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JP5080608B2 - シャシフレーム - Google Patents

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Description

本発明は、丸パイプ端部に取り付けたパイプ状のスペーサによりボディー取付部を構成した丸パイプ構造のシャシフレームに関する。
シャシフレームは、ボディーに連結され、自動車の骨格部材として用いられている。このため、シャシフレームにはボディー取付部が構成される。このボディー取付部は、シャシフレームをボディーにしっかりと固着できればよく、構造は自由である。例えば特許文献1では、丸パイプ構造のシャシフレームについて、構成要素である丸パイプ端部を圧潰して構成した挟持面からなるボディー取付部を提示している。この挟持面からなるボディー取付部は、ボディーの接続に際してボルトの締付けによる丸パイプ端部の圧潰の問題がなく、また挟持面の向きにより、シャシフレームとボディーとの接続関係を特定できる利点がある。
また、前記特許文献1が示すように、丸パイプ構造のシャシフレームでは、構成要素の丸パイプ端部の対面に貫通孔をそれぞれ設け、パイプ状のスペーサを前記貫通孔にわたって貫通して溶接、固定したボディ取付部を構成したものもあった(特許文献1、図4参照)。このスペーサで構成したボディ取付部は、特許文献1が指摘するように、丸パイプに正確な位置及び方向の孔空けを施すことが難しい問題もあるが、パイプ状のスペーサがボルト挿通孔を構成するために、ボルトの締付けがスペーサの圧縮にしか働かないため、シャシフレームとボディとの強固な連結が実現できる利点もある。
特開平10-324269号公報
特許文献1が提示する挟持面からなるボディー取付部は、丸パイプ端部の圧潰の問題がなく、挟持面の向きによりシャシフレームとボディーとの接続関係を特定できる利点があるが、加工に手間がかかるほか、寸法精度が高く要求される。また、そのままであれば捻りに強かった丸パイプ端部を圧潰したボディー取付部は、圧潰の可能性がないだけで、外部からの捻りに対して曲がってしまう虞れが残る。丸パイプ構造のシャシフレームでは、できれば丸パイプのままボディー取付部を構成できることが望ましい。
丸パイプ構造のシャシフレームで、丸パイプをそのまま用いながらボディー取付部を構成する場合、丸パイプ端部の圧潰を防ぐためにパイプ状のスペーサを取り付ける必要がある。このスペーサは、シャシフレームをボディーに固着できれば、ボルトの締付けによりもはや脱落する虞れはない。このため、シャシフレームをボディーに固着するまで、スペーサが所定位置から脱落しないように、仮止めできればよい。しかし、スペーサを用いたボディー取付部を構成した従来の丸パイプ構造のシャシフレームは、スペーサをスポット溶接により仮止めするため、加工に手間がかかるほか、溶接による熱の影響(部材の劣化や変形等)が少なからず生じ、挟持面によるボディー取付部に比べ、シャシフレームとボディーとの接続関係がずれてしまう虞れがあった。
そこで、丸パイプ構造のシャシフレームにおいて、スポット溶接に代えて丸パイプ端部にパイプ状のスペーサを仮止めし、前記スペーサを用いたボディー取付部を簡易かつ精度よく作るため、検討した。
検討の結果開発したものが、丸パイプ端部に取り付けたパイプ状のスペーサによりボディー取付部を構成した丸パイプ構造のシャシフレームにおいて、丸パイプ端部の内径より短いパイプ状のスペーサの長さで対向する挟持面をプレス成形により丸パイプ端部に一対形成し、各挟持面に対向する位置関係で一対の挿通孔をプレス成形により開口し、前記挿通孔に連通する位置関係でこの挟持面の間に、挿通孔の大きさ以上の内径を有する丸パイプであるスペーサを介装し、挿通孔を挟んで丸パイプの端面と点対称位置に1個のかしめ部位を、前記かしめ部位に対して120度間隔で残る2個のかしめ部位を挟持面にプレス成形により形成することにより、このスペーサが丸パイプ端部に仮止めされたボディー取付部を構成したシャシフレームである。
本発明におけるボディー取付部は、丸パイプ端部に、挿通孔の大きさ以上の内径を有する丸パイプであるスペーサを介装させ、丸パイプ端部の外面から前記スペーサの端面の外周縁をかしめることにより、丸パイプ端部にスペーサを仮止めして構成する。かしめは、従来見られたスポット溶接と異なり、機械的な仮止めを実現するから、丸パイプ端部における熱の影響の問題が起きえず、精度よくボディー取付部を作ることができる。既述したように、シャシフレームをボディーに固着すれば、スペーサはボルトにより締め付けられ、位置ずれや脱落の虞れが完全になくなるので、スペーサは前記シャシフレームのボディーへの固着まで仮止めできればよく、位置ずれを防止できるかしめで十分である。
本発明は、かしめ部位を3個と、外周縁に沿った周方向に各かしめ部位を略等間隔に配するとよい。好ましくは、スペーサは、挿通孔を挟んで丸パイプの端面と点対称位置に1個のかしめ部位を、前記かしめ部位に対して120度間隔で残る2個のかしめ部位をそれぞれ形成することにより、丸パイプ端部に仮止めされた構成にするとよい。
本発明のかしめによるスペーサの仮止めは、丸パイプ端部に形成した一対の挟持面をパイプ状のスペーサの端面に宛てがって挟み込み、かしめ部位を形成した挟持面に対してスペーサの位置ずれを防ぐことで実現している。このため、少なくともパイプの端面に宛てがわれる挟持面が存在する必要がある。これから、挿通孔の開口形状を問わず、この挿通孔の大きさ以上の内径を有するパイプを用いるとよい。ここで、「挿通孔の大きさ以上」とは、挿通孔が断面角形の場合は最大長の対角線以上、挿通孔が断面円形の場合は径以上であることを意味する。好ましいスペーサは丸パイプであり、この場合、かしめ部位は前記スペーサの端面の外周縁に噛み合う3個のかしめ部位を周方向に略等間隔で挟持面に形成するとよい。
かしめ部位は、挟持面のいずれか一方に形成すれば、スペーサの位置ずれを十分防止することができるが、スペーサを挟み込む両挟持面それぞれにかしめ部位を設けることで、スペーサの脱落をより確実に防止できる。また、かしめ部位は、挟持面を凹ませる又は切り込むことで形成することになるため、かしめ部位の形成に伴う強度低下の影響を抑え、更にスペーサの端面に宛てがって挟み込む挟持面の部分を大きくする観点から、挿通孔に近傍となるスペーサの端面の内周縁よりも、スペーサの端面の外周縁に噛み込むかしめ部位が好ましい。
スペーサは、パイプ状であれば、丸パイプ、角パイプ又は多角形断面のその他のパイプのいずれでもよく、例えば、角パイプからなるスペーサでは、各面宛にかしめ部位を設けるとよい。また、スペーサの端面は平坦面を基本としながら、丸パイプ端部の挟持面を前記端面に合わせて形成できるのであれば湾曲面としてもよい。このスペーサに対する挿通孔の開口形状も、円形開口、角形開口又は多角形開口のいずれでもよい。例えば、角形開口である挿通孔に対しては、この挿通孔を内接させるパイプ状のスペーサを用いることが考えられる。しかし、加工の容易さと応力偏在を防止する観点から、スペーサは円形開口である挿通孔の径以上の内径を有する丸パイプとし、挿通孔とスペーサとが同心となる位置関係で挟持面の間にスペーサを介装する構成が好ましい。すなわち、丸パイプのスペーサを円形開口の挿通孔を開口した挟持面の間に介装する構成である。前記構成に対して3個のかしめ部位を設ける場合、丸パイプ端部の開口端と反対側に1個所、そしてこのかしめ部位から120度間隔で残る2個のかしめ部位を設けるとよい。
本発明のボディー取付部を製造するには、次の手順に従ってスペーサを仮止めするとよい。すなわち、丸パイプ構造のシャシフレームにおけるボディー取付部を構成するためにパイプ状のスペーサを丸パイプ端部に仮止めするに際し、丸パイプ端部の内径より短いパイプ状のスペーサの長さで対向する挟持面を一対形成し、各挟持面に対向する位置関係で一対の挿通孔を開口した丸パイプ端部に対し、前記挿通孔に連通する位置関係で前記挟持面の間にスペーサを介装するスペーサ介装手順と、両挿通孔を貫通する長さで、かつスペーサに内接する突起部をダイス本体の平面部から突出させたかしめダイスを、一方の挿通孔を開口した挟持面にダイス本体の平面部を接面させ、かつ突起部を一方の挿通孔からスペーサに挿入して他方の挿通孔から突出させるスペーサ位置決め手順と、かしめダイスの突起部に外嵌する嵌合穴と、この嵌合穴を囲む位置関係にある3個のかしめ突起とをパンチ本体の平面部に設けたかしめパンチを、他方の挿通孔から突出したかしめダイスの突起部に嵌合穴を外嵌する位置関係でダイス本体の平面部を他方の挿通孔を開口した挟持面に接面させ、かつ前記かしめ突起によりスペーサの端面の外周縁に噛み合う3個のかしめ部位を形成するスペーサ仮止め手順とにより、スペーサを丸パイプ端部に仮止めする。
上記手順は、対となるかしめダイス及びかしめパンチを用いることにより、挿通孔に対してスペーサを位置決めしながらかしめ部位を形成し、スペーサを丸パイプ端部に仮止めする。かしめダイスは、かしめ部位を形成するための下型であると共に、挿通孔に対して前記スペーサの位置決めを図る治具である。かしめパンチは、かしめ部位を形成するための上型であると共に、前記かしめダイスの突起部に対して嵌合穴を嵌合させることにより、かしめダイスを介して挿通孔に対するかしめ部位の位置決めを図る治具である。
具体的なスペーサ介装手順は、スペーサの断面の内周形状に等しい開口形状である一方の挿通孔と、スペーサの断面の内周形状より小さな開口形状である他方の挿通孔とを、両挿通孔の中心軸線を一致させて、丸パイプ端部に形成した各挟持面にそれぞれ開口するとよい。スペーサの断面の内周形状に等しい開口形状である一方の挿通孔は、スペーサに内接するかしめダイスの突起部をスペーサへ挿入可能にする。これに対し、スペーサの断面の内周形状より小さな開口形状である他方の挿通孔は、かしめ部位の形成によりスペーサの端面に圧接する挟持面を残しつつ、ボルトを挿通する挿通孔を形成する。そして、両挿通孔の中心軸線を一致させておくことで、両挿通孔に挿通するかしめパンチの突起部を介して、両挿通孔に対するスペーサの位置決めを図ることができる。
次に、スペーサ位置決め手順は、スペーサの断面の内周形状に等しい断面形状のスペーサ内接部と、スペーサの断面の内周形状より小さな断面形状の挿通孔突出部とを、両者の中心軸線を一致させてスペーサ内接部の上に挿通孔突出部を設けて突起部を構成し、この突起部をダイス本体の平面部から突出するかしめダイスを用い、かしめダイスの突起部を一方の挿通孔からスペーサに挿入してこのスペーサにスペーサ内接部を内接させ、他方の挿通孔から挿通孔突出部を内嵌状態で突出させて、両挿通孔とスペーサとの中心軸線とを一致させる。スペーサ内接部は、一方の挿通孔に従って位置決めされており、更にスペーサに挿入されて内接することで、スペーサを前記一方の挿通孔に対して位置補正する。そして、挿通孔突出部は、他方の挿通孔に従って位置決めされており、中心軸線が一致するスペーサ内接部の位置決めの正確さを担保する。ここで、挿通孔突出部は、スペーサの断面の内周形状より小さな断面形状とすることで、上述した小さな他方の挿通孔に内嵌状態で突出させることができる。
そして、スペーサ仮止め手順は、嵌合穴を囲む位置関係で、かつこの嵌合穴を囲む周方向に等間隔で3個のかしめ突起をパンチ本体の平面部に設けたかしめパンチを用い、他方の挿通孔から突出したかしめダイスの突起部に嵌合穴を外嵌する位置関係で他方の挿通孔を開口した挟持面にダイス本体の平面部を接面させ、かしめ突起によりスペーサの端面の外周縁に噛み合う3個のかしめ部位を前記他方の挿通孔の周方向に等間隔で形成する。かしめパンチは、かしめダイスにより位置決めされ、このかしめダイスは挿通孔に対して位置決めされつつスペーサを前記挿通孔に対して位置決めするから、かしめパンチのかしめ突起により形成されるかしめ部位は、挿通孔、そしてスペーサに対して位置決めされ、スペーサの端面の外周縁に噛み合う3個のかしめ部位を所望の位置に正しく形成することができる。
本発明により、丸パイプ構造のシャシフレームにおいて、丸パイプ端部にパイプ状のスペーサをかしめにより仮止めしたボディー取付部を提供できるようになる。これは、かしめによるスペーサの仮止めがスポット溶接と異なり、熱の影響(部材の劣化や変形等)がなく、しかもプレス成形により簡易かつ精度よく作ることができる効果である。また、スペーサを丸パイプ端部にかしめて位置固定する際、スペーサに内接する突起部を有するかしめダイスと、このかしめダイスの前記突起部に嵌合するかしめパンチとを用いることで、丸パイプ端部にパイプ状のスペーサをかしめにより仮止めしたボディー取付部を簡易かつ精度よく作ることができる効果でもある。
本発明を適用したボディー取付部を有する丸パイプ構造のシャシフレームの平面図である。 ボディー取付部を表す部分拡大斜視図である。 ボディー取付部の製造工程のスペーサ介装手順を表した断面図である。 ボディー取付部の製造工程のスペーサ位置決め手順を表した断面図である。 ボディー取付部の製造工程のスペーサ仮止め手順を表した断面図である。
以下、本発明の実施形態について図を参照しながら説明する。本発明のボディー取付部1は、例えば図1に見られるように、丸パイプからなるサイドメンバ21及びクロスメンバ22を井桁状に組んだシャシフレーム2の前記各メンバ21,22の端部である丸パイプ端部23に構成する。このボディー取付部1は、図2に見られるように、丸パイプ端部23に形成した上挟持面11及び下挟持面12の間に介装したスペーサ13を、上挟持面11の上挿通孔111を囲む位置関係に形成した部分かしめである3個のかしめ部位112により、仮止めして構成している。
丸パイプ端部23の上挟持面11及び下挟持面12は、丸パイプ端部23の内径dより短い丸パイプからなるスペーサ13(図3参照)の長さLで対向して、それぞれ平坦かつ平行に形成されている。各挟持面11,12は、対向する位置関係でそれぞれ円形開口の上挿通孔111及び下挿通孔121を開口し、前記上挿通孔111及び下挿通孔121に連通する位置関係で上挟持面11及び下挟持面12の間にスペーサ13を介装している。上挟持面11又は下挟持面12の面形状や上挿通孔111又は下挿通孔121における法線方向は、ボディー(図示略)とシャシフレーム2との接続関係(特に接続方向)を決定するほか、スペーサ13を密に挟み込む必要から、プレス成形等により正確に形成する。
本例は、上挿通孔111を囲む位置関係で、スペーサ13の端面の外周縁に噛み合う部分かしめである3個のかしめ部位112を周方向に等間隔(120度間隔)で形成している。スペーサ13の位置ずれを防止する観点から、かしめ部位112相互が等間隔で形成されていればよいが、丸パイプの端面24にかしめ部位112が接近すると、丸パイプ端部23の強度が低下するため、本例のように、丸パイプの端面24から一番遠くなる位置、すなわち上挿通孔111を挟んで丸パイプの端面24と点対称位置に1個のかしめ部位112を形成し、このかしめ部位112に対して120度間隔で残る2個のかしめ部位112,112を形成するとよい。
本例のボディー取付部1は、次の手順に従って製造する。まずスペーサ介装手順では、図3に見られるように、丸パイプ端部23の内径dより短い丸パイプ状のスペーサ13の長さLで対向する平坦かつ平行な上挟持面11及び下挟持面12を一対形成し、各挟持面11,12に対向する位置関係で円形開口の上挿通孔111及び下挿通孔121を開口した丸パイプ端部23に対し、上挿通孔111及び下挿通孔121に連通する位置関係で、上挟持面11及び下挟持面12の間へスペーサ13を差し込み、介装する。
本例の上挟持面11及び下挟持面12は、平坦なスペーサ13の端面に合わせて平坦面とし、平行に形成している。また、上挿通孔111はスペーサ13の断面の内周形状に等しい円形開口、下挿通孔121はスペーサ13の断面の内周形状より小さな円形開口とし、両者の中心軸線Cを一致させている。こうした上挟持面11及び下挟持面12の形成や、上挿通孔111及び下挿通孔121の開口は、従来公知の各種手段を用いることができる。
例えば、丸パイプの端面から形成後の断面形状に等しい中子を挿入し、上挟持面11及び下挟持面12それぞれを形成する上型及び下型で丸パイプ端部23を挟み、中子に設けた上下一対の凹部に前記上型及び下型に設けた突起を嵌合することで各挿通孔111,123を形成できる。このスペーサ介装手順では、スペーサ13を丸パイプの端面から挿入し、介装できればよく、上挿通孔111及び下挿通孔121と中心軸線Cが完全に一致している必要はない。上挿通孔111及び下挿通孔121に対するスペーサ13の位置関係は、次のスペーサ位置決め手順で補正する。
続くスペーサ位置決め手順では、図4に見られるように、両挿通孔111,121を貫通する長さで、かつスペーサ13に内接する突起部31をダイス本体32の平面部321から突出させたかしめダイス3を、下挿通孔121を開口した下挟持面12にダイス本体32の平面部321を接面させ、かつ突起部31を下挿通孔121からスペーサ13に挿入して上挿通孔111から突出させる。両挿通孔111,121に対して位置ずれしていたスペーサ13は、かしめダイス3の突起部31を挿入する過程で、突起部31を構成するスペーサ内接部311及び挿通孔突出部312の境界となる錐台側面部313に押されて位置補正され、スペーサ内接部311がスペーサ13に内接することで、このかしめダイス3を介して下挿通孔121に対して位置決めされる。本例では、上挿通孔111及び下挿通孔121は中心軸線Cを一致させているから、前記スペーサ13の位置関係は、上挿通孔111に対しても位置補正されることになる。
かしめダイス3は、図3及び図4に見られるように、スペーサ13の断面の内周形状に等しい断面円形状で、下挿通孔121からスペーサ13に挿入して内接させるスペーサ内接部311と、スペーサ13の断面の内周形状より小さい断面円形状で、上挿通孔111から突出して内嵌させる挿通孔突出部312とからなる突起部31を、ダイス本体32の平面部321から突出している。本例のかしめダイス3では、突起部31を下挿通孔121から挿入しやすいように、突起部31の先端となる挿通孔突出部312の上縁を面取りし、またスペーサ13の位置補正を容易にするため、スペーサ内接部311及び挿通孔突出部312の境界となる錐台側面部313を形成している。
最後に、スペーサ仮止め手順では、図5に見られるように、かしめダイス3の挿通孔突出部312に嵌合穴411を外嵌し、かしめパンチ4のパンチ本体41の平面部412を上挟持面11に接面させることにより、前記嵌合穴411を囲む位置関係に設けた3個のかしめ突起413により、スペーサ13の端面の外周縁に噛み合う部分かしめである3個のかしめ部位112を上挟持面11に形成し、スペーサ13の仮止めを完了する。かしめ突起413は嵌合穴411に対して位置決めされ、嵌合穴411はかしめダイス3の挿通孔突出部312により、かしめダイス3は両挿通孔111,121によりそれぞれ位置決めされ、スペーサ13はかしめダイス3を介して両挿通孔111,121に対して位置決めされていることから、かしめ突起413により形成されるかしめ部位112は上挿通孔111及びスペーサ13に対して位置決めされており、スペーサ13の端面の外周縁に噛み合う位置関係で正確に形成できる。
また、本例のかしめダイス3及びかしめパンチ4は、スペーサ仮止め手順において、スペーサ13を介装した上挟持面11及び下挟持面12をそれぞれの平面部321,412により押圧し、スペーサ13の端面に上挟持面11及び下挟持面12を圧接させる。本発明のボディー取付部1は、かしめ部位112により前記スペーサ13の位置ずれを防止した上で、上挟持面11及び下挟持面12でスペーサ13を挟持することで、脱落の虞れのない安定したスペーサ13の仮止めを実現している。ここで、前記かしめダイス3及びかしめパンチ4の各平面部321,412による上挟持面11及び下挟持面12の押圧は、上挟持面11及び下挟持面12によるスペーサ13の挟持を担っている。このため、本例では、図5に見られるように、かしめダイス3の挿通孔突出部312が上挿通孔111から突出する長さより、かしめパンチ4の嵌合穴411を深くすることで、かしめダイス3及びかしめパンチ4の各平面部321,412により上挟持面11及び下挟持面12をそれぞれ押圧できるようにしている。
1 ボディー取付部
11 上挟持面
111 上挿通孔
112 かしめ部位
12 下挟持面
121 下挿通孔
13 スペーサ
2 シャシフレーム
23 丸パイプ端部
24 丸パイプの端面
3 かしめダイス
31 突起部
311 スペーサ内接部
312 挿通孔突出部
313 錐台側面部
32 ダイス本体
321 平面部
4 かしめパンチ
41 パンチ本体
411 嵌合穴
412 平面部
413 かしめ突起

Claims (1)

  1. 丸パイプ端部に取り付けたパイプ状のスペーサによりボディー取付部を構成した丸パイプ構造のシャシフレームにおいて、
    丸パイプ端部の内径より短いパイプ状のスペーサの長さで対向する挟持面をプレス成形により丸パイプ端部に一対形成し、各挟持面に対向する位置関係で一対の挿通孔をプレス成形により開口し、前記挿通孔に連通する位置関係で該挟持面の間に、挿通孔の大きさ以上の内径を有する丸パイプであるスペーサを介装し、挿通孔を挟んで丸パイプの端面と点対称位置に1個のかしめ部位を、前記かしめ部位に対して120度間隔で残る2個のかしめ部位を挟持面にプレス成形により形成することにより、該スペーサが丸パイプ端部に仮止めされたボディー取付部を構成したことを特徴とするシャシフレーム。
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