JP5271660B2 - 旋回燃焼ボイラ - Google Patents
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図4に示す旋回燃焼ボイラ10は、火炉11内へ空気を多段で投入することにより、バーナ部12から追加空気投入部(以下、「AA部」と呼ぶ)14までの領域を還元雰囲気にして低NOx化を図っている。還元雰囲気となるバーナ部12からAA部14までの還元ゾーンについては、距離が長くなるほど燃焼ガスの滞留時間も長くなってNOx発生量は小さくなる。なお、図中の符号13はバーナ部12に複数設けられたバーナ、15はAA部に複数設けられた追加空気投入ノズル(AAノズル)である。
すなわち、高スラッギング燃料は、融点が低く付着性の高い灰を生成するため、溶融灰が火炉の内壁面に付着して成長しやすくなる。このため、付着・成長した溶融灰がバーナ部や炉底を閉塞するトラブル、あるいは、付着・成長した溶融灰が伝熱阻害の原因となるトラブルを引き起こし、比較的短い運転時間で微粉燃料ボイラの運転停止等に追い込まれるという問題を有している。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、ボイラ火炉内へ付着する溶融灰量を低減し、安定した運転の継続を可能にする旋回流ボイラを提供することにある。
本発明に係る旋回流ボイラは、各段に配置した複数のバーナが、微粉燃料を燃焼させて段毎に1または複数のファイヤーボールを形成する旋回燃焼ボイラにおいて、前記バーナは、上下に隣接するバーナ段と異なる水平方向角度に向けて設置され、前記バーナの燃料供給量を上下に隣接するバーナ段と異なる値に設定するとともに、前記バーナの水平角度を変化させる水平角度制御装置を備え、火炉下流に配置された過熱器及び再熱器の蒸気温度と火炉出口ガス温度との少なくとも一方の温度分布検出値に応じて、前記水平角度制御装置の運転制御がなされることを特徴とするものである。
この場合のバーナは、燃料供給量を増すバーナ段の水平方向角度を内向きにして仮想円の径を小さくすることが望ましい。
また、バーナの水平角度を変化させる水平角度制御装置を備え、火炉下流に配置された過熱器及び再熱器の蒸気温度と火炉出口ガス温度との少なくとも一方の温度分布検出値に応じて、水平角度制御装置の運転制御がなされるので、このような運転制御をすれば、燃焼させる微粉燃料の違いや火炉内の状況等に応じて、バーナ段毎の水平角度を最適化した運転が可能になる。
このような運転制御をすれば、燃焼させる微粉燃料の違いや火炉内の状況等に応じて、燃料供給量を最適化した運転が可能になる。
微粉燃料を燃焼させる旋回燃焼ボイラは、たとえば図4に示す旋回燃焼ボイラ10のように、火炉11内へ空気を多段で投入し、バーナ部12から追加空気投入部14までの領域を還元雰囲気にして低NOx化を図っている。なお、旋回燃焼ボイラで燃焼させる微粉燃料としては、たとえば石炭、バイオマス、石油コークス及び炭化物等が知られている。
図1は、本実施形態に係る旋回燃焼ボイラについて、火炉内のバーナ部を段毎に示す横断面である。なお、紙面左側が従来構造、紙面右側が本発明の構造を示している。
図示の旋回燃焼ボイラは、略正方形の断面形状を有する火炉11のバーナ部12,12Aに、炉内の上下段方向に5段のバーナ13が設置されている。各段のバーナ13は、炉内の周方向において略正方形断面の各コーナ部に配置されている。従って、図示のバーナ部12,12Aは、バーナ13を各バーナ段の各コーナ部に配置する旋回燃焼方式となる。換言すれば、上下段方向の各段においては、バーナ13が各コーナ部に1個ずつ設置された合計4個の周方向配置となり、同様の周方向配置として上下段方向に5段配置されている。この結果、バーナ部12,12Aに配置されたバーナ13は、各段を4個にした5段配置であり、従って合計のバーナ個数は20個となる。
また、図示の旋回燃焼ボイラは、たとえば図4に示すように、上述したバーナ部12,12Aの上方に追加空気等入部(AA部)14が設けられており、このAA部14から燃焼用の空気を多段投入することにより、バーナ部12からAA部14までの領域が還元雰囲気とされる。
具体的に説明すると、火炉11の壁面11aに対するバーナ13の水平方向角度は、紙面左側の従来構造において、各バーナ段及び各コーナが同じ角度のθに設定されている。
ところで、上述した実施形態では、バーナ段を5段とし、バーナ13の水平方向角度がθ及びαのバーナ段を交互に配置したが、バーナ段の数や水平方向角度については上述した実施形態に限定されることはない。すなわち、バーナ段については4段や6段等にしてもよいし、水平方向角度については、隣接する上下段が異なっていれば3種類またはそれ以上の角度を適宜組み合わせてもよい。なお、火炉11内に形成されるファイヤーボールの数についても、バーナ段毎にひとつとした実施形態に限定されることはなく、ふたつまたはそれ以上としてもよい。
この変形例に示すバーナ部12Bは、各バーナ段のバーナ13に供給する微粉燃料の燃料供給量が、上下に隣接するバーナ段と異なる値に設定されている。すなわち、各バーナ段のバーナ13は、上下に隣接するバーナ13と角度θ及びαとした水平方向角度が異なるだけでなく、燃料供給量についても異なっている。
次に、本実施形態に係る旋回燃焼ボイラについて、第2の実施形態を図3に基づいて説明する。なお、上述した実施形態と同様の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図3に示す旋回燃焼ボイラ10Aは、バーナ13の水平角度を変化させるバーナ角度制御装置(水平角度制御装置)20と、バーナ13の燃料供給量を調整する燃料供給量制御装置30とを備えている。さらに、火炉11の下流に配置された過熱器及び再熱器16には、蒸気温度の温度分布T1を検出する蒸気温度センサ17が設けられ、火炉11の出口部には、火炉出口ガス温度の温度分布T2を検出するガス温度センサ18が設置されている。
なお、図中の符号19は、過熱器及び再熱器16の下流に設置された節炭器である。
すなわち、蒸気温度分布T1やガス温度分布T2が所定温度より高い場合、壁面11aの火炉壁水管に溶融灰が付着して汚れ、火炉壁水管の吸熱量が減少している状況にあると判断できる。そこで、壁面11aの火炉壁水管に対する溶融灰付着状況を緩和させるため、上述した実施形態及びその変形例と同様の方向の調整及び制御を実施する。具体的に説明すると、溶融灰の付着を緩和するため、バーナ13の水平方向角度を増して内向きの方向へ変化させる方向の調整及び制御や、内向きとしたバーナ13の燃料供給量を増す方向の調整及び制御を実施する。この結果、溶融灰の付着状況が緩和され、火炉壁水管の吸熱量が回復して蒸気温度分布T1やガス温度分布T2は所定の温度範囲に戻る。
上述した調整及び制御を具体的に説明すると、溶融灰の付着を進行するため、バーナ13の水平方向角度を小さくして外向きの方向へ変化させる方向の調整及び制御や、外向きとしたバーナ13の燃料供給量を増す方向の調整及び制御を実施する。この結果、溶融灰の付着状況が進行し、火炉壁水管の吸熱量が低下して蒸気温度分布T1やガス温度分布T2は所定の温度範囲に戻る。
ところで、蒸気温度分布T1及びガス温度分布T2は、必ずしも両方を検出して制御する必要はない。また、バーナ13の水平方向角度及び燃料供給量についても、上述した第1の実施形態及びその変形例のように、必ずしも両方を調整する必要はない。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、たとえばバーナ段数や段毎に形成されるファイヤーボールの数など、その要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
11 火炉
12,12A、12B バーナ部
13 バーナ
16 過熱器及び再熱器
17 蒸気温度センサ
18 ガス温度センサ
20 バーナ角度制御装置
30 燃料供給量制御装置
Claims (2)
- 各段に配置した複数のバーナが、微粉燃料を燃焼させて段毎に1または複数のファイヤーボールを形成する旋回燃焼ボイラにおいて、
前記バーナは、上下に隣接するバーナ段と異なる水平方向角度に向けて設置され、
前記バーナの燃料供給量を上下に隣接するバーナ段と異なる値に設定するとともに、
前記バーナの水平角度を変化させる水平角度制御装置を備え、火炉下流に配置された過熱器及び再熱器の蒸気温度と火炉出口ガス温度との少なくとも一方の温度分布検出値に応じて、前記水平角度制御装置の運転制御がなされることを特徴とする旋回燃焼ボイラ。 - 前記バーナの燃料供給量を調整する燃料供給量制御装置を備え、火炉下流に配置された過熱器及び再熱器の蒸気温度と火炉出口ガス温度との少なくとも一方の温度分布検出値に応じて、前記燃料供給量制御装置の運転制御がなされることを特徴とする請求項1に記載の旋回燃焼ボイラ。
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