JP5189730B2 - インク組成物 - Google Patents
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Description
上記インク組成物はさらに、(d)色材を含むことが好ましい。また、前記(d)色材が顔料または油溶性染料であることが好ましい。
本発明の好ましい態様では、上記インク組成物は、インクジェット記録用インク組成物である。
更に本発明は、上記インク組成物を被記録媒体に噴射し、着弾させる工程、及び、前記インク組成物に放射線を照射して硬化する工程を含むことを特徴とするインクジェット記録方法、を提供する。
本発明はまた、被記録媒体上に、上記インク組成物を噴射し、着弾させた後、放射線を照射してインク組成物を硬化させてなる印刷物、を提供する。
本発明はまた、上記インク組成物を、親水性支持体上に噴射し、着弾させた後、放射線を照射してインクを硬化させることにより疎水性領域を形成することを特徴とする平版印刷版の作製方法、を提供する。
本発明はさらに、親水性支持体上に、上記インク組成物を噴射し、着弾させた後、放射線を照射してインク組成物を硬化させることにより形成された疎水性領域を有する平版印刷版、を提供する。
(1-1)熱膨張性化合物
本発明のインク組成物において用いられる熱膨張性化合物とは、加熱中に物理的な力により膨張するものである。膨張とは、粒子サイズが何らかの物理的作用によって増加することであり、一般に、膨張性材料の実粒子サイズの増加と相関している。
より好ましい膨張性化合物は、加熱すると元の体積の少なくとも約1.5倍に膨張するものである。前記加熱時の温度は、20〜150℃、好ましくは25〜100℃、より好ましくは30〜70℃である。
本発明のインク組成物に含有される重合性化合物としては、ラジカル重合性化合物、カチオン重合性化合物等の重合性化合物を用いることができる。
ラジカル重合性化合物としては、硬化剤または重合性希釈剤として公知の各種ラジカル重合性モノマーを使用する事ができる。ラジカル重合性モノマーの重合性官能基については重合性やインク及び硬化組成物の物性を調整する目的で任意に選択可能であるが、重合速度や汎用性の観点からラジカル重合性モノマーとして(メタ)アクリレートから誘導されるモノマーが好ましく用いられる。また、硬化剤または重合性希釈剤は、インクや硬化組成物の物性に応じて任意の割合に混合して用いる事ができる。
単官能(メタ)アクリレート類としては、ヘキシル(メタ)アクリレート((メタ)アクリル酸ヘキシル、以下同様)、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、tert−オクチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−n−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エチヘキシルジグリコール(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−クロロエチル(メタ)アクリレート、4−ブロモブチル(メタ)アクリレート、シアノエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ブトシキメチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、アルコキシメチル(メタ)アクリレート、アルコキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2,2,2−テトラフルオロエチル(メタ)アクリレート、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシル(メタ)アクリレート、4−ブチルフェニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2,4,5−テトラメチルフェニル(メタ)アクリレート、4−クロロフェニル(メタ)アクリレート、フェノキシメチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジロキシブチル(メタ)アクリレート、グリシジロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジロキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、トリメトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート、トリメチルシリルプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシドモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキシドモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシド(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキシド(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、オリゴプロピレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、2−メタクリロイロキシチルコハク酸、2−メタクリロイロキシヘキサヒドロフタル酸、2−メタクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリフロロエチル(メタ)アクリレート、パーフロロオクチルエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、EO変性フェノール(メタ)アクリレート、EO変性クレゾール(メタ)アクリレート、EO変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、PO変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、EO変性−2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートが挙げられる。
(メタ)アクリルアミド類の例としては、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、メタ)アクリロイルモルフォリンが挙げられる。ここで(メタ)アクリルアミドはメタクリルアミド又はアクリルアミドの両方の構造をとり得る事を示す。
スチレン類としては具体的には、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、クロルメチルスチレン、メトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロルスチレン、ジクロルスチレン、ブロムスチレン、ビニル安息香酸メチルエステル、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、3−エチルスチレン、4−エチルスチレン、3−プロピルスチレン、4−プロピルスチレン、3−ブチルスチレン、4−ブチルスチレン、3−ヘキシルスチレン、4−ヘキシルスチレン、3−オクチルスチレン、4−オクチルスチレン、3−(2−エチルヘキシル)スチレン、4−(2−エチルヘキシル)スチレン、アリルスチレン、イソプロペニルスチレン、ブテニルスチレン、オクテニルスチレン、4−t−ブトキシカルボニルスチレン、4−メトキシスチレン、4−t−ブトキシスチレン等が挙げられる。
上記一般式(2)〜(5)において、R7、R8で各々表される置換基としては、炭素数1〜6個のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基またはブチル基等)、炭素数1〜6個のアルケニル基(例えば、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基等)、アラルキル基(例えば、ベンジル基、フルオロベンジル基、メトキシベンジル基等)、炭素数1〜6個のアシル基(例えば、プロピルカルボニル基、ブチルカルボニル基、ペンチルカルボニル基等)、炭素数1〜6個のアルコキシカルボニル基(例えば、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等)、炭素数1〜6個のアルキルカルバモイル基(例えば、プロピルカルバモイル基、ブチルペンチルカルバモイル基等)、アルコキシカルバモイル基(例えば、エトキシカルバモイル基等)を表す。
分子中に2個以上のオキセタン環を有する化合物としては、下記一般式(6)、(7)で表わされる化合物を挙げることができる。
R1〜R6は、各々一般式(1)と同義の基を表す。ただし、一般式(6)において、R3〜R6の少なくとも1つが、置換基である。
R9は、炭素数1〜12の線形又は分枝アルキレン基、線形或いは分枝ポリ(アルキレンオキシ)基、または下記一般式(9)、(10)及び(11)からなる群から選択される2価の基を表す。上記炭素数1〜12の線形又は分枝アルキレン基としては、下記一般式(8)で表される基が好ましい。
本発明に係る一般式(1)で表されるオキセタン環を含有する化合物の具体例を、表1に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
2)A.O.Fitton,J.Hill,D.Ejane,R.Miller,Synth.,12,1140(1987)
3)Toshiro Imai and Shinya Nishida,Can.J.Chem.Vol.59,2503〜2509(1981)
4)Nobujiro Shimizu,Shintaro Yamaoka,and Yuho Tsuno,Bull.Chem.Soc.Jpn.,56,3853〜3854(1983)
5)Walter Fisher and Cyril A.Grob,Helv.Chim.Acta.,61,2336(1978)
6)Chem.Ber.101,1850(1968)
7)“Heterocyclic Compounds with Three− and Four−membered Rings”,Part Two,Chapter IX,Interscience Publishers,John Wiley & Sons,New York(1964)
8)H.A.J.Curless,“Synthetic Organic Photochemistry”,Plenum,New York(1984)
9)M.Braun,Nachr.Chem.Tech.Lab.,33,213(1985)
10)S.H.Schroeter,J.Org.Chem.,34,5,1181(1969)
11)D.R.Arnold,Adv.Photochem.,6,301(1968)
芳香族エポキシドとして好ましいものは、少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノール或いはそのアルキレンオキサイド付加体とエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジ又はポリグリシジルエーテルであり、例えばビスフェノールA或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールA或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル、並びにノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。
エポキシ化脂肪酸エステルとしては、オレイン酸エステルをエポキシ化して製造されたもので、エポキシステアリン酸メチル、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシステアリン酸オクチル等が用いられる。また、エポキシ化脂肪酸グリセライドは、同様に、大豆油、アマニ油、ヒマシ油等をエポキシ化して製造されたもので、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化ヒマシ油等が用いられる。
本発明の重合性化合物の添加量は、例えば、本発明の上記インク組成物の全質量に対し、1〜97質量%であり、より好ましくは30〜95質量%である。
次に本発明のインク組成物に使用される光重合開始剤について説明する。
本発明における光重合開始剤は光の作用、または、増感色素の電子励起状態との相互作用を経て、化学変化を生じ、ラジカル、酸および塩基のうちの少なくともいずれか1種を生成する化合物である。
本発明における重合開始剤としては、例えば、放射線硬化型のインク組成物に用いられる公知のラジカル重合、若しくは、カチオン重合の光重合開始剤が挙げられる。本発明に併用可能な他の光重合開始剤は、光の作用、又は、増感色素の電子励起状態との相互作用を経て、化学変化を生じ、ラジカル、酸及び塩基のうちの少なくともいずれか1種を生成する化合物である。具体的な、光重合開始剤は、当業者間で公知のものを制限なく使用できる。具体的には、例えば、 Bruce M. Monroeら著、Chemical Review, 93, 435 (1993)や、R.S.Davidson著、Journal of Photochemistry and biology A :Chemistry, 73, 81 (1993)や、J. P. Faussier "Photoinitiated Polymerization-Theory and Applications" :Rapra Review vol.9, Report, Rapra Technology(1998)や、M.Tsunooka et al., Prog.Polym.Sci., 21, 1 (1996)に多く、記載されている。また、(有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)、187〜192ページ参照)に化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される化合物が多く、記載されている。さらには、F. D.Saeva,Topics in Current Chemistry,156,59(1990)、G. G. Maslak, Topics in Current Chemistry, 168, 1 (1993)、H. B. Shuster et al, J. Am. Chem. Soc., 112, 6329 (1990)、I. D. F.Eaton et al, J. Am. Chem. Soc, 102, 3298 (1980)等に記載されているような、増感色素の電子励起状態との相互作用を経て、酸化的又は還元的に結合解裂を生じる化合物群も知られる。
上記(a)〜(j)で表される化合物の好ましい具体例としては、以下に示すものが挙げられる。
本発明においては、光重合開始剤の感度を向上させる目的で、増感色素を添加しても良い。好ましい増感色素の例としては、以下の化合物類に属しており、かつ350nmから450nm域に吸収波長を有するものを挙げることができる。
多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えばチアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン)。
さらに本発明のインク組成物には、感度を一層向上させる、あるいは酸素による重合阻害を抑制する等の作用を有する公知の化合物を共増感剤として加えても良い。
本発明のインク組成物に色材を添加することが好ましい。本発明のインク組成物に色材を添加することで、可視画像を形成することができるからである。例えば、平版印刷版の画像部領域を形成する場合などには、インク組成物に色材を添加することは必ずしも必要がないが、得られた平版印刷版の検版性の観点からは色材を用いることも好ましい。
本発明の色材としては、特に限定されるわけではないが、例えばカラーインデックスに記載される下記の番号の有機又は無機顔料が使用できる。
本発明において色材を添加する場合には、全インク組成物質量に対し、例えば、1〜10質量%、好ましくは2〜6質量%含有することが適当である。
本発明のインク組成物には、必要に応じて、他の成分を添加することができる。その他の成分としては、例えば、重合禁止剤、溶剤等が挙げられる。
重合禁止剤は、保存性を高める観点から添加され得る。また、本発明のインク組成物は、40〜80℃の範囲で加熱、低粘度化して射出することが好ましく、熱重合によるヘッド詰まりを防ぐためにも、重合禁止剤を添加することが好ましい。重合禁止剤は、本発明のインク組成物全量に対し、200〜20000ppm添加することが好ましい。重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、ベンゾキノン、p−メトキシフェノール、TEMPO、TEMPOL、クペロンAl等が挙げられる。
溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等のケトン系溶剤、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、1−ブタノール、tert−ブタノール等のアルコール系溶剤、クロロホルム、塩化メチレン等の塩素系溶剤、ベンゼン、トルエン等の芳香族系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピルなどのエステル系溶剤、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤、などが挙げられる。
この場合、使用される溶剤の量はインク組成物全体に対し0.1〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜3質量%の範囲である。
また硬化感度をさらに高める目的で、ラジカル重合性化合物、ラジカル重合開始剤を併用する、すなわちラジカル・カチオンハイブリッド型硬化インクとしてもよい。
インクジェット記録用インク組成物は、射出性を考慮し、射出時の温度(例えば、40〜80℃、好ましくは25〜30℃)において、粘度が、例えば、7〜30mPa・s、好ましくは7〜20mPa・sであることが好ましい。例えば、本発明のインク組成物の室温(25〜30℃)での粘度は、35〜500mPa・s、好ましくは35〜200mPa・sである。本発明のインク組成物は、粘度が上記範囲になるように適宜組成比を調整することが好ましい。室温での粘度を高く設定することにより、多孔質な被記録媒体を用いた場合でも、被記録媒体中へのインク浸透を回避し、未硬化モノマーの低減、臭気低減が可能となる。更にインク液滴着弾時のインクの滲みを抑えることができ、その結果として画質が改善される。
本発明に好適に採用され得るインクジェット記録方法およびインクジェット記録装置について、以下説明する。
(2-1)インクジェット記録方法
本発明は、上記インクジェット記録用インク組成物を、被記録媒体上に噴射し、支持体上に着弾したインクに放射線を照射し、もってインク組成物を硬化して画像を形成する方法を提供する。即ち、本発明は、
(a)被記録媒体上に上記インク組成物を適用する工程;
(b)上記インク組成物に、200〜600nm、好ましくは、300〜450nm、より好ましくは350〜420nmのピーク波長を有する放射線で、2000mJ/cm2以下、好ましくは、10〜2000mJ/cm2、より好ましくは、20〜1000mJ/cm2さらに好ましくは、50〜800mJ/cm2の出力で照射して上記インク組成物を硬化する工程;及び(c)硬化したインク組成物により被記録媒体上に画像が形成される工程、を含む方法に関する。
被記録媒体にインク組成物を噴射し、着弾させる方法としては、専用インクをノズルから微細な液滴として射出、用紙に付着させるインクジェット方式が好ましい。インクジェットヘッドには、ヒーターに電圧をかけることで気泡を発生させインクを押し出すバブルジェット(登録商標)方式、サーマルインクジェット方式と、ピエゾ素子の振動によりインクを押し出すピエゾ素子方式があるが、本発明のインク組成物は、これら方式のいずれにも使用することができる。
本発明の平版印刷版は、親水性支持体と、該親水性支持体上に本発明のインク組成物を用いて形成された疎水性領域(画像)とを有する。この平版印刷版の作製方法は、以下の工程;
(1)本発明のインク組成物を前記親水性支持体上に射出する工程;及び
(2)前記インクを射出した親水性支持体表面に放射線を照射して前記インクを硬化し、以て前記インクが硬化してなる疎水性領域(画像)を前記親水性支持体上に形成する工程、とを有する。
ここで、平版印刷版は、親水性支持体と、該支持体上に形成された画像とを有する。
従来、平版印刷版としては、親水性の支持体上に親油性の感光性樹脂層を設けた構成を有するいわゆるPS版が広く用いられてきた。このPS版の製造方法としては、通常、リスフィルムを介してマスク露光(面露光)した後、非露光部を溶解除去することにより所望の印刷版を得ていた。しかし、近年、画像情報をコンピュータを用いて電子的に処理、蓄積、出力するディジタル化技術が広く普及し、それに対応した新しい画像出力方式が求められるようになった。特に、リスフィルムを使用することなく、レーザー光のような嗜好性の高い光をディジタル化された画像情報に従って走査し、直接印刷版を製造するコンピュータ・トゥ・プレート(CTP)技術が開発されている。
アルミニウム板を使用するに先立ち、粗面化処理、陽極酸化処理等の表面処理を施すのが好ましい。表面処理により、親水性の向上および画像記録層と支持体との密着性の確保が容易になる。アルミニウム板を粗面化処理するに先立ち、所望により、表面の圧延油を除去するための界面活性剤、有機溶剤、アルカリ性水溶液等による脱脂処理が行われる。
機械的粗面化処理の方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法等の公知の方法を用いることができる。また、アルミニウムの圧延段階において凹凸を設けたロールで凹凸形状を転写する転写法も用いてもかまわない。
粗面化処理されたアルミニウム板は、必要に応じて、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液を用いてアルカリエッチング処理を施され、更に、中和処理された後、所望により、耐摩耗性を高めるために陽極酸化処理を施される。
封孔処理としては、蒸気封孔のほかフッ化ジルコン酸の単独処理、フッ化ナトリウムによる処理など無機フッ素化合物を含有する水溶液による封孔処理、塩化リチウムを添加した蒸気封孔、熱水による封孔処理でも可能である。
なかでも、無機フッ素化合物を含有する水溶液による封孔処理、水蒸気による封孔処理および熱水による封孔処理が好ましい。以下にそれぞれ説明する。
無機フッ素化合物を含有する水溶液による封孔処理に用いられる無機フッ素化合物としては、金属フッ化物が好適に挙げられる。
具体的には、例えば、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、フッ化ジルコン酸ナトリウム、フッ化ジルコン酸カリウム、フッ化チタン酸ナトリウム、フッ化チタン酸カリウム、フッ化ジルコン酸アンモニウム、フッ化チタン酸アンモニウム、フッ化チタン酸カリウム、フッ化ジルコン酸、フッ化チタン酸、ヘキサフルオロケイ酸、フッ化ニッケル、フッ化鉄、フッ化リン酸、フッ化リン酸アンモニウムが挙げられる。なかでも、フッ化ジルコン酸ナトリウム、フッ化チタン酸ナトリウム、フッ化ジルコン酸、フッ化チタン酸が好ましい。
無機フッ素化合物を含有する水溶液は、更に、リン酸塩化合物を含有するのが好ましい。リン酸塩化合物を含有すると、陽極酸化皮膜の表面の親水性が向上するため、機上現像性および耐汚れ性を向上させることができる。
具体的には、例えば、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、リン酸アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸一アンモニウム、リン酸一カリウム、リン酸一ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸カルシウム、リン酸水素アンモニウムナトリウム、リン酸水素マグネシウム、リン酸マグネシウム、リン酸第一鉄、リン酸第二鉄、リン酸二水素ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸鉛、リン酸二アンモニウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸リチウム、リンタングステン酸、リンタングステン酸アンモニウム、リンタングステン酸ナトリウム、リンモリブデン酸アンモニウム、リンモリブデン酸ナトリウム、亜リン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウムが挙げられる。なかでも、ン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウムが好ましい。
水溶液中のリン酸塩化合物の濃度は、機上現像性および耐汚れ性の向上の点で、0.01質量%以上であるのが好ましく、0.1質量%以上であるのがより好ましく、また、溶解性の点で、20質量%以下であるのが好ましく、5質量%以下であるのがより好ましい。
また、水溶液の温度は、20℃以上であるのが好ましく、40℃以上であるのがより好ましく、また、100℃以下であるのが好ましく、80℃以下であるのがより好ましい。
また、水溶液は、pH1以上であるのが好ましく、pH2以上であるのがより好ましく、また、pH11以下であるのが好ましく、pH5以下であるのがより好ましい。
なかでも、浸漬法が好ましい。浸漬法を用いて処理する場合、処理時間は、1秒以上であるのが好ましく、3秒以上であるのがより好ましく、また、100秒以下であるのが好ましく、20秒以下であるのがより好ましい。
水蒸気による封孔処理は、例えば、加圧又は常圧の水蒸気を連続的に又は非連続的に、陽極酸化皮膜に接触させる方法が挙げられる。
水蒸気の温度は、80℃以上であるのが好ましく、95℃以上であるのがより好ましく、また、105℃以下であるのが好ましい。
水蒸気の圧力は、(大気圧−50mmAq)から(大気圧+300mmAq)までの範囲(1.008×105〜1.043×105Pa)であるのが好ましい。
また、水蒸気を接触させる時間は、1秒以上であるのが好ましく、3秒以上であるのがより好ましく、また、100秒以下であるのが好ましく、20秒以下であるのがより好ましい。
水蒸気による封孔処理は、例えば、陽極酸化皮膜を形成させたアルミニウム板を熱水に浸漬させる方法が挙げられる。
熱水は、無機塩(例えば、リン酸塩)又は有機塩を含有していてもよい。
熱水の温度は、80℃以上であるのが好ましく、95℃以上であるのがより好ましく、また、100℃以下であるのが好ましい。
また、熱水に浸漬させる時間は、1秒以上であるのが好ましく、3秒以上であるのがより好ましく、また、100秒以下であるのが好ましく、20秒以下であるのがより好ましい。
本発明において使用しえる支持体は、中心線平均粗さが0.10〜1.2μmであるのが好ましい。この範囲で、画像記録層との良好な密着性、良好な耐刷性と良好な汚れ難さが得られる。
本発明のインク組成物を上記親水性支持体の表面上に射出する場合、インク組成物を40〜80℃、好ましくは25〜30℃に加熱して、インク組成物の粘度を7〜30mPa・s、好ましくは7〜20mPa・sに下げた後に射出することが好ましい。特に、25℃におけるインク粘度が35〜500mPa・sのインク組成物を用いると大きな効果を得ることが出来る。この方法を用いることにより、高い射出安定性を実現することができる。本発明のインク組成物のような放射線硬化型インク組成物は、概して通常のインクジェット記録用インク組成物で使用される水性インクより粘度が高いため、印字時の温度変動による粘度変動が大きい。インクの粘度変動は、液滴サイズの変化及び液滴射出速度の変化に対して大きな影響を与え、ひいては画質劣化を引き起こす。従って、印字時のインクの温度はできるだけ一定に保つことが必要である。よって、本発明温度の制御幅は、設定温度の±5℃、好ましくは設定温度の±2℃、より好ましくは設定温度±1℃とすることが適当である。
親水性支持体の表面上に射出された上記インクは、放射線を照射することによって硬化する。これは、本発明の上記インク組成物に含まれる重合開始系中の増感色素が放射線を吸収して励起状態となり、重合開始系中の重合開始剤と接触することによって重合開始剤が分解し、もって重合性化合物がラジカル重合して硬化するためである。
放射線の照射条件並びに基本的な照射方法は、特開昭60−132767号公報に開示されている。具体的には、インクの射出装置を含むヘッドユニットの両側に光源を設け、いわゆるシャトル方式でヘッドユニットと光源を走査することによって行われる。放射線の照射は、インク着弾後、一定時間(例えば、0.01〜0.5秒、好ましくは、0.01〜0.3秒、より好ましくは、0.01〜0.15秒)をおいて行われることになる。
このようにして、本発明の上記インク組成物は、放射線の照射により硬化し、疎水性画像を前記親水性支持体表面上に形成する。
本発明に用いられるインクジェット記録装置としては、特に制限はなく、市販のインクジェット記録装置が使用できる。即ち、本発明においては、市販のインクジェット記録装置を用いて被記録媒体へ記録することができる。
本発明のインクジェット記録装置としては、例えば、インク供給系、温度センサー、放射線源を含む。
《顔料分散物の調製》
下記に記載の方法に従って、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各顔料分散物1を調製した。なお、分散条件は、各顔料粒子の平均粒径が0.2〜0.3μmの範囲となるように、公知の分散装置を用いて、分散条件を適宜調整して行い、次いで加熱下でフィルター濾過を行って調製した。
C.I.ピグメントイエロー12 10質量部
高分子分散剤(Zeneca社製 Solsperseシリーズ) 5質量部
ステアリルアクリレート 85質量部
(マゼンタ顔料分散物1)
C.I.ピグメントレッド57:1 15質量部
高分子分散剤(Zeneca社製 Solsperseシリーズ) 5質量部
ステアリルアクリレート 80質量部
(シアン顔料分散物1)
C.I.ピグメントブルー15:3 20質量部
高分子分散剤(Zeneca社製 Solsperseシリーズ) 5質量部
ステアリルアクリレート 75質量部
(ブラック顔料分散物1)
C.I.ピグメントブラック7 20質量部
高分子分散剤(Zeneca社製 Solsperseシリーズ) 5質量部
ステアリルアクリレート 75質量部
上記調製した各分散物1を用いて、下記に記載の方法に従い各色インクを調製した。
イエロー顔料分散物1 20質量部
1,6−へキサンジオールジアクリレート 60質量部
カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 10質量部
重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製、
IRGACURE 184) 9質量部
「GRAPHITE IG−338−50」
(UCARカーボン社製、酸挿入グラファイト) 1質量部
(マゼンタインク1)
マゼンタ顔料分散物1 20質量部
1,6−へキサンジオールジアクリレート 60質量部
カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 10質量部
重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製、
IRGACURE 184) 9質量部
「GRAPHITE IG−338−50」
(UCARカーボン社製、酸挿入グラファイト) 1質量部
(シアンインク1)
シアン顔料分散物1 15質量部
1,6−へキサンジオールジアクリレート 60質量部
カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 15質量部
重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製、
IRGACURE 184) 9質量部
「GRAPHITE IG−338−50」
(UCARカーボン社製、酸挿入グラファイト) 1質量部
(ブラックインク1)
ブラック顔料分散物1 15質量部
1,6−へキサンジオールジアクリレート 60質量部
カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 15質量部
重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製、
IRGACURE 184) 9質量部
「GRAPHITE IG−338−50」
(UCARカーボン社製、酸挿入グラファイト) 1質量部
以上の様にして調製した各色インク1を絶対ろ過精度2μmのフィルターにてろ過し、各色のインク1とした。
次に、ピエゾ型インクジェットノズルを有する市販のインクジェット記録装置を用いて、被記録媒体への記録を行った。インク供給系は、元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッドから成り、インク供給タンクからインクジェットヘッド部分までを断熱および加温を行った。温度センサーは、インク供給タンクおよびインクジェットヘッドのノズル付近にそれぞれ設け、ノズル部分が常に70℃±2℃となるよう、温度制御を行った。ピエゾ型のインクジェットヘッドは、8〜30plのマルチサイズドットを720×720dpiの解像度で射出できるよう駆動した。着弾後はUV−A光を露光面照度100mW/cm2、に集光し、被記録媒体上にインク着弾した0.1秒後に照射が始まるよう露光系、主走査速度及び射出周波数を調整した。また、露光時間を可変とし、露光エネルギーを照射した。なお、本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。
また作成したインクを75%RH、60℃で3日保存した後、射出温度でのインク粘度を測定したところ、保存後/保存前の粘度比は1.0〜1.1であり、実用上問題の無い程度であった。
《インクの調製》
以下に記載の方法に従って、マゼンタインク2〜5を調製した。
マゼンタ顔料分散物1 20質量部
1,6−へキサンジオールジアクリレート 60質量部
下記の2官能芳香族ウレタンアクリレート(分子量1500) 5質量部
下記の6官能脂肪族ウレタンアクリレート(分子量1000) 5質量部
重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製、
IRGACURE 184) 9質量部
「GRAPHITE IG−338−50」
(UCARカーボン社製、酸挿入グラファイト) 1質量部
マゼンタ顔料分散物1 20質量部
1,6−へキサンジオールジアクリレート 50質量部
下記のラクトン変性アクリレート(分子量458) 15質量部
下記の6官能脂肪族ウレタンアクリレート(分子量1000) 5質量部
重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製、
IRGACURE 184) 9質量部
「EXPANTROL4BW」(ミネソタマイニング(3M)社製)
(粒状水和アルカリ金属珪酸塩膨張性組成物) 1質量部
マゼンタ顔料分散物1 20質量部
1,6−へキサンジオールジアクリレート 60質量部
下記の6官能脂肪族ウレタンアクリレート(分子量1000) 10質量部
重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製、
IRGACURE 184) 9質量部
バーミキュライト(昭和バーミキュライト社製、蛭石) 1質量部
実施例1に記載のマゼンタ顔料分散液1の調製において、ステアリルアクリレートに代えて、イソボルニルアクリレートを用いた以外は同様にしてマゼンタ顔料分散液2を調製した。
マゼンタ顔料分散物2 20質量部
1,6−へキサンジオールジアクリレート 55質量部
テトラメチロールメタントリアクリレート 15質量部
重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製、
IRGACURE 184) 9質量部
「EXPANTROL4BW」(ミネソタマイニング(3M)社製)
(粒状水和アルカリ金属珪酸塩膨張性組成物) 1質量部
《インクの調製》
以下に記載の方法に従って、マゼンタインク6を調製した。
(マゼンタインク6:比較例1)
マゼンタ顔料分散物2 20質量部
1,6−へキサンジオールジアクリレート 50質量部
下記のラクトン変性アクリレート(分子量458) 20質量部
下記の6官能脂肪族ウレタンアクリレート(分子量1000) 5質量部
重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製、
IRGACURE 184) 5質量部
以上のようにして調製したマゼンタインク2〜5とインク6(比較例1)を用いて、実施例1に記載の方法と同様にして、マゼンタ画像印字を行った。
次いで、各形成した画像について、下記に記載の方法に準じて、硬化に必要な感度、市販の再生紙における浸透性、砂目立てしたアルミニウム支持体でのインク滲み、密着性、耐刷性、保存安定性の評価を行った。
紫外線照射後の画像面において、粘着感の無くなる露光エネルギー量(mJ/cm2)を硬化感度と定義した。数値が小さいものほど高感度であることを表す。
市販の再生紙に対し印字した画像について、下記の基準に従い浸透性の評価を行った。
○:殆ど浸透せず、残留モノマー臭もしない
△:僅かに浸透し、残留モノマー臭も僅かに認められる
×:明らかにインクが裏面側に浸透し、残留モノマー臭も強い
砂目立てしたアルミニウム支持体上に印字した画像について、下記の基準に従いインク滲みの評価を行った。
○:隣接するドット間の滲みが無い
△:僅かにドットが滲む
×:ドットが滲み、明らかに画像がぼやける
上記作成した印字画像について、全く印字面に傷をつけない試料と、JISK 5400に準拠して、印字面上に1mm間隔で縦、横に11本の切れ目をいれ、1mm角の碁盤目を100個作った試料を作製し、各印字面上にセロハンテープを貼り付け、90度の角度で素早く剥がし、剥がれずに残った印字画像あるいは碁盤目の状況について、下記の基準に則り評価した。
○:碁盤目テストでも、印字画像の剥がれが全く認められない
△:碁盤目テストでは若干のインク剥がれが認められるが、インク面に傷をつけなければ剥がれは殆ど認められない
×:両条件共に、簡単にセロテープ(登録商標)での剥がれが認められる
また、PETフィルム、OPPフィルムに印字した画像について、上記と同様の碁盤目テストを実施し、○△×で評価した。
上記で作成した砂目立てしたアルミニウム支持体上に印字した画像を印刷版として、ハイデルKOR−D機で印刷後、刷了枚数を耐刷性の指標として相対比較した(比較例1を100とした)。数値が大きいものほど高耐刷であり好ましい。
作成したインクを75%RH、60℃で3日保存した後、射出温度でのインク粘度を測定し、インク粘度の増加分を、保存後/保存前の粘度比で表した。粘度が変化せず1.0に近いほうが保存安定性良好であり、1.5を超えると射出時に目詰まりを起こす場合があり好ましくない。
これらの評価結果を表2に示す。
Claims (9)
- (a)重合性化合物、(b)光重合開始剤、及び(c)熱膨張性化合物、を含有するインク組成物であって、
前記(c)熱膨張性化合物が、インク組成物の全重量に対して0.01〜5質量%の量であり、且つ
前記(c)熱膨張性化合物が、膨張性グラファイト、水和アルカリ金属珪酸塩、バーミキュライト、パーライト、NaBSi、CO 2 発泡剤がガラス粒子内に配合された火山ガラス、及びマイカからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、
前記インク組成物。 - 前記(c)熱膨張性化合物が、膨張性グラファイト、水和アルカリ金属珪酸塩、及びバーミキュライトのいずれか1種を含む、請求項1に記載のインク組成物。
- 前記(c)熱膨張性化合物が、膨張性グラファイト又は水和アルカリ金属珪酸塩のいずれか1種を含む、請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載のインク組成物。
- 前記(c)熱膨張性化合物が膨張性グラファイトを含み、前記膨張性グラファイトが挿入グラファイト及び酸処理グラファイトから選ばれるいずれか1種である、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のインク組成物。
- さらに、(d)色材を含む、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のインク組成物。
- 前記(d)色材が顔料または油溶性染料である請求項5に記載のインク組成物。
- インクジェット記録用である請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のインク組成物。
- 請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のインク組成物を被記録媒体に噴射し、着弾させる工程、及び、前記インク組成物に放射線を照射して硬化する工程を含むことを特徴とするインクジェット記録方法。
- 被記録媒体上に、請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のインク組成物を噴射し、着弾させた後、放射線を照射してインク組成物を硬化させてなる印刷物。
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