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JP5252314B2 - 高圧ポンプ - Google Patents

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JP5252314B2
JP5252314B2 JP2009254924A JP2009254924A JP5252314B2 JP 5252314 B2 JP5252314 B2 JP 5252314B2 JP 2009254924 A JP2009254924 A JP 2009254924A JP 2009254924 A JP2009254924 A JP 2009254924A JP 5252314 B2 JP5252314 B2 JP 5252314B2
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Description

本発明は、内燃機関(以下「エンジン」という)に用いられる高圧ポンプに関する。
従来、エンジンへ燃料を供給する燃料供給装置には、高圧燃料を圧送する高圧ポンプが設けられる。この高圧ポンプから圧送された高圧燃料を蓄積するのが、インジェクタの接続される燃料レールである。すなわち、燃料レール内の圧力が保持されることで、インジェクタから燃料が噴射されることになる。
しかし、例えば高圧ポンプが備える調量弁の故障等により、許容範囲を上回る異常昇圧が燃料レールに生じる場合がある。この場合、燃料レールやインジェクタを損傷してしまうことになりかねない。そこで従来、燃料レール内の圧力が異常圧力となった場合に開弁するリリーフ弁を設けた高圧ポンプが提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特開2004−138062号公報 特表2002−515565号公報 特公平4−56145号公報
しかしながら、上記特許文献1,2では、リリーフ弁の開弁時に燃料からの十分な開弁圧を得られない虞がある。例えば特許文献1では、リリーフ弁がボール弁となっており、受圧面積が球状のシート面だけとなっている。また例えば特許文献2では、開弁時に燃料が作用する受圧面がテーパとなっている。したがって、いずれも開弁後に、十分な開弁圧が得られず、早い段階で閉弁する。結果として、燃料レールの異常昇圧が生じた場合、減圧に必要な量の燃料を流すことができない。
また、上記特許文献3では、リリーフ弁の摺動部にOリングが設けられている。このため、リリーフ弁が十分に開弁するまでに時間を要する虞がある。結果として、燃料レールの異常昇圧が生じた場合、速やかに減圧を行うことができない。
上記特許文献1〜3では、許容範囲を上回る所定圧力となった場合に燃料レール内の圧力を下降させるものであり、燃料レール内の圧力が許容範囲にある場合には何等機能しない。しかし、燃料レール内の圧力が許容範囲にある場合であっても、次のような不具合が懸念される。
(1)エンジンが停止された場合における燃料レール内の圧力の上昇による不具合
イグニッションOFFなどによりエンジンが停止されると、エンジン冷却水の循環がなくなるため、エンジン停止直後にエンジンルームの温度は一度上昇し、その後、下降していく。そのため、燃料レール内の圧力も、エンジン停止直後から上昇を始める。このような燃料レール内の圧力の上昇は、インジェクタから気筒内への燃料漏れを生じさせることにつながる。結果として、気筒内へ漏れ出した燃料が、次回のエンジン始動時に、未燃成分として大気中へ排出されてしまう虞がある。
(2)エンジンの運転中における燃料レール内の圧力の維持による不具合
運転中にアクセルペダルの踏み込みがなくなる等、アクセル開度が所定値以下となった場合、エンジン回転数が所定値以上であると、燃料噴射が停止される。このとき、燃料レール内の圧力は維持される。
その後、例えばアイドル運転へ切り替わる等の減速復帰時には、燃料噴射量を抑えるべくインジェクタが制御される。例えば、インジェクタに対し比較的小さな幅の駆動パルスが出力されるという具合である。ところが、燃料レール内の圧力が維持されているため、駆動パルスを調整したとしても、燃料噴射量が大きくなってしまうことがある。このような必要以上の燃料噴射は、燃費の悪化や運転者に違和感を抱かせる虞がある。
ここまでは、燃料レール内の圧力が上昇することや、高圧のままに維持されることによる不具合を挙げた。だからと言って、燃料レール内の圧力が低ければよい、というものではない。燃料レール内の圧力が下降しすぎても、次のような不具合が懸念される。
(3)高温再始動時における燃料レール内の圧力の下降による不具合
エンジン停止後、例えば数十分というような時間が経過した後にエンジンを再始動する高温再始動時には、ある程度の噴射量が必要になる。したがって、燃料レール内の圧力が下降しすぎると、例えば燃料の飽和蒸気圧近くまで燃料レール内の圧力が下降すると、燃料レール内に燃料蒸気が発生し、インジェクタの噴射量が不足し再始動性能が悪化する虞がある。
(4)アイドルストップ後の再始動時における燃料レール内の圧力の下降による不具合
ハイブリッドシステムなどにおけるアイドルストップ後の再始動時にも、上記高温再始動時と同様、ある程度の噴射量と即時始動を可能とするインジェクタの良好な噴霧が必要になる。したがって、この場合も、燃料レール内の圧力が下降しすぎると、再始動性能が悪化する虞がある。
本発明は上述した問題を解決するためになされたものであり、その目的は、燃料レール内の圧力が許容範囲を上回るリリーフ圧以上になった場合には可及的速やかに当該圧力を下降させることが可能で、かつ、燃料レール内の圧力を適宜下降させて適切に維持可能な高圧ポンプを提供することにある。
上記目的を達成するためになされた請求項1に記載の高圧ポンプでは、加圧部が加圧室を有している。加圧室は、プランジャの移動によって容積変化し燃料を加圧可能となっている。吐出部は、加圧室にて加圧される燃料を、インジェクタが接続される燃料レールへ吐出弁を介して吐出する。
このような構成の下、本発明では、リターン流路、機械式のリリーフ弁、及び、機械式の定残圧弁を備えている。機械式としたのは、電磁式の弁を除外する趣旨である。
リターン流路は、吐出弁の下流側から、当該吐出弁の上流側へ、燃料を戻すことが可能な流路である。吐出弁の下流側とあるのは、例えば弁座を有する吐出弁であれば、弁座の下流側を意味する。同様に、吐出弁の上流側とあるのは、弁座の上流側を意味する。また、燃料を戻すのは、吐出弁の上流側であればよく、高圧の燃料通路に戻す場合だけでなく、さらに上流側に配設される低圧の燃料通路に戻す場合を含む。
リリーフ弁は、リリーフ用弁体を有している。リリーフ用弁体は、筒状を呈し、リターン流路の途中に介在する流路として内側流路及び外側流路を形成する。具体的には、筒状となっているため、弁体の内部に内側流路を形成し、弁体の外部(例えば外周の一部)に外側流路を形成する。そして、燃料レール内の圧力が許容範囲を上回るリリーフ圧以上になると、リリーフ用弁体が移動することで外側流路が開放されて、リターン流路が機能する。ここで特に、本発明では、外側流路が開放された際に開弁方向への圧力を受ける受圧面積が閉弁時よりも大きくなるよう、外側流路へ張り出す受圧部がリリーフ用弁体に設けられている。
一方、定残圧弁は、リリーフ用弁体の内側流路に支持される。この定残圧弁は、内側流路の上流側に相対的に流路面積の小さな絞り部を具備する。そして、当該絞り部から流入する燃料の圧力によって内側流路が開放されて、リターン流路が機能する。定残圧弁は、燃料レール内の圧力が所定の定残圧以下になると内側流路を閉塞する。
次に本発明の構成による効果を説明する。ここでは最初に定残圧弁による効果を説明し、次にリリーフ弁による効果を説明する。
本発明では、機械式の定残圧弁により、絞り部から流入する燃料の圧力によって内側流路が開放されてリターン流路が機能する。このとき、定残圧弁が絞り部を具備することにより、急激に圧力低下が生じることもない。これにより、燃料レール内の圧力を適宜下降させることができる。結果として、上記(1)エンジンが停止された場合における燃料レール内の圧力の上昇による不具合、及び、上記(2)エンジンの運転中における燃料レール内の圧力の維持による不具合を払拭することができる。
また、本発明では、機械式の定残圧弁により、燃料レール内の圧力が所定の定残圧以下になると内側流路が閉塞される。これにより、燃料レール内の圧力を適切に維持することができる。結果として、上記(3)高温再始動時における燃料レール内の圧力の下降による不具合、及び、上記(4)アイドルストップ後の再始動時における燃料レール内の圧力の下降による不具合を払拭することができる。
ところで、従来、機械式のリリーフ弁を用いると、開弁時期が短く燃料レール内の圧力を十分に下降させられないという問題があった。これは、リリーフ弁が開弁した後、リリーフ弁に作用する圧力が急激に低下すると、燃料レール内の圧力が十分に下降しないうちに、そのまま閉弁してしまうためである。
これに対し、本発明では、機械式のリリーフ弁により、燃料レール内の圧力が許容範囲を上回るリリーフ圧以上になると、リリーフ用弁体が移動することで外側流路が開放されてリターン流路が機能する。しかも、リリーフ用弁体には、外側流路へ張り出す受圧部が設けられている。すなわち、外側流路が開放された際に開弁方向への圧力を受ける受圧面積が閉弁時よりも大きくなるようになっている。これにより、リリーフ弁が一度開弁すると、速やかにリリーフ弁を開弁方向へ移動させることができると共に、その開弁期間を長く保持することができる。結果として、燃料レール内の圧力を可及的速やかに下降させることができる。
さらにまた、本発明では、定残圧弁がリリーフ用弁体の内部に支持されるため、リリーフ弁と定残圧弁とを全く別の構成にする場合と比べ、スペース等が削減されて設計自由度が高くなる。特に、上述したように外側流路へ張り出す受圧部を設けることは、内部に空間を確保するという思想に合致するものである。つまり、受圧部を設けるため径方向にある程度の幅を持たせることになるが、当該幅の広い部分を積極的に利用して内部に定残圧弁を配置するのである。
なお、本発明では、リリーフ弁及び定残圧弁を機械式としているため、電磁制御式の弁を用いる場合と比較して、制御構成が不要となる点でも有利である。
請求項2によれば、受圧部がリリーフ用弁体の移動方向にほぼ垂直な受圧面を有しているため、燃料による抵抗がより大きくなり、速やかにリリーフ弁を開弁方向へ移動させることができると共に、リリーフ弁の開弁期間を長く保持することに寄与する。
請求項3によれば、受圧面が燃料による抵抗を受けやすいよう凹形状となっているため、より一層燃料による抵抗を大きくすることができ、速やかにリリーフ弁を開弁方向へ移動させることができると共に、リリーフ弁の開弁期間を長く保持することに寄与する。
請求項4によれば、受圧面が燃料による抵抗を受けやすいよう周方向に形成された溝条を有しているため、より一層燃料による抵抗を大きくすることができ、速やかにリリーフ弁を開弁方向へ移動させることができると共に、リリーフ弁の開弁期間を長く保持することに寄与する。このとき、溝条は、同心円状に形成してもよいし、渦巻線としてもよい。なお、ここでは溝条としたが、「受圧面が燃料による抵抗を受けやすいよう周方向に形成された凸条を有していること」としてもよい。
請求項5では、受圧部が受圧室を有している。受圧室へは、リリーフ用弁体による外側流路の開放によって燃料が流れ込む。これにより、より一層燃料による抵抗を大きくすることができ、速やかにリリーフ弁を開弁方向へ移動させることができると共に、リリーフ弁の開弁期間を長く保持することに寄与する。
このような受圧室は、請求項6に示すように、受圧部の一部を構成する外周壁に囲まれるものとすることが考えられる。この場合、受圧室は、リリーフ用弁体の軸周りに形成された円筒状の空間となる。
受圧室が円筒状の空間であることを前提として、請求項7に示すように、受圧室の底面部分を、燃料の抵抗を受けやすいよう傾斜させてもよい。ここで底面部分とは、開口から遠い側の内面部分をいう。例えば、径外方向へ向かうにしたがって底面部分が開口から離れるように深くなっているという具合である。このようにすれば、より一層燃料による抵抗を大きくすることができ、上記効果が際立つ。
燃料の流れを利用することを考えた場合、請求項8に示すように、リリーフ用弁体が移動することで外側流路が開放されると、流れ込む燃料が外周壁の内面に衝突するようにしてもよい。このようにすれば、燃料の流れを利用して、速やかにリリーフ弁を開弁方向へ移動させることができる。このときは、請求項9に示すように、リリーフ用弁体が移動を開始してから開弁が確実になる程度に当該リリーフ用弁体が移動するまでの間、流れ込む燃料が外周壁の内面に衝突し続ける構成を採用することが考えられる。これにより、リリーフ用弁体の開弁が確実になるまで、燃料の流れを利用することができる。その結果、速やかにリリーフ弁を開弁方向へ移動させることができると共に、リリーフ弁の開弁期間を長く保持することに寄与する。
請求項10では、受圧部が、リリーフ用弁体とは別の部材を当該リリーフ用弁体に取り付けることによって形成されている。このようにすれば、リリーフ用弁体を加工して受圧部を形成する場合と比べ、受圧部の形成が容易になる。
請求項11では、リリーフ用弁体が、開弁時における燃料の流れによってリリーフ用弁体に求心作用を生じさせるテーパ面を有している。このようにすれば、燃料の流れによってリリーフ用弁体が求心し、リリーフ用弁体の軸ずれを抑制することができる。
ところで、リターン流路は吐出弁よりも上流側へ燃料を戻すものであればよいことは既に述べた。ただし、ポンプ効率を考えた場合、請求項12に示すように、リターン流路が吐出弁の下流側と加圧室とを連通する構成とすることが望ましい。
このようにすれば、加圧室における燃料圧力と燃料レール内の圧力とのバランスで定残圧弁を閉弁させることができ、プランジャによる高圧ポンプの加圧行程等、加圧室の圧力が相対的に高くなる期間では、定残圧弁が閉弁状態に保持される。これにより、リターン流路による燃料の排出が抑えられ、ポンプ効率の低下を抑制することができる。
なお、ポンプ効率の低下を抑制するという点でも、上記絞り部を具備する構成が有効となる。通常、低速運転時や始動時にはプランジャの往復周期が長くなることで、上記加圧行程の繰り返し周期が長くなる。そのためポンプ効率が低下することが懸念されるが、絞り部を具備する構成では、燃料が急激に戻ることを抑えることができ、特に低速運転時や始動時において、ポンプ効率の低下を抑制することができる。
以下、発明を実施するための形態を記載する。なお、以下では、請求項1、2、12の具現化を第1実施形態とし、請求項1、2、11、12の具現化を第2、3実施形態とし、請求項1、2、10〜12の具現化を第4実施形態とし、請求項1、2、3、10、11、12の具現化を第5実施形態とし、請求項1、5、6、8、12の具現化を第6実施形態とし、請求項1、5〜8、12の具現化を第7実施形態とし、請求項1、2、4、12の具現化を第8実施形態とし、請求項1、5、6、8、9、12の具現化を第9実施形態とする。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
本形態の燃料供給装置は、図1に示すごとくである。
図1に示すように、燃料供給装置1は、高圧ポンプ10及び燃料レール20を含む構成となっている。
高圧ポンプ10は、燃料タンク30から低圧ポンプ31によって供給される燃料を加圧し、高圧燃料として吐出する。吐出される燃料を蓄積するのが、燃料レール20である。燃料レール20には、複数(本形態では4つ)のインジェクタ21が接続されている。燃料レール20に蓄積される高圧燃料は、ECU(不図示)からの通電によって、インジェクタ21から噴射される。このとき、ECUからはインジェクタを駆動するためのパルス信号が出力される。したがって、このパルス信号の幅(インジェクタ駆動パルス幅)と、燃料レール20内の圧力によって噴射量が制御されることになる。
次に、高圧ポンプ10の構成について説明する。
図1に示すように、高圧ポンプ10は、プランジャ部40、調量弁部50、吐出弁部60、及び、圧力調整部70を備えている。この高圧ポンプ10の外郭は、図2に示すように、ハウジング11にて構成される。
ハウジング11の一方向(図2中では上方)にカバー12が取り付けられており、カバー12とハウジング11にて燃料室13が形成されている。また、カバー12の反対側には、プランジャ部40が設けられている。そして、プランジャ部40と燃料室13との中間付近に、燃料を加圧可能な加圧室14が形成されている。さらにまた、カバー12とプランジャ部40の並び方向に直交する方向に、調量弁部50および吐出弁部60を有している。燃料室13には、図1に示した低圧ポンプ31によって、燃料タンク30から燃料が供給される。燃料室13に供給された燃料は、調量弁部50を経由し、加圧室14を経由して、吐出弁部60から図1に示した燃料レール20へ圧送される。
次に、プランジャ部40、調量弁部50、吐出弁部60、及び、圧力調整部70の構成について、順に説明する。
最初にプランジャ部40について説明する。
プランジャ部40は、プランジャ41、プランジャ支持部42、リフター43、及び、プランジャスプリング44などを備えている。
プランジャ41は、ハウジング11の内部に形成されたシリンダ15に支持されている。プランジャ支持部42は、シリンダ15の端部に配置されており、シリンダ15と共にプランジャ41を往復移動可能に支持する。プランジャ41は、加圧室14側において、シリンダ15の内径と同様の外径を有し、プランジャ支持部42側では、その径が小さくなっている。
プランジャ41の端部には、有底円筒状のリフター43が配設されている。このリフター43は、図1に示すようにカムシャフト100に取り付けられたカム101にその外面を当接させ、カムシャフト100の回転により、カムプロフィールに応じて軸方向に往復移動する。
リフター43の内側には、プランジャスプリング44が配置されている。プランジャスプリング44は、プランジャ41の戻しバネであり、リフター43をカム面に当接させるように付勢する。
このようなプランジャ部40の構成により、カムシャフト100の回転に応じたプランジャ41の往復移動が実現され、上記加圧室14の容積変化が作出される。
次に、調量弁部50について説明する。
調量弁部50は、図2に示すように、ハウジング11によって形成される筒部51、筒部51の開口を覆う弁部カバー52、コネクタ53、及び、コネクタハウジング54等を備えている。
筒部51は、略円筒状に形成され、内部に燃料通路55を有している。燃料通路55には、略円筒状のシートボデー56が配置されている。シートボデー56の内部には、吸入弁57が配置されている。この吸入弁57は、円板状の底部571と円筒状の壁部572とで構成されており、その内部空間には、スプリング58が収容配置されている。
また、吸入弁57の底部571には、ニードル59が当接している。このニードル59は、上述した弁部カバー52を貫通し、コネクタ53の内部まで延びている。コネクタ53は、コイル531と当該コイル531へ通電するための端子532とを有している。コイル531の内側には、所定位置に保持される固定コア533、可動コア534、及び、固定コア533と可動コア534との間に介在するスプリング535が配置されている。ここで、可動コア534に溶接固定されるのが、上述したニードル59である。つまり、可動コア534とニードル59とは一体になっている。
かかる構成により、コネクタ53の端子532を介して通電が行われると、コイル531にて発生する磁束によって固定コア533と可動コア534との間に磁気吸引力が発生する。その結果、可動コア534が固定コア533側へ移動し、これに伴ってニードル59が、加圧室14から離れる方向へ移動する。このときは、吸入弁57の移動がニードル59にて規制されない。したがって、吸入弁57の底部571がシートボデー56に着座可能となり、吸入弁57の着座により、燃料通路55と加圧室14とが遮断される。
一方、コネクタ53の端子532を介した通電が行われないと、磁気吸引力は発生しないため、スプリング535によって、可動コア534が固定コア533から離間する方向へ移動する。これにより、ニードル59が加圧室14側へ移動する。その結果、ニードル59によって吸入弁57の移動が規制され、吸入弁57が加圧室14側に保持される。このときは、吸入弁57の底部571がシートボデー56から離座することで、燃料通路55と加圧室14とが連通する。
次に、吐出弁部60について説明する。なお、ここからは、図2と共に図3を参照されたい。図3は、図2中の記号Aで示す方向から見た高圧ポンプ10を示す平面図である。ここでは、吐出弁部60及び、後述する圧力調整部70の部分が切り欠かれて示されている。
吐出弁部60は、図2及び図3に示すように、ハウジング11にて形成される円筒状の収容部61を有している。この収容部61にて形成される収容室611に、吐出用弁体62、スプリング63、及び、係止部64が収容されている。また、収容室611の開口部分が、吐出口65となっている。吐出口65とは反対側の収容室611の深部には、弁座612が形成されている(図3参照)。
吐出用弁体62は、スプリング63の付勢力と燃料レール20内の圧力による力により、弁座612に当接する。これにより、吐出用弁体62は、加圧室14の燃料の圧力が低いうちは、燃料の吐出を停止する。一方、加圧室14の燃料の圧力が大きくなってスプリング63の付勢力と燃料レール20内の圧力による力に打ち勝つと、吐出用弁体62が吐出口65の方向へ移動する。これにより、収容室611へ流入した燃料は、吐出口65から吐出される。なお、吐出用弁体62は、その内部に燃料の通り路となる空間を有している。したがって、吐出用弁体62が弁座612から離座することで、吐出用弁体62の外周部分へ流入した燃料は、吐出用弁体62の内部空間を経由して、吐出口65から吐出されることになる。
次に、圧力調整部70について説明する。
圧力調整部70は、図3に示すように、吐出用弁体62の着座する弁座612よりも下流側の収容室611から加圧室14へのリターン流路71、72に介在する。具体的には、収容室611からのリターン流路71と、加圧室14へ通じるリターン流路72との間に介在している。
圧力調整部70は、機械式のリリーフ弁73及び機械式の定残圧弁74で構成されている。そこで次に、これらリリーフ弁73及び定残圧弁74の構成を説明する。図4(a)は、圧力調整部70の部分拡大断面図である。また、図4(b)は、図4(a)のb−b線断面図である。
リリーフ弁73は、図4(a)に示すように、リターン流路71に続く燃料通路75、76に配置されている。燃料通路75、76は、その径がリターン流路71の径よりも大きくなっている。さらに、下流側の燃料通路76は、その径が上流側の燃料通路75の径よりも大きくなっている。この下流側の燃料通路76と加圧室14とを連通するのが、リターン流路72である(図3参照)。また、下流側の燃料通路76は、ハウジング11の外部へ開口している。したがって、この開口を利用して、リリーフ弁73及び定残圧弁74等が組み付けられる。この開口は、図3に示すように、六角ボルトを有する係止部77を螺着することで閉塞されている。
リリーフ弁73は、筒状を呈するリリーフ用弁体81、及び、リリーフ用弁体81を付勢するスプリング82を有している。リリーフ用弁体81は、先端部83、先端部83よりも径が大きな本体部84、及び、本体部84から径外方向へ張り出すフランジ部85を有している。なお、本体部84の径は上流側の燃料通路75の径よりも僅かに小さくなっており、フランジ部85の径は下流側の燃料通路76の径よりも僅かに小さくなっている。これにより、リリーフ用弁体81は、燃料通路75、76によって、軸方向へ移動可能に支持されている。
スプリング82は、一端をフランジ部85に係止され、他端を上記係止部77にて係止されている(図3参照)。さらにまた、リターン流路71から燃料通路75への連結部分には弁座78が形成されており、スプリング82により付勢されるリリーフ用弁体81は、その先端部83の周縁を弁座78に当接させる。
リリーフ用弁体81は、通常時には弁座78に着座しており、図1に示した燃料レール20内の燃料圧力が許容範囲を上回る圧力であるリリーフ圧以上になると、先端部83の先端面83aに作用する燃料圧力によって、スプリング82の付勢力に抗して弁座78から離座するようになっている。換言すれば、当該リリーフ圧以上でリリーフ弁73が開弁するように、スプリング82による付勢力が調整されている。
なお、図4(b)に示すように、リリーフ用弁体81の本体部84は、軸に垂直な所定方向における両側が面取り加工されて平坦面84aが形成されている。これにより、本体部84(リリーフ用弁体81)の外側に、外側通路79が形成されている。したがって、リリーフ用弁体81の先端部83が弁座78から離座すると、燃料通路75へ流入した燃料は、外側通路79を経由して、燃料通路76へ流入することになる。すなわち、リリーフ弁73の開弁時には、外側通路79が開放されることになる。
ここで特に、図4(a)に示すように、リリーフ用弁体81の先端部83と本体部84との連結部分には、燃料から圧力を受ける受圧部90が形成されている。具体的には、先端部83から本体部84にかけて急激に径が大きくなっており、先端部83側に平坦な受圧面90aが形成されている。これにより、リリーフ弁73の閉弁時には先端面83aだけが圧力を受けるが、開弁した状態では、受圧面90aにも圧力を受けることになる。すなわち、開弁すると、受圧面積が大きくなるようになっている。
ところで、リリーフ用弁体81が筒状を呈することは既に述べた。このとき、図4(a)に示すように、リリーフ用弁体81の先端部83には、流路面積が相対的に小さなオリフィス86が形成されている。このオリフィス86の下流側には、燃料通路87、88が形成されている。上流側の燃料通路87に続く下流側の燃料通路88は、その径が、上流側の燃料通路87の径よりも大きくなっている。また、燃料通路87と燃料通路88との連結部分には弁座89が形成されている。
ここで、下流側の燃料通路88には、上記定残圧弁74が配置される。定残圧弁74は、図4(a)に示すように、定残圧用弁体91、スプリング92、及び、係止部93を有している。
定残圧用弁体91は、球状の先端部94、及び、本体部95を備えている。スプリング92は、一端を係止部93に係止され、他端を本体部95に係止されている。これにより、本体部95が上流側の燃料通路87側へ付勢されており、球状の先端部94が弁座89に当接するようになっている。また、係止部93には、その中心部を貫通する燃料通路93aが形成されている。
定残圧用弁体91は、通常時には弁座89から離座しており、図1に示した燃料レール20内の燃料圧力が所定の圧力である定残圧以下になると、スプリング92の付勢力によって弁座89へ着座するようになっている。換言すれば、定残圧以下で定残圧弁74が閉弁するように、スプリング92による付勢力が調整されている。なお、本形態では、この定残圧は、エンジンのアイドル運転時における燃料レール20の圧力以下で、かつ、燃料の飽和蒸気圧以上に設定してある。
なお、定残圧弁74が通常時に開弁することは既に述べたが、例外的に、高圧ポンプ10のプランジャ41による加圧行程においては閉弁する。
ここで高圧ポンプ10の加圧行程について説明する。図2示したプランジャ41が、下死点から上死点へ移動する途中でコイル531に通電されると、コイル531に発生した磁界により磁気回路が形成される。すると、可動コア534と一体となってニードル59が、固定コア533側へ移動する。その結果、吸入弁57は、スプリング58の付勢力および加圧室14側の燃料から受ける圧力により、シートボデー56へ着座する。これにより、燃料室13と加圧室14との間が遮断される。加圧室14と燃料室13との間が遮断された状態でプランジャ41がさらに上死点に向けて上昇すると、加圧室14の燃料の圧力は上昇する。そして、加圧室14の燃料の圧力が所定の圧力以上になると、上述したように吐出弁部60の吐出用弁体62が吐出口65側へ移動する。これにより、加圧室14と収容室611とが連通し、加圧室14で加圧された燃料は吐出口65から吐出される。
以上が加圧行程であるが、この加圧行程では、加圧室14の燃料圧力が大きくなり、吐出弁部60側のリターン流路71と加圧室14側のリターン流路72との燃料圧力の差が小さくなる(図3参照)。したがって、加圧室14に連通するリターン流路72側からの燃料圧力により、定残圧弁74が閉弁状態に保持される。
なお、本形態における高圧ポンプ10が「高圧ポンプ」を構成し、プランジャ部40が「加圧部」を構成し、加圧室14が「加圧室」を構成し、吐出弁部60が「吐出部」を構成し、吐出用弁体62、スプリング63、係止部64及び弁座612が「吐出弁」を構成する。また、リターン流路71、72が「リターン流路」を構成し、リリーフ弁73が「リリーフ弁」を構成し、リリーフ用弁体81が「リリーフ用弁体」を構成し、燃料通路75、76、79が「外側流路」を構成し、燃料通路87、88が「内側流路」を構成し、受圧部90が「受圧部」を構成し、受圧面90aが「受圧面」を構成する。さらにまた、定残圧弁74が「定残圧弁」を構成し、オリフィス86が「絞り部」を構成する。
次に、本形態の高圧ポンプ10にて奏される効果について説明する。
図5は、燃料レール20内の圧力の推移を示す説明図である。ここでは、時刻t1において、エンジンが停止されたものとして説明する。
エンジンの停止直前はアイドル運転となるのが一般的であるため、エンジン停止時(時刻t1)では、燃料レール20内の圧力は、記号Aで示すアイドル運転時の圧力(以下「アイドル圧A」という)となっている。
このとき、記号Bで示す定残圧(以下「定残圧B」と記述する)が設定されている場合、上述した加圧行程を除いては、定残圧弁74は開弁する。したがって、図5中に記号Dで示すように、燃料レール20内の圧力は下降していく。なお、このときの「傾き」が、上述したオリフィス86にて決まってくる(図4(a)参照)。そして、時刻t2で燃料レール20内の圧力が定残圧Bになると、定残圧弁74は閉弁する。これにより、記号Eで示すように、燃料レール20の圧力は一定、すなわち定残圧Bに維持される。その後、燃料レール20が冷えていくと、燃料レール20内の圧力は徐々に低下していくことになり、時刻t3において記号Cで示す飽和蒸気圧(以下「飽和蒸気圧C」という)に近いものとなる。
仮に定残圧弁74がない場合、図5中に記号Fの二点鎖線で示すように、燃料レール20内の圧力がエンジン停止時(時刻t1)から上昇する。具体的には、図6に示すように、時刻t1でエンジン回転数が「0」になると、エンジンルームが高温となっていることから、記号Gで示すように燃料レール20の温度が一旦上昇し(時刻t1から時刻t4)、当該温度がある程度維持された後(時刻t4から時刻t5)、下降する(時刻t5以降)。これに伴い、記号Hで示すように、燃料レール20内の圧力も同様に推移する。このため、インジェクタ21からの燃料漏れも相対的に大きなものとなる。記号Iで示すごとくである。
これに対し、本形態では、燃料レール20の温度が上昇したとしても、燃料レール20内の圧力は、図6中に記号Jで示すように、定残圧弁74によって下降させられる。これにより、記号Kで示すように、インジェクタ21からの燃料漏れが抑えられる。具体的には、記号Rで示す部分の余分な燃料漏れを抑制できる。
また、本形態の高圧ポンプ10は、アクセルペダルの踏み込み具合による燃料カットにおいても効果を奏する。
図7は、エンジンの運転中にアクセルペダルの踏み込みを中断した後、再びアイドル運転状態となる減速復帰時におけるインジェクタ21(図1参照)からの燃料噴射量を示す説明図である。
図7中の時刻s1で、アクセルペダルの踏み込みが中断されると、スロットル開度が所定値より小さくなる。このとき、エンジン回転数が所定値以上である場合、燃料噴射が停止される。その後、例えばエンジン回転数が所定値を下回ると、アイドリング状態に移行する(時刻s2)。
このとき、図7に示すように、燃料カットが行われる時刻s1から時刻s2までの期間では、インジェクタ21へ出力されるECUの駆動パルス幅は「0」となる。その後、時刻s2からは、インジェクタ21の噴射状態をアイドル運転に適したものにするため、記号Lで示すような相対的に小さな幅の駆動パルスがインジェクタ21へ出力される。
仮に定残圧弁74がないと、時刻s1から時刻s2までの期間はインジェクタ21からの噴射が行われないため、燃料レール20の圧力は、記号Mの破線で示すように、燃料カット直前(時刻s1)の圧力に保持される。そのため、時刻s2において、インジェクタ21の駆動パルス幅を小さくしたとしても、燃料レール20の圧力により、記号Nの破線で示すように、必要以上の燃料が噴射されてしまう。
この点、本形態の高圧ポンプ10では、定残圧弁74の作用により、燃料カット時(図7中の時刻s1)から、記号Oで示すように燃料レール20内の圧力を下降させることができ、時刻s2におけるインジェクタ21からの燃料噴射量を、記号Pで示すように、アイドリング状態に応じた燃料噴射量とすることができる。その結果、減速復帰時の過剰噴射を抑制することができ、燃費の悪化を抑制可能であると共に、過剰噴射によって運転者に違和感を与えることがない。
さらにまた、本形態の構成は、高温始動時やアイドルストップの後のエンジン再始動にも有効である。
つまり、図5に示すように、時刻t2から、定残圧Bが維持されて、その後、時刻t3までは、燃料レール20の圧力が飽和蒸気圧以上に維持される。例えば、エンジン停止後、30分〜1時間という期間、燃料レール20内の圧力が維持されるという具合である。これにより、高温再始動時の再始動性能の悪化を抑制することができる。また、信号待ちなどによって一時的にエンジンを停止させるアイドルストップシステムにおいて、アイドルストップ後の再始動時にも、上記高温再始動時と同様、再始動性能の悪化を抑制することができる。
従来、機械式のリリーフ弁を用いると、開弁時期が短く燃料レール内の圧力を十分に下降させられないという問題があった。これは、リリーフ弁が開弁した後、リリーフ弁に作用する圧力が急激に低下すると、燃料レール内の圧力が十分に下降しないうちに、そのまま閉弁してしまうためである。
これに対し、本形態では、リリーフ用弁体81の先端部83と本体部84との連結部分に、燃料から圧力を受ける受圧部90が形成されている(図4参照)。これにより、開弁すると、受圧面積が大きくなるようになっている。また、燃料からの圧力を受けやすいように、平坦な受圧面90aが形成されている。その結果、速やかにリリーフ弁73を開弁方向へ移動させることができると共に、一度開弁したリリーフ弁73の開弁期間を長く保つことができ、例えば異常昇圧した燃料レール20内の圧力を、可及的速やかに下降させることができる。
(第2実施形態)
本形態は、上記形態と比較して、リリーフ用弁体の構造が一部異なるものとなっている。図8は、本形態の圧力調整部700の部分拡大断面図である。また、図8(b)は、図8(a)のb−b線断面図である。さらにまた、図8(c)は、リリーフ用弁体810の先端部分の斜視図である。
上記形態と同様、リリーフ弁730は、筒状を呈するリリーフ用弁体810、及び、リリーフ用弁体810を付勢するスプリング820を有している。リリーフ用弁体810は、先端部830、先端部830よりも径が大きな本体部840、及び、本体部840から径外方向へ張り出すフランジ部850を有している。このとき、スプリング820によって、リリーフ用弁体810は、その先端部830の周縁を弁座780に当接させる。
リリーフ用弁体810は、通常時には弁座780に着座しており、燃料レール内の圧力が許容範囲を上回るリリーフ圧以上になると、弁座780から離座する。ここで特に、図8(a)に示すように、リリーフ用弁体810の先端部830と本体部840との連結部分には、燃料から圧力を受ける受圧部900が形成されている。この受圧部900は、上記形態と同様に平坦面である受圧面900aを有すると共に、所定間隔(本形態では90度間隔)で形成された受圧面900aの間に、テーパ面900bを有している。
なお、本形態のリリーフ弁730が「リリーフ弁」を構成し、リリーフ用弁体810が「リリーフ用弁体」を構成し、受圧部900が「受圧部」を構成し、受圧面900aが「受圧面」を構成し、テーパ面900bが「テーパ面」を構成する。
本形態においても、定残圧弁の機能により、上記形態と同様の効果が奏される。
また、本形態においても、上記形態と同様、リリーフ用弁体810の先端部830と本体部840との連結部分に、燃料から圧力を受ける受圧部900が形成されている(図8参照)。これにより、開弁すると、受圧面積が大きくなるようになっている。また、燃料からの圧力を受けやすいように、平坦な受圧面900aが形成されている。その結果、速やかにリリーフ弁730を開弁方向へ移動させることができると共に、一度開弁したリリーフ弁730の開弁期間を長く保つことができ、例えば異常昇圧した燃料レール内の圧力を、可及的速やかに下降させることができる。
加えて、本形態では、受圧面900a同士の間がテーパ面900bとなっている。これにより、リリーフ用弁体810の先端部830周縁から流入する燃料がテーパ面900bに作用することで、リリーフ用弁体810が求心することになる。結果として、リリーフ用弁体810の軸ずれを抑制することができる。
(第3実施形態)
本形態も、上記形態と比較して、リリーフ用弁体の構造が一部異なるものとなっている。図9は、本形態の圧力調整部701の部分拡大断面図である。
上記形態と同様、リリーフ弁731は、筒状を呈するリリーフ用弁体811、及び、リリーフ用弁体811を付勢するスプリング821を有している。リリーフ用弁体811は、先端部831、先端部831よりも径が大きな本体部841、及び、本体部841から径外方向へ張り出すフランジ部851を有している。このとき、スプリング821によって、リリーフ用弁体811は、その先端部831の周縁を弁座781に当接させる。
リリーフ用弁体811は、通常時には弁座781に着座しており、燃料レール内の圧力が許容範囲を上回るリリーフ圧以上になると、弁座781から離座する。ここで特に、図9に示すように、リリーフ用弁体811の先端部831と本体部841との連結部分には、燃料から圧力を受ける受圧部901が形成されている。この受圧部901は、上記形態と同様に平坦面である受圧面901aを有している。また、先端部831は、下流側へ向かって径が大きくなるようなテーパ面831bを有している。
なお、本形態のリリーフ弁731が「リリーフ弁」を構成し、リリーフ用弁体811が「リリーフ用弁体」を構成し、受圧部901が「受圧部」を構成し、受圧面901aが「受圧面」を構成し、テーパ面831bが「テーパ面」を構成する。
本形態においても、定残圧弁の機能により、上記形態と同様の効果が奏される。
また、本形態においても、上記形態と同様、リリーフ用弁体811の先端部831と本体部841との連結部分に、燃料から圧力を受ける受圧部901が形成されている(図9参照)。これにより、開弁すると、受圧面積が大きくなるようになっている。また、燃料からの圧力を受けやすいように、平坦な受圧面901aが形成されている。その結果、速やかにリリーフ弁731を開弁方向へ移動させることができると共に、一度開弁したリリーフ弁731の開弁期間を長く保つことができ、例えば異常昇圧した燃料レール内の圧力を、可及的速やかに下降させることができる。
加えて、本形態では、先端部831がテーパ面831bを有している。リリーフ用弁体811の先端部831周縁から流入する燃料がテーパ面831bに作用することで、リリーフ用弁体811が求心する。これにより、リリーフ用弁体811の軸ずれを抑制することができる。
(第4実施形態)
本形態も、上記形態と比較して、リリーフ用弁体の構造が一部異なるものとなっている。図10は、本形態の圧力調整部702の部分拡大断面図である。
上記形態と同様、リリーフ弁732は、筒状を呈するリリーフ用弁体812、及び、リリーフ用弁体812を付勢するスプリング822を有している。リリーフ用弁体812は、先端部832、先端部832よりも径が大きな本体部842、及び、本体部842から径外方向へ張り出すフランジ部852を有している。このとき、スプリング822によって、リリーフ用弁体812は、その先端部832の周縁を弁座782に当接させる。
リリーフ用弁体812は、通常時には弁座782に着座しており、燃料レール内の圧力が許容範囲を上回るリリーフ圧以上になると、弁座782から離座する。ここで特に、図10に示すように、リリーフ用弁体812の先端部832と本体部842との連結部分には、燃料から圧力を受ける受圧部902が、リリーフ用弁体812とは別の部材で、形成されている。この受圧部902は、リング状となっており、上記形態と同様に平坦面である受圧面902aを有している。また、先端部832は、下流側へ向かって径が大きくなるようなテーパ面832bを有している。
なお、本形態のリリーフ弁732が「リリーフ弁」を構成し、リリーフ用弁体812が「リリーフ用弁体」を構成し、受圧部902が「受圧部」を構成し、受圧面902aが「受圧面」を構成し、テーパ面832bが「テーパ面」を構成する。
本形態においても、定残圧弁の機能により、上記形態と同様の効果が奏される。
また、本形態においても、上記形態と同様、リリーフ用弁体812の先端部832と本体部842との連結部分に、燃料から圧力を受ける受圧部902が設けられている(図10参照)。これにより、開弁すると、受圧面積が大きくなるようになっている。また、燃料からの圧力を受けやすいように、平坦な受圧面902aが形成されている。その結果、速やかにリリーフ弁732を開弁方向へ移動させることができると共に、一度開弁したリリーフ弁732の開弁期間を長く保つことができ、例えば異常昇圧した燃料レール内の圧力を、可及的速やかに下降させることができる。
しかも、本形態では、受圧部902をリリーフ用弁体812とは別の部材としたため、弁体自体を加工する場合と比較して、受圧部902の形成が容易になるという点で有利である。
加えて、本形態では、先端部832がテーパ面832bを有している。したがって、リリーフ用弁体812の先端部832周縁から流入する燃料がテーパ面832bに作用することで、リリーフ用弁体812が求心する。これにより、リリーフ用弁体812の軸ずれを抑制することができる。
(第5実施形態)
本形態も、上記形態と比較して、リリーフ用弁体の構造が一部異なるものとなっている。図11は、本形態の圧力調整部703の部分拡大断面図である。
上記形態と同様、リリーフ弁733は、筒状を呈するリリーフ用弁体813、及び、リリーフ用弁体813を付勢するスプリング823を有している。リリーフ用弁体813は、先端部833、先端部833よりも径が大きな本体部843、及び、本体部843から径外方向へ張り出すフランジ部853を有している。このとき、スプリング823によって、リリーフ用弁体813は、その先端部833の周縁を弁座783に当接させる。
リリーフ用弁体813は、通常時には弁座783に着座しており、燃料レール内の圧力が許容範囲を上回るリリーフ圧以上になると、弁座783から離座する。ここで特に、図11に示すように、リリーフ用弁体813の先端部833と本体部843との連結部分には、燃料から圧力を受ける受圧部903が、リリーフ用弁体813とは別の部材で、形成されている。この受圧部903は、リング状となっており、受圧面903aを有している。特に本形態の受圧面903aは、燃料による抵抗を受けやすいように外周部を上流側へ突出させるような凹形状となっている。また、先端部833は、下流側へ向かって径が大きくなるようなテーパ面833bを有している。
なお、本形態のリリーフ弁733が「リリーフ弁」を構成し、リリーフ用弁体813が「リリーフ用弁体」を構成し、受圧部903が「受圧部」を構成し、受圧面903aが「受圧面」を構成し、テーパ面833bが「テーパ面」を構成する。
本形態においても、定残圧弁の機能により、上記形態と同様の効果が奏される。
また、本形態においても、上記形態と同様、リリーフ用弁体813の先端部833と本体部843との連結部分に、燃料から圧力を受ける受圧部903が設けられている(図11参照)。これにより、開弁すると、受圧面積が大きくなるようになっている。また、燃料からの圧力を受けやすいように、凹形状の受圧面903aが形成されている。その結果、速やかにリリーフ弁733を開弁方向へ移動させることができると共に、一度開弁したリリーフ弁733の開弁期間を長く保つことができ、例えば異常昇圧した燃料レール内の圧力を、可及的速やかに下降させることができる。
しかも、本形態では、受圧部903をリリーフ用弁体813とは別の部材としたため、弁体自体を加工する場合と比較して、受圧部903の形成が容易になるという点で有利である。
加えて、本形態では、先端部833がテーパ面833bを有している。したがって、リリーフ用弁体813の先端部833周縁から流入する燃料がテーパ面833bに作用することで、リリーフ用弁体813が求心する。これにより、リリーフ用弁体813の軸ずれを抑制することができる。
(第6実施形態)
本形態も、上記形態と比較して、リリーフ用弁体の構造が一部異なるものとなっている。また、リリーフ用弁体に合わせ、燃料通路や弁座の形も上記形態とは一部で異なっている。なお、燃料通路や弁座の形は、以下の形態も共通である。図12は、本形態の圧力調整部704の部分拡大断面図である。
上記形態と同様、リリーフ弁734は、筒状を呈するリリーフ用弁体814を有している。リリーフ用弁体814は、軸方向へ延びる先端部834及び、先端部834よりも径が大きな本体部844を有している。このとき、図示しないスプリングによって、リリーフ用弁体814は、その先端部834の端縁部を弁座784に当接させる。
リリーフ用弁体814は、通常時には弁座784に着座しており、燃料レール内の圧力が許容範囲を上回るリリーフ圧以上になると、弁座784から離座する。ここで特に、図12に示すように、リリーフ用弁体814の先端部834は、本体部844から軸方向へ突出している。そして、この突出部分の周囲に、受圧部904が形成されている。受圧部904は、突出部分を周方向に囲繞する外周壁904aを有している。この外周壁904aに囲まれた空間が、受圧室904bとなっている。受圧室904bは、リリーフ用弁体814の軸周りに形成された円筒状の空間である。これにより、リリーフ用弁体814が弁座784から離座すると、受圧室904bへ、燃料が流れ込むようになっている。また、リリーフ用弁体814が弁座784から離座すると、記号Bの二点鎖線よりも下流側へ燃料が流れ込み外周壁904aの内面に燃料が衝突する。
なお、本形態のリリーフ弁734が「リリーフ弁」を構成し、リリーフ用弁体814が「リリーフ用弁体」を構成し、受圧部904が「受圧部」を構成し、外周壁904aが「外周壁」を構成し、受圧室904bが「受圧室」を構成する。
本形態においても、定残圧弁の機能により、上記形態と同様の効果が奏される。
また、本形態においても、上記形態と同様、外側流路が開放された際に開弁方向への圧力を受ける受圧面積が閉弁時よりも大きくなるよう、外側流路へ張り出す受圧部904を有している。そして、受圧部904の外周壁904aに囲まれた受圧室904bが形成されており、リリーフ用弁体814が弁座784から離座すると、受圧室904bへ、燃料が流れ込むようになっている。また、外周壁904aの内面へ燃料が衝突する。これにより、より一層燃料による抵抗を大きくすることがでる。その結果、速やかにリリーフ弁734を開弁方向へ移動させることができると共に、一度開弁したリリーフ弁734の開弁期間を長く保つことができ、例えば異常昇圧した燃料レール内の圧力を、可及的速やかに下降させることができる。
(第7実施形態)
本形態も、上記形態と比較して、リリーフ用弁体の構造が一部異なるものとなっている。図13は、本形態の圧力調整部705の部分拡大断面図である。
上記形態と同様、リリーフ弁735は、筒状を呈するリリーフ用弁体815を有している。リリーフ用弁体815は、軸方向へ延びる先端部835及び、先端部835よりも径が大きな本体部845を有している。このとき、図示しないスプリングによって、リリーフ用弁体815は、その先端部835の端縁部を弁座785に当接させる。
リリーフ用弁体815は、通常時には弁座785に着座しており、燃料レール内の圧力が許容範囲を上回るリリーフ圧以上になると、弁座785から離座する。ここで特に、図13に示すように、リリーフ用弁体815の先端部835は、本体部845から軸方向へ突出している。そして、この突出部分の周囲に、受圧部905が形成されている。受圧部905は、突出部分を周方向に囲繞する外周壁905aを有している。この外周壁905aに囲まれた空間が、受圧室905bとなっている。受圧室905bは、リリーフ用弁体815の軸周りに形成された円筒状の空間である。このとき、リリーフ用弁体815が弁座785から離座すると、受圧室905bへ、燃料が流れ込むようになっている。また、リリーフ用弁体815が弁座785から離座すると、記号Bの二点鎖線よりも下流側へ燃料が流れ込み外周壁905aの内面に燃料が衝突する。ここで、受圧室905bの底面部分は、傾斜しており、径外方向へ向かうにしたがって開口から離れるように深くなっている。図13中に矢印Aで示すごとくである。
なお、本形態のリリーフ弁735が「リリーフ弁」を構成し、リリーフ用弁体815が「リリーフ用弁体」を構成し、受圧部905が「受圧部」を構成し、外周壁905aが「外周壁」を構成し、受圧室905bが「受圧室」を構成する。
本形態においても、定残圧弁の機能により、上記形態と同様の効果が奏される。
また、本形態においても、上記形態と同様、外側流路が開放された際に開弁方向への圧力を受ける受圧面積が閉弁時よりも大きくなるよう、外側流路へ張り出す受圧部905を有している。そして、受圧部905の外周壁905aに囲まれた受圧室905bが形成されており、リリーフ用弁体815が弁座785から離座すると、受圧室905bへ、燃料が流れ込むようになっている。また、外周壁905aの内面へ燃料が衝突する。さらにまた、燃料の抵抗をより大きくするよう受圧室905bの底面部分を傾斜させて形成した。これにより、より一層燃料による抵抗を大きくすることがでる。その結果、速やかにリリーフ弁735を開弁方向へ移動させることができると共に、一度開弁したリリーフ弁735の開弁期間を長く保つことができ、例えば異常昇圧した燃料レール内の圧力を、可及的速やかに下降させることができる。
(第8実施形態)
本形態も、上記形態と比較して、リリーフ用弁体の構造が一部異なるものとなっている。図14は、本形態の圧力調整部706の部分拡大断面図である。
上記形態と同様、リリーフ弁736は、筒状を呈するリリーフ用弁体816を有している。リリーフ用弁体816は、軸方向へ延びる先端部836及び、先端部836よりも径が大きな本体部846を有している。このとき、図示しないスプリングによって、リリーフ用弁体816は、その先端部836の端縁部を弁座786に当接させる。
リリーフ用弁体816は、通常時には弁座786に着座しており、燃料レール内の圧力が許容範囲を上回るリリーフ圧以上になると、弁座786から離座する。ここで特に、図14に示すように、リリーフ用弁体816の先端部836と本体部846との連結部分に、受圧部906が形成されている。受圧部906は、受圧面906aを有している。受圧面には、同心円状に複数(本形態では3つ)の溝条906bが形成されている。
なお、本形態のリリーフ弁736が「リリーフ弁」を構成し、リリーフ用弁体816が「リリーフ用弁体」を構成し、受圧部906が「受圧部」を構成し、受圧面906aが「受圧面」を構成し、溝条906bが「溝条」を構成する。
本形態においても、定残圧弁の機能により、上記形態と同様の効果が奏される。
また、本形態においても、上記形態と同様、外側流路が開放された際に開弁方向への圧力を受ける受圧面積が閉弁時よりも大きくなるよう、外側流路へ張り出す受圧部906を有している。そして、受圧部906の受圧面906aには溝条906bが形成されている。これにより、より一層燃料による抵抗を大きくすることがでる。その結果、速やかにリリーフ弁736を開弁方向へ移動させることができると共に、一度開弁したリリーフ弁736の開弁期間を長く保つことができ、例えば異常昇圧した燃料レール内の圧力を、可及的速やかに下降させることができる。
なお、ここでは断面視三角形状の溝条906aを形成したが、燃料による抵抗を大きくするために、図15に示すような構成を採用してもよい。ここで、リリーフ弁737、及び、リリーフ用弁体817、先端部837、本体部847、弁座787は、同様の構成となっている。また、受圧部907が受圧面907aを有しており、この受圧面907aに、同心円状に複数(本形態では3つ)の溝条907bが形成されている。ここで特に、溝条907bが、断面視四角形状となっている。このようにすれば、断面視三角形状の溝条906bと比べ、より一層燃料による抵抗を大きくすることができる。この場合、リリーフ弁737が「リリーフ弁」を構成し、リリーフ用弁体817が「リリーフ用弁体」を構成し、受圧部907が「受圧部」を構成し、受圧面907aが「受圧面」を構成し、溝条907bが「溝条」を構成する。
また、ここでは、同心円状に複数の溝条906b,907bが形成されているものとしたが、渦巻線状に溝条を形成してもよい。
(第9実施形態)
本形態も、上記形態と比較して、リリーフ用弁体の構造が一部異なるものとなっている。図16は、本形態の圧力調整部708の部分拡大断面図である。
上記形態と同様、リリーフ弁738は、筒状を呈するリリーフ用弁体818を有している。リリーフ用弁体818は、軸方向へ延びる先端部838及び、先端部838よりも径が大きな本体部848を有している。このとき、図示しないスプリングによって、リリーフ用弁体818は、その先端部838の端縁部を弁座788に当接させる。弁座788の周辺には、弁座788よりもテーパ角が小さい円錐面788aが形成されている。
リリーフ用弁体818は、通常時には弁座788に着座しており、燃料レール内の圧力が許容範囲を上回るリリーフ圧以上になると、弁座788から離座する。ここで特に、図16に示すように、リリーフ用弁体818の先端部838は、本体部848から軸方向へ突出している。そして、この突出部分の周囲に、受圧部908が形成されている。受圧部908は、突出部分を周方向に囲繞する外周壁908aを有している。外周壁908aは、開口側へ近づくほど径外方向へ拡がっている。この外周壁908aに囲まれた空間が、受圧室908bとなっている。受圧室908bは、リリーフ用弁体818の軸周りに形成された円筒状の空間である。このとき、リリーフ用弁体818が弁座788から離座すると、円錐面788aに沿って記号Bの二点鎖線よりも下流側へ燃料が流れ込む。これにより、流れ込む燃料が外周壁908aの内面へ衝突することになる。
リリーフ用弁体818が弁座788から離座してから記号Cの二点鎖線で示す位置まで移動すると、リリーフ用弁体818は、その後、確実に開弁するようになっている。このとき、記号Bの二点鎖線は、外周壁908aの上端部付近にあるため、リリーフ用弁体818が記号Cの二点鎖線で示す位置まで移動する間、流れ込む燃料は、外周壁908aの内面へ衝突し続けることになる。
なお、本形態のリリーフ弁738が「リリーフ弁」を構成し、リリーフ用弁体818が「リリーフ用弁体」を構成し、受圧部908が「受圧部」を構成し、外周壁908aが「外周壁」を構成し、受圧室908bが「受圧室」を構成する。
本形態においても、定残圧弁の機能により、上記形態と同様の効果が奏される。
また、本形態においても、上記形態と同様、外側流路が開放された際に開弁方向への圧力を受ける受圧面積が閉弁時よりも大きくなるよう、外側流路へ張り出す受圧部908を有している。そして、受圧部908の外周壁908aに囲まれた受圧室908bが形成されており、リリーフ用弁体818が弁座788から離座すると、受圧室908bへ、燃料が流れ込むようになっている。また、流れ込む燃料は、外周壁908aの内面に衝突するようになっており、さらに、開弁が確実となる位置までリリーフ用弁体818が移動するまでの間、流れ込む燃料が外周壁908aの内面に衝突し続ける。これにより、より一層燃料による抵抗を大きくすることができる。その結果、速やかにリリーフ弁735を開弁方向へ移動させて開弁を維持できると共に、一度開弁したリリーフ弁735の開弁期間を長く保つことができ、例えば異常昇圧した燃料レール内の圧力を、可及的速やかに下降させることができる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、上記形態に何等限定されるものではなく、種々なる形態で実施可能である。
本発明の実施形態の燃料供給装置を示す説明図である。 高圧ポンプの構成を示す断面図である。 高圧ポンプの一部を断面で示す平面図である。 第1実施形態の圧力調整部の部分拡大断面図である。 燃料レール内の圧力の推移を示す説明図である。 燃料レールの温度上昇によるインジェクタからの燃料漏れを示す説明図である。 燃料カット後の減速復帰時におけるインジェクタからの燃料噴射量を示す説明図である。 第2実施形態の圧力調整部の部分拡大断面図である。 第3実施形態の圧力調整部の部分拡大断面図である。 第4実施形態の圧力調整部の部分拡大断面図である。 第5実施形態の圧力調整部の部分拡大断面図である。 第6実施形態の圧力調整部の部分拡大断面図である。 第7実施形態の圧力調整部の部分拡大断面図である。 第8実施形態の圧力調整部の部分拡大断面図である。 第8実施形態の変形例としての圧力調整部の部分拡大断面図である。 第9実施形態の圧力調整部の部分拡大断面図である。
1…燃料供給装置、10…高圧ポンプ(高圧ポンプ)、11…ハウジング、12…カバー、13…燃料室、14…加圧室(加圧室)、15…シリンダ、20…燃料レール、21…インジェクタ、30…燃料タンク、31…低圧ポンプ、40…プランジャ部(加圧部)、41…プランジャ、42…プランジャ支持部、43…リフター、44…プランジャスプリング、50…調量弁部、51…筒部、52…弁部カバー、53…コネクタ、531…コイル、532…端子、533…固定コア、534…可動コア、535…スプリング、54…コネクタハウジング、55…燃料通路、56…シートボデー、57…吸入弁、571…底部、572…壁部、58…スプリング、59…ニードル、60…吐出弁部、61…収容部、611…収容室、612…弁座、62…吐出用弁体、63…スプリング、64…係止部、65…吐出口、70…圧力調整部、71、72…リターン流路(リターン流路)、73…リリーフ弁(リリーフ弁)、74…定残圧弁(定残圧弁)、75、76…燃料通路、77…係止部、78…弁座、79…外側通路(外側流路)、81…リリーフ用弁体(リリーフ用弁体)、82…スプリング、83…先端部、83a…先端面、84…本体部、84a…平坦面、85…フランジ部、86…オリフィス(絞り部)、87、88…燃料通路(内側流路)、89…弁座、90…受圧部(受圧部)、90a…受圧面(受圧面)、91…定残圧用弁体、92…スプリング、93…係止部、93a…燃料通路、94…先端部、95…本体部、100…カムシャフト、101…カム、700、701、702、703、704、705、706、707、708…圧力調整部、730、731、732、733、734、735、736、737、738…リリーフ弁(リリーフ弁)、780、781、782、783、784、785、786、787、788…弁座、788a…円錐面、810、811、812、813、814、815、816、817、818…リリーフ用弁体(リリーフ用弁体)、820、821、822、823…スプリング、830、831、832、833、834、835、836、837、838…先端部、831b、832b、833b…テーパ面(テーパ面)、840、841、842、843、844、845、846、847、848…本体部、850、851、852、853…フランジ部、900、901、902、903、904、905、906、907、908…受圧部(受圧部)、900a、901a、902a、903a、906a、907a…受圧面(受圧面)、900b…テーパ面(テーパ面)、904a、905a、908a…外周壁(外周壁)、904b、905b、908b…受圧室

Claims (12)

  1. プランジャの移動によって容積変化し燃料を加圧可能な加圧室を有する加圧部と、
    前記加圧室にて加圧される燃料を、インジェクタが接続される燃料レールへ吐出弁を介して吐出する吐出部と、
    前記吐出弁の下流側から、当該吐出弁の上流側へ、燃料を戻すことが可能なリターン流路と、
    前記リターン流路の途中に介在する流路として弁体内部の内側流路及び弁体外部の外側流路を形成する筒状のリリーフ用弁体を有し、燃料レール内の圧力が許容範囲を上回るリリーフ圧以上になると、前記リリーフ用弁体が移動することで前記外側流路を開放して、前記リターン流路を機能させる機械式のリリーフ弁と、
    前記リリーフ用弁体の前記内側流路に支持され、当該内側流路の上流側に相対的に流路面積の小さな絞り部を具備するとともに、当該絞り部から流入する燃料の圧力によって前記内側流路を開放してリターン流路を機能させ、前記燃料レール内の圧力が所定の定残圧以下になると前記内側流路を閉塞する機械式の定残圧弁と、を備え、
    前記リリーフ用弁体は、前記外側流路が開放された際に開弁方向への圧力を受ける受圧面積が閉弁時よりも大きくなるよう、前記外側流路へ張り出す受圧部を有していること
    を特徴とする高圧ポンプ。
  2. 請求項1に記載の高圧ポンプにおいて、
    前記受圧部は、前記リリーフ用弁体の移動方向にほぼ垂直な受圧面を有していること
    を特徴とする高圧ポンプ。
  3. 請求項2に記載の高圧ポンプにおいて、
    前記受圧面は、燃料による抵抗を受けやすいよう凹形状となっていること
    を特徴とする高圧ポンプ。
  4. 請求項2に記載の高圧ポンプにおいて、
    前記受圧面は、燃料による抵抗を受けやすいよう周方向に形成された溝条を有していること
    を特徴とする高圧ポンプ。
  5. 請求項1に記載の高圧ポンプにおいて、
    前記受圧部は、前記リリーフ用弁体による前記外側流路の開放によって燃料が流れ込む受圧室を有していること
    を特徴とする高圧ポンプ。
  6. 請求項5に記載の高圧ポンプにおいて、
    前記受圧部は、リリーフ用弁体の軸周りに形成された外周壁を有しており、
    前記受圧室は、前記外周壁に囲まれ、前記リリーフ用弁体の軸周りに形成された円筒状の空間であること
    を特徴とする高圧ポンプ。
  7. 請求項6に記載の高圧ポンプにおいて、
    前記受圧室の底面部分は、燃料の抵抗を受けやすいよう傾斜していること
    を特徴とする高圧ポンプ。
  8. 請求項7に記載の高圧ポンプにおいて、
    前記リリーフ用弁体が移動することで前記外側流路が開放されると、流れ込む燃料が前記外周壁の内面に衝突するようになっていること
    を特徴とする高圧ポンプ。
  9. 請求項8に記載の高圧ポンプにおいて、
    前記リリーフ用弁体が移動を開始してから開弁が確実になる程度に当該リリーフ用弁体が移動するまでの間、前記流れ込む燃料が前記外周壁の内面に衝突し続けること
    を特徴とする高圧ポンプ。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の高圧ポンプにおいて、
    前記受圧部は、前記リリーフ用弁体とは別の部材を当該リリーフ用弁体に取り付けることによって形成されていること
    を特徴とする高圧ポンプ。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の高圧ポンプにおいて、
    前記リリーフ用弁体は、開弁時における燃料の流れによって前記リリーフ用弁体に求心作用を生じさせるテーパ面を有していること
    を特徴とする高圧ポンプ。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の高圧ポンプにおいて、
    前記リターン流路は、前記吐出弁の下流側と前記加圧室とを連通すること
    を特徴とする高圧ポンプ。
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