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JP5011585B2 - 電力素子の駆動回路 - Google Patents

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JP5011585B2
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Description

本発明は、電力用の半導体素子をオン/オフさせるための駆動回路に関する。
電力用の半導体素子は、制御電極に入力された電圧または電流信号によって、主電流のオン/オフ制御を行なう。電圧信号によってオン/オフ制御を行なう電圧駆動形の電力素子には、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などがあり、また電流信号によってオン/オフ制御する電流駆動型の電力素子にはバイポーラトランジスタなどがある。
これらの電力素子では、オン状態からオフ状態に切り替えるとき、制御電極(ゲート電極またはベース電極)と主電極(ソース電極またはエミッタ電極)との間に逆バイアスをかけることが多い。この理由は、電圧駆動形の電力素子では、ノイズなどの影響を受けないように確実にオフ状態にするためであり、また電流駆動形の素子では、主電流のターンオフ時間を短縮するためである。逆バイアスを印加するための駆動回路として、以下の第1、第2の従来技術が知られている。
第1の従来技術は、順バイアス用、逆バイアス用に2電源を用いるものである(特開平07−131971号公報(特許文献1)の明細書段落[0003]および図8参照)。電力素子としてIGBTを用いる場合、オン用スイッチ素子としてのオントランジスタ、オン抵抗、オフ用スイッチ素子としてのオフトランジスタ、及びオフ抵抗を直列接続して、これを順バイアス電源と逆バイアス電源との直列接続でなる主ゲート電源に接続し、オン抵抗とオフ抵抗との接続点をIGBTのゲートに接続してゲート駆動回路を構成する。ここで、オントランジスタをオンにすれば、順バイアス電源、オントランジスタ、オン抵抗、IGBTのゲート、IGBTのエミッタ、順バイアス電源の経路で順バイアス電流が流れて、このIGBTをターンオンする。一方、オフトランジスタをオンにすれば、逆バイアス電源、IGBTのエミッタ、IGBTのゲート、オフ抵抗、オフトランジスタ、逆バイアス電源の経路で逆バイアス電流が流れて、このIGBTをターンオフする。
また、第2の従来技術は、単電源と共に充電用のコンデンサを設け、このコンデンサを擬似的な電源として用いるものである(特開平09−140122号公報(特許文献2)参照)。この技術では、ベース端子とエミッタ端子の間にダイオードを接続し、ベース端子とコレクタ端子の間に抵抗を接続したP形トランジスタをパルス電源の入力端子間に並列接続し、第1の抵抗を介してP形トランジスタのエミッタ端子をIGBTのゲート端子に接続すると共に、コンデンサと定電圧ダイオードより成る並列回路を介してP形トランジスタのコレクタ端子をIGBTのゲート端子に接続してある第2の抵抗に接続してゲート駆動回路を構成する。ダイオードと第1の抵抗を介してIGBTのゲート端子にパルス電源からの正バイアスを印加すると第2の抵抗を介してコンデンサも充電される。正バイアスがオフとなるとP形トランジスタはオンとなるので、このP形トランジスタと第2の抵抗を介してコンデンサに蓄積されている電荷は放電され、IGBTのゲート端子に逆バイアスが印加される。
特開平07−131971号公報 特開平09−140122号公報
しかしながら、上記の第1の従来技術は、2電源を用いているので、単電源の場合に比べると余分なスペースとコストを必要とする。また、上記の第2の従来技術についても、擬似的な電源として用いられるコンデンサには、駆動しようとする電力素子のゲート容量に比べて十分に大きな容量が必要になるので、単電源だけの場合に比べるとスペースとコストが余分にかかる。
さらに、上記第1、第2の従来技術に共通する問題点として、単電源だけの場合に比べて駆動回路に高い耐電圧性能が求められる点が挙げられる。具体的には、第1の従来技術では、順バイアス電源の電源電圧と逆バイアス電源の電源電圧とを合計した電圧が駆動回路に印加されるので、駆動回路の構成部品には、この合計の電圧に耐えるだけの性能が必要になる。また、第2の従来の技術では、電力素子を順方向にバイアスする電圧とコンデンサの充電電圧との合計の電圧が電源によって供給されるので、このコンデンサの充電電圧の分だけ高い耐電圧性能が駆動回路に要求される。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、新たな電源を追加することなく、単一の電源だけで、電力素子の制御電極に逆バイアスを印加することが可能な駆動回路を提供することである。
本発明は、制御電極に与えられる信号に応じて第1、第2の主電極間に流れる主電流を制御する電力素子についての駆動回路である。その基本的構成は、第1のノードと第2のノードとの間に接続される電源と、制御電極を第1、第2のノードの一方に選択的に接続し、第2の主電極を前記第1、第2のノードの一方に選択的に接続するように構成されるスイッチマトリックス回路と、前記電力素子のオン/オフの切換を行なうための入力信号に応じて前記スイッチマトリクス回路を制御する制御部とを備える。制御部は、入力信号が電力素子をオン状態からオフ状態に遷移させる変化をした場合には、制御電極を第1のノードに接続するとともに第2の主電極を前記第2のノードに接続する第1の状態から、前記制御電極を前記第2のノードに接続するとともに前記第2の主電極を前記第1のノードに接続する第2の状態に、前記スイッチマトリクス回路の状態を切換える。
本発明によれば、第1の状態から第2の状態への切り替えによって、電力素子の制御電極と第2の主電極との間に印加される電圧の極性が変わり、逆バイアスを印加できる。
本発明の実施の形態1として、IGBT10の駆動回路1について、その基本的構成を示す回路図である。 図1に示す駆動回路1について、入力信号SG0に応じた状態の変化を表わすタイムチャートである。 IGBT10および駆動回路1と、負荷16および電源18を含む主回路との接続関係を示す回路図である。 バイポーラトランジスタを用いて構成した一例である電力素子の駆動回路1aを示す回路図である。 バイポーラトランジスタを用いて構成した他の例の電力素子の駆動回路1bを示す回路図である。 MOSFETを用いて構成した一例である電力素子の駆動回路1cを示す回路図である。 MOSFETを用いて構成した他の例の電力素子の駆動回路1dを示す回路図である。 本発明の実施の形態2として、IGBT10の駆動回路2aの構成を示す回路図である。 図8の駆動回路2aについて、入力信号SG0に応じた状態の変化を表わすタイムチャートである。 図8に示す1ショットパルス発生回路30aの具体的構成の一例を示す回路図である。 図10に示す1ショットパルス発生回路30aについて、入力信号SG0に応じた状態の変化を示すタイムチャートである。 図8に示す駆動回路2aの変形例である駆動回路2bの構成を示す回路図である。 図12の駆動回路2bについて、入力信号SG0に応じた状態の変化を表わすタイムチャートである。 図12に示す1ショットパルス発生回路30bの具体的構成の一例を示す回路図である。 図14に示す1ショットパルス発生回路30bについて、入力信号SG0に応じた状態の変化を示すタイムチャートである。 本発明の実施の形態3として、IGBT10の駆動回路3aの構成を示す回路図である。 図16の駆動回路3aについて、入力信号SG0に応じた状態の変化を表わすタイムチャートである。 図16に示す遅延回路40aの具体的構成の一例を示す回路図である。 図18に示す遅延回路40aについて、入力信号SG0応じた状態の変化を表わすタイムチャートである。 図16に示す駆動回路3aの変形例である駆動回路3bの構成を示す回路図である。 図20の駆動回路3bについて、入力信号SG0に応じた状態の変化を表わすタイムチャートである。 図20に示す遅延回路40bの具体的構成の一例を示す回路図である。 図22に示す遅延回路40bについて、入力信号SG0に応じた状態の変化を表わすタイムチャートである。 本発明の実施の形態4として、IGBT10の駆動回路4aの構成を示す回路図である。 図24の駆動回路4aについて、入力信号SG0に応じた状態の変化を表わすタイムチャートである。 図24に示す駆動回路4aの変形例である駆動回路4bの構成を示す回路図である。 図26の駆動回路4bについて、入力信号SG0に応じた状態の変化を表わすタイムチャートである。 本発明の実施の形態5として、IGBT10の駆動回路5aの構成を示す回路図である。 図28の駆動回路5aについて、入力信号SG0に応じた状態の変化を表わすタイムチャートである。 図28に示す遅延回路40cの具体的構成の一例を示す回路図である。 図30に示す遅延回路40cについて、入力信号SG0に応じた状態の変化を表わすタイムチャートである。 図28に示す駆動回路5aの変形例である駆動回路5bの構成を示す回路図である。 図32の駆動回路5bについて、入力信号SG0に応じた状態の変化を表わすタイムチャートである。 本発明の実施の形態6として、センスIGBT10aの駆動回路6の構成を示す回路図である。 図34の駆動回路6について、入力信号SG0に応じた状態の変化を表わすタイムチャートである。 図34の駆動回路6の比較例として、センスIGBT10aの駆動回路100の構成を示す回路図である。 本発明の実施の形態7として、センスIGBT10aの駆動回路7の構成を示す回路図である。 図37に示す制御IC50bの具体的構成の一例を示す回路図である。 図37の駆動回路7について、入力信号SG0に応じた状態の変化を表わすタイムチャートである。 本発明の実施の形態8として、センスIGBT10aの駆動回路8の構成を示す回路図である。 図40の駆動回路8について、入力信号SG0に応じた状態の変化を表わすタイムチャートである。
符号の説明
1〜8 駆動回路、10 IGBT(電力素子),10a センスIGBT(電力素子)、11 電源ノード(第1のノード)、12 接地ノード(第2のノード)、15 電源、20,20a〜20j 制御部、50a,50b 制御IC、70 比較器(電圧監視部)、74 ツェナダイオード(定電圧部)、80 スイッチマトリクス回路、C コレクタ電極(第1の主電極)、E エミッタ電極(第2の主電極)、G ゲート電極(制御電極)、S センス電極、IC コレクタ電流(主電流)、Q1〜Q6 スイッチ素子、SG0 入力信号、R1,R4 抵抗、D1〜D4 ダイオード、RD 電流検出抵抗。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。なお、同一または相当する部分には同一の参照符号を付して、その説明を繰り返さない。
ここで、以下の各実施の形態では、電力素子としてIGBTを例に挙げて説明しているけれども、MOSFETまたはバイポーラトランジスタを駆動するための駆動回路についても、IGBTの駆動回路についての各実施の形態を適用することができる。具体的には、MOSFETの場合には、以下の説明においてエミッタ電極をソース電極と読替え、コレクタ電極をドレイン電極と読替えればよく、また、バイポーラトランジスタの場合には、以下の説明でゲート電極をベース電極に読替えればよい。なお、本明細書でバイポーラトランジスタとは、ベース電流によってオン/オフ制御を行なう通常のPNP形またはNPN形のバイポーラトランジスタを意味する。
また、以下の説明では、IGBTの導電形として一般的なNチャネルを用いているけれども、たとえば、PチャネルのMOSFETまたはPNP形のバイポーラトランジスタの駆動回路についても、NチャネルのIGBTの駆動回路についての各実施の形態を適用することができる。PチャネルまたはPNP形の場合には、以下の説明で電源およびダイオードの極性を反対にし、各スイッチ素子として用いられるMOSFETのソース電極とエミッタ電極とを反対にし、また、各スイッチ素子として用いられるバイポーラトランジスタのエミッタ電極とコレクタ電極とを反対にすればよい。
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態1として、IGBT10の駆動回路1について、その基本的構成を示す回路図である。NチャネルのIGBT10では、第1の主電極であるコレクタ電極Cから第2の主電極であるエミッタ電極Eに流れる主電流が、制御電極であるゲート電極Gとエミッタ電極Eとの間に印加される電圧によって制御される。
図1に示すように、IGBT10の駆動回路1は、第1および第2のノード11,12の間に設けられる単一の直流電源15と、接続ノードP1とIGBT10のゲート電極Gとの間に設けられるゲート抵抗RGと、接続ノードP1とノード11との間に設けられる第1のスイッチ素子Q1と、接続ノードP1とノード12との間に設けられる第2のスイッチ素子Q2と、ノード11とIGBT10のエミッタ電極Eに接続される接続ノードP2との間に設けられる第3のスイッチ素子Q3と、接続ノードP2とノード12との間に設けられる第4のスイッチ素子Q4とを含む。スイッチ素子Q1〜Q4によって構成される回路はいわゆるHブリッジと呼ばれる回路である。
ここで、電源15の出力電圧Vccは、IGBT10をオン状態に遷移させるのに必要十分な電圧に等しい。IGBTの場合、通常15ボルトに設定される。なお、ゲート抵抗RGは、IGBT10をオン/オフさせるときにゲート電極に流入またはゲート電極から流出する電流を制限するために設けられる。
実施の形態1では、ノード11が電源15の正極側であり、ノード12が電源15の負極側である。ノード12は、駆動回路1の基準電位を決める駆動回路用の接地GND1に接続される。したがって、ノード11の電位は電源電圧Vccになり、ノード12の電位は基準電位0になる。そこで、以下では、ノード11を電源ノード11と記載し、ノード12を接地ノード12と記載する場合がある。
さらに、IGBT10の駆動回路1は、信号入力ノードSinから入力される入力信号SG0の論理レベルに応じて、これらのスイッチ素子Q1〜Q4のオン/オフの状態を第1、第2の状態に切替える制御部20を含む。ここで、入力信号SG0の論理レベルには、ハイ(H)レベルとロー(L)レベルとがあり、各実施の形態では、Hレベルの入力信号SG0が、IGBT10をオン状態に遷移(ターンオン)させる指令に対応し、Lレベルの入力信号SG0が、IGBTをオフ状態に遷移(ターンオフ)させる指令に対応する。制御部20は、入力信号SG0がHレベルのとき、スイッチ素子Q1〜Q4の状態をそれぞれ、オン状態、オフ状態、オフ状態、オン状態にする。このときのスイッチ素子Q1〜Q4の状態を第1の状態と呼ぶ。また、制御部20は、入力信号SG0がLレベルのとき、スイッチ素子Q1〜Q4の状態をそれぞれ、オフ状態、オン状態、オン状態、オフ状態にする。このときのスイッチ素子Q1〜Q4の状態を第2の状態と呼ぶ。
図2は、図1に示す駆動回路1について、入力信号SG0に応じた状態の変化を表わすタイムチャートである。図2において、横軸は時間を示し、縦軸は上から順に、入力信号SG0の論理レベル、スイッチ素子Q1〜Q4のオン/オフの状態、接続ノードP1の電位V(P1)、IGBT10のエミッタ電極Eの電位V(E)、IGBT10のゲート電極Gの電位V(G)、IGBT10のゲート・エミッタ間の電圧VGE、およびIGBT10の駆動電流IDを示す。
ここで、ゲート・エミッタ間電圧VGEは、IGBT10のエミッタ電極Eの電位を基準にするときのゲート電極Gの電位を表わす。また、駆動電流IDとは、IGBT10のゲート電極Gを順方向および逆方向にバイアスするために、駆動用の電源15から供給される電流をいう。本明細書では、駆動電流IDをIGBT10のターンオン時間またはターンオフ時間内で一定の平均電流で近似する。また、本明細書の図面では、電圧波形が指数関数的に変化する部分については直線で近似して表わす。
以下、図1、図2を参照して、駆動回路1の動作について説明する。
図2の時刻T1では、入力信号SG0がLレベルからHレベルに切換わる。これに応じて、制御部20は、スイッチ素子Q1〜Q4の状態を第2の状態から第1の状態に切換える。第1の状態では、接続ノードP1が電源ノード11に接続され、接続ノードP2が接地ノード12に接続されるので、接続ノードP1の電位V(P1)は、0からVccに変化し、接続ノードP2に接続されたIGBTのエミッタ電極Eの電位V(E)は、Vccから0に変化する。この結果、IGBT10には、エミッタ電極Eの電位に対してゲート電極Gの電位が正になる順バイアス電圧がかかって、IGBT10はターンオンする。
図2に示すように、IGBT10のゲート電極Gの電位V(G)は、次の時刻T2までの間にVccまで徐々に変化する。この時刻T1〜T2のターンオン時間は、IGBT10のゲート容量およびゲート抵抗RGの抵抗値などによって決まる時定数による。ゲート電極Gの電位V(G)の変化に伴って、ゲート・エミッタ間電圧VGEも、−VccからVccまで次第に変化する。
次の時刻T3では、入力信号SG0がHレベルからLレベルに切換わる。これに応じて、制御部20は、スイッチ素子Q1〜Q4の状態を第1の状態から第2の状態に切換える。第2の状態では、接続ノードP1は接地ノード12に接続され、接続ノードP2は電源ノード11に接続されるので、接続ノードP1の電位V(P1)は、Vccから0に変化し、接続ノードP2に接続されたIGBTのエミッタ電極Eの電位V(E)は、0からVccに変化する。この結果、IGBT10には、エミッタ電極Eの電位に対してゲート電極Gの電位が負になる逆バイアス電圧がかかり、IGBT10はターンオフする。
このターンオフの場合も、IGBT10のゲート電極Gの電位V(G)は、次の時刻T4までの間に次第に0まで変化し、これに伴って、ゲート・エミッタ間電圧VGEがVccから−Vccまで次第に変化する。時刻T3〜T4のターンオフ時間は、前述のターンオン時間と同様に、IGBT10のゲート容量およびゲート抵抗RGの抵抗値などによって決まる時定数による。
次の時刻T5では、IGBT10をターンオンさせるため、再び入力信号SG0がLレベルからHレベルに切換わるのに応じて、制御部20は、スイッチ素子Q1〜Q4の状態を第2の状態から第1の状態に切換える。前述の時刻T1〜T2の場合と同様に、時刻T5〜T6で、ゲート電極GはVccまで次第に変化し、ゲート・エミッタ間電圧VGEは−VccからVccまで次第に変化する。
このように、スイッチ素子Q1〜Q4を含む回路は、入力信号SG0に応じて、IGBT10のゲート電極Gとノード11,12とが選択的に接続し、IGBT10のエミッタ電極Eとノード11,12とが選択的に接続するスイッチマトリクス回路80として機能する。このノード11,12との接続の切り替えに伴って、IGBT10のゲート電極Gおよびエミッタ電極Eに、充電、放電が行われる。ゲート・エミッタ間電圧VGEが正にバイアスされたときには、ゲート電極Gの電位がエミッタ電極Eの電位に対して正になるように電荷が蓄積され、ゲート・エミッタ間電圧VGEが正から負に変わると、ゲート・エミッタ間に蓄積された電荷は放電されて、逆にゲート電極Gの電位がエミッタ電極の電位に対して負になるように充電される。駆動回路1のスイッチ素子Q1〜Q4を図2のように制御する場合には、このような充放電の電流は、電源15によって駆動電流IDとして供給される。
ここで、ゲート・エミッタ間電圧VGEを0からVccにまで充電するために、電源15が供給する平均電流の大きさをI1とし、このI1を基準にして駆動電流IDを評価する。そうすると、図2に示すように、時刻T1〜T2および時刻T5〜T6のターンオン時間では、ゲート・エミッタ間電圧VGEは−VccからVccまで変化するので、駆動電流IDの大きさはI1×2になる。また、時刻T3〜T4のターンオフ時間では、ゲート・エミッタ間電圧VGEはVccから−Vccまで変化するので、駆動電流IDの大きさはI1×2になる。
図3は、IGBT10および駆動回路1と、負荷16および電源18を含む主回路との接続関係を示す回路図である。
図3に示すように、IGBT10は、エミッタ電極Eに接続されるノード13、およびコレクタ電極Cに接続されるノード14を介して、主回路に接続される。主回路用の接地GND2は、ノード13に接続され、主回路の負荷16の一端は、ノード14に接続される。負荷16の他端は、主回路の電源18の正極に接続され、電源18の負極は接地GND2に接続される。IGBT10がターンオンしたとき、IGBT10のコレクタ電極Cからエミッタ電極Eに流れるコレクタ電流ICは、主回路の電源18から負荷16を通って供給される。ここで、駆動回路用の接地GND1は、接地GND2とは接続せずに、フローティングにする。
次に、スイッチ素子Q1〜Q4の具体的な構成例について説明する。
図4、図5は、バイポーラトランジスタを用いて構成した例である、電力素子の駆動回路1a,1bを示す回路図であり、図6、図7は、MOSFETを用いて構成した例である、電力素子の駆動回路1c,1dを示す回路図である。
図4に示す駆動回路1aの場合、スイッチ素子Q1〜Q4は、それぞれNPN形、PNP形、NPN形、PNP形のバイポーラトランジスタによって構成される。以下、スイッチ素子Q1〜Q4を構成するバイポーラトランジスタを、それぞれ、バイポーラトランジスタQ1〜Q4と、簡略化して記載する。
図4において、バイポーラトランジスタQ1〜Q4がNPN形の場合は、エミッタ電極が低電圧側に接続され、コレクタ電極が高電圧側に接続される。PNP形の場合は、エミッタ電極が高電圧側に接続され、コレクタ電極が低電圧側に接続される。具体的には、バイポーラトランジスタQ1,Q3のコレクタ電極は、電源ノード11に接続され、バイポーラトランジスタQ1,Q2のエミッタ電極は、接続ノードP1に接続される。また、バイポーラトランジスタQ3,Q4のエミッタ電極は、接続ノードP2(IGBT10のエミッタ電極E)に接続され、バイポーラトランジスタQ2,Q4のコレクタ電極は、接地ノード12に接続される。さらに、バイポーラトランジスタQ1,Q2の制御電極であるベース電極G1,G2は、バイポーラトランジスタQ1,Q2に制御信号SG1を入力するための接続ノードP3に接続され、バイポーラトランジスタQ3,Q4のベース電極G3,G4は、バイポーラトランジスタQ3,Q4に制御信号SG2を入力するための接続ノードP4に接続される。
ここで、図4の制御部20aは、分岐ノードP5と接続ノードP4との間に接続されるインバータ24を含む。分岐ノードP5は、信号入力ノードSinおよび接続ノードP3と接続される。したがって、信号入力ノードSinから入力された入力信号SG0は分岐ノードP5で分岐され、接続ノードP3には、入力信号SG0が制御信号SG1として供給され、接続ノードP4には、入力信号SG0の論理レベルをインバータ24によって反転させた制御信号SG2が供給される。
この結果、入力信号SG0がHレベルのとき、バイポーラトランジスタQ1〜Q4の状態は、図1で説明した第1の状態になって、IGBT10がオン状態に遷移する。逆に、入力信号SG0がLレベルのとき、バイポーラトランジスタQ1〜Q4の状態が図1で説明した第2の状態になって、IGBT10がオフ状態に遷移する。
図5に示す駆動回路1bは、バイポーラトランジスタQ3,Q4がそれぞれNPN形、PNP形であるのに代えて、それぞれPNP形、NPN形にする点と、インバータ24を含まずに、入力信号SG0と同じ論理レベルの制御信号SG2をバイポーラトランジスタQ3,Q4に供給する点とにおいて、図4に示す駆動回路1aと異なる。駆動回路1bでは、バイポーラトランジスタQ3,Q4の導電形の変更に伴って、バイポーラトランジスタQ3のエミッタ電極が電源ノード11に接続され、コレクタ電極が接続ノードP2に接続される。また、バイポーラトランジスタQ4のコレクタ電極は接続ノードP2に接続され、エミッタ電極は接地ノード12に接続される。ここで、バイポーラトランジスタQ3,Q4の導電形と各ゲート電極G3,G4に入力される制御信号SG2の論理レベルとの両方が図4の駆動回路1aと反対であるので、バイポーラトランジスタQ3,Q4の入力信号SG0に応じたオン/オフ動作は、図4の駆動回路1aの場合と同様になる。図5のその他の構成については、図4に示す駆動回路1aと同様であるので、説明を繰り返さない。
また、図6、図7に示す駆動回路1c,1dは、スイッチ素子Q1〜Q4をMOSFETによって構成している点において、それぞれ図4、図5に示す駆動回路1a,1bと相違する。したがって、図4、図5についての説明で、バイポーラトランジスタのベース電極、エミッタ電極およびコレクタ電極を、それぞれMOSFETのゲート電極、ソース電極およびドレイン電極と読み替え、パイポーラトランジスタのNPN形およびPNP形を、それぞれMOSFETのNチャネルおよびPチャネルと読み替えれば、図4、図5での説明は、図6、図7に示す駆動回路1c,1dにも妥当するので、説明を繰り返さない。
上述のとおり、実施の形態1の駆動回路1,1a〜1dによれば、単一の電源15を用いて、スイッチ素子Q1〜Q4を切り替えることによって、IGBT10のゲート電極Gに順バイアスおよび逆バイアスの両方のバイアス電圧を印加することができる。また、電源15の出力は、IGBT10をターンオンさせるのに必要十分な電圧でよい。前述の第2の従来技術では、逆バイアス印加に用いるコンデンサの充電電圧を加えた電圧を電源から供給していたのに対して、実施の形態1では、より少ない出力電圧でIGBT10のゲート電極Gに逆バイアスを印加することができる。このため、実施の形態1の駆動回路1,1a〜1dでは、前述の第1、第2の従来技術で必要とされるような高い耐電圧性能を必要としない。
[実施の形態2]
IGBTなどの電力素子のターンオフ時に逆バイアスを印加する場合は、逆バイアスを印加しない場合に比べて、概略4倍の駆動電流が必要になる。このため、駆動用電源には比較的大きな電流容量が必要になり、駆動回路の各スイッチ素子にも電流容量の大きなものが必要になる。また、電力素子のターンオン時間が増加するので、スイッチングロスが増大する。電力素子のスイッチングスピードを速めるために、ゲート抵抗またはベース抵抗の抵抗値を小さくすると、かえって、駆動電流のピーク値が増加するので、さらに大きな電流容量の駆動用電源が必要になる。
実施の形態2では、上記の問題を解決するために、IGBT10をターンオフするときに、一時的に第2の状態にした後、電源15を通らない経路でIGBT10のエミッタ電極Eとゲート電極Gを接続することによって、ゲート電極Gとエミッタ電極Eとの間に蓄積された電荷を放電させる。これによって、ターンオン時の駆動電流IDを減少させる。以下、図8〜図15を参照して詳しく説明する。
図8は、本発明の実施の形態2として、IGBT10の駆動回路2aの構成を示す回路図である。図8に示す駆動回路2aは、図4に示す駆動回路1aを変形したものである。駆動回路2aが図4の駆動回路1aと異なる点は、バイポーラトランジスタQ3のゲート電極と接続ノードP4との間に接続される1ショットパルス発生回路30aをさらに含む点と、バイポーラトランジスタQ4のエミッタ電極およびコレクタ電極間に接続される抵抗R4をさらに含む点である。ここで、1ショットパルス発生回路30aは、駆動回路2aの制御部20cに含まれ、入力されるパルス信号がLレベルからHレベルに変化するとき、この立上りエッジをトリガにして、Hレベルの1ショットパルスを出力する。1ショットパルス発生回路30aの具体的構成の一例は図10を参照して後述する。また、抵抗R4の抵抗値は、オン状態のバイポーラトランジスタQ1〜Q4のエミッタ・コレクタ間抵抗よりも十分に大きく設定される。
図9は、図8の駆動回路2aについて、入力信号SG0に応じた状態の変化を表わすタイムチャートである。図9において、横軸は時間を示し、縦軸は上から順に、入力信号SG0の論理レベル、バイポーラトランジスタQ1〜Q4のオン/オフの状態、IGBT10のゲート・エミッタ間電圧VGE、および駆動電流IDを示す。
図8、図9を参照して、駆動回路2aの動作について説明する。
図9の時刻T1では、入力信号SG0がLレベルからHレベルに切換わる。このとき、入力信号SG0が制御信号SG1として供給されるバイポーラトランジスタQ1,Q2は、それぞれオン状態、オフ状態になり、入力信号SG0を反転した制御信号SG2が供給されるバイポーラトランジスタQ4はオン状態になる。
一方、1ショットパルス発生回路30aは、制御信号SG2がHレベルからLレベルに変化する立下りエッジでは、1ショットパルスを発生せず、出力はLレベルのままである。したがって、バイポーラトランジスタQ3はオフ状態を維持する。この結果、バイポーラトランジスタQ1〜Q4の状態が図1で説明した第1の状態になるので、IGBT10のゲート電極Gに順バイアスが印加され、IGBT10がターンオンする。時刻T1〜T2のターンオン時間で、ゲート・エミッタ間電圧VGEは、0からVccに変化する。
時刻T3で入力信号SG0がHレベルからLレベルに切換わる。このとき、Lレベルの入力信号SG0が供給されるバイポーラトランジスタQ1,Q2は、それぞれオフ状態、オン状態になり、Hレベルの制御信号SG2が供給されるバイポーラトランジスタQ4はオフ状態になる。
一方、1ショットパルス発生回路30aは、制御信号SG2がLレベルからHレベルに変化するので、この立上りエッジをトリガにして、Hレベルの1ショットパルスを発生する。1ショットパルス発生回路30aの出力は、次の時刻T4でLレベルに戻る。このパルス出力を受けて、時刻T3〜T4の間の一時的な期間だけ、バイポーラトランジスタQ3がオン状態になるので、バイポーラトランジスタQ1〜Q4の状態が一時的に第2の状態になる。この結果、IGBT10のゲート電極Gに逆バイアスが印加され、IGBT10はターンオフする。このとき、IGBT10のゲート・エミッタ間電圧VGEは、Vccから−Vccまで次第に変化する。このときの駆動電流IDはI1×2である。
時刻T4では、バイポーラトランジスタQ1,Q3,Q4がオフ状態になるので、電源ノード11とIGBT10との間が開放される。一方、バイポーラトランジスタQ2はオン状態であるので、IGBT10のエミッタ電極Eから、バイポーラトランジスタQ4に並列接続された抵抗R4、オン状態のバイポーラトランジスタQ2、およびゲート抵抗RGを順に経由して、IGBT10のゲート電極Gに至る放電経路19が形成される。
電源15を経由しないこの放電経路19に放電電流が流れることによって、時刻T3〜T4の間にIGBT10のゲート・エミッタ間に蓄積された電荷が放電される。この放電は、図2のT5〜T6の場合と異なり、電源15によって駆動されて生じるものでない。時刻T5でゲート・エミッタ間電圧VGEが0になると、放電が完了する。時刻T4〜T5の放電時間は、バイパス用の抵抗R4の抵抗値、ゲート抵抗RGの抵抗値およびIGBT10のゲート容量などによって決まる時定数による。
次の時刻T6では、再び入力信号SG0がLレベルからHレベルに切換わるので、時刻T1の場合と同様に、バイポーラトランジスタQ1〜Q4の状態が第1の状態になって、IGBT10のゲート電極Gに順バイアスがかかり、IGBT10はターンオンする。ここで、ターンオンの開始時点で、ゲート・エミッタ間に蓄積された電荷の放電が既に完了しており、ゲート・エミッタ間電圧VGEが0になっている。したがって、時刻T6〜T7のターンオン時間でのゲート・エミッタ間電圧VGEの変化量は、0からVccまでのVccであり、図2の時刻T5〜T6に示す実施の形態1の場合の半分になる。この結果、ターンオン時に電源15が供給する駆動電流IDはI1になり、実施の形態1の場合の半分になる。
このように、実施の形態2の駆動回路2aでは、一時的に第2の状態にした後に、IGBT10のゲート・エミッタ間に蓄積された電荷を、電源15を経由しない放電経路19を介して放電させて、ゲート・エミッタ間電圧VGEを0に戻すことによって、IGBT10のターンオン時の駆動電流IDを減少させることができる。さらに、ターンオン時のゲート・エミッタ間電圧VGEの変化量も減少するので、IGBT10のターンオン時間も短縮させることができる。
図10は、図8に示す1ショットパルス発生回路30aの具体的構成の一例を示す回路図である。
図10に示すように、1ショットパルス発生回路30aは、入力側ノード31と中間ノード33との間に接続されたコンデンサ32と、中間ノード33と出力側ノード37との間に直列に接続された2個のインバータ36a,36bと、中間ノード33と接地GND1(接地ノード12)との間で互いに並列に接続された抵抗34およびダイオード35とを含む。1ショットパルス発生回路30aの入力側ノード31は、接続ノードP4に接続され、出力側ノード37はバイポーラトランジスタQ3のベース電極G3に接続される。
ここで、コンデンサ32および抵抗34によって構成される回路はいわゆる微分回路であり、入力側ノード31の信号が微分されて中間ノード33に生成される。ただし、中間ノード33の電位V(33)が接地GND1に対して負になる場合は、ダイオード35に順方向が流れるので、中間ノード33の電位V(33)はほぼ0に制限される。また、図10で直列接続された2個のインバータ36a,36bは、入力された電圧波形を矩形波に整形するバッファとして用いられる。
図11は、図10に示す1ショットパルス発生回路30aについて、入力信号SG0に応じた状態の変化を示すタイムチャートである。図11において、横軸は時間を示し、縦軸は上から順に、入力信号SG0の論理レベル(信号入力ノードSinの電位V(Sin))、入力側ノード31の電位V(31)、中間ノード33の電位V(33)、出力側ノード37の電位V(37)、およびバイポーラトランジスタQ3の動作状態を示す。
図10、図11を参照して、時刻T1,T4では、入力信号SG0が、Lレベル(0)からHレベル(Vcc)に切換わるので、入力側ノード31の電位V(31)はVccから0に変化する。このとき、微分信号として中間ノード33に生成される負電位はダイオード35によって制限されるので、中間ノード33の電位V(33)はダイオード35の順方向降下電圧だけ低下する。
一方、時刻T2,T5では、入力信号SG0に応じて入力側ノード31の電位V(31)は0からVccに変化するので、微分信号として中間ノード33に生成される電位V(33)はVccまで上昇した後、0に徐々に戻る。この結果、中間ノード33の電位V(33)がインバータ36aの閾値電圧Vt1以上になる、時刻T2〜T3および時刻T5〜T6で、出力側ノード37にHレベル(電源電圧Vcc)のパルス信号が出力される。このパルス出力を受けて、バイポーラトランジスタQ3がオン状態になる。ここで、1ショットパルスのパルス幅に対応する、時刻T2〜T3、時刻T5〜T6の時間は、コンデンサ32の容量と抵抗34の値の積である微分回路の時定数で決まる。
図12は、図8に示す駆動回路2aの変形例である駆動回路2bの構成を示す回路図である。図12の駆動回路2bは、図8の1ショットパルス発生回路30aおよび抵抗R4に代えて、接続ノードP3とバイポーラトランジスタQ2のベース電極G2との間に接続される1ショットパルス発生回路30bと、バイポーラトランジスタQ1のコレクタ電極とエミッタ電極との間に接続される抵抗R1とを含む点で、図8に示す駆動回路2aと相違する。ここで、1ショットパルス発生回路30bは、駆動回路2bの制御部20dに含まれ、入力されるパルス信号がHレベルからLレベルに変化するとき、この立下りエッジをトリガにして、一時的にLレベルになってHレベルに戻るようなLレベルの1ショットパルスを出力する。1ショットパルス発生回路30bの具体的構成の一例は図14を参照して後述する。また、抵抗R1の抵抗値は、オン状態のバイポーラトランジスタQ1〜Q4のエミッタ・コレクタ間抵抗よりも十分に大きく設定される。
図13は、図12の駆動回路2bについて、入力信号SG0に応じた状態の変化を表わすタイムチャートである。図13において、横軸は時間を示し、縦軸は上から順に、入力信号SG0の論理レベル、バイポーラトランジスタQ1〜Q4のオン/オフの状態、IGBT10のゲート・エミッタ間電圧VGE、および駆動電流IDを示す。
以下、図12、図13を参照して、駆動回路2bの動作について説明する。ここで、図13は、図9の駆動回路2aのタイムチャートと比較して、バイポーラトランジスタQ2の波形とバイポーラトランジスタQ3の波形とが入れ替わっている点が異なる。そこで、以下の説明では、バイポーラトランジスタQ2,Q3の動作について主に説明し、駆動回路2aと同様の点については説明を繰り返さない。
図13の時刻T1で、入力信号SG0がLレベルからHレベルに切換わる。このとき、、入力信号SG0が反転されて供給されるバイポーラトランジスタQ3は、オフ状態に遷移する。一方、1ショットパルス発生回路30bは、入力信号SG0がLレベルからHレベルに変化する立上りエッジでは、1ショットパルスを発生せず、出力はHレベルのままである。したがって、バイポーラトランジスタQ2はオフ状態を維持する。この結果、バイポーラトランジスタQ1〜Q4の状態が第1の状態になって、IGBT10がターンオンする。
時刻T3で、入力信号SG0がHレベルからLレベルに切換わると、バイポーラトランジスタQ3はオン状態になる。一方、1ショットパルス発生回路30bは、入力信号SG0がHレベルからLレベルに変化するので、この立下りエッジをトリガにして、Lレベルの1ショットパルスを発生する。1ショットパルス発生回路30bの出力は、次の時刻T4でHレベルに戻る。このパルス出力を受けて、バイポーラトランジスタQ2は、時刻T3〜T4の間でオン状態になるので、バイポーラトランジスタQ1〜Q4の状態が一時的に第2の状態になって、IGBT10がターンオフする。
時刻T4では、バイポーラトランジスタQ1,Q2,Q4がオフ状態になるので、接地ノード12とIGBT10との間が開放される。一方、バイポーラトランジスタQ3はオン状態であるので、IGBT10のエミッタ電極Eから、オン状態のバイポーラトランジスタQ3、バイパス用の抵抗R1、およびゲート抵抗RGを順に経由して、IGBT10のゲート電極Gに至る放電経路19が形成される。電源15を経由しないこの放電経路19に放電電流が流れることによって、時刻T3〜T4の間にIGBT10のゲート・エミッタ間に蓄積された電荷が放電される。
このように、図12の駆動回路2bにおいても、一時的に第2の状態にした後に、IGBT10のゲート・エミッタ間に蓄積された電荷を、電源15を経由しない放電経路19を介して放電させるので、図12の駆動回路2bは図8の駆動回路2aと同様の効果を奏する。
図14は、図12に示す1ショットパルス発生回路30bの具体的構成の一例を示す回路図である。
図14に示す1ショットパルス発生回路30bは、抵抗34およびダイオード35が、中間ノード33と電源ノード11(電源電圧Vcc)との間に接続される点で、図10に示す1ショットパルス発生回路30aと異なる。また、ダイオード35の極性については、図14では、電源ノード11にダイオード35のカソードが接続され、中間ノード33にダイオード35のアノードが接続される。このように、中間ノード33が抵抗34を介して電源ノード11に接続されるので、入力側ノード31の電位V(31)が変化しない場合には、中間ノード33の電位V(33)は、Vccに固定される。入力側ノード31の電位V(31)が変化すると、その微分信号を電源電圧Vccに重ね合わせた電位が、中間ノード33に生成される。中間ノード33の電位V(33)が電源電圧Vccを超える場合は、ダイオード35に順方向が流れるので、中間ノード33の電位V(33)は、ほぼVccに制限される。
図15は、図14に示す1ショットパルス発生回路30bについて、入力信号SG0に応じた状態の変化を示すタイムチャートである。図15において、横軸は時間を示し、縦軸は上から順に、入力信号SG0の論理レベル(入力側ノード31の電位V(31)と同じ)、中間ノード33の電位V(33)、出力側ノード37の電位V(37)、およびバイポーラトランジスタQ2の動作状態を示す。
図14、図15を参照して、時刻T1,T4で、入力信号SG0に応じて入力側ノード31の電位V(31)が0からVccに切換わるとき、ダイオード35によって電圧の上昇が制限されるので、中間ノード33の電位V(33)はわずかにダイオード35の順方向降下電圧だけ上昇する。時刻T2,T5で、入力側ノード31の電位V(31)がVccから0に切換わるときは、中間ノード33の電位V(33)は、0まで低下してからVccに徐々に戻る。中間ノード33の電位V(33)が、インバータ36aの閾値電圧Vt1以下となる時刻T2〜T4および時刻T5〜T6で、出力側のノードに0の電位、すなわちLレベルのパルス信号が発生する。このパルス出力を受けて、バイポーラトランジスタQ2がオン状態になる。
上述の実施の形態2では、図4に示す駆動回路1aを変形した駆動回路2a,2bの構成を示したけれども、図5〜図7に示す駆動回路1b〜1dを変形しても同様の作用効果を奏する電力素子の駆動回路を実現することができる。ここで、NPN形のバイポーラトランジスタまたはNチャネルのMOSFETに1ショットパルス発生回路が接続される場合には、図10に示す1ショットパルス発生回路30aが用いられ、PNP形のバイポーラトランジスタまたはPチャネルのMOSFETに1ショットパルス発生回路が接続される場合には、図14に示す1ショットパルス発生回路30bが用いられる。
[実施の形態3]
実施の形態3は、IGBT10をターンオフするときの駆動電流IDの低減を目的とする。具体的には、スイッチ素子Q1〜Q4の状態を第1の状態から第2の状態に切換えるとき、スイッチ素子Q2,Q3のいずれか一方についてオン状態になるタイミングを遅延させる。そして、この間に電源15を経由しないでIGBT10のエミッタ電極Eとゲート電極Gとが接続することによって、ゲート・エミッタ間に蓄積した電荷を放電させるものである。以下、図16〜図23を参照して詳しく説明する。
図16は、本発明の実施の形態3として、IGBT10の駆動回路3aの構成を示す回路図である。図16に示す駆動回路3aは、図4に示す駆動回路1aを変形したものである。図16に示す駆動回路3aが図4に示す駆動回路1aと異なる点は、バイポーラトランジスタQ4のエミッタ電極とコレクタ電極との間に接続されたダイオードD4をさらに含む点と、バイポーラトランジスタQ3のゲート電極G3と接続ノードP4との間に接続された遅延回路40aをさらに含む点である。ここで、ダイオードD4のカソードがバイポーラトランジスタQ4のエミッタ電極に接続され、ダイオードD4のアノードがコレクタ電極に接続される。したがって、第2の状態でバイポーラトランジスタQ3がオン状態となったとき、ダイオードD4は逆方向にバイアスされて導通しない。また、遅延回路40aは、駆動回路3aの制御部20eに含まれ、入力されるパルス信号がLレベルからHレベルに切換わるときの立上りエッジを遅延させる機能を有する。遅延回路40aの具体的構成例については、図18を参照して後述する。
図17は、図16の駆動回路3aについて、入力信号SG0に応じた状態の変化を表わすタイムチャートである。図17において、横軸は時間を示し、縦軸は上から順に、入力信号SG0の論理レベル、バイポーラトランジスタQ1〜Q4のオン/オフの状態、IGBT10のゲート・エミッタ間電圧VGE、および駆動電流IDを示す。
以下、図16、図17を参照して、駆動回路3aの動作について説明する。
図17の時刻T1で、入力信号SG0がLレベルからHレベルに切換わるとき、入力信号SG0が供給されるバイポーラトランジスタQ1,Q2は、それぞれオン状態、オフ状態になり、入力信号SG0を反転した制御信号SG2が供給されるバイポーラトランジスタQ4はオン状態になる。一方、制御信号SG2がHレベルからLレベルに変化する立下りエッジでは、遅延回路40aによる遅延は生じないので、遅延回路40aに接続されるバイポーラトランジスタQ3は、時刻T1から遅れることなくオフ状態に遷移する。この結果、バイポーラトランジスタQ1〜Q4の状態が図1で説明した第1の状態になるので、IGBT10のゲート電極Gに順バイアスが印加されて、IGBT10がターンオンする。時刻T1〜T2のターンオン時間で、ゲート・エミッタ間電圧VGEは−VccからVccに変化する。
次に、時刻T3で、入力信号SG0がHレベルからLレベルに切換わる。このとき、バイポーラトランジスタQ1,Q2は、それぞれオフ状態、オン状態になり、入力信号SG0を反転した制御信号SG2が供給されるバイポーラトランジスタQ4はオフ状態になる。一方、時刻T3で制御信号SG2がLレベルからHレベルに変化するとき、遅延回路40aは、制御信号SG2の立上りを時刻T4まで遅延させて出力する。この出力を受けて、バイポーラトランジスタQ3は、時刻T4までオフ状態を維持し、時刻T4でオン状態に遷移する。
バイポーラトランジスタQ3がオン状態になるまでの時刻T3〜T4では、バイポーラトランジスタQ1,Q3,Q4がオフ状態であるので、電源ノード11とIGBT10との間は開放される。一方、バイポーラトランジスタQ2はオン状態であるので、IGBT10のゲート電極Gから、ゲート抵抗RG、オン状態のバイポーラトランジスタQ2、および順方向のダイオードD4を順に経由して、IGBT10のエミッタ電極Eに至る放電経路19が形成される。電源15を経由しないこの放電経路19に放電電流が流れることによって、IGBT10のゲート・エミッタ間に蓄積された電荷が放電される。図2に示す時刻T3〜T4の場合と異なり、この放電は電源15によって駆動されて生じるものでない。ゲート・エミッタ間電圧VGEが0になると放電が完了する。放電が完了するまでの時間は、ゲート抵抗RGの抵抗値およびIGBT10のゲート容量などによって決まる時定数による。
時刻T4でバイポーラトランジスタQ3がオン状態に遷移すると、バイポーラトランジスタQ1〜Q4の状態は第2の状態になるので、IGBT10のゲート電極Gに逆バイアスが印加される。図17では、時刻T4の時点で既に放電が完了して、ゲート・エミッタ間電圧VGEが0になっているので、時刻T4〜T5で、ゲート・エミッタ間電圧VGEは0から−Vccまで変化する。
上記のように、実施の形態3では、時刻T3〜T5のターンオフ期間は、時刻T3〜T4の第1の期間と時刻T4〜T5の第2の期間とを含む。第1の期間では、電源15を経由しない経路でIGBT10のゲート・エミッタ間に蓄積された電荷が放電される。したがって、この放電は、電源15によって駆動されるものでない。第1の期間に続く第2の期間では、電源15によって駆動電流IDが供給されて、IGBT10に逆バイアスが印加される。第1の期間でゲート・エミッタ間に蓄積された電荷の放電が完了していると、第2の期間でのゲート・エミッタ間電圧VGEの変化量はVccになるので、ターンオフに必要な駆動電流IDはI1となり、図2のT3〜T4に示す実施の形態1の場合の半分になる。このように、実施の形態3の駆動回路3aは、ターンオフに要する駆動電流IDを減少させることができる。
時刻T6では、再び入力信号SG0がLレベルからHレベルに切換わるので、時刻T1の場合と同様に、バイポーラトランジスタQ1〜Q4の状態が第1の状態になって、IGBT10のゲート電極Gに順バイアスがかかり、IGBT10はターンオンする。実施の形態3では、ターンオン時については、ゲート・エミッタ間に蓄積された電荷を放電させる過程を取り入れていないので、必要な駆動電流IDはI1×2となって、図2のT5〜T6に示す実施の形態1の場合と同じである。
図18は、図16に示す遅延回路40aの具体的構成の一例を示す回路図である。
図18に示すように、遅延回路40aは、入力側ノード41と中間ノード44との間に接続された抵抗42と、中間ノード44と出力側ノード47との間に直列接続されたバッファ用の2個のインバータ46a,46bと、抵抗42と並列に接続されるダイオード43と、中間ノード44と接地ノード12(接地GND1)との間に接続されるコンデンサ45とを含む。ダイオード43の極性については、カソードが入力側ノード41に接続され、アノードが中間ノード44に接続される。遅延回路40aの入力側ノード41は、接続ノードP4に接続され、出力側ノード47は、バイポーラトランジスタQ3のベース電極G3に接続される。
図19は、図18に示す遅延回路40aについて、入力信号SG0応じた状態の変化を表わすタイムチャートである。図19において、横軸は時間を示し、縦軸は上から順に、入力信号SG0の論理レベル(信号入力ノードSinの電位V(Sin))、入力側ノード41の電位V(41)、中間ノード44の電位V(44)、出力側ノード47の電位V(47)、およびバイポーラトランジスタQ3の動作状態を示す。
図18、図19を参照して、時刻T1,T4では、入力信号SG0が、Lレベル(0)からHレベル(Vcc)に切換わるのに応じて、入力側ノード41の電位V(41)はVccから0に変化する。この電位V(41)の立下り時には、ダイオード43に順方向電流が流れるので、中間ノード44の電位V(44)は、入力側ノード41の電位V(41)の変化に追随してVccから0まで変化する。
一方、時刻T2,T5では、入力側ノード41の電位V(41)が0からVccに変化する。このとき、ダイオード43は、逆方向にバイアスされて非導通状態である。したがって、抵抗42およびコンデンサ45によって構成される積分回路の効果によって、中間ノード44に生成される信号の立上りエッジがなまり、中間ノード44の電位V(44)は0からVccまで徐々に上昇する。この結果、中間ノード44の電位V(44)がインバータ46aの閾値電圧Vt1以上になる時刻T3,T6以降で、出力側ノード47の電位V(47)がVccになり、バイポーラトランジスタQ3がオン状態になる。
このように、遅延回路40aでは、図19の時刻T2〜T3および時刻T5〜T6の遅延時間だけ、出力側ノード47の電位V(47)の立上りのタイミングが、入力側ノード41の電位V(41)の立上りのタイミングよりも遅延する。この遅延時間は、コンデンサ45の容量と抵抗42の抵抗値の積である積分回路の時定数で決まる。
図20は、図16に示す駆動回路3aの変形例である駆動回路3bの構成を示す回路図である。図20の駆動回路3bは、図16のダイオードD4と遅延回路40aとに代えて、バイポーラトランジスタQ1のコレクタ電極とエミッタ電極との間に接続されたダイオードD1と、接続ノードP3とバイポーラトランジスタQ2のベース電極G2との間に接続された遅延回路40bとを含む点において、図16の駆動回路3aと相違する。ここで、ダイオードD1のカソードがバイポーラトランジスタQ1のコレクタ電極に接続され、ダイオードD1のアノードがエミッタ電極に接続される。したがって、第2の状態でバイポーラトランジスタQ2がオン状態となったとき、ダイオードD1は逆方向にバイアスされて導通しない。また、図20の遅延回路40bは、駆動回路3bの制御部20fに含まれ、入力されるパルス信号がHレベルからLレベルに切換わるときの立下りエッジを遅延させるものである。遅延回路40bの具体的構成の一例は図22を参照して後述する。
図21は、図20の駆動回路3bについて、入力信号SG0に応じた状態の変化を表わすタイムチャートである。図21において、横軸は時間を示し、縦軸は上から順に、入力信号SG0の論理レベル、バイポーラトランジスタQ1〜Q4のオン/オフの状態、IGBT10のゲート・エミッタ間電圧VGE、および駆動電流IDを示す。
以下、図20、図21を参照して、駆動回路3bの動作について説明する。ここで、図21は、図17の駆動回路3aについてのタイムチャートと比較して、バイポーラトランジスタQ2の波形とバイポーラトランジスタQ3の波形とが入れ替わっている点で異なる。そこで、以下の説明では、バイポーラトランジスタQ2,Q3の動作について主に説明し、駆動回路3aと同様の動作については説明を繰り返さない。
図21の時刻T1で、入力信号SG0がLレベルからHレベルに切換わる。このとき、入力信号SG0を反転させた制御信号SG2が供給されるバイポーラトランジスタQ3は、オフ状態に遷移する。一方、バイポーラトランジスタQ2のベース電極G2には、遅延回路40bの出力が供給される。ここで、入力信号SG0がLレベルからHレベルに変化する立上りエッジでは、遅延回路40bによる立上りのタイミングの遅延は生じないので、時刻T1にバイポーラトランジスタQ2はオフ状態に遷移する。
時刻T3で、入力信号SG0がHレベルからLレベルに切換わるのに応じて、バイポーラトランジスタQ3はオン状態に遷移する。一方、遅延回路40bは、入力信号SG0がHレベルからLレベルに変化する立下りのタイミングを時刻T4まで遅延させて出力する。この出力を受けたバイポーラトランジスタQ2は、時刻T4までオフ状態を維持し、時刻T4でオン状態に遷移する。
バイポーラトランジスタQ2がオン状態に遷移するまでの時刻T3〜T4では、バイポーラトランジスタQ1,Q2,Q4がオフ状態であるので、接地ノード12とIGBT10との間が開放される。一方、バイポーラトランジスタQ3はオン状態であるので、IGBT10のゲート電極Gから、ゲート抵抗RG、順方向のダイオードD1、およびオン状態のバイポーラトランジスタQ3を順に経由して、IGBT10のエミッタ電極Eに至る放電経路19が形成される。電源15を経由しないこの放電経路19に放電電流が流れることによって、IGBT10のゲート・エミッタ間に蓄積された電荷が放電される。
時刻T4でバイポーラトランジスタQ2がオン状態に遷移すると、バイポーラトランジスタQ1〜Q4の状態は第2の状態になるので、IGBT10のゲート電極Gに逆バイアスが印加される。
このように、駆動回路3bは、図16の駆動回路3aと同様に、ターンオフ期間の最初の時刻T3〜T4の間に、IGBT10のゲート・エミッタ間に蓄積された電荷を電源15を経由しない経路で放電させておくことによって、ターンオフに要する駆動電流IDを減少させることができる。
図22は、図20に示す遅延回路40bの具体的構成の一例を示す回路図である。
図22に示す遅延回路40bは、ダイオード43のアノードを入力側ノード41に接続し、カソードを中間ノード44に接続する点で、図18に示す遅延回路40aと異なる。このようにダイオード43の極性が図18と異なるために、入力側ノード41にパルス信号が入力されたとき、図18の遅延回路40aでは、立上りのタイミングが遅延したのに対して、図22の遅延回路40bでは、立下りのタイミングが遅延する。
図23は、図22に示す遅延回路40bについて、入力信号SG0に応じた状態の変化を表わすタイムチャートである。図23において、横軸は時間を示し、縦軸は上から順に、入力信号SG0の論理レベル(入力側ノード41の電位V(41)と同じ)、中間ノード44の電位V(44)、出力側ノード47の電位V(47)、およびバイポーラトランジスタQ2の動作状態を示す。
図22、図23を参照して、時刻T1,T4で、入力信号SG0に応じて入力側ノード41の電位V(41)が0からVccに切換わる。このとき、この電位V(41)の立上り時には、ダイオード43に順方向電流が流れるので、中間ノード44の電位V(44)は、入力側ノード41の電位V(41)の変化に追随して0からVccまで変化する。
一方、時刻T2,T5で、入力側ノード41の電位V(41)はVccから0に変化する。この電位V(41)の立下り時には、中間ノード44に生成される信号の立上りエッジがなまり、中間ノード44の電位V(44)はVccから0まで徐々に下降する。この結果、中間ノード44の電位V(44)がインバータ46aの閾値電圧Vt1未満になる時刻T3,T6以降で、出力側ノード47の電位V(47)が0になり、バイポーラトランジスタQ3がオン状態になる。すなわち、時刻T2〜T3および時刻T5〜T6の遅延時間だけ、出力側ノード47の電位V(47)の立下りのタイミングが、入力側ノード41の電位V(41)の立下りのタイミングよりも遅延する。
上述の実施の形態3では、図4に示す駆動回路1aを変形した駆動回路3a,3bの構成を示したが、図5〜図7に示す駆動回路1b〜1dを変形しても同様の作用効果を奏する電力素子の駆動回路を実現することができる。ここで、遅延回路がNPN形のバイポーラトランジスタまたはNチャネルのMOSFETに接続される場合には、図18に示す遅延回路40aが用いられ、遅延回路がPNP形のバイポーラトランジスタまたはPチャネルのMOSFETに接続される場合には、図22に示す遅延回路40bが用いられる。
また、スイッチ素子Q1〜Q4としてMOSFETを用いる場合には、MOSFETを寄生ダイオードを放電経路19として利用できる。したがって、バイポーラトランジスタQ1〜Q4を用いる図16、図20の場合と異なり、スイッチ素子Q1,Q4と並列にダイオードD1,D4をさらに接続しなくてもよい。
また、実施の形態3は、実施の形態2と組み合わせることができる。この場合、IGBT10のターンオン時の駆動電流IDの低減およびターンオン時間の短縮という実施の形態2の効果と、ターンオフ時の駆動電流IDの低減という実施の形態3の両方の効果を奏する。また、ターンオンとターンオフの両方で駆動電流が低減できるので、駆動用の電源15およびスイッチ素子Q1〜Q4について電流容量の小さなものを用いることができ、コスト上のメリットがある。
[実施の形態4]
実施の形態4は、実施の形態3とは逆にIGBT10をターンオンするときの駆動電流IDの低減を目的とする。具体的方法は、実施の形態3と類似したものであり、スイッチ素子Q1〜Q4の状態を第1の状態から第2の状態に切換えるとき、スイッチ素子Q1,Q4のいずれか一方についてオン状態になるタイミングを遅延させる。そして、この間に電源15を経由しないでIGBT10のエミッタ電極Eとゲート電極Gとが接続することによって、ゲート・エミッタ間に蓄積した電荷を放電させるものである。以下、図24〜図27を参照して詳しく説明する。
図24は、本発明の実施の形態4として、IGBT10の駆動回路4aの構成を示す回路図である。図24に示す駆動回路4aは、図4に示す駆動回路1aを変形したものである。図24に示す駆動回路4aが図4に示す駆動回路1aと異なる点は、バイポーラトランジスタQ3のエミッタ電極およびコレクタ電極間に接続されたダイオードD3をさらに含む点と、バイポーラトランジスタQ4のゲート電極G4と接続ノードP4との間に接続された遅延回路40bをさらに含む点である。ここで、ダイオードD3のカソードがバイポーラトランジスタQ3のコレクタ電極に接続され、ダイオードD3のアノードがエミッタ電極に接続される。したがって、第1の状態でバイポーラトランジスタQ4がオン状態となったとき、ダイオードD3は逆方向にバイアスされて導通しない。また、遅延回路40bは、駆動回路4aの制御部20gに含まれ、図20、図22を参照して既に説明したように、入力されるパルス信号がHレベルからLレベルに切換わるときの立下りエッジを遅延させる。
図25は、図24の駆動回路4aについて、入力信号SG0に応じた状態の変化を表わすタイムチャートである。図25において、横軸は時間を示し、縦軸は上から順に、入力信号SG0の論理レベル、バイポーラトランジスタQ1〜Q4のオン/オフの状態、IGBT10のゲート・エミッタ間電圧VGE、および駆動電流IDを示す。
以下、図24、図25を参照して、駆動回路4aの動作を説明する。
図25の時刻T1以前で、バイポーラトランジスタQ1〜Q4のオン/オフの状態は図1で説明した第2の状態なので、IGBT10には、ゲート電極Gの電位がエミッタ電極Eの電位に対して負となるように逆バイアスが印加されている。
時刻T1で、入力信号SG0がLレベルからHレベルに切換わると、入力信号SG0が供給されるバイポーラトランジスタQ1,Q2は、それぞれオン状態、オフ状態になり、入力信号SG0を反転した制御信号SG2が供給されるバイポーラトランジスタQ3はオフ状態になる。一方、時刻T1では制御信号SG2がHレベルからLレベルに変化するので、遅延回路40bは、制御信号SG2の立下りを時刻T2まで遅延させて出力する。この出力を受けて、バイポーラトランジスタQ4は、時刻T2までオフ状態を維持し、時刻T2でオン状態に遷移する。
バイポーラトランジスタQ4がオン状態になるまでの時刻T1〜T2の期間は、バイポーラトランジスタQ2〜Q4がオフ状態であるので、接地ノード12とIGBT10との間が開放される。一方、バイポーラトランジスタQ1はオン状態であるので、IGBT10のエミッタ電極Eから、順方向のダイオードD3、オン状態のバイポーラトランジスタQ1、およびゲート抵抗RGを順に経由して、IGBT10のゲート電極Gに至る放電経路19が形成される。電源15を経由しないこの放電経路19に放電電流が流れることによって、IGBT10のゲート・エミッタ間に蓄積された電荷が放電される。図2に示す時刻T1〜T2の場合と異なり、この放電は電源15によって駆動されて生じるものでない。ゲート・エミッタ間電圧VGEが0になると放電が完了する。放電が完了するまでの時間は、ゲート抵抗RGの抵抗値およびIGBT10のゲート容量の積などによって決まる時定数による。
次に時刻T2でバイポーラトランジスタQ4がオン状態に遷移すると、バイポーラトランジスタQ1〜Q4の状態は図1で説明した第1の状態になるので、IGBT10のゲート電極Gに順バイアスが印加される。図25では、時刻T2の時点で既に放電が完了して、ゲート・エミッタ間電圧VGEが0になっているので、時刻T2〜T3で、ゲート・エミッタ間電圧VGEは0からVccまで変化する。
このように、実施の形態4では、時刻T1〜T3のターンオン期間は、時刻T1〜T2の第1の期間と時刻T2〜T3の第2の期間とを含む。第1の期間では、電源15を経由しない経路でIGBT10のゲート・エミッタ間に蓄積された電荷が放電されるので、電源15によって駆動電流IDが供給されない。第1の期間に続く第2の期間では、電源15によって駆動電流IDが供給されて、IGBT10に順バイアスが印加される。第1の期間でゲート・エミッタ間に蓄積された電荷の放電が完了していると、第2の期間でのゲート・エミッタ間電圧VGEの変化量はVccになるので、ターンオンに必要な駆動電流IDはI1となり、図2のT1〜T2に示す実施の形態1の場合の半分になる。このように、実施の形態4ではターンオンに要する駆動電流IDを減少させることができる。
次に、時刻T4で、入力信号SG0がHレベルからLレベルに切換わると、入力信号SG0が供給されるバイポーラトランジスタQ1,Q2は、それぞれオフ状態、オン状態になり、入力信号SG0を反転した制御信号SG2が供給されるバイポーラトランジスタQ3はオン状態になる。一方、制御信号SG2がLレベルからHレベルに変化する立上りエッジでは、遅延回路40bによる遅延は生じないので、遅延回路40bに接続されるバイポーラトランジスタQ4は、時刻T4から遅れることなくオフ状態に遷移する。この結果、バイポーラトランジスタQ1〜Q4の状態が第2の状態になるので、IGBT10のゲート電極Gに逆バイアスが印加されて、IGBT10がターンオフする。
実施の形態4では、ターンオフ時については、前述の実施の形態3と異なり、ゲート・エミッタ間に蓄積された電荷を放電させる過程を取り入れていない。したがって、時刻T4〜T5のターンオフ時間に電源15から供給される駆動電流IDはI1×2となって、実施の形態1の場合と同じである。
時刻T6で、再び入力信号SG0がLレベルからHレベルに切換わるので、時刻T1〜T3の場合と同様の経過で、時刻T8までにIGBT10のターンオンが完了する。
図26は、図24に示す駆動回路4aの変形例である駆動回路4bの構成を示す回路図である。図26の駆動回路4bは、図24のダイオードD3と遅延回路40bに代えて、バイポーラトランジスタQ2のコレクタ電極とエミッタ電極との間に接続されたダイオードD2と、接続ノードP3とバイポーラトランジスタQ1のベース電極G1との間に接続された遅延回路40aとを含む点において、図24の駆動回路4aと相違する。ここで、ダイオードD2のカソードがバイポーラトランジスタQ2のエミッタ電極に接続され、ダイオードD2のアノードがバイポーラトランジスタQ2のコレクタ電極に接続される。したがって、第1の状態でバイポーラトランジスタQ1がオン状態となったとき、ダイオードD2は逆方向にバイアスされて導通しない。また、遅延回路40aは、駆動回路4bの制御部20hに含まれ、図16、図18を参照して既に説明したように、入力されるパルス信号がLレベルからHレベルに切換わるときの立上りエッジを遅延させる。
図27は、図26の駆動回路4bについて、入力信号SG0に応じた状態の変化を表わすタイムチャートである。図27において、横軸は時間を示し、縦軸は上から順に、入力信号SG0の論理レベル、バイポーラトランジスタQ1〜Q4のオン/オフの状態、IGBT10のゲート・エミッタ間電圧VGE、および駆動電流IDを示す。
以下、図26、図27を参照して、駆動回路4bの動作について説明する。ここで、図27では、図25の駆動回路4aについてのタイムチャートと比較して、バイポーラトランジスタQ1の波形とバイポーラトランジスタQ4の波形とが入れ替わっている点が異なる。そこで、以下の説明では、バイポーラトランジスタQ1,Q4の動作について主に説明し、駆動回路4aと同様の動作については説明を繰り返さない。
図27の時刻T1で、入力信号SG0がLレベルからHレベルに切換わるのに応じて、入力信号SG0を反転させた制御信号SG2が供給されるバイポーラトランジスタQ4はオン状態になる。一方、遅延回路40bは、制御信号SG2がLレベルからHレベルに変化する立上りのタイミングを時刻T2まで遅延させて出力し、この出力を受けたバイポーラトランジスタQ1は、時刻T2までオフ状態を維持し、時刻T2でオン状態に遷移する。
バイポーラトランジスタQ1がオン状態になるまでの時刻T1〜T2の期間は、バイポーラトランジスタQ1〜Q3がオフ状態であるので、電源ノード11とIGBT10との間が開放される。一方、バイポーラトランジスタQ4はオン状態であるので、IGBT10のエミッタ電極Eから、オン状態のバイポーラトランジスタQ4、順方向のダイオードD2、およびゲート抵抗RGを順に経由して、IGBT10のゲート電極Gに至る放電経路19が形成される。電源15を経由しないこの放電経路19に放電電流が流れることによって、IGBT10のゲート・エミッタ間に蓄積された電荷が放電される。
時刻T2でバイポーラトランジスタQ1がオン状態に遷移すると、バイポーラトランジスタQ1〜Q4の状態は第1の状態になるので、IGBT10のゲート電極Gに順バイアスが印加される。
時刻T4で、入力信号SG0がHレベルからLレベルに切換わると、バイポーラトランジスタQ4はオフ状態になる。このとき、入力信号SG0がHレベルからLレベルに変化する立下りエッジでは、遅延回路40aによる遅延は生じないので、時刻T4から遅れることなくバイポーラトランジスタQ1はオフ状態に遷移する。
このように、駆動回路4bは、図24の駆動回路4aと同様に、ターンオン期間の最初の時刻T1〜T2の間に、IGBT10のエミッタ電極Eに蓄積された電荷を電源15を経由しない経路で放電させておくことによって、ターンオンに要する駆動電流IDを減少させることができる。
上述の実施の形態4では、図4に示す駆動回路1aを変形した駆動回路4a,4bの構成を示したが、図5〜図7に示す駆動回路1b〜1dを変形しても同様の作用効果を奏する電力素子の駆動回路を実現することができる。ここで、遅延回路がNPN形のバイポーラトランジスタまたはNチャネルのMOSFETに接続される場合には、図18に示す遅延回路40aが用いられ、遅延回路がPNP形のバイポーラトランジスタまたはPチャネルのMOSFETに接続される場合には、図22に示す遅延回路40bが用いられる。
また、スイッチ素子Q1〜Q4としてMOSFETを用いる場合には、MOSFETを寄生ダイオードを放電経路19として利用できる。したがって、バイポーラトランジスタQ1〜Q4を用いる図24、図26の場合と異なり、スイッチ素子Q2,Q3と並列にダイオードD2,D3をさらに接続しなくてもよい。
また、実施の形態4は、実施の形態3と組み合わせることができる。この場合、IGBT10のターンオフ時の駆動電流IDの低減という実施の形態3の効果と、ターンオン時の駆動電流IDの低減という実施の形態4の両方の効果を奏する。また、ターンオンとターンオフの両方で駆動電流が低減できるので、駆動用の電源15およびスイッチ素子Q1〜Q4について電流容量の小さなものを用いることができ、コスト上のメリットがある。
[実施の形態5]
実施の形態5は、IGBT10のターンオン時およびターンオフ時の両方の駆動電流IDを低減することを目的とする。具体的には、入力信号SG0に応じて、スイッチ素子Q1〜Q4の状態を第1、第2の状態に切換えるとき、スイッチ素子Q1,Q3をオン状態にし、かつ、スイッチ素子Q2,Q4をオフ状態にするか、または、スイッチ素子Q1,Q3をオフ状態にし、かつ、スイッチ素子Q2,Q4をオン状態にするかの、いずれかの状態にする。そして、この間に、電源15を経由しない経路でIGBT10のゲート電極Gとエミッタ電極Eとを接続して、ゲート・エミッタ間に蓄積した電荷を放電させるものである。以下、図28〜図33を参照して詳しく説明する。
図28は、本発明の実施の形態5として、IGBT10の駆動回路5aの構成を示す回路図である。図28に示す駆動回路5aは、図6に示す駆動回路1cを変形したものである。図28に示す駆動回路5aが図6に示す駆動回路1cと異なる点は、接続ノードP4とインバータ24の出力端との間に接続される遅延回路40cをさらに含む点である。ここで、遅延回路40cは、駆動回路5aの制御部20iに含まれ、入力されるパルス信号の立上り、立下りの両方のタイミングを遅延させる。遅延回路40cの具体的構成例については、図30を参照して後述する。
図29は、図28の駆動回路5aについて、入力信号SG0に応じた状態の変化を表わすタイムチャートである。図29において、横軸は時間を示し、縦軸は上から順に、入力信号SG0の論理レベル、スイッチ素子Q1〜Q4を構成するMOSFETのオン/オフの状態、IGBT10のゲート・エミッタ間電圧VGE、および駆動電流IDを示す。以下では、スイッチ素子Q1〜Q4を構成するMOSFETを、それぞれ、MOSFETQ1〜Q4と、簡略化して記載する。
次に、図28、図29を参照して、駆動回路5aの動作を説明する。
図29の時刻T1で、入力信号SG0がLレベルからHレベルに切換わるとき、入力信号SG0が供給されるMOSFETQ1,Q2は、それぞれオン状態、オフ状態になる。一方、遅延回路40cには、入力信号SG0を反転させた制御信号SG2が供給される。遅延回路は、HレベルからLレベルに変化する制御信号SG2の立下りのタイミングをT2まで遅延させて出力する。この出力を受けて、MOSFETQ3,Q4は、それぞれ、時刻T2までオン状態、オフ状態を維持し、時刻T2でオフ状態、オン状態に遷移する。
時刻T1〜T2の間は、MOSFETQ2,Q4がオフ状態であるので、接地ノード12とIGBT10との間は開放される。一方、MOSFETQ1,Q3はオン状態であるので、IGBT10のエミッタ電極Eから、オン状態のMOSFETQ3、オン状態のMOSFETQ1、およびゲート抵抗RGを順に経由して、IGBT10のゲート電極Gに至る放電経路19aが形成される。電源15を経由しないこの放電経路19aに放電電流が流れることによって、IGBT10のゲート・エミッタ間に蓄積された電荷が放電される。図2に示す時刻T1〜T2の場合と異なり、この放電は電源15が駆動して生じるものでない。ゲート・エミッタ間電圧VGEが0になると放電が完了する。放電が完了するまでの時間は、ゲート抵抗RGの抵抗値およびIGBT10のゲート容量などによって決まる時定数による。
時刻T2でMOSFETQ3,Q4が、それぞれオフ状態、オン状態に遷移すると、MOSFETQ1〜Q4の状態は第1の状態になるので、IGBT10のゲート電極Gに順バイアスが印加される。図29では、時刻T2の時点で既に放電が完了して、ゲート・エミッタ間電圧VGEが0になっているので、時刻T2〜T3で、ゲート・エミッタ間電圧VGEは0からVccまで変化する。
時刻T4で、入力信号SG0がHレベルからLレベルに切換わるとき、MOSFETQ1,Q2は、それぞれオフ状態、オン状態になる。一方、遅延回路40cは、LレベルからHレベルに変化する制御信号SG2の立上りのタイミングをT5まで遅延させて出力する。この出力を受けて、MOSFETQ3,Q4は、それぞれ、時刻T5までオフ状態、オン状態を維持し、時刻T5でオン状態、オフ状態に遷移する。
時刻T4〜T5の間は、MOSFETQ1,Q3がオフ状態であるので、電源ノード11とIGBT10との間は開放される。一方、MOSFETQ2,Q4はオン状態であるので、IGBT10のゲート電極Gから、ゲート抵抗RG、オン状態のMOSFETQ2、およびオン状態のMOSFETQ4順に経由して、IGBT10のエミッタ電極Eに至る放電経路19bが形成される。電源15を経由しないこの放電経路19bに放電電流が流れることによって、IGBT10のゲート・エミッタ間に蓄積された電荷が放電される。実施の形態1で説明した図2の時刻T3〜T4の場合と異なり、この放電は電源15によって駆動されて生じるものでない。ゲート・エミッタ間電圧VGEが0になると放電が完了する。
時刻T5でMOSFETQ3,Q4が、それぞれオン状態、オフ状態に遷移すると、MOSFETQ1〜Q4の状態は第2の状態になるので、IGBT10のゲート電極Gに逆バイアスが印加される。図29では、時刻T5の時点で既に放電が完了して、ゲート・エミッタ間電圧VGEが0になっているので、時刻T5〜T6で、ゲート・エミッタ間電圧VGEは0から−Vccまで変化する。
時刻T7で入力信号SG0が再びLレベルからHレベルに切換わる。時刻T7〜T9のターンオン期間の駆動回路5aの動作は、時刻T1〜T3と同様である。
上述のように、実施の形態5では、時刻T1〜T3、時刻T7〜T9のターンオン期間、および時刻T4〜T6のターンオフ期間の両方とも、これらの期間の最初の放電期間で、ゲート電極Gまたはエミッタ電極Eに蓄積された電荷が、電源15を経由しない経路で放電され、ゲート・エミッタ間電圧VGEの絶対値が減少する。その後、電源15から駆動電流IDを供給して、ゲート電極Gとエミッタ電極Eとの間に順方向または逆方向のバイアス電圧VGEを印加するので、駆動用の電源15によるゲート・エミッタ間電圧VGEの変化量を減少させることができる。この結果、実施の形態5の駆動回路5aは、ターンオンおよびターンオフに必要な駆動電流IDを減少させることができる。放電期間中に放電が完了して、ゲート・エミッタ間電圧VGEが0まで戻っているときには、駆動電流IDはターンオフ、ターンオンのいずれの場合もI1になって、実施の形態1の半分になる。
図30は、図28に示す遅延回路40cの具体的構成の一例を示す回路図である。
図30に示す遅延回路40cは、入力側ノード41と中間ノード44との間に接続されるダイオード43を取り除いた点で、図18、図22に示す遅延回路40a,40bと異なる。このようにダイオード43を取り除いたために、入力側ノード41にパルス信号が入力されたとき、遅延回路40a,40bでは、それぞれ立上り、立下りのタイミングが遅延するのに対して、図30の遅延回路40cでは、立上り、立下りのいずれのタイミングも遅延する。
図31は、図30に示す遅延回路40cについて、入力信号SG0に応じた状態の変化を表わすタイムチャートである。図31において、横軸は時間を示し、縦軸は上から順に、入力信号SG0の論理レベル(信号入力ノードSinの電位V(Sin))、入力側ノード41の電位V(41)、中間ノード44の電位V(44)、出力側ノード47の電位V(47)、およびMOSFETQ3,Q4の動作状態を示す。
図30、図31を参照して、時刻T1,T4では、入力信号SG0がLレベル(0)からHレベル(Vcc)に切換わるのに応じて、入力側ノード41の電位V(41)がVccから0に立ち下がる。このとき、抵抗42およびコンデンサ45によって構成される積分回路の効果によって、中間ノード44に生成される電位V(44)は、Vccから0まで徐々に下降する。同様に、時刻T3,T7で、入力信号SG0に応じて入力側ノード41の電位V(41)が0からVccに立ち上がるとき、中間ノード44に生成される電位V(44)は0からVccまで徐々に上昇する。
この結果、中間ノード44の電位V(44)がインバータ46aの閾値電圧Vt1以上になる時刻T2以前、時刻T4〜T6、時刻T8以降で、出力側ノード47の電位V(47)がVccになる。すなわち、時刻T1〜T2、時刻T3〜T4、時刻T5〜T6、および時刻T7〜T8の遅延時間だけ、出力側ノード47の電位V(47)の立上り、立下りのタイミングが、入力側ノード41の電位V(41)の立上り、立下りのタイミングよりも遅延する。この遅延時間は、コンデンサ45の容量と抵抗42の抵抗値の積である積分回路の時定数で決まる。したがって、MOSFETQ3,Q4がオン/オフするタイミングも、入力信号SG0の論理レベルの切換わりのタイミングよりもこの遅延時間だけ遅延する。
図32は、図28に示す駆動回路5aの変形例である駆動回路5bの構成を示す回路図である。図32の駆動回路5bは、遅延回路40cの設置場所を、分岐ノードP5と接続ノードP3との間に変更した点で、図28の駆動回路5aと相違する。ここで、図32の遅延回路40cは、駆動回路5bの制御部20jに含まれ、図30を参照して既に説明したように、入力されるパルス信号の立上り、立下りのいずれのタイミングも遅延させるものである。
図33は、図32の駆動回路5bについて、入力信号SG0に応じた状態の変化を表わすタイムチャートである。図33において、横軸は時間を示し、縦軸は上から順に、入力信号SG0の論理レベル、MOSFETQ1〜Q4のオン/オフの状態、IGBT10のゲート・エミッタ間電圧VGE、および駆動電流IDを示す。
以下、図32、図33を参照して、駆動回路5bの動作について説明する。ここで、図33は、図29の駆動回路5aについてのタイムチャートと比較して、バイポーラトランジスタQ1,Q2の波形とバイポーラトランジスタQ3,Q4の波形とが入れ替わっている点が異なる。そこで、以下の説明では、駆動回路5aと異なる動作について説明し、駆動回路5aと同様の動作については説明を繰り返さない。
図33の時刻T1で、入力信号SG0がLレベルからHレベルに切換わるとき、MOSFETQ3,Q4は、それぞれオフ状態、オン状態になる。遅延回路40cの出力を受けるMOSFETQ1,Q2は、時刻T2になってから、それぞれオン状態、オフ状態に遷移する。
時刻T1〜T2の間は、MOSFETQ2,Q4はオン状態であるので、IGBT10のエミッタ電極Eから、オン状態のMOSFETQ4、オン状態のMOSFETQ2、およびゲート抵抗RGを順に経由して、IGBT10のゲート電極Gに至る放電経路19cが形成される。電源15を経由しないこの放電経路19cに放電電流が流れることによって、IGBT10のゲート・エミッタ間に蓄積された電荷が放電される。時刻T2でMOSFETQ1,Q2が、それぞれオン状態、オフ状態に遷移すると、MOSFETQ1〜Q4の状態は第1の状態になるので、IGBT10のゲート電極Gに順バイアスが印加される。
一方、時刻T4で、入力信号SG0がHレベルからLレベルに切換わるとき、MOSFETQ3,Q4は、それぞれオン状態、オフ状態になる。MOSFETQ1,Q2は、遅延回路40cの出力を受けるので、時刻T5になってから、それぞれオフ状態、オン状態に遷移する。
時刻T4〜T5の間は、MOSFETQ1,Q3はオン状態であるので、IGBT10のゲート電極Gから、ゲート抵抗RG、オン状態のMOSFETQ1、およびオン状態のMOSFETQ3を順に経由して、IGBT10のエミッタ電極Eに至る放電経路19dが形成される。電源15を経由しないこの放電経路19に放電電流が流れることによって、IGBT10のゲート・エミッタ間に蓄積された電荷が放電される。時刻T5でMOSFETQ1,Q2が、それぞれオフ状態、オン状態に遷移すると、MOSFETQ1〜Q4の状態は第2の状態になるので、IGBT10のゲート電極Gに逆バイアスが印加される。
このように、駆動回路5bは、図28の駆動回路5aと同様に、ターンオン、ターンオフの期間の最初に、IGBT10のゲート電極Gまたはエミッタ電極Eに蓄積された電荷を電源15を経由しない経路で放電させておくことによって、駆動電流IDを減少させることができる。また、上述の実施の形態5では、図6に示す駆動回路1cを変形した駆動回路5a,5bの構成を示したが、図4、図5、図7に示す駆動回路1a,1b,1dを変形しても同様の作用効果を奏する電力素子の駆動回路を実現することができる。
[実施の形態6]
実施の形態6では、本発明の駆動回路を電流検出電極(センス電極)を有する電力素子に適用する。
たとえば、エミッタ電極の一部がセンス電極として分離された構造のIGBT(センスIGBT)では、センス電極にコレクタ電流に応じた電流(センス電流)が流れる。したがって、このセンス電流の大きさを検出することによってコレクタ電流を監視することができ、過電流保護などに利用することができる。近年、盛んに開発されているIPM(Intelligent Power Module)では、このようなセンス電極付きの電力素子がしばしば利用される。
センス電極付きの電力素子に逆バイアスを印加する場合、前述の第1、第2の従来技術の駆動回路では、センス電極と駆動回路との接続が複雑になるという問題がある。たとえば、センスIGBTに2電源を用いる第1の従来技術の駆動回路を適用するとき、センス電流を検出するための電流検出抵抗を、駆動回路用の接地GND1に接続することができない。電流検出抵抗は、順バイアス用の電源の負極、逆バイアス用の電源の正極、およびIGBTのエミッタ電極を結ぶ基準線に接続する必要がある。従来技術では、このような基準線を接地GND1と別に設ける必要がある。また、電流検出抵抗に生じる電圧を比較器によって基準電源と比較するときには、基準電源の接地側もこの基準線に接続する必要がある。これに対して、本発明の駆動回路では、上記の電流検出抵抗および基準電源の接地側は接地GND1に接続できるという利点がある。以下、図34〜図36を参照して詳しく説明する。
図34は、本発明の実施の形態6として、IGBT10の駆動回路6の構成を示す回路図である。図34に示す駆動回路6は、図6に示す駆動回路1cを変形したものである。
駆動回路6は、IGBT10に代えて、センス電極を有するセンスIGBT10aに適用する点で、図6の駆動回路1cと異なる。センスIGBT10aは、コレクタ電流ICの大部分が流れる主要部10bと、主要部10bのエミッタ電極Eと分離されたセンス電極Sを有するセンス部10cとを含む。センス電極Sには、コレクタ電流ICの一部が流れる。センスIGBT10aの主要部10bおよびセンス部10cは共通のコレクタ電極Cを有し、また、主要部10bおよびセンス部10cのゲート電極Gは相互に接続される。センスIGBT10aのゲート電極Gがゲート抵抗RGを介して接続ノードP1に接続される点と、エミッタ電極Eが接続ノードP2に接続される点については、駆動回路6は、図6の駆動回路1cと同様である。
また、駆動回路6は、信号入力ノードSinと分岐ノードP5との間に接続される制御IC(Integrated Circuits)50aと、センス電極Sと接地ノード12との間に接続される電流検出抵抗RDと、電流検出抵抗RDと並列に接続される第5のスイッチ素子Q5としてのNチャネルのMOSFETと、MOSFETQ5の制御電極(ゲート電極)と分岐ノードP5との間に接続されるインバータ72と、一方の入力端がセンス電極Sに接続される比較器70と、比較器70の他方の入力端と接地ノード12との間に接続される基準電源71と、接続ノードP2とMOSFETQ3のソース電極との間に接続されるツェナダイオード74とをさらに含む点において、図6の駆動回路1cと相違する。
ここで、ツェナダイオード74のカソードは、MOSFETQ3のソース電極に接続され、アノードが接続ノードP2に接続される。図1で説明した第2の状態では、電源電圧Vccは、電源ノード11から、MOSFETQ3、センスIGBT10a、およびMOSFETQ2を経由して、接地ノード12に至る経路に印加される。ツェナダイオード74は、この経路に印加される電源電圧Vccの一部を分担する定電圧部として機能する。この結果、センスIGBT10aのエミッタ電極Eとゲート電極G間に印加される逆バイアス電圧VGEを減少させることができる。接続ノードP1とMOSFETQ2のソース電極との間に、カソードが接続ノードP1側になるようにツェナダイオード74を接続してもよい。
また、比較器70は、電流検出抵抗RDに生じる検出電圧VRDと基準電源71の電源電圧ER1とを比較して、検出電圧VRDが電源電圧ER1以上のときHレベルの信号を出力し、検出電圧VRDが電源電圧ER1より小さいときはLレベルの信号を出力する。このように、比較器70は、検出電圧VRDを監視する電圧監視部として機能する。
また、MOSFETQ5は、そのゲート電極がインバータ72を介して出力ノード57に接続される。したがって、入力信号SG0がLレベルに切換わって、出力ノード57の電位V(57)が0であるとき、インバータ72からHレベルの信号が供給されてオン状態に遷移する。この結果、電流検出抵抗RDの両端がオン状態のMOSFETQ5を介して導通するので、検出電圧VRDが0になる。このように、入力信号SG0がLレベルのときは、センス電流ISの大きさによらず、検出電圧VRDが0になり、比較器70はLレベルの信号を出力する。
本来ならば、入力信号SG0がLレベルのときは、センスIGBT10aがターンオフして、コレクタ電流ICおよびセンス電流ISは0になるはずである。しかしながら、センスIGBT10aのゲート電極Gがバイアスされた状況では、チップ構造に起因する寄生抵抗のため、エミッタ電極Eとセンス電極Gとの間の抵抗値が小さくなってしまう。センスIGBT10aに逆バイアスが印加された場合には、エミッタ電極Eの電位のほうがセンス電極Sの電位より高くなるので、この寄生抵抗を介して電流検出抵抗RDに電流が流れることがある。この結果、検出電圧VRDが電源電圧ER1以上になると、比較器70の出力がHレベルになるという誤動作が生じる。そこで、このような誤動作を回避するために、MOSFETQ5が設けられている。
また、駆動回路6の制御部を構成する制御IC50aは、入力信号SG0を増幅して出力するためのコントロールアンプ54(図38参照)を含む。コントロールアンプ54は、入力ノード51を介して信号入力ノードSinと接続され、出力ノード57を介して分岐ノードP5と接続され、入力ノード52を介して比較器70の出力端と接続される。また、コントロールアンプ54は、電源ノード11および接地ノード12(接地GND1)と接続され、電源電圧Vccが供給される。コントロールアンプ54は、比較器70の出力がLレベルのとき、増幅された制御信号SG0を出力ノード57から出力するが、比較器70の出力がHレベルになった後は、制御信号SG0の出力にかかわらずLレベルの信号を出力して、制御信号SG0を無効にする。
図35は、図34の駆動回路6について、入力信号SG0に応じた状態の変化を表わすタイムチャートである。図35において、横軸は時間を示し、縦軸は上から順に、入力信号SG0の論理レベル、出力ノード57の電位V(57)、接続ノードP1の電位V(P1)、センスIGBT10aのエミッタ電極Eの電位V(E)、センスIGBT10aのゲート電極Gの電位V(G)、ゲート・エミッタ間電圧VGE、センスIGBT10aのコレクタ電流IC、および電流検出抵抗RDにかかる電圧VRDを示す。
以下、図34、図35を参照して、駆動回路6の動作を時間の経過の順に説明する。以下の説明では、図6の駆動回路1cと異なる部分の動作を主に説明し、共通する部分については説明を繰り返さない。
図35の時刻T1以前の状態は、入力信号SG0がLレベルのときの定常状態である。このとき、制御ICの出力ノード57の電位V(57)が0であるのに応じて、MOSFETQ1〜Q4の状態は図1で説明した第2の状態である。このとき、接続ノードP1の電位V(P1)およびセンスIGBT10aのゲート電極Gの電位V(G)は0になり、前述の実施の形態1の図2の場合と同様であるが、接続ノードP2の電位V(P2)は、図2の場合と異なり、ツェナダイオード74のためにツェナ電圧Vzだけ低くなってVcc−Vzになる。
この結果、ゲート・エミッタ間電圧VGEは、Vz−Vccになり、その絶対値をVzだけ図2の場合より小さくすることができる。したがって、逆バイアス方向の耐電圧の低いIGBTに対しても、実施の形態6の駆動回路6を適用することが可能になる。
次の時刻T1では、入力信号SG0がLレベルからHレベルに切換わる。このとき、制御IC50aの出力ノード57の電位V(57)が0からVccになるので、MOSFETQ1〜Q4の状態は、図1で説明した第1の状態に変化する。第1の状態では、接続ノードP1の電位V(P1)は0からVccに変化し、エミッタ電極Eの電位はVcc−Vzから0に変化するので、ゲート電極Gに順バイアスが印加され、ゲート電極Gの電位V(G)は0からVccまで次第に上昇する。この結果、ゲート・エミッタ間電圧VGEは、Vz−VccからVccまで次第に変化する。
ゲート・エミッタ間電圧VGEが、センスIGBT10aの閾値電圧Vt2を超えた時刻T2で、センスIGBT10はターンオンしてコレクタ電流ICが流れる。コレクタ電流の一部はセンス電極Sから電流検出抵抗RDを流れるので、電流検出抵抗RDにかかる検出電圧VRDは、0からV2に変化する。図36では、V2が電源電圧ER1より小さい場合を例示しているので、比較器70はLレベルの信号を出力し、コントロールアンプ54によって、入力信号SG0が無効にされることはない。
時刻T3で、入力信号SG0がHレベルからLレベルに切換わると、制御IC50aの出力ノード57の電位V(57)はVccから0になる。このとき、MOSFETQ1〜Q4の状態が第2の状態に変化するので、ゲート・エミッタ間電圧VGEは、VccからVz−Vccまで次第に変化する。この結果、センスIGBT10aの主要部10bには逆バイアスが印加される。センス部10cのゲート電極Gとセンス電極Sとの間の電圧は0である。
また、時刻T3で出力ノード57の電位V(57)がVccから0になると、出力ノード57とインバータ72を介して接続されるMOSFETQ5は、オン状態に遷移する。この結果、電流検出抵抗RDに生じる検出電圧VRDは0になる。したがって、比較器70の出力は、センス電流ISの大きさによらずにLレベルになり、誤動作によって、コントロールアンプ54が制御信号SG0を無効にすることがない。
時刻T4で、ゲート・エミッタ間電圧VGEが閾値電圧Vt2を下回ると、コレクタ電流ICはオン状態のI2からオフ状態の0に戻る。
図36は、図34の駆動回路6の比較例として、センスIGBT10aの駆動回路100の構成を示す回路図である。
図36に示す駆動回路100は、単一の電源15に代えて、2電源15a,15bが設けられている点と、MOSFETQ1〜Q4から成るHブリッジの構成に代えて、MOSFETQ1,Q2の2個のスイッチ素子が設けられている点とにおいて、図34の駆動回路6と相違する。したがって、駆動回路6では、MOSFETQ3,Q4に制御信号SG0を供給するための分岐ノードP5が設けられているのに対して、MOSFETQ3,Q4を有さない駆動回路100では、分岐ノードP5が設けられていない。
また、図34の駆動回路6では、電流検出抵抗RDおよび基準電源71の負極が接地GND1(接地ノード12)に接続されている。これに対して、図36の駆動回路100では、電流検出抵抗RDおよび基準電源71の負極が、2電源15a,15bの間のノード102およびセンスIGBT10aのエミッタ電極Eを結ぶ基準線104に接続されている。この点で、駆動回路100は、図34の駆動回路6と異なる。2電源15a,15bが設けられる駆動回路100では、電流検出抵抗RDに生じる電圧VRDを接地GND1に基準にして測定することができず、2電源15a,15bの間のノード102を基準にしなればならないからである。実施の形態6の駆動回路6は、比較例の駆動回路100と異なり、接地GND1と分離された基準線104を設ける必要がないので、センス電極Sと駆動回路100との接続が簡単になる。
[実施の形態7]
実施の形態7の駆動回路7は、実施の形態6の駆動回路6に実施の形態3の駆動回路3a,3b、実施の形態4の駆動回路4a,4bの構成を組み合わせたものである。以下、図37〜図39を参照して詳しく説明する。
図37は、本発明の実施の形態7として、センスIGBT10aの駆動回路7の構成を示す回路図である。図37に示す駆動回路7は、図34の駆動回路6を変形したものであり、下記の第1〜第4の点で、図34の駆動回路6と異なる。
第1に、駆動回路7では、MOSFETQ3,Q4の導電形をそれぞれ、PNP形、NPN形に変更している。
第2に、駆動回路7は、接続ノードP4とインバータ24とが設けられた図34の回路構成に代えて、接続ノードP4を設けずに、MOSFETQ3のゲート電極G3と分岐ノードP5との間に接続された遅延回路40dと、MOSFETQ4のゲート電極G4と分岐ノードP5との間に接続された遅延回路40eとを含む。
第3に、駆動回路7は、分岐ノードP5と接続ノードP3との間に接続された抵抗76と、センスIGBT10aのゲート電極Gと接地GND1との間に接続されたNチャネルのMOSFETQ6とをさらに含む。
第4に、駆動回路7は、図34の制御IC50aに代えて、センスIGBT10aのゲート電極Gに接続される入力ノード61、およびMOSFETQ6のゲート電極に接続される出力ノード67をさらに有する制御IC50bを含む。
ここで、上記の遅延回路40dは、図22の遅延回路40bを変形したものである。遅延回路40dは、コンデンサ45に代えて、MOSFETQ3のゲート・ソース間容量を利用している点と、バッファ用のインバータ46a,46bを設けずに、MOSFETQ3がそのバッファ機能を果たしている点で、遅延回路40bと異なる。遅延回路40dの機能は、図22の遅延回路40bの機能と同様であり、入力される信号の立下りエッジをなまらせることによって、そのタイミングを遅延させるものである。図37で、抵抗42、ダイオード43、およびMOSFETQ3のゲート電極G3に接続される中間ノード44aは、図22の中間ノード44に対応する。
また、遅延回路40eは、図18の遅延回路40aを変形したものであり、コンデンサ45に代えて、MOSFETQ4のゲート・ソース間容量を利用している点と、バッファ用のインバータ46a,46bを設けずに、MOSFETQ4がそのバッファ機能を果たしている点で、遅延回路40aと異なる。遅延回路40eの機能は、図22の遅延回路40aの機能と同様であり、入力されるパルス信号の立上りエッジをなまらせることによって、そのタイミングを遅延させるものである。図37で、抵抗42、ダイオード43、およびMOSFETQ4のゲート電極G4に接続される中間ノード44bは、図18の中間ノード44に対応する。
また、図37において、MOSFETQ3,Q4の寄生ダイオードは、それぞれ、図24に示す実施の形態4の駆動回路4aに含まれるダイオードD3、および図16に示す実施の形態3の駆動回路3aに含まれるダイオードD4として機能する。
図38は、図37に示す制御IC50bの具体的構成の一例を示す回路図である。制御IC50bは、前述の入力ノード61および出力ノード67と、MOSFETQ6のオン/オフを制御するための制御回路60とをさらに含む点で、図34に示す制御IC50aと異なる。
制御IC50bの制御回路60は、比較器62、基準電源68、NAND回路63、NPN形のバイポーラトランジスタ64、および抵抗65を含む。これらの構成要素の接続について説明する。
まず、比較器62の一方の入力端は入力ノード61を介してセンスIGBT10aのゲート電極Gに接続され、他方の入力端は基準電源68の正極に接続される。基準電源68の負極は接地GND1に接続される。また、NAND回路63の一方の入力端は比較器62の出力端に接続され、他方の入力端はインバータ69を介して入力ノード51に接続される。また、バイポーラトランジスタ64のゲート電極はNAND回路63の出力端に接続され、エミッタ電極は接地ノード12(接地GND1)に接続される。バイポーラトランジスタ64のコレクタ電極66は、抵抗65を介して電源ノード11(電源電圧Vcc)に接続されるとともに、出力ノード67を介してMOSFETQ6のゲート電極に接続される。ここで、比較器62は、センスIGBT10aのゲート電極Gの電位V(G)が基準電源68の電源電圧ER2以下のときHレベルの信号を出力し、ゲート電極Gの電位V(G)が電源電圧ER2を超えるときLレベルの信号を出力するものである。
次に、制御回路60の動作について説明する。制御回路60は、センスIGBT10aをターンオフする際に、センスIGBT10aのゲート電極Gの電位V(G)が、基準電源68の電源電圧ER2以下になったとき、MOSFETQ6をオンさせて、IGBT10aのゲート・エミッタ間電圧VGEをすばやく低下させて、確実にセンスIGBT10aをターンオフさせるためのものである。
この機能を実現するために、制御回路60は、入力信号SG0がLレベル(インバータ69の出力がHレベル)であり、かつ、比較器の出力がHレベル(ゲート電極Gの電位V(G)が電源電圧ER2以下)である場合に、NAND回路63がLレベルの信号を出力するように構成されている。上記の場合以外では、NAND回路63は、Hレベルの信号をバイポーラトランジスタ64のベース電極に出力する。そして、NAND回路63の出力がLレベルのとき、バイポーラトランジスタ64がオフ状態になるので、抵抗65を介して電源ノード11に接続されたコレクタ電極66の電位はVccになる。一方、NAND回路63の出力がHレベルのとき、バイポーラトランジスタ64はオン状態になるので、バイポーラトランジスタ64のコレクタ電極66の電位は0になる。
ここで、MOSFETQ6のゲート電極は、バイポーラトランジスタ64のコレクタ電極66に接続されているので、MOSFETQ6は、バイポーラトランジスタ64のコレクタ電極66の電位がVccの場合にオン状態になる。すなわち、入力信号SG0がLレベルであり、かつ、比較器の出力がHレベル(ゲート電極Gの電位V(G)が電源電圧ER2以下)である場合に、MOSFETQ6はオン状態になる。このとき、オン状態のMOSFETQ6を介して、IGBT10aと接地ノードとの間が導通する。したがって、IGBT10aのターンオフ時に、ゲート・エミッタ間電圧VGEのすばやい低下が実現できる。
図39は、図37の駆動回路7について、入力信号SG0に応じた状態の変化を表わすタイムチャートである。図39において、横軸は時間を示し、縦軸は上から順に、入力信号SG0の論理レベル、出力ノード57の電位V(57)、中間ノード44aの電位V(44a)、中間ノード44bの電位V(44b)、MOSFETQ1〜Q4のオン/オフの状態、接続ノードP1の電位V(P1)、センスIGBT10aのゲート電極Gの電位V(G)、エミッタ電極Eの電位V(E)、ゲート・エミッタ間電圧VGEを示す。
以下、図37〜図39を参照して、駆動回路7の動作について説明する。以下の説明では、図34の駆動回路6と異なる部分の動作を主に説明し、共通する部分については説明を繰り返さない。
図39の時刻T1で、入力信号SG0がLレベルからHレベルに切換わり、制御IC50bの出力ノード57の電位V(57)が0からVccに変化する。これによって、MOSFETQ1,Q2は、それぞれオン状態、オフ状態に遷移するので、接続ノードP1の電位V(P1)は、時刻T1で0からVccに変化する。
ここで、時刻T1での電位V(57)の立上りエッジでは、遅延回路40aの中間ノード44aの電位V(44a)は遅延せずに0からVccまで変化するので、MOSFETQ3は、時刻T1でオフ状態に遷移する。これに対して、遅延回路40bの中間ノード44bの電位V(44b)は、図19の電位V(44)の変化と同様に、徐々に0からVccまで変化するので、MOSFETQ4は、中間ノード44bの電位(44b)がMOSFETQ4の閾値電圧Vt4に達する時刻T2まで遅れてオン状態に遷移する。
MOSFETQ4がオン状態に遷移するまでの時刻T1〜T2の間には、センスIGBT10aのエミッタ電極Eから、順方向のツェナダイオード74、MOSFETQ3の寄生ダイオードD3、オン状態のMOSFETQ1、およびゲート抵抗RGを順に経由して、センスIGBT10aのゲート電極Gに至る放電経路が形成される。そして、電源15を経由しないこの放電経路に放電電流が流れることによって、IGBT10のゲート・エミッタ間に蓄積された電荷が放電される。このとき、センスIGBT10aのエミッタ電極Eは、順方向のツェナダイオード74およびMOSFETQ3の寄生ダイオードD3を介して電源ノード11に接続されるので、図39に示すように、エミッタ電極Eの電位V(E)は、時刻T1でVccに変化する。そして、ゲート電極Gの電位V(G)は、放電経路を介した放電によってエミッタ電極Eの電位V(E)であるVccに徐々に近づいていく。この結果、センスIGBT10aのゲート・エミッタ間電圧VGEは、Vz−Vccから徐々に変化し、時刻T2までに放電が完了すると0まで変化する。
時刻T2で、MOSFETQ4がオン状態に遷移すると、MOSFETQ1〜Q4は図1で説明した第1の状態になるので、センスIGBT10aのエミッタ電極Eの電位V(E)は0になる。また、ゲート・エミッタ間電圧VGEは、0からVccまで徐々に変化して、センスIGBT10aに順バイアスが印加される。
次の時刻T3で、入力信号SG0がHレベルからLレベルに切換わり、制御IC50bの出力ノード57の電位V(57)がVccから0に変化する。これによって、MOSFETQ1,Q2は、それぞれオフ状態、オン状態に遷移するので、接続ノードP1の電位V(P1)は、Vccから0に変化する。
時刻T3での電位V(57)の立下りエッジでは、遅延回路40bの中間ノード44bの電位V(44b)は遅延せずにVccから0まで変化する。したがって、MOSFETQ4は、時刻T3でオフ状態に遷移する。これに対して、遅延回路40aの中間ノード44aの電位V(44a)は、図23の電位V(44)の変化と同様に、徐々にVccから0まで変化する。したがって、MOSFETQ3は、中間ノード44aの電位(44a)がMOSFETQ3の閾値電圧Vt3に達する時刻T5まで遅れてオン状態に遷移する。
MOSFETQ3がオン状態に遷移するまでの時刻T3〜T5の期間では、センスIGBT10aのゲート電極Gから、ゲート抵抗RG、オン状態のMOSFETQ2、MOSFETQ4の寄生ダイオードD4を順に経由して、センスIGBT10aのエミッタ電極Eに至る放電経路が形成される。そして、電源15を経由しないこの放電経路に放電電流が流れて、IGBT10のゲート・エミッタ間に蓄積された電荷が放電される。このとき、センスIGBT10aのエミッタ電極Eが、MOSFETQ4の寄生ダイオードD4を介して接地GND1(接地ノード12)に接続されるので、図39に示すように、エミッタ電極Eの電位V(E)は、時刻T3〜T5の間で0を維持する。そして、ゲート電極Gの電位V(G)は、この放電経路を介した放電によってエミッタ電極Eの電位V(E)である0に徐々に近付いていく。
ところが、制御IC50bの制御回路60の効果によって、ゲート電極Gの電位V(G)が電源電圧ER2以下となる時刻T4で、MOSFETQ6がオン状態になって、ゲート電極Gの電位V(G)は速やかに0に変化する。ゲート電極Gの電位V(G)が0の状態は、入力信号SG0がLレベルからHレベルに切換わる時刻T6まで続く。この結果、ゲート・エミッタ間電圧VGEは、時刻T3からT4まではVccから徐々に低下し、時刻T4になった時点で速やかに0まで低下する。
次の時刻T5で、MOSFETQ3がオン状態に遷移すると、MOSFETQ1〜Q4は図1で説明した第2の状態になるので、センスIGBT10aのエミッタ電極Eの電位V(E)はVcc−Vzになる。この結果、ゲート・エミッタ間電圧VGEは、0からVz−Vccまで変化して、センスIGBT10aの主要部10bに逆バイアスが印加される。
このように、実施の形態7の駆動回路7によれば、時刻T1からのセンスIGBT10aのターンオンの場合には、実施の形態4の場合と同様に、予め時刻T1〜T2の間に電源15を経由しない経路でゲート・エミッタ間に蓄積された電荷を放電させておく。これによって、センスIGBT10aのターンオンに要する駆動電流IDを減少させることができる。
また、時刻T3からのターンオフの場合にも、実施の形態3の場合と同様に、予め時刻T3〜T4の間に電源15を経由しない経路でゲート・エミッタ間に蓄積された電荷を放電させておく。これにより、センスIGBT10aのターンオフに要する駆動電流IDを減少させることができる。
[実施の形態8]
実施の形態8の駆動回路8は、実施の形態7の駆動回路7に実施の形態2の駆動回路2の構成を組み合わせたものである。以下、図40、図41を参照して詳しく説明する。
図40は、本発明の実施の形態8として、センスIGBT10aの駆動回路8の構成を示す回路図である。図40に示す駆動回路8は、分岐ノードP5と遅延回路40dとの間に接続された微分回路30cと、MOSFETQ4のソース電極とドレイン電極との間に接続された抵抗R4とをさらに含む点で、図37の駆動回路7と相違する。ここで、微分回路30cは、図14の1ショットパルス発生回路30bを変形したものであり、バッファ用のインバータ36a,36bを設けずに、MOSFETQ3がそのバッファ機能を果たしている点で、図14の1ショットパルス発生回路30bと異なる。また、抵抗R4は、図8に示す実施の形態2の駆動回路2aの抵抗R4に対応するものである。また、図40で、コンデンサ32、抵抗34、ダイオード35、および遅延回路40dの入力端に接続される中間ノード33は、図14の1ショットパルス発生回路30bの中間ノード33に対応する。
図41は、図40の駆動回路8について、入力信号SG0に応じた状態の変化を表わすタイムチャートである。図41において、横軸は時間を示し、縦軸は上から順に、入力信号SG0の論理レベル、出力ノード57の電位V(57)、中間ノード33の電位V(33)、中間ノード44aの電位V(44a)、MOSFETQ1〜Q4のオン/オフの状態、接続ノードP1の電位V(P1)、センスIGBT10aのゲート電極Gの電位V(G)、エミッタ電極Eの電位V(E)、ゲート・エミッタ間電圧VGEを示す。
以下、図40、図41を参照して、駆動回路8の動作について説明する。ここで、図41のタイムチャートを図39の駆動回路7についてのタイムチャートと比較すると、入力信号SG0に応じたMOSFETQ1,Q2,Q4のオン/オフのタイミングの点では、図41は図39と共通する。一方、駆動回路8では微分回路30cが設けられているために、図41のMOSFETQ3のオン/オフのタイミングが図39と異なる。そこで、微分回路30cおよびMOSFETQ3に関係する部分について、まず説明する。
出力ノード57の電位V(57)の立上り、立下りに応じて、微分回路30cの中間ノード33の電位V(33)は図41に示すように変化する。この波形変化は、図15に示す、1ショットパルス発生回路30bの中間ノード33の電位V(33)の波形変化と同様である。すなわち、図41において、時刻T1,T7の電位V(57)の立上りエッジでは、中間ノード33の電位V(33)の波形は電源電圧Vccからほとんど変化しない。これに対して、時刻T3,T9の電位V(57)の立下りエッジでは、電位V(33)の波形は、Vccから0まで低下した後、Vccに徐々に戻るような微分波形を示す。
この中間ノード33に接続される遅延回路40dは、入力される電位V(33)の立下りをなまらせた電位V(44)を中間ノード44に生成する。すなわち、図41において、時刻T3,T9の電位V(33)の立下りで、電位V(44a)の立下りは、電位V(33)の立下りよりも緩やかに変化する。この結果、MOSFETQ3は、中間ノード44aの電位V(44a)がMOSFETQ3の閾値電圧Vt3よりも低くなる時刻T5〜T6および時刻T11〜T12で、オン状態に遷移する。言い換えると、MOSFETQ3は、時刻T3,T9で、HレベルからLレベルに変化する電位V(57)の立下りエッジをトリガにして、その立下りよりも遅れた時刻T5,T11で一時的にオン状態に遷移する。その後、時刻T6,T11でオフ状態に戻るように動作する。
次に、このようなMOSFETQ3のオン/オフ動作に応じた、センスIGBT10aのゲート電極Gの電位V(G)、エミッタ電極Eの電位V(E)、ゲート・エミッタ間電圧VGEの変化について、図39に示す駆動回路7の場合と異なる点を説明する。
図41の時刻T2〜T3では、MOSFETQ1〜Q4の状態が図1で説明した第1の状態になる。定常状態になったときのゲート電極Gの電位V(G)、エミッタ電極Eの電位V(E)、ゲート・エミッタ間電圧VGEの各大きさは、図39に示す駆動回路7の時刻T2〜T3の場合と同様である。
時刻T3で、入力信号SG0がHレベルからLレベルに切換わると、MOSFETQ1,Q2,Q4は、それぞれオフ状態、オン状態、オフ状態に遷移するのに対して、MOSFETQ3は、時刻T5までオフ状態を維持し、時刻T5にオン状態に遷移する。時刻T3〜T5のMOSFETQ1〜Q4の状態は、図39に示す駆動回路7の時刻T3〜T5の場合と同様であり、ゲート電極Gの電位V(G)、エミッタ電極Eの電位V(E)、およびゲート・エミッタ間電圧VGEの変化も図39と同様である。
時刻T5で、MOSFETQ3がオン状態になると、MOSFETQ1〜Q4の状態が図1で説明した第2の状態になるので、センスIGBT10aのエミッタ電極Eの電位V(E)は、Vcc−Vzになり、IGBT10aの主要部10bには、ゲート・エミッタ間電圧VGEとして、Vz−Vccの逆バイアスが印加される。このとき、ゲート電極Gの電位V(G)は、MOSFETQ6がオン状態であるので、接地GND1の電位である0を維持する。
時刻T6でMOSFETQ3がオフ状態になった後、次に入力信号SG0がLレベルからHレベルに切換わる時刻T7までの間、センスIGBT10aのエミッタ電極Eから、抵抗R4、オン状態のMOSFETQ2、およびゲート抵抗RGを順に経由して、センスIGBT10aのゲート電極Gに至る放電経路が形成される。そして、電源15を経由しないこの放電経路に放電電流が流れることによって、IGBT10のゲート・エミッタ間に蓄積された電荷が放電される。この放電によって、センスIGBT10aのエミッタ電極Eの電位V(E)はVcc−Vzから0まで徐々に変化し、ゲート・エミッタ間電圧VGEもVz−Vccから0まで徐々に変化する。この変化は、実施の形態2における図9の時刻T4〜T6の変化に対応するものである。
時刻T7で入力信号SG0がLレベルからHレベルに切換わると、MOSFETQ1,Q2は、それぞれオン状態、オフ状態に遷移し、スイッチ素子Q3,Q4はオフ状態のまま変化しない。すでに時刻T7までに、センスIGBT10aのゲート・エミッタ間に蓄積された電荷の放電が完了しているので、センスIGBT10aのゲート電極Gの電位V(G)、エミッタ電極Eの電位V(E)、およびゲート・エミッタ間電圧VGEの各値は0のままで変化しない。
次の時刻T8で、MOSFETQ4がオン状態に遷移すると、MOSFETQ1〜Q4の状態が第1の状態になるので、センスIGBT10aに順バイアスが印加され、ゲート電極Gの電位V(G)、およびゲート・エミッタ間電圧VGEは0からVccまで変化する。
このように、実施の形態8の駆動回路8においても、実施の形態7と同様に、予め電源15を経由しない経路でゲート・エミッタ間に蓄積された電荷を放電させるので、センスIGBT10aのターンオンおよびターンオフに要する駆動電流IDを減少させることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

Claims (14)

  1. 制御電極に与えられる信号に応じて第1、第2の主電極間に流れる主電流を制御する電力素子の駆動回路であって、
    第1のノードと第2のノードとの間に接続される電源と、
    前記制御電極を前記第1、第2のノードの一方に選択的に接続し、前記第2の主電極を前記第1、第2のノードの一方に選択的に接続するように構成されるスイッチマトリクス回路と
    前記電力素子のオン/オフの切換を行なうための入力信号に応じて前記スイッチマトリクス回路を制御する制御部とを備え、
    前記制御部は、前記入力信号が前記電力素子をオン状態からオフ状態に遷移させる変化をした場合には、前記制御電極を前記第1のノードに接続し、かつ、前記第2の主電極を前記第2のノードに接続する第1の状態から、前記制御電極を前記第2のノードに接続し、かつ、前記第2の主電極を前記第1のノードに接続する第2の状態に、前記スイッチマトリクス回路の状態を切換え、
    前記スイッチマトリクス回路は、
    前記制御電極および前記第1のノード間に接続される第1のスイッチ素子と、
    前記制御電極および前記第2のノード間に接続される第2のスイッチ素子と、
    前記第2の主電極および前記第1のノード間に接続される第3のスイッチ素子と、
    前記第2の主電極および前記第2のノード間に接続される第4のスイッチ素子とを含み、
    前記制御部は、前記第1の状態では、前記第1、第4のスイッチ素子をオン状態にし、かつ、前記第2、第3のスイッチ素子をオフ状態にし、前記第2の状態では、前記第1、第4のスイッチ素子をオフ状態にし、かつ、前記第2、第3のスイッチ素子をオン状態にし、
    前記スイッチマトリクス回路は、前記第1のスイッチ素子と並列に接続される抵抗をさらに含み、
    前記制御部は、前記入力信号が前記電力素子をオン状態からオフ状態に遷移させる変化をした場合には、前記スイッチマトリクス回路の状態を一時的に前記第2の状態にした後、前記第3のスイッチ素子をオン状態に維持し、かつ、前記第1、第2、第4のスイッチ素子をオフ状態にする、電力素子の駆動回路。
  2. 制御電極に与えられる信号に応じて第1、第2の主電極間に流れる主電流を制御する電力素子の駆動回路であって、
    第1のノードと第2のノードとの間に接続される電源と、
    前記制御電極を前記第1、第2のノードの一方に選択的に接続し、前記第2の主電極を前記第1、第2のノードの一方に選択的に接続するように構成されるスイッチマトリクス回路と
    前記電力素子のオン/オフの切換を行なうための入力信号に応じて前記スイッチマトリクス回路を制御する制御部とを備え、
    前記制御部は、前記入力信号が前記電力素子をオン状態からオフ状態に遷移させる変化をした場合には、前記制御電極を前記第1のノードに接続し、かつ、前記第2の主電極を前記第2のノードに接続する第1の状態から、前記制御電極を前記第2のノードに接続し、かつ、前記第2の主電極を前記第1のノードに接続する第2の状態に、前記スイッチマトリクス回路の状態を切換え、
    前記スイッチマトリクス回路は、
    前記制御電極および前記第1のノード間に接続される第1のスイッチ素子と、
    前記制御電極および前記第2のノード間に接続される第2のスイッチ素子と、
    前記第2の主電極および前記第1のノード間に接続される第3のスイッチ素子と、
    前記第2の主電極および前記第2のノード間に接続される第4のスイッチ素子とを含み、
    前記制御部は、前記第1の状態では、前記第1、第4のスイッチ素子をオン状態にし、かつ、前記第2、第3のスイッチ素子をオフ状態にし、前記第2の状態では、前記第1、第4のスイッチ素子をオフ状態にし、かつ、前記第2、第3のスイッチ素子をオン状態にし、
    前記スイッチマトリクス回路は、前記第4のスイッチ素子と並列に接続される抵抗をさらに含み、
    前記制御部は、前記入力信号が前記電力素子をオン状態からオフ状態に遷移させる変化をした場合には、前記スイッチマトリクス回路の状態を一時的に前記第2の状態にした後、前記第2のスイッチ素子をオン状態に維持し、かつ、前記第1、第3、第4のスイッチ素子をオフ状態にする、電力素子の駆動回路。
  3. 制御電極に与えられる信号に応じて第1、第2の主電極間に流れる主電流を制御する電力素子の駆動回路であって、
    第1のノードと第2のノードとの間に接続される電源と、
    前記制御電極を前記第1、第2のノードの一方に選択的に接続し、前記第2の主電極を前記第1、第2のノードの一方に選択的に接続するように構成されるスイッチマトリクス回路と
    前記電力素子のオン/オフの切換を行なうための入力信号に応じて前記スイッチマトリクス回路を制御する制御部とを備え、
    前記制御部は、前記入力信号が前記電力素子をオン状態からオフ状態に遷移させる変化をした場合には、前記制御電極を前記第1のノードに接続し、かつ、前記第2の主電極を前記第2のノードに接続する第1の状態から、前記制御電極を前記第2のノードに接続し、かつ、前記第2の主電極を前記第1のノードに接続する第2の状態に、前記スイッチマトリクス回路の状態を切換え、
    前記スイッチマトリクス回路は、
    前記制御電極および前記第1のノード間に接続される第1のスイッチ素子と、
    前記制御電極および前記第2のノード間に接続される第2のスイッチ素子と、
    前記第2の主電極および前記第1のノード間に接続される第3のスイッチ素子と、
    前記第2の主電極および前記第2のノード間に接続される第4のスイッチ素子とを含み、
    前記制御部は、前記第1の状態では、前記第1、第4のスイッチ素子をオン状態にし、かつ、前記第2、第3のスイッチ素子をオフ状態にし、前記第2の状態では、前記第1、第4のスイッチ素子をオフ状態にし、かつ、前記第2、第3のスイッチ素子をオン状態にし、
    前記スイッチマトリクス回路は、前記第3のスイッチ素子と並列に、前記第4のスイッチ素子がオン状態のときに前記電源によって逆方向にバイアスされるように接続されるダイオードをさらに含み、
    前記制御部は、前記入力信号が前記電力素子をオフ状態からオン状態に遷移させる変化をした場合には、前記第1のスイッチ素子をオン状態にし、かつ、前記第2〜第4のスイッチ素子をオフ状態にした後、前記スイッチマトリクス回路の状態を前記第1の状態にする、電力素子の駆動回路。
  4. 制御電極に与えられる信号に応じて第1、第2の主電極間に流れる主電流を制御する電力素子の駆動回路であって、
    第1のノードと第2のノードとの間に接続される電源と、
    前記制御電極を前記第1、第2のノードの一方に選択的に接続し、前記第2の主電極を前記第1、第2のノードの一方に選択的に接続するように構成されるスイッチマトリクス回路と
    前記電力素子のオン/オフの切換を行なうための入力信号に応じて前記スイッチマトリクス回路を制御する制御部とを備え、
    前記制御部は、前記入力信号が前記電力素子をオン状態からオフ状態に遷移させる変化をした場合には、前記制御電極を前記第1のノードに接続し、かつ、前記第2の主電極を前記第2のノードに接続する第1の状態から、前記制御電極を前記第2のノードに接続し、かつ、前記第2の主電極を前記第1のノードに接続する第2の状態に、前記スイッチマトリクス回路の状態を切換え、
    前記スイッチマトリクス回路は、
    前記制御電極および前記第1のノード間に接続される第1のスイッチ素子と、
    前記制御電極および前記第2のノード間に接続される第2のスイッチ素子と、
    前記第2の主電極および前記第1のノード間に接続される第3のスイッチ素子と、
    前記第2の主電極および前記第2のノード間に接続される第4のスイッチ素子とを含み、
    前記制御部は、前記第1の状態では、前記第1、第4のスイッチ素子をオン状態にし、かつ、前記第2、第3のスイッチ素子をオフ状態にし、前記第2の状態では、前記第1、第4のスイッチ素子をオフ状態にし、かつ、前記第2、第3のスイッチ素子をオン状態にし、
    前記スイッチマトリクス回路は、前記第2のスイッチ素子と並列に、前記第1のスイッチ素子がオン状態のときに前記電源によって逆方向にバイアスされるように接続されるダイオードをさらに含み、
    前記制御部は、前記入力信号が前記電力素子をオフ状態からオン状態に遷移させる変化をした場合には、前記第4のスイッチ素子をオン状態にし、かつ、前記第1〜第3のスイッチ素子をオフ状態にした後、前記スイッチマトリクス回路を前記第1の状態にする、電力素子の駆動回路。
  5. 制御電極に与えられる信号に応じて第1、第2の主電極間に流れる主電流を制御する電力素子の駆動回路であって、
    第1のノードと第2のノードとの間に接続される電源と、
    前記制御電極を前記第1、第2のノードの一方に選択的に接続し、前記第2の主電極を前記第1、第2のノードの一方に選択的に接続するように構成されるスイッチマトリクス回路と
    前記電力素子のオン/オフの切換を行なうための入力信号に応じて前記スイッチマトリクス回路を制御する制御部とを備え、
    前記制御部は、前記入力信号が前記電力素子をオン状態からオフ状態に遷移させる変化をした場合には、前記制御電極を前記第1のノードに接続し、かつ、前記第2の主電極を前記第2のノードに接続する第1の状態から、前記制御電極を前記第2のノードに接続し、かつ、前記第2の主電極を前記第1のノードに接続する第2の状態に、前記スイッチマトリクス回路の状態を切換え、
    前記スイッチマトリクス回路は、
    前記制御電極および前記第1のノード間に接続される第1のスイッチ素子と、
    前記制御電極および前記第2のノード間に接続される第2のスイッチ素子と、
    前記第2の主電極および前記第1のノード間に接続される第3のスイッチ素子と、
    前記第2の主電極および前記第2のノード間に接続される第4のスイッチ素子とを含み、
    前記制御部は、前記第1の状態では、前記第1、第4のスイッチ素子をオン状態にし、かつ、前記第2、第3のスイッチ素子をオフ状態にし、前記第2の状態では、前記第1、第4のスイッチ素子をオフ状態にし、かつ、前記第2、第3のスイッチ素子をオン状態にし、
    前記スイッチマトリクス回路は、前記第1のスイッチ素子と並列に、前記第2のスイッチ素子がオン状態のときに前記電源によって逆方向にバイアスされるように接続されるダイオードをさらに含み、
    前記制御部は、前記入力信号が前記電力素子をオン状態からオフ状態に遷移させる変化をした場合には、前記第3のスイッチ素子をオン状態にし、かつ、前記第1、第2、第4のスイッチ素子をオフ状態にした後、前記スイッチマトリクス回路の状態を前記第2の状態にする、電力素子の駆動回路。
  6. 制御電極に与えられる信号に応じて第1、第2の主電極間に流れる主電流を制御する電力素子の駆動回路であって、
    第1のノードと第2のノードとの間に接続される電源と、
    前記制御電極を前記第1、第2のノードの一方に選択的に接続し、前記第2の主電極を前記第1、第2のノードの一方に選択的に接続するように構成されるスイッチマトリクス回路と
    前記電力素子のオン/オフの切換を行なうための入力信号に応じて前記スイッチマトリクス回路を制御する制御部とを備え、
    前記制御部は、前記入力信号が前記電力素子をオン状態からオフ状態に遷移させる変化をした場合には、前記制御電極を前記第1のノードに接続し、かつ、前記第2の主電極を前記第2のノードに接続する第1の状態から、前記制御電極を前記第2のノードに接続し、かつ、前記第2の主電極を前記第1のノードに接続する第2の状態に、前記スイッチマトリクス回路の状態を切換え、
    前記スイッチマトリクス回路は、
    前記制御電極および前記第1のノード間に接続される第1のスイッチ素子と、
    前記制御電極および前記第2のノード間に接続される第2のスイッチ素子と、
    前記第2の主電極および前記第1のノード間に接続される第3のスイッチ素子と、
    前記第2の主電極および前記第2のノード間に接続される第4のスイッチ素子とを含み、
    前記制御部は、前記第1の状態では、前記第1、第4のスイッチ素子をオン状態にし、かつ、前記第2、第3のスイッチ素子をオフ状態にし、前記第2の状態では、前記第1、第4のスイッチ素子をオフ状態にし、かつ、前記第2、第3のスイッチ素子をオン状態にし、
    前記スイッチマトリクス回路は、前記第4のスイッチ素子と並列に、前記第3のスイッチ素子がオン状態のときに前記電源によって逆方向にバイアスされるように接続されるダイオードをさらに含み、
    前記制御部は、前記入力信号が前記電力素子をオン状態からオフ状態に遷移させる変化をした場合には、前記第2のスイッチ素子をオン状態にし、かつ、前記第1、第3、第4のスイッチ素子をオフ状態にした後、前記スイッチマトリクス回路の状態を前記第2の状態にする、電力素子の駆動回路。
  7. 制御電極に与えられる信号に応じて第1、第2の主電極間に流れる主電流を制御する電力素子の駆動回路であって、
    第1のノードと第2のノードとの間に接続される電源と、
    前記制御電極を前記第1、第2のノードの一方に選択的に接続し、前記第2の主電極を前記第1、第2のノードの一方に選択的に接続するように構成されるスイッチマトリクス回路と
    前記電力素子のオン/オフの切換を行なうための入力信号に応じて前記スイッチマトリクス回路を制御する制御部とを備え、
    前記制御部は、前記入力信号が前記電力素子をオン状態からオフ状態に遷移させる変化をした場合には、前記制御電極を前記第1のノードに接続し、かつ、前記第2の主電極を前記第2のノードに接続する第1の状態から、前記制御電極を前記第2のノードに接続し、かつ、前記第2の主電極を前記第1のノードに接続する第2の状態に、前記スイッチマトリクス回路の状態を切換え、
    前記スイッチマトリクス回路は、
    前記制御電極および前記第1のノード間に接続される第1のスイッチ素子と、
    前記制御電極および前記第2のノード間に接続される第2のスイッチ素子と、
    前記第2の主電極および前記第1のノード間に接続される第3のスイッチ素子と、
    前記第2の主電極および前記第2のノード間に接続される第4のスイッチ素子とを含み、
    前記制御部は、前記第1の状態では、前記第1、第4のスイッチ素子をオン状態にし、かつ、前記第2、第3のスイッチ素子をオフ状態にし、前記第2の状態では、前記第1、第4のスイッチ素子をオフ状態にし、かつ、前記第2、第3のスイッチ素子をオン状態にし、
    前記制御部は、前記入力信号が前記電力素子をオン状態からオフ状態に遷移させる変化をした場合には、前記第1、第3のスイッチ素子をオン状態にし、かつ、前記第2、第4のスイッチ素子をオフ状態にした後、前記スイッチマトリクス回路の状態を前記第2の状態にする、電力素子の駆動回路。
  8. 制御電極に与えられる信号に応じて第1、第2の主電極間に流れる主電流を制御する電力素子の駆動回路であって、
    第1のノードと第2のノードとの間に接続される電源と、
    前記制御電極を前記第1、第2のノードの一方に選択的に接続し、前記第2の主電極を前記第1、第2のノードの一方に選択的に接続するように構成されるスイッチマトリクス回路と
    前記電力素子のオン/オフの切換を行なうための入力信号に応じて前記スイッチマトリクス回路を制御する制御部とを備え、
    前記制御部は、前記入力信号が前記電力素子をオン状態からオフ状態に遷移させる変化をした場合には、前記制御電極を前記第1のノードに接続し、かつ、前記第2の主電極を前記第2のノードに接続する第1の状態から、前記制御電極を前記第2のノードに接続し、かつ、前記第2の主電極を前記第1のノードに接続する第2の状態に、前記スイッチマトリクス回路の状態を切換え、
    前記スイッチマトリクス回路は、
    前記制御電極および前記第1のノード間に接続される第1のスイッチ素子と、
    前記制御電極および前記第2のノード間に接続される第2のスイッチ素子と、
    前記第2の主電極および前記第1のノード間に接続される第3のスイッチ素子と、
    前記第2の主電極および前記第2のノード間に接続される第4のスイッチ素子とを含み、
    前記制御部は、前記第1の状態では、前記第1、第4のスイッチ素子をオン状態にし、かつ、前記第2、第3のスイッチ素子をオフ状態にし、前記第2の状態では、前記第1、第4のスイッチ素子をオフ状態にし、かつ、前記第2、第3のスイッチ素子をオン状態にし、
    前記制御部は、前記入力信号が前記電力素子をオン状態からオフ状態に遷移させる変化をした場合には、前記第2、第4のスイッチ素子をオン状態にし、かつ、前記第1、第3のスイッチ素子をオフ状態にした後、前記スイッチマトリクス回路の状態を前記第2の状態にする、電力素子の駆動回路。
  9. 制御電極に与えられる信号に応じて第1、第2の主電極間に流れる主電流を制御する電力素子の駆動回路であって、
    第1のノードと第2のノードとの間に接続される電源と、
    前記制御電極を前記第1、第2のノードの一方に選択的に接続し、前記第2の主電極を前記第1、第2のノードの一方に選択的に接続するように構成されるスイッチマトリクス回路と
    前記電力素子のオン/オフの切換を行なうための入力信号に応じて前記スイッチマトリクス回路を制御する制御部とを備え、
    前記制御部は、前記入力信号が前記電力素子をオン状態からオフ状態に遷移させる変化をした場合には、前記制御電極を前記第1のノードに接続し、かつ、前記第2の主電極を前記第2のノードに接続する第1の状態から、前記制御電極を前記第2のノードに接続し、かつ、前記第2の主電極を前記第1のノードに接続する第2の状態に、前記スイッチマトリクス回路の状態を切換え、
    前記スイッチマトリクス回路は、
    前記制御電極および前記第1のノード間に接続される第1のスイッチ素子と、
    前記制御電極および前記第2のノード間に接続される第2のスイッチ素子と、
    前記第2の主電極および前記第1のノード間に接続される第3のスイッチ素子と、
    前記第2の主電極および前記第2のノード間に接続される第4のスイッチ素子とを含み、
    前記制御部は、前記第1の状態では、前記第1、第4のスイッチ素子をオン状態にし、かつ、前記第2、第3のスイッチ素子をオフ状態にし、前記第2の状態では、前記第1、第4のスイッチ素子をオフ状態にし、かつ、前記第2、第3のスイッチ素子をオン状態にし、
    前記制御部は、前記入力信号が前記電力素子をオフ状態からオン状態に遷移させる変化をした場合には、前記第1、第3のスイッチ素子をオン状態にし、かつ、前記第2、第4のスイッチ素子をオフ状態にした後、前記スイッチマトリクス回路の状態を前記第1の状態にする、電力素子の駆動回路。
  10. 制御電極に与えられる信号に応じて第1、第2の主電極間に流れる主電流を制御する電力素子の駆動回路であって、
    第1のノードと第2のノードとの間に接続される電源と、
    前記制御電極を前記第1、第2のノードの一方に選択的に接続し、前記第2の主電極を前記第1、第2のノードの一方に選択的に接続するように構成されるスイッチマトリクス回路と
    前記電力素子のオン/オフの切換を行なうための入力信号に応じて前記スイッチマトリクス回路を制御する制御部とを備え、
    前記制御部は、前記入力信号が前記電力素子をオン状態からオフ状態に遷移させる変化をした場合には、前記制御電極を前記第1のノードに接続し、かつ、前記第2の主電極を前記第2のノードに接続する第1の状態から、前記制御電極を前記第2のノードに接続し、かつ、前記第2の主電極を前記第1のノードに接続する第2の状態に、前記スイッチマトリクス回路の状態を切換え、
    前記スイッチマトリクス回路は、
    前記制御電極および前記第1のノード間に接続される第1のスイッチ素子と、
    前記制御電極および前記第2のノード間に接続される第2のスイッチ素子と、
    前記第2の主電極および前記第1のノード間に接続される第3のスイッチ素子と、
    前記第2の主電極および前記第2のノード間に接続される第4のスイッチ素子とを含み、
    前記制御部は、前記第1の状態では、前記第1、第4のスイッチ素子をオン状態にし、かつ、前記第2、第3のスイッチ素子をオフ状態にし、前記第2の状態では、前記第1、第4のスイッチ素子をオフ状態にし、かつ、前記第2、第3のスイッチ素子をオン状態にし、
    前記制御部は、前記入力信号が前記電力素子をオフ状態からオン状態に遷移させる変化をした場合には、前記第2、第4のスイッチ素子をオン状態にし、かつ、前記第1、第3のスイッチ素子をオフ状態にした後、前記スイッチマトリクス回路の状態を前記第1の状態にする、電力素子の駆動回路。
  11. 前記第1のノードから前記第3のスイッチ素子を経由して前記第2の主電極に至る経路上、および前記制御電極から前記第2のスイッチ素子を経由して前記第2のノードに至る経路上の少なくとも一方に設けられ、前記第1、第2のノード間の電圧の一部を分担する定電圧部をさらに備える、請求項1〜10のいずれか1項に記載の電力素子の駆動回路。
  12. 前記電力素子は、センス電極をさらに含み、
    前記主電流の一部は、前記第1の主電極および前記センス電極間を流れ、
    前記駆動回路は、前記第2のノードおよび前記センス電極間に接続される電流検出抵抗と、前記電流検出抵抗に生じる電圧を監視する電圧監視部とをさらに備える、請求項1〜10のいずれか1項に記載の電力素子の駆動回路。
  13. 前記駆動回路は、前記電流検出抵抗と並列に接続される第5のスイッチ素子をさらに備え、
    前記制御部は、前記入力信号が前記電力素子をオン状態からオフ状態に遷移させる変化をした場合に、前記第5のスイッチ素子をオン状態にする、請求項12に記載の電力素子の駆動回路。
  14. 前記電源は、前記電力素子をオン状態に遷移させるのに必要十分な電圧を出力する単一の直流電源である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の電力素子の駆動回路。
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