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JP5185091B2 - ヒートポンプ式給湯システム - Google Patents

ヒートポンプ式給湯システム Download PDF

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JP5185091B2 JP2008308906A JP2008308906A JP5185091B2 JP 5185091 B2 JP5185091 B2 JP 5185091B2 JP 2008308906 A JP2008308906 A JP 2008308906A JP 2008308906 A JP2008308906 A JP 2008308906A JP 5185091 B2 JP5185091 B2 JP 5185091B2
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Description

本発明は,ヒートポンプサイクルに循環される冷媒との熱交換により水を加熱して貯湯タンクに貯留し,該貯湯タンクから所定の給湯口に温水を給湯する貯湯式のヒートポンプ式給湯システムに関し,特に,貯湯タンクから供給される温水を補助的に加熱して出湯する補助加熱装置を備えるハイブリッド型のヒートポンプ式給湯システムに関するものである。
従来から,圧縮機や水熱交換器,膨張弁,室外空気熱交換器などが接続されたヒートポンプサイクルを備え,該ヒートポンプサイクルに循環される冷媒との熱交換により水を加熱して貯湯タンクに貯留し,該貯湯タンクから所定の給湯口に温水を給湯する貯湯式のヒートポンプ式給湯機が知られている(例えば,特許文献1参照)。一般に,ヒートポンプ式給湯機では,貯湯タンク内の水温が所定温度以下になると,ヒートポンプサイクルが稼働されると共に,貯湯タンク及び水熱交換器の間に該貯湯タンク内の水が循環されることにより,貯湯タンク内の温水が加熱される。
ところが,ヒートポンプ式給湯機が寒冷地に設置される場合や冬期など,室外空気熱交換器が設置される室外の温度が低い使用環境では,その室外空気熱交換器における室外空気との間の熱交換により冷媒を十分に加熱することができなかったり,ヒートポンプ式給湯機が運転できず,水熱交換器における冷媒との間の熱交換では水を加熱することができない場合がある。この場合には,貯湯タンク内,水熱交換器内,配管内などの水温が低下して該貯湯タンク内,水熱交換器内,配管内などで水が凍結するおそれがある。
そこで,例えば特許文献1に開示されたヒートポンプ式給湯機では,貯湯タンク内の水温が所定温度以下になったとき,ヒートポンプサイクルの水熱交換器で水を加熱することができない場合には,貯湯タンク内に設けられたヒータによって該貯湯タンク内の水を加熱してその凍結を防止する構成が採用されている。
特開平11−63661号公報
しかしながら,特許文献1に開示されたヒートポンプ式給湯機のように,貯湯タンク内に設けられたヒータによって該貯湯タンク内の水を加熱する構成では,その貯湯タンク内の水の凍結を防止することはできても,貯湯タンクから所定の給湯口に続く給湯経路上の水の凍結を防止することができないという問題がある。
ところで従来から,貯湯タンクから所定の給湯口に続く給湯経路上で温水を更に加熱する補助加熱装置を備えたハイブリッド型のヒートポンプ式給湯システムが知られている。なお,補助加熱装置としては,例えばガスや石油などの燃焼エネルギーによって水を加熱する加熱装置が用いられる。従来,このようなハイブリッド型のヒートポンプ式給湯システムにおいて,補助加熱装置は,貯湯タンクから所定の給湯口に給湯を行うときにその給湯する温水を補助的に加熱する目的でのみ用いられていた。
そのため,このようなハイブリッド型のヒートポンプ式給湯システムにおいて,特許文献1に開示されているように貯湯タンク内の水の凍結を防止するためには,やはり補助加熱装置とは別に貯湯タンク内にヒータを新たに追加する必要がある。
従って,本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,ヒートポンプサイクル及び補助加熱装置を備えたハイブリッド型のヒートポンプ式給湯システムであって,少なくとも貯湯タンク内における水の凍結及び貯湯タンクから所定の給湯口に続く給湯経路の一部における水の凍結を補助加熱装置を用いて防止することのできるヒートポンプ式給湯システムを提供することにある。
上記目的を達成するために本発明は,ヒートポンプサイクルに循環される冷媒と室外空気との間で熱交換を行う室外空気熱交換器と,前記ヒートポンプサイクルに循環される冷媒と水との間で熱交換を行う水熱交換器と,前記水熱交換器における冷媒との熱交換によって加熱された後の水が貯留される貯湯タンクと,前記貯湯タンク内の水を前記貯湯タンク及び前記水熱交換器の間で循環させるための貯湯加熱循環経路と,前記貯湯加熱循環経路上で水を循環させる貯湯加熱循環手段と,前記貯湯タンク及び所定の給湯口を接続する給湯経路上の水を室外空気との熱交換を伴わない加熱手法を用いて加熱する補助加熱装置と,前記水熱交換器における水の加熱が可能であるか否かを判断する加熱可否判断手段とを備えてなるヒートポンプ式給湯システムに適用されるものであって,以下の(1)〜(3)を備えてなることを特徴とするヒートポンプ式給湯システムである。
(1)前記貯湯タンク内の水を前記貯湯タンク及び前記補助加熱装置の間で循環させるための経路であって前記給湯経路と一部が重複する補助加熱循環経路。
(2)前記補助加熱循環経路上で水を循環させる補助加熱循環手段。
(3)予め設定された稼働条件が充足したとき,前記加熱可否判断手段により前記水熱交換器における水の加熱が可能であると判断されている場合には,前記ヒートポンプサイクル及び前記貯湯加熱循環手段を稼働させることにより前記貯湯タンク内の水を前記水熱交換器で加熱し,前記水熱交換器における水の加熱が可能ではないと判断されている場合には,前記補助加熱装置及び前記補助加熱循環手段を稼働させることにより前記貯湯タンク内の水を前記補助加熱装置で加熱する稼働制御手段。
本発明によれば,当該ヒートポンプ式給湯システムが寒冷地で使用される場合や冬期に使用される場合など,前記室外空気熱交換器が配置された室外の温度が低いために前記水熱交換器によって前記貯湯タンク内の水を加熱することができない場合であっても,前記貯湯タンク及び前記補助加熱装置を接続する前記補助加熱循環経路に水を循環させることによって前記貯湯タンク内の水を前記補助加熱装置で加熱することができる。従って,前記貯湯タンク内の水の凍結を防止すると共に,前記補助加熱循環経路に重複する前記給湯経路の一部における水の凍結を防止することができる。
また,前記補助加熱装置として水を高温まで沸き上げることができるものを採用すれば,凍結防止に限らず,前記ヒートポンプサイクルを用いて前記貯湯タンク内の水を沸き上げることができない場合に,前記補助加熱装置を用いて前記貯湯タンク内の水を沸き上げることも可能である。
さらに,本発明では,前記貯湯タンクから前記所定の給湯口への給湯時に温水の補助加熱を行う前記補助加熱装置を,前記貯湯タンク内の水を加熱するための加熱装置として兼用しているため,前記補助加熱装置とは別に加熱装置を追加する必要もない。
本発明の具体的な構成例としては,前記給湯経路における前記補助加熱装置及び前記所定の給湯口の間に配設され,前記補助加熱装置から出力された温水の経路を切り換える水経路切換手段を備えることが考えられる。このとき,前記給湯経路は,前記貯湯タンク及び前記補助加熱装置を接続する第1の給湯経路と,前記補助加熱装置及び前記水経路切換手段を接続する第2の給湯経路と,前記水経路切換手段及び前記所定の給湯口を接続する第3の給湯経路とを経由するものである。また,前記補助加熱循環経路は,前記貯湯タンク及び前記補助加熱装置を接続する第1の補助加熱循環経路と,前記第2の給湯経路と,前記水経路切換手段及び前記貯湯タンクを接続する第2の補助加熱循環経路とを経由するものである。そして,前記稼働制御手段は,前記補助加熱装置及び前記補助加熱循環手段を稼働させる場合,前記補助加熱装置から出力された温水の経路を前記水経路切換手段により前記第2の補助加熱循環経路に切り換える。
このような構成により,前記貯湯タンク2内の水を加熱する際に,前記補助加熱装置で加熱した後の水を前記第2の給湯経路に通過させることができ,該第2の給湯経路上の水の凍結を防止することができる。
ここで,前記第1の補助加熱循環経路は,前記貯湯タンクの下層及び前記補助加熱装置を接続するものであることが考えられ,前記第2の補助加熱循環経路は,前記水経路切換手段及び前記貯湯タンクの上層を接続するものであることが考えられる。これにより,前記貯湯タンク内で最も温度の低い水を前記補助加熱装置で加熱することができ,該貯湯タンクにおける水の凍結防止に好適である。
ところで,前記ヒートポンプ式給湯システムでは,前記貯湯タンク内の水が前記第3の給湯経路を経由しないため,該第3の給湯経路上の水の凍結が危惧される。そこで,前記水経路切換手段及び前記第3の給湯経路は室内に配置しておくことが望ましい。これにより前記第3の給湯経路の凍結も防止される。
また,前記加熱可否判断手段は,前記室外空気熱交換器が設置された室外の温度を検出する室外温度検出手段によって検出された室外温度が予め設定された加熱不可温度以下である場合に前記水熱交換器における水の加熱ができないと判断するものであることが考えられる。ここに,前記室外温度検出手段の設置場所は,前記室外空気熱交換器や該室外空気熱交換器が収容される室外機であることが考えられる。また,前記補助加熱装置が室外に配置される場合には,前記室外温度検出手段が前記補助加熱装置に設置されることも考えられる。
一方,前記稼働制御手段によって判断される前記稼働条件は,例えば,前記貯湯タンク内の水温を検出する水温検出手段によって検出された水温が予め設定された下限温度以下であることが考えられる。
より具体的に,前記下限温度は水の凝固温度近傍の温度であることが考えられる。この場合,前記稼働制御手段によって前記貯湯タンク内の水温が水の凝固温度近傍以下に到達したと判断された場合に,前記ヒートポンプサイクル及び前記貯湯加熱循環手段が稼働され,或いは前記補助加熱装置及び前記補助加熱循環手段を稼働されるため,前記貯湯タンク内の水の凍結が防止される。特に,前記下限温度を,水の凝固温度よりも高く,且つ水が凍結する蓋然性の高い範囲(0°近傍)の温度(例えば,+2℃〜+5℃程度)に設定しておけば,水の凍結の未然防止を確実に実現することができる。
ところで,特許文献1に開示されたヒートポンプ式給湯機では,貯湯タンク内のヒータを稼働させるとき,貯湯タンクから水熱交換器に続く循環経路上への水の循環が行われないため,該循環経路上の水の凍結も懸念される。
そこで,前記稼働制御手段は,前記補助加熱装置及び前記補助加熱循環手段を稼働させる場合,該稼働と共に又は該稼働の終了後に,前記貯湯加熱循環手段を稼働させるものであることが望ましい。これにより,前記補助加熱装置で加熱されて前記貯湯タンク内に貯湯された温水によって,前記貯湯加熱循環経路上における水の凍結も防止される。
また,前記補助加熱装置は,例えばガス又は石油の燃焼エネルギーによって水を加熱するもの,或いは電気ヒータによって水を加熱するものであることが考えられる。
本発明によれば,当該ヒートポンプ式給湯システムが寒冷地で使用される場合や冬期に使用される場合など,前記室外空気熱交換器が配置された室外の温度が低いために前記水熱交換器によって前記貯湯タンク内の水を加熱することができない場合であっても,前記貯湯タンク及び前記補助加熱装置を接続する前記補助加熱循環経路に水を循環させることによって前記貯湯タンク内の水を前記補助加熱装置で加熱することができる。従って,前記貯湯タンク内の水の凍結を防止すると共に,前記補助加熱循環経路に重複する前記給湯経路の一部における水の凍結を防止することができる。
また,前記補助加熱装置として水を高温まで沸き上げることができるものを採用すれば,凍結防止に限らず,前記ヒートポンプサイクルを用いて前記貯湯タンク内の水を沸き上げることができない場合に,前記補助加熱装置を用いて前記貯湯タンク内の水を沸き上げることも可能である。
さらに,本発明では,前記貯湯タンクから前記所定の給湯口への給湯時に温水の補助加熱を行う前記補助加熱装置を,前記貯湯タンク内の水を加熱するための加熱装置として兼用しているため,前記補助加熱装置とは別に加熱装置を追加する必要もない。
以下添付図面を参照しながら,本発明の実施の形態について説明し,本発明の理解に供する。尚,以下の実施の形態は,本発明を具体化した一例であって,本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
ここに,図1は本発明の実施の形態に係るヒートポンプ式給湯システムXの概略構成を示すブロック図,図2〜4は本発明の実施の形態に係るヒートポンプ式給湯システムXにおける各種運転動作を説明するための図,図5は本発明の実施の形態に係るヒートポンプ式給湯システムXで実行される貯湯運転制御処理の手順の一例を説明するためのフローチャートである。
まず,図1を用いて,本発明の実施の形態に係るヒートポンプ式給湯システムXの概略構成について説明する。
図1に示すように,ヒートポンプ式給湯システムXは,圧縮機11,水熱交換器12,膨張弁13及び室外空気熱交換器14が順に接続されたヒートポンプサイクル(冷凍サイクル)1と,水熱交換器12における冷媒との熱交換によって加熱された後の水が貯留される貯湯タンク2と,貯湯タンク2から給湯口24(所定の給湯口の一例)に供給される水を補助的に加熱するガス給湯機3(補助加熱装置の一例)とを備えてなるハイブリッド型のヒートポンプ式給湯システムである。
ここに,貯湯タンク2は,その下層が,水道設備に接続された給水口23に接続されている。また,給水口23と貯湯タンク2との間には,減圧弁25が設けられている。この減圧弁25により貯湯タンク2に一定圧以上の水圧がかからないように保護している。これにより,貯湯タンク2内の温水は,その上層から後述の給湯回路4を通じて給湯口24に出力される。なお,給湯口24は,室内の台所や浴室,洗面所などの一又は複数箇所に配置されている。
また,当該ヒートポンプ式給湯システムXには,貯湯タンク2の水を排水するための排水栓26や,加熱による湯水の体積膨張から貯湯タンク2を守るために膨張水を逃すための逃し弁27が設けられている。なお,図示していないが,ヒートポンプ式給湯システムXには,給湯口24から給湯する温水の温度を,貯湯タンク2から供給される温水に給水口23からの水を混合して調節するための混合弁なども設けられている。
ヒートポンプサイクル1では,圧縮機11が稼働することにより,該圧縮機11から,水熱交換器12,膨張弁13,室外空気熱交換器14,圧縮機11の順に冷媒が循環される。前記冷媒は,例えばCO2冷媒などの炭酸ガス冷媒(自然冷媒の一種)や,R410Aなどのフロン系冷媒である。ここで,室外空気熱交換器14は,室外に配置された室外機内に収容されたものであって,該室外機に設けられた送風ファンによって送風される室外空気と冷媒との間で熱交換を行うものである。
具体的に,ヒートポンプサイクル1では,圧縮機11で圧縮された高温高圧の冷媒が,水熱交換器12に流入して水との熱交換によって冷却される。このとき,水熱交換器12では,高温の冷媒との熱交換によって水が加熱される。その後,水熱交換器12における水との熱交換によって冷却された冷媒は,膨張弁13で減圧されて室外空気熱交換器14に流入し,室外空気熱交換器14において室外空気との熱交換により吸熱して気化した後,再度圧縮機11に流入する。
このように,ヒートポンプサイクル1では,室外空気熱交換器14によって,ヒートポンプサイクル1に循環される冷媒と室外空気との間で熱交換が行われ,水熱交換器12によって,ヒートポンプサイクル1に循環される冷媒と水との間で熱交換が行われる。そのため,ヒートポンプ式給湯システムXが寒冷地や冬期などの低温環境で使用される場合には,室外空気熱交換器14において冷媒の室外空気からの十分な吸熱が行われず,その冷媒と水との間で熱交換を行う水熱交換器12において水の加熱を行うことができないことがある。本実施の形態に係るヒートポンプ式給湯システムXは,このような場合に,貯湯タンク2内の水の凍結を防止するための手法に特徴を有しており,この点については後段で詳述する。
一方,ガス給湯機3は,ガスの燃焼エネルギーによって水を加熱するガスヒータを有している。ガス給湯機3は,ヒートポンプサイクル1とは異なり室外空気との熱交換を伴わない加熱手法によって水を加熱するため,室外温度にかかわらず水を加熱することができる。なお,ガス給湯機3は補助加熱装置の一例に過ぎず,室外空気との熱交換を伴わない加熱手法で水の加熱を行い得るものであれば,例えば石油の燃焼エネルギーによって水を加熱する石油ヒータを有する石油給湯機などを用いてもよい。また,電気ヒータを補助加熱装置として用いることも考えられる。
本実施の形態においては,ガス給湯機3が,ヒートポンプサイクル1と同等以上の加熱性能を有しており,水熱交換器12で水を加熱する場合と同等の温度まで水を加熱することができるものとする。
また,ヒートポンプ式給湯システムXは,貯湯タンク2内の水を貯湯タンク2及び水熱交換器12の間で循環させるための貯湯回路21(貯湯加熱循環経路の一例)と,貯湯タンク2内の水を給湯口24に供給するための給湯回路4(給湯経路の一例)と,貯湯タンク2内の水を貯湯タンク2及びガス給湯機3の間で循環させるための補助加熱循環回路5(補助加熱循環経路の一例)と,ガス給湯機3から出力された温水の経路を切り換える切換弁54(水経路切換手段の一例)とを備えている。
切換弁54は,給湯回路4におけるガス給湯機3及び給湯口24の間に配設されており,ガス給湯機3から出力された温水の経路を,後述する給湯回路4の給湯配管43又は補助加熱循環回路5の補助加熱配管52のいずれかに切り換える電磁三方弁である。当該ヒートポンプ式給湯システムXでは,切換弁54を切り換えることによって,ガス給湯機3から出力された温水を給湯口24又は貯湯タンク2のいずれかに導くことが可能である。
貯湯回路21は,貯湯タンク2の下層から水熱交換器12を経て貯湯タンク2の上層に接続された水の循環経路である。また,貯湯回路21には,貯湯タンク2内の水を該貯湯回路21上で循環させるための循環ポンプ22(貯湯加熱循環手段の一例)が設けられている。
給湯回路4は,貯湯タンク2の上層及びガス給湯機3を接続する給湯配管41(第1の給湯経路に相当)と,ガス給湯機3及び切換弁54を接続する共通配管42(第2の給湯経路に相当)と,切換弁54及び給湯口24を接続する給湯配管43(第3の給湯経路に相当)とを順に通過する水の経路である。
補助加熱循環回路5は,貯湯タンク2内の水を該貯湯タンク2及びガス給湯機3の間で循環させるための経路であって給湯回路4と一部が重複している。具体的に,補助加熱循環回路5は,貯湯タンク2の下層及びガス給湯機3を接続する補助加熱配管51(第1の補助加熱循環経路に相当)と,ガス給湯機3及び切換弁54を接続する給湯回路4と共通の共通配管42と,切換弁54及び貯湯タンク2の上層を接続する補助加熱配管52(第2の補助加熱循環経路に相当)とを順に通過する水の経路である。また,補助加熱循環回路5には,貯湯タンク2内の水を該補助加熱循環回路5上で循環させるための循環ポンプ53(補助加熱循環手段の一例)が設けられている。
このように構成されたヒートポンプ式給湯システムXでは,貯湯タンク2から給湯回路4の給湯配管41又は補助加熱循環回路5の補助加熱配管51を通じてガス給湯機3に出力された湯水は,該ガス給湯機3から同一の共通配管42を経て切換弁54に達した後,該切換弁54の切換状態に応じて,給湯口24に続く給湯配管43又は貯湯タンク2に続く補助加熱配管52のいずれかに導かれる。なお,これらの水の経路において,ここで説明する水の流れと異なる方向への水の流れは,適宜配置される逆流防止弁によって阻止すればよい。例えば,前記逆流防止弁は,補助加熱配管51及び給湯配管41の合流箇所から貯湯タンク2の上層に続く給湯配管41上や,補助加熱配管52及び貯湯回路21の合流箇所から水熱交換器12に続く貯湯回路21上に設けられる。
また,ヒートポンプ式給湯システムXは,CPU,RAM,ROMなどの制御機器を有する制御装置(不図示)を備えている。前記制御装置は,前記CPUが,前記ROMに記憶された制御プログラムに従って各種の処理を実行することにより,当該ヒートポンプ式給湯システムXの各構成要素の動作を制御する。
例えば,前記制御装置は,ユーザによる不図示のリモコンの操作などによって給湯要求がなされた場合,切換弁54を給湯配管43側に切り換え,図2に矢印で示すように貯湯タンク2内の水を給湯口24から出湯する給湯運転を実行する。このとき,前記制御装置は,ガス給湯機3の稼働制御や前記混合弁などの開閉制御を行うことにより,貯湯タンク2から供給する温水を加熱し或いはその温水に水を混合することによって,給湯要求に対応する温度の温水を給湯口24から出湯する。
また,ヒートポンプ式給湯システムXでは,前記制御装置によって後述の貯湯運転制御処理(図5のフローチャート参照)が実行されることにより,貯湯タンク2内に温水を貯湯するための貯湯運転が実行される。ここに,係る貯湯運転制御処理を実行するときの前記制御装置が稼働制御手段に相当する。
以下,図3及び図4を参照しつつ,図5のフローチャートに従って,当該ヒートポンプ式給湯システムXにおいて,前記制御装置によって実行される貯湯運転制御処理の手順の一例について説明する。なお,図5に示すS1,S2,…は処理手順(ステップ)番号を表す。
まず,ステップS1において,前記制御装置は,当該ヒートポンプ式給湯システムXにおいて貯湯運転を実行するべき条件として予め設定された稼働条件が充足したか否かを判断する。具体的に,前記稼働条件は,貯湯タンク2内の水温が予め設定された下限温度以下に到達したことである。このとき,貯湯タンク2内の水温は,該貯湯タンク2内に配置されたサーミスタや熱電対などの不図示の温度センサ(水温検出手段の一例)によって検出されて前記制御装置に伝達される。なお,前記稼働条件としては,他に,ユーザによる貯湯運転の開始要求操作がなされたこと等も考えられる。
ここで,前記制御装置は,前記稼働条件が充足したと判断した場合には(S1のYes側),処理をステップS2に移行させ,該稼働条件が充足していないと判断した場合には(S1のNo側),当該ステップS1の判断処理を適宜繰り返して実行する。
(ステップS2)
ステップS2では,前記制御装置は,ヒートポンプサイクル1の水熱交換器12における水の加熱が可能であるか否かを判断する。ここに,係る判断処理を実行するときの前記制御装置が加熱可否判断手段に相当する。
具体的に,前記制御装置は,室外空気熱交換器14が配置された室外の温度が予め設定された加熱不可温度以下であることを条件に,水熱交換器12における水の加熱ができないものと判断する。前記加熱不可温度は,外気温度が低すぎるために室外空気熱交換器14において冷媒の十分な吸熱が行われないときの外気温度として予め設定される温度である。このとき,室外空気熱交換器14が設置された室外の温度は,該室外空気熱交換器14の近傍に配置されたサーミスタや熱電対などの不図示の温度センサ(室外温度検出手段に相当)によって検出されて前記制御装置に伝達される。ここに,前記温度センサ(室外温度検出手段)の設置場所は,室外空気熱交換器14や該室外空気熱交換器14が収容される室外機であることが考えられる。その他,ガス給湯機3が室外に配置される場合には,前記温度センサ(室外温度検出手段)がガス給湯機3に設置されることも考えられる。
また,当該ステップS2における前記制御装置の判断処理の他の例として,ヒートポンプサイクル1及び循環ポンプ22を稼働してから所定時間経過後に水熱交換器12の出口で得られる水温や貯湯タンク2内の水温が所定温度以下であるか否かに応じて,該水熱交換器12における水の加熱の可否を判断することも考えられる。さらに,ヒートポンプサイクル1の故障などを検出し,該故障発生時には水熱交換器12における水の加熱を行うことができないと判断することも考えられる。また,循環ポンプ22の駆動により貯湯回路21上で水を循環させることが可能であるか否かを判断することにより,貯湯回路21上の水の凍結により該貯湯回路21で水を加熱することができるか否かを判断してもよい。
ここで,前記制御装置は,水熱交換器12における水の加熱が可能であると判断した場合には(S2のYes側),処理をステップS3に移行させ,水熱交換器12における水の加熱が可能でないと判断した場合には(S2のNo側),処理をステップS21に移行させる。
(ステップS3〜S4)
ステップS3では,前記制御装置は,ヒートポンプサイクル1及び循環ポンプ22を稼働させることにより,貯湯タンク2内の水を加熱するための貯湯運転を開始させる。このとき,当該ヒートポンプ式給湯システムXでは,図3に矢印で示すように,ヒートポンプサイクル1に冷媒が循環され,貯湯回路21に貯湯タンク2内の水が循環されることにより,水熱交換器12における冷媒との熱交換によって貯湯タンク2内の水が加熱される。
その後,ステップS3で開始された貯湯運転は,続くステップS4において,貯湯タンク2内の水温が予め設定された保温設定温度以上に到達したと判断されるまで継続する(S4のNo側)。前記保温設定温度は,ステップS2の判断指標となる前記下限温度よりも所定温度高い温度である。
そして,貯湯タンク2内の水温が前記保温設定温度以上に到達したと判断されると(S4のYes側),前記制御装置は,ヒートポンプサイクル1及び循環ポンプ22の稼働を停止させることにより貯湯運転を停止し(S5),処理をステップS1に戻す。
このように,ヒートポンプ式給湯システムXでは,ヒートポンプサイクル1の水熱交換器12における水の加熱が可能である場合には,エネルギー消費効率の高いヒートポンプサイクル1が稼働され,水熱交換器12によって貯湯タンク2内の水が加熱されることにより該貯湯タンク2内の水の保温が図られる。
(ステップS21)
一方,水熱交換器12における水の加熱が可能でないと判断され(S2のNo側),処理がステップS21に移行すると,前記制御装置は,切換弁54を制御することにより,該ガス給湯機3から出力される水の経路を,貯湯タンク2に続く補助加熱配管52側に切り換える。このとき,既に切換弁54が補助加熱配管52側に切り換えられている場合にはその状態が維持される。なお,その後,貯湯タンク2から給湯口24に給湯を行う給湯運転の実行時には,前記制御装置は,前述したように切換弁54を制御することにより,ガス給湯機3から出力される水の経路を給湯口24に続く給湯配管43側に切り換える(図2参照)。
(ステップS22)
そして,前記制御装置は,続くステップS22において,ガス給湯機3及び循環ポンプ53を稼働させることにより,貯湯タンク2内の水を加熱する貯湯運転を開始させる。このとき,当該ヒートポンプ式給湯システムXでは,図4に矢印で示すように,貯湯タンク2内の水が,その下層から補助加熱配管51,循環ポンプ53,ガス給湯機3,共通配管42,切換弁54,補助加熱配管52を介して貯湯タンク2の上層に帰還することにより,貯湯タンク2内の水がガス給湯機3によって加熱される。即ち,ヒートポンプ式給湯システムXにおいて,ガス給湯機3は,貯湯タンク2から給湯口24に給湯を行う場合の温水の補助加熱のためだけでなく,該貯湯タンク2内の水を追い焚きするために兼用される。
このように,本発明の実施の形態に係るヒートポンプ式給湯システムXでは,ヒートポンプサイクル1の水熱交換器12において水を加熱することができない場合には(S2のNo側),ヒートポンプサイクル1に換えてガス給湯機3を用いて貯湯タンク2内の水を加熱することにより(S21,S22),該貯湯タンク2内の水の保温を図ることができる。従って,外気温度が低すぎるために水熱交換器12における水の加熱ができない状況であっても,貯湯タンク2内の水の凍結を防止することができる。また,当該貯湯運転では,給湯回路4及び補助加熱循環回路5に重複する共通配管42に水が循環されるため,少なくとも給湯回路4の一部である共通配管42における水の凍結も防止される。
ところで,切換弁54及び給湯配管43は,室外に比べて温度の高い室内に設けておくことが望ましい。これにより,当該ヒートポンプ式給湯システムXが寒冷地や冬期などの環境で使用される場合,共通配管42だけでなく給湯配管43上における水の凍結も防止される。また,給湯配管41を,補助加熱配管51,52,共通配管42のいずれか一つ又は複数と近接させておくことにより,これらの配管内に流れる湯水の温度によって給湯配管41における水の凍結を防止することも考えられる。
(ステップS23〜S24)
その後,ステップS22で開始された貯湯運転は,続くステップS23において,貯湯タンク2内の水温が前記保温設定温度以上に到達したと判断されるまで継続する(S23のNo側)。
そして,貯湯タンク2内の水温が前記保温設定温度以上に到達したと判断されると(S23のYes側),前記制御装置は,ガス給湯機3及び循環ポンプ53の稼働を停止させることにより貯湯運転を停止し(S24),処理をステップS25に移行させる。
ステップS25では,前記制御装置は,循環ポンプ22を所定時間だけ稼働させることにより,前記貯湯運転によって加熱された後の貯湯タンク2内の温水を貯湯回路21に循環させる。これにより,外気温度が低すぎて水熱交換器12における水の加熱ができない状況であっても,貯湯回路21に温水を循環させることができるため,該貯湯回路21上における水の凍結防止を図ることができる。また,ステップS25の処理は,前記貯湯運転の終了後に限られず,ステップS22で開始される貯湯運転と共に実行されてもよい。さらに,室外温度が水の凝固温度よりも十分に高い場合には,当該ステップS25を省略することも他の実施例として考えられる。
ここに,図6は,前記実施の形態で説明したヒートポンプ式給湯システムXで実行される貯湯運転制御処理の他の例を説明するためのフローチャートである。なお,図5に示した貯湯運転制御処理と同様の処理手順については同じ符号を付してその説明を省略する。
前記実施の形態では,ガス給湯機3がヒートポンプサイクル1と同等以上の能力で加熱する場合について説明したが,本実施例1では,ガス給湯機3の省エネを考慮しヒートポンプサイクル1に比べて加熱性能を低く抑えた場合について説明する。この場合,ヒートポンプサイクル1に換えてガス給湯機3で水を加熱する場合には,貯湯タンク2内の水を前記保温設定温度以上に沸き上げることができない。
そこで,このような構成では,前記制御装置が,図5に示した貯湯運転制御処理に換えて,以下に説明する貯湯運転制御処理(図6参照)を実行することにより,少なくとも当該ヒートポンプ式給湯システムXにおける水の凍結を防止することが考えられる。
図6に示すように,本実施例1に係る貯湯運転制御処理では,ステップS2において水熱交換器12における水の加熱ができないと判断された場合(S2のNo側),前記制御装置は,ステップS21の前段においてステップS20の処理を実行する。
ステップS20では,前記制御装置は,当該ヒートポンプ式給湯システムXにおける水の凍結防止を図るべきであるタイミングを判断すべき条件として予め設定された凍結防止条件が充足したか否かを判断する。例えば,前記凍結防止条件は,貯湯タンク2内の水温が水の凝固温度(0℃)近傍の範囲で設定された凍結防止判定温度以下に到達したことである。特に,水の凍結を確実に阻止するためには,前記凍結防止判定温度を,水の凝固温度(0°)より高く,且つ水の凍結の蓋然性が高まる範囲(0°近傍)の温度(例えば,+2℃〜+5℃程度)に設定しておくことが望ましい。ここに,本実施例1では,前記凍結防止条件が本発明に係る稼働条件に相当する。
さらに,当該ステップS20における凍結防止条件の判断は,貯湯タンク2内の水温に基づく判断に限られず,例えば水熱交換器12や貯湯回路21に設けられた温度センサによる検出温度が前記凍結防止判定温度以下であるか否かによって判断するものであってもよい。また,前記凍結防止条件としては,他に,ユーザによる凍結防止運転の開始要求操作がなされたことや,前に循環ポンプ22や循環ポンプ53が稼働されてから所定時間以上が経過したこと等も考えられる。
ここで,前記制御装置は,前記凍結防止条件が充足したと判断した場合には(S20のYes側),処理をステップS21に移行させ,該凍結防止条件が充足していないと判断した場合には(S20のNo側),処理をステップS1に戻す。即ち,前記制御装置は,前記凍結防止条件が充足し(S20のYes側),且つ水熱交換器12における水の加熱ができないと判断されている場合(S2のNo側)には,ガス給湯機3を用いて貯湯タンク2内の水を加熱するための制御処理を実行する(S21〜S24)。このとき,前記制御装置は,ステップS23において,前記凍結防止条件として設定された凍結防止判定温度よりも所定温度高い温度として予め設定された凍結防止温度に到達したか否かを判断する。なお,前記凍結防止温度は,前記保温設定温度よりも低い温度である。したがって,前記制御装置において判断指標として用いられる各温度は,凍結防止判定温度<凍結防止温度<保温設定温度の関係にある。
以上説明したように,本実施例1に係る貯湯運転制御処理(図6参照)によれば,ヒートポンプサイクル1の水熱交換器12を用いて,貯湯タンク2内の水を前記保温設定温度以上に沸き上げることができない場合であっても,ガス給湯機3を用いて貯湯タンク2内の水を加熱することにより,少なくとも該貯湯タンク2内の水の凍結を防止することができる。また,この場合にも,前述したように共通配管42に水が循環されるため,該共通配管42における水の凍結を防止することができる。
前記実施の形態及び前記実施例1では,前記貯湯運転制御処理(図5及び図6参照)において,貯湯タンク2内の水の凍結などが防止される場合を例に挙げて説明した。一方,ヒートポンプ式給湯システムXにおいて,前記制御装置が,貯湯タンク2内の温度を前記保温設定温度以上に沸き上げる貯湯運転とは別に,該貯湯タンク2内の水の凍結などを防止する凍結防止運転を実行することが考えられる。この場合,前記制御装置は,前記凍結防止運転の実行タイミングを制御するために,後述の凍結防止運転制御処理を実行する。
ここに,図7は,前記凍結防止運転制御処理の手順の一例を説明するためのフローチャートである。なお,図5及び図6に示した貯湯運転制御処理と同様の処理手順については同じ符号を付している。
図7に示すように,前記制御装置によって実行される当該凍結防止運転制御処理では,まず,ステップS20において前記凍結防止条件が充足したか否かが判断される。ここに,前記実施例1と同様,本実施例2においても,前記凍結防止条件が本発明に係る稼働条件に相当する。
ここで,前記凍結防止条件が充足したと判断されると,次にステップS2において,前記制御装置は,水熱交換器12における水の加熱の可否を判断する。そして,前記制御装置は,当該ステップS2における判断結果に応じて(S2のYes側又はNo側),ヒートポンプサイクル1及びガス給湯機3のいずれによって貯湯タンク2内の水を加熱するかを切り換える。具体的に,前記制御装置は,水熱交換器12における水の加熱が可能である場合にはヒートポンプサイクル1を用いて貯湯タンク2内の水を加熱させ(S3),可能でない場合にはガス給湯機3を用いて貯湯タンク2内の水を加熱させる(S21〜S22)。
その後,前記制御装置は,ステップS4やステップS23において,貯湯タンク2内の水温が前記凍結防止設定温度以上に到達したと判断すると(S4又はS23のYes側),ヒートポンプサイクル1又はガス給湯機3による貯湯タンク2内の水の加熱を停止する(S5又はS24)。これにより,ヒートポンプ式給湯システムXでは,貯湯タンク2における水の凍結が防止される。
ここに,図8は,本実施例3に係るヒートポンプ式給湯システムX1の概略構成を示すブロック図である。
前記実施の形態では,図1に示したように,貯湯タンク2とガス給湯機3との間に,給湯回路4の給湯配管41及び補助加熱循環回路5の補助加熱配管51が個別に接続されている場合について説明した。本実施例2では,図8を用いて,給湯回路4及び補助加熱循環回路5が,貯湯タンク2及びガス給湯機3の間に接続された共通の水経路を経由するように構成されたヒートポンプ式給湯システムX1について説明する。
図8に示すように,ヒートポンプ式給湯システムX1では,補助加熱配管51(図1参照)が省略されており,給湯回路4及び補助加熱循環回路5が共に給湯配管41を経由するように構成されている。そして,補助加熱循環回路5に水を循環させるための循環ポンプ53は,補助加熱循環回路5の補助加熱配管52上に配置されている。また,貯湯タンク2には,該貯湯タンク2内の水を攪拌することにより水温の均一化を図る攪拌ファンなどの攪拌手段(不図示)が設けられている。
このように構成されたヒートポンプ式給湯システムX1では,補助加熱循環回路5に水を循環させることによって貯湯タンク2内の水を加熱する場合に,その水が給湯配管41を通過することになるため,共通配管42だけでなく給湯配管41における水の凍結をも防止することができる。
但し,この場合には,貯湯タンク2の上層の温水がガス加熱装置3を経由して貯湯タンク2の上層に帰還するため,貯湯タンク2の下層の水温を上昇させることができないという問題を伴うが,この問題は,ガス給湯機3及び循環ポンプ53を稼働させる際に前記攪拌手段も稼働させて貯湯タンク2内の水を攪拌することによって解決することができる。
本発明の実施の形態に係るヒートポンプ式給湯システムの概略構成を示すブロック図。 本発明の実施の形態に係るヒートポンプ式給湯システムにおける各種運転動作を説明するための図。 本発明の実施の形態に係るヒートポンプ式給湯システムにおける各種運転動作を説明するための図。 本発明の実施の形態に係るヒートポンプ式給湯システムにおける各種運転動作を説明するための図。 本発明の実施の形態に係るヒートポンプ式給湯システムで実行される稼働制御処理の手順の一例を説明するためのフローチャート。 本発明の実施の形態に係るヒートポンプ式給湯システムで実行される稼働制御処理の他の例を説明するためのフローチャート。 本発明の実施の形態に係るヒートポンプ式給湯システムで実行される凍結防止運転制御処理の他の例を説明するためのフローチャート。 本発明の実施の形態に係るヒートポンプ式給湯システムの概略構成を示すブロック図。
符号の説明
1…ヒートポンプサイクル
11…圧縮機
12…水熱交換器
13…膨張弁
14…室外空気熱交換器
2…貯湯タンク
21…貯湯回路
22…循環ポンプ(貯湯加熱循環手段の一例)
23…給水口
24…給湯口
25…減圧弁
26…排水栓
27…逃し弁
3…ガス給湯機(補助加熱装置の一例)
4…給湯回路(給湯経路に相当)
41,43…給湯配管(第1,第3の給湯経路に相当)
42…共通配管(第2の給湯経路に相当)
5…補助加熱循環回路(補助加熱循環経路に相当)
51,52…補助加熱配管(第1,第2の補助加熱循環経路に相当)
53…循環ポンプ(補助加熱循環手段の一例)
X,X1…ヒートポンプ式給湯システム

Claims (9)

  1. ヒートポンプサイクルに循環される冷媒と室外空気との間で熱交換を行う室外空気熱交換器と,前記ヒートポンプサイクルに循環される冷媒と水との間で熱交換を行う水熱交換器と,前記水熱交換器における冷媒との熱交換によって加熱された後の水が貯留される貯湯タンクと,前記貯湯タンク内の水を前記貯湯タンク及び前記水熱交換器の間で循環させるための貯湯加熱循環経路と,前記貯湯加熱循環経路上で水を循環させる貯湯加熱循環手段と,前記貯湯タンク及び所定の給湯口を接続する給湯経路上の水を室外空気との熱交換を伴わない加熱手法を用いて加熱する補助加熱装置と,前記水熱交換器における水の加熱が可能であるか否かを判断する加熱可否判断手段とを備えてなるヒートポンプ式給湯システムであって,
    前記貯湯タンク内の水を前記貯湯タンク及び前記補助加熱装置の間で循環させるための経路であって前記給湯経路と一部が重複する補助加熱循環経路と,
    前記補助加熱循環経路上で水を循環させる補助加熱循環手段と,
    予め設定された稼働条件が充足したとき,前記加熱可否判断手段により前記水熱交換器における水の加熱が可能であると判断されている場合には,前記ヒートポンプサイクル及び前記貯湯加熱循環手段を稼働させることにより前記貯湯タンク内の水を前記水熱交換器で加熱し,前記水熱交換器における水の加熱が可能ではないと判断されている場合には,前記補助加熱装置及び前記補助加熱循環手段を稼働させることにより前記貯湯タンク内の水を前記補助加熱装置で加熱する稼働制御手段と,
    を備えてなることを特徴とするヒートポンプ式給湯システム。
  2. 前記給湯経路における前記補助加熱装置及び前記所定の給湯口の間に配設され,前記補助加熱装置から出力された温水の経路を切り換える水経路切換手段を更に備えてなり,
    前記給湯経路が,前記貯湯タンク及び前記補助加熱装置を接続する第1の給湯経路と,前記補助加熱装置及び前記水経路切換手段を接続する第2の給湯経路と,前記水経路切換手段及び前記所定の給湯口を接続する第3の給湯経路とを経由するものであって,
    前記補助加熱循環経路が,前記貯湯タンク及び前記補助加熱装置を接続する第1の補助加熱経路と,前記第2の給湯経路と,前記水経路切換手段及び前記貯湯タンクを接続する第2の補助加熱経路とを経由するものであって,
    前記稼働制御手段が,前記補助加熱装置及び前記補助加熱循環手段を稼働させる場合,前記補助加熱装置から出力された温水の経路を前記水経路切換手段により前記第2の補助加熱経路に切り換えるものである請求項1に記載のヒートポンプ式給湯システム。
  3. 前記第1の補助加熱経路が前記貯湯タンクの下層及び前記補助加熱装置を接続するものであって,前記第2の補助加熱経路が前記水経路切換手段及び前記貯湯タンクの上層を接続するものである請求項2に記載のヒートポンプ式給湯システム。
  4. 前記水経路切換手段及び前記第3の給湯経路が室内に配置されるものである請求項2又は3のいずれかに記載のヒートポンプ式給湯機。
  5. 前記室外空気熱交換器が設置された室外の温度を検出する室外温度検出手段を更に備えてなり,
    前記加熱可否判断手段が,前記室外温度検出手段によって検出された室外温度が予め設定された加熱不可温度以下である場合に前記水熱交換器における水の加熱ができないと判断するものである請求項1〜4のいずれかに記載のヒートポンプ式給湯システム。
  6. 前記貯湯タンク内の水温を検出する水温検出手段を更に備えてなり,
    前記稼働条件が,前記水温検出手段によって検出された水温が予め設定された下限温度以下であることである請求項1〜5のいずれかに記載のヒートポンプ式給湯システム。
  7. 前記下限温度が水の凝固温度近傍の温度である請求項6に記載のヒートポンプ式給湯システム。
  8. 前記稼働制御手段が,前記補助加熱装置及び前記補助加熱循環手段を稼働させる場合,該稼働と共に又は該稼働の終了後に,前記貯湯加熱循環手段を稼働させるものである請求項7に記載のヒートポンプ式給湯システム。
  9. 前記補助加熱装置が,ガス又は石油の燃焼エネルギーにより,或いは電気ヒータによって水を加熱するものである請求項1〜8のいずれかに記載のヒートポンプ式給湯システム。
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