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JP5348405B2 - 半導体イメージセンサの製造方法 - Google Patents

半導体イメージセンサの製造方法 Download PDF

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JP5348405B2
JP5348405B2 JP2009127389A JP2009127389A JP5348405B2 JP 5348405 B2 JP5348405 B2 JP 5348405B2 JP 2009127389 A JP2009127389 A JP 2009127389A JP 2009127389 A JP2009127389 A JP 2009127389A JP 5348405 B2 JP5348405 B2 JP 5348405B2
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Description

本発明は、半導体イメージセンサの製造方法に関するものである。
半導体技術を活用したイメージセンサは半導体技術の進歩を背景として多画素化・小型化が進み、多くの画像入力装置に広範に搭載されるようになった。中でも、デジタルカメラや携帯電話では、画像記録やスキャナとしての応用が広がり、イメージセンサの更なる多画素化・低背化を含む小型化、ひいては低価格化が強く要求されるに至っている。現在実用化されている半導体イメージセンサは、CMOS型、CCD型が主流であり、チップ分離、ワイヤボンディング、パッケージ封入といった周知の半導体技術で組立てられている。即ち、演算処理IC(CPU)やメモリICの組立と類似工程で組立てられている。当該イメージセンサでは、Si半導体基板の第1主面に光感光性領域と信号読出し領域、信号処理/駆動領域などが集積化され、第1主面側から外部回路へ電気接続するワイヤボンディングが設けられている。
据置き型の画像入力装置では、装置が要求する解像度特性を満足する画素数を有する当該構造の半導体イメージセンサを搭載すれば実用的な装置を実現することが可能であった。 しかし、携帯電話に代表される可搬型機器では、半導体イメージセンサへの小型化要求が強く、従来の当該構造では対処しきれなかった。特に、センサの厚みを小さくすること、すなわち、低背化や、パッケージの大きさをチップサイズに可能な限り近づけることなどが課題となっていた。
一方、パソコンなどの情報機器では、可搬型記憶装置としてメモリカードが普及している。メモリカードへも大容量化の要求は強く、薄板化されたメモリチップを多数個積層することにより、少スペースで大容量化する手法が開発されている。この薄板化は、半導体製造プロセスで回路素子などを作りこんでから、ウェーハの裏面を研磨して実現されることが多い。この工程は裏面研磨工程と呼ばれている。しかし、200マイクロメータ以下に薄板化するとウェーハの強度が小さくなり、工程中あるいは工程後にウェーハが破壊されることが多くなる。
このような課題を解決するために、下記引用特許文献1では、ウェーハ表面に保護・補強用テープを貼り付けてから裏面研磨を行い、その後、ウェーハ裏面にダイシング用テープを貼り付けてから、当該保護・補強用テープを剥離することが提案されている。さらに、下記引用特許文献1では、保護・補強用テープの剥離工程で、紫外線を照射して接着力を弱めてから当該保護・補強用テープを剥離することも提案されている。この方法によれば、従来困難であったメモリチップの薄板化が可能となる。
図7と図8は、それぞれ、下記引用特許文献1の図3と図4に記載されている図である。同図7は、下記引用特許での半導体製造プロセスの一部を示すフロー図であり、(t)、(a)から(g)までの各プロセスにおける半導体の構造断面図が同図8に対応して示されている。即ち、半導体基板1の表面に、保護・補強用テープ2が貼り付けられ(a)てから、当該基板1の裏面側が研磨され薄板化された半導体基板3が作成される(b)。当該半導体基板3には、金属製キャリアフレーム5に固定されたダイシング用テープ4が貼り付けられる(c)。その後、剥離用テープ9が当該保護・補強用テープの上面に貼り付けられる。さらに、上部方向から紫外線を照射して、当該保護・補強用テープ2の当該半導体基板3との接着力を弱めてから、当該剥離用テープ9を剥離することにより、当該保護・補強用テープ2が剥離される(d)。引き続き、ダイシング工程でチップ7が個片化される(f)。
図7と図8で示された製造プロセスにより、厚さが200マイクロメータ以下のメモリチップが実現されることが下記引用特許文献1に開示されている。
特開平7−22358号公報
上記したように、引用特許文献1はメモリチップなどへの適用価値は高いことは明らかである。しかしながら、半導体イメージセンサでは、半導体基板表面である前記第1主面にフォトダイオードなどの受光素子やマイクロレンズが多数集積化されているため、引用特許文献1と同じ手法を適用することができない。即ち、図8(e)以後の工程では、半導体イメージセンサの表面が露出しており、マイクロレンズ表面も露出している。通常、マイクロレンズは樹脂材料などの比較的軟らかい素材で形成されている。このため、ダイシング工程で発生する切り屑などにより、当該マイクロレンズの表面が破損・汚染されるという重大な課題が発生していた。また、図8(f)ではスクライブによりウェーハからチップが分割されるが、このチップを実装工程でハンドリングする際にも重大な課題が発生する。例えば、図8(f)の状態からチップを摘み上げ、実装用のパッケージやプリント基板に搭載する過程で、露出した半導体イメージセンサの表面を真空ピンセットなどのツールを接触させる必要がある。このツールにはゴムなどの緩衝材を装着したとしても、マイクロレンズなどの表面を傷付けることが避けられなかった。また、イメージセンサ表面は平坦でなく、マイクロレンズのため凹凸が存在する。このため、真空ピンセットなどで摘み上げる際の真空圧を調整して、吸着力を大きくし、ハンドリング中にチップが落下することを防止する必要もあった。吸着力を大きくすることは、露出したマイクロレンズ表面を傷付ける頻度が高くなり、製造面での課題となっていた。
このような課題を克服するため、図8(e)に示した状態以後、半導体イメージセンサの表面をカバーガラスなどで覆うことも想定される。当該イメージセンサの最終実装形態では、雰囲気環境からの汚れを防止するため透明なカバーガラスが積層されるのが一般的である。このカバーガラスを図8(e)のウェーハ状態での構造体に積層すれば、マイクロレンズ表面の保護が可能となり、前段落で記載したような不都合も解消されるかに思われる。しかしながら、このカバーガラスは半導体イメージセンサチップの前記第1主面の全面を覆ってしまうので、ボンディングパッド領域までが当該ガラスの下に位置することになる。この結果、金属細線をこのパッドにボンディングして、外部回路との電気的接続手段を構成するという従来の組立手法が適用できないことになる。即ち、ボンディングワイヤで外部との接続手段を実現するという従来の半導体イメージセンサの構造では、引用特許文献1の適用は困難であることになる。
半導体イメージセンサの製造において、
前記半導体イメージセンサを構成する半導体基板の第1主面に、少なくとも、複数の感光素子を形成する工程と、
前記感光素子に集光用のマイクロレンズを配置して形成する工程と、
第1の剥離層と樹脂層と第2の剥離層とから成る3層構造体を、前記第1の剥離層側が前記マイクロレンズの表面側に対向するように前記第1主面側に形成する3層構造体形成工程と、
前記3層構造体の前記第2の剥離層の表面に保護板を積層する工程と、
前記半導体基板を、前記半導体基板の第1主面とは反対側に位置する第2主面側から研磨して、前記半導体基板を薄板化する工程と、
前記薄板化された前記半導体基板の前記第2の主面側に補強板を積層する工程と、
前記保護板を前記第2の剥離層から剥離除去する工程と、
前記樹脂層と前記第1の剥離層を前記マイクロレンズの表面側から剥離除去する工程と、
前記半導体基板の第1主面側にカバーガラスを積層する工程と、
前記補強板を除去する工程と、
前記薄板化された半導体基板の第2主面側から、前記半導体イメージセンサを外部の電気回路へ接続する手段を形成する工程と
で半導体イメージセンサを製造する。
半導体イメージセンサの製造において、
前記半導体イメージセンサを構成する半導体基板の第1主面に、少なくとも、複数の感光素子を形成する工程と、
前記感光素子に集光用のマイクロレンズを配置して形成する工程と、
第1の剥離層と樹脂層と第2の剥離層とから成る3層構造体を、前記第1の剥離層側が前記マイクロレンズの表面側に対向するように前記第1主面側に形成する3層構造体形成工程と、
前記3層構造体の前記第2の剥離層の表面に保護板を積層する工程と、
前記半導体基板を、前記半導体基板の第1主面とは反対側に位置する第2主面側から研磨して、前記半導体基板を薄板化する工程と、
前記薄膜化された半導体基板の第2主面側から、前記第1主面側に設けられているパッド領域に向って深穴開口を形成する工程と、
前記深穴開口の内部に前記パッド領域に到達する導電層を形成する工程と、
前記第2主面の表面に前記導電層と電気接続された金属層を形成する工程と、
前記薄板化された前記半導体基板の前記第2の主面側に補強板を積層する工程と、
前記保護板を前記第2の剥離層から剥離除去する工程と、
前記樹脂層と前記第1の剥離層を前記マイクロレンズの表面側から剥離除去する工程と、
前記半導体基板の第1主面側にカバーガラスを積層する工程と、
前記補強板を除去する工程と、
前記第2主面の表面に設けられた前記金属層にボールグリッド状の接続端子を形成することにより、前記薄板化された半導体基板の第2主面側から、前記半導体イメージセンサを外部の電気回路へ接続する手段を形成する工程と
で半導体イメージセンサを製造する。
なお、上記段落で記載された半導体イメージセンサの製造工程には多くの変形があり得る。例えば、半導体イメージセンサの製造において、
半導体イメージセンサの製造において、
前記半導体イメージセンサを構成する半導体基板の第1主面に、少なくとも、複数の感光素子を形成する工程と、
前記感光素子に集光用のマイクロレンズを配置して形成する工程と、
第1の剥離層と樹脂層と第2の剥離層とから成る3層構造体を、前記第1の剥離層側が前記マイクロレンズの表面側に対向するように前記第1主面側に形成する3層構造体形成工程と、
前記3層構造体の前記第2の剥離層の表面に保護板を積層する工程と、
前記半導体基板を、前記半導体基板の第1主面とは反対側に位置する第2主面側から研磨して、前記半導体基板を薄板化する工程と、
前記薄板化された半導体基板の第2主面側から、前記半導体イメージセンサを外部の電気回路へ接続する手段を形成する工程と、
前記保護板を前記第2の剥離層から剥離除去する工程と、
前記樹脂層と前記第1の剥離層を前記マイクロレンズの表面側から剥離除去する工程と、
前記半導体基板の第1主面側にカバーガラスを積層する工程と
で半導体イメージセンサを製造することが挙げられる。
なお、前記した3層構造体の前記第1の剥離層側を前記マイクロレンズの表面に積層する工程では、マイクロレンズの全ての曲面にわたって前記第1の剥離層が密着している必要はない。マイクロレンズと第1の剥離層との接触状態は、(1)積層工程に用いられる手法、(2)第1の剥離層とマイクロレンズの機械的な硬さと厚さ、(3)この積層工程で印加される機械的な圧力、などに依存する。
なお、本段落では、前段落での(1)〔積層工程に用いられる手法〕について詳述する。前記第1の剥離層を液状素材のスピンコート塗布手法で積層する場合には、マイクロレンズの全曲面にわたって第1の剥離層が被覆される。この結果、前記した3層構造体は前記マイクロレンズの全ての曲面にわたって前記第1の剥離層が密着することになる。一方、前記第1の剥離層をシート状素材のラミネート手法で積層する場合には、前段落の(2)と(3)に依存することになる。
なお、本段落では、前々段落での(2)と(3)について詳述する。例えば、第1の剥離層の厚さが大きく、また、マイクロレンズの材質よりも柔軟な素材である場合には、適度な圧力印加により第1の剥離層が弾性変形して、マイクロレンズの全曲面にわたって密着する。逆に、例えば、第1の剥離層が十分に硬い素材である場合には、マイクロレンズの最頂部近辺のみが第1の剥離層に接触し、残りの曲面部分は接触しない。
なお、段落0015と段落0016に記載したいずれの場合においても、前記した半導体基板の薄板化工程では、薄板化が進むにつれ、この半導体基板が前記第1主面側に変形することが防止される。
前記3層構造体形成工程において、
前記マイクロレンズの表面側に第1の剥離層を積層する工程と、
前記第1の剥離層の表面に樹脂層を積層する工程と、
前記樹脂層の表面に第2の剥離層を積層する工程とを含ませる。
前記3層構造体形成工程において、
前記第1の剥離層と、前記第1の剥離層の表面に積層された樹脂層と、前記樹脂層の表面に積層された第2の剥離層から成る3層のシート状構造体を、前記第1主面側に形成する。
前記第2の剥離層には、紫外線の照射により、前記保護板との接着力が低下する材料を含ませる。
前記保護板を第2の剥離層から剥離除去する工程において、
前記保護板と前記第2の剥離層との間の接着力は、
前記樹脂層と前記第1の剥離層との間の接着力よりも弱く、かつ、前記第1の剥離層と前記マイクロレンズ間の接着力よりも弱くする。
貫通電極を用いた半導体イメージセンサの構造を示す図である。 従来の薄板化工程を示す図である。 半導体イメージセンサの製造工程に対応する構造断面図である。<第1のイメージセンサ製造工程>であり、図3−2、図3−3とセットである。 半導体イメージセンサの製造工程に対応する構造断面図である。 半導体イメージセンサの製造工程に対応する構造断面図である。 剥離層と樹脂層から成る3層の積層体の構造断面図である。<第2のイメージセンサ製造工程で使用> 半導体イメージセンサの製造工程に対応する構造断面図である。<第3のイメージセンサ製造工程>であり、図5−2とセットである。(保護板除去→カバーガラス積層→貫通電極形成) 半導体イメージセンサの製造工程に対応する構造断面図である。 半導体イメージセンサの製造工程に対応する構造断面図である。<第4のイメージセンサ製造工程>であり、図6−2、図6−3とセットである。 (補強板積層→保護板除去→カバーガラス積層 →補強板除去→貫通電極形成) 半導体イメージセンサの製造工程に対応する構造断面図である。 半導体イメージセンサの製造工程に対応する構造断面図である。 従来の半導体製造プロセスを示すフロー図である。 図7に対する構造断面図である。
以下、図面に示した本発明による半導体イメージセンサの製造方法を詳細に説明する。
<貫通電極を用いた半導体イメージセンサの構造>
図1は、貫通電極を用い、カラーイメージセンサとして構成された半導体イメージセンサの構造を示している。同図において、10は周知の半導体工程で製造されたセンサ部分で、Siなどからなる半導体基板12、この半導体基板の第1主面(表面)近傍に設けられた感光素子である複数のフォトダイオード13、色分離のためのカラーフィルタ14や集光効果を高めるマイクロレンズ15などから構成されている。16は表面保護機能を有するカバーガラスであり、接着層17により10と結合されている。フォトダイオードからの信号読出しのための配線層には外部回路への接続用としてのパッド領域18が含まれている。パッド領域18への電気的接続は、半導体基板12の第2主面(裏面)側から深穴開口が形成され、当該深穴開口内部に形成された前記パッド領域に到達する導電層19(いわゆる貫通電極)で実現されている。さらに、当該第2主面には当該導電層19と電気接続された金属層20が形成され、ボールグリッドアレイ状の接続端子21が形成されている。前記半導体イメージセンサを外部の電気回路へ接続する手段が、19、20と21の構成要素で構成されている。BGA(Ball Grid Array)構造とも呼ばれているこのような構造を採用することにより、従来多用されてきたボンディングワイヤによる半導体基板2の第1主面側からの接続手段と比較して、イメージセンサ面積と大略等しい面積で実装可能であり、高さも低くできる利点がある。かかる利点はイメージセンサの応用機器である携帯電話やカメラなどの小型化、薄型化に大きく寄与できる。
図1に例示した構成では、貫通電極19の形成容易性と、当該イメージセンサの低背化のために、半導体基板12の厚さは薄い方が好ましい。このため、当該イメージセンサの製造工程中に、半導体基板12を薄板化する工程が必要となる。この薄板化の工程は、カラーフィルタやマイクロレンズが形成された以後に実施される。当該プロセスは「裏面研磨」と呼ばれており、半導体基板の厚さが数10マイクロメータ以上あるいは大略100〜200マイクロメータになるように、機械的、化学的な手法を用いて実施される。その後、前記したような深穴開口、導電層、金属層、接続端子などが形成される。
さらに、図1の構成では、マイクロレンズ15の表面が汚染されたり、破損されることを防ぐ目的でカバーガラス16が配置されている。当該マイクロレンズ15と当該カバーガラス16との間は中空になっており、マイクロレンズ表面がカバーガラスの下面に接触しないように当該接着層17の厚さが調整されている。
<従来の薄板化工程の詳細>
図2は前記した薄板化プロセスを説明するための図である。図2では、図1の構造体が一列に4個並んだ状態が示されており、一点鎖線41がそれぞれの構造体の境界である。なお、図1と同一番号は同一構成要素を示している。図2(a)において、半導体基板42の当初の厚さは半導体プロセスで使用するウェーハ直径に依存するが、大略数100マイクロメータである。同図(b)では、基板42は薄板化され、厚さが薄い基板43へと加工される。この薄膜化工程では、42の第2主面(裏面)から力を印加すると同時に機械的、化学的に裏面表面が除去されていく。この技術においては、樹脂などからなる平板でカバーガラス16の表面を保護すると同時にウェーハ全体の強度を保持することが行われるが、同図では省略されている。この薄板化工程で、数10マイクロメータ以上あるいは大略100〜200マイクロメータ程度の厚さまで基板42が加工される。しかしながら、基板の厚さが薄くなるにつれ、マイクロレンズやカラーフィルタなどが配列されているイメージセンサの主要領域が、カバーガラス側へ押し込まれる現象が発生し、基板の厚さが数10マイクロメータ程度になると顕著となる。この現象は、カバーガラス16とマイクロレンズ15との間に空間が存在することに起因している。薄板化工程が終了すると、43へ印加されていた力が除去されるので、イメージセンサの主要領域とカバーガラス間の距離は裏面研磨工程以前の距離まで復帰する。この結果、同図(b)に示すように、43の第2主面側は平坦ではなく、その主要領域が凸状態になる。すなわち、43の第2主面側には凹凸が発生し、本来平坦であるべき状態が維持されなくなり、以後の組立工程で不都合が多々発生する。かかる不都合の一例としては、薄板加工中、あるいは加工完了後に当該半導体基板に亀裂が発生し、イメージセンサが破損されることがある。かかる破損は基板の厚さが50マイクロメータ程度以下になると顕著となり、製造上の重大な課題となっていた。また、イメージセンサが破損されないとしても、前記した深穴開口および導電層19などの表面が平面でないため、外部回路との接続手段を構成する接続端子21の表面が平面とならず、接続不良の発生や接続信頼性の低下なども挙げられていた。
さらに、前述の主要部分がカバーガラス側へ押し込まれる現象においては、この押し込まれる移動量は、時々刻々薄くなる半導体基板の厚さや接着層17の材質と幾何学的な寸法などに依存しており、その移動量を一義的に決定する機械的構造がない。このため、前記亀裂の発生と第2主面側の当該凹凸の状態は再現性に乏しく、ウェーハ間あるいはロット間で大きく変動することになる。この結果、量産技術として信頼の低いプロセスになっているのが現状であった。
本発明では、貫通電極を用いた半導体イメージセンサの製造工程において、当該イメージセンサが複数個配列された半導体基板の受光面側(前記した第1主面)を保護膜で覆ってから裏面研磨により薄板化し、その後、当該保護膜を剥離して、カバーガラスを搭載することに主要な特徴がある。以下、本発明を具体的なイメージセンサ製造工程を説明することにより、本発明を明らかにする。
<第1のイメージセンサ製造工程>
図3−1から図3−3は本発明を適用した第1の製造工程を示す図である。同図3−1から図3−3において、図1および図2と同一番号は同一構成要素を示している。同図3−1の(a)において、50は周知の半導体工程で製造された半導体イメージセンサの主要部分であり、その表面には、カラーフィルタ14とマイクロレンズ15が積層されている。同図3−1の(b)では、マイクロレンズの表面側に第1の剥離層51が積層される。この積層については、液状の材料をスピンコートしても良く、また、シート状の材料をハンドローラなどを用いてラミネートしても良い。第1の剥離層51の厚さは数10マイクロメータである。後述するように、半導体基板42の薄板化工程後に、この剥離層51はマイクロレンズ表面側から機械的に引き剥がすことにより除去される。このため、引き剥がす際にマイクロレンズ表面が破損されないよう適宜な接着強度を有していることが望ましい。同図3−1の(c)では、第1の剥離層51の表面に樹脂層52が積層される。樹脂層の材料としては、適宜選択されるが、一例として挙げるならば、ポリエチレンテレフタレート(PET)であり、その厚さは数10マイクロメータである。この積層については、板状の樹脂材をラミネートするのが簡便である。同図3−1の(d)では、樹脂層52の表面に第2の剥離層53が積層される。53の材料は紫外線(UV)の照射で接着力が低下する特性を有しており、その厚さは数10マイクロメータである。この積層については、液状の材料をスピンコートしても良く、また、膜状の材料をラミネートしても良い。同図3−1の(d)に示すように、第1の剥離層51、樹脂層52、第2の剥離層53から成る3層構造体は54で示されている。
図3−2の(e)において、3層構造体54の表面には、ガラスなどで構成された保護板55が積層される。当該保護板は以後の工程で、半導体イメージセンサが破壊されることを防止するための補強手段として利用される。55が積層されてから、半導体基板42は周知の手法にて裏面側から研磨され、図3−2の(f)に示すような、薄板化された半導体基板56が得られる。
図3−2の(f)に示すように、前記した裏面からの研磨工程でも、マイクロレンズの上側には空間が存在せず、保護板55との間は3層構造体54で充填されていることになる。このため、当該研磨工程中に半導体基板42の厚さが薄くなっても、当該半導体基板が変形することがなく、研磨工程終了後の56の裏面は平坦形状が維持されている。すなわち、本発明の実施例では、図2(b)で示したような半導体基板裏面の凹凸が発生しないことになる。この結果、薄板化された半導体基板56の厚さが数10マイクロメータになっても破損などは発生せず、製造面、コスト面などでも多大に有利となる。
本段落では、前記した3層構造体54を構成している前記第1の剥離層51と、マイクロレンズとの接触状態について詳述する。この接触状態には、(a)マイクロレンズ全面が51と密着している、(b)マイクロレンズの最頂部とその近傍のみが51と接触している、場合がある。この接触状態は、(1)積層工程に用いられる手法、(2)第1の剥離層とマイクロレンズの機械的な硬さと厚さ、(3)この積層工程で印加される機械的な圧力、などに依存する。
本段落では、前段落の(1)〔積層工程に用いられる手法〕について詳述する。前記第1の剥離層を液状素材のスピンコート塗布手法で積層する場合には、マイクロレンズの全曲面にわたって第1の剥離層が被覆される。この結果、前記した3層構造体は前記マイクロレンズの全ての曲面にわたって前記第1の剥離層が密着することになる。一方、前記第1の剥離層をシート状素材のラミネート手法で積層する場合には、前段落の(2)と(3)に依存することになる。
本段落では、前々段落での(2)と(3)について詳述する。例えば、第1の剥離層の厚さが大きく、また、マイクロレンズの材質よりも柔軟な素材である場合には、適度な圧力印加により第1の剥離層が弾性変形して、マイクロレンズの全曲面にわたって密着する。逆に、例えば、第1の剥離層が十分に硬い素材である場合には、マイクロレンズの最頂部近辺のみが第1の剥離層に接触し、残りの曲面部分は接触しない。
なお、上記したいずれの場合でも、図2で例示したような「マイクロレンズとカバーガラス間の空隙」が存在しないことになる。この結果、いずれの場合においても、前記した裏面研磨工程で半導体基板が薄板化されるにつれ、当該半導体基板が上方へ変形することを防止したり、あるいは、その変形量を大幅に低減させ、実質的に無視できることになる。さらに、裏面研磨工程で突発的に発生した衝撃力に対しても、前記第1の剥離層、前記樹脂層、前記第2の剥離層、前記3層構造体などが、弾性変形(=応力の吸収)して衝撃力を吸収できる利点もある。以上のように、前記した3層構造体の前記第1の剥離層側を前記マイクロレンズの表面に積層する工程では、マイクロレンズの全ての曲面にわたって前記第1の剥離層が必ずしも密着している必要はない。
図3−2の(g)において、半導体基板56には、貫通電極57が形成され、さらに、56裏面には金属層58と外部への接続端子59が形成される。即ち、前記半導体イメージセンサを外部の電気回路へ接続する手段には、当該57から59の構成要素が含まれている。かかる工程は周知であるので詳細は省略する。
図3−3の(h)では、ガラスなどで構成された保護板55の表面に紫外線60が照射される。この紫外線は保護板を通過して、図3−1の(d)の第2の剥離層53に到達し、この剥離層と保護板との接着力を低下させる。紫外線の強度と照射時間は、保護板55の光透過率、第2の剥離層53の特性や厚さなどに依存するが、当該保護板の容易な剥離が可能となるよう設定される。この結果、保護板は容易に取り除くことが可能となる。保護板の除去に引き続いて、3層構造体54が前記したマイクロレンズの表面側から剥離され図3−3の(i)に示したような構造が得られる。
図3−3の(j)において、61は半導体イメージセンサのカバーガラス、62は接着層である。62の高さは、カバーガラス61の下面がマイクロレンズの最頂部と接しないように選択されるが、必ずしもこの限りではない。62と61が設けられてから、境界41に沿ってスクライブすることにより、半導体イメージセンサのチップが作成される。
以上の製造工程では、
(1)保護板55と第2の剥離層53との接着力と、第1の剥離層51と半導体基板
との接着力は、共に、裏面研磨工程で十分な強度を有し、研磨工程で剥離する
ことがないこと、
(2)紫外線照射後、保護板55と第2の剥離層53との接着力は、第1の剥離層5
1と半導体基板との接着力よりも小さいこと、
(3)保護板55の除去後、第1の剥離層51と半導体基板との接着力は、半導体イ
メージセンサの主要部分(マイクロレンズを含む)の機械的強度よりも弱く、
積層構造54の剥離で当該主要部分が破損しないこと
が条件となる。かかる条件を満足するように、剥離層の材質は選択されることが重要である。
以上の製造工程では、積層構造54を、第1の剥離層51と樹脂層52と第2の剥離層53とを個別工程として順次積層して得ることが示されている。この製造工程とは異なり、第1の剥離層51と樹脂層52と第2の剥離層53とを予め積層しておき、当該3層のシート状構造体を、薄板化される前の半導体イメージセンサのマイクロレンズ表面に貼り付けることも可能である。図4には、かかる積層構造体を示す。同図(a)において、65は中央に位置する樹脂層で図3−1の(d)の52に対応している。66は65の下面に位置する剥離層で図3−1の(d)の第1の剥離層51に対応している。また、67は65の上面に位置する剥離層で図3−1の(d)の第2の剥離層53に対応している。図4(a)の積層構造体の製造方法としては、樹脂層66の上下面に、それぞれ、剥離層67と剥離層66を、スピンコートやラミネートにより設ける方法がある。この積層構造体は、図4(b)に示すように、半導体イメージセンサ(表面にマイクロレンズを有し、68として簡便に記載)上に積層化される。この積層工程は、65から67で構成される積層構造体をハンドローラなどの治工具を用いてラミネートすることで実現される。
<第2のイメージセンサ製造工程>
図4(a)に例示した積層構造体を利用したイメージセンサの製造工程について記述する。図3−1の(d)の54で示した3層構造体が、当該積層構造体に対応しており、42上部のマイクロレンズ上に貼り付けられる。この工程では、気泡が入り込まないよう注意しながら、ハンドローラを用いて積層される。次に、図3−2の(e)の55で示したガラスなどで構成された保護板が54の上に積層される。次に、前記半導体基板が裏面側より研磨されてから、図3−2の(g)に示した貫通電極57、金属層58、接続端子59などが形成される。次に、図3−3の(h)で示したように、保護板側から紫外線60が照射される。この紫外線の照射により、図4(a)の67に対応する剥離層と保護板との接着力が弱まり、当該保護板を容易に剥離することができるようになる。次に、図3−3の(h)の54で示した3層構造体を機械的に剥離することにより、図3−3の(i)に示した構造体が得られる。
<第3のイメージセンサ製造工程>
図5−1と図5−2は本発明を適用した第3の製造工程を示す図である。同図5−1と図5−2において、図3−1から図3−3と同一番号は同一構成要素を示している。図5−1の(a)は図3−1の(a)と同一構造であり、周知の半導体工程で製造される。次に、図5−1の(b)に示すように、マイクロレンズ15の上部には、前記した3層構造体54が積層される。次に、図5−1の(c)において、3層構造体54の表面には、ガラスなどで構成された保護板55が積層される。図5−1の(d)では、半導体基板42は周知の手法にて裏面側から研磨され、薄板化された半導体基板56が得られる。図5−2の(e)では、保護板55の表面に紫外線60が照射される。この紫外線は保護板を通過して、54の上部に位置する剥離層と保護板との接着力を低下させる。この結果、保護板は容易に取り除くことが可能となる。保護板の除去に引き続いて、3層構造体54が前記したマイクロレンズの表面から剥離され図5−2の(f)に示したような構造が得られる。次に、図5−2の(g)において、61は半導体イメージセンサのカバーガラスであり、62の接着層を介して積層される。62の高さは、カバーガラス61の下面がマイクロレンズの最頂部と接しないように選択されるが、必ずしもこの限りではない。さらに、図5−2の(h)において、薄板化された半導体基板56には貫通電極57が形成され、56の裏面には金属層58と外部への接続端子59が形成される。最後に境界41に沿ってスクライブすることにより、半導体イメージセンサのチップが作成される。
前段落で記載した第3のイメージセンサ製造工程では、薄膜化された半導体基板にカバーガラスを装着してから、貫通電極や接続端子などを形成している。当該半導体基板56の厚さが大略100マイクロメータ程度までの厚さであれば実現できる製造工程である。ただし、保護板55と3層構造体54を除去してから、カバーガラス61の積層までの間は、薄い半導体ウェーハを取り扱うことになるので周到な注意が必要である。
<第4のイメージセンサ製造工程>
図6−1から図6−3は本発明を適用した第4の製造工程を示す図である。同図6−1から図6−3において、図3−1から図3−3と同一番号は同一構成要素を示している。図6−1の(a)は図3−1の(a)と同一構造であり、周知の半導体工程で製造される。次に、図6−1の(b)に示すように、マイクロレンズ15の上部には、前記した3層構造体54が積層される。次に、図6−1の(c)において、3層構造体54の表面には、保護板55が積層される。図6−1の(d)では、半導体基板42は周知の手法にて裏面側から研磨され、薄板化された半導体基板56が得られる。図6−2の(e)では、薄板化された半導体基板56の下側表面に補強板80が接着される。続いて、図6−2の(f)に示すように、ガラスなどで構成された保護板55の表面に紫外線60が照射される。この紫外線は保護板を通過して、54の上部に位置する剥離層と保護板との接着力を低下させる。この結果、保護板は容易に取り除くことが可能となる。保護板の除去に引き続いて、3層構造体54が前記したマイクロレンズの表面から剥離され図6−2の(g)に示したような構造が得られる。次に、図6−3の(h)において、61は半導体イメージセンサのカバーガラスであり、62の接着層を介して積層される。62の高さは、カバーガラス61の下面がマイクロレンズの最頂部と接しないように選択されるが、必ずしもこの限りではない。次に、補強板80が除去される。引き続いて、図6−3の(i)に示すように、薄板化された半導体基板56には貫通電極57が形成され、56裏面には金属層58と外部への接続端子59が形成される。最後に境界41に沿ってスクライブすることにより、半導体イメージセンサのチップが作成される。
前段落で記載した第4のイメージセンサ製造工程では、薄膜化された半導体基板から紫外線を透過する保護板52を剥離する前に、補強板80を張り付けている。この結果、当該保護板52を除去しても、半導体基板の機械的強度は補強板80により保持されている。さらに、この補強板80を除去する前にカバーガラス61を装着し、当該カバーガラス61が接着されてから補強板80が除去される。すなわち、半導体基板が薄板化されてから以後の工程で、半導体基板の機械的強度が常に保持されていることになる。このため、本製造工程は、半導体基板が100マイクロメータ以下の薄さになっても、当該半導体基板を破損することなく、製造工程を進めることができる大きな利点がある。
<第5のイメージセンサ製造工程>
本段落では、前記した第4のイメージセンサ製造工程(図6−1から図6−3)の変形を説明する。図6−1の(d)に示したように半導体基板が裏面側より研磨されてから、当該基板56の下側(第2主面側)より深穴開口が形成される。当該開口は、半導体基板の第1主面側に配置されたパッド領域に向かって形成され、当該開口の底部は当該パッド面に到達するように衆知のエッチング手法にて加工される。次に、当該開口内部には前記パッド領域まで到達する導電層が形成され、貫通電極(57)が構成される。次に、当該基板56の第2主面表面に、前記導電層と電気接続された金属層(58)が形成される。引き続いて、図6−2の(e)で示したような補強板(80)が積層される。次に、前記した保護板と積層構造体が除去されて、さらに、カバーガラス(61)が積層される。次に、前記補強板が除去されてから、前記第2主面の表面に設けられた前記金属層にボールグリッド状の接続端子を形成することにより、前記薄板化された半導体基板の第2主面側から、前記半導体イメージセンサを外部の電気回路へ接続する手段を形成する。
前段落では、図6−1から図6−3に示した製造工程を変形した一例を示した。なお、前段落に記した工程以外にも多数の変形例が存在する。使用する材料の特性や加工の容易性などから変形された製造工程が選定され得ることは当該分野の技術者にとって容易に類推できることである。
なお、本明細書では、半導体イメージセンサのマイクロレンズが露出している構造を示した。しかしながら、マイクロレンズの構成としてはこの限りではない。例えば、このマイクロレンズの表面に厚さが一様で薄い保護膜を形成し、製造工程中でのマイクロレンズの破損を防止するような構造であっても良い。また、このマイクロレンズの表面を比較的厚い保護膜で覆うこともある。この構成では、当該厚い保護膜の表面は平坦形状に近くなる(=マイクロレンズ単体での表面凹凸よりも平坦になる)。
なお、本明細書ではイメージセンサがカバーガラスで覆われる構成が記載されている。本明細書での「カバーガラス」なる用語をより厳密に記述するならば、「特定の光波長域で透明であるような特性を少なくとも備えた平板」となる。すなわち、カバーガラスは、単にイメージセンサを保護するために覆う機能だけではなく、各種の機能を合わせ有する構成もありうる。例えば、デジタルカメラへイメージセンサを応用する場合において、撮像効果に影響を与える近赤外光を光学的に除去する赤外遮断フィルタ機能が挙げられる。なお、白黒撮像用イメージセンサの場合は、見かけ上の光感度を増大させるため、入射光に含まれる近赤外光エネルギも積極的に利用する場合がある。かかる場合においては、カバーガラスは可視光から近赤外光までの波長域に対して透明である必要がある。また、イメージセンサを熱画像検出が目的の赤外撮像装置へ応用する場合において、撮像効果に影響を与える可視光を除去する赤外フィルタが挙げられる。これらの応用事例では、カバーガラスの表面あるいは裏面にこれらのフィルタが作成される。当該フィルタの構成には、金属や誘電体薄膜を多層積層した干渉フィルタを直接カバーガラス面に形成する手法や、多段に積層したプラスチック膜を引き伸ばしてからカバーガラス面に張る手法などがある。本発明は、これらの構成による半導体イメージセンサの製造にも広く適用されることは明らかである。
本明細書ではカバーガラスはセンサ部に接着層7で固定する例が示されている。しかしながら、本発明はこの構成に限らず、より複雑な固定法であっても良い。例えば、過酷な動作環境でも高信頼性が得られるようなハーメチックシールされた固定法でも良い。
なお、本明細書では図1で示したように、標準的な構成と考えられるイメージセンサの構成が記載されている。しかしながら、イメージセンサの構成には多種あり、本発明はこれらの全てに適用できる。一例として挙げるならば、マイクロレンズが搭載されていない構成、画素領域のマイクロレンズが透明でなくカラーフィルタ機能を併せ有する構成、カラーフィルタが搭載されていない白黒撮像用イメージセンサの構成、マイクロレンズとカバーガラスとの間の空間が真空状態になっている構成、感度増大のためのいわゆる裏面照射型イメージセンサの構成、感度増大のために画素毎に増幅機能を持たせたりフォトダイオード自身が増幅機能を有すると言ったいわゆる増幅型イメージセンサの構成、水平垂直レジスタを介して画素からの信号読み出しを実行するCCD型イメージセンサ、さらには、イメージセンサ自体が積層構造をなしていて各層毎に撮像機能、信号処理機能、メモリ機能、入出力制御機能などが割り当てられているような3次元の構成などがある。かかる複数の構成例に対しても本発明は容易に適用される。
本発明は半導体イメージセンサへの適用以外にも、他の半導体素子へ広く適用できる。特に、当該半導体素子の表面に、フォトダイオード(PD)、光放射ダイオード(LED)、レーザダイオード(LD)などの機能素子が配置されるような半導体素子へ適用した場合の利点は大きい。即ち、これらの機能素子では、形状破損、汚染などにより素子性能が大きく劣化するため、製造工程で、当該表面を保護膜で常に覆い続けることの効果は大きい。
10 半導体イメージセンサのセンサ部分
12、42、43、56 半導体基板
13 フォトダイオード
14 カラーフィルタ
15 マイクロレンズ
16、61 カバーガラス
17、62 接着層
18 パッド領域
19 貫通電極
20、58 金属層
21、59 接続端子
41 境界
50 半導体イメージセンサの主要部分
51 第1の剥離層
52 樹脂層
53 第2の剥離層
54 3層構造体
55 保護板
57 貫通電極
60 紫外線
65 樹脂層(52に対応)
66 剥離層(51に対応)
67 剥離層(53に対応)
68 半導体イメージセンサ
80 補強板

Claims (6)

  1. 半導体イメージセンサの製造において、
    前記半導体イメージセンサを構成する半導体基板の第1主面に、少なくとも、複数の感光素子を形成する工程と、
    前記感光素子に集光用のマイクロレンズを配置して形成する工程と、
    第1の剥離層と樹脂層と第2の剥離層とから成る3層構造体を、前記第1の剥離層側が前記マイクロレンズの表面側に対向するように前記第1主面側に形成する3層構造体形成工程と、
    前記3層構造体の前記第2の剥離層の表面に保護板を積層する工程と、
    前記半導体基板を、前記半導体基板の第1主面とは反対側に位置する第2主面側から研磨して、前記半導体基板を薄板化する工程と、
    前記薄板化された前記半導体基板の前記第2の主面側に補強板を積層する工程と、
    前記保護板を前記第2の剥離層から剥離除去する工程と、
    前記樹脂層と前記第1の剥離層を前記マイクロレンズの表面側から剥離除去する工程と、
    前記半導体基板の第1主面側にカバーガラスを積層する工程と、
    前記補強板を除去する工程と、
    前記薄板化された半導体基板の第2主面側から、前記半導体イメージセンサを外部の電気回路へ接続する手段を形成する工程と
    が含まれることを特徴とする半導体イメージセンサの製造方法。
  2. 半導体イメージセンサの製造において、
    前記半導体イメージセンサを構成する半導体基板の第1主面に、少なくとも、複数の感光素子を形成する工程と、
    前記感光素子に集光用のマイクロレンズを配置して形成する工程と、
    第1の剥離層と樹脂層と第2の剥離層とから成る3層構造体を、前記第1の剥離層側が前記マイクロレンズの表面側に対向するように前記第1主面側に形成する3層構造体形成工程と、
    前記3層構造体の前記第2の剥離層の表面に保護板を積層する工程と、
    前記半導体基板を、前記半導体基板の第1主面とは反対側に位置する第2主面側から研磨して、前記半導体基板を薄板化する工程と、
    前記薄膜化された半導体基板の第2主面側から、前記第1主面側に設けられているパッド領域に向って深穴開口を形成する工程と、
    前記深穴開口の内部に前記パッド領域に到達する導電層を形成する工程と、
    前記第2主面の表面に前記導電層と電気接続された金属層を形成する工程と、
    前記薄板化された前記半導体基板の前記第2の主面側に補強板を積層する工程と、
    前記保護板を前記第2の剥離層から剥離除去する工程と、
    前記樹脂層と前記第1の剥離層を前記マイクロレンズの表面側から剥離除去する工程と、
    前記半導体基板の第1主面側にカバーガラスを積層する工程と、
    前記補強板を除去する工程と、
    前記第2主面の表面に設けられた前記金属層にボールグリッド状の接続端子を形成することにより、前記薄板化された半導体基板の第2主面側から、前記半導体イメージセンサを外部の電気回路へ接続する手段を形成する工程と
    が含まれることを特徴とする半導体イメージセンサの製造方法。
  3. 前記3層構造体形成工程において、
    前記マイクロレンズの表面側に第1の剥離層を積層する工程と、
    前記第1の剥離層の表面に樹脂層を積層する工程と、
    前記樹脂層の表面に第2の剥離層を積層する工程と
    が含まれることを特徴とする請求項1乃至2のいずれか1項に記載の半導体イメージセンサの製造方法。
  4. 前記3層構造体形成工程において、
    前記第1の剥離層と、前記第1の剥離層の表面に積層された樹脂層と、前記樹脂層の表面に積層された第2の剥離層から成る3層のシート状構造体を、前記第1主面側に配置することにより前記3層構造体を形成すること
    が含まれることを特徴とする請求項1乃至2のいずれか1項に記載の半導体イメージセンサの製造方法。
  5. 前記第2の剥離層には、
    紫外線の照射により、前記保護板との接着力が低下する材料が含まれることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の半導体イメージセンサの製造方法。
  6. 前記保護板を第2の剥離層から剥離除去する工程において、
    前記保護板と前記第2の剥離層との間の接着力は、
    前記樹脂層と前記第1の剥離層との間の接着力よりも弱く、かつ、前記第1の剥離層と前記マイクロレンズ間の接着力よりも弱いことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の半導体イメージセンサの製造方法。
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