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JP5231964B2 - 血液浄化装置 - Google Patents

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JP5231964B2
JP5231964B2 JP2008313009A JP2008313009A JP5231964B2 JP 5231964 B2 JP5231964 B2 JP 5231964B2 JP 2008313009 A JP2008313009 A JP 2008313009A JP 2008313009 A JP2008313009 A JP 2008313009A JP 5231964 B2 JP5231964 B2 JP 5231964B2
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Description

本発明は、患者の血液を体外循環させつつ浄化する血液浄化装置に関するものである。
一般に、血液浄化療法、例えば透析治療においては、患者の血液を体外循環させるべく可撓性チューブから成る血液回路が使用されている。この血液回路は、患者から血液を採取する動脈側穿刺針が先端に取り付けられた動脈側血液回路と、患者に血液を戻す静脈側穿刺針が先端に取り付けられた静脈側血液回路とから主に成り、これら動脈側血液回路と静脈側血液回路との間にダイアライザを介在させ、体外循環する血液の浄化を行っている。
かかるダイアライザは、内部に複数の中空糸が配設されており、それぞれの中空糸の内部を血液が通過するとともに、その外側(中空糸の外周面と筐体の内周面との間)に透析液を流し得る構成とされている。中空糸は、その壁面に微小な孔(ポア)が形成されて血液浄化膜を成しており、中空糸内部を通過する血液の老廃物等が血液浄化膜を透過して透析液内に排出されるとともに、老廃物が排出されて浄化された血液が患者の体内に戻るようになっている。
ところで、透析治療中において、静脈側血液回路を流れる患者の血液の圧力を監視し、当該圧力が顕著に低下或いは上昇があった場合には、抜針(穿刺針の患者からの抜け)等の異常が生じていると判別して警報等により医療従事者に知らせていた。具体的には、例えば特許文献1にて開示されているように、静脈側血液回路に配設された静脈側ドリップチャンバの空気層側からモニタ用のチューブを延設して圧力センサに接続し、透析治療中における静脈側血液回路を流れる血液の圧力を常時検出する。そして、圧力センサにて検出された圧力が予め設定された上限値又は下限値(警報値)を超えたか否かを判別し、これら警報値の何れかを超えた際には抜針等の異常が生じた可能性があるとして警報を行っていた。
特開2006−102237号公報
しかしながら、上記従来の血液浄化装置においては、抜針等の異常が生じていなくても患者の体動(例えば腕の上げ下げ等)により静脈側血液回路を流れる血液の圧力が急激に変化して警報値を超えてしまう虞があり、誤警報が頻繁に行われていた。而して、このような頻繁な誤警報によって医療従事者の負担が増加してしまうという問題があった。一方、上記誤警報を抑制するため、病院等医療機関において、警報幅の上限値や下限値を大きくして当該警報幅を広く設定する措置が行われる場合があるが、その場合、抜針等に基づいた本来警報すべき静脈圧の変動を検出することができなくなってしまうという不具合が生じてしまう。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、誤警報を抑制するとともに、血液浄化治療中における抜針等の異常事態を正確に検出することができる血液浄化装置を提供することにある。
請求項1記載の発明は、患者の血液を体外循環させるべく先端に動脈側穿刺針及び静脈側穿刺針が取り付けられた動脈側血液回路及び静脈側血液回路から成る血液回路と、前記動脈側血液回路に配設された血液ポンプと、前記動脈側血液回路と静脈側血液回路との間に接続され、当該血液回路を流れる血液を浄化する血液浄化手段と、前記静脈側血液回路を流れる患者の血液の圧力を経時的に検出し得る静脈圧検出手段とを具備した血液浄化装置であって、前記動脈側血液回路の先端と前記血液ポンプとの間を流れる患者の血液の圧力を経時的に検出し得る脱血圧検出手段と、前記静脈圧検出手段で検出された圧力の経時的変化と前記脱血圧検出手段で検出された圧力の経時的変化とを比較し、一方の圧力の経時的変化に基づき他方の圧力の警報値を逐次更新させる警報値更新手段とを備えたことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の血液浄化装置において、前記警報値更新手段は、前記脱血圧検出手段による検出値の経時的変化の傾向及び変化量に合わせて前記静脈圧検出手段の検出値に対する警報値を逐次更新させることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の血液浄化装置において、前記警報値更新手段は、前記静脈圧検出手段による検出値の経時的変化の傾向及び変化量に合わせて前記脱血圧検出手段の検出値に対する警報値を逐次更新させることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れか1つに記載の血液浄化装置において、前記警報値更新手段により更新される警報値が、前記静脈圧検出手段又は脱血圧検出手段で検出された圧力を基準値とした上限値又は下限値から成ることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1〜4の何れか1つに記載の血液浄化装置において、前記静脈圧検出手段又は脱血圧検出手段で検出された圧力が前記警報値更新手段で更新された警報値を超えたことを報知する報知手段を具備したことを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1〜5の何れか1つに記載の血液浄化装置において、前記静脈圧検出手段又は脱血圧検出手段で検出された圧力が前記警報値更新手段で更新された警報値を超えたことを条件として前記血液ポンプの駆動を停止させることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、警報値更新手段により、静脈圧検出手段で検出された圧力の経時的変化と脱血圧検出手段で検出された圧力の経時的変化とを比較し、一方の圧力の経時的変化に基づき他方の圧力の警報値を逐次更新させるので、誤警報を抑制するとともに、血液浄化治療中における抜針等の異常事態(穿刺トラブル)を正確に検出することができる。
請求項2の発明によれば、警報値更新手段は、脱血圧検出手段による検出値の経時的変化の傾向及び変化量に合わせて静脈圧検出手段の検出値に対する警報値を逐次更新させるので、血液浄化治療中における静脈側穿刺針の患者からの抜針を正確に検出することができる。
請求項3の発明によれば、警報値更新手段は、静脈圧検出手段による検出値の経時的変化の傾向及び変化量に合わせて脱血圧検出手段の検出値に対する警報値を逐次更新させるので、血液浄化治療中における動脈側穿刺針の患者からの抜針を正確に検出することができる。
請求項4の発明によれば、警報値更新手段により更新される警報値が、静脈圧検出手段又は脱血圧検出手段で検出された圧力を基準値とした上限値又は下限値から成るので、誤警報をより抑制するとともに、血液浄化治療中における抜針等の異常事態を更に正確に検出することができる。
請求項5の発明によれば、静脈圧検出手段又は脱血圧検出手段で検出された圧力が警報値更新手段で更新された警報値を超えたことを報知する報知手段を具備したので、血液浄化治療中における抜針等の異常事態を周囲の医療従事者等に素早く把握させることができ、その後の処置をスムーズに行わせることができる。
請求項6の発明によれば、静脈圧検出手段又は脱血圧検出手段で検出された圧力が警報値更新手段で更新された警報値を超えたことを条件として血液ポンプの駆動を停止させるので、抜針等の異常事態が生じた際に直ちに血液の体外循環を停止させ、安全性をより向上させることができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
本実施形態に係る血液浄化装置は、患者の血液を体外循環させつつ浄化するためのもので、透析治療で使用される透析装置に適用されたものである。かかる透析装置は、図1に示すように、血液浄化手段としてのダイアライザ2が接続された血液回路1と、ダイアライザ2に透析液を供給しつつ除水する透析装置本体6とから主に構成されている。
血液回路1は、同図に示すように、可撓性チューブから成る動脈側血液回路1a及び静脈側血液回路1bから主に構成されており、これら動脈側血液回路1aと静脈側血液回路1bの間にダイアライザ2が接続されている。動脈側血液回路1aには、その先端に動脈側穿刺針aが接続されているとともに、途中にしごき型の血液ポンプ3、除泡用のドリップチャンバ4a、4bが配設されている。一方、静脈側血液回路1bには、その先端に静脈側穿刺針bが接続されているとともに、途中に検出手段5及び除泡用のドリップチャンバ4cが接続されている。
そして、動脈側穿刺針a及び静脈側穿刺針bを患者に穿刺した状態で、血液ポンプ3を駆動させると、患者の血液は、ドリップチャンバ4a、4bで除泡がなされつつ動脈側血液回路1aを通ってダイアライザ2に至り、該ダイアライザ2によって血液浄化が施され、ドリップチャンバ4cで除泡がなされつつ静脈側血液回路1bを通って患者の体内に戻る。即ち、患者の血液を血液回路1にて体外循環させつつダイアライザ2にて浄化するのである。
ダイアライザ2は、その筐体部に、血液導入ポート2a、血液導出ポート2b、透析液導入ポート2c及び透析液導出ポート2dが形成されており、このうち血液導入ポート2aには動脈側血液回路1aの基端が、血液導出ポート2bには静脈側血液回路1bの基端がそれぞれ接続されている。また、透析液導入ポート2c及び透析液導出ポート2dは、透析装置本体6から延設された透析液導入ライン7及び透析液排出ライン8とそれぞれ接続されている。
ダイアライザ2内には、複数の中空糸が収容されており、該中空糸内部が血液の流路とされるとともに、中空糸外周面と筐体部の内周面との間が透析液の流路とされている。中空糸には、その外周面と内周面とを貫通した微少な孔(ポア)が多数形成されて中空糸膜を形成しており、該膜を介して血液中の不純物等が透析液内に透過し得るよう構成されている。
一方、透析装置本体6は、複式ポンプPと、透析液排出ライン8において複式ポンプPを迂回して接続されたバイパスライン9と、該バイパスライン9に接続された除水ポンプ10(除水手段)と、ダイアライザ2から複式ポンプPの排液側Pbへ透析液を流動させる加圧ポンプ11と、気泡分離チャンバ12と、大気開放ライン13と、電磁弁14とから主に構成されている。
複式ポンプPは、透析液導入ライン7及び透析液排出ライン8に跨って配設され、当該透析液導入ライン7からダイアライザ2(血液浄化手段)に対して透析液を導入させるとともに、当該ダイアライザ2に導入された透析液を透析液排出ライン8から排出させるためのものである。即ち、複式ポンプPは、供給側Paと排液側Pbとが略等量とされた定量型のポンプから成るものであり、当該供給側Paから排液側Pbまでの透析液の流路は、電磁弁14が閉じた状態で、密閉系(密閉が保たれた状態)とされている。
加圧ポンプ11は、透析液排出ライン8におけるダイアライザ2と複式ポンプPとの間に接続され、当該ダイアライザ2から複式ポンプPへ透析液を流動させるためのものである。また、透析液導入ライン7の一端がダイアライザ2(透析液導入ポート2c)に接続されるとともに、他端が所定濃度の透析液を調製する透析液供給装置(不図示)に接続されている。更に、透析液排出ライン8の一端は、ダイアライザ2(透析液導出ポート2d)に接続されるとともに、他端が図示しない排液手段と接続されており、透析液供給装置から供給された透析液が透析液導入ライン7を通ってダイアライザ2に至った後、透析液排出ライン8及びバイパスライン9を通って排液手段に送られるようになっている。
除水ポンプ10は、ダイアライザ2中を通過する患者の血液から水分を除去する(除水する)ためのものである。即ち、かかる除水ポンプ10を駆動させると、複式ポンプPが定量型であるため、透析液導入ライン7から導入される透析液量よりも透析液排出ライン8から排出される液体の容量が多くなり、その多い容量分だけ血液中から水分が除去されるのである。尚、かかる除水ポンプ10以外の手段(例えば所謂バランシングチャンバ等を利用するもの)にて患者の血液から水分を除去するようにしてもよい。
気泡分離チャンバ12は、所謂脱ガスチャンバと呼ばれるもので、透析液排出ライン8における加圧ポンプ11と複式ポンプPとの間に接続された所定容量のものから成り、透析液中の気泡を捕捉し得るよう構成されたものである。この気泡分離チャンバ12からは、既述したバイパスライン9が延設されているとともに、大気開放ライン13が延設されている。この大気開放ライン13は、先端が大気開放とされており、その途中には電磁弁14が接続されている。
電磁弁14は、大気開放ライン13を開放又は閉止すべく開閉可能とされたもので、開放状態で気泡分離チャンバ12が外気と連通し、閉止状態で当該気泡分離チャンバ12が外気と遮断するようになっている。而して、透析治療前又は透析治療後において、電磁弁14を操作して大気開放ライン13を開放させれば、気泡分離チャンバ12内に捕捉された気泡を大気に放出させることができる。
ここで、ドリップチャンバ4a、4cの空気層側からはモニタ用チューブH1、H2が延設されており、かかるモニタ用チューブH1、H2の先端には脱血圧センサ15(脱血圧検出手段)及び静脈圧センサ5(静脈圧検出手段)がそれぞれ接続されている。このうち静脈圧センサ5は、透析装置本体6内に配設された圧力センサから成り、透析治療中において、静脈側血液回路1bを流れる患者の血液の圧力(静脈圧)を経時的(リアルタイム)に検出し得るよう構成されている。また、脱血圧センサ15は、透析装置本体6内に配設された圧力センサから成り、透析治療中において、動脈側血液回路1aの先端(動脈側穿刺針aが接続される部位)と血液ポンプ3との間を流れる患者の血液の圧力(脱血圧)を経時的(リアルタイム)に検出し得るよう構成されている。
また、静脈圧センサ5及び脱血圧センサ15には、警報値更新手段16が電気的に接続されており、当該静脈圧センサ5及び脱血圧センサ15にて検出された静脈圧及び脱血圧を電気信号として警報値更新手段16に送信し得るよう構成されている。警報値更新手段16は、例えば血液透析装置における種々動作や表示を制御するマイコン等から成るものである。
この警報値更新手段16は、静脈圧センサ5で検出された圧力の経時的変化と脱血圧センサ15で検出された圧力の経時的変化とを比較し、一方の圧力の経時的変化に基づき他方の圧力の警報値を逐次更新させるものであり、本実施形態に係る警報値更新手段16は、脱血圧センサ15による検出値の経時的変化の傾向及び変化量に合わせて静脈圧センサ5の検出値に対する警報値を逐次更新させるものである。
より具体的には、横軸を治療時間(h)及び縦軸を静脈圧センサ5にて検出された静脈圧(mmHg)及び脱血圧センサ15にて検出された脱血圧(mmHg)とした場合、図2に示すような経時的変化となる。但し、図中符号αが静脈圧の経時的変化(生波形)、符号βが脱血圧の経時的変化(生波形)を示している。警報値更新手段16は、静脈圧の経時的変化α及び脱血圧の経時的変化βに対して、血液ポンプ3の周期に合わせた移動平均(移動平均圧)を算出する。
即ち、図8に示すように、サンプリングデータの1区間を100(ms)とするとともに血液ポンプ3の周期を同図中4区間(即ち、400(ms))とした場合、(A−1)移動平均圧、(A−2)移動平均圧、(A−3)移動平均圧…と順次移動平均圧を演算するのである。そして、その演算結果(移動平均圧)をグラフに表すと、図3の如き生波形に対して平準化された静脈圧における移動平均圧の経時的変化α’、及び脱血圧における移動平均圧の経時的変化β’が得られることとなる。
然るに、警報値更新手段16にて、所定時間毎(例えば5(s)毎)に静脈圧に対する警報値(警報幅)を脱血圧の変化に基づいて更新することとなる。即ち、図4で示すように、まず、脱血圧の移動平均圧を基準として警報値(警報幅:以下同様)(1)を設定し、この警報値(1)を静脈圧の移動平均圧を基準とした警報値(1)’とするとともに、そのときの脱血圧の移動平均を基準とした警報値(2)を設定する。これを所定時間毎に順次繰り返す過程において、脱血圧の移動平均圧が上昇又は低下した場合、それと同方向に同量だけ静脈圧の移動平均圧に対する警報値を上下に変動させる。
これにより、脱血圧センサ15による検出値の経時的変化の傾向(検出値の移動方向)及び変化量(検出値の移動量)に合わせて静脈圧センサ5の検出値に対する警報値を逐次更新させることができるので、患者が穿刺針a、bを穿刺した腕を上げ下げする等して体動があった場合(抜針等がない場合)、図4に示すように、脱血圧の経時的変化β(脱血圧の移動平均圧β’)に追従して静脈圧側の警報値((1)’、(2)’、(3)’…)が更新され、静脈圧センサ5の検出値が当該警報値(上限値及び下限値)を超えないようになっている。
一方、透析治療中において例えば静脈側穿刺針bが患者から抜けた場合、図5に示すように、静脈圧の経時的変化αは急激に低下するが脱血圧の経時的変化βはほぼ一定のままとなる。これら静脈圧の経時的変化α及び脱血圧の経時的変化βに対して、血液ポンプ3の周期に合わせた移動平均(移動平均圧)を算出し、グラフ化すると、図6に示すように、静脈圧における移動平均圧の経時的変化α’、及び脱血圧における移動平均圧の経時的変化β’が得られることとなる。
然るに、上記したように、警報値更新手段16にて、所定時間毎(例えば5(s)毎)に静脈圧に対する警報値(警報幅)を脱血圧の変化に基づいて更新すれば、図7に示すように、静脈圧における移動平均圧の経時的変化α’が警報値(この場合、下限値)を超えることとなり、静脈側穿刺針bが患者から抜けたと判断することができる。また、上記実施形態においては、警報値更新手段16は、脱血圧センサ15による検出値の経時的変化の傾向及び変化量に合わせて静脈圧センサ5の検出値に対する警報値を逐次更新させているが、これに代えて、静脈圧センサ5(静脈圧検出手段)による検出値の経時的変化の傾向及び変化量に合わせて脱血圧センサ15(脱血圧検出手段)の検出値に対する警報値を逐次更新させるよう構成してもよい。
従って、警報値更新手段16は、脱血圧センサ15による検出値の経時的変化β(本実施形態においては、脱血圧における移動平均圧の経時的変化β’)の傾向及び変化量に合わせて静脈圧センサ5の検出値に対する警報値を逐次更新させるので、血液浄化治療中(透析治療中)における静脈側穿刺針bの患者からの抜針を正確に検出することができる。反対に、警報値更新手段16が、静脈圧センサ5による検出値の経時的変化α(本実施形態においては、静脈圧における移動平均圧の経時的変化α’)の傾向及び変化量に合わせて脱血圧センサ15の検出値に対する警報値を逐次更新させるようにすれば、血液浄化治療中(透析治療中)における動脈側穿刺針aの患者からの抜針を正確に検出することができる。
また、本実施形態によれば、警報値更新手段16により更新される警報値が、静脈圧センサ5(又は脱血圧センサ15)で検出された圧力を基準値とした上限値又は下限値から成るので、誤警報をより抑制するとともに、血液浄化治療中(透析治療中)における抜針等の異常事態を更に正確に検出することができる。尚、本実施形態においては、警報値が上限値及び下限値とされているが、例えば静脈圧センサ5(又は脱血圧センサ15)で検出された圧力を基準値とした下限値のみ或いは上限値のみとしてもよい。
報知手段17は、警報値更新手段16にて静脈圧が警報値を超えたと判断された際に、静脈圧センサ5(又は脱血圧センサ15)で検出された圧力が警報値更新手段16で更新された警報値を超えたことを報知して周囲の医療従事者に注意を促すためのもので、スピーカによる所定音の発生、警告灯の点滅又は点灯、或いは表示部による表示(何れも不図示)等によって報知し得るよう構成されている。
上記報知手段17による報知に加え、静脈圧センサ5(又は脱血圧センサ15)で検出された圧力が警報値更新手段16で更新された警報値を超えたことを条件として血液ポンプ3の駆動を停止させるよう構成されている。従って、報知手段17による報知により、血液浄化治療中(透析治療中)における抜針等の異常事態を周囲の医療従事者等に素早く把握させることができ、その後の処置をスムーズに行わせることができるとともに、報知の際に血液ポンプ3の駆動を停止させるので、抜針等の異常事態が生じた際に直ちに血液の体外循環を停止させ、安全性をより向上させることができる。
上記実施形態によれば、警報値更新手段16により、静脈圧センサ5で検出された圧力の経時的変化と脱血圧センサ15で検出された圧力の経時的変化とを比較し、一方の圧力の経時的変化に基づき他方の圧力の警報値を逐次更新させるので、誤警報を抑制するとともに、血液浄化治療中(透析治療中)における抜針等の異常事態(穿刺トラブル)を正確に検出することができる。また、静脈圧における移動平均圧の経時的変化α’、及び脱血圧における移動平均圧の経時的変化β’を求め、それらに基づいて警報値更新手段16による更新がなされるので、血液ポンプ3の脈動による影響を抑制することができる。
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば警報値更新手段16は、静脈圧における移動平均圧の経時的変化α’、及び脱血圧における移動平均圧の経時的変化β’を求めず、静脈圧センサ5及び脱血圧センサ15で検出された生波形を直接比較し、一方の圧力の経時的変化に基づき他方の圧力の警報値を逐次更新させるよう構成してもよい。
また、警報値として下限値のみとし、上限値は透析治療全般に亘って一定に設定された固定値としてもよい。然るに、静脈側穿刺針bの患者からの抜け時、通常、静脈圧は下がるので、下限値を所定時間毎に更新しつつ上限値を固定値とすることにより、穿刺針の患者からの抜けを監視するための制御を簡素化することができる。尚、本実施形態においては、透析装置本体6が透析液供給機構が内蔵されない透析監視装置から成るものであるが、透析液供給機構が内蔵された個人用透析装置に適用するようにしてもよい。また、本発明は、実施形態の如き血液透析療法の他、血液濾過療法や血液濾過透析療法等、他の血液浄化装置に適用することができる。
静脈圧検出手段で検出された圧力の経時的変化と脱血圧検出手段で検出された圧力の経時的変化とを比較し、一方の圧力の経時的変化に基づき他方の圧力の警報値を逐次更新させる警報値更新手段を備えた血液浄化装置であれば、外観が異なるもの或いは他の機能が付加されたものであっても適用することができる。
本発明の実施形態に係る血液透析装置を示す模式図 同血液透析装置における静脈圧センサ及び脱血圧センサで検出された経時的変化α及び経時的変化βを示すグラフ(体動時) 同血液透析装置における静脈圧における移動平均圧の経時的変化α’及び脱血圧における移動平均圧の経時的変化β’を示すグラフ(体動時) 同血液透析装置における静脈圧における移動平均圧の経時的変化α’及び脱血圧における移動平均圧の経時的変化β’を示すグラフ(体動時)であって、警報値の更新がなされた状態を示すグラフ 同血液透析装置における静脈圧センサ及び脱血圧センサで検出された経時的変化α及び経時的変化βを示すグラフ(静脈側穿刺針抜け時) 同血液透析装置における静脈圧における移動平均圧の経時的変化α’及び脱血圧における移動平均圧の経時的変化β’を示すグラフ(静脈側穿刺針抜け時) 同血液透析装置における静脈圧における移動平均圧の経時的変化α’及び脱血圧における移動平均圧の経時的変化β’を示すグラフ(静脈側穿刺針抜け時)であって、警報値の更新がなされた状態を示すグラフ 同血液透析装置における移動平均圧の演算方法を説明するための説明図
符号の説明
1…血液回路
1a…動脈側血液回路
1b…静脈側血液回路
2…ダイアライザ(血液浄化手段)
3…血液ポンプ
4a、4b、4c…ドリップチャンバ
5…静脈圧センサ(静脈圧検出手段)
6…透析装置本体
7…透析液導入ライン
8…透析系排出ライン
9…バイパスライン
10…除水ポンプ
11…加圧ポンプ
12…気泡分離チャンバ
13…大気開放ライン
14…電磁弁
15…脱血圧センサ(脱血圧検出手段)
16…警報値更新手段
17…報知手段
a…動脈側穿刺針
b…静脈側穿刺針

Claims (6)

  1. 患者の血液を体外循環させるべく先端に動脈側穿刺針及び静脈側穿刺針が取り付けられた動脈側血液回路及び静脈側血液回路から成る血液回路と、
    前記動脈側血液回路に配設された血液ポンプと、
    前記動脈側血液回路と静脈側血液回路との間に接続され、当該血液回路を流れる血液を浄化する血液浄化手段と、
    前記静脈側血液回路を流れる患者の血液の圧力を経時的に検出し得る静脈圧検出手段と、
    を具備した血液浄化装置であって、
    前記動脈側血液回路の先端と前記血液ポンプとの間を流れる患者の血液の圧力を経時的に検出し得る脱血圧検出手段と、
    前記静脈圧検出手段で検出された圧力の経時的変化と前記脱血圧検出手段で検出された圧力の経時的変化とを比較し、一方の圧力の経時的変化に基づき他方の圧力の警報値を逐次更新させる警報値更新手段と、
    を備えたことを特徴とする血液浄化装置。
  2. 前記警報値更新手段は、前記脱血圧検出手段による検出値の経時的変化の傾向及び変化量に合わせて前記静脈圧検出手段の検出値に対する警報値を逐次更新させることを特徴とする請求項1記載の血液浄化装置。
  3. 前記警報値更新手段は、前記静脈圧検出手段による検出値の経時的変化の傾向及び変化量に合わせて前記脱血圧検出手段の検出値に対する警報値を逐次更新させることを特徴とする請求項1記載の血液浄化装置。
  4. 前記警報値更新手段により更新される警報値が、前記静脈圧検出手段又は脱血圧検出手段で検出された圧力を基準値とした上限値又は下限値から成ることを特徴とする請求項1〜3の何れか1つに記載の血液浄化装置。
  5. 前記静脈圧検出手段又は脱血圧検出手段で検出された圧力が前記警報値更新手段で更新された警報値を超えたことを報知する報知手段を具備したことを特徴とする請求項1〜4の何れか1つに記載の血液浄化装置。
  6. 前記静脈圧検出手段又は脱血圧検出手段で検出された圧力が前記警報値更新手段で更新された警報値を超えたことを条件として前記血液ポンプの駆動を停止させることを特徴とする請求項1〜5の何れか1つに記載の血液浄化装置。
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