JP5083298B2 - ステップユニット - Google Patents

Description

本発明は、車両スライドドアと隣接して設けられるステップ部材と車両スライドドア用の駆動装置とを備えたステップユニットに関するものである。

従来から車両スライドドアと隣接した車両本体側にはステップユニットが設けられている。そして、ステップユニットとしては、ステップ部材（踏み台）と、ステップ部材に固定され、車両スライドドアを開閉駆動する駆動装置（モータユニット）とを備えたものがある（例えば、特許文献１参照）。

このようなステップユニットでは、ステップ部材は一般的に金属材を板金加工してなり、駆動装置をステップ部材における搭乗者が足を乗せるための平板部上の極力搭乗者の邪魔にならない位置であって、例えば、その車両後方側の端部に搭載している。

特開２００７−１３２１４１号公報

しかしながら、上記のようなステップユニットでは、ステップ部材における搭乗者が足を乗せるための平板部上に駆動装置が固定されるため、駆動装置が平板部の上面から上方に大幅に突出してしまうという問題がある。尚、このことは、例えば車両室内の低床化を阻害する原因となる。又、駆動装置をステップ部材の下面（地面と対向する側の面）に固定することも考えられるが、下方にもスペースの制限があるとともに駆動装置（その制御回路等）の防水対策が複雑化してしまう等種々の問題が発生する。

本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、駆動装置の上方への突出を容易且つ大幅に抑えることが可能なステップユニットを提供することにある。

上記課題を解決するために、請求項１に記載の発明では、車両スライドドアと隣接して車両本体側に設けられ、搭乗者が足を乗せるための平板部を有したステップ部材と、前記ステップ部材に固定され、前記車両スライドドアを開閉駆動するための駆動装置とを備えたステップユニットにおいて、前記ステップ部材は樹脂材にて成形されるとともに、前記平板部の上面より下方に底が形成された収容部を有し、前記駆動装置は、少なくとも一部が前記収容部内に収容されて固定されたことを要旨とする。

同構成によれば、駆動装置は、搭乗者が足を乗せるための平板部の上面より下方に底が形成された収容部内に、その少なくとも一部が収容されて固定される。よって、平板部の上面からの駆動装置の上方への突出を抑えることができる。その結果、例えば車両室内の低床化を図ることができる。しかも、ステップ部材は、一般的に金属材を板金加工してなるが、上記構成では樹脂材にて成形されるため、製造するものの形状の自由度が増し、前記収容部の底を平板部の上面より大幅に下方に容易に設定することができる。よって、平板部の上面からの駆動装置の上方への突出を容易且つ大幅に抑えることが可能となり、顕著な効果を得ることが可能となる。

請求項２に記載の発明では、請求項１に記載のステップユニットにおいて、前記ステップ部材の前記収容部の周囲には、前記平板部の上面より上方位置まで立設される周壁が一体成形されたことを要旨とする。

同構成によれば、ステップ部材の収容部の周囲には、平板部の上面より上方位置まで立設される周壁が一体成形されるため、例えば平板部の上面から収容部内への液体の浸入が抑制される。よって、駆動装置が被水してしまうことを低減することができる。特に、収容部の周囲の周壁は、金属材を板金加工することで製造することは難しいが、ステップ部材が樹脂材にて成形されるため、ステップ部材に容易に一体成形することができる。

請求項３に記載の発明では、請求項１又は２に記載のステップユニットにおいて、前記駆動装置は、前記ステップ部材の下面に設けられるプーリーに転支されつつ前記車両スライドドアの開閉方向に沿って配設される環状のベルトを回転させるものであって、前記ステップ部材には、前記プーリーを係着可能且つ軸支可能な軸支持部が一体成形されたことを要旨とする。

同構成によれば、ステップ部材には、プーリーを係着可能且つ軸支可能な軸支持部が一体成形されるため、プーリーを装着するためのブラケット等の別部材が不要となるとともに、その組み付け作業が容易となる。特に、プーリーを係着可能且つ軸支可能な軸支持部は、金属材を板金加工することで製造することは難しいが、ステップ部材が樹脂材にて成形されるため、ステップ部材に容易に一体成形することができる。

請求項４に記載の発明では、請求項３に記載のステップユニットにおいて、前記軸支持部は、緊張状態で設けられる前記ベルトから前記プーリーが受ける軸直交方向の力の反対側に開口した開口部を有する非環状軸支持部であって、前記プーリーは、前記開口部から挿入されることで前記非環状軸支持部に係着されることを要旨とする。

同構成によれば、軸支持部は、緊張状態で設けられるベルトからプーリーが受ける軸直交方向の力の反対側に開口した開口部を有する非環状軸支持部とされ、プーリーは、前記開口部から挿入されることで非環状軸支持部に係着される。このようにすると、プーリーを容易に組み付けることができるとともに、緊張状態で設けられるベルトから受ける軸直交方向の力によってプーリーの脱落を防止することができる。

請求項５に記載の発明では、請求項１乃至４のいずれか１項に記載のステップユニットにおいて、前記駆動装置は、前記ステップ部材の下面で前記車両スライドドアの開閉方向に沿って配設される環状のベルトを回転させるものであって、前記ステップ部材の下面には、前記ベルトの位置を規制すべく垂設される規制部が一体成形され、その規制部の前記ベルトとの摺接面には、板金部材が固定されたことを要旨とする。

同構成によれば、ステップ部材の下面には、ベルトの位置を規制すべく垂設される規制部が一体成形され、その規制部のベルトとの摺接面には、板金部材が固定されるため、例えば、樹脂材にて成形される規制部の摩耗を容易に抑えることができる。又、例えば、ベルトの摩耗を抑えることができる。又、例えば、駆動時の異音の発生を低減することができる。

請求項６に記載の発明では、請求項５に記載のステップユニットにおいて、前記板金部材は、前記ステップ部材に対して圧入固定されたことを要旨とする。
同構成によれば、板金部材は、ステップ部材に対して圧入固定されるため、特に固定するためのねじ等の締結部材を必要としない。尚、板金部材を圧入固定するための板金被圧入部は、金属材を板金加工することで製造することは難しいが、ステップ部材が樹脂材にて成形されるため、ステップ部材に容易に一体成形することができる。

請求項７に記載の発明では、請求項５又は６に記載のステップユニットにおいて、前記板金部材には、前記ベルトの下方への脱落を防止するための折り返し部が形成されたことを要旨とする。

同構成によれば、板金部材には、ベルトの下方への脱落を防止するための折り返し部が形成されるため、部品点数の増加を避けながら、ベルトの下方への脱落を低減することができる。

本発明によれば、駆動装置の上方への突出を容易且つ大幅に抑えることが可能なステップユニットを提供することができる。

本実施の形態におけるステップユニットの上方からの斜視図。 本実施の形態におけるステップユニットの下方からの斜視図。 本実施の形態におけるステップユニットの一部平面図。 （ａ）図３のＡ−Ａ線に沿ったステップ部材の断面図。（ｂ）図３のＢ−Ｂ線に沿ったステップ部材の断面図。 本実施の形態におけるステップユニットの下方からの一部分解斜視図。 本実施の形態におけるステップユニットの一部底面図。 本実施の形態における支持延設部及びレールプレート部材を説明するための下方からの分解斜視図。 本実施の形態におけるステップユニットの一部底面図。 図８のＣ−Ｃ線に沿った断面図。 別例におけるステップユニットの下方からの一部斜視図。 別例におけるステップユニットの一部底面図。 別例における板金部材の斜視図。

以下、本発明を具体化した一実施の形態を図１〜図９に従って説明する。
車両には、図示しない車両スライドドアと隣接して、図１に示すステップユニット１が設けられている。

本実施の形態のステップユニット１は、車両スライドドアを開閉駆動するための駆動装置（モータユニット）２を備えたタイプであって、その駆動装置２と、略板状のステップ部材（踏み台）３とが主な構成部品となっている。尚、ステップユニット１は、車両本体としての図示しないボディに固定され、ステップユニット１の上面全体は、図示しない薄肉板状のスカッフプレート（化粧部材）にて覆われることになる。又、駆動装置２の上面（薄肉板状のスカッフプレートの下面）は、図示しない剛性板（カバー）にて覆われている。

ステップ部材３は、樹脂材にて成形されている。ステップ部材３は、閉時の車両スライドドアと隣接した車両室内に配置されるものであって、搭乗者が昇降時等に足を乗せるための平板部４と、車両スライドドアの開方向側であって車両後方側の端部に前記平板部４と連続して設けられる収容部５（図４参照）とを有し、その収容部５内に駆動装置２の一部が収容されて固定されている。

詳しくは、収容部５は、図３及び図４（ａ）（ｂ）に示すように、その底５ａが平板部４の上面４ａより下方（車両に組み付けられた状態で下方）に形成されている。又、収容部５の底５ａは、前記駆動装置２の形状に応じて高さ（深さ）が設定される。即ち、本実施の形態の駆動装置２は、図１及び図３に示すように、駆動源であるモータ２ａと、モータ２ａに組み付けられギヤや電磁クラッチ等を収容してなる出力部２ｂと、出力部２ｂに組み付けられる制御回路部２ｃとを備え、収容部５は、図４（ａ）（ｂ）に示すように、それぞれに応じたモータ収容部５ｂ、出力収容部５ｃ及び回路収容部５ｄを有する。そして、駆動装置２は、収容部５の底５ａと一部が当接するように、即ち、その一部が前記平板部４の上面４ａより下方に配置されるようにして、ねじ止めされている。尚、駆動装置２は、その全体の上下方向の厚さの１／３以上であって、本実施の形態では略１／２が前記平板部４の上面４ａより下方に配置されている。又、本実施の形態のステップ部材３において前記収容部５の周囲（略全周）には、図１、図３及び図４に示すように、前記平板部４の上面４ａより上方位置まで立設される周壁６が一体成形されている。

前記駆動装置２は、図２に示すように、ステップ部材３の下面に設けられるプーリー１１，１２等に転支されつつ車両スライドドアの開閉方向に沿って配設される環状のベルト１３を回転させるものである。即ち、図４（ａ）に示すように、駆動装置２（その出力部２ｂ）の出力軸２ｄは、収容部５の底５ａに形成された貫通孔５ｅを貫通し、ステップ部材３の下面から突出している。そして、その出力軸２ｄは、ステップ部材３の下面に設けられた動力伝達部１４（図２参照）でその動力をベルト１３に伝達して、ベルト１３を回転させる。ここで、前記車両スライドドアの開閉方向は、車両前後方向に略沿った方向であるが、本実施の形態では、車両スライドドアの閉位置に応じて車両前方側で車両室内側に湾曲するようになっている。そして、ベルト１３は、車両スライドドアの開閉方向に略沿うように、車両前後方向の両端に配置されるプーリー１１，１２と、その間でステップ部材３の下面に垂設された規制部１５によって位置が規制されている。この規制部１５は、ステップ部材３の下面に一体成形されている。

又、車両前方の端部に配置されるプーリー１１は、図５及び図６に示すように、ステップ部材３に一体成形された軸支持部としての非環状軸支持部１６に軸支されている。この非環状軸支持部１６は、プーリー１１を係着可能且つ軸支可能に形成されている。詳しくは、非環状軸支持部１６は、緊張状態で設けられるベルト１３からプーリー１１が受ける軸直交方向の力の反対側（略車両前方側）に開口した開口部１６ａを有する円弧状に形成され、上下一対で形成されている。そして、プーリー１１は、その軸１１ａが前記開口部１６ａから内部に挿入されることで非環状軸支持部１６に嵌め込まれて回転可能に保持される。尚、開口部１６ａの開口幅は、プーリー１１の軸１１ａの直径より極僅かに小さく設定され、ベルト１３から受ける力に関わらず、嵌め込んだプーリー１１が極小さな力では抜けない仮保持構造となっている。又、車両後方側の端部に配置されるプーリー１２は、図２に示すように、動力伝達部１４のカバーによって、回転可能に支持されている。

又、ステップ部材３の下面には、図２に示すように、車両スライドドアの開閉方向（略車両前後方向）に沿って垂設される一対のロワーレール２１，２２が一体成形されている。一対のロワーレール２１，２２は、車両スライドドアの開閉方向（略車両前後方向）の両端部が繋がれている。又、一方のロワーレール２１の一部には、図７及び図８に示すように、切り欠き部２１ａが形成されている。そして、この切り欠き部２１ａには、ロワーレール２１を車両スライドドアの開閉方向（略車両前後方向）に沿って連続的に繋ぐレールプレート部材３１が配設される。そして、一対のロワーレール２１，２２（レールプレート部材３１を含む）間にはローラ３２（図８参照）が介在されることになる。このローラ３２は、図示しないブラケット等を介して車両スライドドアと連結される。よって、ローラ３２及び車両スライドドアは、一対のロワーレール２１，２２によって前記開閉方向に沿って案内されることになる。又、本実施の形態のローラ３２は、図示しないブラケットを介して前記ベルト１３に連結され、ベルト１３の回転に応じて前記開閉方向に沿って（ロワーレール２１，２２に案内されて）移動することになる。

詳述すると、ステップ部材３には、図７〜図９に示すように、前記切り欠き部２１ａと対応した位置に上下に貫通する挿入孔２３が形成されている。又、ステップ部材３には、ローラ３２（図８参照）からレールプレート部材３１が受ける荷重に対してレールプレート部材３１を支持するようにロワーレール２１の切り欠き部２１ａ側端部から延設された支持延設部２１ｂが形成されている。支持延設部２１ｂは、図８に示すように、ロワーレール２１の両方の切り欠き部２１ａ側端部から前記荷重を受ける方向（図８中、上方であって、車両幅方向の車両室外側）に延びて、更に互いに近づく方向に延びながらも互いに連続しないように（互いの間に空間が形成されるように）一対形成されている。又、支持延設部２１ｂは、ロワーレール２１よりも前記荷重を受ける方向（図８中、上下方向）に肉厚に形成されている。

一方、レールプレート部材３１は、図７に示すように、金属板を加工してなり、ステップ部材３の上方から前記挿入孔２３を貫通するように挿入されて組み付けられる。このレールプレート部材３１は、図１及び図７に示すように、その上端（組み付けられた状態で上端）に上下方向の直交方向であって、本実施の形態では車両幅方向の車両室内側に延びる屈曲部３１ａを有する。そして、レールプレート部材３１は、前記屈曲部３１ａの下面が前記ステップ部材３の上面に当接するまで前記挿入孔２３に挿入されて組み付けられる。又、本実施の形態のレールプレート部材３１は、図９に示すように、圧入によって固定されている。詳しくは、レールプレート部材３１は、ロワーレール２１の切り欠き部２１ａ側端部と圧接するように、その対向する側部に僅かに突出した上下一対の圧入部３１ｂを有する。そして、レールプレート部材３１は、ステップ部材３の上方から前記挿入孔２３を貫通するように挿入される際に、前記圧入部３１ｂがロワーレール２１の切り欠き部２１ａ側端部と圧接されて圧入されている。尚、この際、ロワーレール２１の切り欠き部２１ａ側端部は圧入部３１ｂによって若干削られたり、弾性変形されることがあるが、該部分で圧接されてレールプレート部材３１が圧入されればどのように設定してもよい。

上記した構成では、レールプレート部材３１を取り外して、ロワーレール２１の切り欠き部２１ａからローラ３２を一対のロワーレール２１，２２間に挿入したり、一対のロワーレール２１，２２間から取り外すことができる。又、駆動装置２が駆動されると、ベルト１３が回転され、その回転に応じてローラ３２がロワーレール２１，２２に案内されて移動し、それと共に車両スライドドアが開閉駆動される。尚、駆動装置２の出力軸２ｄ又は駆動装置２のハウジング部には図示しないＯリングが設けられ、収容部５の底５ａに成形された貫通孔５ｅより駆動装置２の内部や収容部５の底５ａ等に水が侵入しない又は侵入し難いようになっている。

次に、上記実施の形態の特徴的な作用効果を以下に記載する。
（１）駆動装置２は、搭乗者が足を乗せるための平板部４の上面４ａより下方に底５ａが形成された収容部５内に、その一部が収容されて固定される。よって、平板部４の上面４ａからの駆動装置２の上方への突出を抑えることができる。その結果、例えば車両室内の低床化を図ることができる。しかも、ステップ部材３は、一般的に金属材を板金加工してなるが、上記構成では樹脂材にて成形されるため、製造するものの形状の自由度が増し、前記収容部５の底５ａを平板部４の上面４ａより大幅に下方に容易に設定することができる。よって、平板部４の上面４ａからの駆動装置２の上方への突出を容易且つ大幅に抑えることが可能となり、顕著な効果を得ることが可能となる。

（２）ステップ部材３の収容部５の周囲には、平板部４の上面４ａより上方位置まで立設される周壁６が一体成形されるため、例えば平板部４の上面４ａから収容部５内への液体の浸入が抑制される。よって、駆動装置２が被水してしまうことを低減することができる。特に、収容部５の周囲の周壁６は、金属材を板金加工することで製造することは難しいが、ステップ部材３が樹脂材にて成形されるため、ステップ部材３に容易に一体成形することができる。

（３）ステップ部材３には、プーリー１１を係着可能且つ軸支可能な軸支持部としての非環状軸支持部１６が一体成形されるため、プーリー１１を装着するためのブラケット等の別部材が不要となるとともに、その組み付け作業が容易となる。特に、プーリー１１を係着可能且つ軸支可能な軸支持部（非環状軸支持部１６）は、金属材を板金加工することで製造することは難しいが、ステップ部材３が樹脂材にて成形されるため、ステップ部材３に容易に一体成形することができる。

（４）軸支持部は、緊張状態で設けられるベルト１３からプーリー１１が受ける軸直交方向の力の反対側に開口した開口部１６ａを有する非環状軸支持部１６とされ、プーリー１１は、開口部１６ａから挿入されることで非環状軸支持部１６に係着される。このようにすると、プーリー１１を容易に組み付けることができるとともに、緊張状態で設けられるベルト１３から受ける軸直交方向の力によってプーリー１１の脱落を防止することができる。尚、勿論、本実施の形態のような上下一対の非環状軸支持部１６は、金属材を板金加工することで製造することは難しいが、ステップ部材３が樹脂材にて成形されるため、ステップ部材３に容易に一体成形することができる。

上記実施の形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施の形態では、ステップ部材３の下面には、ベルト１３の位置を規制すべく垂設される規制部１５が一体成形され、その規制部１５のみにてベルト１３の位置を規制するとしたが、これに限定されず、例えば、図１０〜図１２に示すように、規制部４１のベルト１３との摺接面に、板金部材４２を固定してもよい。

詳しくは、ステップ部材３の下面には、ベルト１３の位置を規制すべく垂設される規制部４１が一体成形されている。この規制部４１において、特にベルト１３と摺接し易い位置には、図１０及び図１１に示すように、板金被圧入部４１ａが形成されている。この例の板金被圧入部４１ａは、下方（車両に組み付けられた状態で下方）から見て（図１１参照）、ベルト１３側に円弧凸状の膨出部４１ｂが形成され、その両側に係止溝４１ｃが形成されることで構成されている。一方、板金部材４２は、図１２に示すように、湾曲形状に形成されるとともに、下方側（車両に組み付けられた状態で下方側であって、図１２中、上方側）に背面（凹状の湾曲面）側に切り起こされた弾性片４２ａが形成されている。そして、板金部材４２は、その両側が前記係止溝４１ｃに嵌め込まれ、且つ背面の弾性片４２ａが弾性変形されつつ膨出部４１ｂに押圧接触することでステップ部材３の規制部４１に対して圧入固定されている。尚、前記弾性片４２ａは、前記プーリー１１，１２の鍔部にて上下方向の位置が設定されるベルト１３に対して下方向にずれた位置に配置されるように形成されている（図１０参照）。よって、ベルト１３は、板金部材４２において、前記弾性片４２ａが形成されていない滑らかな正面（凸状の湾曲面）と摺接することになる。

又、この例の板金部材４２には、図１０〜図１２に示すように、その下端（車両に組み付けられた状態で下端であって、図１２中、上端）に、ベルト１３の下方への脱落を防止するための折り返し部４２ｂが形成されている。

このようにすると、規制部４１のベルト１３との摺接面には、板金部材４２が固定されるため、例えば、樹脂材にて成形される規制部４１の摩耗を容易に抑えることができる。又、例えば、ベルト１３の摩耗を抑えることができる。又、例えば、駆動時の異音の発生を低減することができる。

又、板金部材４２は、ステップ部材３に対して圧入固定されるため、特に固定するためのねじ等の締結部材を必要としない。尚、板金部材４２を圧入固定するための板金被圧入部４１ａは、金属材を板金加工することで製造することは難しいが、ステップ部材３が樹脂材にて成形されるため、ステップ部材３に容易に一体成形することができる。

又、板金部材４２には、ベルト１３の下方への脱落を防止するための折り返し部４２ｂが形成されるため、部品点数の増加を避けながら、ベルト１３の下方への脱落を低減することができる。

尚、勿論、板金部材４２は他の構成でステップ部材３に対して圧入固定してもよいし、ねじ等の締結部材によってステップ部材３に対して固定してもよい。又、折り返し部４２ｂを削除した構成としてもよい。

・上記実施の形態では、ステップ部材３の収容部５の周囲には、平板部４の上面４ａより上方位置まで立設される周壁６が一体成形されるとしたが、これに限定されず、周壁６を削除した構成としてもよい。

・上記実施の形態では、ステップ部材３には、プーリー１１を係着可能且つ軸支可能な軸支持部としての非環状軸支持部１６が一体成形されるとしたが、これに限定されず、非環状軸支持部１６を成形せずに、ブラケット等の別部材を用いてプーリー１１を軸支させてもよい。又、軸支持部は、ステップ部材３に一体成形されつつプーリー１１を係着可能且つ軸支可能であれば、前記開口部１６ａを有した非環状軸支持部１６以外の構成のものに変更してもよい。即ち、緊張状態で設けられるベルト１３から受ける軸直交方向の力によってプーリー１１の脱落を防止するといった機能を備えていない軸支持部としてもよい。

・上記実施の形態では、ステップ部材３は、平板部４の上面４ａより下方に底５ａが形成された収容部５を有するとしたが、該収容部５を有していなくても、上記実施の形態の効果（３）、（４）を得ることができる。

上記各実施の形態から把握できる技術的思想について、以下にその効果とともに記載する。
（イ）車両スライドドアと隣接して車両本体側に設けられ、搭乗者が足を乗せるための平板部を有したステップ部材と、前記ステップ部材に固定され、前記ステップ部材の下面に設けられるプーリーに転支されつつ車両スライドドアの開閉方向に沿って配設される環状のベルトを回転させることで、該ベルトに駆動連結された前記車両スライドドアを開閉駆動するための駆動装置とを備えたステップユニットにおいて、前記ステップ部材は樹脂材にて成形され、そのステップ部材には前記プーリーを係着可能且つ軸支可能な軸支持部が一体成形されたことを特徴とするステップユニット。

同構成によれば、ステップ部材には、プーリーを係着可能且つ軸支可能な軸支持部が一体成形されるため、プーリーを装着するためのブラケット等の別部材が不要となるとともに、その組み付け作業が容易となる。特に、プーリーを係着可能且つ軸支可能な軸支持部は、金属材を板金加工することで製造することは難しいが、ステップ部材が樹脂材にて成形されるため、ステップ部材に容易に一体成形することができる。即ち、従来技術では、ステップ部材に、ベルトを転支するためのプーリーを、ブラケット等の別部材を用いて組み付けていた。よって、部品点数が多く、その組み付け作業が繁雑であった。これらを上記構成では解決することができる。

２…駆動装置、３…ステップ部材、４…平板部、４ａ…平板部の上面、５…収容部、５ａ…底、６…周壁、１１，１２…プーリー、１３…ベルト、１６…非環状軸支持部（軸支持部）、１６ａ…開口部、４１…規制部、４２…板金部材、４２ｂ…折り返し部。

Claims (7)

1. 車両スライドドアと隣接して車両本体側に設けられ、搭乗者が足を乗せるための平板部を有したステップ部材と、
   前記ステップ部材に固定され、前記車両スライドドアを開閉駆動するための駆動装置と
   を備えたステップユニットにおいて、
   前記ステップ部材は樹脂材にて成形されるとともに、前記平板部の上面より下方に底が形成された収容部を有し、
   前記駆動装置は、少なくとも一部が前記収容部内に収容されて固定されたことを特徴とするステップユニット。
2. 請求項１に記載のステップユニットにおいて、
   前記ステップ部材の前記収容部の周囲には、前記平板部の上面より上方位置まで立設される周壁が一体成形されたことを特徴とするステップユニット。
3. 請求項１又は２に記載のステップユニットにおいて、
   前記駆動装置は、前記ステップ部材の下面に設けられるプーリーに転支されつつ前記車両スライドドアの開閉方向に沿って配設される環状のベルトを回転させるものであって、
   前記ステップ部材には、前記プーリーを係着可能且つ軸支可能な軸支持部が一体成形されたことを特徴とするステップユニット。
4. 請求項３に記載のステップユニットにおいて、
   前記軸支持部は、緊張状態で設けられる前記ベルトから前記プーリーが受ける軸直交方向の力の反対側に開口した開口部を有する非環状軸支持部であって、
   前記プーリーは、前記開口部から挿入されることで前記非環状軸支持部に係着されることを特徴とするステップユニット。
5. 請求項１乃至４のいずれか１項に記載のステップユニットにおいて、
   前記駆動装置は、前記ステップ部材の下面で前記車両スライドドアの開閉方向に沿って配設される環状のベルトを回転させるものであって、
   前記ステップ部材の下面には、前記ベルトの位置を規制すべく垂設される規制部が一体成形され、その規制部の前記ベルトとの摺接面には、板金部材が固定されたことを特徴とするステップユニット。
6. 請求項５に記載のステップユニットにおいて、
   前記板金部材は、前記ステップ部材に対して圧入固定されたことを特徴とするステップユニット。
7. 請求項５又は６に記載のステップユニットにおいて、
   前記板金部材には、前記ベルトの下方への脱落を防止するための折り返し部が形成されたことを特徴とするステップユニット。

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