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JP5227842B2 - 排熱再利用システム - Google Patents

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JP5227842B2
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Description

本発明は、発電装置などの排熱源からの排熱を回収して、給湯や暖房などの熱負荷において再利用する排熱再利用システムに関する。
排熱源からの排熱を熱負荷において再利用する技術の開発が進められている。例えば、家庭用のコージェネレーションシステムでは、発電装置での発電に伴って発生する発電熱を排熱として回収し、暖房や給湯などの熱として再利用する。この種の排熱再利用システムでは、熱負荷で必要とされる熱量に対して排熱源から回収した熱量のみでは不足する状況や、熱負荷で要求される温度まで熱媒の温度を昇温することができない状況に対処するために、補助熱源が設けられている。補助熱源は、電気やガスなどのエネルギー資源を消費して、必要なときに必要なだけの熱量を排熱再利用システムに供給する。
近年のエコロジー意識の高まりを受けて、排熱再利用システムの使用者には、自身の生活の中で排熱がどの程度有効に再利用されており、エネルギー資源の消費抑制を通じて地球環境の保全に自身がどの程度貢献しているのかを知りたいという欲求が存在する。特許文献1には、排熱再利用システムの一種であるコージェネレーションシステムにおいて、排熱回収効率を評価する技術が開示されている。特許文献1の技術によれば、使用者は排熱がどの程度の割合で再利用されているのかを知ることができる。
特開平2−309151号公報
特許文献1の技術では、排熱源における排ガスの温度と流量を測定し、排熱からの回収熱量を計算している。しかしながら、排熱源の種類によっては、排熱からの回収熱量を計算するために必要な温度検知手段や流量検知手段の設置が困難な場合がある。同様の計算は排熱回収経路を流れる熱媒の温度と流量を測定することによっても可能であるが、排熱からの回収熱量を計算する目的のためだけにこれらの部品を追加すると、製品のコストアップを招いてしまうことになる。排熱源や排熱回収経路に温度検知手段や流量検知手段を設けなくとも、排熱の再利用状況を使用者に知らせることが可能な技術が期待されている。
本発明は上記課題を解決する。本発明は排熱再利用システムにおいて、排熱源や排熱回収経路に温度検知手段や流量検知手段を設けなくとも、排熱の再利用状況を使用者に知らせることが可能な技術を提供する。
本発明は、排熱源から排熱を回収して熱負荷において再利用するシステムとして具現化される。そのシステムは、蓄熱タンクと、蓄熱タンクと排熱源の間で熱媒を循環する排熱回収経路と、補助熱源と、蓄熱タンクと補助熱源の間で熱媒を循環する補助加熱経路と、蓄熱タンクからの熱媒を熱負荷へ送る熱利用経路と、熱負荷で使用している熱の由来を判定する由来判定装置と、由来判定装置の判定結果を表示する表示装置を備えている。そのシステムにおいて、由来判定装置は、補助熱源における熱供給量の積算値が熱負荷における熱消費量の積算値より多い場合に、熱負荷で消費している熱の由来を補助熱源と判定し、補助熱源における熱供給量の積算値が熱負荷における熱消費量の積算値より少ない場合に、熱負荷で消費している熱の由来を排熱源と判定する。そのシステムにおいて、由来判定装置は、熱負荷で必要とされる熱媒温度を確保するために補助熱源が加熱を開始する時点から、補助熱源からの熱供給量と熱負荷における熱消費量の積算を開始する。
上記の排熱再利用システムでは、熱負荷で必要とされる熱媒温度を確保するために補助熱源が加熱を開始する時点から、補助熱源からの熱供給量と熱負荷における熱消費量の積算を開始する。このように補助熱源が加熱を開始する状況では、蓄熱タンクには熱負荷で使用可能な熱が蓄熱されていないと考えることができる。従って、上記の排熱再利用システムでは、このように補助熱源が加熱を開始する時点から、補助熱源からの熱供給量と熱負荷における熱消費量の積算を開始する。
補助熱源における熱供給量の積算値が熱負荷における熱消費量の積算値を上回る場合、それまでに補助熱源から供給された熱量だけで、それまでに熱負荷で消費された熱量を全て賄えており、排熱源から蓄熱タンクに回収された排熱は熱負荷で使われていないと考えることができる。従って、このような場合に、上記の排熱再利用システムは、熱負荷で使用している熱は補助熱源に由来するものと判定する。
逆に、補助熱源における熱供給量の積算値が熱負荷における熱消費量の積算値を下回る場合、それまでに補助熱源から供給された熱量だけでは、それまでに熱負荷で消費された熱量を賄えておらず、不足する熱量については排熱源から蓄熱タンクに回収された排熱が熱負荷で使用されていると考えることができる。従って、このような場合に、上記の排熱再利用システムは、熱負荷で使用している熱は排熱源に由来するものと判定する。
上記の排熱再利用システムにおいては、排熱源や排熱回収経路に温度検知手段や流量検知手段を設けることなく、熱負荷で使用している熱が、補助熱源に由来するものであるのか、排熱源に由来するものであるのかを判定することができる。自身の生活における排熱の再利用状況を知りたいという使用者の欲求を満足することができる。
上記の排熱再利用システムでは、熱負荷が複数の熱負荷装置を備えており、それぞれの熱負荷装置で必要とされる熱媒温度のうち最低の熱媒温度を確保するために補助熱源が加熱を開始する時点から、補助熱源からの熱供給量と熱負荷における熱消費量の積算を開始することが好ましい。
複数の熱負荷装置としては、例えば給湯装置、暖房装置、風呂装置などがあげられる。一般に、暖房装置で必要とされる熱媒温度は、給湯装置で必要とされる熱媒温度よりも高い。従って、蓄熱タンクの熱媒温度がわずかに低下し、暖房のためには補助熱源による熱の供給が必要となるが、給湯のためには補助熱源による熱の供給が不要である場合がある。このときに蓄熱タンクに残っている蓄熱は、排熱源に由来する熱であるかも知れないし、補助熱源に由来する熱であるかも知れない。このような場合に、暖房のために補助熱源による加熱を開始した時点から熱供給量と熱消費量の積算を開始してしまうと、蓄熱タンクにすでに存在する蓄熱が熱収支から除外されてしまい、熱負荷で使用している熱の由来を適切に判定することができない。そこで、上記の排熱再利用システムでは、それぞれの熱負荷装置で必要とされる熱媒温度のうち最低の熱媒温度を確保するために補助熱源が加熱を開始する時点から、補助熱源からの熱供給量と熱負荷における熱消費量の積算を開始する。上記の例で言えば、暖房のために必要な熱媒温度を確保するために補助熱源が加熱を開始する時点では新たな積算を開始せずに、給湯のために必要な熱媒温度を確保するために補助熱源が加熱を開始する時点で新たに積算を開始する。このような構成とすることによって、熱負荷で使用されている熱の由来を適切に判定することができる。
本発明の排熱再利用システムによれば、排熱源や排熱回収経路に温度検知手段や流量検知手段を設けなくとも、排熱の再利用状況を使用者に知らせることができる。
図1は実施例の排熱再利用システムの系統図である。 図2は給湯運転の処理を示すフローチャートである。 図3は給湯運転の処理を示すフローチャートである。 図4は非燃焼給湯運転の動作の概要を示す図である。 図5は燃焼給湯運転の動作の概要を示す図である。 図6は暖房運転の処理を示すフローチャートである。 図7は暖房運転の処理を示すフローチャートである。 図8は非燃焼暖房運転の動作の概要を示す図である。 図9は燃焼暖房運転の動作の概要を示す図である。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。
(形態1)蓄熱タンクは熱媒としての温水を貯える貯湯タンクである。
(形態2)熱負荷は給湯栓、暖房端末機、風呂の追焚きユニットを備えている。
(形態3)排熱源は燃料電池を用いた発電ユニットである。
(形態4)補助熱源はガスを燃料とするバーナである。
本発明の実施例を、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の排熱再利用システムの一態様であるコージェネレーションシステムの構成を示している。図1に示すように、このコージェネレーションシステムは、発電ユニット150、貯湯ユニット10、熱負荷装置108を備えている。
発電ユニット150は、燃料電池(図示省略)、改質器(図示省略)、熱媒循環流路152、熱回収用熱交換器154を備えている。燃料電池は、改質器で生成される水素ガスを空気中の酸素と反応させて発電を行う。発電に伴って発電熱が発生し、発電熱によって熱媒循環流路152内の熱媒が加熱される。熱媒循環流路152内の熱媒の熱は熱回収用熱交換器154に入力される。熱回収用熱交換器154は、改質器を加熱した排気ガスが通過する熱交換器と、燃料電池の冷却水が通過する熱交換器で構成されている。
貯湯ユニット10は、貯湯部12、バーナ部68、暖房機用熱交換器114、風呂用熱交換器124、各種流路、コントローラ146等を備えている。
コントローラ146は、制御プログラムを記憶している。コントローラ146には、リモコン148の操作信号と、以下で説明する各種流量センサの検出信号と各種サーミスタの検出信号等が入力される。コントローラ146は、入力された信号を制御プログラムで処理し、以下で説明する各種ポンプ、各種弁、バーナ等を制御する。
リモコン148は、風呂の湯張りスイッチ、風呂の追焚きスイッチ、暖房スイッチなどを備えている。リモコン148はまた、給湯温度、暖房温度、風呂の湯張り温度、湯張り量、追焚き温度などを設定する設定ボタンを備えている。リモコン148はさらに、コージェネレーションシステムの運転状態や、設定ボタンによって設定された内容を表示する表示部を備えている。後述するように、リモコン148の表示部には、熱負荷装置108で使用している熱の由来も表示される。
貯湯部12は、貯湯タンク14、タンク上部サーミスタ15、第1タンクサーミスタ16、第2タンクサーミスタ18、第3タンクサーミスタ20、第4タンクサーミスタ22を備えている。タンク上部サーミスタ15は、貯湯タンク14の天井部から差し込まれており、貯湯タンク14の上部の温水の温度を検出する。各タンクサーミスタ16,18,20,22は縦方向にほぼ均等に配置されており、貯湯タンク14内のそれぞれの位置の温水の温度を検出する。タンク上部サーミスタ15と各タンクサーミスタ16,18,20,22の検出信号はコントローラ146に出力される。
貯湯タンク14の底部には、貯湯タンク14に水道水を給水する給水流路24が接続されている。給水流路24には、減圧弁26、給水サーミスタ28、給水量センサ30、給水量サーボ32、混合サーボ34が介装されている。減圧弁26は、給水流路24の上流端近傍に配置されている。減圧弁26は給水圧力を調整するものであり、減圧弁26の下流側圧力が低下すると開き、圧力を所定の調圧値に維持しようとする。このため、貯湯タンク14内の温水が減少したり、後述する混合サーボ34が開いたりすると、減圧弁26の作用によって水道水が給水される。給水サーミスタ28は、給水される水道水の温度を検出する。給水量センサ30は、給水される水道水の流量を検出する。給水サーミスタ28の検出信号と給水量センサ30の検出信号はコントローラ146に出力される。給水量サーボ32と混合サーボ34は、いずれもステッピングモータを内蔵しており、これが駆動されることによって開度が調整されて流量を変化させる。給水量サーボ32は、給水される水道水の流量を調整する。給水量サーボ32の開度はコントローラ146によって制御される。混合サーボ34は、給水流路24と混合流路36の接続部に配置されている。混合サーボ34については後で詳述する。
給水流路24の混合サーボ34の下流側に排水流路38が接続されている。排水流路38の他端は圧力開放流路42に接続されている。圧力開放流路42はコージェネレーションシステムの外部に開放されている。排水流路38には排水弁40が介装されている。排水弁40の開閉は手動で行う。排水弁40が開かれると、貯湯タンク14内の温水が排水流路38と圧力開放流路42を経て排水される。
貯湯タンク14の上部(より具体的には天井部)には、貯湯タンク14内の温水を給湯栓44に給湯する給湯流路46が接続されている。給湯栓44は、浴室、洗面所、台所等にそれぞれ配設されている。給湯流路46には、圧力逃し弁48、給湯量センサ49、温水電磁弁50、高温サーミスタ52、給湯サーミスタ54が介装されている。また、給湯流路46には、先述の混合流路36が接続されている。混合流路36は、温水電磁弁50の下流側であり、かつ高温サーミスタ52と給湯サーミスタ54の間に接続されている。
圧力逃し弁48は圧力開放流路42と接続されている。温水電磁弁50は、給湯が開始されると開かれ、給湯が終了すると閉じられる。給湯が開始されたか否かは、給水量センサ30の検出流量に基づいてコントローラ146によって判断される。高温サーミスタ52は、貯湯タンク14から送り出された温水の温度を検出する。給湯サーミスタ54は、給湯流路46からの温水と混合流路36からの水道水との混合水の温度を検出する。高温サーミスタ52と給湯サーミスタ54の検出信号はコントローラ146に出力される。給湯流路46からの温水と混合流路36からの水道水との混合比は、混合サーボ34の開度によって調整される。混合サーボ34の開度を調整することによって給湯温度を調温することができる。混合サーボ34の開度は、給水サーミスタ28の検出温度と給湯サーミスタ54の検出温度に基づいてコントローラ146によって指示される。給湯のために貯湯タンク14から放出される温水の流量は、給湯量センサ49で検出されてコントローラ146に送られる。
貯湯タンク14と発電ユニット150は熱回収循環流路56によって接続されている。熱回収循環流路56は熱回収用熱交換器154を通過するように配設されている。熱回収循環流路56は、貯湯タンク14から熱回収用熱交換器154へ向かう流路が熱回収循環往路56aであり、熱回収用熱交換器154から貯湯タンク14へ向かう流路が熱回収循環復路56bである。
熱回収循環往路56aは貯湯タンク14の底部と熱回収用熱交換器154の上流端を接続している。熱回収循環往路56aには熱回収循環ポンプ58と循環往路サーミスタ60が介装されている。熱回収循環ポンプ58は熱回収循環流路56内の温水を循環させる。熱回収循環ポンプ58は、発電運転中や熱回収循環流路56内の温水の凍結防止運転中に駆動される。熱回収循環ポンプ58の駆動はコントローラ146によって制御される。循環往路サーミスタ60は、貯湯タンク14の近傍に配置されて、貯湯タンク14から送り出される温水の温度を検出する。循環往路サーミスタ60の検出信号はコントローラ146に出力される。
熱回収循環復路56bは熱回収用熱交換器154の下流端と貯湯タンク14の上部(より具体的には天井部)を接続している。熱回収循環復路56bには循環復路サーミスタ62と三方弁64が介装されている。循環復路サーミスタ62は三方弁64の上流側に配置されて、熱回収用熱交換器154を通過した後の温水の温度を検出する。循環復路サーミスタ62の検出信号はコントローラ146に出力される。三方弁64は1つの入口64aと2つの出口64b、64cを有している。熱回収循環復路56bの上流側部分が入口64aに接続されており、熱回収循環復路56bの下流側部分が出口64cに接続されている。三方弁64の出口64bにはバイパス流路66の一端が接続されている。バイパス流路66の他端は熱回収循環往路56aの途中に接続されている。三方弁64の入口64aと出口64cが連通すると、発電ユニット150と貯湯タンク14を経由する循環流路が形成され、三方弁64の入口64aと出口64bが連通すると、発電ユニット150を経由して貯湯タンク14をバイパスする循環流路が形成される。三方弁64の切換えはコントローラ146によって制御される。
バーナ部68は、バーナ70、潜熱熱交換器72、顕熱熱交換器74を備えている。バーナ70は、ガスを燃料として燃焼する。潜熱熱交換器72に流れ込む水の温度が低いためにバーナ70の燃焼排ガスに含まれる水蒸気が結露し、水蒸気が結露とするときに放出する潜熱で潜熱熱交換器72に流れ込む水が予備加熱される。潜熱熱交換器72で予備加熱された温水は、顕熱熱交換器74でバーナ70の燃焼熱によって再加熱される。
顕熱熱交換器74で結露した水には窒素酸化物が溶け込んでおり、酸性ドレインが生じる。潜熱熱交換器72には、ドレインを排出又は回収するためのドレイン流路92が接続されている。ドレイン流路92は、圧力開放流路42に接続されている。ドレイン流路92には、中和器94が介装されている。中和器94内には炭酸カルシウムが充填されている。酸性のドレインは、中和器94内を通過する間に、炭酸カルシウムによってpH6から7に中和される。中和器内のドレインが所定の水位を超えると、その水位を超えた分のドレインは圧力開放流路42を介して排出される。
貯湯タンク14とバーナ部68はバーナ循環流路76によって接続されている。バーナ循環流路76は、バーナ部68内の潜熱熱交換器72と顕熱熱交換器74を順に通過するように配設されている。バーナ循環流路76は、貯湯タンク14からバーナ部68へ向かう流路がバーナ循環往路76aであり、バーナ部68から貯湯タンク14へ向かう流路がバーナ循環復路76bである。バーナ循環復路76bには、後述する暖房機用熱交換器114をバイパスする熱交バイパス流路79が形成されている。熱交バイパス流路79は、暖房機用熱交換器114の上流側でバーナ循環復路76bから分岐し、下流側でバーナ循環復路76bと合流している。
バーナ循環往路76aは貯湯タンク14の中間部(第1タンクサーミスタ16と第2タンクサーミスタ18との中間)と潜熱熱交換器72の上流端を接続している。バーナ循環往路76aには、バーナ循環往路サーミスタ81、バーナ循環ポンプ80、バーナ循環流量センサ82、バーナ循環流量サーボ84が介装されている。バーナ循環往路サーミスタ81は、バーナ循環往路76aを通過する温水の温度を検出する。バーナ循環ポンプ80はバーナ循環流路76内の温水を循環させる。バーナ循環ポンプ80の駆動はコントローラ146によって制御される。バーナ循環流量センサ82は、バーナ循環流路76内の温水の流量を検出する。バーナ循環流量センサ82の検出信号はコントローラ146に出力される。バーナ循環流量サーボ84は、ステッピングモータを内蔵しており、これが駆動されることによって開度が調整されて流量を変化させる。バーナ循環流量サーボ84は、バーナ循環流路76内の温水の流量を調整する。バーナ循環流量サーボ84の開度はコントローラ146によって制御される。
バーナ循環復路76bは顕熱熱交換器74の下流端と貯湯タンク14の天井部を接続している。バーナ循環復路76bは暖房機用熱交換器114を通過するように配設されている。暖房機用熱交換器114にはバーナ循環復路76b内の温水の熱が入力される。バーナ循環復路76bにはバーナ出口サーミスタ88と熱交換器出口サーミスタ90が介装されている。バーナ出口サーミスタ88は、バーナ部68を通過した後の温水の温度を検出する。熱交換器出口サーミスタ90は、暖房機用熱交換器114を通過した後の温水の温度を検出する。バーナ出口サーミスタ88の検出信号と熱交換器出口サーミスタ90の検出信号はコントローラ146に出力される。バーナ循環復路76bの熱交換器出口サーミスタ90の下流側には、第2制御弁160が設けられている。第2制御弁160の開閉は、コントローラ146によって制御される。
バーナ循環復路76bの熱交換器出口サーミスタ90と第2制御弁160の間に、第2バーナ循環復路166の一端が接続している。第2バーナ循環復路166の他端は、バーナ循環往路76aの貯湯タンク14とバーナ循環ポンプ80の間に接続している。第2バーナ循環復路166には第3制御弁162が設けられている。第3制御弁162の開閉は、コントローラ146によって制御される。
バーナ循環復路76bの熱交換器出口サーミスタ90と第2制御弁160の間に、第3バーナ循環復路168の一端が接続している。第3バーナ循環復路168の他端は、貯湯タンク14の下部に接続している。第3バーナ循環復路168には第4制御弁164が設けられている。第4制御弁164の開閉は、コントローラ146によって制御される。
第2制御弁160、第3制御弁162および第4制御弁164は、何れか1つが開かれ、他の2つは閉じられるように、コントローラ146によって制御される。第2制御弁160が開かれ、第3制御弁162と第4制御弁164が閉じられると、暖房機用熱交換器114を通過した温水はバーナ循環復路76bを経由して貯湯タンク14の上部に流入する。第3制御弁162が開かれ、第2制御弁160と第4制御弁164が閉じられると、暖房機用熱交換器114を通過した温水はバーナ循環復路76bから第2バーナ循環復路166を経由してバーナ循環往路76aに流入する。第4制御弁164が開かれ、第2制御弁160と第3制御弁162が閉じられると、暖房機用熱交換器114を通過した温水はバーナ循環復路76bから第3バーナ循環復路166を経由して貯湯タンク14の下部に流入する。
熱交バイパス流路79には、第1制御弁87が設けられている。第1制御弁87の開閉は、コントローラ146によって制御される。第1制御弁87が閉じると、バーナ部68を通過した温水は全て暖房機用熱交換器114を通過することになる。第1制御弁87が開くと、バーナ部68を通過した温水の一部は暖房機用熱交換器114を通過し、残りは熱交バイパス流路79を通過することになる。即ち、第1制御弁87を開閉することによって、バーナ部68を通過した温水について、暖房機用熱交換器114を通過する温水の流量と熱交バイパス流路79を通過する温水の流量の割合を調整することができる。なお、その割合は、バーナ循環復路76bと熱交バイパス流路79の合流点と分岐点の間における、バーナ循環復路76bの流路抵抗と熱交バイパス流路79の流路抵抗により定まる。
給湯流路46からは、シスターン給水流路102が分岐している。シスターン給水流路102には、負圧弁104、シスターン給水弁106が介装されている。負圧弁104は、断水時等で給水流路24が負圧になったときに開かれ、大気を吸引して貯湯タンク14の負圧による破損を防止する。シスターン給水弁106は、シスターン100に貯湯タンク14からの温水を給水するときに開かれる。シスターン100内の温水は図示しない水位センサによって水位が監視されている。シスターン100内の温水の水位が、所定の水位範囲内であるときにはシスターン給水弁106は閉じられており、所定の水位範囲を逸脱したことが判別されるとシスターン給水弁106が開かれる。シスターン給水弁106の開閉はコントローラ146によって制御される。シスターン100にはオーバーフロー流路98が接続している。オーバーフロー流路98の他端は、中和器94の下流側でドレイン流路92に接続している。シスターン100内の温水が所定の水位を超える場合に、その所定の水位を超える分の温水は、オーバーフロー流路98と圧力開放流路42を介して排出される。
本実施例では、熱負荷装置108として暖房装置、風呂装置、給湯装置を有している。暖房装置の端末機としては、エアコンと床暖房機を有している。図1中では、エアコンと床暖房機を暖房端末機110として示している。シスターン100と暖房端末機110は暖房循環流路112によって接続されている。暖房循環流路112は、シスターン100から暖房端末機110へ向かう流路が暖房循環往路112aであり、暖房端末機110からシスターン100へ向かう流路が暖房循環復路112bである。暖房循環往路112aは暖房機用熱交換器114を通過するように配設されている。暖房循環往路112aには、暖房循環ポンプ116、暖房循環サーミスタ118が介装されている。暖房循環ポンプ116は、暖房循環流路112内の温水を循環させる。即ち、本実施例では、暖房用の熱媒体として温水を用いる。暖房循環ポンプ116は、暖房端末機110のスイッチの操作に伴って駆動される。暖房循環ポンプ116の駆動はコントローラ146によって制御される。暖房循環サーミスタ118は、暖房機用熱交換器114の下流側に配置されて、暖房機用熱交換器114を通過した後の温水の温度を検出する。暖房循環サーミスタ118の検出信号はコントローラ146に出力される。暖房端末機110内の暖房循環流路112には暖房熱動弁120が介装されている。暖房熱動弁120は、暖房端末機のスイッチの操作に伴って開閉する。暖房熱動弁120の開閉はコントローラ146によって制御される。
暖房循環往路112aの暖房機用熱交換器114の下流側であり、かつ暖房循環サーミスタ118の下流側からは、追焚き流路122が分岐している。追焚き流路122の下流端は暖房循環復路112bのシスターン100近傍に接続されている。追焚き流路122は風呂用熱交換器124を通過するように配設されている。暖房循環往路112a内の温水の熱は、風呂用熱交換器124に入力される。追焚き流路122には、追焚き熱動弁126が介装されている。追焚き熱動弁126は、風呂の追焚きスイッチの操作に伴って開閉する。追焚き熱動弁126の開閉はコントローラ146によって制御される。
風呂の浴槽128には風呂循環流路130が接続されている。風呂循環流路130は、風呂用熱交換器124を通過するように配設されている。風呂循環流路130は、浴槽128から風呂用熱交換器124へ向かう流路が風呂循環往路130aであり、風呂用熱交換器124から浴槽128へ向かう流路が風呂循環復路130bである。風呂循環往路130aには、風呂水位センサ132、風呂循環ポンプ134、風呂水流スイッチ136、風呂循環サーミスタ138が介装されている。風呂水位センサ132は、風呂循環流路130内の温水の水圧を検出する。風呂水位センサ132の検出信号はコントローラ146に出力される。風呂水位センサ132によって検出される水圧は、浴槽128内の温水の水位を推定するために利用される。風呂循環ポンプ134は、風呂循環流路130内の温水を循環させる。風呂循環ポンプ134は、リモコン148のスイッチの操作に伴って駆動される。風呂循環ポンプ134の駆動はコントローラ146によって制御される。風呂水流スイッチ136は、風呂循環流路130内を温水が流れるとオンとなる。風呂水流スイッチ136のオンオフ信号はコントローラ146に出力される。風呂循環サーミスタ138は、風呂用熱交換器124の上流側に配置されて、風呂用熱交換器124に入水する温水の温度を検出する。風呂循環サーミスタ138の検出信号はコントローラ146に出力される。
給湯流路46と風呂循環流路130は、湯張り流路140によって接続されている。湯張り流路140の上流端は給湯流路46の給湯サーミスタ54の下流側に接続されており、湯張り流路140の下流端は風呂循環流路130の風呂循環往路130aの風呂循環ポンプ134と風呂水流スイッチ136との間に接続されている。湯張り流路140には、湯張り量センサ142、注湯電磁弁144が介装されている。湯張り量センサ142は、湯張り流路140を通過する温水の流量を検出する。湯張り量センサ142の検出信号はコントローラ146に出力される。注湯電磁弁144は、リモコン148のスイッチの操作や浴槽128内の温水の水位によって開閉する。注湯電磁弁144の開閉はコントローラ146によって制御される。
次に、貯湯ユニット10で行われる蓄熱運転、給湯運転、暖房運転、風呂湯張り運転、風呂追焚き運転についてそれぞれ説明する。
(蓄熱運転)
蓄熱運転については、従来のコージェネレーションシステムと同様に行われるため、詳細な説明を避け、概略の説明に留める。発電ユニット150において発電運転が行われると、熱媒循環流路152内の熱媒が循環し、熱回収用熱交換器154に発電熱が入力される。貯湯ユニット10では、熱回収循環ポンプ58が駆動され、貯湯タンク14内の温水が、貯湯タンク14の底部から熱回収循環往路56aへ吸い出される。熱回収循環往路56a内の温水は、熱回収用熱交換器154へ流入して加熱される。加熱された温水は熱回収循環復路56bを経て貯湯タンク14の天井部へ戻される。これによって、発電ユニット150において発電に伴って発生する発電熱が貯湯タンク14内へ回収されて蓄熱される。貯湯タンク14内の温水は上部から昇温していく。
貯湯タンク14内への蓄熱が完了し、満蓄状態となると、シスターン給水弁106が開かれる。これによって、貯湯タンク14の上部に貯められていた高温水がシスターン給水流路102を経てシスターン100内へ供給される。
(給湯運転)
給湯運転について、図2−図5を用いて説明する。図2と図3は給湯運転のフローチャートである。
図2のステップS202では、給水量センサ30の検出流量が2.7リットル/min以上となったか否かが判別される。給水量センサ30の検出流量が2.7リットル/min以上となると(ステップS202でYESとなると)、給湯栓44が開かれて給湯要求があったとみなされる。ステップS204に進み、温水電磁弁50が開かれる。これによって、貯湯タンク14内の上部に貯められていた温水が給湯流路46に送り出される。
ステップS206に進み、タンク上部サーミスタ15の検出温度が、給湯設定温度+5℃以上であるか否かが判別される。給湯設定温度はリモコン148で設定されている。タンク上部サーミスタ15の検出温度が給湯設定温度+5℃以上であれば(ステップS206でYESであれば)、貯湯タンク14内の温水を加熱することなく給湯可能とみなされる。このような場合、ステップS208に進み、非燃焼給湯運転が行われる。非燃焼給湯運転では、バーナ70を燃焼させず、バーナ循環ポンプ80も駆動されない。
ステップS208では、給湯サーミスタ54の検出温度が給湯設定温度となるように、混合サーボ34の開度が調整される。貯湯タンク14の上部から給湯流路46に送り出された温水が、給水流路24から混合流路36に送り出された水道水と混合して、給湯設定温度に調温された温水が給湯栓44に供給される。図4は非燃焼給湯運転におけるコージェネレーションシステムの動作の概要を示している。図4では、水又は温水が流れる流路が太線で示されている。
ステップS210では、発電ユニット150からの熱回収量を除いた貯湯タンク14の熱収支を計算する。貯湯タンク14の熱収支は、貯湯タンク14の湯切れに応じてバーナ部68による加熱を開始した時点からの、バーナ部68における熱供給量の積算値と、熱負荷装置108における熱消費量の積算値の差として計算することができる。
バーナ部68における単位時間当たりの熱供給量は、[(バーナ出口サーミスタ88の検出温度)−(バーナ循環往路サーミスタ81の検出温度)]×(バーナ循環流量センサ82の検出流量)で計算することができる。これを積算することによって、バーナ部68における熱供給量の積算値を算出することができる。
熱負荷装置108における単位時間当たりの熱消費量は、給湯栓44、暖房端末機110、風呂の浴槽128のそれぞれにおける単位時間当たりの熱消費量の総和で与えられる。
給湯栓44における単位時間当たりの熱消費量は、[(給湯サーミスタ54の検出温度)−(給水サーミスタ28の検出温度)]×(給水量センサ30の検出流量)で計算することができる。
風呂の浴槽128における熱消費としては、風呂の湯張りの際の熱消費と、風呂の追焚きの際の熱消費がある。風呂の湯張りの際の単位時間当たりの熱消費量は、[(給湯サーミスタ54の検出温度)−(給水サーミスタ28の検出温度)]×(湯張り量センサ142の検出流量)で計算することができる。風呂の追焚きの際の熱消費については、暖房端末機110における熱消費と合わせて計算される。
暖房端末機110(および風呂の追焚き)における単位時間当たりの熱消費量は、[(熱交換器出口サーミスタ90の検出温度)−(バーナ出口サーミスタ88の検出温度)]×(バーナ循環流量センサ82の検出流量)×(流量比)で計算される。ここでいう流量比とは、バーナ部68を流れる温水の全流量に対する、暖房機用熱交換器114を通過する温水の流量の比である。この流量比は、熱交バイパス流路79の配管抵抗と、暖房機用熱交換器114およびバーナ循環復路76bの配管抵抗から算出することができる。
上記のように給湯栓44、暖房端末機110、風呂の浴槽128のそれぞれにおける単位時間当たりの熱消費量の総和を計算し、これを積算することによって、熱負荷装置108における熱消費量の積算値を算出することができる。
ステップS212では、ステップS210で計算された貯湯タンク14の熱収支から、熱負荷装置108で使用している熱の由来を判定する。上記したように、ステップS210で計算される貯湯タンク14の熱収支では、発電ユニット150から回収された排熱については考慮されていない。実際の貯湯タンク14には、ステップS210における計算で考慮したもの以外に、貯湯タンク14が湯切れしてバーナ部68による加熱を開始した時点以降に発電ユニット150から回収された排熱が蓄積されている。ステップS212では、発電ユニット150から回収した排熱が、熱負荷装置108で使用されることなくそのまま貯湯タンク14に蓄積されているのか、熱負荷装置108で有効に活用されているのかを判断する。
ステップS210で計算された貯湯タンク14の熱収支が正になる場合には、バーナ部68における熱供給量の積算値が、熱負荷装置108における熱消費量の積算値よりも過剰である。これは、熱供給量と熱消費量の積算を開始してから現在までの間に熱負荷装置108において消費された熱量が、バーナ部68において供給された熱量だけで全て賄われていることを意味する。すなわち、このような場合には、発電ユニット150から貯湯タンク14に回収された熱量は熱負荷装置108で使用されていない。従って、このような場合には、コントローラ146は、熱負荷装置108で使用している熱がバーナ部68に由来するものであると判定する。
ステップS210で計算された貯湯タンク14の熱収支が負になる場合には、バーナ部68における熱供給量の積算値が、熱負荷装置108における熱消費量の積算値よりも不足している。これは、熱供給量と熱消費量の積算を開始してから現在までの間に熱負荷装置108において消費された熱量は、バーナ部68において供給された熱量だけでは賄えていないことを意味する。すなわち、このような場合には、発電ユニット150から貯湯タンク14に回収された熱量も熱負荷装置108で使用されている。従って、このような場合には、コントローラ146は、熱負荷装置108で使用している熱が発電ユニット150に由来するものであると判定する。
ステップS212での判定結果は、リモコン148に表示される。コージェネレーションシステムの使用者は、リモコン148の表示から、熱負荷装置108で使用している熱が、バーナ部68に由来するものであるのか、あるいは発電ユニット150に由来するものであるのかを、知ることができる。
ステップS214では、給水量センサ30の検出流量が2.0リットル/min以下であるか否かが判別される。給水量センサ30の検出流量が2.0リットル/minを超えていれば(ステップS214でNOであれば)、まだ給湯栓44が開かれており、給湯中であるとみなされてステップS206へ戻る。
ステップS214で給水量センサ30の検出流量が2.0リットル/min以下となれば(YESとなれば)、給湯栓44が閉じられたとみなされる。ステップS216へ進み、温水電磁弁50を閉じて、給湯運転を終了する。
ステップS206で第1タンクサーミスタ16の検出温度が給湯設定温度+5℃未満であった場合(NOであった場合)には、貯湯タンク14内の温水を加熱することなく給湯することが不可能とみなされる。このような場合、図3のステップS302に進み、燃焼給湯運転が行われる。
ステップS302では、バーナ部68を通過する温水の流路を確保するために第1制御弁87を開く。なおステップS302では、第1制御弁87を開くと同時に、第2制御弁160と第3制御弁162と第4制御弁164が閉じられる。ステップS304では、バーナ循環ポンプ80を駆動する。
ステップS306では、貯湯タンク14の熱収支をリセットして、バーナ部68において供給される熱量と熱負荷装置108において消費される熱量の積算を開始する。
ステップS308では、バーナ70を点火する。ステップS308の処理は、より具体的には、バーナ循環流量センサ82によって検出される流量が、2.7(リットル/分)以上となったらバーナ70を点火する。この処理は、顕熱熱交換器74内の温水の局所的な沸騰を防止するためである。
ステップS310では、バーナ出口サーミスタ88の検出温度が80℃となるようにバーナ70の燃焼量が制御される。バーナ部68に送り出された温水は80℃に加熱され、バーナ循環復路76bを経て貯湯タンク14の上部に戻される。
ステップS312では、給湯サーミスタ54の検出温度が給湯設定温度となるように、混合サーボ34の開度が調整される。貯湯タンク14の上部から給湯流路46に送り出された温水が、給水流路24から混合流路36に送り出された水道水と混合して、給湯設定温度に調温された温水が給湯栓44に供給される。図5は燃焼給湯運転におけるコージェネレーションシステムの動作の概要を示している。図5では、水又は温水が流れる流路が太線で示されている。
ステップS314では、図2のステップS210と同様に、発電ユニット150からの熱回収量を除いた貯湯タンク14の熱収支を計算する。
ステップS316では、図2のステップS212と同様に、熱負荷装置108で使用している熱の由来を判別する。ステップS316での判定結果は、リモコン148に表示される。
ステップS318では、タンク上部サーミスタ15の検出温度が78℃を超えているか否かが判別される。タンク上部サーミスタ15の検出温度が78℃を超えていれば(YESであれば)、貯湯タンク14の上部には十分に高温の温水が貯えられているので、燃焼給湯運転から非燃焼給湯運転に切替える。この場合、ステップS328でバーナ70を消火し、ステップS330でバーナ循環ポンプ80を停止し、ステップS332で第1制御弁87を閉じて、図2のステップS208へ移行する。
ステップS318でタンク上部サーミスタ15の検出温度が78℃以下の場合(NOの場合)には、ステップS320へ進む。ステップS320では、給水量センサ30の検出流量が2.0リットル/min以下であるか否かが判別される。給水量センサ30の検出流量が2.0リットル/minを超えていれば(ステップS320でNOであれば)、まだ給湯栓44が開かれており、給湯中であるとみなされてステップS310へ戻る。
ステップS320で、給水量センサ30の検出流量が2.0リットル/min以下となれば(YESとなれば)、給湯栓44が閉じられたとみなされる。ステップS322でバーナ70を消火し、ステップS324でバーナ循環ポンプ80を停止し、ステップS326で第1制御弁87を閉じて、図2のステップS216で温水電磁弁50を閉じる。給湯運転が終了する。
以上のように、本実施例では、給湯運転において貯湯タンク14が湯切れしてバーナ部68による加熱を開始する時点で、貯湯タンク14の熱収支がリセットされる。その後、貯湯タンク14の熱収支は、バーナ部68における熱供給量の積算値と、熱負荷装置108における熱消費量の積算値の差として算出される。この熱収支が正の場合には、熱負荷装置108で消費された熱は全てバーナ部68から供給された熱で賄われており、発電ユニット150から貯湯タンク14に回収された排熱は熱負荷装置108で使用されていない。従って、この場合には、熱負荷装置108で現在使用している熱はバーナ部68に由来するものであると判定する。逆に、この熱収支が負の場合には、熱負荷装置108で消費された熱はバーナ部68から供給された熱だけでは賄いきれておらず、発電ユニット150から貯湯タンク14に回収された排熱も熱負荷装置108で使用されている。従って、この場合には、熱負荷装置108で現在使用してる熱は発電ユニット150に由来するものであると判定する。このように、本実施例のコージェネレーションシステムによれば、熱負荷装置108で現在使用している熱の由来を使用者に知らせることができ、自身の生活が地球環境の保全にどの程度貢献しているのかを知りたいという使用者の欲求を満足することができる。
貯湯タンク14が湯切れしてバーナ部68による加熱を開始する時点でリセットされた貯湯タンク14の熱収支は、給湯運転が終了した後もリセットすることなく保持される。その後に貯湯タンク14の蓄熱を利用した風呂の湯張り運転、暖房運転、風呂の追焚き運転などが行われる場合や、レジオネラ菌の対策として貯湯タンク14の沸かし上げを行う場合であっても、バーナ部68における熱供給量の積算値と、熱負荷装置108における熱消費量の積算値は、引き続き積算されていく。なお、後述するように、暖房運転や風呂の追い焚き運転において、貯湯タンク14の蓄熱を利用することなくバーナ部68による加熱のみを行う場合がある。貯湯タンク14の蓄熱を利用することなくバーナ部68による加熱のみを行う期間については、バーナ部68における熱供給量と熱負荷装置108における熱消費量は貯湯タンク14の熱収支には反映させない。このような期間については、それまでの貯湯タンク14の熱収支に関わらず、熱負荷装置108で現在使用している熱はバーナ部68に由来するものであると判定する。
(風呂の湯張り運転)
風呂の湯張り運転については、上記の給湯運転とほぼ同様であるので、詳細な説明は省略する。リモコン148で風呂の湯張りスイッチがオンになると、コントローラ146は注湯電磁弁144を開く。給水量センサ30の検出流量が2.7リットル/min以上となると、上記の給湯運転と同様の運転が開始される。風呂の湯張り運転では、コントローラ146は、湯張り量センサ142で検出される流量を積算し、積算流量がリモコン148で設定した湯張り量に達した時点で注湯電磁弁144を閉じる。給水量センサ30の検出流量が2.0リットル/min以下となると、風呂の湯張り運転が終了する。本実施例のコージェネレーションシステムでは、この風呂の湯張り運転においても、貯湯タンク14の熱収支に基づいて、熱負荷装置108で現在使用している熱の由来を判定して、リモコン148に表示することができる。
(暖房運転)
暖房運転について、図6−図9を用いて説明する。図6と図7は暖房運転のフローチャートである。
図6のステップS602では、リモコン148において暖房のスイッチがオンになったか否かが判別される。暖房スイッチがオンになると(ステップS602でYESとなると)、暖房端末機110の運転要求があったと判断し、ステップS604へ進む。以下では、起動した暖房装置が低温端末機である床暖房機である場合について説明する。
ステップS604では、第3タンクサーミスタ20の検出温度が50℃以上であるか否かを判断する。第3タンクサーミスタ20の検出温度が50℃以上であれば(ステップS604でYESであれば)、貯湯タンク14の蓄熱のみで暖房運転が可能とみなされる。このような場合、ステップS606に進み、非燃焼暖房運転が行われる。非燃焼暖房運転では、バーナ70を燃焼させない。
ステップS606では、第4制御弁164を開く。ステップS608では、バーナ循環ポンプ80が駆動される。これによって、貯湯タンク14からの温水がバーナ部68を経由して暖房機用熱交換器114に送られる。
ステップS610では、暖房端末機110の暖房熱動弁120を開く。ステップS612では、暖房循環ポンプ116を駆動する。これによって、シスターン100内の温水が、暖房機用熱交換器114で加熱され、暖房端末機110に送り出される。図8は非燃焼給湯運転の動作の概要を示している。図8では、水又は温水が流れる流路が太線で示されている。
ステップS614では、図2のステップS210や図3のステップS314と同様に、発電ユニット150からの熱回収量を除いた貯湯タンク14の熱収支を計算する。
ステップS616では、図2のステップS212や図3のステップS316と同様に、熱負荷装置108で使用している熱の由来を判別する。ステップS616での判定結果は、リモコン148に表示される。
ステップS618では、第3タンクサーミスタ20の検出温度が50℃以上であるか否かを判断する。第3タンクサーミスタ20の検出温度が50℃以上であれば(ステップS618でYESであれば)、非燃焼暖房運転の継続が可能と判断して、ステップS620へ進む。
ステップS620では、リモコン148の暖房スイッチがオフになったか否かを判断する。暖房スイッチがオンのままの場合(NOの場合)には、ステップS614へ戻る。暖房スイッチがオフになると(ステップS620でYESとなると)、ステップS622へ進む。
ステップS622では、暖房循環ポンプ116を停止する。ステップS624では、暖房熱動弁120を閉じる。ステップS626では、バーナ循環ポンプ80を停止する。ステップS628では、第4制御弁164を閉じる。暖房運転を終了する。
ステップS604で第3タンクサーミスタ20の検出温度が50℃未満の場合(NOの場合)には、燃焼暖房運転を開始するために、図7のステップS702へ進む。
ステップS702では、第3制御弁162を開く。ステップS704では、バーナ循環ポンプ80を駆動する。ステップS706では、バーナ70を点火する。これによって、バーナ部68で加熱された温水が、暖房機用熱交換器114に送られて、その後にバーナ部68に戻る循環が開始する。
ステップS708では、暖房端末機110の暖房熱動弁120を開く。ステップS710では、暖房循環ポンプ116を駆動する。これによって、シスターン100内の温水が、暖房機用熱交換器114で加熱されて、暖房端末機110に送り出される。図9は燃焼暖房運転の概要を示している。図9では、水又は温水が流れる流路が太線で示されている。ステップS710の後、処理はステップS712へ進む。
図6のステップS618で第3タンクサーミスタ20の検出温度が50℃未満の場合(NOの場合)には、非燃焼暖房運転から燃焼暖房運転へ切替えるために、図7のステップS730へ進む。
ステップS730では、第3制御弁162を開く。ステップS732では、第4制御弁164を閉じる。ステップS734では、バーナ70を点火する。これによって、バーナ部68で加熱された温水が、暖房機用熱交換器114に送られて、その後にバーナ部68に戻る循環が開始する。ステップS734の後、処理はステップS712へ進む。
ステップS712では、熱負荷装置108で現在使用している熱はバーナ部68に由来するものであると判定する。ステップS712の処理を行う時点では、温水は貯湯タンク14を介さずにバーナ部68と暖房機用熱交換器114の間を循環しており、貯湯タンク14の蓄熱が熱負荷装置108で何ら使用されていないことは明らかである。従って、それまでの貯湯タンク14の熱収支に関わらず、熱負荷装置108で現在使用している熱はバーナ部68に由来するものであると判定する。また、このように貯湯タンク14の蓄熱が熱負荷装置108で使用されていないことが明らかな期間については、バーナ部68における熱供給量と熱負荷装置108における熱消費量は貯湯タンク14の熱収支には反映させない。ステップS712での判定結果は、リモコン148に表示される。
ステップS716では、第3タンクサーミスタ20の検出温度が50℃以上であるか否かを判断する。第3タンクサーミスタ20の検出温度が50℃に満たない場合(NOの場合)は、燃焼暖房運転を継続するために、ステップS718へ進む。
ステップS718では、リモコン148の暖房スイッチがオフになったか否かを判断する。暖房スイッチがオンのままの場合(NOの場合)には、ステップS712へ戻る。暖房スイッチがオフになると(ステップS718でYESとなると)、ステップS720へ進む。
ステップS720では、暖房循環ポンプ116を停止する。ステップS722では、暖房熱動弁120を閉じる。ステップS724では、バーナ70を消火する。ステップS726では、バーナ循環ポンプ80を停止する。ステップS728では、第3制御弁162を閉じる。暖房運転を終了する。
ステップS716で第3タンクサーミスタ20の検出温度が50℃以上となった場合(YESとなった場合)には、燃焼暖房運転から非燃焼暖房運転に切替えるため、ステップS736へ進む。
ステップS736では、バーナ70を消火する。ステップS738では、第4制御弁164を開く。ステップS740では、第3制御弁162を閉じる。ステップS740の後、図6のステップS614へ進む。
以上のように、本実施例のコージェネレーションシステムでは、暖房運転においても、貯湯タンク14の熱収支に基づいて、熱負荷装置108で現在使用している熱の由来を判定し、リモコン148に表示することができる。
なお給湯運転の場合と異なり、暖房運転の場合には、貯湯タンク14の熱収支のリセットは行われない。暖房運転においては、暖房機用熱交換器114に高温の温水を送る必要があり、貯湯タンク14の内部にある程度の熱量が残っている場合でも、バーナ部68による加熱を開始する必要がある。この際に貯湯タンク14の熱収支をリセットしてしまうと、貯湯タンク14に残っている蓄熱が熱収支から除外されてしまい、熱負荷装置108で使用している熱の由来を適切に判定することができなくなってしまう。そこで本実施例では、暖房運転においてバーナ部68による加熱が必要となった場合でも、貯湯タンク14の熱収支のリセットは行わない。
(風呂の追焚き運転)
風呂の追焚き運転については、上記の暖房運転とほぼ同様であるので、詳細な説明は省略する。リモコン148で風呂の追焚きスイッチがオンになると、コントローラ146は、暖房熱動弁120を開く代わりに、追焚き熱動弁126を開いて、風呂循環ポンプ134を駆動する。それ以外の動作は、上記の暖房運転と同様である。風呂の追焚き運転では、コントローラ146は、風呂循環サーミスタ138の検出温度がリモコン148で設定された追焚き温度に達した時点で、暖房熱動弁120を閉じる代わりに、風呂循環ポンプ134を停止し、追焚き熱動弁126を閉じて、風呂の追焚き運転を終了する。本実施例のコージェネレーションシステムでは、この風呂の追焚き運転においても、貯湯タンク14の熱収支に基づいて、熱負荷装置108で現在使用している熱の由来を判定して、リモコン148に表示することができる。なお、暖房運転の場合と同様に、貯湯タンク14の蓄熱が熱負荷装置108で使用されていないことが明らかな場合については、それまでの貯湯タンク14の熱収支に関わらず、熱負荷装置108で現在使用している熱はバーナ部68に由来するものであると判定する。
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
10 貯湯ユニット
12 貯湯部
14 貯湯タンク
15 タンク上部サーミスタ
16 第1タンクサーミスタ
18 第2タンクサーミスタ
20 第3タンクサーミスタ
22 第4タンクサーミスタ
24 給水流路
26 減圧弁
28 給水サーミスタ
30 給水量センサ
32 給水量サーボ
34 混合サーボ
36 混合流路
38 排水流路
40 排水弁
42 圧力開放流路
44 給湯栓
46 給湯流路
48 圧力逃し弁
49 給湯量センサ
50 温水電磁弁
52 高温サーミスタ
54 給湯サーミスタ
56 熱回収循環流路
56a 熱回収循環往路
56b 熱回収循環復路
58 熱回収循環ポンプ
60 循環往路サーミスタ
62 循環復路サーミスタ
64 三方弁
64a 入口
64b、64c 出口
66 バイパス流路
68 バーナ部
70 バーナ
72 潜熱熱交換器
74 顕熱熱交換器
76 バーナ循環流路
76a バーナ循環往路
76b バーナ循環復路
79 熱交バイパス流路
80 バーナ循環ポンプ
81 バーナ循環往路サーミスタ
82 バーナ循環流量センサ
84 バーナ循環流量サーボ
87 第1制御弁
88 バーナ出口サーミスタ
90 熱交換器出口サーミスタ
92 ドレイン流路
94 中和器
98 オーバーフロー流路
100 シスターン
102 シスターン給水流路
104 負圧弁
106 シスターン給水弁
108 熱負荷装置
110 暖房端末機
112 暖房循環流路
112a 暖房循環往路
112b 暖房循環復路
114 暖房機用熱交換器
116 暖房循環ポンプ
118 暖房循環サーミスタ
120 暖房熱動弁
122 追焚き流路
124 風呂用熱交換器
126 追焚き熱動弁
128 浴槽
130 風呂循環流路
130a 風呂循環往路
130b 風呂循環復路
132 風呂水位センサ
134 風呂循環ポンプ
136 風呂水流スイッチ
138 風呂循環サーミスタ
140 湯張り流路
142 湯張り量センサ
144 注湯電磁弁
146 コントローラ
148 リモコン
150 発電ユニット
152 熱媒循環流路
154 熱回収用熱交換器
160 第2制御弁
162 第3制御弁
164 第4制御弁
166 第2バーナ循環復路
168 第3バーナ循環復路

Claims (2)

  1. 排熱源から排熱を回収して熱負荷において再利用するシステムであって、
    蓄熱タンクと、
    蓄熱タンクと排熱源の間で熱媒を循環する排熱回収経路と、
    補助熱源と、
    蓄熱タンクと補助熱源の間で熱媒を循環する補助加熱経路と、
    蓄熱タンクからの熱媒を熱負荷へ送る熱利用経路と、
    熱負荷で使用している熱の由来を判定する由来判定装置と、
    由来判定装置の判定結果を表示する表示装置を備えており、
    由来判定装置は、補助熱源における熱供給量の積算値が熱負荷における熱消費量の積算値より多い場合に、熱負荷で消費している熱の由来を補助熱源と判定し、補助熱源における熱供給量の積算値が熱負荷における熱消費量の積算値より少ない場合に、熱負荷で消費している熱の由来を排熱源と判定し、
    由来判定装置は、熱負荷で必要とされる熱媒温度を確保するために補助熱源が加熱を開始する時点から、補助熱源からの熱供給量と熱負荷における熱消費量の積算を開始する排熱再利用システム。
  2. 熱負荷が複数の熱負荷装置を備えており、
    それぞれの熱負荷装置で必要とされる熱媒温度のうち最低の熱媒温度を確保するために補助熱源が加熱を開始する時点から、補助熱源からの熱供給量と熱負荷における熱消費量の積算を開始する請求項1の排熱再利用システム。
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