JP5350170B2 - 表面性状測定機 - Google Patents
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Description
また、被測定物によっては、スタイラスと被測定物とが干渉(衝突)し、スタイラスや被測定物の破損を招く場合も想定される。
従って、接触式検出器のスタイラスを被測定物の測定開始位置に自動的にセッティングできるから、つまり、従来のように、測定者が、目視でスタイラスの先端と被測定物の測定開始位置の相対位置を調整しながら、スタイラスの先端を被測定物の測定開始位置にセッティングしなくてもよいから、測定者への負担を軽減できるとともに、スタイラスと被測定物との干渉を防止できる。
従って、プローブヘッドの向きをスタイラスの変位方向へ姿勢変更すれば、例えば、被測定物の水平面の画像を取得でき、また、プローブヘッドの向きをスタイラスの変位方向に対して直交する方向へ姿勢変更すれば、被測定物の垂直面の画像を取得できる。そのため、被測定物の垂直面に形成された孔の内面性状を測定するにも、被測定物の垂直面の画像を画像プローブで取得することにより、垂直面に形成された孔の内面にスタイラスを正確に位置させることができるから、測定者への負担を軽減できるとともに、スタイラスと被測定物との干渉を防止できる。
特に、旋回プレートが旋回機構を介してステージの移動方向と平行な軸を中心として旋回可能に設けられているから、旋回プレートを旋回動作させることにより、接触式検出器の姿勢や画像プローブの向きを変更することができる。
従って、被測定物の傾斜面に形成された孔の内面性状を測定する場合、画像プローブの向きを被測定物の傾斜面に正対した向きに変更して、被測定物の傾斜面の画像を取得することができる。これにより取得された画像からスタイラスを接触させる位置を指定するとともに、旋回プレートを旋回動作させることにより、接触式検出器の姿勢を被測定物の傾斜面に形成された孔の傾斜と一致させると、傾斜面に形成された孔の内面にスタイラスを正確に位置させることができる。よって、傾斜面に形成された孔の内面の表面性状の測定にあたっても、測定者への負担を軽減できるとともに、スタイラスと被測定物との干渉を防止できる。
このような構成によれば、被測定物の表面画像を対物レンズを通じてCCDセンサで高精度に取得できる。しかも、対物レンズの周囲に光源が配置されているから、照明装置を別途設ける場合に比べ、コンパクト化できる。
このような構成によれば、接触式検出器のスタイラスと画像プローブとは、これらいずれか一方の測定時に他方が邪魔にならない位置にオフセットされて配置されているから、それぞれの測定時に他を退避させる機構を付けなくても、測定に支障を与えることがない。
しかも、接触式検出器のスタイラス先端と画像プローブとのオフセット量はオフセット量記憶手段に記憶され、このオフセット量記憶手段に記憶されたオフセット量を考慮して、接触式検出器のスタイラスが被測定物の測定開始位置に接触されるから、画像プローブで取得した画像を基に、接触式検出器のスタイラスを被測定物の測定開始位置に正確に接触させることができる。
本実施形態に係る表面性状測定機は、図1および図2に示すように、設置台1と、この設置台1の上面に固定されたベース2と、このベース2上に載置され上面に被測定物を載置するステージ10と、被測定物の表面に接触されるスタイラス24を有する接触式検出器20と、被測定物の表面画像を撮像する画像プローブ30と、接触式検出器20および画像プローブ30とステージ10とを相対移動させる相対移動機構40と、制御装置50とを備える。
X軸駆動機構48は、駆動機構本体48AにX軸方向と平行に設けられXスライダ47を移動可能に支持したガイドレール48Bと、このガイドレール48Bに沿ってXスライダ47を往復移動させる駆動源(図示省略)等を含んで構成されている。
プローブヘッド33は、図4に示すように、対物レンズ35と、この対物レンズ35の外周に配置された光源としてのLED36と、対物レンズ35を透過した被測定物からの反射光を受光し被測定物の画像を撮像するCCDセンサ37と、LED36の周囲を覆うカバー38とを含んで構成されている。
入力装置51は、例えば、携帯型のキーボードやジョイスティックなどによって構成され、各種動作指令やデータの入力のほか、画像プローブ30で取得した画像から、スタイラス24をセットする位置(測定開始位置)を指定できるようになっている。
表示装置52には、画像プローブ30で取得した画像が表示されるとともに、接触式検出器20によって得られた形状や粗さデータが表示される。
記憶装置53には、測定プログラム等を記憶したプログラム記憶部54、接触式検出器20のスタイラス24と画像プローブ30のオフセット量OFz、OFyを記憶したオフセット記憶手段としてのオフセット量記憶部55、および、測定時に取り込んだ画像データや測定データなどを記憶するデータ記憶部56などが設けられている。
例えば、図6に示す被測定物60を測定する例について説明する。
被測定物60は、水平壁61と、この水平壁61の一端に直角に立設された垂直壁62と、これらの水平壁61と垂直壁62との間に傾斜状に形成された傾斜壁63とを有する形状である。傾斜壁63を挟んだ垂直壁62の両側には4つの孔62A〜62Dが形成され、水平壁61の両側には2つの孔61A,61Bが形成されている。傾斜壁63の中央位置には、1つの孔63Aが傾斜壁63に対して直角に形成されている。
まず、図7(A)に示すように、入力装置51からの指令で、画像プローブ30のプローブヘッド33を水平な姿勢に保持し、この状態において、画像プローブ30によって被測定物60の垂直壁62の画像を取得する。すると、被測定物60の垂直壁62の画像データがデータ記憶部56に格納されたのち、表示装置52に表示される。
その後、測定開始指令が出されると、プログラム記憶部54に記憶された移動軌跡に従って相対移動機構40を動作させる。つまり、図7(B)に示すように、指定した位置(孔62Aの下側内周面)に接触式検出器20のスタイラス24が接触するように、相対移動機構40を動作させる。
まず、図8(A)に示すように、入力装置51からの指令で、画像プローブ30のプローブヘッド33を回転させ、プローブヘッド33が傾斜壁63に対して対向する姿勢に保持した状態において、画像プローブ30によって被測定物60の傾斜壁63の画像を取得する。すると、被測定物60の傾斜壁63の画像データがデータ記憶部56に格納されたのち、表示装置52に表示される。
その後、測定開始指令が出されると、プログラム記憶部54に記憶された移動軌跡に従って相対移動機構40を動作させる。つまり、図8(B)に示すように、旋回機構45を回転させてX軸駆動機構48を傾斜させ、孔63Aの傾斜とX軸駆動機構48の移動方向とを一致させる。この後、相対移動機構40を動作させ、指定した孔63Aの下側内周面に接触式検出器20のスタイラス24を接触させる。
まず、図9に示すように、入力装置51からの指令で、画像プローブ30のプローブヘッド33を回転させ、プローブヘッド33が下向きの姿勢に保持した状態において、画像プローブ30によって被測定物60の水平壁61の画像を取得すると、被測定物60の水平壁61の画像データがデータ記憶部56に格納されたのち、表示装置52に表示される。
ここで、制御装置50は、データ記憶部56に格納された被測定物60の水平壁61の画像を、画像処理して、孔61A,61Bの形状や大きさなどを測定する。
本実施形態によれば、被測定物の表面に接触されるスタイラス24を有する接触式検出器20と、被測定物の表面画像を撮像する画像プローブ30とを備えたので、画像プローブ30によって被測定物の画像を取り込んだのち、この取り込んだ画像を基に、接触式検出器20のスタイラス24を被測定物の測定箇所に自動的に接触させるようにしたので、従来のように、測定者が、目視でスタイラスの先端と被測定物の測定箇所の相対位置を調整しながら、スタイラスの先端を被測定物の測定開始位置にセッティングしなくてもよいから、測定者への負担を軽減できるとともに、スタイラス24と被測定物との干渉を防止できる。
しかも、接触式検出器20のスタイラス24の先端と画像プローブ30とのオフセット量OFz、OFyはオフセット量記憶部55に記憶され、このオフセット量記憶部55に記憶されたオフセット量を考慮して、接触式検出器20のスタイラス24が被測定物の測定開始位置に接触するように、相対移動機構40の移動軌跡が算出され、この移動軌跡に従って相対移動機構40が動作されるから、接触式検出器20のスタイラス24を被測定物の測定開始位置に正確に接触させることができる。
例えば、画像プローブ30によって取得した画像から、線幅や孔径などを測定することができるほか、画像プローブ30のオートフォーカス機能を用いて、対物レンズ35の光軸方向の寸法(段差寸法)なども測定できる。
そのため、被測定物の水平面に限らず、垂直面や任意の傾斜面の画像を取得することができ、これらの面に設けられた孔や突起などの形状を接触式検出器20によって測定することができる。
しかも、接触式検出器20および画像プローブ30は、共に、Xスライダ47にオフセットして取り付けられているから、接触式検出器20および画像プローブ30を別々に移動させる機構を設ける場合に比べ、構造を簡素化でき、安価に構成できる。
本発明は、前述の実施形態に限定されるものでなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良などは本発明に含まれる。
接触式検出器20は、先端にスタイラス24を有するアーム25と、このアーム25の揺動量を検出する検出部26とを有する接触式プローブ22を含んで構成されていたが、スタイラス24が被測定物に表面に接触しながら、被測定物の表面形状や粗さなどを測定できる機構であれば、他の構造であってもよい。
例えば、光源としてのLED36は、画像プローブとは別に設けてもよい。また、対物レンズ35を交換可能にして、倍率の異なる対物レンズ35に交換できるようにすれば、被測定物の測定箇所の大きさに応じて最適な作業が実施できる。
また、接触式検出器20と画像プローブ30とを別々の相対移動機構によって独立的に移動させるようにしてもよい。
20…接触式検出器、
24…スタイラス、
30…画像プローブ、
32…プローブ本体、
33…プローブヘッド、
35…対物レンズ、
36…LED(光源)
37…CCDセンサ
40…相対移動機構、
41…Y軸駆動機構(第1移動機構)、
42…コラム、
43…Zスライダ、
44…Z軸駆動機構(第2移動機構)、
47…Xスライダ(スライド部材)、
48…X軸駆動機構(第3移動機構)
55…オフセット量記憶部(オフセット量記憶手段)
60…被測定物。
Claims (4)
- 被測定物の表面性状を測定する表面性状測定機において、
前記被測定物を載置するステージと、
前記被測定物の表面に接触されるスタイラスを有する接触式検出器と、
前記被測定物の表面画像を撮像する画像プローブと、
前記接触式検出器および前記画像プローブと前記ステージとを相対移動させる相対移動機構と、
前記相対移動機構の駆動を制御するとともに、前記接触式検出器から得られる測定データおよび前記画像プローブで取得された画像データを処理する制御装置とを備え、
前記画像プローブは、プローブ本体と、このプローブ本体の先端に支持され前記被測定物の画像を撮像可能なプローブヘッドとを含んで構成され、
前記プローブヘッドは、前記スタイラスが前記被測定物に接触した状態において前記接触式検出器と前記ステージとが相対移動する方向および前記スタイラスの変位方向に対して直交する軸を中心として旋回可能に前記プローブ本体に取り付けられ、
前記相対移動機構は、前記接触式検出器を前記軸と平行な軸を中心として旋回させる旋回機構を有し、
前記制御装置は、前記画像プローブによって取り込まれた前記被測定物の画像を基に測定開始位置が指定されると、前記接触式検出器のスタイラスが前記被測定物の測定開始位置に接するように、前記相対移動機構の移動軌跡を算出して記憶する移動軌跡算出手段と、この移動軌跡算出手段で求められた移動軌跡に従って前記旋回機構を含む前記相対移動機構を動作させるスタイラスセット手段とを含んで構成されている、
ことを特徴とする表面性状測定機。 - 請求項1に記載の表面性状測定機において、
前記相対移動機構は、前記ステージを水平面内の一方向へ移動させる第1移動機構と、コラムと、このコラムに上下方向へ移動可能に設けられた昇降部材と、この昇降部材を上下方向へ移動させる第2移動機構と、前記昇降部材に前記旋回機構を介して前記ステージの移動方向と平行な軸を中心として旋回可能に設けられた旋回プレートと、この旋回プレートに前記ステージの移動方向および前記昇降部材の昇降方向に対して直交する方向へ移動可能に設けられたスライド部材と、このスライド部材を移動させる第3移動機構とを備え、
前記スライド部材には、前記接触式検出器および前記画像プローブが取り付けられ、
前記プローブヘッドは、前記ステージの移動方向と平行な軸を中心として旋回可能に設けられている、
ことを特徴とする表面性状測定機。 - 請求項1または請求項2に記載の表面性状測定機において、
前記画像プローブは、対物レンズと、この対物レンズの外周に配置された光源と、前記対物レンズを透過した前記被測定物からの反射光を受光し前記被測定物の画像を撮像するCCDセンサとを含んで構成されている、ことを特徴とする表面性状測定機。 - 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の表面性状測定機において、
前記接触式検出器のスタイラスと前記画像プローブとは、これらいずれか一方の測定時に他方が邪魔にならない位置にオフセットされて配置され、
前記接触式検出器のスタイラス先端と前記画像プローブとのオフセット量を記憶したオフセット量記憶手段を備え、
前記移動軌跡算出手段は、前記オフセット量記憶手段に記憶されたオフセット量を考慮して前記接触式検出器のスタイラスが前記被測定物の測定開始位置に接するように、前記相対移動機構の移動軌跡を求める、ことを特徴とする表面性状測定機。
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