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JP5154548B2 - 腸球菌核酸を検出するための組成物及び方法 - Google Patents

腸球菌核酸を検出するための組成物及び方法 Download PDF

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JP5154548B2 JP2009511178A JP2009511178A JP5154548B2 JP 5154548 B2 JP5154548 B2 JP 5154548B2 JP 2009511178 A JP2009511178 A JP 2009511178A JP 2009511178 A JP2009511178 A JP 2009511178A JP 5154548 B2 JP5154548 B2 JP 5154548B2
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Description

関連出願
[0001]本出願は2006年5月12日に出願された米国仮特許出願第60/800,116号に基づく優先権を主張する。本先願の開示内容全体を本明細書に援用する。
発明の分野
[0002]本発明は、分子生物学的方法を用いて試料中の細菌の存在を検出すること、具体的には、腸球菌由来の核酸を増幅し、当該増幅核酸配列を検出することにより、試料中の腸球菌を検出することに関する。
[0003]腸球菌(Enterococcus)種はヒト及び動物の消化管の常在細菌叢種であり、院内感染の主因であることが明らかになった。ヒトでの2つの主な病原性菌種はエンテロコッカス・フェカーリス(Enterococcus faecalis(E.faecalis))及びエンテロコッカス・フェシウム(E.faecium)であり、場合によりエンテロコッカス・デュランス(E.durans)、エンテロコッカス・ガリナルム(E.gallinarum)、エンテロコッカス・カセリフラブス(E.casseliflavus)、エンテロコッカス・アビウム(E.avium)、エンテロコッカス・ハイレ(E.hirae)、エンテロコッカス・ムンチイ(E.mundtii)及びエンテロコッカス・ラフィノーサス(E.raffinosus)により感染症が起きる。高度に固有な抗生物質耐性のため、腸球菌感染症は特に問題である。
[0004]腸球菌はレクリエーション用水の品質を評価するための指標生物として日常的に用いられている。高濃度の腸球菌、特にエンテロコッカス・フェカーリス、エンテロコッカス・フェシウム及びエンテロコッカス・デュランスは、糞便汚染及び腸管内病原体存在の指標となる。多剤耐性腸球菌の拡散を抑え、かつレクリエーション用水の品質を評価する際に、環境内腸球菌の迅速な検出が重要である。
[0005]培養に基づく一般的な腸球菌検出方法には、場合により1〜2日を要する。当該方法は、培養適性が劣る損傷及びストレスを受けた生物を培養しやすくする人工培地での細菌増殖及び生存するが培養できない状態の腸球菌によりさらに阻害される。
[0006]本明細書に記載する、糞便汚染の指標となる腸球菌種(以下、「指標腸球菌(indicator enterococci)」)に特有の特異的なrRNA配列の検出に基づく方法及び組成物は、エンテロコッカス・アビウム(E.avium)、エンテロコッカス・マロドラタス(E.malodoratus)、エンテロコッカス・シュードアビウム(E.pseudoavium)、エンテロコッカス・ラフィノーサス(E.raffinosus)、エンテロコッカス・サッカロリティカス(E.saccharolyticus)及びエンテロコッカス・ディスパル(E.dispar)を検出せずに、エンテロコッカス・フェカーリス、エンテロコッカス・フェシウム、エンテロコッカス・カセリフラブス、エンテロコッカス・ガリナルム、エンテロコッカス・ムンチイ、エンテロコッカス・デュランス、エンテロコッカス・ハイレ及びエンテロコッカス・コロンベを迅速、高感度及び特異的に検出することができる。
概要
[0007]本発明には、環境試料又は生物検体を含めた試料中の指標腸球菌を検出する方法が含まれる。本発明には、指標腸球菌の検出のためのプライマー及びプローブとして使用できる核酸オリゴマーも含まれ、これらをキットとして提供することができる。本発明方法は、当該特異的なプライマー及びプローブを用いて指標腸球菌の23SrRNA配列中の標的配列を増幅する工程及び増幅生成物を検出する工程を含む。本発明方法のある態様では、増幅工程中に特異的増幅生成物の発現をモニターする。本発明方法のある態様には、既知量の23SrRNAを用いて標準曲線を作製すること又はアッセイでの内部対照若しくは検量配列(これらは非腸球菌配列であってよい)を検出することも含まれる。
[0008]本発明の1側面には、試料中に存在する指標腸球菌核酸の23SrRNA配列の量を測定する増幅及び検出方法を用いて、試料中の指標腸球菌を定量する方法が含まれる。好ましい態様には、アッセイに際して標準曲線を作成すること又は内部対照若しくは検量配列を検出することが含まれる。
[0009]本発明の他の側面には、試料中の指標腸球菌を検出及び/又は定量するための組成物が含まれる。好ましい態様には、核酸増幅反応において増幅オリゴヌクレオチドとして機能する核酸オリゴマー及び増幅した核酸生成物に特異的にハイブリダイズするプローブの組合わせが含まれる。ある態様は、指標腸球菌に特異的な当該増幅オリゴヌクレオチド及び/又はプローブを収容したキットであり、場合によりキットは核酸の増幅及び/又は検出に使用する他の試薬を含んでもよい。
詳細な説明
[0010]本発明は、環境試料又は生物試料等の試料中の指標腸球菌の存在又は不存在を検出するための方法を提供する。当該方法は、指標腸球菌核酸の高感度かつ特異的な検出法を提供する。本発明方法としては、23SrRNA配列の核酸増幅を実施し、例えば試料中の指標腸球菌の存在を指示する信号を発生する核酸プローブと増幅生成物を特異的にハイブリダイズさせることにより、増幅生成物を検出することがあげられる。増幅工程としては、試料を23SrRNA中の標的配列に特異的な1以上の増幅オリゴマーと接触させて、試料中に指標腸球菌のrRNAが存在する場合に増幅生成物を生成させることがあげられる。増幅によって、少なくとも1の核酸ポリメラーゼを用い、鋳型鎖を利用して増幅オリゴマー(プライマー)から配列を延長することにより、標的配列又はその相補配列の追加コピーが合成される。増幅生成物を検出するための好ましい態様には、ハイブリダイゼーション工程を用いる;本工程としては、増幅生成物を、選択した増幅オリゴマーにより増幅された配列(例えば選択した一対のプライマーがフランキングする標的配列に含まれる配列)に特異的な少なくとも1つのプローブと接触させることがあげられる。検出工程は、増幅反応が終了した後に実施することができ、あるいは標的領域の増幅と同時に、すなわちリアルタイムで実施することができる。好ましくは、増幅生成物を検出するためのプローブを使用する検出工程は均一に検出することができ、すなわちハイブリダイズしていないプローブを混合物から分離せずに、ハイブリダイズしたプローブを検出することができる(例えば米国特許第5,639,604号及び第5,283,174号、Arnold Jr.ら)。増幅生成物を増幅工程の終了時付近又は終了時に検出する好ましい態様では、線状プローブを用いて、プローブが増幅生成物にハイブリダイズしたことを指示する信号を発生させる。リアルタイム検出を用いる他の好ましい態様では、プローブは好ましくはヘアピンプローブ、例えば分子ビーコン(beacon)、分子トーチ(torch)又はハイブリダイゼーションスイッチプローブであり、これはプローブが増幅生成物に結合した際に検出されるリポーター部分で標識されている。例えば、ヘアピンプローブは、プローブの一端に結合した標識、例えば発蛍光団(「F」)及びヘアピン構造の他端に結合した相互作用化合物、例えば消光体(「Q」)を含むことができ、ヘアピン構造が「閉鎖」構造で増幅生成物にハイブリダイズしていない場合には標識からの信号の発生が阻害され、これに対しプローブが増幅生成物中の相補配列にハイブリダイズしているためプローブが「開放」構造の場合には信号を検出できる。そのような多様な形態のプローブの報告が以前にある(例えば米国特許第5,118,801号及び第5,312,728号、Lizardiら;米国特許第5,925,517号及び第6,150,097号、Tyagiら;米国特許第6,849,412号、第6,835,542号、第6,534,274号及び第6,361,945号、Beckerら;米国特許公報第2006−0068417号並びにArnold Jr.、米国出願番号第60/657,523号;それらの詳細を本明細書に援用する)。
[0011]本明細書の側面の理解の一助のため、本明細書中で用いるいくつかの用語をより詳細に以下に記載する。別途記載しない限り、本明細書中で用いる他の科学用語及び技術用語はすべて、当業者が一般に理解しているもの、例えば、Dictionary of Microbiology and Molecular Biology、第2版(Singleton et al, 1994, John Wiley & Sons、ニューヨーク州ニューヨーク)、The Harper Collins Dictionary of Biology(Hale & Marham, 1991, Harper Perennial、ニューヨーク州ニューヨーク)及び本明細書で引用する他の参考文献中に示したものと同じ意味で用いられる。別途記載しない限り、本明細書中で使用又は意図する技術は分子生物学の分野の当業者に周知の標準法である。
[0012]「試料」には、腸球菌又はその成分、例えば核酸又は核酸フラグメントを含有する可能性のある、いかなる検体も含まれる。試料は環境源、例えば水、土壌、汚泥、壊死組織片、水性流体の容器からのバイオフィルム、空中粒子又はエアロゾル等から得ることができ、これには処理済み試料、例えば試料を濾過器具に導通若しくは遠心分離又は媒体、マトリックス若しくは支持体に吸着させることにより得られたものを含めてもよい。試料には「生物試料」も含まれ、これには、生存又は死亡したヒトから得られたいかなる組織又は材料であって、腸球菌又はそれに由来する標的核酸を含有する可能性のある、例えば消化器、糞便、尿又は他の体液若しくは身体材料が含まれる。試料を処理してそれに含まれる凝塊又は細胞を物理的又は機械的に破壊し、これにより核酸を含む細胞内成分を溶液中へ放出させることができ、この溶液は他の成分、例えば酵素、緩衝剤、塩類、界面活性剤等を含有してもよい。
[0013]「核酸」は、窒素複素環式の塩基又は塩基類似体をもつヌクレオチド又はヌクレオチド類似体を含む多量体化合物をいい、ヌクレオチドがホスホジエステル結合又は他の結合により互いに連結してポリヌクレオチドを形成している。核酸には、RNA、DNA又はキメラDNA−RNAポリマー若しくはオリゴマー及びその類似体が含まれる。核酸の「主鎖」は、糖−ホスホジエステル結合、ペプチド−核酸結合(「ペプチド核酸」又はPNA;国際出願公報WO95/32305号を参照)、ホスホロチオエート結合、メチルホスホネート結合又はその組合わせのうち1以上を含む多様な結合で構成されてもよい。核酸の糖部分は、リボース若しくはデオキシリボースであるか、あるいは既知の置換、例えば2’メトキシ置換及び2’ハライド置換(例えば2’−F)をもつ類似化合物であってもよい。窒素塩基は、一般的な塩基(A、G、C、T、U)、その類似体(例えばイノシン;The Biochemistry of the Nucleic Acids 5-36, Adamsら編、第11版、1992)、プリン又はピリミジン塩基の誘導体(例えばN−メチルデオキシグアノシン、デアザ−若しくはアザ−プリン、デアザ−若しくはアザ−ピリミジン、5又は6位に置換基があるピリミジン塩基、2、6及び/又は8位に変更又は交換された置換基があるプリン塩基、例えば2−アミノ−6−メチルアミノプリン、O−メチルグアニン、4−チオ−ピリミジン類、4−アミノ−ピリミジン類、4−ジメチルヒドラジンピリミジン類及びO−アルキル−ピリミジン類並びにピラゾロ化合物、例えば非置換又は3−置換ピラゾロ[3,4,−d]ピリミジン;米国特許番号第5,378,825号、第6,949,367号及び国際出願公開WO93/13121号)であってもよい。核酸は、主鎖が1以上の残基について窒素塩基を含まない「非塩基」残基を含んでもよい(米国特許第5,585,481号、Arnoldら)。核酸は、RNA及びDNAにみられる一般的な糖、塩基及び結合のみを含むか、あるいは一般的な構成要素及び置換(例えば、2’メトキシ主鎖により連結した一般的な塩基又は一般的な塩基と1以上の塩基類似体の混合物を含む核酸)を含んでもよい。核酸には「ロックされた核酸」(LNA)、すなわちRNA模倣糖構造にロックされた二環式フラノース単位を含む1以上のLNAヌクレオチドモノマーを含有する類似体も含まれ、これは一本鎖RNA(ssRNA)、1本鎖DNA(ssDNA)又は2本鎖DNA(dsDNA)中の相補配列に対するハイブリダイゼーション親和性を高める(Vester et al., 2004, Biochemistry 43(42); 13233-41)。インビトロで核酸を製造するための合成法は当技術分野で周知である。
[0014]用語「オリゴマー」及び「オリゴヌクレオチド」は互換性があり、一般に1,000未満の残基を含む核酸をいい、下限約2〜5nt残基及び上限約500〜900nt残基である範囲のポリマーを含む。好ましいオリゴマーの大きさは下限約5〜15nt及び上限約50〜600ntの範囲にあり、特に好ましい態様は下限約10〜20ntの及び上限約22〜100ntの範囲にある。オリゴマーは天然源から精製できるが、好ましくは多様な周知のいずれかの酵素法又は化学的方法により合成される。
[0015]「増幅オリゴマー」は、標的核酸又はその相補配列にハイブリダイズして核酸増幅反応に関与するオリゴマーである。増幅オリゴマーの一例は「プライマー」であり、これは鋳型核酸にハイブリダイズし、かつ増幅プロセスでポリメラーゼにより延長される3’OH末端を含む。増幅オリゴマーの他の例は、ポリメラーゼにより延長されない(例えば3’遮断末端をもつため)が、増幅に関与し、又は増幅を促進するオリゴマーである。増幅オリゴマーの大きさの好ましい範囲の長さとしては、約10〜約60ntで、標的核酸配列(又はその相補鎖)の領域に相補的な少なくとも約10の連続塩基、より好ましくは少なくとも12の連続塩基のものがあげられる。当該連続塩基は、増幅オリゴマーが結合する標的配列に対して、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは約100%、相補的である。増幅オリゴマーは場合により、増幅反応に関与するが標的核酸に相補的でなく又はそれに含まれない修飾されたヌクレオチド若しくは類似体又は追加配列を含んでもよい。増幅オリゴマーは標的又は鋳型配列に相補的でない配列を含んでもよい。例えばプライマーの5’領域は、標的核酸に対して相補的ではないプロモーター配列を含んでもよい(「プロモーター−プライマー」という)。当業者であれば、プライマーとして機能する増幅オリゴマーが5’側プロモーター配列を含み、したがってプロモーター−プライマーとして機能するように修飾しうることを理解するはずである。同様に、プロモーター−プライマーをプロモーター配列の除去又はプロモーター配列を含まない合成により修飾し、なおかつプライマーとして機能させることができる。3’遮断された増幅オリゴマーがプロモーター配列を備え、重合の鋳型として作用することができる(「プロモーター−プロバイダー」という)。
[0016]「増幅」は、多数コピーの標的核酸配列若しくはその相補配列又はフラグメントを得るためのいずれか既知の操作をいう。「フラグメント」の増幅は、完全な標的核酸又はその相補配列より少ない核酸を含む増幅核酸を製造することをいい、これは例えば標的核酸の内部位置にハイブリダイズしてそこから重合を開始する増幅オリゴヌクレオチドを用いて製造される。既知の増幅法としては、例えばレプリカーゼ介在増幅、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、リガーゼ連鎖反応(LCR)、鎖置換増幅(SDA)及び転写介在増幅又は転写関連増幅があげられる。レプリカーゼ介在増幅には、自己複製RNA分子及びレプリカーゼ、例えばQB−レプリカーゼを使用する(例えば米国特許第4,786,600号、Kramerら)。PCR増幅には、DNAポリメラーゼ、プライマー対及びサーマルサイクリングを用いて、dsDNAの2つの相補鎖又はcDNAから多数コピーを合成する(例えば米国特許第4,683,195号、第4,683,202号及び第4,800,159号、Mullisら)。LCR増幅には4種類以上の異なるオリゴヌクレオチドを用いて、多数サイクルのハイブリダイゼーション、ライゲーション及び変性を用いて、標的及びその相補鎖を増幅する(例えば米国特許第5,427,930号、Birkenmeyerら;米国特許第5,516,663号、Backmanら)。SDAには、制限エンドヌクレアーゼに対する認識部位を含むプライマー及び標的配列を含む半修飾DNA二重体の一方の鎖を切断するエンドヌクレアーゼを用いて、これにより一連のプライマー延長工程及び鎖置換工程で増幅を行う(例えば米国特許第5,422,252号、Walkerら;米国特許第5,547,861号、Nadeauら;米国第5,648,211号、Fraiserら)。
[0017]「転写関連増幅(transcription−associated amplification)」又は「転写介在増幅(transcription−mediated amplification)」(TMA)は、RNAポリメラーゼを用いて核酸鋳型から多数のRNA転写体を製造するいかなるタイプの核酸増幅をもいう。当該方法は、一般にRNAポリメラーゼ、DNAポリメラーゼ、デオキシリボヌクレオシド三リン酸、リボヌクレオシド三リン酸及びプロモーター配列を含む鋳型相補的オリゴヌクレオチドを用いて、場合により1以上の他のオリゴヌクレオチドを含んでもよい。転写関連増幅の変法が、以前詳細に開示されているように当技術分野で周知である(米国特許第5,399,491号及び第5,554,516号、Kacianら;米国特許第5,437,990号、Burgら;国際出願公開WO88/01302号及びWO88/10315号、Gingerasら;米国特許第5,130,238号、Malekら;米国特許第4,868,105号及び第5,124,246号、Urdeaら;国際出願公開WO95/03430号、Ryderら;並びに米国出願公開第2006−0046265号、Beckerら)。KacianらのTMA法及びBeckerらの単一プライマー型の転写関連法は、後記のように指標腸球菌標的配列の検出に用いる増幅法の好ましい態様である。TMA法又は転写関連増幅法を用いて好ましい態様を説明するが、当業者であれば、本明細書に開示する増幅オリゴマーをポリメラーゼによるオリゴマー配列延長に基づく他の増幅法の使用に容易に適用できることを認識するはずである。
[0018]「プローブ」は、ハイブリダイゼーションを促進する条件下で、核酸、好ましくは増幅核酸中の標的配列に特異的にハイブリダイズして、標的配列又は増幅核酸を検出することができる核酸オリゴマーをいう。検出は直接(すなわち、その標的配列に直接ハイブリダイズしたプローブ)又は間接(すなわち、その標的に中間分子構造体を介して結合したプローブ)のいずれでもよい。プローブの「標的配列」とは、一般に、より大きな配列(例えば増幅配列のサブセット)内の小配列であって、プローブオリゴマーの少なくとも一部に標準塩基対合により特異的にハイブリダイズするものをいう。プローブは、標的特異的配列及びプローブの三次元構造に関与する他の配列を含んでもよい(例えば米国特許第5,118,801号及び第5,312,728号、Lizardiら;並びに米国特許第6,849,412号、第6,835,542号、第6,534,274号及び第6,361,945号、Beckerら;米国出願公開第2006−0068417号、Beckerらに記載)。
[0019]「十分に相補的」とは、一連の相補的塩基間の水素結合により他の配列にハイブリダイズしうる連続配列を意味し、これは配列中の各位置で標準塩基対合(例えばG:C、A:T又はA:U対合)により相補的であってもよく、あるいは標準水素結合による相補的塩基ではない1以上の残基(非塩基残基を含む)を含んでもよい。連続塩基は、オリゴマーを特異的にハイブリダイズさせることを目的とする配列に対して、少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは約100%、相補的である。「十分に相補的」である配列により、当該配列が完全に相補的ではなくても、選択されたハイブリダイゼーション条件下で核酸オリゴマーは、当該標的配列に安定にハイブリダイズすることができる。適当なハイブリダイゼーション条件は当技術分野で周知であり、塩基配列組成に基づいて容易に推定できるか又はルーチン試験を用いて判定できる(例えばSambrook et al., Molecular Cloning, A Laboratory Manual、第2版(Cold Spring Harbor Laboratory Press, ニューヨーク州コールド・スプリング・ハーバー、1989)、§§ 1.90-1.91, 7.37-7.57, 9.47-9.51及び11.47-11.57、特に§§ 9.50-9.51, 11.12-11.13, 11.45-11.47及び11.55-11.57)。
[0020]「試料の調製」は、試料中に存在する腸球菌核酸を後に増幅及び検出するために試料を調製するいかなる工程又は方法をもいう。試料の調製には、例えば、空気試料から空中粒子を、又は環境水試料から微生物を、濾過するような、より多容量の試料又は実質的に水性の混合物から成分を濃縮するいずれか既知の方法を含めることができる。試料の調製には、細胞成分を溶解して例えば濾過又は遠心分離により細胞屑を除去することを含んでもよい。試料の調製は、標的核酸を他の試料成分から選択的に捕捉する核酸オリゴマーを用いてもよい。
[0021]「捕捉プローブ」又は「捕捉オリゴマー」は、標的配列と固定化オリゴマーを塩基対ハイブリダイゼーションにより結合させる少なくとも1つの核酸オリゴマーをいう。好ましい態様の捕捉オリゴマーは、2つの結合領域、すなわち標的配列結合領域及び固定化プローブ結合領域を、通常は同一オリゴマー上に含むが、これらの2領域は1以上のリンカーにより結合した異なるオリゴマー上にあってもよい。例えば第1オリゴマーは固定化プローブ結合領域を含み、第2オリゴマーは標的配列結合領域を含むことができ、これらの2つの異なるオリゴマーが、これらの第1オリゴマーと第2オリゴマーの2配列を連結するリンカーとの水素結合により結合する。
[0022]「固定化プローブ」又は「固定化核酸」は、捕捉オリゴマーを固定化支持体に直接又は間接的に結合させる核酸をいう。好ましい固定化プローブは、固体支持体に結合したオリゴマーであって、試料中の結合した標的配列が結合していない物質から分離するが容易になる。固体支持体には、既知の材料、例えばニトロセルロース、ナイロン、ガラス、ポリアクリレート、混合ポリマー、ポリスチレン、シラン、ポリプロピレン、金属からなる材料、例えばマトリックス及び溶液中の自由粒子を含めてよく、好ましい態様は磁気付着性粒子である。好ましい支持体は単分散磁性球体(一貫した結果を得るために、例えば均一サイズ±5%)であり、これに固定化プローブが(共有結合、キレート形成又はイオン性相互作用により)直接結合又は(1以上のリンカーにより)間接結合し、その際、プローブと支持体の結合又は相互作用はハイブリダイゼーション条件で安定である。
[0023]「分離」又は「精製」は、試料の1以上の成分を1以上の他の試料成分から除去又は分離することを意味する。試料成分には一般に水溶液相中の標的核酸が含まれ、当該相は細胞フラグメント、タンパク質、炭水化物、脂質及び他の核酸をも含有してもよい。分離又は精製により、少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは約95%の標的核酸が他の試料成分から分離される。
[0024]「標識」は、検出できる又は検出可能な応答をおこすことができる、分子部分又は化合物をいう。標識は核酸プローブに直接又は間接的に結合させることができる。直接標識化は標識をプローブに連結させる結合又は相互作用により行うことができ、これには共有結合又は非共有相互作用、例えば水素結合、疎水性及びイオン性相互作用又はキレート若しくは配位錯体の形成が含まれる。間接標識化は架橋部分又は「リンカー」、例えば抗体又は追加オリゴマーを用いて行うことができ、これは直接又は間接的に標識され、検出可能な信号を増幅することができる。標識には、検出可能ないずれかの部分、例えば放射性核種、リガンド(例えばビオチン、アビジン)、酵素若しくは酵素基質、反応性基又は発色団(例えば検出可能な色を付与する色素、粒子又はビーズ)、発光性化合物(例えば生物発光性、リン光性又は化学発光性の標識)若しくは発蛍光団が含まれる。好ましい標識は均一アッセイで検出でき、この場合、混合物中の結合した標識プローブは結合していない標識プローブと比較した際に異なる検出可能な変化、例えば安定性又は異なる分解性を示す。「均一検出可能な標識」は、結合していない形の標識又は標識プローブからハイブリダイズした結合形のものを物理的に分離せずに検出できる(例えば米国特許第5,283,174号、Arnoldら;米国特許第5,656,207号、Woodheadら;及び米国特許第5,658,737号、Nelsonらに記載)。好ましい標識には化学発光性化合物、より好ましくはアクリジニウムエステル(「AE」)化合物(標準的AE及びその誘導体を含む)(米国特許第5,656,207号、Woodheadら;米国特許第5,658,737号、Nelsonら;米国特許第5,639,604号、Arnoldらに記載)又は発蛍光団、より好ましくはフルオレセインとDABCYL消光体の組合わせ又はROXとTAMRA消光体の組合わせが含まれる。標識を核酸に結合させる合成法及び標識を検出する方法は周知である(例えばSambrook et al., Molecular Cloning, A Laboratory Manual, 第2版(Cold Spring Harbor Laboratory Press、ニューヨーク州コールド・スプリング・ハーバー、1989)10章;米国特許第5,658,737号、Nelsonら;米国特許第5,656,207号、Woodheadら;米国特許第5,547,842号、Hoganら;米国特許第5,283,174号、Arnoldら;米国特許第4,581,333号、Kourilskyら)。
[0025]本発明は、指標腸球菌、詳細には指標腸球菌23SrRNA又は23SrRNAをコードする遺伝子の配列を増幅及び検出する方法を含む。本発明は、指標腸球菌23SrRNA若しくは当該相補配列又は23SrRNAをコードする遺伝子若しくは当該相補配列の標的配列を特異的に認識するオリゴヌクレオチド配列を含む。当該オリゴヌクレオチド配列を増幅オリゴマーとして使用でき、これにはプライマー、プロモーター−プライマー、遮断オリゴマー及びプロモーター−プロバイダーオリゴマーを含めることができ、当該機能は以前に全般的な報告がある(例えば米国特許第5,399,491号、第5,554,516号及び第5,824,518号、Kacianら;並びに米国出願公開第2006−0046265号、Beckerら;並びに米国特許第4,683,195号、第4,683,202号及び第4,800,159号;Mullisら)。オリゴヌクレオチド配列の他の態様は、増幅した指標腸球菌配列を検出するためのプローブとして使用できる。
[0026]TMA増幅を用いる増幅法は、下記の工程を含む(先に米国特許第5,399,491号、第5,554,516号及び第5,824,518号、Kacianらに記載;それらの詳細を本明細書に援用する)。要約すると、増幅すべき配列を含む標的核酸は、一本鎖核酸(例えばssRNA又はssDNA)として提示される。当業者であれば、一般的な二本鎖核酸(例えばdsDNA)の融解法を用いて一本鎖標的核酸を得ることができることを認識するはずである。プロモーター−プライマーがその標的配列で標的核酸に特異的に結合し、逆転写酵素(RT)が標的鎖を鋳型として用いてプロモーター−プライマーの3’末端を延長し、標的配列鎖のcDNAコピーが作製され、RNA:DNA二重体となる。RNアーゼ(例えばRTのRNアーゼH)によりこのRNA:DNA二重体のRNA鎖が消化され、cDNA鎖上のプロモーター−プライマー末端から下流にある第2プライマーの標的配列に第2プライマーが特異的に結合する。RTが第1cDNA鋳型を用いて第2プライマーの3’末端を延長することにより新たなdsDNAが合成され、機能性プロモーター配列を含むdsDNAが作製される。次いでプロモーター配列に特異的なRNAポリメラーゼが転写を開始してRNA転写体が製造され、その反応中で最初の標的鎖の約100〜1000増幅コピー(「アンプリコン」)となる。各アンプリコン中の第2プライマーの標的配列に第2プライマーが特異的に結合すると、増幅が継続し、RTがアンプリコンRNA鋳型からDNAコピーを作製して、RNA:DNA二重体が製造される。反応混合物中のRNアーゼがRNA:DNA二重体からアンプリコンRNAを消化し、新たに合成されたDNA中のプロモーター−プライマーの相補配列にプロモーター−プライマーが特異的に結合する。RTがプロモーター−プライマーの3’末端を延長して機能性プロモーターを含むdsDNAを作製し、これにRNAポリメラーゼが結合して、標的鎖に相補的な追加アンプリコンを転写する。さらに多数のアンプリコンを作製する当該自触媒サイクルが反応経過中に反復され、その結果、試料中に存在する標的核酸が約10億倍増幅される。増幅中に、すなわちリアルタイム又は増幅反応が終了した時点で、増幅生成物に含まれる標的配列に特異的に結合するプローブを用いて増幅生成物を検出することができる。結合したプローブから発生する信号が検出されることは、その試料中に標的核酸が存在することの指標となる。
[0027]他の形の転写関連増幅法は、1のプライマー及び1以上の他の増幅オリゴマーを用いてインビトロで核酸を増幅し、試料中に標的配列が存在することの指標となる転写体(アンプリコン)を作製する(先に米国出願公開第2006−0046265号、Beckerらに詳述;その詳細を本明細書に援用する)。要約すると、この単一プライマー型TMA法には、プライマー(又は「プライミングオリゴマー」)、自身の3’末端からのDNA合成開始を阻止するように修飾された(例えば、3’−遮断部分を含有させることによる)修飾プロモーターオリゴマー(又は「プロモーター−プロバイダー」)及び場合により、標的鎖からのcDNAの延長を終止させる結合分子(例えば3’−遮断されたエキステンダーオリゴマー)を用いる。この方法は標的配列の多数のコピーを合成するものであり、標的配列を含む標的RNAをプライミングオリゴマー及び結合分子で処理する工程を含み、その際、プライマーが標的鎖の3’末端にハイブリダイズする。RTによりプライマーの3’末端からのプライマー延長が開始してcDNAが製造され、これが標的鎖との二重体(例えばRNA:cDNA)になる。3’−遮断されたエキステンダーオリゴマー等の結合分子を反応に用いた場合、それは標的配列の5’末端付近に隣接した標的核酸に結合する。すなわち、結合分子は増幅すべき標的配列の5’末端の隣で標的鎖に結合する。プライマーがRTのDNAポリメラーゼ活性により延長されてcDNA鎖が製造される際、結合分子の位置によりcDNAの3’末端が決定される;標的鎖に結合した結合分子にプライマー延長生成物が到達した時点で、重合が停止するからである。こうして、cDNAの3’末端は標的配列の5’末端に相補的となる。このRNA:cDNA二重体は、RNアーゼ(例えば、RTのRNアーゼH)がRNA鎖を分解した際に分離する;ただし、当業者であれば、いかなる形態の鎖分離法も使用できることを認識するはずである。次いで、プロモーター−プロバイダーオリゴマーがcDNA鎖の3’末端付近でcDNAにハイブリダイズする。プロモーター−プロバイダーオリゴマーは、RNAポリメラーゼに対する5’側プロモーター配列及びcDNAの3’側領域の配列に相補的な3’側領域を含む。プロモーター−プロバイダーオリゴマーは、プロモーター−プロバイダーオリゴマーの3’末端からのDNA合成開始を阻止する遮断部分を含む修飾された3’末端をも含む。プロモーター−プロバイダー:cDNA鎖二重体で、プロモーターオリゴマーを鋳型として用いてcDNAの3’末端がRTのDNAポリメラーゼ活性により延長してプロモーター配列がcDNAに付加され、機能性二本鎖プロモーターが作製される。次いで、プロモーター配列に特異的なRNAポリメラーゼがこの機能性プロモーターに結合し、cDNAに相補的でありかつ最初の標的鎖から増幅された標的領域配列と実質的に同一である多数のRNA転写体を転写する。得られた増幅RNAは、次いでプライマーを結合し、さらにcDNAを製造するための鋳型として用いられることにより、再びこのプロセスを循環し、試料中に存在する最初の標的核酸から最終的に多数のアンプリコンを製造することができる。ある態様の単一プライマー型の転写関連増幅法は結合分子を含まず、したがってプライマーから作製されたcDNA生成物がもつ3’末端は不定であるが、増幅工程は他のすべての工程について実質的に上記同様進行する。
[0028]増幅生成物の検出は多様な方法で達成できる。検出可能な物理的変化、例えば電気的変化を生じる表面と核酸を会合させることができる。増幅核酸をマトリックス内又はマトリックス上に濃縮し、核酸又はそれと会合した色素(例えば挿入剤、例えば臭化エチジウム又はサイバーグリーン)からの信号を検出することにより、あるいは溶液相中で核酸と会合した色素の増加を検出することにより、増幅核酸を検出できる。他の検出法では、増幅生成物中の配列に対して相補的な核酸プローブを用いてプローブ:増幅生成物複合体の存在を検出するか、あるいは増幅生成物と会合した検出可能な信号を増幅しうるプローブの複合体を用いて検出することができる(例えば米国特許第5,424,413号及び第5,451,503号、Hoganら;米国特許第5,849,481号、Urdeaら)。増幅生成物と特異的に会合する直接又は間接標識プローブは、試料中に標的核酸が存在することを指示する検出可能な信号を発する。例えば、標的核酸が指標腸球菌23SrRNAである場合、増幅生成物は指標腸球菌23SrRNA中の標的配列又はそれに相補的な配列を含み、プローブは増幅生成物に含まれる配列に直接又は間接的に結合して、被験試料中に指標腸球菌が存在することの指標となる。
[0029]相補的な増幅配列にハイブリダイズするプローブの好ましい態様は、DNAオリゴマー若しくはRNAオリゴマー又はDNAヌクレオチドとRNAヌクレオチドの組合わせを含むオリゴマー又は主鎖が修飾されて合成されたオリゴマー、例えば1以上の2’−メトキシ置換リボヌクレオチドを含むオリゴマーであってもよい。増幅した指標腸球菌rRNA配列の検出に用いるプローブは、標識されておらず間接的に(例えば、検出される他の結合パートナーがプローブ上のある部分に結合することにより)検出されてもよく、あるいは検出可能な多様な標識で標識されていてもよい。好ましい態様の標識には、検出可能な光信号を発する化合物、例えば均一混合物中で検出しうる発蛍光団又は発光性化合物が含まれる。1より多い標識及び1より多いタイプの標識が特定のプローブ上に存在してもよく、あるいは検出は各プローブが検出可能な信号を発する化合物で標識されたプローブ混合物の使用によってもよい(例えば米国特許第6,180,340号及び第6,350,579号、Nelson)。共有結合、キレート形成及びイオン性相互作用を含む多様な手段で標識をプローブに結合させることができるが、好ましくは標識を共有結合させる。プローブは、分子内結合により保持された構造を実質的に形成していない線状オリゴマー又は分子内ハイブリダイゼーションにより一般にヘアピンという構造を形成したオリゴマーであってもよい。好ましい態様の線状オリゴマーは、標識として一般に化学発光性化合物、好ましくはAE化合物を含む。
[0030]ヘアピンプローブは、好ましくは多様な異なるタイプのいずれかの相互作用性標識で標識され、一方の相互作用メンバーは通常はヘアピンプローブの5’末端に結合し、他方の相互作用メンバーは通常はヘアピンプローブの3’末端に結合している。一般にレポーター色素及び消光体ということができる相互作用メンバーとしては、発光体/消光体対、発光体/付加物対、フェルスター(Foerster)若しくは接触エネルギー伝達対又は色素二量体があげられる。発光体/消光体対は、1以上の発光性標識、例えば化学発光性又は蛍光性の標識と、1以上の消光体から構成することができる。好ましい態様では、特定の波長又は範囲の光を吸収し、他の発光波長又は範囲の光を発する蛍光標識(「F」)でヘアピンプローブの一端を標識し、他端を消光体(「Q」)で標識する;Qは、発蛍光団と近接している際には、励起されたFから発せられる信号を部分的又は完全に減衰させる。そのようなヘアピンプローブを蛍光体/消光体(F/Q)対で標識されたということができる。発蛍光団は周知の化合物であり、例えばアクリジン、フルオレセイン、スルホローダミン101、ローダミン、5−(2’−アミノエチル)アミノアフタリン−1−スルホン酸(EDANS)、テキサスレッド、エオシン、ボディピイ(Bodipy)及びルシファーイエローがあげられる(Tyagi et al., Nature Biotechnology 16: 49-53, 1998)。消光体も周知であり、例えば4−(4’−ジメチル−アミノ−フェニルアキソ)安息香酸(DABCYL)、タリウム、セシウム及びp−キシレン−ビス−ピリジニウムブロミドがあげられる。種々のF/Q組合わせが周知であり、多くの組合わせを互いに機能させることができる;例えばDABCYLとフルオレセイン、ローダミン又はEDANSである。ヘアピンプローブ用標識の他の組合わせとしては、レポーター色素、例えばFAM(商標)、TET(商標)、JOE(商標)、VIC(商標)を、消光体、例えばTAMRA(商標)又は非蛍光性消光体との組み合わせがあげられる。
[0031]好ましい態様のヘアピンプローブは「分子トーチ」であり、これは試料中に標的指標腸球菌配列が存在するかの指標となる増幅生成物を増幅工程後に検出する。分子トーチは以下の:(1)標的配列が存在する場合にそれにハイブリダイズして「開放」構造を生じる標的検出手段;(2)標的配列が存在しない場合に標的検出手段にハイブリダイズして「閉鎖」構造を生じるトーチ閉鎖手段;及び(3)標的検出手段とトーチ閉鎖手段を連結する連結手段(例えば米国特許第6,849,412号、第6,835,542号、第6,534,274号及び第6,361,945号、Beckerら;それらの詳細を本明細書に援用する)があげられる。開放構造のトーチは増幅した標的配列が存在することを指示する検出可能な信号を発し、一方、閉鎖構造のトーチは開放構造のものと識別できる量の信号を発する。他の好ましいヘアピンプローブ態様は「分子ビーコン」であり、これはヘアピン配列の一方のアーム上に標識、他方のアーム上に消光体及び当該2のアームを連結するループ領域を含む(米国特許第5,118,801号及び第5,312,728号、Lizardiら;それらの詳細を本明細書に援用する)。当該ヘアピンプローブを使用する方法は当技術分野で周知である。
[0032]核酸ポリメラーゼにより延長されるためのものではないオリゴマーとしては、好ましくは増幅反応中におけるオリゴマーの酵素介在延長を阻止するために3’OHを置換する遮断基があげられる。例えば、増幅に際して存在する遮断された増幅オリゴマー及び/又は検出プローブは、好ましくは機能性3’OHをもたず、代わりに3’末端又はその付近に位置する1以上の遮断基を含む。3’末端付近にある遮断基は、好ましくは3’末端の5残基以内にあり、その大きさはポリメラーゼがオリゴマーに結合するのを制限するのに十分である;他の好ましい態様としては、3’末端に共有結合した遮断基があげられる。3’末端を遮断するために、多種多様な化学基、例えばアルキル基、非ヌクレオチドリンカー、アルカン−ジオールジデオキシヌクレオチド残基及びコルジセピン(cordycepin)を使用できる。
[0033]指標腸球菌配列を検出するための好ましい方法には、ヘアピンプローブ、例えば分子トーチ又は分子ビーコンを用いる転写関連増幅を使用する;プローブを増幅前に添加しておき、他の試薬を添加せずに検出を実施できるからである。増幅した標的配列にプローブが早期に結合するのを阻止するために、例えばヘアピンプローブのハイブリダイズしたアーム(例えば、分子トーチの標的結合ドメイン:標的閉鎖ドメイン複合体)の融解温度(T)が増幅反応温度より高くなるようにプローブを設計することができる。増幅期間後に混合物を加熱し、トーチプローブのアームを開放して標的結合ドメインが増幅生成物中のその標的配列にハイブリダイズできるようにする。次いで溶液を冷却して増幅生成物に結合していないプローブを閉鎖することにより標識/消光体(例えば、F/Q)対が閉鎖して、増幅した標的配列にハイブリダイズしているプローブからの信号を均一様式で検出することができる。例えば、F/Q標識ヘアピンプローブについては、混合物を適当な励起光で照射し、発生する信号を測定する。
[0034]他の態様では、増幅中に増幅生成物がプローブの標的結合ドメインに優先的にハイブリダイズするようにヘアピン検出プローブを設計すると、増幅の進行に伴ってヘアピンがその「開放」構造に変化し、増幅反応混合物を増幅反応中に間隔をおいて照射して、開放プローブから発生する信号を増幅中にリアルタイムで検出する。
[0035]指標腸球菌配列の増幅及び検出のための試料の調製には、試料に含有する有機体を他の試料成分から分離及び/又は濃縮する方法、例えば空気、水その他のタイプの試料から粒状物質を濾過することが含まれる場合がある。試料の調製には、細胞を破壊し、又は細菌を溶解して、指標腸球菌23SrRNA又は23SrRNAをコードする遺伝子を含む細胞内容物を放出させるルーチンの方法が含まれる場合もある。増幅前の試料の調製は、場合によりさらに標的核酸を他の試料成分から特異的又は非特異的に分離するための標的捕捉工程を含んでもよい。非特異的な標的調製法は、実質的に水性の混合物から核酸を選択的に沈殿させること、核酸を支持体に付着させ、支持体を洗浄して他の試料成分を除去すること、又は指標腸球菌核酸及び他の試料成分を含有する混合物から核酸を物理的に分離する他の手段を伴う場合がある。
[0036]好ましい態様では、指標腸球菌標的配列に特異的な捕捉オリゴマーに指標腸球菌核酸を特異的にハイブリダイズさせて標的配列:捕捉プローブ複合体を形成し、これを試料成分から分離することにより、指標腸球菌rRNA又はrRNAをコードする遺伝子を他の試料成分から選択的に分離する。特異的な標的捕捉の好ましい方法では、上記のように、指標腸球菌標的:捕捉プローブ複合体を固定化プローブに結合させて、標的:捕捉プローブ:固定化プローブ複合体を形成し、これを試料から分離し、場合により洗浄して非標的試料成分を除去する((米国特許第6,110,678号、第6,280,952号及び第6,534,273号、Weisburgら;それらの詳細を本明細書に援用する)。要約すると、捕捉プローブオリゴマーは、23SrRNA中又は23SrRNAをコードする遺伝子中の指標腸球菌標的配列に特異的に結合する配列を含み、かつ捕捉プローブをその標的配列が結合した状態で固体支持体に付着させる特異的結合パートナーをも含み、その結果、標的配列を試料成分から分離するのが容易になる。好ましい態様では、捕捉プローブの特異的結合パートナーは、指標腸球菌標的配列に対しては相補的でなく、固体支持体に結合している固定化プローブ上の相補配列にハイブリダイズする、3’「テール」配列である。テール領域にはいかなる配列も使用でき、長さは一般に約5〜50ntであり、好ましい態様には、固体支持体、例えばマトリックス又は粒子に結合した相補的な固定化配列(例えばポリ−T)に結合する約10〜40ntの実質的にホモポリマー状のテール(例えばA10〜A40)、より好ましくは約14〜33ntのもの(例えばA14〜A30又はT14〜T30)が含まれる。標的捕捉は、通常はテール配列:固定化プローブ配列二重体のTより高い温度のハイブリダイゼーション条件下で指標腸球菌rRNA又は遺伝子の標的配列に特異的にハイブリダイズする1以上の捕捉オリゴマーを含有する溶液相混合物中で行なうことが好ましい。次いで捕捉プローブテールが固定化プローブにハイブリダイズするようにハイブリダイゼーション条件を調整して、指標腸球菌標的:捕捉プローブ複合体を捕捉し、次いで固体支持体上の複合体全体を他の試料成分から分離する。固定化プローブ:捕捉プローブ:指標腸球菌標的配列が付着した支持体を1回以上洗浄して、他の試料成分をさらに除去することができる。好ましい態様には粒状固体支持体、例えば常磁性ビーズを使用し、したがって指標腸球菌標的:捕捉プローブ:固定化プローブの複合体が付着した粒子を洗浄溶液に懸濁し、洗浄溶液から好ましくは磁気引力により回収することができる。腸球菌標的核酸は、複合体を水、低イオン強度の緩衝液、カオトロピック種を含有する緩衝液中で解離させて及び/又は熱をかけて、溶離する。あるいは、操作工程の数を制限するために、支持体上の複合体中の指標腸球菌標的配列を増幅オリゴマーと単に混合して増幅工程を進めることにより、指標腸球菌標的核酸を増幅させてもよい。
[0037]指標腸球菌核酸を検出するためのアッセイ法は、場合により指標腸球菌ではない内部対照(IC)核酸を含んでもよく、IC配列に特異的な増幅オリゴマー及び検出オリゴマーを用いて、同一のアッセイ反応混合物中で増幅及び検出される。増幅され、そしてこの増幅されたIC配列からの信号が検出されると、目的標的である指標腸球菌核酸について信号が得られない場合に(例えば指標腸球について陰性を示す試料)、当該アッセイにおいてアッセイ試薬、条件及びアッセイ工程の操作が適正に使用されたことが証明される。定量的な結果を獲得したい場合、ICをアッセイの内部検量物質として使用できる;すなわち、ICの増幅及び検出から得られる信号を利用して、増幅した指標腸球菌標的配列について得た信号に基づいて試料中の指標腸球菌核酸量を定量するためのアルゴリズムに使用するパラメーターを設定する。好ましいICの態様は、天然源に由来するランダム化配列である(例えばランダムに再配列したHIV配列)。好ましいICは、天然源から単離したRNA転写体又は例えばクローニングしたランダム化配列から転写体を作製してインビトロ合成してもよく、これによりアッセイに含まれるICのコピー数を正確に測定できる。IC標的配列に対するプライマー及びプローブは、いずれか周知の方法を用いて設計及び合成される;ただし、当該プライマー及びプローブは、IC標的配列の増幅及び増幅したIC配列の検出について、指標腸球菌標的配列の増幅及び検出に用いるものと実質的に同じアッセイ条件で機能する。標的捕捉に基づく精製工程を含む好ましい態様では、アッセイでIC標的に特異的な標的捕捉プローブを標的捕捉工程に含有させることが好ましく、したがってICはアッセイに際してすべてのアッセイ工程で、目的とする指標腸球菌被分析体と同様に処理される。
[0038]あるいは、精製又は合成した既知量の腸球菌核酸を試料と同様に増幅及び検出することにより、定量的結果を得ることができる。好ましくは、既知試料と未知試料を同時に処理する。この方法で、既知試料の測定応答を既知量のものと比較して定量的結果を得ることができる。他の側面では、既知量の腸球菌に対する当該方法の応答を測定することにより当該方法を「検量」することにより、定量的結果を得ることができる。
[0039]指標腸球菌の23SrRNA配列(23SrRNA及び23SrRNAをコードする遺伝子を含む)中にある配列を増幅及び検出するために、既知の23SrRNA配列又は23SrRNAをコードする遺伝子配列を比較し、指標腸球菌単離株に共通するが、好ましくは指標ではない腸球菌又は他の細菌の23SrRNA配列と完全には共通でない配列を選択して、増幅オリゴマー及び検出プローブとして作用するオリゴマーを設計した。腸球菌種(エンテロコッカス・アビウム、エンテロコッカス・マロドラタス、エンテロコッカス・シュードアビウム、エンテロコッカス・ラフィノーサス、エンテロコッカス・サッカロリティカス、エンテロコッカス・フェカーリス、エンテロコッカス・フェシウム、エンテロコッカス・カセリフラブス、エンテロコッカス・ガリナルム、エンテロコッカス・ムンチイ、エンテロコッカス・ディスパル、エンテロコッカス・デュランス、エンテロコッカス・ハイレ、エンテロコッカス・アシニ(E asini)、エンテロコッカス・セコルム(E cecorum)、エンテロコッカス・スルフレウス(E sulfureus)及びエンテロコッカス・コロンベ)及び他の細菌種(乳酸杆菌(Lacfococcus lactis)、リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)、スタフィロコッカス・エピデルミディス(Staphylococcus epidermidis)及びストレプトコッカス・ボビス(Streptococcus bovis))の既知の23SrRNA配列(rRNA又は遺伝子)を用いて、配列比較を実施した。特異的配列を選択し、インビトロで合成し、標準実験法を用いて当該オリゴヌクレオチドのT及び指標腸球菌オリゴマーと相補的標的配列(合成した又は細菌から精製したrRNA配列)のハイブリダイゼーション特性を測定して、そのオリゴマーを特性分析した。次いで、合成23SRNA標的配列又は培養増殖させた多様な指標腸球菌から精製した236SrRNAを用いる増幅反応について種々の組み合わせの増幅オリゴマー(表1)を作製して増幅反応を実施し、選択したオリゴマー配列をさらに試験して、23SrRNA標的配列の増幅効率を判定した。一般に、標識プローブ(表2)を増幅生成物に結合させて増幅生成物の生成量を指示する信号の相対量を検出して増幅反応の増幅生成物を検出することにより、種々の組み合わせのオリゴマーの相対効率をモニターした。
[0040]指標腸球菌23SrRNA配列に対する増幅オリゴマーの態様としては、表1に示すものがあげられる。増幅オリゴマーとしては、プライマー、プロモーター−プライマー及びプロモーター−プロバイダーオリゴマーとして機能しうるものがあげられ、プロモーター配列を表1に小文字で示す。ある態様は、表1に示すプロモーター−プライマー又はプロモーター−プロバイダーオリゴマーの標的特異的配列であり、これらを場合により既知のいずれかのプロモーター配列の3’末端に結合させることができる。バクテリオファージT7のRNAポリメラーゼに対して特異的なプロモーター配列の例は、配列番号49である(AATTTAATACGACTCACTATAGGGAGA)。増幅オリゴマーの態様は、DNA塩基とRNA塩基の混合物又は主鎖連結RNA塩基に対する2’メトキシ結合を含んでもよい。増幅オリゴマーの態様は、オリゴマーを単一プライマー型の転写関連増幅反応に使用するのに最適なものにするため、すなわち遮断分子又はプロモーター−プロバイダーオリゴマーとして機能させるために、3’遮断オリゴマーの合成により修飾されてもよい。3’遮断オリゴマーの好ましい態様としては、3’末端付近又は3’末端に遮断されたCを含む、配列番号32、34、36、38及び40のオリゴマーがあげられる。
Figure 0005154548
[0041]23SrRNA配列又は23SrRNAをコードする遺伝子の増幅生成物に対する検出プローブオリゴマーの態様を表2に示す。好ましい態様の検出プローブは、プローブ配列の分子内ハイブリダイゼーションによりヘアピン構造を形成しうるオリゴマーであり、表2の配列番号11、13、15、17、19、21、23及び25のオリゴマーが含まれ、分子内ハイブリダイゼーション配列を小文字で示す。ヘアピンプローブオリゴマーの態様は、蛍光標識を配列の一端に結合させ、消光体化合物を配列の他端に結合させた状態で合成された。ヘアピンプローブの態様は、5’側発蛍光団と3’側消光体、例えば5’側フルオレセイン標識と3’側DABCYL消光体で標識することができる。ある態様のヘアピンオリゴマーは、配列内の選択した位置に非ヌクレオチドリンカー部分をも含む。そのような態様の例としては、配列番号42の残基17と18の間、配列番号44の残基16と17の間、配列番号46の残基17と18の間及び配列番号48の残基14と15の間に非塩基9−炭素(「C9」)リンカーを含むものがあげられる。
Figure 0005154548
[0042]指標腸球菌23SrRNA標的核酸を他の試料成分から分離するための試料調製に用いる捕捉プローブオリゴマーの態様としては、
Figure 0005154548
の標的特異的配列を含むものがあげられる。捕捉プローブの好ましい態様としては、標的特異的配列に共有結合した結合パートナーとして作用する3’テール領域があげられ、結合パートナーは、標的核酸と捕捉プローブからなるハイブリダイゼーション複合体を、支持体上の固定化プローブに結合させる。配列番号50、51及び52の標的特異的配列を含む捕捉プローブの好ましい態様は、実質的にホモポリマー配列、例えばdT30ポリマーからなる3’テール領域をさらに含む。
[0043]本明細書中の実施例に記載する標的捕捉、増幅及び検出の工程に用いる試薬には、一般に下記のうち1以上が含まれる:試料輸送溶液:15mMの一塩基性リン酸ナトリウム、15mMの二塩基性リン酸ナトリウム、1mMのEDTA、1mMのEGTA及び3%(w/v)のラウリル硫酸リチウム(LLS)を含有、pH6.7。細胞溶解試薬1:2.61mMのコハク酸、0.104%(v/v)のTRITON(商標)X−100、2.5%(w/v)のソルビトール、2mg/mLのリゾチーム、125U/mLのムタノリシン(mutanolysin)を含有、pH5.0。細胞溶解試薬2:0.2MのTrizma塩基、1.0MのLiCl、20mMのEDTA、2%(w/v)のLLSを含有、pH7.5。標的捕捉試薬:3.9mMのHEPES、1.25%(w/v)のマンニトール、0.3%(w/v)のトレハロース、0.06%(v/v)のTRITON X−10 0、1mg/mLの常磁性粒子(0.7〜1.05μの粒子、SERA−MAG(商標)MG-CM、Seradyn, Inc.、インディアナ州インディアナポリス)に(dT)14オリゴマーが共有結合したもの及び0.01μMの配列番号51を含有、pH7.7。洗浄用緩衝液:(標的捕捉に使用)10mMのTrizma塩基、0.15MのLiCl、1mMのEDTA及び3.67mMのLLSを含有、pH7.5。増幅試薬は、他の反応成分(例えば試料又は検体希釈用成分)と混合して混合物を調製するための、下記を含有する濃厚混合物であった:47.6mMのNa−HEPES、12.5mMのN−アセチル−L−システイン、2.5%のTRITONX−100、54.8mMのKCl、23mMのMgCl、3mMのNaOH、0.35mMの各dNTP(dATP、dCTP、dGTP、dTTP)、7.06mMのrATP、1.35mMのrCTP、1.35mMのUTP、8.85mMのrGTP、0.26mMのNaEDTA、5%(v/v)のグリセロール、2.9%のトレハロース、0.225%のエタノール、0.075%のメチルパラベン、0.015%のプロピルパラベン及び0.002%のフェノールレッド、pH7.5−7.6。増幅オリゴマー(プライマー、プロモーター−プライマー、遮断オリゴマー又はプロモーター−プロバイダーオリゴマー)及び場合によりプローブは、増幅試薬中又は別個に、反応混合物に添加することができる。酵素は、TMA反応混合物に、反応当たり約90U/μLのMMLV逆転写酵素(RT)及び約20U/μLのT7 RNAポリメラーゼで添加された(1UのRTが37℃で200〜400μMのオリゴdT−プライムドポリA鋳型を用いて1nmolのdTTPを10分で取り込み、1UのT7 RNAポリメラーゼが37℃でDNA鋳型中のT7プロモーターを用いて1nmolのATPをRNA中に1時間で取り込む)。試薬の添加及び混合の工程はすべて手動で又は手動工程と自動化工程の組合わせ又は完全自動化システムにより実施できる。転写介在増幅(TMA)を使用する増幅法は、実質的に米国特許第5,399,491号及び第5,554,516号(Kacianら)に既に詳細に開示された方法を用い、これを本明細書に援用する。単一プライマー型の転写関連増幅を使用する増幅法は、実質的に米国出願公開第2006−0046265号に既に詳細に開示された方法を用いる;その詳細を本明細書に援用する。ヘアピンプローブの使用方法は周知であり、米国特許第6,849,412号、第6,835,542号、第6,534,274号及び第6,361,945号に既に詳細に開示されたものが含まれる;それらの詳細を本明細書に援用する。
[0044]試料が約100コピーの23SrRNA標的配列を含有する場合、当該増幅オリゴマー及び検出プローブの多様な組合わせを用いて、指標腸球菌23SrRNA配列が特異的に検出された。以下の実施例は指標腸球菌23SrRNA標的配列を検出するための本発明の若干の態様を示す。
実施例1:検出プローブオリゴマーの特性分析
[0045]本実施例は、検出プローブオリゴマーのT及び相補的標的配列とのハイブリダイゼーション特性の測定による、検出プローブオリゴマーの特性分析を示す。標準実験方法に従い、2’−OMeヌクレオチド類似体を用いて分子ビーコンを合成した。分子ビーコン(反応当たり10pmol)のハイブリダイゼーション反応物(0.100mLの全容量、20mM MgClTRIS−緩衝液中)を、合成RNA標的(反応当たり30pmolの配列番号53(CAUCAUUCUCAAUUCCGAGGC))の不存在下又は存在下に、6O℃で10分間、次いで42℃で60分間インキュベートし、30秒毎に42℃で99サイクルの間、Rotor−Gene2000計測器により蛍光を相対蛍光単位(RFU)で測定した。終了後、反応温度を42℃から99℃まで、各段階で15秒間保持しながら1℃ずつ高め、生じたRFUを測定し、Rotor−Gene2000計測器が備えるデータ分析ソフトウェアを用いて分子ビーコンのTを判定した。合成RNA標的の存在下で測定したエンドポイントRFUを合成RNA標的の不存在下で測定したエンドポイントRFUで割ったものから、平均シグナル/ノイズ(S/N)比を計算した;
Figure 0005154548
当該結果により、合成RNA標的の不存在下では安定な分子ビーコン幹構造が形成され、このためこれより低い温度で分子ビーコンの非特異的開放が防止され、合成RNA標的の存在下では実験条件下で分子ビーコンの安定なハイブリッドが形成されることが証明された。
実施例2:転写介在増幅及び検出
[0046]本実施例は、増幅生成物をリアルタイムで検出する、指標腸球菌標的核酸の増幅及び検出アッセイを示す。増幅反応は、前記の若干の増幅オリゴマー態様を用いる、以前に詳述された方法による転写介在増幅であった(米国特許第5,399,491号及び第5,554,516号、Kacianら;それらの詳細を本明細書に援用する)。各アッセイを、標的RNA及び実質的に上記の増幅試薬を含有する増幅反応で(全容量0.015mL)、プロモーター−プロバイダーオリゴマー(反応当たり3pmol)、プライマーオリゴマー(反応当たり3pmol)及び分子ビーコン(反応当たり3pmol)を用いて実施した。増幅オリゴマー、標的及び増幅試薬を含有するが酵素を含有しない反応混合物を蒸発防止のために覆い、6O℃で10分間、次いで42℃で2分間インキュベートした。次いで酵素(5μLの容量)を添加し、反応物を混合し、42℃でインキュベートし、酵素添加後、増幅反応期間中30秒毎に60サイクルで、蛍光を測定した;
Figure 0005154548
Figure 0005154548
Figure 0005154548
ND=検出されなかった;
上記の実験結果により、多様な増幅及び検出プローブオリゴマー組合わせを用いた100コピーの感度が証明された。
実施例3:単一プライマー型の転写介在増幅及び検出
[0047]本実施例は、増幅生成物をリアルタイムで検出する、指標腸球菌標的核酸の増幅及び検出アッセイを示す。増幅反応は、前記の若干の増幅オリゴマー態様を用いる、先に詳述された方法による単一プライマー型の転写介在増幅であった(米国出願公開第2006−0046265;その詳細を本明細書に援用する)。各アッセイは、標的RNA及び実質的に上記の増幅試薬を含有する増幅反応で(全容量0.040mL)、プロモーター−プロバイダーオリゴマー(反応当たり12pmol)、プライマーオリゴマー(反応当たり12pmol)、遮断オリゴマー(反応当たり0.8pmol)及び分子トーチ(反応当たり6pmol)を用いて実施された。プロモーター−プロバイダー配列番号32及び34は下記の遮断オリゴマーに相当する:
Figure 0005154548
プロモーター−プロバイダー配列番号38は下記の遮断オリゴマーに相当する:
Figure 0005154548
プロモーター−プロバイダー配列番号40は下記の遮断オリゴマーに相当する:
Figure 0005154548
増幅オリゴマー、標的及び増幅試薬を含有するが酵素を含有しない反応混合物を蒸発防止のために覆い、6O℃で10分間、次いで42℃で5分間、インキュベートした。次いで酵素(10μLの容量)を添加し、反応物を混合し、42℃で5分間インキュベートし、酵素添加後、増幅反応期間中30秒毎に蛍光を測定した;
Figure 0005154548
ND=検出されなかった;
本アッセイの結果により、プライマーオリゴマーとしての配列番号28よりはるかに良好な性能の配列番号26について10,000コピーでの感度が証明された;
Figure 0005154548
ND=検出されなかった;
本アッセイの結果により、分子トーチとしての配列番号48より極めて性能に優れる配列番号44について1000コピーでの感度が証明された。配列番号48は開放できなかった;
Figure 0005154548
ND=検出されなかった;
本アッセイの結果により、プライマー−プロバイダーオリゴマーとしての配列番号36又は配列番号40より極めて性能に優れる配列番号32について1000コピーでの感度が証明された;
Figure 0005154548
ND=検出されなかった;
=低レベルの汚染の結果;
本アッセイの結果により、分子トーチとしての配列番号42又は配列番号44より極めて性能に優れる配列番号46について1000コピーでの感度が証明された;
Figure 0005154548
本アッセイの結果により、プライマーオリゴマーとしての配列番号29より極めて性能に優れる配列番号26及び30について1000コピーの感度が証明された;
[0048]まとめると、これらのアッセイの結果により、指標腸球菌23SrRNA標的のリアルタイム検出について配列番号30、32及び46の好ましい組合わせが証明された。
実施例4:特異性及び交差反応性
[0049]本実施例は、指標腸球菌標的核酸に対する本明細書に記載した増幅及び検出アッセイ法の特異性を証明する。増幅反応は以前詳述された方法を用いるリアルタイム単一プライマー型の転写介在増幅であり(米国出願公開第2006−0046265号;その詳細を本明細書に援用する)、下記のオリゴマー組合わせを用いた:配列番号30(反応当たり6pmol);配列番号32(反応当たり12pmol);配列番号46(反応当たり6pmol);及び配列番号54(反応当たり0.5pmol)。選択した腸球菌及び非腸球菌生物の少なくとも10CFUの試料溶液を、100mLの無菌塩類溶液中に調製した。試料をメンブレン(0.45μm)により濾過し、ポリビニルピロリドン(50mL、3%w/v)で洗浄した。保持された細菌を、実質的に上記の溶解試薬(各1mL)により、試薬添加間に37℃で10分間インキュベートしながら溶解した。得られた溶解物(1mL)から、実質的に上記の標的捕捉試薬(50μL)の添加、60℃で5分間のインキュベーション、室温で10分間の冷却、実質的に上記の洗浄溶液(1mL、0.5mL、0.1mL)による連続洗浄、続いてヌクレアーゼ非含有水(60μL)による磁性粒子からの溶離により、放出された指標腸球菌23SrRNAを単離した。次いで、指標腸球菌23SrRNA(10μL)を、実質的に上記の増幅試薬を用いる増幅反応で(全容量0.04mL)、ただしグリセロール、EDTA及びN−アセチル−L−システインを除外し;塩化マグネシウム濃度を23mMから30mMに高めるように変更してアッセイした。増幅オリゴマー、標的及び増幅試薬を含有するが酵素を含有しない反応混合物を蒸発防止のために覆い、6O℃で10分間、次いで42℃で5分間、インキュベートした。次いで酵素(10μL)を添加し、反応物を混合し、42℃でインキュベートし、酵素添加後、増幅反応期間中30秒毎に35分間、蛍光を測定した;
Figure 0005154548
Figure 0005154548
Carnobacterium piscicola;カルノバクテリウム・ピシコーラ
Lactobacillus casei:ラクトバシラス・カゼイ
Lactobacillus ruminis;ラクトバシラス・ルミニス
Lactobacillus lactis;乳酸杆菌
Listeria monocytogenes;リステリア・モノサイトゲネス
Streptococcus salivarius;唾液連鎖球菌
Streptococcus uberis;ストレプトコッカス・ウベリス
同様に、10CFUのストレプトコッカス・ボビスを10及び10CFUのエンテロコッカス・フェカーリスと比較した。エンテロコッカス・フェカーリスの平均出現時間は各々23.12分及び57.30分を示したのに対し、ストレプトコッカス・ボビスは検出されなかった。栄養寒天上で増殖させた同様なサイズのエンテロコッカス・フェカーリス、エロコッカス−ビリダンス(Aerococcus viridans)、ラルストニア・ピッケッチイ(Ralsfonia pickettii)及びスタフィロコッカス・エピデルミディスのコロニーを同様に比較した。エンテロコッカス・フェカーリスの平均出現時間は19.15分を示したのに対し、他の生物は検出されなかった。
[0050]まとめると、これらの結果は、エンテロコッカス・アビウム、エンテロコッカス・マロドラタス、エンテロコッカス・シュードアビウム、エンテロコッカス・ラフィノーサス、エンテロコッカス・サッカロリティカス及びエンテロコッカス・ディスパルを検出することなく、エンテロコッカス・フェカーリス、エンテロコッカス・フェシウム、エンテロコッカス・カセリフラブス、エンテロコッカス・ガリナルム、エンテロコッカス・ムンチイ、エンテロコッカス・デュランス、エンテロコッカス・ハイレ及びエンテロコッカス・コロンベに対する特異性を証明する。ラクトバシラス・ルミニス、乳酸杆菌、唾液連鎖球菌及びストレプトコッカス・ウベリスについては若干の交差反応性がみられたが、当該微生物は、異常に高い濃度で存在しない限り、リクリエーション用水試料における指標腸球菌の増幅及び検出を妨害しないはずである。
実施例5:標的及び内部対照の単一プライマー型転写介在増幅及び検出
[0051]本実施例は、指標腸球菌標的核酸及び非腸球菌内部対照(IC)の増幅及び検出アッセイを示す。本実施例は、非特異的増幅という欠陥を検出するのに非腸球菌IC核酸が有効であることをも証明する。増幅反応は、以前に詳述された方法を用いるリアルタイム単一プライマー型転写介在増幅であり(米国出願公開第2006−0046265号;その詳細を本明細書に援用する)、下記のオリゴマー組合わせを用いた:配列番号30(反応当たり6pmol);配列番号32(反応当たり12pmol);配列番号46(反応当たり6pmol);及び配列番号54(反応当たり0.5pmol)。指標腸球菌標的核酸及び非腸球菌IC核酸(各500pg、最終容量10μL中)を、実質的に実施例4に記載した増幅試薬を用いる増幅反応で(全容量0.04mL)、ただし増幅を阻害することが知られている種々の割合の過剰の洗浄溶液を添加してアッセイした。増幅オリゴマー、標的、IC及び増幅試薬を含有するが酵素を含有しない反応混合物を蒸発防止のために覆い、6O℃で10分間インキュベートし、2℃に冷却した。次いで酵素(10μL)を添加し、反応物を混合し、42℃でインキュベートし、酵素添加後、増幅反応期間中30秒毎に35分間、蛍光を測定した。
Figure 0005154548
実施例6:自動標的捕捉
[0052]本実施例は、市販の自動プラットフォームKingFisher96(Thermo Scientificから)を、後続の増幅及び検出のために指標腸球菌標的核酸及び非腸球菌内部対照(IC)核酸の捕捉に使用することを示す。既知数の指標腸球菌を含有する試料溶液を、100mLの無菌塩類溶液中に調製した。試料をメンブレン(0.45μm)により濾過し、ポリビニルピロリドン(50mL、3%w/v)で洗浄した。保持された細菌を、実質的に上記の溶解試薬(各1mL)で試薬添加間に37℃で10分間インキュベートしながら溶解した。放出された指標腸球菌23SrRNAの処理試料(1mL)を、次いで深型96穴マイクロタイタープレートに移し、これに実質的に上記の標的捕捉試薬(50μL)を62.5pgの非腸球菌IC核酸と共に添加した。プレートを60℃に5分間加熱し、室温で10分間冷却し、粒子を捕捉し、実質的に上記の洗浄溶液で2回の連続洗浄を行ない、続いてヌクレアーゼを含有しない水(60μL)で核酸を磁性粒子から溶離するようにプログラミングしたKingFisher96に、得られた混合物を装填した。次いで各溶出液の一部(10μL)を、実質的に上記の増幅及び検出アッセイに使用した。
Figure 0005154548

Claims (19)

  1. 試料中の腸球菌(Enterococcus)核酸を増幅及び検出するための方法であって、以下の:
    a)試料を、配列番号30からなる標的結合領域を含む第1増幅オリゴマー、配列番号31からなる標的結合領域を含む第2増幅オリゴマー及び配列番号45からなる標的結合領域を含む検出プローブオリゴマーと接触させる工程であって
    前記検出プローブオリゴマーの前記標的結合領域は、エンテロコッカス・フェカーリス、エンテロコッカス・フェシウム、エンテロコッカス・カセリフラブス、エンテロコッカス・ガリナルム、エンテロコッカス・ムンチイ、エンテロコッカス・デュランス、エンテロコッカス・ハイレ及びエンテロコッカス・コロンベ由来の核酸と検出可能なハイブリッドを形成することができ、
    前記検出プローブオリゴマーの前記標的結合領域は、エンテロコッカス・アビウム、エンテロコッカス・マロドラタス、エンテロコッカス・シュードアビウム、エンテロコッカス・ラフィノーサス、エンテロコッカス・サッカロリティカス及びエンテロコッカス・ディスパル由来の核酸と検出可能なハイブリッドを形成することができず、
    前記検出プローブオリゴマーは、エンテロコッカス・フェカーリス、エンテロコッカス・フェシウム、エンテロコッカス・カセリフラブス、エンテロコッカス・ガリナルム、エンテロコッカス・ムンチイ、エンテロコッカス・デュランス、エンテロコッカス・ハイレ及びエンテロコッカス・コロンベ由来の核酸と検出可能なハイブリッドを形成することができる他の標的結合領域を含まない;
    b)被験試料を腸球菌核酸の増幅に十分な条件に曝露する工程;並びに
    c)前記核酸が試料中に存在するかを判定する工程;
    を含む、前記方法。
  2. 検出プローブオリゴマーが、さらに少なくとも1つの非標的結合領域を含む、請求項1記載の方法。
  3. 検出プローブオリゴマーが、エンテロコッカス・フェカーリス、エンテロコッカス・フェシウム、エンテロコッカス・カセリフラブス、エンテロコッカス・ガリナルム、エンテロコッカス・ムンチイ、エンテロコッカス・デュランス、エンテロコッカス・ハイレ又はエンテロコッカス・コロンベ由来の核酸にハイブリダイズしない場合に互いにハイブリダイズする2つの非標的結合領域を含む、請求項2記載の方法。
  4. 検出プローブオリゴマーが、さらに検出可能な標識を含む、請求項1〜3いずれか1項記載の方法。
  5. 検出プローブオリゴマーが、発蛍光団及び消光体を含む、請求項4記載の方法。
  6. 第1増幅オリゴマーが、さらにプロモーター配列を含む、請求項1記載の方法。
  7. プロモーター配列が配列番号49からなる、請求項6記載の方法。
  8. 腸球菌(Enterococcus)核酸を増幅及び検出する前に試料から腸球菌核酸を分離する工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
  9. 捕捉オリゴマーを用いて試料から腸球菌核酸を分離する、請求項8記載の方法。
  10. 捕捉オリゴマーが配列番号50、51又は52を含む、請求項9記載の方法。
  11. 試料中の腸球菌核酸を増幅及び検出するためのキットであって、以下の:
    配列番号30からなる標的結合領域を含む第1増幅オリゴマー;
    配列番号31からなる標的結合領域を含む第2増幅オリゴマー;及び
    配列番号45からなる標的結合領域を含む検出プローブオリゴマー;
    を含み、ここで、
    前記検出プローブオリゴマーの前記標的結合領域は、エンテロコッカス・フェカーリス(E.faecalis)、エンテロコッカス・フェシウム(E.faecium)、エンテロコッカス・カセリフラブス(E.casseliflavus)、エンテロコッカス・ガリナルム(E.gallinarum)、エンテロコッカス・ムンチイ(E.mundtii)、エンテロコッカス・デュランス(E.durans)、エンテロコッカス・ハイレ(E.hirae)及びエンテロコッカス・コロンベ(E.columbae)由来の核酸と検出可能なハイブリッドを形成することができ;及び
    前記検出プローブオリゴマーの前記標的結合領域は、エンテロコッカス・アビウム(E.avium)、エンテロコッカス・マロドラタス(E.malodoratus)、エンテロコッカス・シュードアビウム(E.pseudoavium)、エンテロコッカス・ラフィノーサス(E.raffinosus)、エンテロコッカス・サッカロリティカス(E.saccharolyticus)及びエンテロコッカス・ディスパル(E.dispar)由来の核酸と検出可能なハイブリッドを形成することができず;並びに
    前記検出プローブオリゴマーは、エンテロコッカス・フェカーリス、エンテロコッカス・フェシウム、エンテロコッカス・カセリフラブス、エンテロコッカス・ガリナルム、エンテロコッカス・ムンチイ、エンテロコッカス・デュランス、エンテロコッカス・ハイレ及びエンテロコッカス・コロンベ由来の核酸と検出可能なハイブリッドを形成することができる他の標的結合領域を含まない;
    前記キット。
  12. 検出プローブオリゴマーが、さらに少なくとも1つの非標的結合領域を含む、請求項11記載のキット。
  13. 検出プローブオリゴマーが、エンテロコッカス・フェカーリス、エンテロコッカス・フェシウム、エンテロコッカス・カセリフラブス、エンテロコッカス・ガリナルム、エンテロコッカス・ムンチイ、エンテロコッカス・デュランス、エンテロコッカス・ハイレ又はエンテロコッカス・コロンベ由来の核酸にハイブリダイズしない場合に互いにハイブリダイズする2つの非標的結合領域を含む、請求項12記載のキット。
  14. 検出プローブオリゴマーが、さらに検出可能な標識を含む、請求項11〜13いずれか1項記載のキット。
  15. 検出プローブオリゴマーが、発蛍光団及び消光体を含む、請求項14記載のキット。
  16. 第1増幅オリゴマーが、さらにプロモーター配列を含む、請求項11記載のキット。
  17. プロモーター配列が配列番号49からなる、請求項16記載のキット。
  18. さらに捕捉オリゴマーを含む、請求項11記載のキット。
  19. 捕捉オリゴマーが配列番号50、51又は52を含む、請求項18記載のキット。
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