JP5200726B2 - インプリント方法、プレインプリントモールド、プレインプリントモールド製造方法、インプリント装置 - Google Patents
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Description
インプリント方法は、最終的に転写すべき凹凸パターンのネガポジ反転像に対応する凹凸パターンが形成されたインプリントモールドと呼ばれる原型を、転写材料に型押しし、その状態で転写材料を硬化させることで、凹凸パターンの転写を行うものである。
まず、転写基板13上に、転写材料12を積層し、インプリントモールド11を対向して配置する(図1(a))。
次に、転写基板13とインプリントモールド11を接近させ、転写材料12とインプリントモールド11を接触させ、転写材料12を硬化する(図1(b))。
次に、転写基板13とインプリントモールド11とを遠ざけ、転写パターン14を得る(図1(c))。
破壊されたインプリントモールドは、転写材料に正確に凹凸パターンを転写することができない。
また、破壊されたインプリントモールドの破片が異物や欠陥となる恐れがある。
また、インプリントモールド自身もパターン欠陥となるため連続してインプリント方法に用いることはできなくなる。
段差パターンの凹部の体積量と、対応するインプリントモールドに形成された凹凸パターンの凹部の体積量と、は略同量であることを特徴とするプレインプリントモールドである。
本発明の構成によれば、転写材料に段差パターンを形成することにより、凹凸パターンの凹部に対応する位置の転写材料を他の部位よりも厚くすることが出来、疎領域と密領域とで異なる押圧に必要な荷重の差を小さくすることが出来る。
よって、インプリントモールドの凹凸パターンの凹部に疎密の偏りがあり、疎領域と密領域で充填される転写材料の量が異なる場合であっても、インプリントモールドと転写基板が接近するに際して、インプリントモールドが傾斜することを抑制できる。
まず、転写基板に転写材料を積層する。
次に、転写材料に段差パターンを形成する。
段差パターンの凸部の体積量と、インプリントモールドに形成された凹凸パターンの凹部の体積量と、を略同量とすることにより、インプリントモールドに充填される転写材料の量が考慮された段差パターンとなり、好適に転写材料とインプリントモールドの接触に際してインプリントモールドが傾斜することを抑制することが出来る。
プレインプリントモールドを用いることにより、対応するインプリントモールドの凹凸パターンの配置に準じて、好適に段差パターンを形成することが出来る。
次に、転写基板に対し凹凸パターンを備えたインプリントモールドを対向して配置する。
このとき、本発明のインプリント方法は、転写材料に形成された前記段差パターンと、前記インプリントモールドに形成された前記凹凸パターンと、を対向させて配置する。
これにより、凹凸パターンの凹部に対応する位置の転写材料を他の部位よりも厚くすることが出来、疎領域と密領域とで異なる押圧に必要な荷重の差を小さくすることが出来る。よって、インプリントモールドの凹凸パターンの凹部に疎密の偏りがあり、疎領域と密領域で充填される転写材料の量が異なる場合であっても、インプリントモールドと転写基板が接近するに際して、インプリントモールドが傾斜することを抑制できる。
また、インプリントモールドが傾斜することを抑制できることから、インプリントモールド端部の破壊を防ぎ、凹凸パターンを正確に転写することが可能となる。
なお、本明細書において、疎領域と密領域とは、インプリントモールドの凹凸パターン形成面において、凹凸パターン形成面内における凹部の分布が位置により相対的に異なることをいう。このため、例えば、単一の凹凸パターンであっても、凹凸パターンの凹部と、インプリントモールドにおける凹凸パターン形成面側の平坦部と、の間で疎密の偏りがあるものとする。
次に、転写基板とインプリントモールドとを接近させ、転写材料に対し凹凸パターンの転写を行う。
残膜の除去は、選択した転写材料に応じて適宜適した除去方法を用いて良い。例えば、転写材料として、熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂を用いた場合、O2RIE法を用いて除去してもよい。
本発明のインプリント方法により形成された凹凸パターンは、転写時にインプリントモールドの傾斜を抑制することが出来ることから、形成される残膜も従来と比べ均一な厚みをもっており、凹凸パターンの形状を維持したまま、残膜のみを好適に除去することが出来る。
また、本発明のインプリント方法は特定のインプリント方法に限定されることなく、公知のインプリント方法に広範に適用することが出来る。例えば、具体的には、光インプリント、熱インプリント、ゾルゲルインプリントなどのインプリント方法が挙げられる。
上述した特徴を備えたプレインプリントモールドを用いて、インプリント方法を行うことにより、本発明のインプリント方法における段差パターンを好適に形成することが出来る。
本発明のプレインプリントモールドにより形成された段差パターンは、対応するインプリントモールドに形成された凹凸パターンよりも、凹部のパターン寸法幅などが大きく、加工が容易であり、段差パターンの形成にあたっても取り回しが容易である。
図3において、図3(a)はインプリントモールド20を示すものである。インプリントモールド20には領域A、領域B、領域C、領域Dの凹凸パターン22が形成されている。
また、図3において、図3(b)は図3(a)に示したインプリントモールド20に対応するプレインプリントモールド21を示すものである。プレインプリントモールド21には、図3(a)の領域A、領域B、領域C、領域Dの凹凸パターン22に対応するように、領域A、領域B、領域C、領域Dの段差パターン23が凹凸パターン22の配置に準じて形成されている。
まず、対応するインプリントモールドの凹凸パターンの分布を測定する。
このとき、対応するインプリントモールドそのものを測定してもよいし、対応するインプリントモールドを作成するときの凹凸パターン設計データを参照してもよい。
次に、対応するインプリントモールドに形成された凹凸パターンの分布に準じて凹部が配置されるように、プレインプリントモールドの段差パターン設計データを作成する。
次に、基板用意し、該基板に設計された段差パターンを形成する。
例えば、(1)石英、ガラス、などSiO2を含む基板、(2)サファイア基板、(3)シリコン基板、(4)負膨張性マンガン窒化物を含む基板、(5)シリコンカーバイト基板、(6)グラッシーカーボン基板、(7)ニッケル、タンタルなど金属基板、などを用いても良い。また、複数の材料が積層された積層基板であってもよい。
熱インプリント方法を実施するためのインプリントモールド20を製造した。図4を用いて、具体的に説明を行う。
このとき、レジスト材料18の膜厚は、400nmとした。
このとき、描画条件は描画時のドーズ量を100μC/cm2とし、現像時間は2分とした。
また、レジストパターン19は、図3(a)に示すように、領域A、領域B、領域C、領域D、に分割され、各領域にラインパターンが形成されたパターンとした。
このとき、エッチングとして、ICPドライエッチング装置を用いた異方性ドライエッチングを用いた。
シリコン基板のエッチングの条件は、C4F8流量30sccm、SF6流量45sccm、O2流量10sccm、圧力2Pa、ICPパワー500W、RIE150Wとした。
また、シリコン基板17は深さ300nmまでエッチングされた。
このとき、O2プラズマアッシングの条件は、O2流量500sccm、圧力30Pa、RFパワー1000Wとした。
以上より、インプリントモールド20を製造できた。
上述したインプリントモールド20に対応するプレインプリントモールド21の設計を行った。図3を用いて説明を行う。
インプリントモールド20において、凹凸パターン22の凹部の深さは300nmで一定であった。
凹凸パターン22が形成された領域の面積はそれぞれ、領域A:4cm2、領域B:3cm2、領域C:4.8cm2、領域D:3.2cm2であった。
また、各領域において、凹凸パターンの凸部の占める面積は凹部の占める面積の2倍であった。
プレインプリントモールド21において、段差パターン21の凹部の深さは100nmで一定とした。
また、段差パターン21が形成された領域の面積はそれぞれ、領域A:4cm2、領域B:3cm2、領域C:4.8cm2、領域D:3.2cm2とした。
以上より、凹凸パターン22の凹部の体積量と、段差パターン21の凹部の体積量とが、同量となるように設計された。
上述したプレインプリントモールド21の製造を行った。図5を用いて説明を行う。
このときレジスト材料18の膜厚は、400nmとした。
このとき、描画条件は描画時のドーズ量を100μC/cm2とし、現像時間は2分とした。
また、レジストパターン19は、図3(b)に示すように、領域A、領域B、領域C、領域D、に分割されたパターンとした。
このとき、エッチングとして、ICPドライエッチング装置を用いた異方性ドライエッチングを用いた。
シリコン基板のエッチングの条件は、C4F8流量30sccm、SF6流量45sccm、O2流量10sccm、圧力2Pa、ICPパワー500W、RIE150Wとした。
また、シリコン基板17は深さ100nmまでエッチングされた。
このとき、O2プラズマアッシングの条件は、O2流量500sccm、圧力30Pa、RFパワー1000Wとした。
以上より、プレインプリントモールド21を製造できた。
上述したインプリントモールド20、およびプレインプリントモールド21を用いて、本発明のインプリント方法を実施した。図6を用いて説明を行う。
このとき、プレインプリントモールド21の段差パターン面側には、離型剤としてフッ素系表面処理剤EGC−1720(住友3M)をあらかじめコートした。
このとき、プレインプリントモールド21と転写基板13とには、加熱して荷重2MPaを加え、冷却により樹脂を硬化させた。
このとき、インプリントモールド20の凹凸パターン面側には、離型剤としてフッ素系表面処理剤(EGC−1720(住友3M))をあらかじめコートした。
このとき、プレインプリントモールド21と転写基板13とには、加熱して荷重10MPaを加え、冷却により樹脂を硬化させた。
また、本発明のインプリント方法を実施後のインプリントモールド20の凹凸パターンおよび形成された凹凸転写樹脂パターン24を走査電子顕微鏡で観察した。凹凸パターンおよび形成された凹凸転写パターン24、共に、破壊は見られず、良好なパターン形状が観察された。
また、凹凸転写パターン24の観察において、形成された残膜も均一であることが確認できた。
12…転写材料
13…転写基板
14…傾斜した転写パターン
15…破損したインプリントモールド
16…段差パターン
17…基板
18…レジスト材料
19…レジストパターン
20…インプリントモールド
21…プレインプリントモールド
22…凹凸パターン
23…段差パターン
24…転写凹凸パターン
Claims (1)
- 転写基板上に転写材料を積層する工程と、
前記転写材料に段差パターンを形成する工程と、
前記転写基板に対し凹凸パターンを備えたインプリントモールドを対向して配置する工程と、
前記転写基板と前記インプリントモールドと接近させ前記段差パターンが形成された前記転写材料に凹凸パターンの転写を行う工程と、を備え、
前記インプリントモールドを対向して配置する工程にあたり、
前記転写材料に形成された前記段差パターンと、前記インプリントモールドに形成された前記凹凸パターンと、を対向させて配置すること
をインプリント方法であり、
転写材料に形成された段差パターンの凸部の体積量と、インプリントモールドに形成された凹凸パターンの凹部の体積量と、は略同量であり、
前記略同量とは、インプリントモールドに形成された凹凸パターンの凹部の体積量の10%を許容範囲とすること
を特徴とするインプリント方法。
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