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JP5147207B2 - ハイドロゲル創傷被覆材 - Google Patents

ハイドロゲル創傷被覆材 Download PDF

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Description

本発明は、伸縮性に優れ、創傷面の滲出液の吸収性を有し、創傷面の治癒を促進するのに適した湿潤環境を長時間維持することができ、そして創傷被覆材の交換時に痛みや再生された皮膚の損傷のおそれのないハイドロゲル創傷被覆材に関する。
従来、創傷面の治療剤として、ガーゼ、粉末剤、スプレー剤、軟膏、クリーム剤、スポンジ剤等が使用されてきた。これらの内大部分のものは、創傷面からの滲出液を吸収することによって創傷部位を乾燥させ、治癒させるためのものであった。しかしながら、近年、創傷部位を乾燥させるよりも滲出液を創傷面に維持させ、適度な湿潤環境に保つことによって、創傷治癒の促進効果が見られることが判明し、創傷部位を適度な湿潤環境に維持させる必要性が認識され、それに適した創傷被覆材が開発されてきた。
創傷被覆材の要件として、吸収性、湿潤維持、細菌侵入防止、細菌増殖防止、機械的強度、粘着性、透明性などが求められている。機械的強度とは、滲出液を吸収しても該被覆材がバラバラにならず、交換時において創傷部に小片が残らないことを言う。透明性は、患部の観察のために必要である。
創傷被覆材として、ポリウレタンフィルム、ハイドロコロイド、PVAハイドロゲル、アルギン酸塩ゲル等が知られている。
上記の創傷被覆材のうち、ポリウレタンフィルムにアクリル系粘着剤を塗工した創傷被覆材は、伸縮性に非常に優れているが、滲出液の吸収性が全くないために滲出液が滲出している創傷面にこれを適応すると、液だまりが起こりドレナージが必要である。また、粘着力も強いため、交換時に痛みを伴ったり、再生された皮膚を損傷するおそれがある(特許文献1、2、3参照)。
ハイドロコロイドは、疎水性基剤中に含有された親水性コロイド粒子が膨潤することによって滲出液を吸収性するので、吸収性には優れているが、交換時に創傷面にゲル状物質が残りやすい。また、半透明から不透明のものが多く、創傷面を観察することが難しい。更に粘着力も強いため、交換時に痛みを伴ったり、再生された皮膚を損傷するおそれがある。
PVAハイドロゲルは、製剤中に約80%の精製水を含んでいるので、湿潤環境の維持、冷却効果による疼痛緩和、そして透明性には非常に優れているが、粘着力がほとんどないため、包帯やサージカルテープなどの固定材が必要である。またPVAハイドロゲルに粘着力を持たせるために、放射線照射などの工夫を施す提案もなされている(特許文献4参照)が、未だ粘着力は充分でない。
アルギン酸塩ゲルは、止血性、滲出液の吸収性には優れているが、滲出液によってゲル化するため交換時には創傷面にゲル状物質が残りやすく、また開放系であるので、湿潤維持、細菌侵入防止、細菌増殖防止のためにフィルム材でカバーする等の必要性がある(特許文献5参照)。
従って、伸縮性に優れ、滲出液の吸収性を有し、創傷面の治癒を促進するのに適した湿潤環境を長時間維持することができ、創傷被覆材の交換時に痛みや再生された皮膚を損傷するおそれのないハイドロゲル創傷被覆材が望まれていた。
特開昭58−87153号公報 特開平4−272765号公報 特開2006−61263号公報 特許第3773983号公報 特開平8−187280号公報
本発明は、伸縮性に優れ、創傷面の滲出液の吸収性を有し、創傷面の治癒を促進するのに適した湿潤環境を長時間維持することができ、そして創傷被覆材の交換時に痛みや再生された皮膚の損傷のおそれのないハイドロゲル創傷被覆材を提供することにある。
上記創傷被覆材を得るために、本発明者らが鋭意検討を行った結果、水溶性合成あるいは半合成高分子、グリセリン、水を含有してなるハイドロゲルをポリウレタンフィルムと疎水性繊維からなる2層のラミネートフィルムに塗布し、その透湿度をJIS Z0208 カップ法による測定値で500〜2000(g/m2/24h)とすることにより、創傷面の保護に優れ、滲出液の吸収性を有し、創傷面の治癒を促進するのに適した湿潤環境を長時間維持することができ、創傷被覆材の交換時等に痛みや再生された皮膚を損傷するおそれがないハイドロゲル創傷被覆材を得られることを見いだし、本発明を完成した。
本発明のハイドロゲル創傷被覆材は、創傷面の保護に優れ、滲出液の吸収性を有し、創傷面の治癒を促進するのに適した湿潤環境を長時間維持することができ、創傷被覆材の交換時に痛みや再生された皮膚を損傷するおそれがない等の効果を奏する。
即ち本発明は、水溶性合成あるいは半合成高分子、グリセリン及び水を含有してなるハイドロゲルがポリウレタンフィルムと疎水性繊維からなる2層のラミネートフィルムに塗布され、その透湿度がJIS Z0208 カップ法による測定で500〜2000(g/m2/24h)であるハイドロゲル創傷被覆材に関する。
またポリウレタンフィルムの厚みが5〜25μmであり、その定荷重伸長率が5%以上である支持体を使用することにより、創傷面の適度な湿潤環境の維持を可能にしながら、創傷面の観察ができる程度の透明性を保つことができる。さらにポリウレタンフィルムと疎水性繊維からなる2層のラミネートフィルムの透湿度をJIS L1099 塩化カルシウム法による測定で200〜5000(g/m2/24h)の範囲内とすることにより、適度な湿潤環境の長時間にわたる維持、及び蒸れによる皮膚刺激の防止といった効果も得ることができる。
そしてハイドロゲル中の水分含量を30〜80%とすることで適度な粘着性を持つことができる。すなわち創傷面における適度な湿潤環境の維持と創傷被覆材の交換時の、剥離による皮膚損傷の防止効果を兼ね備えることができる。それに加え、滲出液の高い吸収性を確保し得る利点を有している。
発明を実施するための形態
以下に本発明をより詳細に説明する。
本発明のハイドロゲル創傷被覆材は、その透湿度がJIS Z0208 カップ法による測定値で500〜2000(g/m2/24h)であり、好ましくは700〜1500(g/m2/24h)である。透湿度が500(g/m2/24h)未満の場合は、蒸れによる皮膚刺激が発生する恐れがあり、好ましくない。また2000(g/m2/24h)より大きいと創傷面を適度な湿潤環境に長時間維持することができなくなり、好ましくない。
本発明のポリウレタンフィルムを構成するポリウレタン樹脂は、エーテル系、エステル系等の一般的なウレタン樹脂を用いることができ、特に制限されることはない。
本発明で使用するポリウレタンフィルムは、その厚みが好ましくは5〜25μmであり、定荷重伸長率が好ましくは5%以上である。ポリウレタンフィルムの厚みは5μm未満だと機械的強度不足及びピンホールの増大により創傷面を適度な湿潤環境に維持することができないため、好ましくない。逆に25μmより厚くなると定荷重伸長率が5%未満となり、伸縮性が損なわれるため、創傷面の保護が難しくなる。また透明性も低下するため、創傷面の観察ができなくなり、好ましくない。
ポリウレタンフィルムにラミネートする疎水性繊維としては、ポリエステル、ナイロン、アクリル、ポリプロピレン、ポリエチレン等を使用することができる。
このように作製されたポリウレタンフィルムと疎水性繊維からなる2層のラミネートフィルムの透湿度は、創傷面の治癒を促進するのに適した湿潤環境を長時間保てるようにJIS L1099 塩化カルシウム法による測定で200〜5000(g/m2/24h)の範囲内であることが好ましく、より好ましくは300〜3000(g/m2/24h)である。透湿度が5000(g/m2/24h)より大きいと湿潤環境を長時間保てず、創傷面の治癒の促進効果が低下する。また、200(g/m2/24h)未満の場合は、蒸れによる皮膚刺激が発生する恐れがあり、好ましくない。
本発明に用いられる水溶性合成あるいは半合成高分子としては例えば、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸部分中和物、ポリアクリル酸デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルメロースナトリウム、カルボキシビニルポリマー、N−ビニルアセトアミド共重合体等が挙げられ、これらを単独又は2種以上の組み合わせで用いることができる。特に、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸部分中和物及びカルメロースナトリウムの組合せが好ましい。
ハイドロゲル中の上記水溶性合成あるいは半合成高分子の配合量は、好ましくは3〜20重量%であり、より好ましくは、5〜15重量%である。配合量が3重量%未満では、ゲル粘度が低すぎて貼付剤として成形することが難しくなり、20重量%を越えると水溶性合成あるいは半合成高分子がゲル中で均一に溶解せず、良好なゲルが形成されないため、好ましくない。
ハイドロゲル中の水の配合量は、ゲル重量に対して好ましくは30〜80重量%、より好ましくは40〜75重量%である。含水量が80重量%を超えた場合、滲出液の吸収性が低下するため、好ましくない。また、30重量%未満では、粘着力が強くなりすぎて、創傷被覆材の交換時に痛みや再生された皮膚を損傷するおそれや、皮膚への保湿性が減じるため創傷面の治癒を促進するのに適した湿潤環境に維持することができなくなり好ましくない。
また、ハイドロゲル中のグリセリン配合量は、好ましくは10〜40重量%、より好ましくは15〜30重量%である。ハイドロゲル中のグリセリン配合量が10重量%未満では、皮膚に対する保湿性が低下するため創傷面の治癒を促進するのに適した湿潤環境に維持することができなくなる。また、ハイドロゲル中のグリセリン配合量が40重量%より多くなるとゲル表面に維持出来なくなったグリセリンが浮き出し現象を起こし、貼付時にべとつきが生じたり粘着力が低下するといった問題が生じる。
ハイドロゲルを構成する上記以外の組成については本発明の効果を阻害しない限り、特に制限はなく、例えば、賦形剤、保湿剤、安定化剤、架橋剤などを配合させることができる。
賦形剤として例えば、カオリン、酸化チタン、無水ケイ酸、酸化亜鉛、ベントナイト等を単独又は2種以上の組み合わせで用いることができる。しかし、ハイドロゲルを創傷面に貼付した時、創傷面が観察できるようにハイドロゲルに透明性を持たせる必要性があるため、特に無水ケイ酸が好ましく、その配合量は0.1〜5重量%が好ましい。
グリセリン以外の保湿剤としては例えば、D−ソルビトール液、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、DL-ピロリドンカルボン酸ナトリウム液等を単独又は2種以上の組み合わせで用いることができ、その配合量は10〜30重量%が好ましい。
また、ハイドロゲルのpHは、皮膚刺激性の点からpH3.5〜6.5の範囲が好ましく、さらにはpH4.0〜5.5の範囲がより好ましい。pH調節剤として、酒石酸、亜硫酸水素ナトリウム、エデト酸塩などが用いられる。
架橋剤として例えば、乾燥水酸化アルミニウムゲル、アルミニウムグリシネート、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート、合成ヒドロタルサイト、メタケイ酸アルミン酸金属塩などの多価金属化合物等を単独又は2種以上の組み合わせで用いることができる。その配合量は、その種類に応じて異なるが、0.001〜1重量%が好ましい。
また、必要に応じて防腐剤、抗酸化剤、可塑剤、乳化剤、界面活性剤等を配合させることができる。
本発明のハイドロゲル創傷被覆材は、創傷部に適用したときには皮膚の動きに追随できる程度の粘着力が必要であり、またその交換時では再生した皮膚を損傷しない程度の粘着力が求められる。従って、本発明のハイドロゲル創傷被覆材では適用時(吸水前)の粘着力はボールナンバーが8〜12であり、交換時(8時間吸水後)のボールナンバーが3以下に設定される。適用時のボールナンバーが8〜12であれば創傷部に適用したとき皮膚の動き追随できる適度な粘着力を持つことができる。またボールナンバーが8未満であれば初期粘着力が低いため可動する創傷部に適用したときに、皮膚の動きに追随することができず、すぐに剥がれてくるという問題が起こるため好ましくない。また、12を越えると創傷部に適用したとき、粘着力が強すぎるために皮膚刺激が起こる可能性があり、好ましくない。一方、交換時のボールナンバーが3以下であれば交換時の痛みや再生された皮膚を損傷することのない粘着力であり、3を越えると粘着力が高すぎるために交換時の痛みや、再生された皮膚を損傷する可能性があり好ましくない。
なお、上記ボールナンバーの値はJIS Z0237のボールタック試験法に準じて行なう傾斜角30°でのボールタック試験法より試験を行った場合の値を意味する。
ハイドロゲル表面を被覆するプラスチックフィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル又はこれらの表面をシリコーン処理、コロナ放電処理、凹凸処理、プラズマ処理等をしたものを用いることができる。
本発明のハイドロゲル創傷被覆材の製造方法は、特に限定はなく公知の製造方法で製造することができる。例えば、前記の様な構成で組成されたハイドロゲルを支持体上に展延し、ハイドロゲル表面をプラスチックフィルムで被覆することにより、ハイドロゲル創傷被覆材を成形することができる。
必要に応じては、通常行われている滅菌方法である放射線滅菌、電子線滅菌、エチレンオキシド滅菌等を行うことができる。
以下に、実施例及び比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
精製水適量にカルボキシビニルポリマー(1.6g)を溶解した後、D―ソルビトール液(20g)加え、均一になるまで混合した。更にポリアクリル酸(0.3g)、酒石酸(1.2g)、濃グリセリン(20.7g)、カルメロースナトリウム(3.5g)、ポリアクリル酸部分中和物(4g)、無水ケイ酸(0.1g)、ヒマシ油(1.5g)、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート(0.07g)、エデト酸ナトリウム(0.08g)、精製水(適量)を均一に混合してハイドロゲルを調製した。このハイドロゲルをウレタン(20μm)/ナイロンエラストマー(25g/m2)上に展延し、ゲル表面をポリエステルフィルムで被覆することによりハイドロゲル創傷被覆材を成型した。
実施例2
表1に掲げる成分を用いて、実施例1と同様にしてハイドロゲルを調製し、これをウレタン(20μm)/ナイロントリコット(支持体)に展延し、ゲル表面をポリエステルフィルムで被覆することによりハイドロゲル創傷被覆材を成型した。
実施例3
精製水適量に無水ケイ酸(0.5g)を溶解した後、尿素(1.0g)、エデト酸ナトリウム(0.08g)、ヒマシ油(0.5g)を加え、均一になるまで混合した。更に20%ポリアクリル酸 水溶液(15.0g)、酒石酸(0.3g)、濃グリセリン(16.0g)、カルメロースナトリウム(4.0g)、ポリアクリル酸部分中和物(5.0g)、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム(0.06g)、乾燥水酸化アルミニウムゲル(0.02g)、精製水 適量を均一に混合してハイドロゲルを調製した。このハイドロゲルをウレタン(20μm)/ナイロンエラストマー(25g/m2)上に展延し、ゲル表面をポリエステルフィルムで被覆することによりハイドロゲル創傷被覆材を成型した。
比較例1及び2
表1に掲げる成分を用いて、実施例1と同様にして実施例1と同様にしてハイドロゲルを調製し、これを表1記載のそれぞれのPET不織布(支持体)に展延し、被覆材を成型し、これらを以下の比較試験に供した。
Figure 0005147207
比較例3〜5の被覆材として、以下の商品を用いて、以下の比較試験に供した。
比較例3:デュオアクチブ登録商標(外層:ポリウレタンフィルム、粘着層:親水性コロイドと粒子疎水性ポリマー、剥離紙:シリコーン剥離紙)
比較例4:オプサイト商標(ポリウレタンフィルムにアクリル系接着剤を塗布したもの)
比較例5:ビューゲル登録商標(支持体:ポリエチレン、ハイドロゲル吸収体:ポビトン、PVA、フェノキシエタノール、水(80%))
試験例1
実施例1〜3、及び比較例1〜5の創傷被覆材を用いて伸縮性、透湿性、吸水性、粘着力を以下の試験方法に従って測定した。測定値は、それぞれ3回測定し、その平均値を求めたものである。結果を表2に示す。
伸縮性試験
伸縮性試験は、JIS L1096の一般織物試験方法の伸縮織物に準拠して実施した。試験材料を2×6cmに裁断し、4cm間隔で印を付けた(L)。ラインの外側にクリップをつけて、100g定荷重をかけ、印間の距離を測定し(L)、次式により
伸長率を算出した。
伸長率(%)=(L−L)/L×100
:もとの印間の長さ(4cm)
:100g定荷重をかけたときの印間の長さ(cm)
透湿性試験
透湿性試験は、JIS Z0208のカップ法に準拠して実施した。ガラス容器(内径:56mm、深さ11mm)に精製水約10mLを入れ、試験材料を直径80mmの円形に裁断し(試験片)、膏体面を内側にしてガラス容器開口部を覆い、ガラス容器端部をパラフィン系の伸縮フィルムにて密封し、この重量を測定した(W)。次に40℃−75%の恒温恒湿器に24時間静置し、放冷後の重量を精密に測定し(W)、次式により透湿度を算出した。
透湿度(g/m2・24h)=(W−W)×10000÷A
:試験前重量(g)
:試験後重量(g)
A:ガラス容器の開口部の面積(26.4cm2
吸水性試験
ステンレス容器(内径:88mm、深さ15mm)に生理食塩水約10mLを入れ、試験材料を4×4cmに裁断し(試験片)、膏体面を内側にして容器内に密封した状態で8時間保存した。容器内に入れる前の試験片重量(W)と8時間後に取り出した試験片重量(W)とを比較した。
吸収量:W−W
粘着力試験
医薬品製造販売指針2005(第IV部医薬品の製造販売承認申請、第1章 粘着力試験)に記載の試験器を用いて、水平に対して30度の斜面上に試験製剤の粘着面を上に向けて置く。上部10cm、下部15cmの部分を適当な紙で覆い、中央に5cmの粘着面を残す。直径3.2mm〜34.9mmの一連のスチールボールを斜面の上端より転がして、中央の粘着面に5秒以上停止するボールの号数を測定した。これを吸水前と8時間吸水後の製剤で評価した。
Figure 0005147207
試験例2
実施例1〜3及び比較例1〜2で用いた支持体の透湿度をJIS L1099繊維製品の透湿度試験方法にしたがって塩化カルシウム法(A−1法、40℃−90%RH)で測定した結果を表3に示す。
Figure 0005147207
試験例3
実施例1〜3及び比較例1、3、4の創傷被覆材を湿らしたスポンジに上に貼り付けた。そのスポンジを37℃の温水が循環しているステンレス容器に入れた。さらに創傷被覆材とスポンジの間に温湿度センサーを挟み込み貼付部位の温湿度の変化を24時間まで経時的に測定した。その結果を図1に示す。
考察
図1より、市販品である比較例3及び4(製剤の透湿度:343及び377)は、貼付後約2時間目から、適用部位の湿度がほぼ100%となり、この状態が24時間持続した。このことより、比較例3及び4の製剤を創傷面に適用した場合、製剤の透湿度が低すぎるために、創傷面からの滲出液が創傷面に貯留しやすく、創傷面が過度の湿潤状態に維持されるので、長時間貼付した時、貼付部位にムレが生じたり、不快感が生じる恐れがあり、創傷被覆材の取り替えを頻繁に行う必要が生じる等の問題が危惧される。また、比較例1は、貼付直後から適用部位の湿度が低下しはじめ、貼付後2時間目には60%程度となり、この状態が24時間持続した。このことより、透湿度が高い支持体(支持体の透湿度:8541)を用いた比較例1の製剤を創傷部位に適用した場合、貼付直後から創傷面の水分が失われることによって適切な湿潤環境を維持することができず、長時間適用するとハイドロゲルが乾燥することによって、再生された皮膚とハイドロゲルの癒着が起こり、交換時に再生された皮膚を損傷する恐れが危惧される。
それに対して、本発明の実施例1及び3(製剤の透湿度:884及び1367)は、貼付直後から緩やかに湿度が低下し始めるが、約80%の湿度を24時間保持しており、創傷治癒にとって好ましい湿潤状態を長時間維持できることが示されている。
すなわち、支持体の透湿度が200〜5000(g/m2/24h)である支持体とハイドロゲルからなる本発明品を創傷部位に適用した場合、ハイドロゲルが創傷面の滲出液を吸収し、滲出液中の余分な水分を支持体から透過さすことによって滲出液の貯留を防ぐので、創傷面が過度な湿潤状態にならず、創傷面の治癒を促進するのに適した湿潤環境を長時間維持することができることが本試験結果より窺われ、創傷面の治癒を促進するのに適した湿潤環境を保つことが示された。
試験例4
実施例1〜3、及び市販品である比較例3〜5より得られた創傷被覆材をボランティア5名の前腕に4時間貼付し、下記の基準によって皮膚接着性及び剥離時の痛み評価を行った。
皮膚接着性
皮膚接着性については、「剥がれなかった」「半分剥がれた」「剥がれた」の3段階評価を行い、結果を表4に示す。
Figure 0005147207
剥離時の痛み
皮膚からの剥離時の痛みについては、「全く痛くない」「あまり痛みを感じない」「痛い」の3段階評価を行い、結果を表5に示す。
Figure 0005147207
各創傷被覆材の経時的局所湿度変化を示す図である。

Claims (3)

  1. 3〜20重量%の水溶性合成あるいは半合成高分子、10〜40重量%のグリセリン及び30〜80重量%の水を含有してなるハイドロゲルがポリウレタンフィルムと疎水性繊維からなる2層のラミネートフィルムに塗布され、その透湿度がJIS Z0208 カップ法による測定で500〜2000(g/m2/24h)であるハイドロゲル創傷被覆材であって、水溶性合成あるいは半合成高分子がカルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸部分中和物及びカルメロースナトリウムから選択される2種以上の組み合わせであり、創傷部に適用したときに皮膚の動きに追随できる程度の粘着力があり、その交換時に痛みや再生された皮膚の損傷のおそれのない粘着力をもつことを特徴とするハイドロゲル創傷被覆材
  2. ポリウレタンフィルムの厚みが5〜25μmであり、その定荷重伸長率が5%以上である請求項1に記載のハイドロゲル創傷被覆材。
  3. ポリウレタンフィルムと疎水性繊維からなる2層のラミネートフィルムの透湿度が、JIS L1099 塩化カルシウム法による測定で200〜5000(g/m2/24h)である請求項1又は2に記載のハイドロゲル創傷被覆材。
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