JP5153117B2 - 弾球遊技機用樹脂基盤 - Google Patents
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Description
しかしながら、このメタクリル樹脂製遊技盤にパチンコ釘を打ち込むと、釘周辺にミクロクラック(ヒビ割れ)に伴う割れが発生するという重大問題が発生する。
この場合の最大の問題として、温度上昇に伴うベース樹脂のメタクリル樹脂とアクリル系ゴムの屈折率の相違(ズレ)によって、透明メタクリル樹脂基盤が白濁するいわゆる、高温ヘーズの問題が発生する。この問題は、メタクリル樹脂基盤の厚み依存性が大きく、その厚みが厚くなる程ヘーズ値(曇価)が大きくなり、液晶画面が不鮮明かつ照度低下する。
そこで、透明樹脂積層シートを使用することにより、打った釘周辺に白化やクラックを発生させることなく、皮膜層の透明樹脂シート厚みを薄くさせ表面の白濁を低減させ、ベニア合板以上の釘の保持力及び耐久性を有することになれば、パチンコを始めとして、その他スロットマシーン等を含めての弾球遊技機一般用の樹脂基盤(以下、弾球遊技機樹脂基盤という。)として、産業上貢献すること大である。
[1]アクリル系ゴムからなる多層構造粒子を含むメタクリル樹脂からなる皮膜層及びポリカーボネート樹脂からなる基材層を貼り合せ又は共押出成形して得られた透明樹脂積層シートからなり、該皮膜層中のゴム成分のアセトン不溶部が15〜50重量%であり、上記皮膜層/上記基材層の厚み比が、1/50〜1/5であることを特徴とする弾球遊技機用樹脂基盤、
[2]皮膜層と基材層からなる透明樹脂積層シートが10mm厚である場合の該被膜層表面温度が50℃における高温ヘーズ値(曇価)が2%以下であることを特徴とする[1]に記載の弾球遊技機用樹脂基盤。、
[3]皮膜層と基材層からなる透明樹脂積層シートの合計厚みが、5〜15mmであることを特徴とする[1]又は[2]に記載の弾球遊技機用樹脂基盤、
である。
(1)メタクリル樹脂
本発明の皮膜層に用いるメタクリル樹脂は、アクリル系ゴムからなる多層構造粒子を含有する。
透明メタクリル樹脂としては、メタクリル酸メチル70〜100重量%と、これと共重合する単量体30〜0重量%とを(共)重合したものが好ましい。
重量平均分子量は80,000〜220,000が好ましく、さらに好ましくは90,000〜200,000である。
共重合できる単量体としては、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸2−エ
チルヘキシルなどのメタクリル酸エステル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸、アクリル酸、スチレン、無水マレイン等が挙げられる。
上記重合方法についても何ら限定されるものではなく、従来公知の方法が採用できる。
本発明に用いられるアクリル系ゴムからなる多層構造粒子(以下、アクリル系ゴム粒子、ということがある。)としては、中心硬質層、軟質層、最外硬質層からなる3層構造、更に軟質層と最外硬質層との間に中間硬質層を有する4層構造の多層構造を有するゴム粒子等、公知のアクリル系ゴム粒子が挙げられる。
例1(特公昭60−17406号公報):
「(A)メチルメタクリレート単独又はメチルメタクリレートとこれと共重合可能な単量体との混合物を乳化重合させて、25℃以上のガラス転移点をもつ、メチルメタクリレートを主体とした重合体の分散液を形成させる第一層形成工程、
(B)この生成物に、単独で重合させたときにガラス転移点が25℃以下の共重合体を形成する、アルキルアクリレートを主体とし、さらにこれと共重合可能な単量体及び多官能性架橋剤の少なくとも一方と、混合物全重量に基づき0.1〜5重量%の多官能グラフト剤を含有する混合物を加えて乳化重合させる第二層工程、及び
(C)この生成物に、単独で重合させたときに25℃以上のガラス転移点をもつ重合体を形成する、メチルメタクリレート又はこれを主体とする単量体混合物に連鎖移動剤を段階的に増加させ、多段階で乳化重合させる第三層形成工程から成る、第三層の分子量が内側から外側に向かって次第に小さくなっている多層構造アクリル系樹脂成形材料の製造方法。」によって得られるアクリル系ゴムからなる多層構造粒子。
「ポリマーの溶融開始温度が235℃以上であり、かつ、内層に単独で重合した場合のガラス転移温度Tgが25℃以下あるポリマーを含む少なくとも1層の軟質重合体層と、および最外層に単独で重合した場合にTgが50℃以上であるポリマーを含む硬質重合体層とを有するアクリル系多層構造ポリマーの乳化ラテックスを凝固して得られる凝固粉を含むアクリル系多層構造ポリマー粉体であって、乾燥後の凝固粉の粒径212μm以下の微粉の割合が40重量%であり、かつ、乾燥後の凝固粉の水銀圧入法で測定した孔径5μm以下の空隙体積が単位面積当たり0.7cc以下であるアクリル系多層構造体ポリマー粉体。」
「(a)メチルメタクリレート90〜99重量%、アルキル基の炭素数が1〜8のアルキルアクリレート1〜10重量%及び、これらと共重合可能なα,β−不飽和カルボン酸のアリル、メタリル、またはクロチルエステルから選ばれる少なくとも1種からなるグラフト結合性単量体0.01から0.3重量%からなる単量体混合物を重合して得られる最内硬質層重合体25〜45重量%、
(b)上記最内硬質層重合体存在下に、n−ブチルアクリレート70〜90重量%、スチレン10〜30重量%及びこれらと共重合可能なα,β−不飽和カルボン酸のアリル、メタリル、またはクロチルエステルから選ばれる少なくとも1種からなるグラフト結合性単量体1.5から3.0重量%からなる単量体混合物を重合して得られる軟質層重合体35〜45重量%、
(c)上記最内硬質層および軟質層からなる重合体の存在下に、メチルメタクリレート90〜99重量%、アルキル基の炭素数が1〜8である単量体混合物を重合して得られる最
外硬質層重合体20〜30重量%とからなり、
(d)軟質層重合体/(最内硬質層重合体+軟質層重合体)の重量比が0.45〜0.57であり、
(e)平均粒子径が0.2〜0.3μmである、多層構造アクリル系重合体であって、さらに当該多層構造アクリル系重合体をアセトンにより分別した場合に、
(f)グラフト率が20〜40重量%であり、
(g)当該アセトン不溶部の引っ張り弾性率が1000〜4000kg/cm2 、であることを特徴とする多層構造アクリル系重合体。」
本発明に用いるアクリル系ゴム粒子としては、三菱レイヨン株式会社製」「IR441(商品名)」等が挙げられる。
造粒されたアクリル系ゴム粒子を含むメタクリル樹脂のペレットの一部を精秤後の重量
(W1)、遠沈管に入れた後、アセトンを加えて溶解し、アセトン可溶部を除去する。真
空乾燥機にて溶媒を飛ばし冷却後、秤量した残留物をアセトン不溶部とする(W2)。
ゴム配合量とアセトン不溶部とは一致せず、同一サイズでもゴム粒子構造(最外硬質層:
アセトンに溶解)が異なると、得られる物性も異なるため、耐衝撃性に寄与するゴム分を
アセトン不溶部として定義した。
次式により、アセトン不溶部(重量%)(X)を算出する。
アセトン不溶部(X)=(W2/W1)×100
本発明のメタクリル樹脂中のアセトン不溶部は、光学特性(全光線透過率、高温ヘーズ
)、鉛筆硬度、釘打ち後(白化発生の有無、クラック発生の有無)等の観点から15〜5
0重量%である。15重量%以下では、シート表面に釘打ち時に打った周辺にクラックが
発生し、50重量%を超えるとアセトン不溶部(ゴム成分)が増えることによりシート表
面が傷つき易くなり、耐擦傷性(鉛筆硬度)劣り弾球遊技樹脂基盤としての性能が低下す
る。アセトン不溶部としてのさらに好ましくは20〜50重量%である。
造粒された透明メタクリル樹脂のペレットの一部を切出し、RuO4(ルテニウム酸)染色超薄切片法にて、染色されたゴム粒子断面の平均直径をゴム粒子の平均粒径とする。本発明のアクリル系ゴム粒子の平均粒径は、好ましく0.05〜0.25μmであり、より好ましくは0.10〜0.25μmであり、さらに好ましくは0.10〜0.23μmである。
粒径が0.05μm以上であると、基盤が割れにくく、又0.25μm以下であると、ある一定以上(アセトン不溶部が65重量%以上になる量)の量を添加した場合でも衝撃値と引張弾性率を維持できる。また、シートの温度上昇に伴う高温ヘーズが低いことから、アクリル系ゴム粒子の平均粒径は、上記、0.10〜0.23μmが最も望ましい。
ポリカーボネート樹脂としては、ビスフェノールAに代表される二価フェノール系化合物から誘導される重合体が用いられる。ポリカーボネート樹脂の製造方法は、特に限定されるものではなく、ホスゲン法、エステル交換法、固相重合法等、周知慣用の方法で製造されたものを使用することができる。
(6)透明樹脂積層シートの製造方法
本発明に用いられる弾球遊技機用透明樹脂積層シートの製法としては、各樹脂シートを貼り合せる熱接着、溶剤接着及び各々の樹脂を同時に押出しする共押出成形法による積層樹脂一体化等が挙げられる。
何れも採用出来るが、作業性及び効率化から共押出成形シート法が最も好ましい。
軸穴あけ機)によって加工する際、厚み5〜12mmのシートの場合に特に良好にパチン
コ釘(特に、真鍮製パチンコ釘)を打ち込むことができ、厚み15mmまでパチンコ釘の
釘打ち込みが可能である。このことから、本発明の透明積層樹脂シートは、ベニア板以上
の釘打ち加工性を有することが言える。
尚、パチンコ釘の材質としては、真鍮製、鉄製及びステンレス製等があるが、真鍮製が
最も好ましく、また真鍮製釘も捻子無し、捻子有りがある。
本発明に用いられる透明積層樹脂シートの板厚が10mm厚である場合のシート表面温度の50℃における高温ヘーズ(曇価)は、2%以下が好ましい。2%以下であれば目視にてシートの白濁が認められず、全光線透過率が向上すると同時に液晶表示全体が明るくなり見えやすくなる。
透明樹脂積層シートの厚みは、5〜15mmの範囲が好ましく、より好ましくは7〜12mmの範囲である。シート厚みが5mm以上になるとシート表面に釘抜き時の保持力が向上し、15mm以下になると基材層のポリカーボネート樹脂の全光線透過率向上により、液晶表示全体が明るく見えやすくなる。
特性試験項目としては、透明積層樹脂シートの皮膜層のゴム成分を把握するためのアセトン不溶部、アクリル系ゴム粒子の平均粒径、各積層樹脂構成厚み、これに加えて、光学特性〔全光線透過率、高温ヘーズ(曇価)〕、鉛筆硬度及び、釘打ち後(白化発生の有無、クラック発生の有無)について比較評価を実施した。
透明メタクリル樹脂とアクリル系ゴムからなる多層構造粒子を配合するメタクリル樹脂
を造粒したペレットを一昼夜(約80℃、約12時間以上)乾燥後、約1.00g精秤後
(W1)、遠沈管(金属製チューブ)に試料を入れた後にアセトン20mlを加え室温で
約1日静置後、振とう機にて2時間振とうする。次に日立工機(株)製 真空式高速冷却
遠心機 機種:CR26Hを使用し、5℃、24000rpmに条件設定し、1時間遠心
分離する。
振とう後、上澄み液をデカンテーションして除いた後、新たにアセトン20mlを加え
室温で1時間振とうする。振とう後、5℃、24000rpmの条件にて1時間遠心分離
する。再度、同一方法及び条件で繰り返し合計3回行った。上澄み液をデカンテーション
して除き,一晩風乾する。
真空乾燥機を100℃に設定し、一昼夜(約12時間以上)真空乾燥後に取出し、デシ
ケーター内で室温まで冷却後、残留物の重量を秤量した(W2)。
次式により、アセトン不溶部(重量%)を算出する(X)。
アセトン不溶部(X)=(W2/W1)×100
透明メタクリル樹脂と多層構造粒子を配合するメタクリル樹脂を造粒したペレットを使用し、RuO4(ルテニウム酸)染色超薄切片法による観察用の試料を作製した。(株)日立製作所製 透過型電子顕微鏡 機種:H−600型を使用し、染色されたゴム粒子断面を観察後、撮影した。高倍率にプリントした代表的な粒子20個の直径をスケールにて測定し、平均粒径を求めた。
i)全光線透過率:JIS K 7105「プラスチックの光学的特性試験方法」の規定方法に準じ、透明樹脂積層シートを50×100mmの試料サイズに切り出し後、日本電色工業(株)製 濁度計 型式:1001DPを使用して測定した。
ii)高温ヘーズ(曇価):JIS K 7105「プラスチックの光学的特性試験方法」の規定方法に準じ、透明樹脂積層シートを50×100mmの試料サイズに切り出し後、皮膜層側のシート表面の中央部に耐熱テープを使用し熱電対の先端を貼り付け後、約80℃に設定した乾燥機の中に約1時間以上静置後に素早く取出し温度低下を抑えて、日本電色工業(株)製 濁度計 型式:1001DPに試料をセット後、自然冷却させながら皮膜層側のシート表面温度が50℃におけるヘーズ値(曇価)を測定し、求めた。
板厚10mm以外で板厚10mmの高温ヘーズに換算する方法としては、皮膜層と基材層の比率を合わせた厚み違いのシートを数点作製後、高温ヘーズを測定し検量線より求めるものとする。
鉛筆引掻き硬さ試験機を使用し皮膜層側をシート表面とし、引掻き角度:45度 荷重(重り):1kgの条件下にて測定した。
透明積層樹脂シート試料サイズ50×150mmを準備し、ストレートシャンクドリルφ1.73mmを使用しボール盤で皮膜層側より貫通させた穴を10箇所以上あけ、真鍮製釘φ1.83mm全長33.3mm、頭部分引いた長さ31.2mm、テーパー部分3mm、φ1.83mmの真鍮製パチンコ釘(捻子無し)を穴の中央に釘をセット後、インストロンジャパン社製型式5582(床置きモデル)の試験機を用い、毎分50mmの速度で釘を打ち、該シート厚みに対し釘の平行部分を貫通後(シート厚み10mmの場合は13mm)、皮膜層表面の釘周辺の白化発生有無及び、クラック発生の有無を評価した。ベニア合板については商品化された合板の板厚19mmを使用し表面に直接、16.5mmを釘打ちした。
〈製造例1〉
内容積10Lの還流冷却器付反応器に、イオン交換水6860ml、ジヘキシルスルホコハク酸ナトリウム13.7gを投入し、250rpmの回転数で攪拌しながら、窒素雰囲気下75℃に昇温し、酸素の影響が事実上無い状態にした。
MMA907g 、BA33g 、HMBT0.28g及びALMA0.93gからなる混合物(I−1)のうち222gを一括添し、5分後に過硫酸アンモニウム0.22gを添加した。その40分後から(I−1)の残りの719gを20分間かけて連続的に添加し、添加終了後さらに60分間保持した次に、過硫酸アンモニウム1.01gを添加し
た後BA1067g、St219g、HMBT0.39g、ALMA27.3gからなる混合物(I−2)を140分間かけて連続的に添加し、添加終了後さらに180分間保持した。
残りのラテックスを3重量%硫酸ナトリウム温水溶液中へ投入して、塩拆・凝固させ、次いで、脱水・洗浄を繰り返したのち乾燥し、多層構造のアクリル系ゴム粒子を得た。
尚、上記略号は以下の化合物を示す。
MMA;メチルメタクリレート、BA;n−ブチルアクリレート、St;スチレン、MA; メチルアクリレート、ALMA;アリルメタクリレート、PEGDA;ポリエチレングリコールジアクリレート(分子量200又は600)、n−OM;n−オクチルメルカプタン、HMBT;2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール
かきまぜ機、コンデンサーを備えた10Lビーカーに蒸留水5.7L、乳化剤としてジオクチルスルホコハク酸ソーダ20g、還元剤としてロンガリットl.2gを加え均一に溶解する。第一層としてメチルメタクリレート(以下MMAと略す)220g、n−ブチルアクリレート(以下BAと略す)30g、アリルメタクリレート(以下ALMAと略す)0.8g、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキシド(以下PBPと略す)0.2gの均一溶液を加え80℃で重合した。約15分で反応は完了した。
得られた重合体のTgは108℃であった。次いで第二層としてBA1270g、スチレン(以下stと略す)320g、ジエチレングリコールジアクリレート(以下DEGAと略す)20g、ALMA13.0g、PBP1.6gの均一温度を1時間にわたって滴煩下した。滴下終了後40分で反応は完了した。このものを単独で重合して得られた重合体のTgは−38℃であった。
次に、第三層2段としてOMの量を1.0gにした他は第三層1段と同じ組成の溶液を加えた。このものを単独で重合させて得た重合体の分子量は、117,000、Tgは108℃であった。この段階は約15分で反応が完了した。次いで温度を95℃に上げ、1時間保持した、得られた乳化剤を0.5%塩化アルミニウム水溶液中に投入して重合体を凝集させ、温水で5回洗浄後、乾燥して白色フロック状の多層構造のアクリル系ゴム粒子を得た。
メタクリル樹脂〔旭化成ケミカルズ(株)製 商品名「デルパウダ:70Hビーズ」〕80重量%と上記製造例1の多層構造粒子からなるアクリル系ゴム粒子20重量%を、タンブラー(混合機)(30回転/分)中で約15分間回転させ均一になるように混合した。
次に、この樹脂混合物を30φ二軸押出機〔ナカタニ機械(株)製〕に供給しペレタイズ(形状:ペレット)した。
)形成用メイン押出機には旭美化成(製)ポリカーボネート樹脂「商品名:WONDERLITE 品種:PC−122」の乾燥後のペレットを供給し、皮膜層厚み0.2mm、基材層厚み9.8mm(合計厚みが10.0mm)になるようにシート切断面の皮膜層と基材層の各々の膜厚を測定を行いながら板厚コントロールを実施し、押出条件及びロール温度等を調整し、反りの無いシート外観が良好な幅250mmの押出シートを得た。
得られたシートから丸鋸を用い上記特性試験項目用サンプルを切り出し、各評価項目に従って測定した。
皮膜層のメタクリル樹脂70重量%に対し多層構造粒子からなるアクリル系ゴム粒子30重量%を配合した以外は、実施例1と同一方法にて評価用サンプルを得、各評価項目に従って測定した。
[実施例3]
皮膜層厚み1.0mm、基材層厚み9.0mmにした以外は、実施例2と同一配合処方方法にて評価用サンプルを得、各評価項目に従って測定した。
皮膜層厚み2.5mm、基材層厚み7.5mmにした以外は、実施例2と同一配合処方方法にて評価用サンプルを得、各評価項目に従って測定した。
[実施例5]
皮膜層のメタクリル樹脂50重量%に対し多層構造粒子からなるアクリル系ゴム粒子50重量%を配合した以外は、実施例1と同一方法にて評価用サンプルを得、各評価項目に従って測定した。
上記製造例2のアクリル系ゴム粒子を用いた以外は、実施例2と同一方法にて評価用サンプルを得、各評価項目に従って測定した。
[実施例7]
アクリル系ゴム粒子として、三菱レイヨン株式会社製 製品名(商品名)IR441(フレーク状アクリルゴムの多層構造粒子)を用いる以外は、実施例2と同一方法にて評価用サンプルを得、各評価項目に従って測定した。
実施例2と同一配合処方を用いシート押出機にて、厚み6mm、幅250mmのシートに押出した以外は、実施例2と同一方法にて評価用サンプルを得、各評価項目に従って測定した。板厚6mmの高温ヘーズについても、板厚10mmと同一方法について測定を実施した。但し、シート板厚6mmの為、釘打ち込み量は9mmとした。
皮膜層のサブ押出機を使用せず、アクリル系ゴム粒子を配合しないメタクリル樹脂単独で、基材層のみのメイン押出機を使用し板厚10mmの評価用サンプルを得、各評価項目に従って測定した。
[比較例2]
皮膜層を設けず、実施例1で使用したアクリル系ゴム粒子を基材層のメイン押出機に投入し板厚10mmの評価用サンプルを得、各評価項目に従って測定した。
メタクリル樹脂90重量%に対し多層構造粒子からなるアクリル系ゴム粒子10重量%を配合した以外は、実施例1と同一方法にて評価用サンプルを得、各評価項目に従って測定した。
[比較例4]
メタクリル樹脂30重量%に対し多層構造粒子からなるアクリル系ゴム粒子70重量%を配合した以外は、実施例1と同一方法にて評価用サンプルを得、各評価項目に従って測定した。
透明メタクリル樹脂の代わりに、旭美化成(製)ポリカーボネート樹脂「商品名:WONDERLITE 品種:PC−122」のポリカーボネート樹脂を使用し、メイン押出機のみ運転した以外は、実施例1と同一方法にて評価用サンプルを得、各評価項目に従って測定した。
[比較例6]
現行使用の板厚19mmベニア合板(ラワン)のみを用いて各評価項目に従って測定した。但し、ベニア合板の場合は、ボール盤で穴あけ加工せず合板表面に直接、16.5mmを釘打ちした。
実施例1〜3、参考実施例4、実施例5〜8及び比較例1〜6の結果を表1に示す。
Claims (3)
- アクリル系ゴムからなる多層構造粒子を含むメタクリル樹脂からなる皮膜層及びポリカーボネート樹脂からなる基材層を貼り合せ又は共押出成形して得られた透明樹脂積層シートからなり、該皮膜層中のゴム成分のアセトン不溶部が15〜50重量%であり、上記皮膜層/上記基材層の厚み比が、1/50〜1/5であることを特徴とする弾球遊技機用樹脂基盤。
- 皮膜層と基材層からなる透明樹脂積層シートが10mm厚である場合の該被膜層表面温度が50℃における高温ヘーズ値(曇価)が2%以下であることを特徴とする請求項1に記載の弾球遊技機用樹脂基盤。
- 皮膜層と基材層からなる透明樹脂積層シートの合計厚みが、5〜15mmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の弾球遊技機用樹脂基盤。
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