JP5023511B2 - エレベータ装置 - Google Patents
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Description
この問題を解決するための従来技術として、エレベータのガバナロープが昇降路内に突出した突出物等に引っ掛ったことをガバナ張り車の上下変位から検出するエレベータのガバナロープの異常検出装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、他の従来技術として、エレベータのロープに振動を与える加振手段と、この加振手段で与えた振動を検出する振動検出手段と、この振動検出手段で検出した振動に基づいてロープの異常を判定する異常判定手段とを有するエレベータ装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
また、主ロープ、重量補償ロープ、テールコード等のような昇降機の懸垂条体に横波信号波を発信する装置を条体の一方の端の近傍に設け、懸垂条体の横波信号波を受信する装置を発信装置の近傍もしくはその条体の他方の端の近傍に設け、かごの昇降と共に変化する条体の懸垂長に対応して横波信号波発信から横波信号波受信迄の妥当な時間遅れを持って受信波が受信されることを判別する制御装置を設けた昇降機の懸垂条体の絡み検出装置が知られている(例えば、特許文献3参照)。
また、特許文献2、3では、対象のロープを横方向に加振し、ロープに伝わる波の状態からロープの引っ掛りの判定を行うものであるが、ロープを加振するために、大きな加振力を発生させるための加振器を、対象とする全てのロープに設置する必要があり、機器構成が大型且つ複雑のものになるという問題があった。
図1は地震時におけるエレベータのロープの横振動を示すエレベータ装置の概略図、図2は地震発生時にエレベータのロープが引っ掛った状態を示すエレベータ装置の概略図、図3はこの発明の実施の形態1におけるエレベータ装置のロープ異常判定装置を示すブロック構成図である。
上記のエレベータのロープ・ケーブルは、狭い昇降路内に配置されているので、地震による建物の揺れにより、横振動(横変位)を生じた場合、昇降路壁又は昇降路内に配置された機器に衝突し、引っ掛る場合がある。
一方、平常時にかご1が停止していると、ガバナロープ7は、縦方向・横方向のいずれにも動かないため、ガバナ8に設置されたガバナエンコーダ9からの出力は、回転しないため一定値を保つ。
かごが目的階に停止すると、エレベータ制御盤(図示せず)は、かご停止信号20をトリガー21に出力する。かご停止信号20により、トリガー21はガバナ8に取り付けられたガバナエンコーダ9に対し、現在の回転角の値を出力するように要求する。得られたガバナエンコーダ9の回転角の値は、記憶装置22に格納される。もし、地震が発生しなければ、エレベータ装置は上記の動作を平常運転中繰り返す。
地震が発生し、地震の発生を地震感知器23が感知すると、地震感知器23は、トリガー24に動作信号を送る。トリガー24は、ガバナエンコーダ9に対し、信号を送るように要求する。送られてきたガバナエンコーダ9の信号を、トリガー24は微分器(図示せず)で微分し、微分値が0、すなわちエンコーダ信号の変動が無くなるまで、ガバナエンコーダ9の状態を監視する。地震後のロープ揺れが収まったことを、上記の微分器で確認すると、トリガー24は、現在のエンコーダ値を比較器25に出力する。比較器25は、地震発生前のエンコーダ出力値と、地震後の出力値を比較し、その差分値(変動量)を判定装置26に送る。判定装置26は、ある一定レベルの設定値を超えていれば、ガバナロープが引っ掛ったものと判断し、通報システム27に結果を送り、専門技術者による復旧作業までエレベータ装置を休止させる。一方、比較器25からの出力が、ある一定レベルの設定値を下回っていれば、ガバナロープの引っ掛りは無いものと判断し、自動点検運転を行うように自動点検運転モード28に通知する。
図4は点検運転中における従来のロープ異常検出装置によるロープ異常判定を示すブロック図、図5はこの発明の実施の形態2におけるエレベータ装置のロープ異常判定装置によるロープ異常判定を示すブロック図、図6はこの発明の実施の形態2におけるロープ異常判定装置のトルク電流の信号波形とその微分値を示す特性図である。
そこで、この発明の実施の形態2においては、温度変化や運転年数などの環境変動の影響を受け易い平常時信号32を用いないで、ロープ異常を判定するものである。図6はロープ異常判定装置のトルク電流の信号波形とその微分値を示す。点検運転により、かごが上下方向に走行すると、ロープに異常がなければ、破線で示すように、走行時間tとともに計測信号xは滑らかに値が変化する。一方、ロープに引っ掛りなどの異常が発生していれば、実線で示すような変動成分が重畳される。正常時のトルク電流の変動は、異常信号に比べて、非常にゆっくりしたものであることから、計測信号31を微分することにより、異常振動成分のみを取り出すことができる。したがって、閾値Pを設定することにより、ロープ異常を判断することが可能となる。
図5は平常時信号を用いない、この発明によるロープ異常判定装置によるロープ異常判定を示す。すなわち、得られた計測信号31を、微分器35に通すことにより、異常振動成分のみを抽出し、判定装置34により、閾値Pを超えていれば、ロープ異常と判定するものである。
図7はこの発明の実施の形態3におけるエレベータ装置のロープ異常判定装置を示すブロック構成図である。
点検運転実施中に、巻上機4に設置した巻上機エンコーダ40からの出力を用いて、第1のかご位置換算装置41により、第1のかご位置情報を得る。これと同時に、ガバナ8に設置したガバナエンコーダ9からの出力を用いて、第2のかご位置換算装置42により、第2のかご位置情報を得る。第1のかご位置換算装置41から得られたかご位置情報と、第2のかご位置換算装置42から得られたかご位置情報は、比較器43に送られ、巻上ロープ3とガバナロープ7を介したかご位置として、その値を比較し、差分値を判定装置44に送る。
もし、ガバナロープ7が昇降路機器10に引っ掛りながら点検走行をしていると、ガバナロープ7からのかご位置情報と、巻上ロープ3からの正常なかご位置情報との間に偏差が生じる。そのため、判定装置44は、ある一定レベルの偏差値を超えていれば、ガバナロープ7が引っ掛ったものと判断し、通報システム45に結果を送り、専門技術者による復旧作業までエレベータ装置を休止させる。同様に巻上ロープ3が引っ掛っていた場合も、正常なガバナロープ側のかご位置情報との比較により、引っ掛りを判断できる。また、巻上ロープ3とガバナロープ7が同時に引っ掛っている場合においても、それぞれのかご位置情報の変動する割合が異なるために、偏差を取ることにより、ロープ異常を判断することが可能となる。一方、比較器43からの出力が、設定値を下回っていれば、ロープの引っ掛りは無いものと判断し、平常運転に復帰するように平常運転モード46に通知する。
2 つり合いおもり
3 巻上ロープ
4 巻上機
5 つり合いロープ
6 つり合い車
7 ガバナロープ
8 ガバナ
9 ガバナエンコーダ
10 昇降路機器
20 かご停止信号
21、24 トリガー
22 記憶装置
23 地震感知器
25、33、43 比較器
26、34、44 判定装置
27、45 通報システム
28 自動点検運転モード
31 計測信号
32 平常時信号
35 微分器
40 巻上機エンコーダ
41 第1のかご位置換算装置
42 第2のかご位置換算装置
46 平常運転モード
Claims (2)
- 地震感知器が動作した時、かごを最寄階に停止させ、自動点検運転(診断運転)を行った後にエレベータを平常運転に復帰させるエレベータの地震時管制運転装置において、
かごに取り付けられ、かごと同期して移動するガバナロープと、前記ガバナロープが巻き掛けられたガバナと、前記ガバナに設置されたガバナエンコーダと、平常時に前記ガバナエンコーダの回転角の値を要求し、得られた平常時の回転角の値を格納する記憶装置と、前記地震感知器が地震を感知すると、地震後の前記ガバナエンコーダの回転角の値を要求し、得られた地震後の回転角の値と前記記憶装置に格納されている平常時のガバナエンコーダの回転角の値とを比較する比較器とを備え、
前記ガバナエンコーダの出力値を用いて、前記ガバナの回転角を地震前後の変動量で比較することにより、地震後に前記ガバナエンコーダからの変動量がある一定レベルの設定値を超えていない場合は前記ガバナロープが引っ掛っていないと判断して自動点検運転を行い、地震後に前記ガバナエンコーダからの変動量がある一定レベルの設定値を超えている場合は前記ガバナロープが引っ掛ったと判断して通報システムに通報することを特徴とするエレベータ装置。 - エレベータが停止している状態で、ガバナエンコーダの出力値を、地震前後の値で比較することを特徴とする請求項1記載のエレベータ装置。
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