JP5155760B2 - 建築物の通気構造 - Google Patents
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Description
本発明は、このような問題に着目してなされたものであり、床下空間の通気性を十分に確保しつつ、同時に床暖房機能をも発揮することのできる建築物の通気構造を提供することを目的とする。
また、前記床下地板は、それぞれが各部屋に対応する領域を囲む複数の枠状体を有し、該複数の枠状体のうちの少なくとも1つの枠状体の前記下面からの突出量が、他の枠状体の突出量とは異なるように構成してもよい。例えば、前記床下地板が2つの枠状体を有する場合には、それぞれ枠状体の突出量が異なるようにし、前記床下地板が3つの枠状体を有する場合には、3つの枠状体の突出量が全て異なるようにするか、2つの枠状体の突出量を等しくして残りの1つの枠状体の突出量のみが異なるようにする。
図1は、本発明が適用された建築物の通気構造の一例(第1実施形態)の概略断面図を示している。なお、図中の矢印は空気の流れを示している。
基礎立ち上がり部102は、外周を取り囲むように形成される外周構成部と、該外周構成部の内側に位置する内側構成部とからなる。基礎立ち上がり部102の外周構成部には、外部(外気)と最下階の床下空間12とを連通する開閉可能な床下換気口103が形成されており、基礎立ち上がり部の内側構成部には、通気口104が形成されている。
また、基礎底部101の上面及び基礎立ち上がり部102の外周構成部の内側面は、ウレタンフォーム等の断熱材106によって覆われている。
なお、本実施形態においては、根太(一階根太)が設けられておらず、床部11は大引14の上に設置されている。床部11は、床下地板111(111a,111b)と、該床下地板111(111a,111b)の上側に設置される仕上げ板112(112a,112b)とを含んで構成され、床下地板111(111a,111b)が大引14の上に取り付けられる。ここで、床下地板111(111a,111b)と仕上げ板112(112a,112b)との間に制振材などを介在させるようにしてもよいし、床下地板111の上面を仕上げ面として床下地板111と仕上げ板112とが一体に構成されてもよい。
図1〜3に示すように、本実施形態において、最下階の各部屋(A、B)の床下地板111(111a,111b)は、その下面に下向きに突出する枠状体113(113a,113b)を有している。これらの枠状体113a,113bは、それぞれ床下地板111a、111bの下面から所定の高さ(突出量)hを有しており、最下階の各部屋の下方の所定領域を囲むように設けられる。なお、ここで言う各部屋には、最下階の全ての部屋とその一部の部屋の両方が含まれる。
本実施形態において、枠状体113aは、最下階の部屋Aのほぼ全体をカバーするように床下地板111aの下面の周縁部近傍に設けられており、枠状体113bは、最下階の部屋Bのほぼ全体をカバーするように床下地板111bの下面の周縁部近傍に設けられている。
なお、図2、3では、床下地板111a,111bの下面と各大引14との間に1つの通気孔114を形成するようにしているが、複数の通気孔114を形成するようにしてもよい。この場合であっても、各通気孔114が直線上に配置しないようにする。
一方、自動制御モードにおいては、操作者によって設定された温度(目標温度)、及び、枠状体113の内側で空気の温度を検出する1つ以上の温度センサ21の検出信号(実際の温度)に基づいて、冷温水供給装置16及び/又は送風機19の動作状態を制御する。
ここで、冷温水供給装置16から熱交換器15a、15bのそれぞれに独立して熱交換用流体を供給できるように構成しておくことで、熱交換器15a,15bに対して温度の異なる温水又は冷水を供給することができる。
第1内側通気層35aは、最下階の床下空間12と、二階の部屋Dの床下空間39及び屋根裏部屋Eの床下空間40とを連通している。なお、最下階の床下空間と、全ての上階の床下空間とを連通させる必要はなく、第1内側通気層35aは、最下階の床下空間12と、二階の部屋Dの床下空間39又は屋根裏部屋Eの床下空間40とを連通するようにしてもよい。
第2内側通気層35bの下部は、第1内側通気層35aと同様、枠状体113bの外側(建築物の他方の壁側)で、かつ枠状体113bの最下部よりも高い位置で最下階の床下空間12に開口しており(図1中のG部参照)、上部は屋根裏空間Cに開口している。
第2壁内通気層45の下部は、二階の部屋Dの床下空間39に開口しており、上部は、部屋Dの上部空間又は最下階の部屋B上方の吹き抜け(以下、単に「吹き抜け」という)に開口している。かかる第2壁内通気層45により、二階の部屋Dの床下空間39は建築物の内部空間(室内空間)と連通することになる。
第3壁内通気層46に下部は、屋根裏部屋Eの床下空間40に開口しており、上部は、屋根裏部屋Eの上部空間又は吹き抜けに開口している。かかる第3壁内通気層46により、屋根裏部屋Eの床下空間40は建築物の内部空間(室内空間)と連通することになる。
従って、天窓47を「開」、自然換気口48を「開」及び/又は換気扇を「ON」とすることにより、吹き抜け、屋根裏空間C及び屋根裏部屋Eから空気を外部に排出することができる。
まず、冬季において、操作者が制御ユニット20の操作パネル(図示省略)を介して通常制御モード(冬季通常制御モード)を選択すると、冷温水供給装置16によって所定温度の温水が所定流量で熱交換器15a、15bに循環供給されると共に、送風機19によって所定流量の外気が連続的に床下空間12内に導入されて熱交換器15a,15bの下側から上向きに供給される。
ここで、特に昼間においては外側通気層34内には上昇気流が発生し、これに伴って第1内側通気層35a及び第2内側通気層35b内にも下から上へと向かう空気の流れが生じるため、枠状体113a、113bから溢れ出した空気は、該第1内側通気層35a及び第2内側通気層35bに効果的に吸い込まれる。
二階の部屋Dの床下空間39及び屋根裏空間Eの床下空間40においても、最下階の床下空間12と同様に、暖められた空気が枠状体の内側に蓄えられ、二階の部屋Dの床及び屋根裏部屋Eの床が暖められる。そして、その蓄積量が所定量以上となると枠状体から溢れ出し、それぞれ第2壁内通気層45、第3壁内通気層46に排出される。
これにより、夏季において、床下空間(12,39,40)内の通気性を十分に確保しつつ、建築物内部の温度上昇を抑制することができる。
さらに、建築物自体や建築物の属する地域等に応じて枠状体113a、113bの高さ(下向きの突出量)を調整することにより、各建築物に適した床暖房機能を実現することも可能となる。
例えば、人が集まりやすい部屋などの特定の部屋(例えば、居間)に対応する枠状体の高さ(突出量)は、他の部屋に対応する枠状体の高さ(突出量)よりも大きくすれば、特に冬季において、特定の部屋に対する床暖房機能を高めることができるので、より効果的な床暖房が可能となる。この場合、床下空間12に熱交換器を1つだけ配置するようにしてもよい。また、温度センサ21は、最も高い(突出量が最も大きい)枠状体の内側に配置するのが好ましい。
また、床下地板511は、二階根太52上に取り付けた際に、枠状体513の内側の領域において、該床下地板511の下面と二階根太52との間に所定の通気孔514を形成するように構成されている。この通気孔514は、枠状体513の内側において各二階根太52によって仕切られる、互いに隣接する領域(空間)同士を連通させるものである。なお、かかる通気孔514の形成については、上述した実施形態と同様である。
熱交換器54を通過する際に暖められた空気(外気)は枠状体513の内側に蓄えられて床部51を暖める。そして、暖められた空気の蓄積量が所定量以上となると、枠状体513から溢れ出し、この溢れ出した空気は、第1排気口60から外部に排出される。
Claims (7)
- 根太又は大引の上に配設され、その下面に下向きに突出して所定領域を囲む枠状体を有すると共に、該枠状体の内側において前記下面と前記根太又は大引との間に所定の通気孔を形成する床下地板と、
前記床下地板の下方の床下空間内に配設され、周辺空気との間で熱交換を行う熱交換用流体が供給される熱交換器と、
送風機を有し、該送風機の駆動によって外気を前記床下空間内に取り込んで前記熱交換機へと導く外気導入ダクトと、を備え、
前記床下空間内の空気が、前記枠状体の外側でかつ該枠状体の最下部よりも上方の位置から排出されるように構成したことを特徴とする建築物の通気構造。 - 前記外気導入ダクトは、前記取り込んだ外気を前記熱交換器の下側から上向きに吹き出すように形成されたことを特徴とする請求項1記載の建築物の通気構造。
- 前記床下地板は、それぞれが各部屋に対応する領域を囲む複数の枠状体を有し、
前記複数の枠状体のうちの少なくとも1つ枠状体の前記下面からの突出量が、他の枠状体の突出量とは異なることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の建築物の通気構造。 - 前記床下空間が建築物の最下階の床下空間であって、
建築物の内部空間を画する内被材と建築物の外郭を画する外被材との間に、前記最下階の床下空間と上階の床下空間とを連通する第1通気層を形成し、
前記最下階の床下空間内の空気が、前記第1通気層に排出されるように構成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の建築物の通気構造。 - 前記床下空間が建築物の最下階の床下空間であって、
建築物の内部空間を画する内被材と建築物の外郭を画する外被材との間に、前記最下階の床下空間と屋根裏空間とを連通する第2通気層を形成し、
前記最下階の床下空間内の空気が、前記第2通気層に排出されるように構成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の建築物の通気構造。 - 前記熱交換器に、前記外気よりも高温の熱交換用流体又は前記外気より低温の熱交換用流体を循環供給する熱交換用流体供給装置と、
前記熱交換用流体供給装置及び前記送風機の少なくとも一方の駆動を制御する制御装置と、
を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の建築物の通気構造。 - 前記枠状体の内側の温度を検出する温度センサを備え、
前記制御装置は、前記温度センサにより検出された温度に基づいて前記熱交換用流体供給装置及び前記送風機の少なくとも一方の動作状態を制御することを特徴とする請求項6記載の建築物の通気構造。
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