JP5004529B2 - ヒスタミン遊離抑制剤 - Google Patents
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Description
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、「スカルキャップまたはその抽出物を有効成分とするヒスタミン遊離抑制剤」を提供することにより、上記目的を達成したものである。
本発明の抗アレルギー剤の有効成分であるスカルキャップは、その全体、葉、仁、外果皮(青皮、未熟果皮を含む)、成熟果実、未熟果実、果皮、花、材、樹皮、根などの部位を使用することができる。
する作用を有する。したがってスカルキャップまたはその抽出物を有効成分とする本発明の抗アレルギー剤は、I型アレルギー反応に起因するアトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻
炎、花粉症またはアレルギー性喘息などの予防、治療に特に有用である。
本発明の飲食品および化粧料は、上記のスカルキャップ粉砕物またはスカルキャップ抽出物を含有するものであり、抗アレルギー性を有する。
飲食品の種類としては、清涼飲料、ジュース、栄養ドリンクなどの飲料、パン類、麺類、タブレット、キャンディーなどの菓子類などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の飲食品および化粧料中の上記のスカルキャップ粉砕物またはスカルキャップ抽出物の含有量は、特に制限されるものでなく、飲食品や化粧料の種類などによって適宜変化させることができるが、飲食品の場合は、1人1日当たりのスカルキャップ粉砕物またはスカルキャップ抽出物の摂取量が0. 1〜2500mgとなるように含有させることが好ましく、化粧料の場合は、スカルキャップ粉砕物またはスカルキャップ抽出物を0. 01〜250mg/cm2 の範囲内で皮膚または粘膜に滴下、塗布または噴霧されるように含有させることが好ましい。
乾燥させたスカルキャップ粉末50gに100%エタノール1Lを加えて室温で45時間撹拌抽出し、ろ過して減圧濃縮することにより、本発明の抗アレルギー剤の有効成分であるスカルキャップ抽出物を得た。
スカルキャップ以外のシソ科植物であるチリメンジソ、ヒソップ、サマーセイボリー、キャットニップ、スペアミント、セイジ、オウゴン、ローズマリー、ペパーミント、タイム、レモンバーム、ラベンダー、バジルの粉末50gに100%エタノール1Lを加えて室温で45時間撹拌抽出し、ろ過して減圧濃縮することにより、各シソ科植物の抽出物をそれぞれ得た。
乾燥させたスカルキャップ粉末50gに水1Lを加えて100℃で1時間抽出し、抽出液を凍結乾燥させることにより、本発明の抗アレルギー剤の有効成分であるスカルキャップ抽出物を得た。
スカルキャップ以外のシソ科植物であるチリメンジソ、ヒソップ、サマーセイボリー、キャットニップ、スペアミント、セイジ、オウゴン、ローズマリー、ペパーミント、タイム、レモンバーム、ラベンダー、バジルの粉末50gに水1Lを加えて100℃で1時間抽出し、抽出液を凍結乾燥させることにより、各シソ科植物の抽出物をそれぞれ得た。
実施例1で得られたスカルキャップ抽出物および比較例1で得られた各シソ科植物の抽出物を試料としてヒスタミン抑制効果を調べた。
(1) 脱顆粒抑制試験
RBL−2H3細胞を、10%ウシ胎児血清(JRH バイオサイエンス社製)含有ダルベッコ改変イーグル培地(シグマ社製)でCO2 濃度5%、37℃の条件で前培養を行う。前培養後、常法に従い、EDTA・トリプシン溶液を用いて細胞を剥がし、遠心分離により細胞を集める。24ウェルの培養プレートに収集したRBL−2H3細胞を2.0×105cell /wellになるように各ウェルに播種し、37℃で12時間培養する。培養後、培地を除去し、50ng/mlの抗DNP−IgE抗体を1ウェル当たり1ml添加し、37℃で2時間、細胞を感作させる。ウェルを修正タイロード液(以下、MTと称する)で2回洗浄した後、これに被検試料を600μg溶解させたMTを1ml加えて37℃で10分間培養する。対照として、被検試料を含まないMTを1ml加えて37℃で10分間培養する。これらにDNP−HAS抗原(シグマ社製)を50ng/mlになるように加え、さらに37℃で30分間培養後、培養上清を回収する(以下、培養上清を上清液と称する)。また、ウェル中の細胞に、TritonX−100を0. 1%含有するMTを100μl加え、細胞を溶解させる(以下、この溶解液を細胞液と称する)。
上清液と細胞液それぞれ100μlに0. 1M塩酸を100μlずつ加え、15, 000rpm、室温で10分間遠心分離する。
得られた遠沈上清液をHPLCにより分離し、得られたヒスタミンのピーク面積を測定する(ヒスタミンのピークの位置は、ヒスタミン標品を流して確認する)。
HPLCの条件は以下の通りである。
カラム: shodex Asahipak ODP50 4E (4.6×250mm 昭和電工社製) にガードカラム
shodex Asahipak ODP50G 4A (昭和電工社製) を連結
移動相:アセトニトリル(180ml), 50mMホウ化ナトリウム(820ml),
o-フタルアルデヒド(134mg), N-アセチルシステイン(215mg)
流速:0. 5ml/分
カラム温度:40℃
検出:励起波長330nm,測定波長430nm
〔上清液ピーク面積/(細胞液ピーク面積+上清液ピーク面積)〕×100
得られたヒスタミン放出率により、ヒスタミン放出抑制率(%)を下式により算出する。
〔(対照放出率−試験品放出率)/対照放出率〕×100
このようにして得られたヒスタミン放出抑制率(%)を図1に示す。
実施例2で得られたスカルキャップ抽出物および比較例2で得られた各シソ科植物の抽出物を試料としてヒスタミン抑制効果を試験例1と同様にして調べた。
その結果を図2に示す。
〔実施例3〕(錠剤)
実施例1で得られたスカルキャップ抽出物 5 g
トウモロコシデンプン 10 g
乳糖 40 g
カルボキシメチルセルロースカルシウム 8 g
微結晶セルロース 27 g
ポリビニルピロリドン 7 g
ステアリン酸マグネシウム 3 g
合計 100 g
実施例1で得られたスカルキャップ抽出物にトウモロコシデンプン、乳糖、カルボキシメチルセルロースカルシウム、微結晶セルロースを混合し、次いでポリビニルピロリドンの水溶液を結合剤として加えて常法により顆粒化する。これに滑沢剤としてステアリン酸マグネシウムを加えて混合した後、1錠100mgの錠剤に打錠する。
実施例1で得られたスカルキャップ抽出物 10 g
微結晶セルロース 55 g
トウモロコシデンプン 25 g
乳糖 30 g
ポリビニルピロリドン 4 g
ステアリン酸マグネシウム 1 g
合計 125 g
上記成分を常法により顆粒化した後、ゼラチン硬カプセルに充填する。
実施例1で得られたスカルキャップ抽出物 50 g
微結晶セルロース 600 g
トウモロコシデンプン 300 g
ポリビニルピロリドン 50 g
合計 1000 g
実施例1で得られたスカルキャップ抽出物を微結晶セルロース、トウモロコシデンプンおよびポリビニルピロリドンと混合し、常法により散剤とする。
実施例1で得られたスカルキャップ抽出物 10 g
乳糖 130 g
トウモロコシデンプン 87 g
ポリビニルピロリドン 8 g
L−メントール 15 g
軽質無水ケイ酸 5 g
合計 255 g
上記の処方で、実施例1で得られたスカルキャップ抽出物、乳糖、トウモロコシデンプンおよびポリビニルピロリドン水溶液を混合し、造粒機にて攪拌下加熱造粒する。冷却後、粒度500μm以下に篩分けし、L−メントールを加えた後、無水ケイ酸を加え、混合し分包(1. 0g)して顆粒剤とする。
砂糖 50 g
水飴 33 g
クエン酸 2 g
香料 0. 2g
実施例2で得られたスカルキャップ抽出物 1. 5g
水 13.3g
合計 100. 0g
砂糖、水飴および水を鍋に入れて煮沸して溶解させ、煮沸温度が125℃に達した後、火から下ろし、香料、実施例2で得られたスカルキャップ抽出物を添加する。撹拌しながら冷却板に流し込み、80℃まで冷却した後に、棒状にして適当な長さに切断して、一粒当たり3.33gのキャンディーを製造する。
小麦粉(強力粉)150gとドライイースト2gを混ぜる。別に、実施例2で得られたスカルキャップ抽出物2g、砂糖20g、食塩3g、脱脂粉乳6gを温湯70gに溶かし、鶏卵1個を添加してよく混ぜる。これを小麦粉とドライイーストとの混合物に加え、手でよくこねた後、バター40gを加えてさらに手でよくこね、8個のロールパン生地を作る。次いで、発酵させた後、表面に溶き卵を塗り、オーブンにて180℃で約15分焼成し、ロールパンを製造する。このロールパンは、1個当たり実施例2で得られたスカルキャップ抽出物を約250mg含有する。
水150gに実施例2で得られたスカルキャップ抽出物10gおよび食塩15gを分散させたものを、小麦粉(中力粉)300gに良く混ぜた後、 こねて寝かす。この後、生地を延伸し、幅約5mmで切断してうどんを製造する。これを沸騰したお湯で約10分茹でたところ、外観、味、食感ともに良好であった。このうどんは、1食分当たり実施例2で得られたスカルキャップ抽出物を約1.2g含有する。
オレンジ果汁200mlに対して、ゼラチン4. 5g、 砂糖45g、水15gをとり、火にかけ、ゼラチンを完全に溶かす。ゼラチンが溶けたことを確認後、実施例2で得られたスカルキャップ抽出物3gをよく混ぜて溶解させる。この後、これを4個分のカップに流し込み、冷蔵庫で2時間以上冷やして固め、オレンジ果汁ゼリーを得る。
実施例2で得られたスカルキャップ抽出物15gとオーガニック青汁(日清ファルマ社製)585gを良く混ぜ、この後、1食分当たり約3gのスティック包装の青汁を得る。
A スクワラン 20 g
オリーブ油 8 g
精製蜜蝋 5 g
グリセリンモノステアレート 3 g
セトステアリルアルコール 2 g
B ポリオキシエチレン硬化ひまし油 3 g
実施例1で得られたスカルキャップ抽出物 2 g
グリセリン 10 g
精製水 適量
A液とB液を80℃に加温する。撹拌しながらA液にB液を加え、均一になるまで乳化させ、クリームとする。
グリセリンモノステアレート 10 g
グリセリン 50 g
米糠エキス 10 g
実施例2で得られたスカルキャップ抽出物 10 g
香料 0. 1g
色素 0. 1g
精製水 20 g
合計 100. 2g
全成分を混合し、ホモミキサーで乳化して入浴剤を調製する。
Claims (2)
- スカルキャップまたはその抽出物を有効成分とするヒスタミン遊離抑制剤。
- スカルキャップ抽出物が、水またはエタノールで抽出したものである請求項1記載のヒスタミン遊離抑制剤。
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