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JP5124822B2 - 複合金属粉体およびその分散液の製造法 - Google Patents

複合金属粉体およびその分散液の製造法 Download PDF

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Description

本発明は銀と銀以外の貴金属類(実際には標準電極電位E0が0.80V以上の銀以外の金属X)との微細な複合金属粉体の製造法、およびその複合金属粉体の分散液の製造法に関する。
固体物質の大きさがnmオーダー(ナノメートルオーダー)になると比表面積が非常に大きくなるために、固体でありながら気体や液体の界面が極端に大きくなる。したがって、その表面の特性が固体物質の性質を大きく左右する。金属粒子粉末の場合は、融点がバルク状態のものに比べ劇的に低下することが知られており、そのためにμmオーダーの粒子に比べて微細な配線の描画が可能になり、しかも低温焼結できる等の利点を具備するようになる。金属粒子粉末の中でも銀粒子粉末は、低抵抗でかつ高い耐候性をもち、金属の価格も他の貴金属と比較して安価であることから、微細な配線幅をもつ次世代の配線材料として特に期待されている。
しかし、銀粒子粉末を導電材とするさいには次のような問題が指摘されている。
(a)インクジェット法等の手法を用いて銀粒子の分散液によって配線を形成した場合には、回路の集積度向上に伴う配線間隔狭小化につれて、配線間でのエレクトロマイグレーションによる回路短絡が起こり易くなる。
(b)銀粒子の分散液またはペーストによって電気的接点を形成した場合には、めっきを行う際にめっき液の浸透により基材が侵食を受ける。
(c)同様に、半田付けを行う際に半田による電気的接点部の銀の拡散が起こることによる回路配線や電気的接点の信頼性低下する。
回路配線のエレクトロマイグレーションを抑制する手段としては、銀のエレクトロマイグレーション性を向上させるパラジウムやチタン等を含有させる方法(例えば、特許文献1)、酸化銅ナノ粒子で配線を形成した後、還元性気体の存在下において生起されるプラズマ雰囲気中で配線を銅に還元する方法(例えば、特許文献2)、さらにはインク中にアルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素を含まないことによりエレクトロマイグレーションを回避する方法(例えば、特許文献3)等が提案されている。
特開2001−35255号公報 特開2004−119686号公報 特開2004−35255号公報
特許文献1は、ヘリウム等の不活性ガス雰囲気でかつ0.5Torr程度の低圧中で金属を蒸発させる方法(いわゆる蒸発法)を開示しており、この方法で得られる銀粒子はエレクトロマイグレーション性が改善されるとされている。得られる粒子は粒径が10nm以下で分散液中の分散性が良好であるが、粒子生成にあたり特別な装置が必要である。このため産業用の銀ナノ粒子を大量に合成するには難があることに加えて、ナノ粒子の収率が低く、この方法で得られるナノ粒子粉末は高価となる。
特許文献2では、ヘリウム等の不活性ガス雰囲気でかつ0.5Torr程度の低圧中で金属を蒸発させる方法(いわゆる蒸発法)で得た酸化銅粒子で配線形成をした後、還元性気体存在下において生起されるプラズマ雰囲気中で銅まで還元して銅系配線を形成している。蒸発法で得られる粒子は粒径が10nm以下で分散液中の分散性が良好であるが、特許文献1と同様に粒子生成にあたり特別な装置が必要である。このため産業用の酸化銅ナノ粒子を大量に合成するには難があることに加えて、酸化銅粒子の収率が低く、この方法で得られる粒子粉末は高価となる。また雰囲気調整をしない大気中での焼成ができず、還元性雰囲気かつプラズマ雰囲気を必要とするので焼成にも特別な装置が必要である。
特許文献3では出発原料を限定し、クエン酸のアンモニウム塩を保護剤とすることにより、インク中にアルカリ金属、アルカリ土類金属を含まないようにしている。しかし、出発原料や還元剤に塩素や硫黄が含まれており、配線やその他電子部品を腐食させる原因となるため好ましくない。また、インク化前に粒子を乾燥させているが、乾燥により粒子が凝集するため分散性が悪化する。
このように、ナノ粒子粉末によって微細な配線や電気的接点形成を目的とした場合に、a)耐エレクトロマイグレーション性、b)耐めっき性、c)耐半田喰われ性を同時に改善し、しかも安価で多量生産に適した金属粉末を得ることは容易ではなかった。本発明はこの要求を満たすことを課題としたものである。
本発明は、銀と銀以外の貴金属類(標準電極電位E0が0.80V以上の銀以外の金属X)との微細な複合金属粉体を構成することによって前記の課題の解決を図ったものである。
すなわち、本発明は、下記(A)の複合金属粉体の製造法を提供する。
(A)銀と、標準電極電位E0が0.80V以上の銀以外の金属Xとの合金の粒子からなり、金属Xの重量割合が1〜80wt%である複合金属粉体であって、当該合金粒子は平均粒径(DTEM)が20nm以下で且つ結晶粒子径(Dx)が20nm以下である複合金属粉体(合金粉体)
また本発明は、上記(A)の複合金属粉体を液状有機媒体に分散させてなる複合金属粉体分散液の製造法を提供する。
具体的には上記(A)の複合金属粉体の有利な製造法として、還元剤として機能するアルコールまたはポリオールの1種または2種以上の液中で銀イオンと金属Xイオンを銀粒子と金属X粒子に還元処理するさいに、その還元反応の条件を制御することにより、上記(A)の複合金属粉体を製造する方法を提供する。そのさい、還元処理にあたっては、1分子中に少なくとも1個以上の不飽和結合を有する分子量100〜1000のアミン化合物の共存下で還元する。
また、該複合金属粉体の分散液の製造法として、還元剤として機能するアルコールまたはポリオールの1種または2種以上の液中で銀イオンと金属Xイオンを銀粒子と金属X粒子に還元処理するさいに、1分子中に少なくとも1個以上の不飽和結合を有する分子量100〜1000のアミン化合物の共存下においてその還元反応の条件を制御することにより、上記(A)の複合金属粉体を製造し、得られた複合金属粉体を沸点60〜300℃の非極性もしくは極性の小さい液状有機媒体に分散させる複合金属粉体分散液の製造法を提供する。
本発明の複合金属粉体およびその分散液またはペーストは、大気雰囲気中で低温焼結が可能であり、回路配線や電気的接点として用いた場合のa)耐エレクトロマイグレーション性、b)耐めっき性、およびc)耐半田喰われ性が良好である。このため、微細な配線や電気的接点形成に適する。
本発明は、基本的には平均粒径DTEMが20nm以下のナノ粒子分野において、銀と銀以外の金属Xとの複合化を行うことによって、銀粉末を回路配線に用いた場合のマイグレーションの問題の解決を図ったものであり、加えて、電気的接点として使用した場合の耐めっき性、および耐半田喰われ性の向上を図ったものである。ここで、金属Xは標準電極電位E0が0.80V以上の銀以外の金属を意味し、これを本明細書では金属Xと呼ぶ。金属Xには種々の金属元素が存在するが、本発明の複合金属粉体の用途を考慮すると、白金、パラジウム、金等が挙げられる。複合化のための金属Xの配合量としては、いずれの態様においても、金属Xの重量割合が1〜80wt%の範囲であればよい。
ナノ銀粒子に金属Xを複合化する第一の態様として、まずナノ金属X粒子を混合する態様がある。この場合には、ナノ銀粒子とナノ金属X粒子を有利に製造できることが必要である。本発明者はナノ銀粒子と貴金属類のナノ粒子を液相法によって有利に製造できることを見い出した。まず、この点について説明する。
本発明者は液相法で銀の粒子粉末を製造する試験を重ねてきたが、沸点が85〜150℃のアルコール中で、硝酸銀を、85〜150℃の温度で(蒸発したアルコールを液相に還流させながら)、例えば分子量100〜400のアミン化合物からなる保護剤の共存下で還元処理すると、粒径の揃った球状の銀のナノ粒子粉末が得られることを知見し、特願2005−26805号明細書および図面に記載した。また、沸点が85℃以上のアルコールまたはポリオール中で、銀化合物(代表的には炭酸銀または酸化銀)を、85℃以上の温度で、例えば分子量100〜400の脂肪酸からなる保護剤の共存下で還元処理すると、腐食性化合物の少ない粒径の揃った球状の銀の粒子粉末が得ることを知見し、特願2005−26866号明細書および図面に記載した。いずれの場合にも、その銀粒子粉末を非極性もしくは極性の小さな液状有機媒体に分散させることによって銀粒子の分散液を得ることができ、この分散液から遠心分離等で粗粒子を除くと粒径のバラツキの少ない(CV値=標準偏差σ/個数平均粒子の百分率が40%未満の)銀粒子が単分散した分散液を得ることができる。
しかし、これら方法では、反応温度を高くすると、液中の銀イオンが効率よく還元されるが、粒子の焼結が起こって粗粒子化し、50nm以下の銀粒子粉末が得られ難くなり、反面、反応温度を低くすれば焼結は抑制できるが、液中の銀イオンの還元効率が低下してしまって収率が下がる等のことから、効率よく50nm以下の銀粒子粉末の作製を行うにはさらなる改善を必要とした。
この課題に対し、有機保護剤として分子量500以上のものを使用すると、反応温度を高くしても、焼結を抑制でき、その結果、高い還元率で50nm以下の銀粒子粉末を高効率で得ることができることがわかった。しかし、分子量の大きい有機保護剤を用いると、その銀粒子分散液を配線形成用材料とした場合に、300℃以下の低温での焼結性が著しく低下するという別の問題が現れることがわかった。基板に有機フィルム等を用いた回路等では、300℃以上の温度で焼成することは実質的にできないので、該分散液の用途に制限を受けることになるし、その他の材料を用いる回路基板でも低温で焼結性がよいことは当該銀粒子分散液の価値を高めることになる。このため、高分子量の有機保護剤を用いたのでは、50nm以下の銀粒子粉末を高収率で得ることと、その銀粒子分散液の低温焼結性とを両立させることはできない。
そこで、さらに研究を重ねた結果、1分子中に2重結合等の不飽和結合を1個以上持つアミン化合物を有機保護剤として用いると、前記の両立ができることを見出した。さらに、当該還元処理において、反応温度を段階的にあげて、多段反応温度で還元する処方を採用したり、得られた粒子懸濁液の洗浄および粗粒子除去の操作を高度に組み立てることによって、一層有利に前記の両立ができ、銀ナノ粒子が高度に分散した低温焼結性のよい銀粒子分散液を高収率で製造できることがわかった。
銀以外の標準電極電位E0が0.80V以上の金属Xについても、前記した銀と実質的に同様の液相法によってそのナノ金属X粒子を製造できる。その場合も、1分子中に2重結合等の不飽和結合を1個以上持つアミン化合物を有機保護剤として用いると、銀の場合と同様に、前記の両立ができる。さらに、当該還元処理において、反応温度を段階的にあげて、多段反応温度で還元する処方を採用したり、還元助剤を添加したり、得られた粒子懸濁液の洗浄および粗粒子除去の操作を高度に組み立てることによって、一層有利に前記の両立ができ、金属Xのナノ粒子が高度に分散した低温焼結性のよい金属粒子分散液を高収率で製造できることがわかった。
したがって、ナノ銀粒子とナノ金属X粒子の混合粉は、それぞれ前記の液相法で得られたものを混合することによって得ることができる。場合によっては、還元剤として機能するアルコールまたはポリオールの1種または2種以上の液中で銀イオンと金属Xイオンを銀粒子と金属X粒子に還元処理するさいに、1分子中に少なくとも1個以上の不飽和結合を有する分子量100〜1000のアミン化合物の共存下においてその還元反応の条件を制御することにより、銀粒子と金属X粒子が混合された複合金属粉体を製造することができる。またこの混合された複合金属粉体を沸点60〜300℃の非極性もしくは極性の小さい液状有機媒体に分散させることによって複合金属粉体の分散液を製造することができる。
ナノ銀粒子に金属Xを複合化する第二の態様として、銀と金属Xとを合金化し、この合金のナノ粒子とする態様があるが、このナノ合金粒子の製造も、前記と同様の液相法で製造することができる。すなわち、還元剤として機能するアルコールまたはポリオールの1種または2種以上の液中で銀イオンと金属Xイオンを銀粒子と金属X粒子に還元処理するさいに、1分子中に少なくとも1個以上の不飽和結合を有する分子量100〜1000のアミン化合物の共存下においてその還元反応の条件を制御することにより、銀粒子と金属X粒子が合金化された複合金属粉体を製造することができる。またこの合金化された複合金属粉体を沸点60〜300℃の非極性もしくは極性の小さい液状有機媒体に分散させることによって合金化された複合金属粉体の分散液を製造することができる。本発明ではこの第二の態様を対象とする。
ナノ銀粒子のコアに金属Xのシェルを形成する(あるいはその逆の)コア−シェル構造の態様、銀粒子に金属X粒子を担持させるか金属X粒子に銀粒子を担持させる担持構造の態様においても、これらの構造のナノ粒子も前記と同様の液相法で製造できる。すなわち、還元剤として機能するアルコールまたはポリオールの1種または2種以上の液中で銀イオンと金属Xイオンを銀粒子と金属X粒子に還元処理するさいに、1分子中に少なくとも1個以上の不飽和結合を有する分子量100〜1000のアミン化合物の共存下においてその還元反応の条件を制御することにより、これらの態様の構造の複合金属粉体を製造することができる。またこの構造の複合金属粉体を沸点60〜300℃の非極性もしくは極性の小さい液状有機媒体に分散させることによって合金化された複合金属粉体の分散液を製造することができる。
これらの分散液については、低温焼結性や分散性等を損なわない範囲で各種添加剤を添加することもできる。例えば増粘剤、沈降防止剤、色分かれ防止剤、消泡剤、レベリング剤等のこの分野で既知の添加材を使用することができる。それらの添加量は当該分散液の重量に対して0.01〜10重量%とするのが良い。0.01重量%未満では添加剤の効果が少なく、10重量%より多くても添加剤の効果が飽和するばかりか、低温焼結性や分散性等を悪化させるためである。
また、前記いずれの態様の複合金属粉体のペーストを得るには、前記のようにして得た各態様の複合金属粉体に、分子量1000〜100000の高分子有機保護剤を添加した後、沸点が60〜300℃の液状有機媒体に分散させるか、或いは、該複合金属粉体を沸点が60〜300℃の液状有機媒体に分散させた後に分子量1000〜100000の高分子有機保護剤を添加することによってペースト化すればよい。高分子有機保護剤の添加は複合金属分散液の300℃以下での低温焼結性を悪化させるが、このような高分子量の有機保護剤を用いると、分散液の粘度を高くすることができ、ペーストとして使用するのに適した粘性を付与させることができる。
以下に本発明で特定する事項を説明する。
〔平均粒径DTEM
本発明の複合金属粒子粉末は、TEM(透過電子顕微鏡)観察により測定される平均粒径(DTEMと記す)が50nm以下、好ましくは30nm以下、さらに好ましくは20nm以下である。このため、本発明の複合金属粒子粉末分散液および複合金属粒子粉末ペーストは微細な配線を形成するのに適する。TEM観察では60万倍に拡大した画像から重なっていない独立した粒子300個の径を測定して平均値を求める。
〔X線結晶粒径Dx〕
本発明の複合金属粒子粉末は、結晶粒子径(Dxと記す)が20nm以下である。複合金属粒子粉末のX線結晶粒径はX線回折結果から Scherrer の式を用いて求めることができる。その求め方は、次のとおりである。
Scherrer の式は、次の一般式で表現される。
Dx=K・λ/β COSθ
式中、K:Scherrer定数、Dx:結晶粒子径、λ:測定X線波長、β:X線回折で得られたピークの半価幅、θ:回折線のブラッグ角をそれぞれ表す。Kは0.94の値を採用し、X線の管球はCuを用いると、前式は下式のように書き換えられる。
Dx=0.94×1.5405/β COSθ
〔標準電極電位E0が0.80V以上の金属X〕
標準電極電位E0が0.80V以上の銀以外の金属Xとして、白金(標準電極電位E0=1.19V)、パラジウム(標準電極電位E0=0.915V)、金(標準電極電位E0=1.68V)等を例示できるが、これらの金属Xは焼成時に銀と合金を形成することにより耐エレクトロマイグレーション性を改善し、また耐めっき性、耐半田喰われ性を向上させる。配線部や電気的接点での合金組成は部分的な斑がないことが好ましく、混合態様の本発明の複合金属粉体でもこれらの効果を示す。しかし、予め合金化もしくはコア−シェル構造もしくは担持構造を形成させた態様の方が、耐エレクトロマイグレーション性や耐めっき性や耐半田喰われ性を一層確実なものとすることができる。なお、金属Xの出発原料や還元剤等に硫黄や塩素を含むものは、生成した金属粉体に硫黄や塩素が残存し、配線腐食の原因となるので好ましくない。
〔有機保護剤〕
本発明においては、表面が有機保護剤で覆われた複合金属粉体を液状有機媒体に分散させることによって複合金属粉体の分散液とする。この有機保護剤としては、1分子中に少なくとも1個以上の不飽和結合を有し、分子量100〜1000、好ましくは100〜400のアミン化合物を使用する。このような不飽和結合をもつアミン化合物を有機保護剤として使用することによって、液相法による還元反応において金属核を一斉に発生させると共に析出した金属核の成長を全体的に均斉に抑制する現象が起きるのではないかと推測されるが、前記のように20nm以下の金属粒子粉末を高収率で得ることができ、しかもこのアミン化合物は比較的低温で分解するのでその金属粒子分散液の低温焼結性を確保することができる。本発明で使用できる代表的なアミン化合物として、例えばトリアリルアミン、オレイルアミン、ジオレイルアミン、オレイルプロピレンジアミンを例示できる。なお、有機保護剤に硫黄や塩素を含むものは配線腐食の原因となるので好ましくない。
〔高分子量有機保護剤〕
高分子量の有機保護剤を用いると、銀粒子分散液の粘度を高くすることができ、ペーストとして使用するのに適した粘性を付与させることができる。高分子量の有機保護剤は分子量1000〜100000の有機化合物を使用する。本発明で使用できる代表的な有機化合物として、例えばエポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ヒドロキシプロプルメチルセルロースフタレート樹脂等のポリマーや脂肪族系多価カルボン酸、高分子ポリエステルのアミン塩、長鎖ポリアミノアマイドと高分子酸ポリエステルの塩、特殊アクリル系重合物、特殊シリコーン系重合物等の界面活性剤を例示できる。なお、高分子量有機保護剤に硫黄や塩素を含むものは配線腐食の原因となるので好ましくない。
〔液状有機媒体〕
前記の有機保護剤で覆われた複合金属粉体を分散させる液状有機媒体としては、沸点が60〜300℃の非極性もしくは極性の小さい液状有機媒体を用いる。ここで、「非極性もしくは極性の小さい」というのは25℃での比誘電率が15以下であることを指し、より好ましく5以下である。比誘電率が15を超える場合、複合金属粉体の分散性が悪化し沈降することがあり、好ましくない。分散液の用途に応じて各種の液状有機媒体が使用できるが、炭化水素系が好適に使用でき、とくに、イソオクタン、n−デカン、イソドデカン、イソヘキサン、n−ウンデカン、n−テトラデカン、n−ドデカン、トリデカン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、デカリン、テトラリン等の芳香族炭化水素等が使用できる。これらの液状有機媒体は1種類または2種類以上を使用することができ、ケロシンのような混合物であっても良い。更に、極性を調整するために、混合後の液状有機媒体の25℃での比誘電率が15以下となる範囲でアルコール系、ケトン系、エーテル系、エステル系等の極性有機媒体を添加しても良い。
〔アルコールまたはポリオール〕
本発明では還元剤として機能するアルコールまたはポリオールの1種または2種以上の液中で銀や金属Xの化合物(銀イオンや金属Xイオン)を還元するが、このようなアルコールとしては、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、アリルアルコール、クロチルアルコール、シクロペンタノール等が使用できる。またポリオールとしては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール等が使用できる。
〔還元反応〕
本発明の複合金属粉体は、アルコールまたはポリオール中で、銀もしくは金属Xの化合物(各種の金属塩や銀酸化物等)を、有機保護剤の共存下で、85℃〜150℃の温度で還元処理することによって製造することができる。有機保護剤としては前記のとおり1分子中に1個以上の不飽和結合を有する分子量100〜1000のアミン化合物を使用する。アルコールまたはポリオールは、銀もしくは金属Xの化合物の還元剤として、また反応系の液状有機媒体として機能するものである。還元反応は加熱下でこの液状有機媒体兼還元剤の蒸発と凝縮を繰り返す還流条件下で行なわせるのがよい。還元に供する銀もしくは金属Xの化合物としては、銀もしくは金属Xの酸化物、硝酸塩、炭酸塩、脂肪酸塩等がある。工業的観点から硝酸塩が好ましいが、硝酸塩に限定されるものではない。ただし、出発原料である銀もしくは金属Xの化合物(各種の金属塩や銀酸化物等)に硫黄や塩素を含むものは配線腐食の原因となるので好ましくない。本発明法では反応時の液中の銀もしくは金属Xのイオン濃度は50mmol/L以上で行うことができる。還元処理にあたっては、反応温度を段階的にあげて、多段反応温度で還元処理する方法も有利である。
この還元反応において、反応温度、昇温速度、反応物の仕込量や量比、還元助剤の添加、その他の還元反応を律速する因子をコントロールしたり、出発原料種類を選択することにより、銀と金属Xとの複合金属粉体の形態制御、すなわち混合物形態、コア−シェル構造形態、担持形態等の態様のものを得ることができる。
〔反応後の処理〕
反応後の銀もしくは金属X、または複合金属粉体の懸濁液(反応直後のスラリー)は、洗浄・分散・分級・混合等の工程を経て、本発明に従う複合金属粉体の分散液とすることができるが、それら工程の代表例(後記の実施例で用いた例)を挙げると次のとおりである。
〔洗浄工程〕
(1) 反応後のスラリー40mLを遠心分離器(日立工機株式会社製のCF7D2)を用いて3000rpmで30分固液分離を実施し、上澄みを廃棄する。
(2) 沈殿物に「極性の大きい液状有機媒体」40mLを加えて超音波分散機で分散させる。
(3) 前記の(1) →(2) を3回繰り返す。
(4) 前記の(1) を実施して上澄み廃棄し沈殿物を得る。
〔分散工程〕
(1) 前記の洗浄工程を得た沈殿物に「非極性もしくは極性の小さい液状有機媒体」40mL添加する。
(2) 次いで超音波分散機にかける。
〔分級工程〕
(1) 分散工程を経た銀もしくは金属Xもしくは複合金属粒子と「非極性もしくは極性の小さい液状有機媒体の混濁液」40mLを前記と同様の遠心分離器を用いて3000rpmで30分間固液分離を実施する。
(2) 上澄み液を回収する。この上澄み液が銀もしくは金属Xもしくは複合金属粒子粉末分散液となる。
前記の洗浄工程では液状有機媒体としては「極性の大きい液状有機媒体」を用いる。「極性の大きい」というのは25℃での比誘電率が15より大きいことを指す。比誘電率が15以下の場合、銀もしくは金属Xもしくは複合金属粒子の分散性が良好すぎるため、洗浄工程での洗浄効率が悪化する。極性の大きい液状有機媒体としては各種のものが使用できるが、アルコール系とケトン系が好適に使用でき、アルコール系としては、とくに、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等が、ケトン系としてはアセトン、アセチルアセトン等が使用できる。これらの極性の大きい液状有機媒体は1種類または2種類以上を使用することができ、混合物であっても良い。
また、次の分散工程では「非極性もしくは極性の小さい液状有機媒体」を用いる。「非極性もしくは極性の小さい」というのは、既に説明したとおり、25℃での比誘電率が15以下であることを指し、より好ましく5以下であって、前掲例示の非極性もしくは極性の小さい液状有機媒体を使用することができる。
〔耐マイグレーション性〕
耐マイグレーション性は次のようにして評価する。本発明による複合金属粒子分散液もしくは複合金属粒子分散ペーストをアルミナ基板上に塗布し、大気雰囲気中250℃で60分焼成し、電極幅1mm、電極間距離1mmの電極を作製し、7.5Vの直流電圧を印加した電極の間に純水を1滴滴下してから、抵抗の両端電圧が2Vになるまでの時間を測定する。この時間をマイグレーション時間とする。
〔耐半田喰われ性〕
耐半田喰われ性は次のようにして評価する。本発明による複合金属粉体分散液もしくは複合金属粉体ペーストをアルミナ基板上に塗布し、大気雰囲気中250℃で60分焼成し、2mm角の電極を作製する。電極をフラックスに2秒浸漬し引き上げた後、過剰なフラックスを除去し、230℃の半田槽に5秒間浸漬し引き上げる。表面をアセトンで洗浄してから半田喰われを目視により確認する。
〔本発明の複合金属粉体の用途〕
本発明の複合金属粉体は、微細な回路パターンを形成するための配線形成用材料例えばインクジェット法による配線形成用材料として好適である。また本発明の複合金属粉体はLSI基板の配線やFPD(フラットパネルディスプレイ)の電極、配線用途、さらには微細なトレンチ、ビアホール、コンタクトホールの埋め込み等の配線形成材料としても好適である。さらに本発明の複合金属粉体は車の塗装等の色材としても適用でき、医療・診断・バイオテクノロジー分野において生化学物質等を吸着させるキャリヤーにも適用できる。さらに本発明の複合金属粉体は低温焼成が可能であるからフレキシブルなフィルム上への電極形成材料として適用でき、エレクトロニクス実装に於いては接合材として用いることも出来る。さらには、導電性皮膜として電磁波シールド膜や、透明導電膜等の分野での光学特性を利用した赤外線反射シールド等にも適用できる。さらに、低温焼結性と導電性を利用して、ガラス基板上へ印刷・焼成し、自動車ウインドウの防曇用熱線等にも好適である。一方、分散液としては、液体(分散媒)とほぼ同様の挙動を示すため、上に挙げたインクジェット法に限らず、スピンコート、ディッピング、ブレードコート等各種塗布方法に適用可能で、スクリーン印刷等にも適用可能である。
参考例1〕
液媒体兼還元剤としてのイソブタノール140mLに、有機保護剤として不飽和結合を分子中に1個有するオレイルアミン185.8mLと、銀化合物として硝酸銀結晶19.2gとを添加し、マグネットスターラーにて攪拌して硝酸銀を分散させる。この液を還流器のついた容器に移してオイルバスに載せ、容器内に不活性ガスとして窒素ガスを400mL/minの流量で吹込みながら、該液をマグネットスターラーにより100rpmの回転速度で撹拌しつつ加熱し、100℃の温度で2時間30分の還流を行った。その後、108℃まで温度を上げ、2時間30分の還流を行い、反応を終了した。そのさい100℃および108℃に至るまでの昇温速度はいずれも2℃/minとした。
反応終了後のスラリーについて本文に記載した洗浄、分散および分級の工程を実施し、本文に記載した方法で諸特性の評価を行なった。液状有機媒体として、洗浄工程では極性の大きいメタノールを、分散工程では極性の小さいケロシンを使用した。その結果、得られた銀粒子粉末は平均粒径DTEM=12.3nmで、結晶粒子径Dx=15.0nmであった。
液媒体兼還元剤としてのイソブタノール200mLに、有機保護剤としてオレイルアミンを132.7mLと、白金化合物としてのアセチルアセトナート白金を15.9g添加し、マグネットスターラーにて攪拌してアセチルアセトナート白金を分散させる。この液を還流器のついた容器に移してオイルバスに載せ、容器内に不活性ガスとして窒素ガスを400mL/minの流量で吹込みながら、該液をマグネットスターラーにより200rpmの回転速度で撹拌しつつ加熱し、100℃の温度で1 時間30分の還流を行った。その後、108℃まで温度を上げ、2時間30分の還流を行い、反応を終了した。そのさい100℃および108℃に至るまでの昇温速度はいずれも2℃/minとした。
反応終了後のスラリーについて本文に記載した洗浄、分散および分級の工程を実施し、本文に記載した方法で諸特性の評価を行なった。液状有機媒体として、洗浄工程では極性の大きいメタノールを、分散工程では極性の小さいケロシンを使用した。その結果、得られた白金粒子は平均粒径DTEM=9.0nmで結晶粒子径Dx=7.8nmであった。
前記方法で得られた銀粒子分散液と、前記方法で得られた白金粒子分散液とを混合し、複合金属粉体および複合金属粉体分散液を得た。混合にあたっては、銀粒子分散液と白金粒子分散液を、複合金属粉体中の白金粒子粉末の重量割合が40wt%となるように分取し、マグネットスターラーにより100rpmの回転速度で室温において撹拌混合した。
得られた複合金属粉体は銀粒子粉末と白金粒子粉末の混合物であり、複合金属粉体中の銀粒子粉末の平均粒径DTEM=12.3nmで結晶粒子径Dx=15.0nmであり、白金粒子粉末の平均粒径DTEM=9.0nmで結晶粒子径Dx=7.8nmであって、複合金属粉体中の白金粒子粉末の重量割合が40wt%であった。この混合物からなる複合金属粉体について、本文に記載した方法で特性の評価を行った。その結果、エレクトロマイグレーション時間は5秒であり、耐半田喰われ性が良好であることが目視で確認された。
〔実施例
液媒体兼還元剤としてのイソブタノール140mLに、有機保護剤として不飽和結合を分子中に1個有するオレイルアミン185.8mLと、銀化合物として硝酸銀結晶19.2gと、パラジウム化合物として硝酸パラジウム結晶11.2gとを添加し、マグネットスターラーにて攪拌して硝酸銀と硝酸パラジウム分散させる。この液を還流器のついた容器に移してオイルバスに載せ、容器内に不活性ガスとして窒素ガスを400mL/minの流量で吹込みながら、該液をマグネットスターラーにより100rpmの回転速度で撹拌しつつ加熱し、100℃の温度で2時間30分の還流を行った。その後、110℃まで温度を上げ4時間の還流を行い、反応を終了した。そのさい100℃および110℃に至るまでの昇温速度はいずれも2℃/minとした。
反応終了後のスラリーについて本文に記載した洗浄、分散および分級の工程を実施し、本文に記載した方法で諸特性の評価を行なった。液状有機媒体として、洗浄工程では極性の大きいメタノールを、分散工程では極性の小さいケロシンを使用した。その結果、得られた複合金属粉体は、パラジウム含有量が30重量%で銀含有量が70重量%の銀−パラジウム合金の粒子からなり、この合金粒子は平均粒径DTEM=9.5nmで結晶粒子径Dx=8.9nmであった。この複合金属粉体を本文に記載した方法で特性評価を行ったところ、エレクトロマイグレーション時間は8秒であり、耐半田喰われ性が良好であることが目視で確認された。
参考
液媒体兼還元剤としてのイソブタノール140mLに、有機保護剤として不飽和結合を分子中に1個有するオレイルアミン185.8mLと、銀化合物として酸化銀19.2gと、パラジウム化合物として硝酸パラジウム結晶1.4gとを添加し、マグネットスターラーにて攪拌して酸化銀と硝酸パラジウムを分散させる。この液を還流器のついた容器に移してオイルバスに載せ、容器内に不活性ガスとして窒素ガスを400mL/minの流量で吹込みながら、該液をマグネットスターラーにより200rpmの回転速度で撹拌しつつ加熱し、100℃の温度で2時間30分の還流を行った。その後、108℃まで温度を上げ、2時間30分の還流を行い、反応を終了した。そのさい100℃および108℃に至るまでの昇温速度はいずれも2℃/minとした。
反応終了後のスラリーについて本文に記載した洗浄、分散および分級の工程を実施し、本文に記載した方法で諸特性の評価を行なった。液状有機媒体として、洗浄工程では極性の大きいメタノールを、分散工程では極性の小さいケロシンを使用した。その結果、得られた複合金属粉体は、パラジウムをコアとし、銀をシェルとしたコア−シェル構造のものであり、平均粒径DTEM=6.7nmであった。
液媒体兼還元剤としてのイソブタノール200mLに、有機保護剤としてオレイルアミンを132.7mLと、白金化合物としてのアセチルアセトナート白金(白金の標準電極電位E0=1.19V)を15.9g添加し、マグネットスターラーにて攪拌してアセチルアセトナート白金を分散させる。この液を還流器のついた容器に移してオイルバスに載せ、容器内に不活性ガスとして窒素ガスを400mL/minの流量で吹込みながら、該液をマグネットスターラーにより200rpmの回転速度で撹拌しつつ加熱し、100℃の温度で1 時間30分の還流を行った。その後、108℃まで温度を上げ、2時間30分の還流を行い、反応を終了した。そのさい100℃および108℃に至るまでの昇温速度はいずれも2℃/minとした。
反応終了後のスラリーについて本文に記載した洗浄、分散および分級の工程を実施し、本文に記載した方法で諸特性の評価を行なった。液状有機媒体として、洗浄工程では極性の大きいメタノールを、分散工程では極性の小さいケロシンを使用した。その結果、得られた白金粒子粉末は、平均粒径DTEM=9.0nm、結晶粒子径Dx=7.8nmであった。
前記方法で得られたパラジウムをコア、銀をシェルとしたコア−シェル構造の複合金属粉体分散液と、前記方法で得られた白金粒子分散液とを混合することにより該コア−シェル構造の複合金属粒子粉末と白金粉末粒子とが混合された複合金属粉体および複合金属粉体分散液を得た。混合にあたっては、パラジウムをコア、銀をシェルとしたコア−シェル構造の複合金属粉体分散液と白金粉末分散液とを、パラジウム:銀:白金の重量割合が3:57:40となるように分取し、マグネットスターラーによりにより100rpmの回転速度で室温において撹拌混合した。
混合して得られた複合金属粉体は、該コア−シェル構造の複合金属粉体と白金粒子との混合物であり、この混合物中のコア−シェル構造の複合金属粉体は平均粒径DTEM=7.7nmであり、白金粒子は平均粒径DTEM=9.0nmで結晶粒子径Dx=7.8nmであり、混合物中のパラジウムと白金を合計した重量割合が43wt%であった。この混合された複合金属粉体について、本文に記載した方法で特性の評価を行ったところ、エレクトロマイグレーション時間は5秒であり、耐半田喰われ性が良好であることが目視で確認された。
〔比較例1〕
液媒体兼還元剤としてのイソブタノール200mLに、有機保護剤としてオレイルアミンを132.7mLと、銀化合物としての硝酸銀結晶を13.7g添加し、マグネットスターラーにて攪拌して硝酸銀を分散させる。この液を還流器のついた容器に移してオイルバスに載せ、容器内に不活性ガスとして窒素ガスを400mL/minの流量で吹込みながら、該液をマグネットスターラーにより200rpmの回転速度で撹拌しつつ加熱し、100℃の温度で3時間の還流を行い、反応を終了した。そのさい100℃に至るまでの昇温速度は2℃/min とした。
反応後のスラリーについて本文に記載した洗浄、分散および分級を実施した後、銀粒子粉末分散液を得た。液状有機媒体として、洗浄工程では極性の大きいメタノールを、分散工程では極性の小さいケロシンを使用した。その結果、得られた銀粒子は、平均粒径DTEM=10.3nmであった。この銀粒子粉末を本文に記載した方法で特性の評価を行ったところ、エレクトロマイグレーション時間は1秒であり、耐半田喰われ性が不良であることが確認された。

Claims (2)

  1. 還元剤として機能するアルコールまたはポリオールの1種または2種以上の液状有機媒体中で銀イオンと金属Xイオンを銀粒子と金属X粒子に還元処理するさいに、1分子中に少なくとも1個以上の不飽和結合を有する分子量100〜1000のアミン化合物の共存下においてその還元反応の条件を制御することにより、下記(A)の複合金属粉体を得る複合金属粉体の製造法。
    (A)銀と、標準電極電位E0が0.80V以上の銀以外の金属Xとの合金の粒子からなり、金属Xの重量割合が1〜80wt%である複合金属粉体であって、当該合金粒子は平均粒径(DTEM)が20nm以下で且つ結晶粒子径(Dx)が20nm以下である複合金属粉体。
  2. 還元剤として機能するアルコールまたはポリオールの1種または2種以上の液状有機媒体中で銀イオンと金属Xイオンを銀粒子と金属X粒子に還元処理するさいに、1分子中に少なくとも1個以上の不飽和結合を有する分子量100〜1000のアミン化合物の共存下においてその還元反応の条件を制御することにより、下記(A)の複合金属粉体を製造し、得られた複合金属粉体を沸点60〜300℃の非極性もしくは極性の小さい液状有機媒体に分散させる複合金属粉体分散液の製造法。
    (A)銀と、標準電極電位E0が0.80V以上の銀以外の金属Xとの合金の粒子からなり、金属Xの重量割合が1〜80wt%である複合金属粉体であって、当該合金粒子は平均粒径(DTEM)が20nm以下で且つ結晶粒子径(Dx)が20nm以下である複合金属粉体。
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