JP5199013B2 - 多芯筆記具 - Google Patents
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Description
図1乃至図9に本発明の第1の実施の形態を示す。
本実施の形態の多芯筆記具1は、軸筒2内に複数本(具体的には4本)の筆記体6が前後方向に移動可能に収容されている。前記各々の筆記体6は、弾発体8(具体的には圧縮コイルスプリング)により、後方に付勢されている。
前記軸筒2は、先細円筒状の前軸21と、該前軸21の後端に接続される円筒状の後軸22とからなる。前記前軸21の後端開口部に前記弾発体支持体4の前端が固着され、前記後軸22の前端開口部に前記弾発体支持体4の後端が固着される。前記弾発体支持体4によって、前記前軸21の後端と、前記後軸22の前端とが接続される。
図6及び図7に示すように、前記各々の窓孔22aの後端は、軸筒2後端より後方に切り欠き状に開口する開口部22cが形成される。
前記窓孔22a及び前記開口部22cによって軸筒2の後端部側壁に前後方向に延びる複数本の脚部22dが形成される。
前記脚部22dの後端には、前記開口部22cが開口された状態において前記各々の脚部22dの後端が互いに連結される連結部3が一体に形成される。前記連結部3は、前記軸筒2の後端の軸心に位置する軸心部31と、前記軸心部31から径方向外方に放射状に延び且つ前記各々の脚部22dの後端に接続される複数の枝部32とからなる。前記各々の連結部3の枝部32の周方向の肉厚T1は、前記各々の脚部22dの周方向の幅T2よりも小さく設けられる。
前記クリップ22eを備えた脚部22dの後端(具体的にはクリップ22eの基部)には、前記開口部22cを開閉自在にする蓋部5が、ヒンジ部53により回動自在に取り付けられる。前記蓋部5の前面には、没入状態の筆記体6の後端に取り付けられた各々の操作体7の後端が当接可能な当接壁部51が形成される。
軸筒22の内壁(即ち前軸21の後端開口部内壁及び後軸22の前端開口部内壁)には、円筒状の弾発体支持体4が固着される。前記弾発体支持体4は、筆記体6が挿通される複数(具体的には4個)の内孔が軸方向に貫設されている。前記弾発体支持体4の後面と、各々の操作体7の鍔部75の前面との間には、弾発体8が配置される。前記各々の弾発体8の内部に筆記体6が遊挿される。前記各々の弾発体8の前端は弾発体支持体4の後面により係止され、前記各々の弾発体8の後端は操作体7の鍔部75の前面に係止される。前記弾発体支持体4は、合成樹脂の射出成形から得られる。
前記各々の弾発体8は、各々の操作体7(即ち各々の筆記体6)を、常時、後方に付勢している。前記各々の弾発体8は、ペン先突出状態及びペン先没入状態のいずれにおいても圧縮状態(即ち筆記体6が後方に付勢された状態)にあり、それにより、各々の操作体7の前後のがたつきが防止される。
前記各々の筆記体6は、ボールペンレフィルであり、前端にボールが回転可能に抱持されたボールペンチップ(即ちペン先61)と、該ボールペンチップを前端に備え且つ後端が開口されたインキ収容管62とからなる。前記インキ収容管62の内部には、剪断減粘性を有する水性ゲルインキ、低粘度の水性インキ、低粘度の油性インキ、または高粘度の油性インキからなるインキが収容される。前記インキが、剪断減粘性を有する水性ゲルインキ、低粘度の水性インキ、または低粘度の油性インキの場合、インキ収容管62内のインキの後端には、インキの消費に伴い前進する高粘度流体からなる追従体が充填される。
前記各々の筆記体6の後端(即ちインキ収容管62の後端開口部)には、操作体7が取り付けられる。前記各々の操作体7は、後端部に形成され且つ軸筒2の窓孔22aから外部に突出する操作部71と、該操作部71の径方向反対側の後端に設けられる第1の解除突起72と、該操作部71の径方向反対側の第1の解除突起72の前方に設けられる第2の解除突起73と、前端部に形成され且つインキ収容管62の後端開口部に嵌入される嵌入部74と、該嵌入部74の後方に形成される鍔部75とを備える。また、前記鍔部75の前面には、弾発体8の後端が係止される。また、前記操作体7の両方の側面には係止突起76が形成される。前記係止突起76は窓孔22aの両側壁に係合可能である。前記操作体7は、合成樹脂(例えば、ポリプロピレン樹脂、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂等)の成形体により得られる。前記一つの操作体7を窓孔22aに沿って前方にスライドさせることにより、その一つの操作体7が取り付けられた筆記体6のペン先61が軸筒2の前端孔21aから前方に突出するとともに、先に突出状態にあった他の筆記体6のペン先61が軸筒2内に没入する。
本実施の形態の筆記体のペン先の出没作動について説明する。
一つの筆記体6のペン先61が前端孔21aより突出状態にあるとき、前記ペン先突出状態にある筆記体6の後端に連結された操作体7が、前記係止壁部22bに係止されるとともに、前記ペン先突出状態の筆記体6の後端に連結された操作体7の第1の解除突起72または第2の解除突起73が、前記可動部9を径方向に押圧変位させている。前記ペン先突出状態において、ペン先没入状態にある他の筆記体6の後端に連結された操作体7を前方にスライド操作したとき、前記他の筆記体6の後端に連結された操作体7の第2の解除突起73が、前記可動部9の溝の後端開口縁に摺接することにより前記可動部が径方向に押圧変位される。そして、前記可動部9が、先にペン先突出状態にある筆記体6の後端に連結された操作体7を径方向外方に押し上げ、前記ペン先突出状態にある筆記体6の後端に連結された操作体7と前記係止壁部22bとの係止状態が解除される。
本実施の形態における筆記体6及び操作体7の交換について説明する。(図5、図6及び図7参照)
筆記体6を交換する際、蓋部5が軸筒2の後端の開口部22cを閉鎖した状態から、蓋部5のヒンジ部53と反対側の操作端部を後方に押圧し、係合部52と被係合部22fとの係合を解除し、蓋部5を後方に回動させ、軸筒2の後端の開口部22cを開口する。前記軸筒2の後端の開口部22cが開口した状態で、操作体7を取り出すことにより、その操作体7と互いに連結状態にある筆記体6を前記開口部22cを介して軸筒2内から取り出し、その後、互いに連結状態にある新たな筆記体6と新たな操作体7とを前記開口部22cを介して軸筒2内に挿入する。そして、蓋部5の当接壁部51に各々の操作体7を当接させ、各々の操作体7を前方に押圧しながら蓋部5を前方に回動させ、その後、係合部52と被係合部22fとを係合させ、開口部22cを閉鎖する。これにより、筆記体6及び操作体7の交換作業が終了する。
図10乃至図18に本発明の第2の実施の形態を示す。
本実施の形態の多芯筆記具1は、軸筒2内に複数本(具体的には5本)の筆記体6が前後方向に移動可能に収容されている。前記各々の筆記体6は、弾発体8(具体的には圧縮コイルスプリング)により、後方に付勢されている。
前記軸筒2は、先細円筒状の前軸21と、該前軸21の後端に接続される円筒状の後軸22とからなる。前記前軸21の後端開口部に前記弾発体支持体4の前端が固着され、前記後軸22の前端開口部に前記弾発体支持体4の後端が固着される。前記弾発体支持体4によって、前記前軸21の後端と、前記後軸22の前端とが接続される。
図15及び図16に示すように、前記各々の窓孔22aの後端は、軸筒2後端より後方に切り欠き状に開口する開口部22cが形成される。
前記窓孔22a及び前記開口部22cによって軸筒2の後端部側壁に前後方向に延びる複数本の脚部22dが形成される。
前記脚部22dの後端には、前記開口部22cが開口された状態において前記各々の脚部22dの後端が互いに連結される連結部3が一体に形成される。前記連結部3は、前記軸筒2の後端の軸心に位置する軸心部31と、前記軸心部31から径方向外方に放射状に延び且つ前記各々の脚部22dの後端に接続される複数の枝部32とからなる。前記各々の連結部3の枝部32の周方向の肉厚T1は、前記各々の脚部22dの周方向の幅T2よりも小さく設けられる。
前記クリップ22eを備えた脚部22dの後端(具体的にはクリップ22eの基部)には、前記開口部22cを開閉自在にする蓋部5が、ヒンジ部53により回動自在に取り付けられる。前記蓋部5の前面には、没入状態の筆記体6の後端に取り付けられた各々の操作体7の後端が当接可能な当接壁部51が形成される。
軸筒22の内壁(即ち前軸21の後端開口部内壁及び後軸22の前端開口部内壁)には、円筒状の弾発体支持体4が固着される。前記弾発体支持体4は、筆記体6が挿通される複数(具体的には5個)の内孔が軸方向に貫設されている。前記弾発体支持体4の後面と、各々の操作体7の鍔部75の前面との間には、弾発体8が配置される。前記各々の弾発体8の内部に筆記体6が遊挿される。前記各々の弾発体8の前端は弾発体支持体4の後面により係止され、前記各々の弾発体8の後端は操作体7の鍔部75の前面に係止される。前記弾発体支持体4は、合成樹脂の射出成形から得られる。
前記各々の弾発体8は、各々の操作体7(即ち各々の筆記体6)を、常時、後方に付勢している。前記各々の弾発体8は、ペン先突出状態及びペン先没入状態のいずれにおいても圧縮状態(即ち筆記体6が後方に付勢された状態)にあり、それにより、各々の操作体7の前後のがたつきが防止される。
前記各々の筆記体6は、ボールペンレフィルであり、前端にボールが回転可能に抱持されたボールペンチップ(即ちペン先61)と、該ボールペンチップを前端に備え且つ後端が開口されたインキ収容管62とからなる。前記インキ収容管62の内部には、剪断減粘性を有する水性ゲルインキ、低粘度の水性インキ、低粘度の油性インキ、または高粘度の油性インキからなるインキが収容される。前記インキが、剪断減粘性を有する水性ゲルインキ、低粘度の水性インキ、または低粘度の油性インキの場合、インキ収容管62内のインキの後端には、インキの消費に伴い前進する高粘度流体からなる追従体が充填される。
前記各々の筆記体6の後端(即ちインキ収容管62の後端開口部)には、操作体7が取り付けられる。前記各々の操作体7は、後端部に形成され且つ軸筒2の窓孔22aから外部に突出する操作部71と、該操作部71の径方向反対側の後端に設けられる第1の解除突起72と、該操作部71の径方向反対側の第1の解除突起72の前方に設けられる第2の解除突起73と、前端部に形成され且つインキ収容管62の後端開口部に嵌入される嵌入部74と、該嵌入部74の後方に形成される鍔部75とを備える。また、前記鍔部75の前面には、弾発体8の後端が係止される。また、前記操作体7の両方の側面には係止突起76が形成される。前記係止突起76は窓孔22aの両側壁に係合可能である。前記操作体7は、合成樹脂(例えば、ポリプロピレン樹脂、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂等)の成形体により得られる。前記一つの操作体7を窓孔22aに沿って前方にスライドさせることにより、その一つの操作体7が取り付けられた筆記体6のペン先61が軸筒2の前端孔21aから前方に突出するとともに、先に突出状態にあった他の筆記体6のペン先61が軸筒2内に没入する。
本実施の形態の筆記体のペン先の出没作動について説明する。
一つの筆記体6のペン先61が前端孔21aより突出状態にあるとき、前記ペン先突出状態にある筆記体6の後端に連結された操作体7が、前記係止壁部22bに係止されるとともに、前記ペン先突出状態の筆記体6の後端に連結された操作体7の第1の解除突起72または第2の解除突起73が、前記可動部9を径方向に押圧変位させている。前記ペン先突出状態において、ペン先没入状態にある他の筆記体6の後端に連結された操作体7を前方にスライド操作したとき、前記他の筆記体6の後端に連結された操作体7の第2の解除突起73が、前記可動部9の溝の後端開口縁に摺接することにより前記可動部が径方向に押圧変位される。そして、前記可動部9が、先にペン先突出状態にある筆記体6の後端に連結された操作体7を径方向外方に押し上げ、前記ペン先突出状態にある筆記体6の後端に連結された操作体7と前記係止壁部22bとの係止状態が解除される。
本実施の形態における筆記体6及び操作体7の交換について説明する。(図14、図15及び図16参照)
筆記体6を交換する際、蓋部5が軸筒2の後端の開口部22cを閉鎖した状態から、蓋部5のヒンジ部53と反対側の操作端部を後方に押圧し、係合部52と被係合部22fとの係合を解除し、蓋部5を後方に回動させ、軸筒2の後端の開口部22cを開口する。前記軸筒2の後端の開口部22cが開口した状態で、操作体7を取り出すことにより、その操作体7と互いに連結状態にある筆記体6を前記開口部22cを介して軸筒2内から取り出し、その後、互いに連結状態にある新たな筆記体6と新たな操作体7とを前記開口部22cを介して軸筒2内に挿入する。そして、蓋部5の当接壁部51に各々の操作体7を当接させ、各々の操作体7を前方に押圧しながら蓋部5を前方に回動させ、その後、係合部52と被係合部22fとを係合させ、開口部22cを閉鎖する。これにより、筆記体6及び操作体7の交換作業が終了する。
2 軸筒
21 前軸
21a 前端孔
22 後軸
22a 窓孔
22b 係止壁部
22c 開口部
22d 脚部
22e クリップ
22f 被係合部
22g ガイド溝
3 連結部
31 軸心部
32 枝部
4 弾発体支持体
5 蓋部
51 当接壁部
52 係合部
53 ヒンジ部
6 筆記体
61 ペン先
62 インキ収容管
7 操作体
71 操作部
72 第1の解除突起
73 第2の解除突起
74 嵌入部
75 鍔部
76 係止突起
8 弾発体
9 可動部
Claims (8)
- 軸筒内に複数の筆記体を前後方向に移動可能に収容し、前記各々の筆記体を弾発体により後方に付勢し、前記各々の筆記体の後端に操作体を取り付け、前記軸筒の側壁に前後方向に延びる複数の窓孔を径方向に貫設し、前記各々の窓孔から径方向外方に前記各々の操作体を突出させ、一つの操作体を窓孔に沿って前方にスライドさせることにより、その一つの操作体が取り付けられた筆記体のペン先を軸筒の前端孔から突出させるとともに、先に突出状態にあった他の筆記体のペン先を軸筒内に没入させてなり、
前記軸筒の後端に、前記各々の窓孔を後方に開口させる開閉自在の開口部を設け、
前記開口部を介して筆記体及び操作体を連結状態で軸筒内から取り外し可能且つ軸筒内に挿入可能に構成し、前記窓孔及び前記開口部によって軸筒の後端部側壁に軸方向に延びる複数本の脚部を形成した多芯筆記具であって、
前記各々の脚部の後端に連結部を設け、前記開口部の開口状態において、前記各々の脚部の後端が前記連結部によって互いに連結されることを特徴とする多芯筆記具。 - 前記連結部が、前記軸筒の後端の軸心に位置する軸心部と、前記軸心部から径方向外方に放射状に延び且つ前記各々の脚部の後端に接続される複数の枝部とからなる請求項1記載の多芯筆記具。
- 前記各々の連結部の枝部の周方向の肉厚が、前記各々の脚部の後端の周方向の幅より小さく設定される請求項2記載の多芯筆記具。
- 前記開口部を開閉自在にする蓋部を前記連結部に係脱自在に設け、前記蓋部の前面に、没入状態の各々の筆記体の操作体が当接可能な当接壁部を設けるとともに、前記蓋部の前面に係合部を設け、前記連結部に、前記係合部と係脱自在な被係合部を設けた請求項2または3に記載の多芯筆記具。
- 前記蓋部の前面の中心部に係合部を設け、前記連結部の軸心部に、前記係合部と係脱自在な被係合部を設けた請求項4記載の多芯筆記具。
- 前記係合部が、蓋部の前面の中心部に設けられた孔部からなり、前記被係合部が、前記枝部後面よりも後方に突出する突出部からなる請求項5記載の多芯筆記具。
- 前記開口部を開閉自在にする蓋部を前記連結部に係脱自在に設け、前記蓋部の前面に、没入状態の各々の筆記体の操作体が当接可能な当接壁部を設けるとともに、前記蓋部の前面に係合部を設け、前記連結部に、前記係合部と係脱自在な被係合部を設けた請求項1記載の多芯筆記具。
- 前記連結部により互いに連結された脚部の一つに、前記開口部を開閉自在にする蓋部をヒンジ部により回動可能に取り付けた請求項5、6または7記載の多芯筆記具。
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