JP5081258B2 - ポリアミドイミド樹脂絶縁塗料及びそれを用いた絶縁電線 - Google Patents
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Description
的高分子量のモノマーから得られる低誘電率のポリアミドイミド樹脂絶縁塗料及びそれを
用いた絶縁電線に関するものである。
め、駆動モータはインバータ駆動され、小型、軽量化、高耐熱化、高電圧駆動化が急速に
進んでいる。
タ性能の要求に応えるため、優れた耐熱性や過酷なコイル成形に耐えうる機械的特性、あ
るいは耐ミッションオイル性等を兼ね備えたポリアミドイミドエナメル線が不可欠となっ
ている。但し、耐ミッションオイル性についてはオイル添加剤の種類や量によって絶縁保
持性に大きく影響するが、オイル添加剤の影響を除けば含水による加水分解性が耐ミッシ
ョンオイル性に直結する。
リスクが高まり、インバータサージ絶縁の対応が困難になってきている。
,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、
ジメチルイミダゾリジノン(DMI)等の極性溶媒中にて4,4’−ジフェニルメタンジ
イソシアネート(MDI)とトリメリット酸無水物(TMA)との主に2成分による脱炭
酸反応により、アミド基とイミド基がほぼ半々の比率で生成され、耐熱性と機械的特性、
耐加水分解性などに優れた特性を示す耐熱高分子樹脂である。
どが知られているが、製造生産性の観点から、一般的にはイソシアネート法が用いられて
いる。ポリアミドイミド樹脂の例としては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト(MDI)と、酸成分としてトリメリット酸無水物(TMA)との主に2成分の合成反
応によるものが最も良く知られている。
ボン酸無水物とを50/100〜80/100の酸過剰下で反応させた後、ジイソシアネ
ート成分でポリアミドイミド樹脂を合成する方法がある(特許文献1参照)。
が上げられ、樹脂構造的にはアミド基とイミド基の存在が最も誘電率上昇の影響を与えて
いる。
ータ駆動されることが多くなっており、過大な電圧(インバータサージ)の発生により、
部分放電劣化を起こし、絶縁破壊に至るケースが多くなっている。また、モータ駆動電圧
も上昇する傾向があり、部分放電が発生するリスクは更に高くなってきている。
液中に分散させて得た耐部分放電性樹脂塗料を導体上に塗布して製造した耐部分放電性エ
ナメル線が開示されている(例えば特許文献2,3参照)。
部分放電を発生しにくくし、課電寿命を向上させる方法がある。
る方法と、絶縁皮膜の誘電率を低下させて、電界緩和する方法がある。
傷発生が起こり易く絶縁特性が低下してしまうことや端末部に絶縁処理を施さなければな
らないなど問題が多く、実用性は低い。一方、絶縁被膜の誘電率を低下させる方法では、
低誘電率化が樹脂構造に依存することから、耐熱性や機械的特性などに弊害をもたらすこ
とが一般的であり、いずれの手法でも大幅な改善は困難であった。
フェニル]プロパン(BAPP)とトリメリット酸無水物(TMA)とを50/100の
酸過剰下で反応させると、配合比が適切であるため、アミノ基との反応はカルボン酸より
無水酸の方が優先的に反応し、更に合成反応を進めると脱水イミド化し、両末端がカルボ
ン酸のビストリメリティックイミドが形成される。
進みにくいため、NMPなどの沸点付近である200℃で合成反応を行なっても、アミノ
基が残存し、第2段目の合成反応時にアミノ基とイソシアネート基が尿素結合を形成して
しまい、特性悪化する欠点があった。
系内に残り、無水酸がカルボン酸となり、著しく反応性を低下させる欠点があった。
れたエナメル線が提供できることになる。
水物(C)と芳香族テトラカルボン酸二無水物(D)を併用して合成することにより、特
許文献1に記載された残存アミノ基とイソシアネート基との反応による尿素結合の形成を
抑制することができる。
合成からなる汎用的ポリアミドイミドエナメル線と同等の特性を維持しながら、低誘電率
化により部分放電開始電圧を向上させることができる。
。
してなるポリアミドイミド樹脂絶縁塗料において、前記ポリアミドイミド樹脂は、モノマ
ーとして3つ以上のベンゼン環を有する芳香族ジイソシアネート成分(A)又は芳香族ジ
アミン成分(E)を含有し、前記ポリアミドイミド樹脂の繰返し単位当たりの分子量(M
)と、アミド基及びイミド基の平均個数(N)との比率M/Nが200以上であるポリア
ミドイミド樹脂絶縁塗料であり、また、ポリアミドイミド樹脂は、前記芳香族ジイソシア
ネート成分(A)と、2つ以下のベンゼン環を有する芳香族ジイソシアネート成分(B)
と、芳香族トリカルボン酸無水物(C)単独あるいは芳香族テトラカルボン酸二無水物(
D)とを併用してなる酸成分とを含有してなるもの、あるいは前記芳香族ジアミン成分(
E)と、芳香族トリカルボン酸無水物(C)及び芳香族テトラカルボン酸二無水物(D)
からなる酸成分とを含有している芳香族イミドプレポリマーに、2つ以下のベンゼン環を
有する芳香族ジイソシアネート成分(B)とを混合してなるものである。
P)等の極性溶媒を主溶剤とし、溶液重合を行なう。
トアミド(DMAC)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルイミダゾリ
ジノン(DMI)、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノンなどのポリアミドイミド
樹脂の合成反応を阻害しない溶剤を併用して合成しても良いし、希釈しても良い。
ドイミドの溶解性を低下させる恐れがある場合は考慮する必要がある。
イミド樹脂はイソシアネート成分(B)として、4,4’−ジフェニルメタンジイソシア
ネート(MDI)と、酸成分(C)としてトリメリット酸無水物(TMA)との主に2成
分が用いられる。
囲で若干過剰で合成されることもある。このイソシアネート微過剰配合は、本発明のイソ
シアネートを用いた反応では同様に行なっても良い。
−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)の他、汎用的に使用されるトリレンジイ
ソシアネート(TDI)、ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、
ビフェニルジイソシアネート、ジフェニルスルホンジイソシアネート、ジフェニルエーテ
ルジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート及び異性体、多量体が例示される。ま
た必要に応じ、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシク
ロヘキシルメタンジイソシアネート、キシシレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシ
アネート類、或いは上記例示した芳香族ジイソシアネートを水添した脂環式ジイソシアネ
ート類及び異性体も使用、併用しても良い。
2−ビス[4−(4−イソシアネートフェノキシ)フェニル]プロパン(BIPP)、ビ
ス[4−(4−イソシアネートフェノキシ)フェニル]スルホン(BIPS)、ビス[4
−(4−イソシアネートフェノキシ)フェニル]エーテル(BIPE)、フルオレンジイ
ソシアネート(FDI)、4,4’−ビス(4−イソシアネートフェノキシ)ビフェニル
、1,4−ビス(4−イソシアネートフェノキシ)ベンゼン等があり、これらの異性体も
含まれる。これらは下記に例示する3つ以上のベンゼン環を有している芳香族ジアミン成
分を用いて芳香族ジイソシアネートが製造される。その製造方法については特に限定され
るものはないが、ホスゲンを用いた方法が工業的に最も適当であり、望ましい。
[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAIPP)、ビス[4−(4−
アミノフェノキシ)フェニル]スルホン(BAPS)、ビス[4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル]エーテル(BAPE)、フルオレンジアミン(FDA)、4,4’−ビス
(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン
等があり、これらの異性体も含まれる。
ある。その他ベンゾフェノントリカルボン酸無水物などの芳香族トリカルボン酸無水物類
も使用することは可能であるが、TMAが最も好適である。
芳香族トリカルボン酸無水物類(C)とテトラカルボン酸二無水物類(D)とを併用する
ことが望ましい。
,3’4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)、3,3’4,
4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物(DSDA)、4,4’−オキシジ
フタル酸二無水物(ODPA)、3,3’4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水
物等が例示され、また必要に応じ、ブタンテトラカルボン酸二無水物や5−(2,5−ジ
オキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカ
ルボン酸無水物、或いは上記例示した芳香族テトラカルボン酸二無水物を水添した脂環式
テトラカルボン酸二無水物類等を併用しても良い。
め、必要に応じ併用しても良いが、耐熱性低下を招く恐れがあるため、配合量や化学構造
には配慮が必要である。
ボン酸無水物(C)及び芳香族テトラカルボン酸二無水物(D)の配合比率は、A/(C
+D)=50/100〜70/100(モル比)が望ましい。
水物(C)及び芳香族テトラカルボン酸二無水物(D)の配合比率は、E/(C+D)=
51/100〜70/100(モル比)が望ましい。芳香族ジイソシアネート成分(A)
が50未満、芳香族ジアミン成分(E)が51未満では第1段目反応時に無水酸が残存し
て、イミド化反応に伴う水が系内に残り、無水酸がカルボン酸となり、著しく反応性を低
下させるので好ましくない。70より多いと芳香族テトラカルボン酸二無水物(D)の配
合比が必然的に増加し、イミド基が大幅に増加し、アミド基に起因するポリアミドイミド
樹脂の機械的特性など優れた特性が悪化してしまい、好ましくない。
ついてもC/D=100/0〜60/40が望ましい。
ミド基及びイミド基の合計個数(N)との比率M/Nは、200以上が望ましい。
、3.5以下が望ましい。
ダゾリン類などの反応触媒を使用しても良いが、塗料の安定性を阻害しないものが望まし
い。合成反応停止時にはアルコールなどの封止剤を用いても良い。
アネート成分(A)を用いたポリアミドイミド樹脂絶縁塗料の合成であり、通常のポリア
ミドイミド樹脂塗料の合成と同様に下記のように実施した。
1〜3に示す原料及び溶剤を一度に投入し、窒素雰囲気中で撹拌しながら約1時間で14
0℃まで加熱し、還元粘度が約0.5dl/gのポリアミドイミド樹脂溶液が得られるよ
うに、この温度で2時間反応させて作製した。
反応として、実施例1〜7及び比較例4〜6に示すジアミン成分(E)と、酸成分の芳香族トリカルボン酸無水物(C)と芳香族テトラカルボン酸二無水物(D)、及び溶剤の約50〜80%を投入し、窒素雰囲気中で撹拌しながら約1時間で180℃まで加熱し、脱水反応により生成された水を系外に出しながら、この温度で4時間反応させた。窒素雰囲気を維持したまま60℃まで冷却した後、ジイソシアネート成分(B)と残りの溶剤を投入し、第2段目の合成反応として、窒素雰囲気中で撹拌しながら約1時間で140℃まで加熱し、還元粘度が約0.5dl/gのポリアミドイミド樹脂溶液が得られるように、この温度で2時間反応させて作製した。
膜厚45μmの絶縁皮膜を有するエナメル線を得た。
ある。
に絶縁体の皮膜2が得られる。
縁塗料からなる皮膜2を形成してもよい。このとき、他の絶縁皮膜は、耐部分放電性ある
いは一般特性を阻害しないものであれば特に限定されるものではない。
ル線を投入した後、バーナー等で加熱溶融させ封じ、密封させたものを140℃の恒温槽
中で1000h処理した後取り出し、絶縁破壊電圧を測定、未処理の絶縁破壊電圧に対す
る残率を算出した。
し、電極長と皮膜厚の関係から比誘電率を算出した。静電容量の測定はインピーダンスア
ナライザを用いて、1kHzにて測定した。乾燥時の誘電率は100℃の恒温槽中に、吸
湿時の誘電率は、25℃−50%RHの恒温恒湿槽中にて、50h放置した後、その槽内
で測定を行なった。
0Hzにて検出感度10pCでの放電開始電圧を測定した。
3つ以上のベンゼン環を有する芳香族ジイソシアネート成分(A)として231.0g
(0.5モル)のBIPP(Mw=462)と2つ以下のベンゼン環を有する芳香族ジイ
ソシアネート成分(B)として125.0g(0.5モル)の4,4’−MDI(Mw=
250)、芳香族トリカルボン酸無水物(C)として192.0g(1.0モル)のTM
A(Mw=192)及び溶剤として1600gのNMPを投入し、140℃で合成を行い
、還元粘度が約0.5dl/g、樹脂分濃度が約25重量%のポリアミドイミド樹脂絶縁
塗料を得た。
3つ以上のベンゼン環を有する芳香族ジイソシアネート成分(A)として242.6g
(0.525モル)のBIPPと2つ以下のベンゼン環を有する芳香族ジイソシアネート
成分(B)として、118.8g(0.475モル)の4,4’−MDI、芳香族トリカ
ルボン酸無水物成分(C)として182.4g(0.95モル)のTMAと芳香族テトラ
カルボン酸二無水物成分(D)として10.9g(0.05モル)のPMDA(Mw=2
18)及び溶剤として1600gのNMPを投入し、140℃で合成を行い、還元粘度が
約0.5dl/g、樹脂分濃度が約25重量%のポリアミドイミド樹脂絶縁塗料を得た。
3つ以上のベンゼン環を有する芳香族ジイソシアネート成分(A)として338.8g
(0.7モル)のBIPS(Mw=484)と2つ以下のベンゼン環を有する芳香族ジイ
ソシアネート成分(B)として62.5gの4,4’−MDI(Mw=250)と12.
5gの2,4’−MDI(Mw=250)の合計75.0g(0,3モル)のMDI、芳
香族トリカルボン酸無水物成分(C)として115.2g(0.6モル)のTMAと芳香
族テトラカルボン酸二無水物成分(D)として143.2g(0.4モル)のDSDA(
Mw=358)及び溶剤として2000gのNMPを投入し、140℃で合成を行い、還
元粘度が約0.5dl/g、樹脂分濃度が約25重量%のポリアミドイミド樹脂絶縁塗料
を得た。
3つ以上のベンゼン環を有する芳香族ジイソシアネート成分(A)として239.8g
(0.55モル)のBIPE(Mw=436)と2つ以下のベンゼン環を有する芳香族ジ
イソシアネート成分(B)として112.5g(0.45モル)の4,4’−MDI、芳
香族トリカルボン酸無水物成分(C)として172.8g(0.9モル)のTMAと芳香
族テトラカルボン酸二無水物成分(D)として32.2g(0.1モル)のBTDA(M
w=322)及び溶剤として1600gのNMPを投入し、140℃で合成を行い、還元
粘度が約0.5dl/g、樹脂分濃度が約25重量%のポリアミドイミド樹脂絶縁塗料を
得た。
3つ以上のベンゼン環を有する芳香族ジイソシアネート成分(A)として219.5g
(0.475モル)のBIPP及び40.0g(0.1モル)のFDI(Mw=400)
を併用し、2つ以下のベンゼン環を有する芳香族ジイソシアネート成分(B)として10
6.3g(0.425モル)の4,4’−MDl、芳香族トリカルボン酸無水物成分(C
)として163.2g(0.85モル)のTMAと芳香族テトラカルボン酸二無水物成分
(D)として46.5g(0.15モル)のODPA(Mw=310)及び溶剤として1
700gのNMPを投入し、140℃で合成を行い、還元粘度が約0.5dl/g、樹脂
分濃度が約25重量%のポリアミドイミド樹脂絶縁塗料を得た。
3つ以上のベンゼン環を有する芳香族ジイソシアネート成分(A)として138.6g
(0.3モル)のBIPPと2つ以下のベンゼン環を有する芳香族ジイソシアネート成分
(B)として175.0g(0.7モル)の4,4’−MDI、芳香族トリカルボン酸無
水物(C)として192.0g(1.0モル)のTMA及び溶剤として1200gのNM
Pを投入し、140℃で合成を行った後、DMFを300g入れ希釈し、還元粘度が約0
.5dl/g、樹脂分濃度が約25重量%のポリアミドイミド樹脂絶縁塗料を得た。
3つ以上のベンゼン環を有する芳香族ジイソシアネート成分(A)として305.2g
(0.7モル)のBIPEと2つ以下のベンゼン環を有する芳香族ジイソシアネート成分
(B)として75.0g(0.3モル)の4,4’−MDI、芳香族トリカルボン酸無水
物(C)として192.0g(1.0モル)のTMA及び溶剤として1350gのNMP
を投入し、140℃で合成を行った後、DMFを350g入れ希釈し、還元粘度が約0.
5dl/g、樹脂分濃度が約25重量%のポリアミドイミド樹脂絶縁塗料を得た。
第1段目の合成として、3つ以上のベンゼン環を有する芳香族ジアミン成分(E)とし
て215.3g(0.525モル)のBAPP(Mw=410)、芳香族トリカルボン酸
無水物成分(C)として182.4g(0.95モル)のTMAと芳香族テトラカルボン
酸二無水物成分(D)として10.9g(0.05モル)のPMDA及び溶剤として10
00gのNMPを投入して、180℃で系外に水を出しながら合成を行い、窒素雰囲気を
維持したまま60℃まで冷却した後、第2段目の合成として、芳香族ジイソシアネート成
分(B)として118.8g(0.475モル)の4,4’−MDI及び溶剤として60
0gのNMPを投入して、140℃で合成を行い、還元粘度が約0.5dl/g、樹脂分
濃度が約25重量%のポリアミドイミド樹脂絶縁塗料を得た。
第1段目の合成として、3つ以上のベンゼン環を有する芳香族ジアミン成分(E)とし
て237.6g(0.55モル)のBAPS(Mw=432)、芳香族トリカルボン酸無
水物成分(C)として172.8g(0.9モル)のTMAと芳香族テトラカルボン酸二
無水物成分(D)として32.2g(0.1モル)のBTDA及び溶剤として1000g
のNMPを投入して、180℃で系外に水を出しながら合成を行い、窒素雰囲気を維持し
たまま60℃まで冷却した後、第2段目の合成として、芳香族ジイソシアネート成分(B
)として78.3g(0.45モル)の2,4−TDI(Mw=174)及び溶剤として
500gのNMPを投入して、140℃で合成を行い、還元粘度が約0.5dl/g、樹
脂分濃度が約25重量%のポリアミドイミド樹脂絶縁塗料を得た。
第1段目の合成として、3つ以上のベンゼン環を有する芳香族ジアミン成分(E)とし
て302.4g(0.7モル)のBAPS、芳香族トリカルボン酸無水物成分(C)とし
て115.2g(0.6モル)のTMAと芳香族テトラカルボン酸二無水物成分(D)と
して143.2g(0.4モル)のDSDA及び溶剤として1200gのNMPを投入し
て、180℃で系外に水を出しながら合成を行い、窒素雰囲気を維持したまま60℃まで
冷却した後、第2段目の合成として、芳香族ジイソシアネート成分(B)として75.0
g(0.3モル)の4,4’−MDI及び溶剤として700gのNMPを投入して、14
0℃で合成を行い、還元粘度が約0.5dl/g、樹脂分濃度が約25重量%のポリアミ
ドイミド樹脂絶縁塗料を得た。
第1段目の合成として、3つ以上のベンゼン環を有する芳香族ジアミン成分(E)とし
て220.8g(0.575モル)のBAPE(Mw=384)、芳香族トリカルボン酸
無水物成分(C)として163.2g(0.85モル)のTMAと芳香族テトラカルボン
酸二無水物成分(D)として46.5g(0.15モル)のODPA及び溶剤として24
0gのNMPと860gのγ−ブチロラクトンを投入して、180℃で系外に水を出しな
がら合成を行い、窒素雰囲気を維持したまま60℃まで冷却した後、第2段目の合成とし
て、芳香族ジイソシアネート成分(B)として106.3g(0.425モル)の4,4
’−MDI及び溶剤として500gのγ−ブチロラクトンを投入して、140℃で合成を
行い、還元粘度が約0.5dl/g、樹脂分濃度が約25重量%のポリアミドイミド樹脂
絶縁塗料を得た。
第1段目の合成として、3つ以上のベンゼン環を有する芳香族ジアミン成分(E)とし
て194.8g(0.475モル)のBAPPと34.8g(0.1モル)のFDA(M
w=348)、芳香族トリカルボン酸無水物成分(C)として163.2g(0.85モ
ル)のTMAと芳香族テトラカルボン酸二無水物成分(D)として46.5g(0.15
モル)のODPA及び溶剤として240gのNMPと860gのγ−ブチロラクトンを投
入して、180℃で系外に水を出しながら合成を行い、窒素雰囲気を維持したまま60℃
まで冷却した後、第2段目の合成として、芳香族ジイソシアネート成分(B)として10
6.3g(0.425モル)の4,4’−MDI及び溶剤として500gのγ−ブチロラ
クトンを投入して、140℃で合成を行い、還元粘度が約0.5dl/g、樹脂分濃度が
約25重量%のポリアミドイミド樹脂絶縁塗料を得た。
第1段目の合成として、3つ以上のベンゼン環を有する芳香族ジアミン成分(E)とし
て225.5g(0.55モル)のBAPP、芳香族トリカルボン酸無水物成分(C)と
して172.8g(0.9モル)のTMAと芳香族テトラカルボン酸二無水物成分(D)
として32.2g(0.1モル)のBTDA及び溶剤として1200gのNMPを投入し
て、180℃で系外に水を出しながら合成を行い、窒素雰囲気を維持したまま60℃まで
冷却した後、第2段目の合成として、芳香族ジイソシアネート成分(B)として112.
5g(0.45モル)の4,4’−MDI及び溶剤として400gのγ−ブチロラクトン
を投入して、140℃で合成を行い、還元粘度が約0.5dl/g、樹脂分濃度が約25
重量%のポリアミドイミド樹脂絶縁塗料を得た。
第1段目の合成として、3つ以上のベンゼン環を有する芳香族ジアミン成分(E)とし
て163.2g(0.425モル)のBAPEと34.8g(0.1モル)のFDA、芳
香族トリカルボン酸無水物成分(C)として182.4g(0.95モル)のTMAと芳
香族テトラカルボン酸二無水物成分(D)として10.9g(0.05モル)のPMDA
及び溶剤として1200gのNMPを投入して、180℃で系外に水を出しながら合成を
行い、窒素雰囲気を維持したまま60℃まで冷却した後、第2段目の合成として、芳香族
ジイソシアネート成分(B)として118.8g(0.475モル)の4,4’−MDI
及び溶剤として350gのγ・ブチロラクトンを投入して、140℃で合成を行い、還元
粘度が約0.5dl/g、樹脂分濃度が約25重量%のポリアミドイミド樹脂絶縁塗料を
得た。
芳香族ジイソシアネート成分として(B)250.0g(1.0モル)の4,4’−M
DI、芳香族トリカルボン酸無水物(C)として192.0g(1.0モル)のTMA及
び溶剤として1300gのNMPを投入し、140℃で合成を行い、還元粘度が約0.5
dl/g、樹脂分濃度が約25重量%のポリアミドイミド樹脂絶縁塗料を得た。
芳香族ジイソシアネート成分(B)として250.0g(1.0モル)の4,4’−M
DI、芳香族トリカルボン酸無水物(C)として144.0g(0.75モル)のTMA
と芳香族テトラカルボン酸二無水物成分(D)として89.5g(0.25モル)のDS
DA及び溶剤として1450gのNMPを投入し、140℃で合成を行い、還元粘度が約
0.5dl/g、樹脂分濃度が約25重量%のポリアミドイミド樹脂絶縁塗料を得た。
芳香族ジイソシアネート成分(B)として250.0g(1.0モル)の4,4’−M
DI、芳香族トリカルボン酸無水物(C)として115.2g(0.6モル)のTMAと
芳香族テトラカルボン酸二無水物成分(D)として128.8g(0.4モル)のBTD
A及び溶剤として1900gのNMPを投入し、140℃で合成を行い、還元粘度が約0
.5dl/g、樹脂分濃度が約25重量%のポリアミドイミド樹脂絶縁塗料を得た。
第1段目の合成として、3つ以上のベンゼン環を有する芳香族ジアミン成分(E)とし
て184.5g(0.45モル)のBAPP、芳香族トリカルボン酸無水物成分(C)と
して192.0g(1.0モル)のTMA及び溶剤として1200gのNMPを投入して
、180℃で系外に水を出しながら合成を行い、窒素雰囲気を維持したまま60℃まで冷
却した後、第2段目の合成として、芳香族ジイソシアネート成分(B)として137.5
g(0.55モル)の4,4’−MDI及び溶剤として300gのNMPを投入して、1
40℃で合成を行い、還元粘度が約0.5dl/g、樹脂分濃度が約25重量%のポリア
ミドイミド樹脂絶縁塗料を得た。
第1段目の合成として、3つ以上のベンゼン環を有する芳香族ジアミン成分(E)とし
て328.0g(0.8モル)のBAPP、芳香族トリカルボン酸無水物成分(C)とし
て192.0g(1.0モル)のTMA及び溶剤として1200gのNMPを投入して、
180℃で系外に水を出しながら合成を行い、窒素雰囲気を維持したまま60℃まで冷却
した後、第2段目の合成として、芳香族ジイソシアネート成分(B)として50.0g(
0.2モル)の4,4’−MDI及び溶剤として500gのNMPを投入して、140℃
で合成を行い、還元粘度が約0.5dl/g、樹脂分濃度が約25重量%のポリアミドイ
ミド樹脂絶縁塗料を得た。
第1段目の合成として、3つ以上のベンゼン環を有する芳香族ジアミン成分(E)とし
て291.1g(0.71モル)のBAPP、芳香族トリカルボン酸無水物成分(C)と
して111.4g(0.58モル)のTMAと芳香族テトラカルボン酸二無水物成分(D
)として150.4g(0.42モル)のDSDA及び溶剤として1200gのNMPを
投入して、180℃で系外に水を出しながら合成を行い、窒素雰囲気を維持したまま60
℃まで冷却した後、第2段目の合成として、芳香族ジイソシアネート成分(B)として7
2.5g(0.29モル)の4,4’−MDI及び溶剤として600gのγ−ブチロラク
トンを投入して、140℃で合成を行い、還元粘度が約0.5dl/g、樹脂分濃度が約
25重量%のポリアミドイミド樹脂絶縁塗料を得た。
3つ以上のベンゼン環を有する芳香族ジイソシアネート成分(A)として87.2g(
0.2モル)のBIPPと2つ以下のベンゼン環を有する芳香族ジイソシアネート成分(
B)として200.0g(0.8モル)の4,4’−MD1、芳香族トリカルボン酸無水
物(C)として192.0g(1.0モル)のTMA及び溶剤として1100gのNMP
を投入し、140℃で合成を行った後、DMFを300g入れ希釈し、還元粘度が約0.
5dl/g、樹脂分濃度が約25重量%のポリアミドイミド樹脂絶縁塗料を得た。
可とう性、耐摩耗性、耐熱性、耐加水分解性はいずれも良好であるが、比誘電率が高く、
部分放電開始電圧が低い。
用して、イミド基数を増加したものであるが、比較例2では乾燥時の誘電率の低下は僅か
であり、耐摩耗性が若干低下しており、主だった効果は得られなかった。比較例3はイミ
ド基数が増大した為、溶解性が悪化し、塗料化の段階で析出してしまった。
分子量が上昇せず、エナメル皮膜でも高分子化が進まず、可とう性や耐摩耗性が著しく低
下してしまった。TMAの余分な無水酸が系内の水によりカルボン酸となって反応性が低
下したものと考えられる。
しく悪化した。余分なアミノ基とイソシアネート基が反応し、尿素結合を多く含有するた
め、アミドイミドとしての特性を維持できなかったものと思われる。
が無いような配合比率になっているが、BIPPの配合比率が70を超えた為、イミド比
率が高くなり、剛直性が強くなりすぎて可とう性が悪化したものと考えられる。
ド基が合計個数(N)との比率M/Nが200未満となっており、乾燥時の誘電率は3.
5を超えてしまった。
2 皮膜
Claims (3)
- 分子鎖中にハロゲン元素を含まないポリアミドイミド樹脂を極性溶媒に溶解してなるポリアミドイミド樹脂絶縁塗料において、前記ポリアミドイミド樹脂は、モノマーとして3つ以上のベンゼン環を有する芳香族ジアミン成分(E)のみからなるアミン成分と、芳香族トリカルボン酸無水物(C)及び芳香族テトラカルボン酸二無水物(D)からなる酸成分とを含有している芳香族イミドプレポリマーに、2つ以下のベンゼン環を有する芳香族ジイソシアネート成分(B)を混合して反応させてなり、前記ポリアミドイミド樹脂の繰返し単位当たりの分子量(M)と、アミド基及びイミド基の平均個数(N)との比率M/Nが200以上であり、前記芳香族ジアミン成分(E)と、前記芳香族トリカルボン酸無水物(C)及び前記芳香族テトラカルボン酸二無水物(D)からなる酸成分との配合比率が、E/(C+D)=51/100〜70/100(モル比)であることを特徴とするポリアミドイミド樹脂絶縁塗料。
- 前記芳香族トリカルボン酸無水物(C)と、前記芳香族テトラカルボン酸二無水物(D)との配合比率が、C/D=95/5〜60/40(モル比)である請求項1に記載のポリアミドイミド樹脂絶縁塗料。
- 請求項1または2に記載のポリアミドイミド樹脂絶縁塗料を導体直上あるいは他の絶縁皮膜上に塗布、焼付してなる皮膜が形成されていることを特徴とする絶縁電線。
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-
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