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JP5103453B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真法を用いた画像形成装置に関し、特に感光体ドラム等の像担持体に付着した残留トナーを除去するクリーニングブレードを備えた画像形成装置に関するものである。
コピー機、プリンタ、FAX等の電子写真方式を用いる画像形成装置においては、主に粉末の現像剤(以下、トナーという)が使用され、感光体ドラム等の像担持体上に形成された静電潜像を現像装置内のトナーによって可視化し、そのトナー像を記録媒体上に転写した後、定着処理を行うプロセスが一般的である。このような画像形成装置においては、感光体ドラム表面の残留トナーを除去するためのクリーニング装置が搭載されている。
クリーニング装置の構成としては、感光体ドラムに所定の圧力で圧接され、所定の周速差をもって回転される摺擦ローラ(クリーニング部材)と、摺擦ローラとの当接面よりも感光体ドラムの回転方向下流側に所定の圧力で圧接されるクリーニングブレードとを備え、摺擦ローラ及びクリーニングブレードで掻き落とされた残留トナー等をスパイラル等により回収容器に搬送して貯留するものが一般的である。
このような構成の場合、クリーニングブレードのエッジ部分にシリカや酸化チタン等のトナーの外添剤が次第に滞留する。エッジ部分は感光体の駆動時には回転方向に移動し、停止時には復元力によって元の位置に戻ろうとするため、エッジ部分に堆積した外添剤は感光体表面に押し付けられて強固に付着する。その結果、摺擦ローラやクリーニングブレードで除去されないことがあり、除去されなかった外添剤によって画像に横筋が現れたり、クリーニングブレード通過時にブレードが跳ねて感光体の駆動ムラ(ジッタ)や異常音(ブレード鳴き)、ブレードのめくれ等が発生したりするという問題点があった。
そこで、クリーニングブレードのエッジ部分に滞留する外添剤等の異物を効率良く除去する方法が提案されており、特許文献1、2には、画像形成終了後に感光体を所定量逆回転させることにより、エッジ部分に滞留した異物をクリーニングブラシで除去する技術が開示されている。
特開平4−90585号公報 特開平4−274476号公報
ところで、クリーニングブレードは回転する感光体に接触しており、ブレードエッジ周辺のトナーが摩擦帯電によってその帯電量が高くなる。そして、帯電量が高くなった感光体上の残留トナーを除去する際に剥離放電が発生し、感光体にリークすることがある。このリーク電圧が感光体の耐圧を超えると感光層が破壊され、感光層が破壊された箇所は感光層が無いために帯電電荷を保持できず、その結果、形成された画像上に所望しない黒点(色点)が現れてしまう。特に、低湿環境下ではトナーの帯電量が高くなる傾向があるので、剥離放電によるリークが発生し易くなる。
この対策として、102Ω以下の低抵抗の研磨剤をトナーに外添し、ブレードエッジ周辺に低抵抗の研磨剤を滞留させてエッジ周辺のトナーの帯電を逃がす方法が考案されている。しかしながら、特許文献1、2の方法では環境条件に係わらず一律に感光体を逆回転させるため、リーク対策として滞留させている低抵抗の研磨剤も除去してしまい、リークを発生させるおそれがあった。
本発明は、上記問題点に鑑み、ブレードエッジによる感光体へのトナーの外添剤の固着防止とブレードエッジ周辺のトナーの過剰帯電防止を両立できる画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、表面に静電潜像及び静電潜像に応じたトナー像が形成される感光体と、該感光体表面に圧接され感光体表面に残留するトナーを除去するクリーニングブレードと、装置内部または外部の湿度を検知する湿度検知手段と、該湿度検知手段の検知結果に基づいて算出された絶対湿度が所定値以上のとき、画像形成終了後に感光体の逆回転を実行する制御手段と、を備えた画像形成装置である。
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記制御手段は、絶対湿度が15g/m3以上のとき感光体の逆回転を実行することを特徴としている。
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記トナーには抵抗値が102Ω以下の研磨剤が外添されていることを特徴としている。
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記クリーニングブレードと感光体との接触位置よりも感光体の回転方向上流側に所定の圧力で圧接され、感光体に対し所定の線速差をもって回転するクリーニング部材を備え、前記制御手段が感光体の逆回転の実行を決定したときは、前記クリーニングブレードと接触する感光体表面が前記クリーニング部材と接触する位置まで感光体を逆回転させ、且つ前記クリーニング部材の回転を所定時間継続させることを特徴としている。
本発明の第1の構成によれば、外添剤の凝集が発生し易い高湿条件下においては感光体の逆回転を実行してブレードエッジによる感光体表面への外添剤の固着を防止しつつ、外添剤の凝集が発生し難い低湿条件下では不要な感光体の逆回転を抑制することができる。また、トナーの帯電量が高くなる低湿条件下ではエッジ周辺に滞留する外添剤が移動しないため、外添剤を介して過帯電トナーの電荷を感光体側に逃がすことができる。
また、本発明の第2の構成によれば、上記第1の構成の画像形成装置において、絶対湿度が15g/m3以上のとき感光体の逆回転を実行することにより、感光体表面へのトナー外添剤の固着と過帯電トナーによるリークの発生とを効果的に抑制できる。
また、本発明の第3の構成によれば、上記第1又は第2の構成の画像形成装置において、抵抗値が102Ω以下の研磨剤をトナーに外添することにより、感光体の逆回転を行わない低湿条件下においてブレードエッジ周辺に低抵抗の研磨剤を存在させることで、過帯電トナーによるリークの発生を一層効果的に抑制できる。
また、本発明の第4の構成によれば、上記第1乃至第3のいずれかの構成の画像形成装置において、感光体の逆回転の実行を決定したときは、クリーニングブレードと接触する感光体表面がクリーニング部材と接触する位置まで感光体を逆回転させ、且つクリーニング部材の回転を所定時間継続させることにより、エッジ部分に滞留した残留物がクリーニング部材により直ちに除去されるため、感光体表面への外添剤の固着を一層確実に防止できる。
本発明の画像形成装置の全体構成を示す概略断面図 図1における画像形成部Pa周辺の部分拡大図 本発明の画像形成装置の制御経路を示すブロック図 画像形成時の感光体ドラムとクリーニングブレードとの関係を示す概略図 図4の状態から感光体ドラムを逆回転させた状態を示す概略図 絶対湿度と単位重量当たりのトナー帯電量との関係を示すグラフ 図4の状態からクリーニングブレードのエッジ部分と接触する部分が摺擦ローラと接触する位置に来るまで感光体ドラムを逆回転させた状態を示す概略図 本発明の画像形成装置において実行される感光体ドラムの逆回転制御例を示すフローチャート 本発明の画像形成装置において実行される感光体ドラムの他の逆回転制御例を示すフローチャート
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明のタンデム型カラー画像形成装置の一例としてのプリンタの構成を示す概略図である。プリンタ100本体内には4つの画像形成部Pa、Pb、Pc及びPdが、図1では右側から順に配設されている。これらの画像形成部Pa〜Pdは、異なる4色(イエロー、シアン、マゼンタ及びブラック)の画像に対応して設けられており、それぞれ帯電、露光及び、現像の各工程によりイエロー、シアン、マゼンタ及びブラックの画像を順次形成する。
この画像形成部Pa〜Pdには、各色の可視像(トナー像)を担持する感光体ドラム1a、1b、1c及び1dが配設されており、さらに図1において時計回りに回転する中間転写ベルト8が各画像形成部Pa〜Pdに隣接して設けられている。これらの感光体ドラム1a〜1d上に形成されたトナー像が、各感光体ドラム1a〜1dに当接しながら移動する中間転写ベルト8上に順次一次転写された後、二次転写ローラ9によって用紙P上に一度に転写され、さらに、定着部7において用紙P上に定着された後、装置本体より排出される。感光体ドラム1a〜1dを図1において反時計回りに回転させながら、各感光体ドラム1a〜1dに対する画像形成プロセスが実行される。
トナー像が転写される用紙Pは、装置下部の用紙カセット16内に収容されており、給紙ローラ12a及びレジストローラ対12bを介して二次転写ローラ9へと搬送される。中間転写ベルト8には誘電体樹脂製のシートが用いられ、継ぎ目を有しない(シームレス)ベルトが主に用いられる。中間転写ベルト8及び二次転写ローラ9は、ベルト駆動モータ47(図3参照)により感光体ドラム1a〜1dと同一線速で回転駆動される。また、画像形成部Paから見て中間転写ベルト8の移動方向の上流側には中間転写ベルト8表面に残存するトナーを除去するためのベルトクリーニング装置19が配置されている。
次に、画像形成部Pa〜Pdについて説明する。回転自在に配設された感光体ドラム1a〜1dの周囲及び下方には、感光体ドラム1a〜1dを帯電させる帯電装置2a、2b、2c及び2dと、各感光体ドラム1a〜1dに画像情報を露光する露光装置4と、感光体ドラム1a〜1d上にトナー像を形成する現像装置3a、3b、3c及び3dと、感光体ドラム1a〜1d上に残留した現像剤(トナー)を除去するクリーニング装置5a、5b、5c及び5dが設けられている。
パソコン等の上位装置から画像データが入力されると、先ず、帯電装置2a〜2dによって感光体ドラム1a〜1dの表面を一様に帯電させ、次いで露光装置4によって画像データに応じて光照射し、各感光体ドラム1a〜1d上に画像データに応じた静電潜像を形成する。現像装置3a〜3dは、感光体ドラム1a〜1dに対向配置された現像ローラを備え、それぞれイエロー、シアン、マゼンタ及びブラックの各色のトナーが所定の混合比でキャリアと混合されて所定量充填されている。このトナーは、現像装置3a〜3dの現像ローラにより感光体ドラム1a〜1d上に供給され、静電的に付着することにより、露光装置4からの露光により形成された静電潜像に応じたトナー像が形成される。
そして、一次転写ローラ6a〜6dに所定の転写電圧を付与することにより、感光体ドラム1a〜1d上のイエロー、シアン、マゼンタ及びブラックのトナー像が中間転写ベルト8上に一次転写される。これらの4色の画像は、所定のフルカラー画像形成のために予め定められた所定の位置関係をもって形成される。一次転写ローラ6a〜6dは、一次転写駆動モータ48(図3参照)により感光体ドラム1a〜1d及び中間転写ベルト8と同一線速で回転駆動される。その後、引き続き行われる新たな静電潜像の形成に備え、感光体ドラム1a〜1dの表面に残留したトナーがクリーニング装置5a〜5dにより除去される。
中間転写ベルト8は、従動ローラ10、駆動ローラ11及びテンションローラ20に掛け渡されており、ベルト駆動モータ47(図3参照)による駆動ローラ11の回転に伴い中間転写ベルト8が時計回りに回転を開始すると、用紙Pがレジストローラ12bから所定のタイミングで中間転写ベルト8に隣接して設けられた二次転写ローラ9と中間転写ベルト8のニップ部(二次転写ニップ部)へ搬送され、ニップ部において用紙P上にフルカラー画像が二次転写される。トナー像が転写された用紙Pは定着部7へと搬送される。
定着部7に搬送された用紙Pは、定着ローラ対13のニップ部(定着ニップ部)を通過する際に加熱及び加圧されてトナー像が用紙Pの表面に定着され、所定のフルカラー画像が形成される。フルカラー画像が形成された用紙Pは、複数方向に分岐した分岐部14によって搬送方向が振り分けられる。用紙Pの片面のみに画像を形成する場合は、そのまま排出ローラ15によって排出トレイ17に排出される。
一方、用紙Pの両面に画像を形成する場合は、定着部7を通過した用紙Pの一部を一旦排出ローラ15から装置外部にまで突出させる。その後、用紙Pは排出ローラ15を逆回転させることにより分岐部14で用紙搬送路18に振り分けられ、画像面を反転させた状態で二次転写ニップ部に再搬送される。そして、中間転写ベルト8上に形成された次の画像が二次転写ローラ9により用紙Pの画像が形成されていない面に転写され、定着部7に搬送されてトナー像が定着された後、排出トレイ17に排出される。
図2は、図1における画像形成部Pa付近の拡大図である。なお、画像形成部Pb〜Pdについても基本的に同様の構成であるため説明を省略する。感光体ドラム1aの周囲には、ドラム回転方向(図2の反時計回り)に沿って帯電装置2a、現像装置3a、クリーニング装置5aが配設され、中間転写ベルト8を挟んで一次転写ローラ6aが配置されている。また、感光体ドラム1aに対し中間転写ベルト8の回転方向上流側には中間転写ベルト8を挟んで従動ローラ10に対向するブラシローラ19aを備えたベルトクリーニング装置19が配置されている。ブラシローラ19aは、中間転写ベルト8との当接面において中間転写ベルト8の線速よりも速い(ここでは1.2倍)線速で中間転写ベルト8と同一方向(順回転)に回転駆動される。
帯電装置2aは、感光体ドラム1aに接触してドラム表面に帯電バイアスを印加する帯電ローラ21と、帯電ローラ21をクリーニングするための帯電クリーニングローラ23とを有している。現像装置3aは、2本の攪拌搬送スクリュー25と、磁気ローラ27と、現像ローラ29とを有するタッチダウン現像式であり、現像ローラ29にトナーの帯電極性と同極性(正)の現像バイアスを印加してドラム表面にトナーを飛翔させる。
クリーニング装置5aは、摺擦ローラ30、クリーニングブレード31、及び回収スパイラル33を有している。摺擦ローラ30は感光体ドラム1aに所定の圧力で圧接されており、カラードラムクリーニングモータ(図3参照、以下、CDCLモータと略す)45により感光体ドラム1aとの当接面において同一方向に回転駆動されるが、その線速は感光体ドラム1aの線速よりも速く(ここでは1.2倍)なるように制御されている。摺擦ローラ30としては、例えば金属シャフトの周囲にローラ体としてEPDMゴム製でアスカC硬度55°の発泡体層を形成した構造が挙げられる。ローラ体の材質としてはEPDMゴムに限定されず、他の材質のゴムや発泡ゴム体であっても良く、アスカC硬度が10〜90°の範囲のものが好適に使用される。
感光体ドラム1a表面の、摺擦ローラ30との当接面よりも回転方向下流側には、クリーニングブレード31が感光体ドラム1aに当接した状態で固定されている。クリーニングブレード31としては、例えばJIS硬度が78°のポリウレタンゴム製のブレードが用いられ、その当接点において感光体接線方向に対し所定の角度で取り付けられている。なお、クリーニングブレード31の材質及び硬度、寸法、感光体ドラム1aへの食い込み量及び圧接力等は、感光体ドラム1aの仕様に応じて適宜設定される。
摺擦ローラ30及びクリーニングブレード31によって感光体ドラム1a表面から除去された残留トナー等は、回収スパイラル33の回転に伴ってクリーニング装置5aの外部に排出される。本発明に用いられるトナーとしては、トナー粒子表面にシリカ、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、アルミナ等から選択される研磨剤が埋め込まれて表面に一部突出するように保持されたものや、研磨剤がトナー表面に静電的に付着(外添)しているものが用いられる。
このように摺擦ローラ30を感光体ドラム1aに対し速度差を持って回転させることで研磨剤を含む残留トナーによって感光体ドラム1aの表面を研磨し、摺擦ローラ30及びクリーニングブレード31によってドラム表面の水分や汚染物質を残留トナーと共に除去する。
次に、本発明の画像形成装置の制御経路について説明する。図3は、本発明の画像形成装置に用いられる制御経路の一例を示すブロック図である。なお、プリンタ100を使用する上で装置各部の様々な制御がなされるため、プリンタ100全体の制御経路は複雑なものとなる。そこで、ここでは制御経路のうち、本発明の実施に必要となる部分を重点的に説明する。
制御部90は、中央演算処理装置としてのCPU(Central Processing Unit)91、読み出し専用の記憶部であるROM(Read Only Memory)92、読み書き自在の記憶部であるRAM(Random Access Memory)93、一時的に画像データ等を記憶する一時記憶部94、カウンタ95、プリンタ100内の各装置に制御信号を送信したり操作部50からの入力信号を受信したりする複数(ここでは2つ)のI/F(インターフェイス)96を少なくとも備えている。また、制御部90は、装置本体内部の任意の場所に配置可能である。
ROM92には、プリンタ100の制御用プログラムや、制御上の必要な数値等、画像形成装置100の使用中に変更されることがないようなデータ等が収められている。RAM93には、プリンタ100の制御途中で発生した必要なデータや、プリンタ100の制御に一時的に必要となるデータ等が記憶される。カウンタ95は、印刷枚数を積算してカウントする。
また、制御部90は、プリンタ100における各部分、装置に対し、CPU91からI/F96を通じて制御信号を送信する。また、各部分、装置からその状態を示す信号や入力信号がI/F96を通じてCPU91に送信される。制御部90が制御する各部分、装置としては、例えば、画像形成部Pa〜Pd、一次転写ローラ6a〜6d、定着部7、中間転写ベルト8、二次転写ローラ9、ベルトクリーニング装置19、画像入力部40、モータ制御回路41、操作部50等が挙げられる。
画像入力部40は、プリンタ100がパーソナルコンピュータ等から送信される画像データを受信する受信部である。画像入力部40より入力された画像信号はデジタル信号に変換された後、一時記憶部94に送出される。
操作部50には、液晶表示部51、LED52が設けられており、液晶表示部51及びLED52は、プリンタ100の状態を示したり、画像形成状況や印刷部数を表示したりするようになっている。プリンタ100の各種設定はパーソナルコンピュータのプリンタドライバから行われる。
その他、操作部50には、画像形成を中止する際等に使用するストップ/クリアボタン、プリンタ100の各種設定をデフォルト状態にする際に使用するリセットボタン等が設けられている。
モータ制御回路41は、ドラムモータ42(4機)、カラー現像モータ43、ブラック現像モータ44、CDCLモータ45、ブラックドラムクリーニングモータ(以下、BDCLモータと略す)46、ベルト駆動モータ47、一次転写駆動モータ48と接続され、制御部90からの出力信号により各モータ42〜48の駆動を制御する。
これらの各モータ42〜48はモータ制御回路41からの制御信号によって、ドラムモータ42は各感光体ドラム1a〜1dを、カラー現像モータ43及びブラック現像モータ44は現像装置3a〜3d内の攪拌搬送スクリュー25、磁気ローラ27、現像ローラ29を、CDCLモータ45及びBDCLモータ46はクリーニング装置5a〜5d内の摺擦ローラ30と回収スパイラル33を、ベルト駆動モータ47は中間転写ベルト8及び二次転写ローラ9を、一次転写駆動モータ48は一次転写ローラ6a〜6dを、それぞれ所定の線速で駆動する。
機外湿度センサ97は、装置外部の湿度を検知するものであり、例えば発熱部分の影響を受けにくい図1の用紙カセット16側方の吸気ダクト(図示せず)近辺に設置されるが、装置外部の湿度を正確に検知可能な他の場所に設置することもできる。機外湿度センサ97は、装置外部の湿度を常に検知している。
次に、本発明の画像形成装置における感光体ドラム1a〜1dの駆動制御について説明する。図4に示すように、画像形成中は感光体ドラム1a〜1dが反時計回りに回転しており、クリーニングブレード31のエッジ部分31aはドラム表面との摩擦力により弾性変形している。また、エッジ部分31aに外添剤等の残留物Fが徐々に滞留する。画像形成終了後、感光体ドラム1a〜1dが停止する時に、クリーニングブレード31の復元力によりエッジ部分31aが元の位置に戻ろうとする。このとき、エッジ部分31aに蓄積した残留物Fが感光体ドラム1a〜1dに押し付けられ、ドラム表面に強固に固着してしまう。
この対策としては、図5に示すように、画像形成終了後に感光体ドラム1a〜1dを時計回りに回転(逆回転)させることにより、エッジ部分31aに蓄積した残留物Fを感光体に付着させた状態で移動させることが有効である。これにより、感光体ドラム1a〜1dに付着した外添剤はエッジ部分31aから離れ、クリーニングブレード31によってドラム表面に押し付けられないため、ドラム表面に強固に固着しない。従って、次の画像形成動作時にクリーニングブレード31によってドラム表面から容易に除去される。
一方、外添剤は吸湿することによって凝集するが、例えば絶対湿度15g/m3未満の低湿環境下では凝集しないので、ドラム表面への外添剤付着が起こらない。よって、低湿環境下では感光体ドラム1a〜1dの逆回転動作をする必要がない。
そこで、本発明の画像形成装置では、感光体ドラム1a〜1dの逆回転を実行するか否かを機外湿度センサ97の検知結果に基づいて決定することとした。具体的には、機外湿度センサ97の検知結果から算出された絶対湿度が15g/m3以上の使用環境下において駆動停止後に感光体の逆回転動作を行う。
これにより、外添剤の凝集が発生し易い高湿条件下においては感光体ドラム1a〜1dの逆回転を実行してブレードエッジによるドラム表面への外添剤の固着を防止しつつ、外添剤の凝集の発生しない低湿条件下では不要な感光体ドラム1a〜1dの逆回転動作を抑制することができる。
さらに、画像形成終了後のブレードエッジ周辺はトナーに比べて低抵抗の研磨剤リッチな状態に保たれているので、帯電が高くなったトナーの電荷を感光体ドラム側に逃がすことができ、剥離放電によるリークが発生し難くなっている。特に、102Ω以下の低抵抗の研磨剤をトナーに外添しておき、ブレードエッジ周辺に低抵抗の研磨剤を滞留させてエッジ周辺のトナーの帯電を逃がすことで、リーク発生を効果的に抑制できる。しかし、感光体ドラムの逆回転動作を行うと、ブレードエッジ周辺の外添剤が移動してしまうため、低抵抗の研磨剤による除電効果が失われてしまう。
図6は、絶対湿度とトナーの帯電量との関係を示すグラフである。図6に示すように、絶対湿度が低くなるほど単位重量当たりのトナー帯電量Q/Mが高くなる傾向にあり、絶対湿度15g/m3以下ではQ/Mが25μC/gを超える。従って、絶対湿度15g/m3未満の低湿環境下で感光体の逆回転動作を行わないことが好ましい。一方、絶対湿度が15g/m3以上の環境ではトナーの帯電量が25μC/g以下と低くなり、剥離放電によるリークが発生しないため、感光体ドラムの逆回転動作によりブレードエッジ周辺の外添剤を移動させても差し支えはない。
なお、感光体ドラム1a〜1dの逆回転制御はなるべく直前の絶対湿度を用いて行うことが好ましいが、他のタイミングで検知された機外湿度から絶対湿度を算出して逆回転制御に用いてもよい。また、所定の回数だけ機外湿度の検知を行い、各検出値の平均値を用いて絶対湿度を算出することもできる。
また、感光体ドラム1a〜1dの逆回転量は、クリーニングブレード31のエッジ部分31aに蓄積した残留物に作用するクリーニングブレード31の復元力を開放できる量であれば良く、1〜数mmで十分である。さらに、図7に示すように、感光体ドラム1a〜1d表面のエッジ部分31aと接触する部分が摺擦ローラ30と接触する位置に来るまで感光体ドラム1a〜1dを逆回転させ、その状態で摺擦ローラ30を所定時間回転させるようにすれば、エッジ部分31aに蓄積した残留物Fが摺擦ローラ30により直ちに除去されるため、ドラム表面への外添剤の固着を一層確実に防止できる。
図8は、本発明の画像形成装置において実行される感光体ドラムの駆動制御例を示すフローチャートである。図1〜図5を参照しながら、図8のステップに沿ってウオームアップモードにおける装置各部の動作について説明する。
先ず、ユーザがパーソナルコンピュータから画像データをプリンタ100に送信することによって画像形成が開始され、画像形成が終了すると(ステップS1)、機外湿度センサ97により検知された機外湿度データがI/F96を介してCPU91に送信され、絶対湿度Hが所定値(ここでは15g/m3)以上であるか否かが判断される(ステップS2)。
絶対湿度Hが15g/m3以上である場合は、図5に示したように、ドラムモータ42を逆回転させて感光体ドラム1a〜1dを所定量逆回転させ(ステップS3)、クリーニングブレード31のエッジ部分31aに滞留した残留物Fをエッジ部分31aから移動させる。一方、ステップS2で絶対湿度Hが15g/m3未満である場合は、感光体ドラム1a〜1dの逆回転を行わずに処理を終了する。
上記手順によれば、感光体の逆回転動作が外添剤の固着し易い高湿条件下のみに制限されるため、無駄な逆回転動作を無くして制御を簡潔化することができる。また、低湿環境下では感光体の逆回転を実行しないため、抵抗の低い研磨剤をブレードエッジ部分に滞留させておくことができ、トナーの剥離放電によるリークの発生も防止できる。このリーク発生の防止効果は、102Ω以下の低抵抗の研磨剤をトナーに外添させることで顕著となる。
図9は、本発明の画像形成装置において実行される感光体ドラムの他の駆動制御例を示すフローチャートである。図9の制御においては、ステップS2で絶対湿度Hに基づいて感光体の逆回転の要否を決定した後、図7に示したように、クリーニングブレード31のエッジ部分31aと接触する感光体表面が摺擦ローラ30と接触する位置まで感光体ドラム1a〜1dを逆回転させ(ステップS3)、その状態でCDCLモータ45及びBDCLモータ46を駆動させることにより摺擦ローラ30の回転を継続させた後、所定時間経過後に摺擦ローラ30の回転を停止する(ステップS4、S5)こととしている。
この制御によれば、ブレードエッジ部分に滞留した残留物は摺擦ローラ30により直ちに除去されるため、残留物の固着に起因する画像の横筋、感光体の駆動ムラ(ジッタ)や異常音(ブレード鳴き)、ブレードのめくれ等の不具合を一層効果的に防止できる。また、図8の制御と同様に低温環境下では感光体の逆回転を実行しないため、トナーの剥離放電によるリークの発生も防止できる。
なお、図8及び図9に示した制御は一例に過ぎず、絶対湿度Hの閾値は、使用するトナーの外添剤や感光層の仕様等に応じて適宜変更可能である。また、図8の制御における感光体ドラム1a〜1dの逆回転量や、図9の制御における摺擦ローラ30の回転継続時間も任意に設定できる。
また、カラー印字を行うカラーモードでは各画像形成部Pa〜Pdを駆動させるため、全ての感光体ドラム1a〜1dについて上記の逆回転制御を行う必要があるが、モノクロ印字を行うモノクロモードでは、感光体ドラム1dを含む画像形成部Pdのみを駆動させるため、逆回転制御も感光体ドラム1dのみで行えば良い。また、連続印字が指示されている場合は、連続印字終了後に逆回転の要否を判断すれば良い。
その他本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば機外湿度センサ97に代えて装置内部の湿度を検知する機内湿度センサを設け、装置内部の湿度データから絶対湿度を算出しても良い。
また本発明は、図1に示したようなタンデム式のカラー画像形成装置に限らず、ロータリー方式のカラー画像形成装置、モノクロ複写機、モノクロプリンタ、デジタル複合機、ファクシミリ等、感光体に圧接されるクリーニングブレードを備えた他の画像形成装置にも適用可能である。
本発明は、クリーニングブレードを用いて感光体表面の残留トナー等を除去する画像形成装置に利用可能であり、絶対湿度に応じて画像形成終了後に感光体ドラムの逆回転を実行するか否かを決定するものである。これにより、低湿時の不要な逆回転を省略して制御を簡潔化するとともに、抵抗の低い研磨剤をブレードエッジ部分に滞留させておくことができる。従って、残留物の固着に起因する画像の横筋、感光体の駆動ムラ(ジッタ)や異常音(ブレード鳴き)、ブレードのめくれ等を効果的に防止するとともに、トナーの剥離放電によるリークの発生も防止できる。
また、感光体の逆回転の実行を決定したときは、クリーニングブレードと接触する感光体表面がクリーニング部材と接触する位置まで感光体を逆回転させ、且つクリーニング部材の回転を所定時間継続させることで、ブレードエッジ部分に滞留した残留物をクリーニング部材により直ちに除去可能となる。
1a〜1d 感光体ドラム
2a〜2d 帯電装置
3a〜3d 現像装置
4 露光装置
5a〜5d クリーニング装置
6a〜6d 一次転写ローラ
7 定着部
8 中間転写ベルト
9 二次転写ローラ
19 ベルトクリーニング装置
30 摺擦ローラ(クリーニング部材)
31 クリーニングブレード
31a エッジ部分
42 ドラムモータ
45 CDCLモータ
46 BDCLモータ
90 制御部(制御手段)
97 機外湿度センサ(湿度検知手段)
100 プリンタ
Pa〜Pd 画像形成部

Claims (4)

  1. 表面に静電潜像及び静電潜像に応じたトナー像が形成される感光体と、
    該感光体表面に圧接され感光体表面に残留するトナーを除去するクリーニングブレードと、
    装置内部または外部の湿度を検知する湿度検知手段と、
    該湿度検知手段の検知結果に基づいて算出された絶対湿度が所定値以上のとき、画像形成終了後に感光体の逆回転を実行する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記制御手段は、絶対湿度が15g/m3以上のとき感光体の逆回転を実行することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記トナーには抵抗値が102Ω以下の研磨剤が外添されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記クリーニングブレードと感光体との接触位置よりも感光体の回転方向上流側に接触し、感光体に対し所定の線速差をもって回転するクリーニング部材を備え、前記制御手段が感光体の逆回転の実行を決定したときは、前記クリーニングブレードと接触する感光体表面が前記クリーニング部材と接触する位置まで感光体を逆回転させ、且つ前記クリーニング部材の回転を所定時間継続させることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
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