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JP5088570B2 - 車両のセンターピラー構造 - Google Patents

車両のセンターピラー構造 Download PDF

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JP5088570B2 JP2008111303A JP2008111303A JP5088570B2 JP 5088570 B2 JP5088570 B2 JP 5088570B2 JP 2008111303 A JP2008111303 A JP 2008111303A JP 2008111303 A JP2008111303 A JP 2008111303A JP 5088570 B2 JP5088570 B2 JP 5088570B2
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Description

本発明はアウタパネルとインナパネルとリンフォースとを備えた車両のセンターピラー構造に関する。
従来、上記の車両のセンターピラー構造は、リンフォースとアウタパネルとインナパネルのそれぞれを、車両前方側の前側フランジと後方側の後側フランジとこれらの間の膨出部とを有する断面ハット形状に形成し、アウタパネルの前側フランジとインナパネルの前側フランジでリンフォースの前側フランジを挟み込んで三者を一体に溶接接合し、アウタパネルの後側フランジとインナパネルの後側フランジでリンフォースの後側フランジを挟み込んで三者を一体に溶接接合してあった(特許文献1参照)。
特開2002−347655号公報
上記従来の構造によれば、特許文献1の図3に示すようにセンターピラー構造に閉じ断面を形成してセンターピラー構造の剛性・強度を強くすることができるものの、インナパネルの前縁部である前側フランジを車両前方側にリンフォースの前側フランジ側まで延出し、インナパネルの後縁部である後側フランジを車両後方側にリンフォースの後側フランジ側まで延出しなければならず、インナパネルの車両前後方向における幅が大きくなってインナパネルが大型化し車両の重量が増大していた。
本発明は上記実状に鑑みて成されたもので、その目的は、剛性・強度を強くすることができる構造でありながら、軽量化を図ることができる車両のセンターピラー構造を提供する点にある。さらには、車両の側方からの衝撃荷重によるセンターピラーの変形を容易に調整することができる車両のセンターピラー構造を提供する点にある。
本発明の特徴は、
アウタパネルとインナパネルとリンフォースとを備えた車両のセンターピラー構造であって、
前記リンフォースを車両前方側の前側フランジと後方側の後側フランジとこれらの間の膨出部とを有する断面ハット形状に形成し、
前記インナパネルの車両前方側の前縁部と後方側の後縁部を前記リンフォースの前側フランジと後側フランジに各別に溶接接合し、
前記リンフォースの前側フランジと前記インナパネルの前縁部との第1接合部よりも車両前方側に延出する前側延出部を前記リンフォースの前側フランジに設けて、前記前側延出部を前記アウタパネルに溶接接合し、
前記リンフォースの後側フランジと前記インナパネルの後縁部との第2接合部よりも車両後方側に延出する後側延出部を前記リンフォースの後側フランジに設けて、前記後側延出部を前記アウタパネルに溶接接合してある点にある。(請求項1)
この構成によれば、リンフォースを車両前方側の前側フランジと後方側の後側フランジとこれらの間の膨出部とを有する断面ハット形状に形成し、インナパネルの車両前方側の前縁部と後方側の後縁部をリンフォースの前側フランジと後側フランジに各別に溶接接合してあるから、リンフォースとインナパネルで閉じ断面を形成することができるとともに、断面ハット形状のリンフォースの膨出部の両側壁(車両前方側の側壁と車両後方側の側壁)が互いに離間するのをインナパネルで阻止することができる。これによりリンフォースとインナパネルから成るセンターピラー部分の剛性・強度を十分強くすることができる。
また、リンフォースの前側フランジとインナパネルの前縁部との第1接合部よりも車両前方側に延出する前側延出部をリンフォースの前側フランジに設けて、前側延出部をアウタパネルに溶接接合し、リンフォースの後側フランジとインナパネルの後縁部との第2接合部よりも車両後方側に延出する後側延出部をリンフォースの後側フランジに設けて、後側延出部をアウタパネルに溶接接合してあるから、一般に強度が強い部材から成るリンフォースを有効に活用してリンフォースの車両前方側の端部と車両後方側の端部をインナパネルとして利用できる。そして、インナパネルの前縁部と後縁部をアウタパネルの前側フランジと後側フランジに各別に溶接接合した構造に比べると、インナパネルの車両前後方向における幅を小さくすることができ、インナパネルを小型化できて車両を軽量化することができる。(請求項1)
本発明において、
前記リンフォースの膨出部を前記リンフォースの前側フランジと後側フランジに対して車外側に膨出させ、
前記インナパネルを車両前方側の前側フランジと後方側の後側フランジとこれらの間の膨出部とを有する断面ハット形状に形成して、前記インナパネルの前縁部を前記インナパネルの前側フランジで構成するとともに、前記インナパネルの後縁部を前記インナパネルの後側フランジで構成し、前記インナパネルの膨出部を前記インナパネルの前側フランジと後側フランジに対して車内側に膨出させ、
前記インナパネルの膨出部の膨出量を前記リンフォースの膨出部の膨出量よりも小さくしてあると、次の作用を奏することができる。(請求項2)
リンフォースとインナパネルを共に断面ハット形状に形成してあるから、閉じ断面を大きくすることができて、センターピラー構造の剛性を強くすることができる。これにより、車体の剛性が強くなり、操縦安定性を向上させることができる。
また、インナパネルの膨出部の膨出量をリンフォースの膨出部の膨出量よりも小さくしてあるから、リンフォースに比べて薄い部材から成るインナパネルであってもインナパネルの膨出部の変形を抑制しやすくすることができ、リンフォースの膨出部の両側壁が互いに離間するのをインナパネルでより阻止しやすくすることができる。
そして一般に強度が強い部材から成るリンフォースで閉じ断面の広範囲を構成することができ、リンフォースを有効活用してセンターピラー構造の剛性・強度を強くすることができる。(請求項2)
本発明において、
前記第1接合部は車両上下方向に間隔を空けて並ぶ複数の第1溶接接合部から成り、
前記第2接合部は車両上下方向に間隔を空けて並ぶ複数の第2溶接接合部から成り、
前記リンフォースの前側延出部と前記アウタパネルとの第3接合部は車両上下方向に間隔を空けて並ぶ複数の第3溶接接合部から成り、
前記リンフォースの後側延出部と前記アウタパネルとの第4接合部は車両上下方向に間隔を空けて並ぶ複数の第4溶接接合部から成り、
前記第1溶接接合部と前記第3溶接接合部が車両上下方向で位置ずれし、
前記第2溶接接合部と前記第4溶接接合部が車両上下方向で位置ずれしていると、次の作用を奏することができる。(請求項3)
例えば、リンフォースの前側フランジとインナパネルの前縁部との第1接合部を構成する第1溶接接合部と、リンフォースの前側延出部とアウタパネルとの第3接合部を構成する第3溶接接合部とが車両上下方向で同じ位置に位置していると、第1溶接接合部を第3溶接接合部と干渉しないように第3溶接接合部に対して車両後方側に離間させなければならない。同様に第2溶接接合部と第4溶接接合部が車両上下方向で同じ位置に位置していると、第2溶接接合部を第4溶接接合部に対して車両前方側に離間させなければならない。そうなると、第1溶接接合部が設けられるリンフォースの前側フランジの後端がより車両後方側に後退し、第2溶接接合部が設けられるリンフォースの後側フランジの前端がより車両前方側に位置して、リンフォースの膨出部の両側壁の間隔が狭くなり閉じ断面の大きさが小さくなる。
これに対して本発明の上記構成によれば、第1溶接接合部と第3溶接接合部が車両上下方向で位置ずれし、第2溶接接合部と前記第4溶接接合部が車両上下方向で位置ずれしているから、第1溶接接合部と第3溶接接合部の車両前後方向における間隔、及び、第2溶接接合部と第4溶接接合部の車両前後方向における間隔がそれぞれ短くても、第1溶接接合部と前記第3溶接接合部の干渉、及び、第2溶接接合部と前記第4溶接接合部の干渉を回避することができて溶接箇所の面積を確保することができ、第1溶接接合部を第3溶接接合部に対してより車両前方側に位置させることができ、第2溶接接合部を第4溶接接合部に対してより車両後方側に位置させることができ、リンフォースの膨出部の両側壁の間隔を大きくすることができ、閉じ断面の大きさを大きくすることができる。その結果、センターピラーの剛性・強度を強くすることができる。(請求項3)
本発明において、
互いに隣合う前記第1溶接接合部と第3溶接接合部とにおいて、前記第1溶接接合部における前記インナパネルの車両前方側の前端縁部分を、前記第3溶接接合部の車両後方側に位置する前記インナパネルの前端縁部分よりも車両前方側に突出させ、
互いに隣合う前記第2溶接接合部と第4溶接接合部とにおいて、前記第2溶接接合部における前記インナパネルの車両後方側の後端縁部分を、前記第4溶接接合部の車両前方側に位置する前記インナパネルの後端縁部分よりも車両後方側に突出させてあると、次の作用を奏することができる。(請求項4)
第1溶接接合部における前記インナパネルの車両前方側の前端縁部分を、第3溶接接合部の車両後方側に位置する前記インナパネルの前端縁部分よりも車両前方側に突出させてあるから、溶接個所以外のインナパネルの前側フランジの大きさ(面積)を最小限にできる。また、第2溶接接合部におけるインナパネルの車両後方側の後端縁部分を、第4溶接接合部の車両前方側に位置するインナパネルの後端縁部分よりも車両後方側に突出させてあるから、溶接個所以外のインナパネルの後側フランジの大きさ(面積)を最小限にできる。その結果、インナパネルを小型化できて車両を軽量化することができる。(請求項4)
本発明において、
互いに隣合う前記第1溶接接合部と第3溶接接合部とにおいて、前記第3溶接接合部における前記リンフォースの車両前方側の前端縁部分を、前記第1溶接接合部の車両前方側に位置する前記リンフォースの前端縁部分よりも車両前方側に突出させ、
互いに隣合う前記第2溶接接合部と第4溶接接合部とにおいて、前記第4溶接接合部における前記リンフォースの車両後方側の後端縁部分を、前記第2溶接接合部の車両後方側に位置する前記リンフォースの後端縁部分よりも車両後方側に突出させてあると、次の作用を奏することができる。(請求項5)
第3溶接接合部におけるリンフォースの車両前方側の前端縁部分を、第1溶接接合部の車両前方側に位置するリンフォースの前端縁部分よりも車両前方側に突出させてあるから、溶接個所以外のリンフォースの前側フランジの大きさ(面積)を最小限にできる。また、第4溶接接合部におけるリンフォースの車両後方側の後端縁部分を、第2溶接接合部の車両後方側に位置するリンフォースの後端縁部分よりも車両後方側に突出させてあるから、溶接個所以外のリンフォースの後側フランジの大きさ(面積)を最小限にできる。その結果、リンフォースを小型化できて車両を軽量化することができる。(請求項5)
本発明において、
前記リンフォースの下端部をサイドシル側まで延出して前記サイドシルに接合し、
前記インナパネルの下端をサイドシルインナパネルの上端の上方に配置して、前記インナパネルの下端とサイドシルインナパネルの上端との間にリトラクタ収容空間を形成し、
前記リトラクタ収容空間にリトラクタを収容し、
前記インナパネルの下端部に設けたリトラクタ取り付け部に、前記リトラクタに設けた被取り付け部を取り付けてあると、次の作用を奏することができる。(請求項6)
リンフォースの下端部をサイドシル側まで延出して前記サイドシルに接合し、インナパネルの下端をサイドシルインナパネルの上端の上方に配置して、前記インナパネルの下端とサイドシルインナパネルの上端との間にリトラクタ収容空間を形成してあるから、センターピラーの根元部(下端部)ではリンフォースとインナパネルで閉じ断面が形成されずに車内側が開放した断面形状になる。そのために、リンフォースの下端部では断面ハット形状のリンフォースの膨出部の両側壁(車両前方側の側壁と車両後方側の側壁)が互いに離間するのをインナパネルで阻止することが困難になる。これにより、センターピラーの下端部の剛性・強度を、前記下端部よりも上側の剛性・強度よりも弱くすることができ、車両が側面衝突した時にセンターピラーを下端部周りに車内側に変形させることができて、センターピラーの変形モードを最適化することができる。また、インナパネルがサイドシルの上端側まで延びている構造に比べると、インナパネルの長さ(上下方向の長さ)を短くすることができ、車両を軽量化することができる。(請求項6)
本発明において、
前記リトラクタの車外側に位置し、下端が前記インナパネルの下端よりも下方に位置する補強部材を前記リンフォースに固定して、前記リンフォースの下端部を補強してあると、この補強部材によってインナパネルの下方のセンターピラーの下端部の剛性・強度を容易に変更調節することができる。その結果、車両が側面衝突した時のセンターピラーの変形モードをより最適化することができる。(請求項7)
本発明において、
前記補強部材を車両前方側の前側フランジと後方側の後側フランジとこれらの間の膨出部とを有する断面ハット形状に形成するとともに、車両前後方向における前記補強部材の幅を下端側ほど幅広に設定し、
前記補強部材の膨出部を前記リンフォースの膨出部に車内側から重ね合わせて溶接接合し、
前記補強部材の前側フランジと後側フランジを前記リンフォースの前側フランジと後側フランジに各別に重ね合わせて溶接接合してあると、補強部材の剛性・強度を強くすることができ、補強部材を小型化することができて車両を軽量化することができる。(請求項8)
本発明において、
車両の座席を車両前後方向にスライド移動自在に支持するシートレールの後端部と車体との間に介在して前記後端部を車体に結合するシートブラケットを、前記センターピラーの下端部の前記アウタパネルの車両前後方向における中心線に対して車両前方側に位置ずれさせてサイドシルインナパネルに固定してあると、センターピラーを車両の座席の後側に配置することができ、車両が側面衝突した時の衝撃荷重で変形するセンターピラーが座席と干渉することを防止することができる。さらに、座席の後方の空間を利用してセンターピラーを安全に変形させることができる。(請求項9)
本発明によれば、剛性・強度を強くすることができる構造でありながら、軽量化を図ることができる車両のセンターピラー構造、および、車両の側方からの衝撃荷重によるセンターピラーの変形を容易に調整することができる車両のセンターピラー構造を提供することができた。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図5にアウタパネル1とインナパネル(センターピラーインナパネル)2と第1リンフォース3と第2リンフォース4とセンターピラートリム5を備えた自動車(車両に相当)のセンターピラー構造を示してある。アウタパネル1とインナパネル2と第1リンフォース3と第2リンフォース4とセンターピラートリム5は上端部が下端部よりもやや車両後方側に位置する状態に斜め上下方向に延びてセンターピラーを構成している。センターピラートリム5は互いに別体の下側トリム5Aと上側トリム5Bから成り、図2に示すように下側トリム5Aの上端側の係合部R1と上側トリム5Bの下端側の被係合部R2を係合・連結してある。図1における符号6はフロントドア用の開口であり符号7はリアドア用の開口である。次に前記アウタパネル1とインナパネル2と第1リンフォース3と第2リンフォース4の各構造について簡単に説明し、その後にこれらの詳細な構造と接合構造について説明する。
[アウタパネル1の構造]
アウタパネル1は車両側方の意匠面となるパネル部材であり、上部はルーフサイドレール、下部はサイドシルにおける車外側のパネルとなり、フロントドア用の開口6とリアドア用の開口7が形成されている。そして、アウタパネル1はセンターピラーの最も車外側W2(車体の左右外方側)に位置する部品であり、図2に示すようにセンターピラーの縦断面において車外側W2に凸の緩やかな円弧状に形成してある。また図5に示すように、このアウタパネル1を車両前方側Frで車両の前後方向に延びる前側フランジ1F1と後方側で車両の前後方向に延びる後側フランジ1F2とこれらの間の膨出部1Bとを有する横断面ハット形状に形成し、膨出部1Bを前側フランジ1F1と後側フランジ1F2に対して車外側W2に膨出させてある。そして図1,図6に示すように、前記膨出部1Bの上端部を上方Z1に向かって次第に幅狭に、下端部を下方に向かって次第に幅広に形成してある。(「幅」とは車両前後方向における長さのことである。以下、同じ)
[第1リンフォース3の構造]
第1リンフォース3は、センターピラーを補強する部材であり、センターピラーの閉じ断面内に配置され、詳細にはアウタパネル1の車内側W1に位置している。図2に示すように、この第1リンフォース3を縦断面において車外側W2に凸の緩やかな円弧状に形成してアウタパネル1に沿わせてある。第1リンフォース3の上端は車両の前後に延びる形状となっており、その前後に延びる形状部分がアウタパネル1の上端付近に構成されているルーフサイドレールの閉じ断面内に入り込み、ルーフサイドレールと結合されているとともに、ルーフサイドレールの閉じ断面内に車両の前後方向に配設される補強部材のルーフサイドインナリンフォースに強固に溶接接合されている。また図3〜図5に示すように、第1リンフォース3を車両前方側Frで車両の前後方向に延びる前側フランジ3F1と後方側で車両の前後方向に延びる後側フランジ3F2とこれらの間の膨出部3Bとを有する断面ハット形状に形成し、膨出部3Bを前側フランジ3F1と後側フランジ3F2に対して車外側W2に膨出させ、第1リンフォース3の膨出部3Bの上端部を上方Z1に向かって次第に幅狭に、下端部を下方に向かって次第に幅広に形成して、第1リンフォース3をアウタパネル1に対応した形状に形成してある。
膨出部3Bは第1リンフォース3の素材となるパネル部材をプレスすることで屈曲形成(絞り成形)され、前側フランジ3F1の後端から車外側に屈曲し車両の前側となる側壁3S1、後側フランジ3F2の前端から車外側に屈曲し車両の後側となる側壁3S2、および、両側壁3S1,3S2の車外側の端部間の背壁3Hとで膨出部3Bは構成されている。
また図3に示すように、前側フランジ3F1の車両前方側Frの前端縁3M1を下端側ほど車両前方側Frに位置するように緩やかに傾斜させ、前側フランジ3F1の上端部と上下方向中間部を下方に向かって次第に幅広に形成してある。前側フランジ3F1の下端部側には膨出部3Bの下端部が車両の前方側に張り出しており、そのために前側フランジ3F1の下端部は前側フランジ3F1の上下方向中間部よりも幅狭になっている。後側フランジ3F2は上下方向の全長にわたってほぼ一定の幅に形成されている。
第1リンフォース3の下端部には、この下端部を補強する補強部材8を固定してある。この補強部材8の構造と補強部材8の第1リンフォース3等への結合構造とについては後で詳しく説明する。
[第2リンフォース4の構造]
第2リンフォース4はセンターピラーを補強する部材であり、センターピラーの閉じ断面内に配置される。詳細には、第2リンフォース4は第1リンフォース3の車内側W1に位置しており、図2に示すように、この第2リンフォース4を縦断面において車外側W2に凸の緩やかな円弧状に形成するとともに、車両の前側となる側壁4S1、車両の後側となる側壁4S2、および、両側壁4S1,4S2間の背壁4Hにて図4に示すように車内側W1が開放の断面コの字状に形成し、第2リンフォース4を第1リンフォース3よりも上下方向の長さを短く設定して、アウタパネル1と第1リンフォース3に沿わせてある。つまり、第2リンフォース4の下端は第1リンフォース3の下端よりも上方に位置し、第2リンフォース4の上端は第1リンフォース3の上端よりも下方に位置する。また、第2リンフォース4は、基本的に第1リンフォース3の膨出部3Bの内部の空間に配置され、膨出部3Bの内部の空間に収納されうる大きさの断面形状となっている。
[インナパネル2の構造]
インナパネル2はセンターピラーの閉じ断面構造の車内側W1の部分を構成するパネル部材であり、第1リンフォース3及び第2リンフォース4の車内側W1に位置しており、図1,図2,図5,図6に示すように、このインナパネル2を車両前方側Frで車両の前後方向に延びる前側フランジ2F1(前縁部に相当)と後方側で車両の前後方向に延びる後側フランジ2F2(後縁部に相当)とこれらの間の膨出部2Bとを有する断面ハット形状に形成して、膨出部2Bを前側フランジ2F1と後側フランジ2F2に対して車内側W1に膨出させてある。そして、インナパネル2の膨出部2Bの膨出量(フランジに対する膨出部の高さ)を第1リンフォース3の膨出部3Bの膨出量よりも小さく設定し、インナパネル2を第1リンフォース3よりも上下方向の長さを短く設定してある。インナパネル2の上端は第1リンフォース3及びアウタパネル1の上端付近に位置し、ルーフサイドレールの閉じ断面の下端まで配設されている。図5に示すように、前記インナパネル2の膨出部2Bはその幅方向両端部(車両前後方向の端部)が両端部間の膨出部部分よりも断面台形状に大きく膨出して形成されている。
[アウタパネル1とインナパネル2と第1,第2リンフォース3,4と補強部材8の接合構造]
[A] 第1リンフォース3と第2リンフォース4の接合構造
図3,図4,図5に示すように、第1リンフォース3の膨出部3Bの両側壁3S1,3S2に第2リンフォース4の両側壁4S1,4S2を各別に嵌合して溶接接合し、第1リンフォース3の両側壁3S1,3S2間の背壁3Hの上半部に第2リンフォース4の両側壁4S1,4S2間の背壁4Hの上半部を重ね合わせて、背壁3Hと背壁4Hが溶接接合してある。なお、各背壁3H,4Hの下半部同士は離間し、側壁3S1,3S2とで閉じ断面を構成している。また、第2リンフォース4の背壁4Hの下端は、補強部材8の上端とともに背壁3Hに溶接接合されている。
[B] インナパネル2と第1リンフォース3とアウタパネル1の接合構造
図5に示すように、インナパネル2の前側フランジ2F1と後側フランジ2F2を、第1リンフォース3の前側フランジ3F1と後側フランジ3F2に車内側W1から各別に重ね合わせて第1接合部11、第2接合部12を構成し、それぞれにて第1溶接接合部21と第2溶接接合部22にて溶接接合してある。
また、第1リンフォース3の前側フランジ3F1とインナパネル2の前側フランジ2F1との第1接合部11よりも車両前方側Frに延出する前側延出部3A1を第1リンフォース3の前側フランジ3F1に設けて、前側延出部3A1をアウタパネル1の前側フランジ1F1に重ね合わせて第3接合部13を構成し、第3溶接接合部23にて溶接接合してある。同様に、第1リンフォース3の後側フランジ3F2とインナパネル2の後側フランジ2F2との第2接合部12よりも車両後方側に延出する後側延出部3A2を第1リンフォース3の後側フランジ3F2に設けて、後側延出部3A2をアウタパネル1の後側フランジ1F2に重ね合わせて第4接合部14を構成し、第4溶接接合部24にて溶接接合してある。なお、第1溶接接合部21と第2溶接接合部22では、アウタパネル1の前側フランジ1F1および後側フランジ1F2は、第1リンフォース3の前側フランジ3F1および後側フランジ3F2から離間している。
図6に示すように、センターピラーの上端部付近では、インナパネル2の前側フランジ2F1と第1リンフォース3の前側フランジ3F1とアウタパネル1の前側フランジ1F1は重ねられて3枚一緒にスポット溶接(図6における黒四角印の部分)され、同様に、インナパネル2の後側フランジ2F2と第1リンフォース3の後側フランジ3F2とアウタパネル1の後側フランジ1F2は重ねられて3枚一緒にスポット溶接(図6における黒四角印の部分)されている。そして、センターピラーの上端付近より下方の車両前側では、前記第1接合部11は車両上下方向に間隔を空けて並ぶ複数個のスポット溶接された第1溶接接合部21(図6における黒丸印の部分)から成り、第1リンフォース3の前側延出部3A1とアウタパネル1の前側フランジ1F1との第3接合部13は、車両上下方向に間隔を空けて並ぶ複数個のスポット溶接された第3溶接接合部23(図6における*印の部分)から成る。そして、第1リンフォース3の上端部よりも下方の部分において、第1溶接接合部21と前記第3溶接接合部23が車両上下方向で位置ずれして、第1溶接接合部21と第3溶接接合部23が車両上下方向に沿って交互に位置している。つまり、それぞれ複数個所設けられる各第1溶接接合部21箇所と各第3溶接接合部23箇所は、同じ高さ位置に設けず異なる高さ位置に配置されている。
センターピラーの上端付近より下方の車両後側では、前記第2接合部12は車両上下方向に間隔を空けて並ぶ複数個のスポット溶接された第2溶接接合部22(図6における黒丸印の部分)から成り、第1リンフォース3の後側延出部3A2とアウタパネル1の後側フランジ1F2との第4接合部14は、車両上下方向に間隔を空けて並ぶ複数個のスポット溶接された第4溶接接合部24(図6における*印の部分)から成る。そして第1リンフォース3の上半部(上端部を除く)において、第2溶接接合部22と第4溶接接合部24が車両上下方向で位置ずれして、第2溶接接合部22と第4溶接接合部24が車両上下方向に沿って交互に位置している。つまり、それぞれ複数個所設けられる各第2溶接接合部22箇所と各第4溶接接合部24箇所は、同じ高さ位置に設けず異なる高さ位置に配置されている。
なお、第1リンフォース3の下半部、および、インナパネル2の下半部は、インナパネル2の後側フランジ2F2と第1リンフォース3の後側フランジ3F2とアウタパネル1の後側フランジ1F2は重ねられて3枚一緒にスポット溶接(図6における黒三角印の部分)されている。
図6の拡大図に示すように、車両上下方向で互いに隣合う前記第1溶接接合部21と第3溶接接合部23とにおいて、第1溶接接合部21におけるインナパネル2の車両前方側Frの前端縁部分2E1を、第3溶接接合部23の車両後方側に位置するインナパネル2の前端縁部分2G1よりも車両前方側Frに突出させ、車両上下方向で互いに隣合う第2溶接接合部22と第4溶接接合部24とにおいて、第2溶接接合部22におけるインナパネル2の車両後方側の後端縁部分2E2を、第4溶接接合部24の車両前方側Frに位置するインナパネル2の後端縁部分2G2よりも車両後方側に突出させてある。
また車両上下方向で互いに隣合う前記第1溶接接合部21と第3溶接接合部23とにおいて、第3溶接接合部23における第1リンフォース3の車両前方側Frの前端縁部分3E3を、第1溶接接合部21の車両前方側Frに位置する第1リンフォース3の前端縁部分3G3よりも車両前方側Frに突出させ、車両上下方向で互いに隣合う第2溶接接合部22と第4溶接接合部24とにおいて、第4溶接接合部24における第1リンフォース3の車両後方側の後端縁部分3E4を、第2溶接接合部22の車両後方側に位置する第1リンフォース3の後端縁部分3G4よりも車両後方側に突出させてある。
図1,図2,図6に示すように、インナパネル2の下端はサイドシルと連結されておらず、インナパネル2の下端をサイドシルインナパネル20の上端20Jに対して距離を置いてその上方Z1に配置して、インナパネル2の下端2Kとサイドシルインナパネル20の上端20Jとの間に開口を形成してセンターピラーの断面内に車両の内方に開口するリトラクタ収容空間Sを形成してある。そして、このリトラクタ収容空間Sにシートベルトのリトラクタ61を収容し、インナパネル2の下端部に設けたリトラクタ取り付け部62に、リトラクタ61に設けた被取り付け部63を車内側W1から重ね合わせ、リトラクタ取り付け部62のボルト挿通孔62H(図6参照)とリトラクタ61の被取り付け部63のボルト挿通孔とに取付けボルト64を挿通させて、リトラクタ取り付け部62の裏面側のナット65に螺合締結してある。本実施例では、インナパネル2はリトラクタ取り付け部62より下側にインナパネル2を配置しておらず、さらなる軽量化とセンターピラーの変形の調整の容易化が図られている。なお、インナパネル2の下端に切り欠き等を設けて開口を広げてもよい。それに伴い、リトラクタ取り付け部62を当該切り欠きの上方に設けてもよい。
[C] 補強部材8と第1リンフォース3と第2リンフォース4の接合構造
図2に示すように前記リトラクタ61の車外側W2に位置し、下端8Kがインナパネル2の下端2Kよりも下方に位置するとともに、第2リンフォース4よりも厚肉の補強部材8を第1リンフォース3の下端部に固定して、第1リンフォース3の下端部を補強してある。なお、補強部材8の上端はインナパネル2の下端2Kよりも上方に位置する。つまりこの実施例では、センターピラーの途中までしか配置されないインナパネル2に対し、その下端2Kの車両外側に補強部材8が配置されている。また、この実施例では、下端8Kはサイドシルを構成する部材とは直接結合されておらず、下端8Kは後述するサイドシルストレングス18の上端18F1に対して距離を置いてその上側Z1に配置している。
図7(a),図7(b)にも示すように、補強部材8を車両前方側Frの前側フランジ8F1と後方側の後側フランジ8F2とこれらの間の膨出部8Bとを有する断面ハット形状に形成し、車両前後方向における補強部材8の幅を下端側ほど幅広に設定してある。
そして補強部材8の膨出部8Bの両側壁8S1,8S2間の背壁8Hを第1リンフォース3の膨出部3Bの両側壁3S1,3S2間の背壁3Hに車内側W1から重ね合わせて溶接接合し、補強部材8の前側フランジ8F1と後側フランジ8F2を第1リンフォース3の前側フランジ3F1と後側フランジ3F2に車内側W1から各別に重ね合わせて溶接接合し、図2の拡大図に示すように、補強部材8の膨出部8Bの背壁8Hの上端部と第1リンフォース3の膨出部3Bの背壁3Hとで第2リンフォース4の背壁4Hの下端部を挟み込んでそれら三者を一体に溶接接合してある。図2の符号Hはリアドア用ヒンジ取り付け孔であり、この孔Hを、互いに重なり合った補強部材8と第1リンフォース3とアウタパネル1とに貫通させてある。66は補強部材8および第1リンフォース3に形成された室内側に凸のビード部である。このビード部66は、後述する車両側方からの衝撃荷重に対してセンターピラーの変形を容易とする。さらに、補強部材8に形成されたビード部66は、背壁8Hのみならず側壁8S2まで連続して形成され、補強部材8の断面ハット形状の開き変形の荷重を調整し、センターピラーの変形を調整する働きをする。
このように構成配置することで、車両の側方から衝撃荷重がセンターピラーに入力されたときに、センターピラーのインナパネル2が配置されていないセンターピラーの下部にてセンターピラーを変形させ、変形位置をセンターピラーの下方にするとともに、衝撃荷重を吸収しつつ車室内への変形量を小さく押さえることができる。つまり、センターピラーの下部は、リトラクタ61の車外側(アウタパネル側)にのみパネル部材が配置されて開放断面となっており、ハット断面形状のパネル部材のフランジ間に架設されてフランジ同士を連結するインナパネル2が配置されていないので、他の部位に比較してパネル部材の変形が容易となるように構成されている。そしてその部位に、比較的小型の補強部材8が配置され、補強部材8の形状や板厚の変更によって変形荷重の調整等を容易にすることを可能としている。
図8に示すように、前記第3接合部13と第4接合部14とに前後一対のオープニングトリム10の取り付け基部を車両前方側Frからと車両後方側から各別に外嵌し、センターピラートリム5に形成した前後一対の断面L字状の取り付け部53をオープニングトリム10の断面L字状の外周部に外嵌して、センターピラートリム5で第1リンフォース3・第2リンフォース4・インナパネル2を覆うとともに、アウタパネル1の前側フランジ1F1及び後側フランジ1F2をもセンターピラートリム5で車内側W1から覆ってある。
[前記接合構造の溶接の手順]
前記接合構造の溶接の手順は次の通りである(溶接接合の詳細については前記[A]〜[C]参照)。
(1) 第1リンフォース3と第2リンフォース4と補強部材8を溶接接合する。
(2) 上記(1)にインナパネル2を溶接接合する。つまり、第1リンフォース3にインナパネル2を溶接接合し、インナパネル2の下端2Kは、第1リンフォース3と補強部材8の重なり部分に溶接接合する。
(3) 上記(2)をアウタパネル1に溶接接合する。つまり、第1リンフォース3(場所によっては重ねられているインナパネル2や補強部材8を含む)をアウタパネル1に溶接接合してサイドボディを形成する。そしてメインフロア16やサイドシルインナパネル20等が組まれたアンダボディにサイドボディを結合する。
[サイドシル50の構造]
図2に示すように、アウタパネル1のセンターピラーの下端部は車両の前後方向に延び、その断面を車内側W1に開放の断面コの字状に折曲形成して車外側W2に膨出させ、前記断面コの字状の下端部の下壁15を上壁45よりも車内側W1に延出して延出端部に下方に延びるフランジ15Fを形成してある。また、車両の前後方向に延び車両前方側Frから見て車外側W2に開放した断面ハット形状のサイドシルインナパネル20の上下両端部のフランジ20F1,20F2と、車両の前後方向に延び車両前方側Frから見て車内側W1に開放した断面ハット形状のサイドシルストレングス18の上下両端部のフランジ18F1,18F2とでサイドシルリアリンフォース17を挟み込んである。
そして、センターピラーの下端部では、サイドシルストレングス18の上端部のフランジ18F1とサイドシルリアリンフォース17の上端部とサイドシルインナパネル20の上端部のフランジ20F1とを溶接接合し、さらに、アウタパネル1の前記フランジ15Fをサイドシルストレングス18の下端部のフランジ18F2に重ね合わせて、アウタパネル1の前記フランジ15Fとサイドシルストレングス18の下端部のフランジ18F2とサイドシルリアリンフォース17の下端部とサイドシルインナパネル20の下端部のフランジ20F2とを溶接接合し、第1リンフォース3の下端部3Kをサイドシルストレングス18の上下方向に沿う背壁18Hの下端部に車外側W2から重ね合わせて溶接接合し、これによりサイドシル50を構成してある。前記サイドシルインナパネル20とサイドシルストレングス18とは閉じ断面を形成しており、前記閉じ断面をサイドシルリアリンフォース17が左右(車幅方向)にニ分割している。なお、センターピラーの前後では、サイドシルストレングス18の上端部のフランジ18F1とサイドシルリアリンフォース17の上端部とサイドシルインナパネル20の上端部のフランジ20F1とにアウタパネル1のフランジが重ねられて溶接接合されサイドシルの閉じ断面が構成されている。また、図2における符号67はシートベルトアンカー用ナットである。
サイドシルインナパネル20の上下方向に沿う背壁20Hの下端部には、メインフロア16(車体に相当)の車外側W2の端部に形成した上方Z1に延びるフランジ16Fを車内側W1から重ね合わせて溶接接合してある(図2参照)。
また図1に示すように、車両の座席29を車両前後方向にスライド移動自在に支持する左右一対のシートレール28を、前側の左右一対のシートブラケット27と後側の左右一対のシートブラケット26とを介してメインフロア16に支持させてある。
図6にも示すように、シートレール28の後端部とメインフロア16との間に介在して前記後端部をメインフロア16に結合する後側の左右一対のシートブラケット26を、センターピラーの部分に該当するアウタパネル1の下端部の車両前後方向における中心線Oに対して車両前方側Frに位置ずれさせてサイドシルインナパネル20に固定してある。
そして、前記シートブラケット26,27を下側開放の断面ハット形状に形成し、シートブラケット26,27の前壁26M1,27M1(車両前方側Frの壁)の下端部のフランジ26F1,27F1と後壁(車両後方側の壁、図示せず)の下端部のフランジとをメインフロア16に上方Z1から重ね合わせて溶接接合してある。
そして前側の左右一対のシートブラケット27のうち車外側W2のシートブラケット27の前壁27M1及び後壁の車外側の端部に形成したフランジ27F2をサイドシルインナパネル20に車内側W1から重ね合わせて溶接接合してある。
さらに後側の左右一対のシートブラケット26のうち車外側W2のシートブラケット26の前壁26M1及び後壁の車外側の端部に形成したフランジ26F2と、前記シートブラケット26の上壁26Jの車外側の端部に形成した上方Z1に延びるフランジ26F3とをサイドシルインナパネル20に車内側W1から重ね合わせて溶接接合してある。
このように構成配置することで、車両の側方から衝撃荷重がセンターピラーに入力されたときに、センターピラーの車室内への変形位置を車両の座席29の後方とすることができて、座席29へのセンターピラーの変形の影響を少なくすることができる。また、後側の左右一対のシートブラケット26によってサイドシルが補強され、サイドシルの室内側への変形が抑制されて、座席29の空間が確保される。
[別実施形態]
(1) 前記実施例ではセンターピラーの車室内側のリンフォースを上下に分割し、上側のリンフォース(第2リンフォース4)に対して下側のリンフォース(補強部材8)の剛性を高くしたが、前記第2リンフォース4と補強部材8から成る補強部を、異なる板厚の板材を溶接接合して成るテーラードブランク材を用いて一体に構成してあってもよい。すなわち第2リンフォース4に対応する板材部分と補強部材8に対応する板材部分とから成り、補強部材8に対応する板材部分が第2リンフォース4に対応する板材部分よりも厚肉のテーラードブランク材を用いて前記補強部を構成してあってもよい。
(2) 上記の実施形態における溶接接合はスポット溶接である。
自動車のセンターピラー構造を示す斜視図 センターピラーの縦断正面図(車両前方側から見た縦断面図) 第1リンフォースとこれに接合された第2リンフォース・補強部材とを車内側から見た図 図3のA−A断面図 図6のB−B断面図 センターピラートリムを取り付ける前のセンターピラーを車内側から見た図 (a)は補強部材の斜視図、(b)は補強部材・第1リンフォース・アウタパネルの横断面図 センターピラートリムを取り付けた状態の図6のB−B断面図
符号の説明
1 アウタパネル
2 インナパネル
2B インナパネルの膨出部
2E1 インナパネルの車両前方側の前端縁部分
2E2 インナパネルの車両後方側の後端縁部分
2F1 インナパネルの前側フランジ(インナパネルの前縁部)
2F2 インナパネルの後側フランジ(インナパネルの後縁部)
2G1 第3溶接接合部の車両後方側に位置するインナパネルの前端縁部分
2G2 第4溶接接合部の車両前方側に位置するインナパネルの後端縁部分
2K インナパネルの下端
3 リンフォース(第1リンフォース)
3A1 前側延出部(リンフォースの前側延出部)
3A2 後側延出部(リンフォースの後側延出部)
3B 膨出部(リンフォースの膨出部)
3E3 リンフォースの車両前方側の前端縁部分
3E4 リンフォースの車両後方側の後端縁部分
3F1 前側フランジ(リンフォースの前側フランジ)
3F2 後側フランジ(リンフォースの後側フランジ)
3G3 第1溶接接合部の車両前方側に位置するリンフォースの前端縁部分
3G4 第2溶接接合部の車両後方側に位置するリンフォースの後端縁部分
3K 下端部(リンフォースの下端部)
8 補強部材
8B 補強部材の膨出部
8F1 補強部材の前側フランジ
8F2 補強部材の後側フランジ
8K 下端(補強部材の下端)
11 第1接合部
12 第2接合部
13 第3接合部
14 第4接合部
16 車体(メインフロア)
20 サイドシルインナパネル
20J サイドシルインナパネルの上端
21 第1溶接接合部
22 第2溶接接合部
23 第3溶接接合部
24 第4溶接接合部
26 シートブラケット
28 シートレール
29 座席
50 サイドシル
61 リトラクタ
62 リトラクタ取り付け部
63 被取り付け部
Fr 車両前方側
O アウタパネル1の下端部の車両前後方向における中心線
S リトラクタ収容空間
W2 車外側
W1 車内側
Z1 上方

Claims (9)

  1. アウタパネルとインナパネルとリンフォースとを備えた車両のセンターピラー構造であって、
    前記リンフォースを車両前方側の前側フランジと後方側の後側フランジとこれらの間の膨出部とを有する断面ハット形状に形成し、
    前記インナパネルの車両前方側の前縁部と後方側の後縁部を前記リンフォースの前側フランジと後側フランジに各別に溶接接合し、
    前記リンフォースの前側フランジと前記インナパネルの前縁部との第1接合部よりも車両前方側に延出する前側延出部を前記リンフォースの前側フランジに設けて、前記前側延出部を前記アウタパネルに溶接接合し、
    前記リンフォースの後側フランジと前記インナパネルの後縁部との第2接合部よりも車両後方側に延出する後側延出部を前記リンフォースの後側フランジに設けて、前記後側延出部を前記アウタパネルに溶接接合してある車両のセンターピラー構造。
  2. 前記リンフォースの膨出部を前記リンフォースの前側フランジと後側フランジに対して車外側に膨出させ、
    前記インナパネルを車両前方側の前側フランジと後方側の後側フランジとこれらの間の膨出部とを有する断面ハット形状に形成して、前記インナパネルの前縁部を前記インナパネルの前側フランジで構成するとともに、前記インナパネルの後縁部を前記インナパネルの後側フランジで構成し、前記インナパネルの膨出部を前記インナパネルの前側フランジと後側フランジに対して車内側に膨出させ、
    前記インナパネルの膨出部の膨出量を前記リンフォースの膨出部の膨出量よりも小さくしてある請求項1記載の車両のセンターピラー構造。
  3. 前記第1接合部は車両上下方向に間隔を空けて並ぶ複数の第1溶接接合部から成り、
    前記第2接合部は車両上下方向に間隔を空けて並ぶ複数の第2溶接接合部から成り、
    前記リンフォースの前側延出部と前記アウタパネルとの第3接合部は車両上下方向に間隔を空けて並ぶ複数の第3溶接接合部から成り、
    前記リンフォースの後側延出部と前記アウタパネルとの第4接合部は車両上下方向に間隔を空けて並ぶ複数の第4溶接接合部から成り、
    前記第1溶接接合部と前記第3溶接接合部が車両上下方向で位置ずれし、
    前記第2溶接接合部と前記第4溶接接合部が車両上下方向で位置ずれしている請求項1又は2記載の車両のセンターピラー構造。
  4. 互いに隣合う前記第1溶接接合部と第3溶接接合部とにおいて、前記第1溶接接合部における前記インナパネルの車両前方側の前端縁部分を、前記第3溶接接合部の車両後方側に位置する前記インナパネルの前端縁部分よりも車両前方側に突出させ、
    互いに隣合う前記第2溶接接合部と第4溶接接合部とにおいて、前記第2溶接接合部における前記インナパネルの車両後方側の後端縁部分を、前記第4溶接接合部の車両前方側に位置する前記インナパネルの後端縁部分よりも車両後方側に突出させてある請求項3記載の車両のセンターピラー構造。
  5. 互いに隣合う前記第1溶接接合部と第3溶接接合部とにおいて、前記第3溶接接合部における前記リンフォースの車両前方側の前端縁部分を、前記第1溶接接合部の車両前方側に位置する前記リンフォースの前端縁部分よりも車両前方側に突出させ、
    互いに隣合う前記第2溶接接合部と第4溶接接合部とにおいて、前記第4溶接接合部における前記リンフォースの車両後方側の後端縁部分を、前記第2溶接接合部の車両後方側に位置する前記リンフォースの後端縁部分よりも車両後方側に突出させてある請求項4記載の車両のセンターピラー構造。
  6. 前記リンフォースの下端部をサイドシル側まで延出して前記サイドシルに接合し、
    前記インナパネルの下端をサイドシルインナパネルの上端の上方に配置して、前記インナパネルの下端とサイドシルインナパネルの上端との間にリトラクタ収容空間を形成し、
    前記リトラクタ収容空間にリトラクタを収容し、
    前記インナパネルの下端部に設けたリトラクタ取り付け部に、前記リトラクタに設けた被取り付け部を取り付けてある請求項1〜5のいずれか一つに記載の車両のセンターピラー構造。
  7. 前記リトラクタの車外側に位置し、下端が前記インナパネルの下端よりも下方に位置する補強部材を前記リンフォースに固定して、前記リンフォースの下端部を補強してある請求項6記載の車両のセンターピラー構造。
  8. 前記補強部材を車両前方側の前側フランジと後方側の後側フランジとこれらの間の膨出部とを有する断面ハット形状に形成するとともに、車両前後方向における前記補強部材の幅を下端側ほど幅広に設定し、
    前記補強部材の膨出部を前記リンフォースの膨出部に車内側から重ね合わせて溶接接合し、
    前記補強部材の前側フランジと後側フランジを前記リンフォースの前側フランジと後側フランジに各別に重ね合わせて溶接接合してある請求項7記載の車両のセンターピラー構造。
  9. 車両の座席を車両前後方向にスライド移動自在に支持するシートレールの後端部と車体との間に介在して前記後端部を車体に結合するシートブラケットを、前記センターピラーの下端部の前記アウタパネルの車両前後方向における中心線に対して車両前方側に位置ずれさせてサイドシルインナパネルに固定してある請求項1〜8のいずれか一つに記載の車両のセンターピラー構造。
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