して取り付けられている。図2では、2つの回転軸A軸、C軸ともにその位置が0度のときの状態を表している。A軸の位置が0度のときC軸の位置(角度)が何度であっても工具姿勢は変化しない。
このように5軸加工機は、工具姿勢を制御する回転軸2軸を有する。このうち1軸は工具姿勢を傾斜させる働きがあり、他の1軸は工具姿勢を回転させる働きがある。以後、前者を回転軸1、後者を回転軸2と呼ぶ。回転軸1の位置を調節し、工具軸方向を回転軸2の回転中心軸と平行にするとき、回転軸2の位置は工具姿勢に影響を与えなくなる。このときの回転軸1の位置を特異点と呼ぶ。
図3は、本発明のアルゴリズムを実施する数値制御装置の要部ブロック図である。CPU11は数値制御装置10を全体的に制御するプロセッサである。CPU11はバス23を介してROM,RAM,不揮発性メモリなどで構成されるメモリ12、PMC(プログラマブル・マシン・コントローラ)13、CRTや液晶表示器で構成される表示器14、キーボード等の各種指令やデータを入力するための入力機器15、外部記憶媒体やホストコンピュータ等に接続されるインタフェース16、工作機械の各軸制御回路17(図では5軸分を備えた例を示している)、スピンドル制御回路20に接続されている。CPU11は、メモリ12を構成するROM(図示省略)に格納されたシステムプログラムを、バス23を介して読み出し、該システムプログラムに従って数値制御装置全体を制御する。
PMC13は数値制御装置10に内蔵されたシーケンスプログラムで制御対象物の加工機の補助装置に信号を出力し、または該補助装置からの信号を入力し制御する。また、数値制御装置で制御される加工機の本体に配備された操作盤の各種スイッチ等の信号を受け、必要な信号処理をした後、CPU11に渡す。
各軸(5軸)の軸制御回路17はCPU11から各軸に補間分配された移動指令量を受けて、各軸の指令をサーボアンプ18に出力する。サーボアンプ18はこの指令を受けて、工作機械の各軸のサーボモータ19を駆動する。各軸のサーボモータ19は位置・速度検出器を内蔵し、この位置・速度検出器からの位置・速度フィードバック信号を軸制御回路17にフィードバックし、位置・速度のフィードバック制御を行う。なお、図3では位置・速度のフィードバックについては記載を省略している。
スピンドル制御回路20は主軸回転指令を受け、スピンドルアンプ21にスピンドル速度信号を出力する。スピンドルアンプ21はスピンドル速度信号を受けて、スピンドルモータ22を指令された回転速度で回転させる。又、ポジションコーダ(図示省略)で主軸の回転速度を検出しスピンドル制御回路20にフィードバックし、速度制御を行う。
上述した数値制御装置10の構成は、従来の5軸制御の数値制御装置と変わりはない。
図4は、本発明の実施形態を説明する機能ブロック図である。指令解析部30は、加工プログラムを解析し実行形式に変換し、補間処理部31で補間処理を行い各軸へ移動指令を出力する。各軸用加減速部34a〜34eでは移動指令に対して加減速処理を行い、処理後の各軸移動指令に基づきそれぞれサーボ制御35a〜35eを行い、位置、速度、電流のフィードバックを行って各軸サーボモータを駆動制御する。
本発明は、指令解析部30が特異点通過判断部36、特異点動作回避準備部37を有し、補間処理部31が特異点動作回避部38を有する点で従来の数値制御装置と相違する。
次に、特異点通過判断部36について説明する。まず、理解を助けるために図5に示される加工プログラムの一例を説明する。
ブロックN10は、工具姿勢制御を指令するブロックである。「G43.4 P1」は工具姿勢制御の開始を意味し、「H01」は工具長補正番号指定を意味する。
ブロックN20は、始点への位置決めを指令するブロックである。「G90」はアブソリュート指令であり、「G01」は直線補間、「X,Y,Z,A,C」は各軸を意味し、「F」はワークに対する工具先端点の移動速度を意味する。つまり、X軸は0.0mm、Y軸は0.0mm、Z軸は0.0mm、A軸は−20.0度、C軸は0.0度の位置へ、速度600mm/分で直線補間で移動することを表している。
ブロックN30は、X軸が40.0mm、A軸が−20.0度、C軸が180.0度まで移動させる指令である。
図6は本発明の機能を用いない従来技術である工具姿勢制御により、図5に示される加工プログラムを図2に示される5軸加工機で実行したときの、ブロックN30の指令ブロック開始時刻からの経過時間に対するA軸、C軸の位置(角度)の変化をグラフにしたものである。また、図7は、機械の動作を工具1と工具取付部2だけ取り出し機械の上方から見た図である。加工プログラムで直線軸の移動が指令された場合には工具1は移動するが、ここでは工具1の工具姿勢のみに着目するために、工具先端点の位置をテーブル座標系原点に固定して考える。
図8は、機械上方からみた機械制御点3の移動のみを表した図である。図8は図7をさらに簡略化した図である。ここで点Sは指令ブロック始点における機械制御点3の位置、点Eは指令ブロック終点における機械制御点3の位置、点Pは特異点における機械制御点3の位置を表している。点S、点Pおよび点Eを結ぶ線分は、機械制御点3の移動経路である。
図2に示される工具ヘッド回転形の5軸加工機で図5に示される加工プログラムを実行する。N30ブロックの始点と終点の工具姿勢を含む平面はYZ平面(以後「平面P」という)となるので、指令ブロック途中の工具1の工具姿勢は常にこの平面P上にある必要がある。また、N30ブロックの途中では特異点を通過する。
工具1の工具姿勢が平面P上にあるとき、特異点においてC軸は任意の値をとることができるが、特異点以外においてはC軸は0度または180度である必要がある。なぜなら、工具姿勢がワークに対して傾斜している場合、C軸が0度または180度でないと工具が平面Pから離れてしまうからである。
したがって、平面P上を指令ブロック始点の工具姿勢から指令ブロック終点の工具姿勢へ工具姿勢が変化するとき、5軸加工機はまずC軸が0度のまま(図6の線分a)A軸が−20度から0度まで移動し(図6の線分b)、次にA軸が0度のままC軸が0度から180度まで移動し(図6の線分c)、その後C軸が180度のまま(図6の線分e)A軸が0度から−20度まで移動する(図6の線分d)。工具姿勢制御を忠実に実行しようとすると、C軸は一瞬に移動する(図6の線分c)必要があるが、実際には機械の最大移動速度で抑えられる。
また、図6と図7とを対応させて説明すると、図7(a)から図7(b)のA軸20度の移動は図6の線分bに相当する。図7(b)から図7(c)のC軸180度の移動は図6の線分cに相当する。図7(c)から図7(d)のA軸−20度の移動は図6の線分dに相当する。
上述したように、工具姿勢制御の指令において、指令ブロック始点と指令ブロック終点における回転軸1に対する位置指令が特異点を挟まず、かつ指令ブロック始点と指令ブロック終点における回転軸2に対する位置指令の差が180度であるとき、この指令ブロックの途中で特異点を通過し、かつ特異点において回転軸2を一瞬で180度移動させる必要があると判断することが出来る。
なお現実的には、位置指令は位置指令生成時の計算誤差などの誤差を含んでいるため、位置指令の差を判断する場合は、ちょうど180度ではなく、ある程度の許容値を持っていることが望ましい。ある程度の許容値としては180度を基準としてプラス0.01度、マイナス0.01度といった程度である。また、回転軸2の速度は実際には機械の最大速度で抑えられるが、それでも非常に大きな速度で回転する。
図9は、特異点通過判断部36の処理のアルゴリズムを示すフローチャートである。以下、各ステップに従って説明する。
●[ステップSA1]回避フラグFを0にし初期化する。回避フラグFは、特異点を通過し、かつ特異点で回転軸2の速度が非常に大きくなる場合に1とし、特異点を通過しない、または特異点で回転軸2の速度が大きくならない場合に0とする。
●[ステップSA2]指令ブロック始点と指令ブロック終点の回転軸1に対する位置指令の間に特異点が存在するか否か判断し、特異点が存在する場合には終了し、特異点が存在しない場合にはステップSA3へ移行する。
●[ステップSA3]指令ブロック始点と指令ブロック終点の回転軸2に対する位置指令の差が180度であるか否か判断し、180度である場合にはステップSA4へ移行し、180度ではない場合には終了する。なお、上述したように180度にある程度の許容値を考慮して判断してもよい。
●[ステップSA4]回避フラグFを1にし、終了する。回避フラグFを1にすることは、上述したように、特異点を通過し、かつ特異点で回転軸2の速度が非常に大きくなることを意味する。
特異点通過判断部36の処理の内容を、加工プログラム(図5参照)を例とし具体的な数値を使って説明する。前述したように図2では、2つの回転軸A軸、C軸ともにその位置が0度のときの状態を表している。この5軸加工機では、A軸が回転軸1、C軸が回転軸2に相当し、特異点は回転軸1であるA軸が0度のときである。すなわち、図2に示される状態ではC軸の位置(角度)が何度であっても工具姿勢は変化しない。
図9に示したフローチャートに従えば、指令ブロック始点と指令ブロック終点の回転軸1に対する位置指令は両者とも−20度であるから、両者の間に特異点は存在せず(ステップSA2)、また、指令ブロック始点と指令ブロック終点の回転軸2に対する位置指令は、前者が0度、後者が180度であるから、その差は180度であり(ステップSA3)、特異点を通過し、かつ回転軸2の速度が大きくなると判断でき、回避フラグFを1にする(ステップSA4)。
次に、特異点動作回避準備部37と特異点動作回避部38について説明する。
特異点通過判断部36において特異点を通過し、かつ特異点で回転軸2の速度が非常に大きくなると判断した場合には、特異点動作回避準備部37と特異点動作回避部38にて、特異点における回転軸2の速度が非常に大きくなる現象を回避するための制御を行う。
図4に示されるように、特異点動作回避準備部37は数値制御装置10の指令解析部30、また特異点動作回避部38は数値制御装置の補間処理部31に含まれる。以下では、特異点動作回避準備部37と特異点動作回避部38とを本発明の実施の形態1、2に基づいて説明する。なお、特異点通過判断部36の処理は実施の形態1、2で共通する。
また、加工プログラムの工具姿勢制御のための処理は、本発明における特異点通過判断部36、特異点動作回避準備部37、および特異点動作回避部38と並行して行われており、特異点動作回避を行わないときは、前記工具姿勢制御による各軸の移動指令により5軸加工機の回転軸2軸を制御する。
<実施の形態1>
指令ブロック全体に渡って回転軸2を移動させることにより工具姿勢を滑らかに変化させる実施の形態1を説明する。
図10は、本発明の実施の形態1の指令ブロック開始時刻からの時間に対するA軸、C軸の位置の変化を表したグラフである。図11は、図2に示す5軸加工機の上方から見た機械制御点3の移動を表した図である。点Sと点Eを結ぶ線分は、機械制御点3の移動経路である。ここで点Sは指令ブロック始点における機械制御点3の位置、点Eは指令ブロック終点における機械制御点3の位置、点Pは特異点における機械制御点3の位置を表している。実施の形態1では機械制御点3は特異点を通過しない。
図10に示されるように、回転軸1は指令ブロック始点から指令ブロック終点へ向かって滑らかに動作させる。ただし、工具姿勢誤差が大きくならないように、本来特異点に到達すべき時刻にあらかじめ決められた角度になるように制御する。図10では本来特異点に到達すべき時刻である指令ブロック開始時刻から2秒後においてA軸は−10度になるように指定されているとしている。本来特異点に到達すべき時刻の位置(角度)は、パラメータに設定するか、あるいは加工プログラムで指定する。
例えば、指令ブロック開始時刻からの時間に対する位置のグラフを考えたときに、図10のA軸経路に示されるように回転軸1が2次曲線を描くように位置を制御する方法が考えられる。2次曲線は一般に3つのパラメータにより表されるが、回転軸1の位置が時刻0で指令ブロック始点、本来特異点に到達すべき時刻にあらかじめ決められた位置(角度)、および指令ブロックの実行が終了すべき時刻に指令ブロック終点にあるべきという3つの条件から、前記3つのパラメータを求めることができる。
回転軸2は図10のC軸経路に示されるように指令ブロック全体で線形に移動を行うように制御する。回転軸1の制御用2次曲線の決定と回転軸2の速度計算を特異点動作回避準備部37で行い、特異点動作回避準備部37で求められた回転軸1の制御用2次曲線と回転軸2の速度の情報に基づき、特異点動作回避部38にて回転軸1および回転軸2の移動を制御する。
図5に示した加工プログラムの例では、ブロックN30では、工具先端点の移動量が40.0mmであり指令速度が600mm/分であるので、ブロック実行時間は4秒である。A軸が本来特異点に到達すべき時刻2秒に−10度になるように指定されていたとすると、ブロック始点からの時刻tにおけるA軸の位置を表す二次曲線はA(t)=(−5/2)t2+10t−20となる。また、回転軸2の速度は180度を4秒で除算することにより45度/秒となる。上述した図10のグラフで、A軸経路は二次曲線A(t)=(−5/2)t2+10t−20であり、C軸経路は45度/秒で移動する経路として示されている。
上述した処理を図12−1および図12−2に示すアルゴリズムのフローチャートに従って説明する。図12−1は、本発明の実施の形態1における特異点動作回避準備部37が処理するアルゴリズムを示すフローチャートを説明する。
●[ステップSB1]回避フラグFが1であるか否か判断し、1である場合にはステップSB2へ移行し、1でない場合には終了する。回避フラグFが1であることは、特異点を通過し、かつ特異点で回転軸2の速度が非常に大きくなることを意味する。
●[ステップSB2]指令ブロック始点からの時刻tにおける回転軸1の位置を表す関数A(t)を計算し、ステップSB3へ移行する。
●[ステップSB3]回転軸2の速度V2を計算する。
図12−2は本発明の実施の形態1における特異点動作回避部38が処理するアルゴリズムを示すフローチャートである。
●[ステップSC1]回避フラグFが1であるか否か判断し、1である場合にはステップSC2へ移行し、1でない場合には終了する。回避フラグFが1であることは、特異点を通過し、かつ特異点で回転軸2の速度が非常に大きくなることを意味する。
●[ステップSC2]関数A(t)に基づき回転軸1の移動指令を生成し、ステップSC3へ移行する。
●[ステップSC3]速度V2に基づき回転軸2の移動指令を生成し、処理を終了する。
参考例1
指令ブロックの一部で工具姿勢を変更する参考例1を説明する。この参考例1は、特異点を通過する指令ブロックで、回転軸1の位置と特異点との差が設定値以下となる範囲で回転軸2の移動が行われるように制御する。
参考例1の対象とする移動指令では、図6に示したように、回転軸1は始点→特異点→終点と移動する。始点→特異点、特異点→終点の回転軸1の位置の変化は線形となるので、両移動中に回転軸1の位置と特異点との差があらかじめ決められた回転軸移動許可値以下となる時刻t1および時刻t2は容易に計算することができる。なお、指令ブロック開始時刻から終了時刻は求めることができる。
また、この時刻(t1,t2)の間に回転軸2がブロック始点からブロック終点まで一定速度で移動するための速度V2も容易に計算することができる。以上の計算を特異点動作回避準備部37で行い、この計算結果の情報に基づき、特異点動作回避部38にて回転軸2の移動を制御する。なお、前記回転軸移動許可値はパラメータで設定するか、あるいは加工プログラムで指定する。
図5に示した加工プログラム例では、ブロックN30の実行時間は4秒であり、この間に工具姿勢(A軸)は40.0度変化するので、工具姿勢の角速度は10.0度/秒である。回転軸移動許可値として10度が設定されていたとすると、N30のブロック開始から1秒後(t1)から3秒後(t2)の2秒間でC軸の移動を行うことになり、C軸の速度は90.0度/秒となる。
図13は、参考例1の指令ブロック開始時刻からの時間に対するA軸、C軸の位置の変化を表したグラフである。A軸はA軸経路として示されるように、時刻0の−20度から2秒後に0度まで線形に移動し、そして4秒後までに再度−20度の角度に戻る。C軸はC軸経路として示されるように、時刻0から1秒後までは角度0度を維持し、1秒後から3秒後にかけて移動速度90.0度/秒で移動し、その後4秒後までは180度の角度を維持する。
図14は、参考例1の機械上方から見た機械制御点3の移動を表した図である。ここで点Sは指令ブロック始点における機械制御点3の位置、点Eは指令ブロック終点における機械制御点3の位置、点Pは特異点における機械制御点3の位置を表している。点S、点Pおよび点Eを結ぶ線分は、機械制御点3の移動経路である。参考例1では、機械制御点3は特異点Pを通過することになる。
上述した処理を図15−1および図15−2に示すアルゴリズムのフローチャートに従って説明する。図15−1は、本発明の参考例1における特異点動作回避準備部37が処理するアルゴリズムを示すフローチャートである。
図15−2は、本発明の参考例1における特異点動作回避部38が処理するアルゴリズムを示すフローチャートである。
●[ステップSE1]回避フラグFが1であるか否か判断し、1である場合にはステップSE2へ移行し、1でない場合には終了する。回避フラグFが1であることは、特異点を通過し、かつ特異点で回転軸2の速度が非常に大きくなることを意味する。
●[ステップSE2]時刻t1と時刻t2の間であるか否か判断し、間である場合にはステップSE3に移行し、間でない場合には終了する。
●[ステップSE3]速度V2に基づき回転軸2の移動指令を生成し、終了する。
なお、この参考例1では、回転軸1の移動指令は、指令解析部30,補間処理部31でなされる工具姿勢制御の処理によって得られる移動指令を用いる。
実施の形態2
工具姿勢が誤差を持たずに特異点における回転軸2の急激な動作を回避する実施の形態2を説明する。実施の形態1および参考例1では、許容値内ではあるが、指令に対して工具姿勢が誤差を持っていた。実施の形態2では工具姿勢が誤差を有しない。
一般に、ある工具姿勢を実現するための二回転軸角度の組み合わせは複数存在するが、回転軸の一回転の自由度を除けば二組存在し、その関係は、回転軸1の角度は特異点に対して対称となり、回転軸2の角度は180度の差がある。
工具姿勢制御で特異点を通過する指令ブロック終了の工具姿勢を実現するための角度の組み合わせのうち一組は、本願発明で取り上げているように特異点で回転軸2が非常に大きな速度で移動する組み合わせとなるが、もう一組の組み合わせでは、指令ブロック終点の工具姿勢は変わらずに回転軸2の移動はなくなり、特異点における回転軸の非常に大きな速度での移動は回避される。
従って、特異点動作回避準備部37にて回転軸2の移動がなくなるような回転軸1のブロック終点を計算し、特異点動作回避部38ではこの情報に基づいて回転軸の移動指令を生成する。ただしこの場合は、指令ブロック終点の工具姿勢の誤差はないが、回転軸座標は指令されたものと異なっている。
例えば、図2に示した工具ヘッドが回転する5軸加工機では特異点は0度であるので、図5に示した加工プログラム例では、ブロックN30の回転軸指令はA20.0,C0.0であってもブロック終点の工具姿勢は変わらない。またこのときN30ブロック実行中にC軸の移動は発生しないため、C軸の速度や加速度が大きくなることはない。
図16は、本発明の実施の形態2の指令ブロック開始時刻からの時間に対するA軸、C軸の位置の変化を表したグラフである。図17は、本発明の実施の形態2において機械上方から見た機械制御点3の移動を表した図である。ここで点Sは指令ブロック始点における機械制御点3の位置、点Eは指令ブロック終点における機械制御点3の位置、点Pは特異点における機械制御点3の位置を表している。点S、点Pおよび点Eを結ぶ線分は、機械制御点3の移動経路である。実施の形態2では機械制御点3は特異点Pを通過する。
上述した処理を図18−1および図18−2に示すアルゴリズムのフローチャートに従って説明する。図18−1は、本発明の実施の形態2における特異点動作回避準備部37が処理するアルゴリズムを示すフローチャートである。
●[ステップSF1]回避フラグFが1であるか否か判断し、1である場合にはステップSF2へ移行し、1でない場合には終了する。回避フラグFが1であることは、特異点を通過し、かつ特異点で回転軸2の速度が非常に大きくなることを意味する。
●[ステップSF2]回転軸1の指令ブロック終点角度A1と速度V1とを計算する。
●[ステップSF3]回転軸2の速度V2を0(ゼロ)とし、終了する。
図18−2は、本発明の実施の形態2における特異点動作回避部38が処理するアルゴリズムを示すフローチャートである。
●[ステップSG1]回避フラグFが1であるか否か判断し、1である場合にはステップSG2へ移行し、1でない場合には終了する。回避フラグFが1であることは、特異点を通過し、かつ特異点で回転軸2の速度が非常に大きくなることを意味する。
●[ステップSG2]速度V1に基づき回転軸1の移動指令を生成する。
●[ステップSG3]速度V2に基づき回転軸2の移動指令を生成し、終了する。なお、この場合速度V2=0であるので、回転軸2は移動しない。
参考例2
工具姿勢は指令ブロック始点と指令ブロック終点における工具姿勢を含む平面内にあり、かつ指令ブロック終点の回転軸座標が指令されたものとなる方法である。実施の形態2では、工具姿勢の誤差はないが、指令ブロック終点の回転軸座標が指令されたものと異なっており、その後の動作に影響を与える可能性がある。参考例2はこれを防止するものである。
特異点通過判断部36にて特異点を通過すると判断した場合には、数値制御装置10の内部で自動的に、指令ブロック始点から特異点までの動作である動作1、特異点における動作である動作2、特異点から指令ブロック終点までの動作である動作3の三つの動作に分割する。動作2では回転軸2の速度を機械最大速度とは別に設定した特異点回転軸速度となるように制御を行い、動作1と動作3とでは動作2を実行するために必要な時間を考慮してブロック全体の実行時間が変化しないように回転軸1の速度を調節した制御を行う。特異点回転軸速度はパラメータで設定するか、または加工プログラムで指定する。
図5に示した加工プログラム例で、ブロックN30に参考例2を適用する。動作1はA軸が−20度から0度へ移動する動作、動作2はC軸が0度から180度へ移動する動作、動作3はA軸が0度から−20度へ移動する動作である。動作2におけるC軸の速度である特異点回転軸速度が180度/秒であるとすると、動作2を実行するために必要な時間は1秒であり、ブロック実行時間は4秒であるから、動作1は指令ブロック開始時刻から1.5秒までの期間であり、動作2は1.5秒から2.5秒の期間であり、動作3は2.5秒から4秒までの期間である。また、動作1と動作3のA軸の速度は13.333度/秒(20度/1.5秒)、−13.333度/秒(−20度/1.5秒)となる。
図19は、図5に示した加工プログラム例のブロックN30を本発明の参考例2を適用したときの、指令ブロック開始時刻からの時間に対するA軸、C軸の位置の変化を表したグラフである。図に示されるように、0〜t3(1.5秒)の期間は動作1、t3(1.5秒)からt4(2.5秒)の期間は動作2、t4(2.5秒)から指令ブロック終点(4秒)の期間は動作3として自動的に3つの動作に分割される。
図20は、本発明の参考例2において機械上方から見た機械制御点3の移動を表した図である。ここで点Sは指令ブロック始点における機械制御点3の位置、点Eは指令ブロック終点における機械制御点3の位置、点Pは特異点における機械制御点3の位置を表している。点S、点Pおよび点Eを結ぶ線分は、機械制御点3の移動経路である。参考例2では、機械制御点3は特異点を通過する。
工具先端点の移動がない指令でこの方法を用いると、動作2中には回転軸1であるA軸の動作が発生しないため、特異点において工具の滞留が発生し工具1は回転軸2の特異点回転軸速度に基づいて回転することから、ワークにカッターマークがつくなどの面品質に悪影響を与える可能性がある。しかし、位置決めなど面品質に関係のない部分であれば、工具姿勢を崩すことなく、また指令ブロック終点の回転軸座標を変更することなく、工具の移動を制御することが可能である。
上述した処理を図21−1および図21−2に示すアルゴリズムのフローチャートに従って説明する。図21−1は、本発明の参考例2における特異点動作回避準備部が処理するアルゴリズムを示すフローチャートである。
●[ステップSH1]回避フラグFが1であるか否か判断し、1である場合にはステップSH2へ移行し、1でない場合には終了する。回避フラグFが1であることは、特異点を通過し、かつ特異点で回転軸2の速度が非常に大きくなることを意味する。
●[ステップSH2]指令ブロック始点から指令ブロック終点までの区間で、機械の動作を、特異点までの動作1、特異点における動作2、特異点以降の動作3に分割する。
●[ステップSH3]回転軸1の動作1における速度V11、動作2における速度V12、動作3における速度V13を計算し、終了する。ただし、速度V12は0である。
図21−2は、本発明の参考例2における特異点動作回避部が処理するアルゴリズムを示すフローチャートである。
●[ステップSJ1]回避フラグFが1であるか否か判断し、1である場合にはステップSJ2へ移行し、1でない場合には終了する。回避フラグFが1であることは、特異点を通過し、かつ特異点で回転軸2の速度が非常に大きくなることを意味する。
●[ステップSJ2]動作1か否か判断し、動作1である場合にはステップSJ3へ移行し、動作1でない場合にはステップSJ4へ移行する。
●[ステップSJ3]図21−1のステップSH3で計算して求めた速度V11に基づき回転軸1の移動指令を生成し、終了する。
●[ステップSJ4]動作2か否かを判断し、動作2である場合にはステップSJ5へ移行し、動作2でない場合にはステップSJ8へ移行する。
●[ステップSJ5]回転軸2の特異点回転軸速度を読み込む。回転軸2の特異点回転軸速度は機械の最大速度とは別にあらかじめ設定あるいは加工プログラムで指定され数値制御装置内に記憶された値である。参考例2を実行してもワークWに悪影響を与えない程度の速度として設定される。
●[ステップSJ6]特異点回転軸速度に基づき回転軸2の移動指令を生成する。
●[ステップSJ7]速度V12に基づき回転軸1の移動指令を生成し、終了する。この場合、速度V12は0である。
●[ステップSJ8]動作3として、図21−1のステップSH3で計算して求めた速度V13に基づき回転軸1の移動指令を生成し、終了する。
なお、参考例2による移動を示す図19について補足して説明すると、動作1ではA軸はステップSJ3の移動指令による移動、C軸は工具姿勢制御による指令による移動(ただし、工具姿勢制御による指令ではC軸はこの区間で移動しない。図6参照。)を行う。動作2ではA軸の移動指令は0としC軸はステップSJ6の移動指令による移動を行う。動作3ではA軸はステップSJ8の移動指令による移動、C軸は工具姿勢制御による指令による移動(ただし、工具姿勢制御による指令ではC軸はこの区間で移動しない。図6参照。)を行う。
以上説明したように、工具姿勢制御を維持しつつ、C軸が急激に回転することを防止できるようになり、5軸加工機への負荷を防止できるとともに、ワークW面にカッターマークが付くことを防止できる。
これまでは工具ヘッド回転形5軸加工機(図2参照)によって説明したが、5軸加工機にはテーブル回転形(図22参照)やテーブルと工具ヘッドが回転する混合形(図23参照)がある。テーブル回転形は2つの回転軸によってテーブルが旋回する5軸加工機であり、混合形は工具ヘッドとテーブルに回転軸が1つずつ備わった5軸加工機である。
本発明は、これらテーブル回転形および混合形の5軸加工機においても適用できる。図22のテーブル回転形5軸加工機においてA軸は回転軸1、C軸は回転軸2に相当する。また、図23の混合形5軸加工機においてA軸は回転軸1、C軸は回転軸2に相当する。また、図2、図22、図23では機械の持つ回転軸がA軸とC軸の2軸であるとしたが、機械によってはA軸とB軸、またはB軸とC軸の2軸を持つ場合もある。本発明はこのような機械に対しても適用できる。
テーブル回転形および混合形の5軸加工機も工具ヘッド回転形の5軸加工機と同様に、工具姿勢を制御する回転軸2軸を有する。このうち1軸はワークに対して工具姿勢を傾斜させる働きがあり、他の1軸はワークに対して工具姿勢を回転させる働きがある。前者を回転軸1、後者を回転軸2と呼ぶ。回転軸1の位置を調節し、工具軸方向を回転軸2の回転中心軸と平行にするとき、回転軸2の位置は工具姿勢に影響を与えなくなる。このときの回転軸1の位置を特異点と呼ぶ。
工具姿勢制御を説明する図である。 工具ヘッドが回転する形式の5軸加工機の説明図である。 本発明のアルゴリズムを実施する数値制御装置の要部ブロック図である。 本発明の実施形態を説明する機能ブロック図である。 加工プログラムの一例である。 指令ブロック開始時刻からの経過時間に対するA軸、C軸の位置の変化をグラフにした図である。 機械の動作を工具と工具取付部だけ取り出し機械の上方から見た図である。 機械上方からみた機械制御点の移動のみを表した図である。 特異点通過判断部の処理のアルゴリズムを示すフローチャートである。 本発明の実施の形態1における指令ブロック開始時刻からの時間に対するA軸、C軸の位置の変化を表したグラフである。 本発明の実施の形態1における機械上方から見た機械制御点の移動を表した図である。 本発明の実施の形態1における特異点動作回避準備部が処理するアルゴリズムを示すフローチャートである。 本発明の実施の形態1における特異点動作回避部が処理するアルゴリズムを示すフローチャートである。 本発明の参考例1の指令ブロック開始時刻からの時間に対するA軸、C軸の位置の変化を表したグラフである。 本発明の参考例1における機械上方から見た機械制御点の移動を表した図である。 本発明の参考例1における特異点動作回避準備部が処理するアルゴリズムを示すフローチャートである。 本発明の参考例1における特異点動作回避部が処理するアルゴリズムを示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2の指令ブロック開始時刻からの時間に対するA軸、C軸の位置の変化を表したグラフである。 本発明の実施の形態2における機械上方から見た機械制御点の移動を表した図である。 本発明の実施の形態2における特異点動作回避準備部が処理するアルゴリズムを示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2における特異点動作回避部が処理するアルゴリズムを示すフローチャートである。 本発明の参考例2の指令ブロック開始時刻からの時間に対するA軸、C軸の位置の変化を表したグラフである。 本発明の参考例2における機械上方から見た機械制御点の移動を表した図である。 本発明の参考例2における特異点動作回避準備部が処理するアルゴリズムを示すフローチャートである。 本発明の参考例2における特異点動作回避部が処理するアルゴリズムを示すフローチャートである。 テーブル回転形の5軸加工機の説明図である。 混合形の5軸加工機の説明図である。
符号の説明
1 工具
2 工具取付部
3 機械制御点
4 テーブル
W ワーク
10 数値制御装置
11 CPU
12 メモリ
13 PMC
14 表示器
15 入力機器
16 インタフェース
17 軸制御回路
18 サーボアンプ
19 サーボモータ
20 スピンドル制御回路
21 スピンドルアンプ
22 スピンドルモータ
30 指令解析部
31 補間処理部
34 各軸用加減速部
35 サーボ制御
36 特異点通過判断部
37 特異点動作回避準備部
38 特異点動作回避部
S 指令ブロック始点における機械制御点の位置
E 指令ブロック終点における機械制御点の位置
P 特異点における機械制御点の位置

Claims (3)

  1. 直線軸3軸と工具傾斜用回転軸と工具回転用回転軸の回転軸2軸を有する5軸加工機を工具姿勢制御してテーブルに固定されたワークを工具により加工するための指令解析部と補間処理部を有する5軸加工機用数値制御装置において、
    該工具姿勢制御は、指令ブロックの指令ブロック始点と指令ブロック終点の間における前記ワークに対する前記工具の姿勢が、該指令ブロック始点と該指令ブロック終点における指令回転軸位置に基づいて計算される工具姿勢を含む平面内に存在するようにサンプリング周期毎に前記直線軸3軸と前記回転軸2軸を制御する制御であって、
    該指令解析部は特異点通過判断部を有し、該特異点通過判断部は、該指令ブロック始点での指令と該指令ブロック終点での指令に基づく計算によって、該指令ブロックにおいて該工具回転用回転軸が任意の位置となる特異点または工具姿勢が該特異点での工具姿勢に対して設定値より近くなる特異点近傍を通過するか否かを判断し、
    該指令解析部は特異点動作回避準備部を有し、該特異点動作回避準備部は、該特異点通過判断部において該特異点または該特異点近傍を通過すると判断された場合には、該指令ブロック全体に渡って前記工具回転用回転軸を移動させ、かつ前記工具傾斜用回転軸が本来特異点に到達すべき時刻にあらかじめ決められた角度になるように該指令ブロック始点から該指令ブロック終点に向かって前記工具傾斜用回転軸を移動させることにより工具姿勢を滑らかに変化させるように該指令ブロック全体の指令工具経路を変更した工具経路を作成し、
    該補間処理部は特異点動作回避部を有し、該特異点動作回避部は、該特異点動作回避準備部で変更された工具経路を実行することを特徴とする5軸加工機用数値制御装置。
  2. 該特異点動作回避準備部は、工具姿勢誤差が工具姿勢誤差許容値以下となるように該工具傾斜用回転軸が2次曲線を描き、かつ該工具回転用回転軸が該指令ブロック全体で線形に移動するよう該工具傾斜用回転軸と該工具回転用回転軸の工具経路を変更した工具経路を作成することを特徴とする請求項1に記載の5軸加工機用数値制御装置。
  3. 直線軸3軸と工具傾斜用回転軸と工具回転用回転軸の回転軸2軸を有する5軸加工機を工具姿勢制御してテーブルに固定されたワークを工具により加工するための指令解析部と補間処理部を有する5軸加工機用数値制御装置において、
    該工具姿勢制御は、指令ブロックの指令ブロック始点と指令ブロック終点の間における前記ワークに対する前記工具の姿勢が、該指令ブロック始点と該指令ブロック終点における指令回転軸位置に基づいて計算される工具姿勢を含む平面内に存在するようにサンプリング周期毎に前記直線軸3軸と前記回転軸2軸を制御する制御であって、
    該指令解析部は特異点通過判断部を有し、該特異点通過判断部は、該指令ブロック始点での指令と該指令ブロック終点での指令に基づく計算によって、該指令ブロックにおいて該工具回転用回転軸が任意の位置となる特異点または工具姿勢が該特異点での工具姿勢に対して設定値より近くなる特異点近傍を通過するか否かを判断し、
    該指令解析部は特異点動作回避準備部を有し、該特異点動作回避準備部は、該特異点通過判断部において該特異点または該特異点近傍を通過すると判断された場合には、該工具回転用回転軸の移動がなくなるような該工具傾斜用回転軸のブロック終点を計算することによって指令ブロック終点における工具姿勢が指令回転軸位置に基づいて計算される工具姿勢と同じ工具姿勢となるように該指令ブロック全体の工具経路を変更した工具経路を作成し、
    該補間処理部は特異点動作回避部を有し、該特異点動作回避部は、該特異点動作回避準備部で変更された工具経路を実行することを特徴とする5軸加工機用数値制御装置。
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