JP5121499B2 - 水素吸蔵合金、該合金を用いた水素吸蔵合金電極及びニッケル水素二次電池 - Google Patents
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Description
一方、希土類-Mg-Ni系水素吸蔵合金は耐アルカリ性が低く、当該合金を用いたニッケル水素二次電池では、サイクル寿命が低下するという問題が生じた。
また、本発明者らは、La及びSmを含む所定の組成を有し、Laの含有量が多く、Pr及びNdの含有量が少ない希土類-Mg-Ni系水素吸蔵合金を先行出願にて提案している(特許出願第2007-283071号)。
しかしながら、特許文献1及び2が開示する希土類−Mg−Ni系水素吸蔵合金にあっては水素吸蔵量が低下し、且つ、水素平衡圧が上昇するため、電池内圧が上昇しやすい。これは、Laの含有量を減少させると、水素吸蔵量が低下し、水素平衡圧が上昇してしまうためである。
しかしながら、先行技術に係る希土類-Mg-Ni系水素吸蔵合金を用いたニッケル水素二次電池を高温環境下で放置すると、その後の使用において、充放電サイクル寿命等の種々の電池特性が低下してしまう。ニッケル水素二次電池を船や車で輸送する場合、輸送の間電池が高温環境にさらされる虞があるため、かかる問題を解決しておくことは重要である。
すなわち、本発明によれば、一般式:
(LaaSmbGdcAd)1−wMgwNixAlyTz
(ただし、式中、Aは、Pr,Nd,Eu,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Sc,Zr,Hf,Ca及びYよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を表し、Tは、V,Nb,Ta,Cr,Mo,Mn,Fe,Co,Ga,Zn,Sn,In,Cu,Si,P及びBよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を表し、添字a,b,c,dはそれぞれa>0,b≧0,c>0,0.1>d≧0,a+b+c+d=1で示される関係を満たし、添字w,x,y,zはそれぞれ0.1≦w≦0.3,0.05≦y≦0.35,0≦z≦0.5,3.2≦x+y+z≦3.8で示される範囲にある。)
にて表される組成を有する水素吸蔵合金が提供される(請求項1)。
好ましくは、前記添字a、添字b及び添字cはa>b+cで示される関係を満たす(請求項3)。
好ましくは、前記添字aは0.5以上である(請求項4)。
好ましくは、前記添字b及び添字cは,b<cで示される関係を満たす(請求項5)。
また本発明によれば、請求項1乃至6の何れか1項に記載の水素吸蔵合金からなる粒子と、前記粒子を保持した導電性を有する芯体とを備えることを特徴とする水素吸蔵合金電極が提供される(請求項7)。
更に本発明によれば、正極と、負極としての請求項7に記載の水素吸蔵合金電極と、アルカリ電解液とを具備したことを特徴とするニッケル水素二次電池が提供される(請求項8)。
請求項2の水素吸蔵合金は、Aの内、特にNdの量が制限される場合においては、高温環境下での耐アルカリ性においてより一層優れている。このため、当該水素吸蔵合金を用いた水素吸蔵合金電極を有するニッケル水素二次電池は、高温環境下での放置後におけるサイクル寿命において特に優れている。
請求項5の水素吸蔵合金は、原子数比でみたとき、Smの含有量よりもGdの含有量が多いことにより、高温環境下での耐アルカリ性においてより一層優れている。このため、当該水素吸蔵合金を用いた水素吸蔵合金電極を有するニッケル水素二次電池は、高温環境下での放置後におけるサイクル寿命において特に優れている。
請求項9のニッケル水素二次電池にあっては、Y/X≦0.23であり、水素吸蔵合金の質量あたりのアルカリ電解液が少なく、電池の高容量化や品質向上に適する。一方、当該ニッケル水素二次電池では、高温環境下であってもアルカリ電解液が水素吸蔵合金を腐食することによって減少することが抑制されているため、高温環境下で放置した後もサイクル寿命において優れている。
この電池は例えばAAサイズの円筒型電池であり、図1に示したように、上端が開口した有底円筒形状をなす外装缶10を備えている。外装缶10の底壁は導電性を有し、負極端子として機能する。外装缶10の開口内には、リング状の絶縁パッキン12を介して導電性を有する円板形状の蓋板14が配置され、これら蓋板14及び絶縁パッキン12は外装缶10の開口縁をかしめ加工することにより外装缶10の開口縁に固定されている。
正極24は、多孔質構造を有する導電性の正極基板と、正極基板の空孔内に保持された正極合剤とからなり、正極合剤は、正極活物質粒子と、必要に応じて正極24の特性を改善するための種々の添加剤粒子と、これら正極活物質粒子及び添加剤粒子の混合粒子を正極基板に結着するための結着剤とからなる。
(LaaSmbGdcAd)1−wMgwNixAlyTz …(1)
で示される。
水素吸蔵合金粒子36は、例えば以下のようにして得ることできる。
まず、上述の組成となるよう金属原料を秤量して混合し、この混合物を例えば高周波溶解炉で溶解してインゴットにする。得られたインゴットに、900〜1200℃の温度の不活性ガス雰囲気下にて5〜24時間加熱する熱処理を施し、インゴットの金属組織をAB5型構造とAB2型構造とを合わせた超格子構造にする。この後、インゴットを粉砕し、篩分けにより所望粒径に分級して、水素吸蔵合金粒子36を得ることができる。
そして、上述したニッケル水素二次電池に用いられた希土類-Mg-Ni系水素吸蔵合金は、La及びGdを含む所定の組成を有することにより、高温環境下での耐アルカリ性に優れている。このため、負極26として、水素吸蔵合金粒子36を用いた水素吸蔵合金電極を有するニッケル水素二次電池は、高温環境下で放置した後であっても、サイクル寿命において優れている。
かくして、本発明によれば、高温環境に強いニッケル水素二次電池を提供することができ、その工業的価値は極めて高い。
実施例A-I
(1)負極の作製
希土類系成分の内訳が、原子数比で、40%のLa、26%のSm、26%のGd及び8%のNdになるように希土類系成分の原材料を用意し、そして、希土類系成分の原材料、Mg、Ni、Al及びCoを原子数比で0.80:0.20:3.4:0.1:0.1の割合で含有する水素吸蔵合金の塊を誘導溶解炉を用いて調製した。この合金をアルゴン雰囲気中で1000℃、10時間の熱処理を行い、組成が(La0.40Sm0.26Gd0.26Nd0.08)0.80Mg0.20Ni3.4Al0.1Co0.1で表わされる超格子構造の希土類-Mg-Ni系水素吸蔵合金のインゴットを得た。
この合金粒子100質量部に対してポリアクリル酸ナトリウム0.4質量部、カルボキシメチルセルロース0.1質量部、および、ポリテトラフルオロエチレン分散液(分散媒:水、固形分60質量部)2.5質量部を加えた後、混練して負極合剤のスラリーを得た。
(2)正極の作製
金属Niに対して、Znが3質量%、Coが1質量%の比率となるように、硫酸ニッケル、硫酸亜鉛および硫酸コバルトの混合水溶液を調製し、この混合水溶液に攪拌しながら水酸化ナトリウム水溶液を徐々に添加した。この際、反応中のpHを13〜14に保持して水酸化ニッケル粒子を析出させ、この水酸化ニッケル粒子を10倍量の純水にて3回洗浄したのち、脱水、乾燥した。
(3)ニッケル水素二次電池の組立て
上記のようにして得られた負極及び正極を、ポリプロピレンまたはナイロン製の不織布よりなるセパレータを介して渦巻状に巻回して電極群を形成し、この電極群を外装缶に収容したのち、この外装缶内に、アルカリ電解液として、リチウム、ナトリウムを含有した濃度30質量%の水酸化カリウム水溶液を2.16ml注入して、図1に示した構成の電池を有し、公称容量が2500mAhであるAAサイズのニッケル水素二次電池を組立てた。
アルカリ電解液の液量を1.98mlとしたこと以外は実施例A-Iの場合と同様にして、ニッケル水素二次電池を組立てた。
実施例B-I,B-II
水素吸蔵合金の組成を(La0.48Sm0.22Gd0.22Nd0.08)0.80Mg0.20Ni3.4Al0.1Co0.1にしたこと以外は実施例A-I、A-IIの場合とそれぞれ同様にして、ニッケル水素二次電池を組立てた。
水素吸蔵合金の組成を(La0.50Sm0.21Gd0.21Nd0.08)0.80Mg0.20Ni3.4Al0.1Co0.1にしたこと以外は実施例A-I、A-IIの場合とそれぞれ同様にして、ニッケル水素二次電池を組立てた。
実施例D-I,D-II
水素吸蔵合金の組成を(La0.80Sm0.06Gd0.06Nd0.08)0.80Mg0.20Ni3.4Al0.1Co0.1にしたこと以外は実施例A-I、A-IIの場合とそれぞれ同様にして、ニッケル水素二次電池を組立てた。
水素吸蔵合金の組成を(La0.80Sm0.03Gd0.09Nd0.08)0.80Mg0.20Ni3.4Al0.1Co0.1にしたこと以外は実施例A-I、A-IIの場合とそれぞれ同様にして、ニッケル水素二次電池を組立てた。
実施例F-I,F-II
水素吸蔵合金の組成を(La0.80Gd0.12Nd0.08)0.80Mg0.20Ni3.4Al0.1Co0.1にしたこと以外は実施例A-I、A-IIの場合とそれぞれ同様にして、ニッケル水素二次電池を組立てた。
水素吸蔵合金の組成を(La0.80Gd0.18Nd0.02)0.80Mg0.20Ni3.4Al0.1Co0.1にしたこと以外は実施例A-I、A-IIの場合とそれぞれ同様にして、ニッケル水素二次電池を組立てた。
実施例H-I,H-II
水素吸蔵合金の組成を(La0.80Gd0.20)0.80Mg0.20Ni3.4Al0.1Co0.1にしたこと以外は実施例A-I、A-IIの場合とそれぞれ同様にして、ニッケル水素二次電池を組立てた。
水素吸蔵合金の組成を(La0.80Gd0.20)0.80Mg0.20Ni3.4Al0.1にしたこと以外は実施例A-I、A-IIの場合とそれぞれ同様にして、ニッケル水素二次電池を組立てた。
実施例J-I,J-II
水素吸蔵合金の組成を(La0.80Gd0.20)0.80Mg0.20Ni3.4Al0.2にしたこと以外は実施例A-I、A-IIの場合とそれぞれ同様にして、ニッケル水素二次電池を組立てた。
水素吸蔵合金の組成を(La0.80Gd0.20)0.80Mg0.20Ni3.4Al0.3にしたこと以外は実実施例A-I、A-IIの場合とそれぞれ同様にして、ニッケル水素二次電池を組立てた。
実施例L-I,L-II
水素吸蔵合金の組成を(La0.80Gd0.20)0.80Mg0.20Ni3.4Al0.35にしたこと以外は実施例A-I、A-IIの場合とそれぞれ同様にして、ニッケル水素二次電池を組立てた。
水素吸蔵合金の組成を(La0.80Gd0.20)0.80Mg0.20Ni3.4Al0.05にしたこと以外は実施例A-I、A-IIの場合とそれぞれ同様にして、ニッケル水素二次電池を組立てた。
実施例N-I,N-II
水素吸蔵合金の組成を(La0.80Gd0.20)0.90Mg0.10Ni3.4Al0.1にしたこと以外は実施例A-I、A-IIの場合とそれぞれ同様にして、ニッケル水素二次電池を組立てた。
水素吸蔵合金の組成を(La0.80Gd0.20)0.70Mg0.30Ni3.4Al0.1にしたこと以外は実施例A-I、A-IIの場合とそれぞれ同様にして、ニッケル水素二次電池を組立てた。
実施例P-I,P-II
水素吸蔵合金の組成を(La0.80Gd0.20)0.80Mg0.20Ni3.1Al0.1にしたこと以外は実施例A-I、A-IIの場合とそれぞれ同様にして、ニッケル水素二次電池を組立てた。
水素吸蔵合金の組成を(La0.80Gd0.20)0.80Mg0.20Ni3.7Al0.1にしたこと以外は実施例A-I、A-IIの場合とそれぞれ同様にして、ニッケル水素二次電池を組立てた。
比較例T-I,T-II
水素吸蔵合金の組成を(La0.40Sm0.52Nd0.08)0.80Mg0.20Ni3.4Al0.1Co0.1にしたこと以外は実施例A-I、A-IIの場合とそれぞれ同様にして、ニッケル水素二次電池を組立てた。
水素吸蔵合金の組成を(La0.80Gd0.20)0.80Mg0.20Ni3.4Al0.4にしたこと以外は実施例A-I、A-IIの場合とそれぞれ同様にして、ニッケル水素二次電池を組立てた。
比較例V-I,V-II
水素吸蔵合金の組成を(La0.80Gd0.20)0.80Mg0.20Ni3.8Al0.1にしたこと以外は実施例A-I、A-IIの場合とそれぞれ同様にして、ニッケル水素二次電池を組立てた。
水素吸蔵合金の組成を(La0.80Gd0.20)0.80Mg0.20Ni3.5にしたこと以外は実施例A-I、A-IIの場合とそれぞれ同様にして、ニッケル水素二次電池を組立てた。
比較例X-I,X-II
水素吸蔵合金の組成を(La0.80Gd0.20)0.95Mg0.05Ni3.4Al0.1にしたこと以外は実施例A-I、A-IIの場合とそれぞれ同様にして、ニッケル水素二次電池を組立てた。
水素吸蔵合金の組成を(La0.80Gd0.20)0.65Mg0.35Ni3.4Al0.1にしたこと以外は実施例A-I、A-IIの場合とそれぞれ同様にして、ニッケル水素二次電池を組立てた。
比較例Z-I,Z-II
水素吸蔵合金の組成を(La0.80Gd0.20)0.80Mg0.20Ni3.0Al0.1にしたこと以外は実施例A-I、A-IIの場合とそれぞれ同様にして、ニッケル水素二次電池を組立てた。
2.電池評価方法
(1)活性化処理
実施例A〜Q及び比較例T〜Zの各電池について、活性化処理として、0.1Cの電流で16時間充電してから、0.2Cの電流で終止電圧0.5Vまで放電させる充放電処理を2回繰り返した。
(2)サイクル寿命評価
活性化処理を施した実施例A〜Q及び比較例T〜Zの各電池について、1.0Cの電流で1時間充電してから1.0Cの電流で終止電圧0.8Vまで放電させる電池容量測定を繰り返し、電池が放電できなくなるまでのサイクル数(活性化処理後サイクル寿命)を数えた。これらの結果を、比較例A-Iの結果を100として表1に示す。
(3)高温放置後サイクル寿命評価
活性化処理を施した実施例1〜16及び比較例1〜7の各電池を、60℃の雰囲気で1ヶ月保存した。この保存後、各電池について、1.0Cの電流で1時間充電してから1.0Cの電流で終止電圧0.8Vまで放電させる電池容量測定を繰り返し、電池が放電できなくなるまでのサイクル数(高温放置後サイクル寿命)を数えた。これらの結果を、比較例A-Iのサイクル寿命の結果を100として表1に示す。
表1からは以下のことが明らかである。
(1)希土類-Mg-Ni系水素吸蔵合金が希土類系成分としてLa、Sm及びNdを含有する比較例Tに対し、希土類系成分として更にGdを含有する実施例Aでは、電解液量に係わらず、活性化処理後サイクル寿命及び高温放置後サイクル寿命が向上している。
(2)実施例Aに対し、SmとGdの合計量に対するLaの比率を増大した実施例B、Cでは、更に、活性化処理後サイクル寿命及び高温放置後サイクル寿命が向上している。特に、高温放置後サイクル寿命が大きく向上している。これは以下の理由によると考えられる。
(3)実施例D、E、Fでは、SmとGdとの比率について検討している。これらの実施例D、E、Fから、Smに対するGdの比率を高くすると、活性化処理後サイクル寿命及び高温放置後サイクル寿命が向上することがわかる。
(4)実施例F、G、Hでは、La及びSm以外の元素の含有量、つまり、Gdの含有量と、一般式(1)中でAで示される元素としてのNdの含有量について検討している。Ndの含有量を表す添字dが0.08である実施例Fに比べて、Ndの含有量を表す添字dが0.02以下である実施例G、Hでは、活性化処理後サイクル寿命及び高温放置後サイクル寿命が向上している。これより、添字dは0.08以下であるのが好ましいことがわかる。より好ましいのは0.02以下である。
(5)実施例H、Iでは、Coの含有量について検討している。Coの含有量を表す添字zが0.1である実施例Hに対し、添字zが0でありCoを含まない実施例Iでは、高温放置後サイクル寿命が大きく向上している。
なおTで示される元素がCo以外の場合、添字zは0以上0.3以下であるのが好ましい。
(6)実施例I、J、K、L、M及び比較例U、Wでは、Alの含有量について検討している。Alの含有量を示す添字yが0.1、0.2、0.3、0.35、0.05である実施例I、J、K、L、Mでは、添字yが0.4、0である比較例U、Wに比べて、活性化処理後サイクル寿命及び高温放置後サイクル寿命が極めて優れている。
(7)実施例I、N、O及び比較例X、Yでは、Mgの含有量について検討している。Mgの含有量を示す添字wが0.2、0.1、0.3である実施例I、N、Oでは、添字wが0.05、0.35である比較例X、Yに比べ、活性化処理後サイクル寿命及び高温放置後サイクル寿命が極めて優れている。
(8)実施例P、Q及び比較例V、Zでは、B/A比について検討している。B/A比が3.2、3.8である実施例P、Qでは、B/A比が3.9、3.1である比較例V、Zに比べて、活性化処理後サイクル寿命及び高温放置後サイクル寿命が極めて優れている。これより、B/A比は、3.2以上3.8以下に設定され、好ましくは、3.3以上3.5以下に設定される。
(9)実施例A〜Q及び比較例T〜Zでは、IとIIで電解液量を変更し、希土類-Mg-Ni系水素吸蔵合金の組成と電解液量との関係により、電池特性がどのように変化するか検討している。
ここで、正極体積増大による高容量化やセパレータの厚さ増大による品質向上のためには、アルカリ電解液を注入するための空間を削減する必要があり、そのためには、実施例A-I〜Q-Iよりも、実施例A-II〜Q-IIの方が好ましい。則ち、水素吸蔵合金電極に含まれる水素吸蔵合金の質量をXgとし、アルカリ電解液の体積をYmlとしたとき、Y/X≦0.23であるのが好ましい。
(10)これに対し、比較例T〜Zでは、活性化処理後サイクル寿命及び高温放置後サイクル寿命の両方が、全体として低い水準にある。特に、耐食性が低い合金を用いながら電解液量を少なくしたT-II〜Z-IIは、高温放置後サイクル寿命が極めて短く、もはやニッケル水素二次電池として成立していない。
本発明は上記した一実施形態及び実施例に限定されることはなく、種々変形が可能であり、例えばニッケル水素二次電池は、角形電池であってもよく、機械的な構造は格別限定されることはない。
36 水素吸蔵合金粒子
Claims (9)
- 一般式:
(LaaSmbGdcAd)1−wMgwNixAlyTz
(ただし、式中、Aは、Pr,Nd,Eu,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Sc,Zr,Hf,Ca及びYよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を表し、Tは、V,Nb,Ta,Cr,Mo,Mn,Fe,Co,Ga,Zn,Sn,In,Cu,Si,P及びBよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を表し、添字a,b,c,dはそれぞれa>0,b≧0,c>0,0.1>d≧0,a+b+c+d=1で示される関係を満たし、添字w,x,y,zはそれぞれ0.1≦w≦0.3,0.05≦y≦0.35,0≦z≦0.5,3.2≦x+y+z≦3.8で示される範囲にある。)
にて表される組成を有する水素吸蔵合金。 - 前記AはNdであることを特徴とする請求項1に記載の水素吸蔵合金。
- 前記添字a、添字b及び添字cはa>b+cで示される関係を満たすことを特徴とする請求項1又は2に記載の水素吸蔵合金。
- 前記添字aは0.5以上であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の水素吸蔵合金。
- 前記添字b及び添字cは,b<cで示される関係を満たすことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の水素吸蔵合金。
- 前記添字dは0.08以下であることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の水素吸蔵合金。
- 請求項1乃至6の何れか1項に記載の水素吸蔵合金からなる粒子と、前記粒子を保持した導電性を有する芯体とを備えることを特徴とする水素吸蔵合金電極。
- 正極と、負極としての請求項7に記載の水素吸蔵合金電極と、アルカリ電解液とを具備したことを特徴とするニッケル水素二次電池。
- 前記水素吸蔵合金電極に含まれる前記水素吸蔵合金の質量をXgとし、前記アルカリ電解液の体積をYmlとしたとき、Y/X≦0.23であることを特徴とする請求項8に記載のニッケル水素二次電池。
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