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JP5068584B2 - 超音波撮像装置 - Google Patents

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Description

この発明は、被検体に造影剤を投与した後に、被検体の撮像領域に超音波を照射し、前記撮像領域の断層画像を表示する超音波撮像装置に関する。
近年、被検体の静脈に造影剤を投与し、超音波撮像装置を用いて、血流と共に被検体内を循環する造影剤が観察される。数ミクロン程度の大きさの気泡からなる造影剤は、造影剤が存在しない場所と比較して高い輝度の超音波画像を形成する。これにより、造影剤を含む血管を描出し、例えば肝臓および肝臓内の腫瘍近傍位置等に位置する血管の構築状態を観察することができる。
ここで、造影剤により目的とする患部の輝度変化を観察する際に、被検体に造影剤を投与した時点からの経過時間は、被検体内を循環した造影剤が患部に到達する迄の時間の指標となり、患部に位置する血管の構築状態を、的確に描出する上で重要なものである。従って、オペレータは、被検体に造影剤を投与する際に、キー操作により、投与時間タイマーを起動し、投与時点からの経過時間を計測する。超音波撮像装置は、造影剤の浸潤により時間変化する超音波画像を、この投与時間タイマーの経過時間と共に表示する。
また、被検体に造影剤を投与した後に、高音圧の超音波を被検体に照射し、造影剤を破壊させることも行われる。このフラッシュ(flash)と呼ばれる操作により、撮像領域に存在する造影剤が破壊させられ、撮像領域のみを、いわば造影剤が存在しない初期状態とする。その後、オペレータは、周囲から再度撮像領域へ造影剤が浸潤する様子を、投与時間タイマーを参照しつつ観察する。
特開2003―061959号公報、(第1頁、第1図)
しかしながら、上記背景技術によれば、オペレータは、フラッシュを行った後の経過時間を、臨床現場で行われる撮像の最中に、簡便に知ることができなかった。すなわち、オペレータは、フラッシュを行った際の投与時間タイマーの時刻を、別途記憶または記録し、この時刻からフラッシュを行った後の経過時間を算定すると言う面倒な作業を行う必要があった。または、オペレータは、簡便なストップウオッチ等を別途用意し、このストップウオッチを用いて経過時間を求める必要があった。
特に、造影剤の投与後にフラッシュを複数回行う際には、上述した方法で複数の経過時間を同時に計測することは、煩雑で、間違いを生じる要因になる。なお、フラッシュを行った後の経過時間情報は、造影剤の投与を行った後の経過時間情報と同様に、目的とする患部に造影剤が到達する時間迄の重要な指標となる。
これらのことから、フラッシュを行った後の経過時間を、簡便に知ることができる超音波撮像装置をいかに実現するかが重要となる。
この発明は、上述した背景技術による課題を解決するためになされたものであり、フラッシュを行った後の経過時間を、簡便に知ることができる超音波撮像装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、第1の観点の発明にかかる超音波撮像装置は、超音波が照射される被検体の撮像領域おける断層画像を表示する超音波撮像装置であって、前記被検体に造影剤を投与する際に、前記投与からの経過時間を計測する投与時間タイマーと、前記投与の後に、前記撮像領域に位置する造影剤を破壊させる造影剤破壊手段と、前記破壊を行う際に、前記破壊からの経過時間を計測する破壊時間タイマーと、を備えることを特徴とする。
この第1の観点による発明では、被検体に造影剤を投与する際に、投与時間タイマーにより、投与からの経過時間を計測し、この投与の後に、造影剤破壊手段により、撮像領域に位置する造影剤を破壊し、この破壊を行う際に、破壊時間タイマーにより、この破壊からの経過時間を計測する。
また、第2の観点の発明にかかる超音波撮像装置は、第1の観点に記載の超音波撮像装置において、前記破壊時間タイマーが、前記投与の後に前記破壊を繰り返し行う際に、繰り返し行われる前記破壊ごとの経過時間を計測する複数のタイマーを備えることを特徴とする。
この第2の観点の発明では、造影剤の破壊ごとに、経過時間を計測する。
また、第3の観点の発明にかかる超音波撮像装置は、第1の観点に記載の超音波撮像装置において、前記破壊時間タイマーが、前記投与の後で前記破壊を繰り返し行う際に、繰り返し行われる前記破壊ごとに経過時間をリセットし、時間を計測し直すことを特徴とする。
この第3の観点の発明では、最新の造影剤の破壊からの経過時間のみを計測する。
また、第4の観点の発明にかかる超音波撮像装置は、第1ないし3の観点のいずれか一つに記載の超音波撮像装置において、前記超音波撮像装置が、前記投与時間タイマー、前記造影剤破壊手段および前記破壊時間タイマーを起動する起動情報の入力を行う入力部を備えることを特徴とする。
この第4の観点の発明では、手動により、投与時間タイマー、造影剤破壊手段および破壊時間タイマーを起動する。
また、第5の観点の発明にかかる超音波撮像装置は、第4の観点に記載の超音波撮像装置において、前記入力部が、前記起動情報を入力する専用キーを備えることを特徴とする。
この第5の観点の発明では、簡便で、間違い無く起動情報を入力する。
また、第6の観点の発明にかかる超音波撮像装置は、第5の観点に記載の超音波撮像装置において、前記入力部が、前記造影剤破壊手段または前記破壊時間タイマーの起動情報の入力に連動して、前記破壊時間タイマーまたは前記造影剤破壊手段の起動情報を発生することを特徴とする。
この第6の観点の発明では、造影剤破壊手段および破壊時間タイマーを、一回のキー操作により起動させる。
また、第7の観点の発明にかかる超音波撮像装置は、第1ないし3の観点のいずれか一つに記載の超音波撮像装置において、前記超音波撮像装置が、前記造影剤破壊手段を起動する起動情報を、予め設定されたタイミングで自動的に発生する起動情報発生手段を備えることを特徴とする。
この第7の観点の発明では、造影剤破壊手段の起動情報を、自動的に発生させる。
また、第8の観点の発明にかかる超音波撮像装置は、第7の観点に記載の超音波撮像装置において、前記起動情報発生手段が、前記被検体のECG信号に同期して、前記起動情報を発生することを特徴とする。
この第8の観点の発明では、ECG信号に同期して、造影剤の破壊を行う。
また、第9の観点の発明にかかる超音波撮像装置は、第1ないし8の観点のいずれか一つに記載の超音波撮像装置において、前記超音波撮像装置が、前記投与時間タイマーの経過時間情報および前記破壊時間タイマーの経過時間情報を表示する表示部を備えることを特徴とする。
この第9の観点の発明では、投与時間タイマーおよび破壊時間タイマーが有する経過時間情報を、オペレータに容易に認識させる。
また、第10の観点の発明にかかる超音波撮像装置は、第9の観点に記載の超音波撮像装置において、前記表示部が、前記破壊時間タイマーの中に繰り返し行われる前記破壊ごとの経過時間を計測する複数のタイマーが存在する際に、最後の破壊に対応する前記タイマーの経過時間情報のみを表示することを特徴とする。
この第10の観点の発明では、経過時間情報を表示する表示部の領域を、コンパクトなものとする。
また、第11の観点の発明にかかる超音波撮像装置は、第9または10の観点に記載の超音波撮像装置において、前記表示部が、前記破壊時間タイマーの中に繰り返し行われる前記破壊ごとの経過時間を計測する複数のタイマーが存在する際に、前記経過時間を時間軸とする前記タイマーごとのタイムインテンシティカーブを表示することを特徴とする。
この第11の観点の発明では、造影剤の破壊を行った時点からの経過時間を、横軸としたタイムインテンシティカーブを表示する。
また、第12の観点の発明にかかる超音波撮像装置は、第1ないし9の観点のいずれか一つに記載の超音波撮像装置において、前記超音波撮像装置が、前記投与時間タイマーおよび前記破壊時間タイマーが有する経過時間情報を保存するメモリを備えることを特徴とする。
この第12の観点の発明では、経過時間情報を、時間をおいて繰り返し参照しする。
本発明によれば、撮像領域の造影剤が破壊されてから、再循環により他の領域の造影剤が撮像領域に浸潤する迄の正確な時間を、撮像中に簡便に知ることができ、ひいてはこの浸潤の早さから撮像領域の状態に関する有用な知見を得ることができる。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる超音波撮像装置を実施するための最良の形態について説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
まず、本実施の形態にかかる超音波撮像装置の全体構成について説明する。図1は、本実施の形態にかかる超音波撮像装置の全体構成を表すブロック(block)図である。この超音波撮像装置は、探触子部101、送受信部102、画像処理部103、シネメモリ(cine
memory)部104、画像表示制御部105、表示部106、入力部107および制御部108を有する。
探触子部101は、超音波を送受信するための部分、つまり被検体1の撮像断面の特定方向に超音波を繰り返し照射し、被検体1の内部から繰り返し反射される超音波信号を時系列的な音線として受信する。また、探触子部101は、同時に超音波の照射方向を順次切り替えながら電子走査を行う。なお、図には明示していないが探触子部101には、圧電素子がアレイ(array)状に配置されている。
送受信部102は、探触子部101と同軸ケーブル(cable)によって接続され、探触子部101の圧電素子を駆動するための電気信号および受信した超音波信号の初段増幅を行う。また、送受信部102は、造影剤破壊手段12を含む。造影剤破壊手段12は、制御部108からの制御信号に応じて、圧電素子を駆動する電圧を高くし、圧電素子から照射される超音波の音圧を大きくする。
画像処理部103は、送受信部102で増幅された超音波信号から断層画像の描出を行う。特に、被検体1の造影剤が投与される際には、造影モード画像をリアルタイム(real
time)で生成するための造影モード処理を行う。具体的な処理内容は、例えば受信した超音波信号の遅延加算処理、A/D(analog/digital)変換処理、変換した後のデジタル(digital)情報を、Bモード画像情報または駆動電圧の極性が異なる2つの画像情報の加算処理を含むパルスインバージョン方式のハーモニックモード(harmonic
mode)画像情報として、後述のシネメモリ部104に書き込む処理等である。
シネメモリ部104は、造影モード処理で生成されたBモード画像情報等を蓄積するための画像メモリ(memory)である。特に、シネメモリ部104は、時間的に変化するBモード画像情報およびハーモニックモード画像情報を、時間情報と共に蓄積する。画像表示制御部105は、画像処理部103で生成されたBモード画像情報およびハーモニックモード画像情報の表示フレームレート(frame
rate)変換、並びに、Bモード画像情報等の表示画像の形状や位置制御を行う。また、Bモード画像情報等の表示画像上での関心領域を示すROI(region
of interest)の表示も行う。
表示部106は、CRT(cathode
ray tube)あるいはLCD(liquid
crystal display)等を用いて、画像表示制御部105によって表示フレームレート変換および画像表示の形状や位置制御された情報を、オペレータに対して可視表示する。
入力部107は、キーボード(keyboard)およびポインティングデバイス(pointing
device)等からなり、オペレータにより、Bモード画像による表示を行うかあるいはハーモニックモード処理の結果を表示するか等を選択する操作入力信号を、制御部108に伝える。また、表示部106の表示画像上に位置するROIの位置設定およびROI位置の確定入力も行う。
制御部108は、入力部107から与えられた操作入力信号および予め記憶したプログラム(program)やデータ(data)に基づいて、上述した超音波撮像装置各部の動作を制御し、表示部106にBモード画像、ハーモニックモード画像等を表示する。
図2は、制御部108の構成を示すブロック図である。制御部108は、画像取得制御部84、フラッシュ起動部81、投与時間タイマー82および破壊時間タイマー83を有する。画像取得制御部84は、入力部107からのモード指定情報、フォーカス深度情報等のスキャン情報に基づいて、超音波スキャンを行い、断層画像情報を取得する。
フラッシュ起動部81は、入力部107からのフラッシュ起動情報に基づいて、送受信部102の造影剤破壊手段12を起動し、被検体1内部の造影剤を破壊する。具体的には、フラッシュ起動情報に基づいて、高い電圧の圧電素子駆動パルスを生成し、高音圧の超音波を被検体1内部に発生し、気泡からなる造影剤を破壊する。
投与時間タイマー82は、被検体1に造影剤が投与される際に、オペレータにより、入力部107から入力される起動信号に同期して、時間の計測を開始するタイマーである。投与時間タイマー82は、被検体1に造影剤が投与されてからの経過時間を計測する。
破壊時間タイマー83は、被検体1に投与された造影剤を、フラッシュにより破壊する際に、オペレータにより、入力部107から入力される起動信号に同期して、時間の計測を開始するタイマーである。破壊時間タイマー83は、撮像領域に位置する被検体1に投与された造影剤を破壊してからの経過時間を計測する。なお、破壊時間タイマー83には、複数のタイマーが存在可能で、図2の例では起動信号が入力されるごとに順次第1の破壊時間タイマー23、第2の破壊時間タイマー33が起動される。なお、投与時間タイマー82および破壊時間タイマー83で計測された経過時間情報は、画像表示制御部105へ出力され、表示部106に表示される。
図3は、入力部107の一例を示す図である。入力部107は、キーボード70、TGC(Time Gain Controller)71、ニューペイシェントキー(New Patient Key)等を含む患者指定部72、トラックボール(track ball)、ROI設定等を含む計測入力部73、造影剤使用時の設定キーを含む造影モード入力部74を含む。造影モード入力部74は、投与時間キー75、フラッシュキー76および破壊時間キー77を含む。投与時間キー75は、投与時間タイマー82を起動し、フラッシュキー76は、フラッシュ起動部81の起動により造影剤を破壊し、破壊時間キー77は、破壊時間タイマー83を起動する。
図4は、画像表示制御部105により制御される、表示部106の表示画面の一例である。表示部106の表示画面は、画像表示部61およびタイマー表示部62を含む。画像表示部61は、Bモード画像あるいはハーモニックモード画像等の断層画像を、リアルタイムで表示する。タイマー表示部62は、投与時間タイマー82および破壊時間タイマー83で計測された経過時間を表示する。なお、タイマー表示部62につては、後に詳述する。
つぎに、図5を用いて、制御部108の動作について説明する。図5は、制御部108の動作を示すフローチャートである。まず、オペレータは、被検体1に造影剤を投与する(ステップS501)。造影剤は、数μ程度の気泡を含む液体で、超音波の照射により拡縮振動あるいは破壊が生じる。なお、気泡の破壊は、強い超音波の照射により生じる。
また、オペレータは、造影剤の投与と同時に、入力部107の投与時間キー75を押し、投与時間タイマー82を起動する(ステップS502)。ここで、投与時間タイマー82は、造影剤の投与以後の経過時間の計測を開始する。
その後、オペレータは、画像表示部61に表示される断層画像により、造影剤の被検体1内部での時間経過を観察する(ステップS503)。ここで、オペレータは、断層画像の時間変化を観察する際に、表示部106の画像表示部61下部に表示されるタイマー表示部62を同時に参照し、経過時間を確認しつつ行う。
図6は、表示部106の画像表示部61下部に表示されるタイマー表示部62の一例を示す説明図である。タイマー表示部62は、横方向に計測番号#、投与時間タイマー82の経過時間T1、第1の破壊時間タイマー23および第2の破壊時間タイマー33の経過時間T2、T3・・・の欄が表示され、縦方向には、0.25秒ごとに更新される具体的な経過時間情報が最下段に位置し、過去8回分の計測番号分の経過時間情報と共に表示される。なお、0.25秒に設定された更新時間は、画像表示部61の画像中を移動する造影剤を、目的とする位置で確実にフラッシュする様に、造影剤の移動速度と比較して速めの時間に設定されたものである。また、この表示では、過去8回分の計測番号分のタイマー情報を表示しているが、8回に限定されない。
図6(A)は、造影剤の投与を行ってから、最初の8回分の計測番号が有する経過時間情報を表示したタイマー表示部62の例である。計測番号#01の最上段に位置する投与時間タイマー82は、T1=00′00″00となり、その後、順次0.25秒ごとに更新された経過時間情報が存在する。また、破壊時間タイマーは、起動されていないので、空欄のままとされる。
その後、図5に戻り、オペレータは、断層画像およびタイマー表示部62に表示される投与時間タイマー82の経過時間を参照しつつ、被検体1の患部への造影剤の浸潤の度合いを見計らって、入力部107のフラッシュキー76を押し、フラッシュ起動部81を起動する(ステップS504)。
また、オペレータは、フラッシュの起動と同時に、入力部107の破壊時間キー77を押し、破壊時間タイマー83を起動する(ステップS505)。ここで、破壊時間タイマー83は、第1の破壊時間タイマー23を起動し、フラッシュを行った後の経過時間を計測する。
その後、オペレータは、画像表示部61に表示される断層画像により、造影剤の被検体1内部での時間経過を観察する(ステップS506)。ここで、オペレータは、断層画像の時間変化を観察する際に、表示部106の画像表示部61下部に表示されるタイマー表示部62を同時に参照し、経過時間を確認しつつ行う。
図6(B)は、フラッシュを行った際に、タイマー表示部62に表示される経過時間情報の例である。計測番号#246において、フラッシュが起動され、第1の破壊時間タイマー23は、T2=00′00″00となり、その後、順次0.25秒ごとに更新される計測番号#の欄ごとに経過時間情報が表示される。なお、投与時間タイマー82は、フラッシュが起動されたか否かに関わらず、計測番号#の更新と共に0.25秒ずつ継続してタイムアップを行う。
その後、図5に戻り、オペレータは、断層画像およびタイマー表示部62に表示される第1の破壊時間タイマー23の経過時間を参照しつつ、患部への造影剤の浸潤の度合いを見計らって、再度フラッシュを行うかどうかを判定する(ステップS507)。オペレータは、再度フラッシュを行い撮像領域の造影剤を破壊する場合には(ステップS507肯定)、ステップS504に移行し、フラッシュキー76および破壊時間キー77を押すことにより、フラッシュの起動および破壊時間タイマー83の再起動を行う。
破壊時間タイマー83は、投与時間タイマー82が起動された後に、起動信号が入力されるごとに第1、第2・・・の新たな破壊時間タイマーを起動する。例えば、第1の破壊時間タイマー23が起動された後に、再度起動信号が入力された場合には、新たな第2の破壊時間タイマー33が起動される。
図6(C)は、再度フラッシュを行った際に、タイマー表示部62に表示される経過時間情報の例である。計測番号#328において、フラッシュが再起動され、第2の破壊時間タイマー33は、T3=00′00″00となり、その後、順次0.25秒ごとに更新される計測番号#の欄に経過時間情報が表示される。なお、投与時間タイマー82および第1の破壊時間タイマー23は、フラッシュが再起動されたか否かに関わらず、計測番号#の更新と共に0.25秒ずつ継続してタイムアップを行う。
その後、図5に戻り、オペレータは、再度フラッシュを行わず、撮像領域の造影剤を破壊しない場合には(ステップS507否定)、概ね造影剤を用いた観察は、終了したものとして、投与時間タイマー82および破壊時間タイマー83の経過時間情報を、例えば、断層画像情報が保存されるシネメモリ部104に、この断層画像情報にリンクさせて保存し(ステップS508)、本処理を終了する。
図7は、本処理で行ったフラッシュによる造影剤の破壊および破壊時間タイマー83の起動を、表示部106に表示されるTIC(Time Intensity Curve)を用いて模式的に説明した説明図である。TICは、画像表示部61に関心領域ROIを設定し、このROI内部に位置する画素値の平均値を縦軸の輝度とし、投与時間タイマー82の経過時間情報を横軸とする。TICは、造影剤を投与した後に生じる輝度の時間変化を示すものである。
図7(A)に示すTIC66は、投与時間タイマー82の経過時間情報を横軸としたもので、被検体1に造影剤を投与後、ROI領域に造影剤が浸潤するに伴い、輝度を徐々に上昇させる。そして、TIC66は、フラッシュの起動と共に造影剤が瞬時に破壊され、輝度を大きく低下させる。また、同時に第1の破壊時間タイマー23が起動され経過時間の計測を行う。さらに、TIC66は、フラッシュの再起動と共に造影剤が破壊され、再度輝度を大きく低下させる。また、同時に第2の破壊時間タイマー33が起動され経過時間の計測を行う。
図7(B)は、第1の破壊時間タイマー23の経過時間情報を横軸としたもので、フラッシを起動した後の輝度変化を示している。撮像領域の造影剤は、フラッシュにより破壊されるものの、被検体1の撮像領域以外の領域に存在する造影剤が再び撮像領域に還流し、ROI領域の輝度は上昇する。図7(B)は、この還流時間を明瞭に示すものである。
上述してきたように、本実施の形態では、造影剤を被検体1に投与した後に、フラッシュを用いて造影剤の破壊を行うごとに、破壊時間タイマー83の第1の破壊時間タイマー23、第2の破壊時間タイマー33を起動し、フラッシュを行った時刻からの経過時間を計測することとしているので、造影剤が患部に繰り返し浸潤するのに要する正確な時間を、繰り返し取得し、患部の状態を的確に判断することができる。
また、本実施の形態では、破壊時間タイマー83は、第1の破壊時間タイマー23および第2の破壊時間タイマー33を有することとしたが、さらに多くの破壊時間タイマーを備えることもできる。
また、本実施の形態では、フラッシュキー76および破壊時間キー77は、異なるキーとしたが、フラッシュキー76を押すことに同期して、破壊時間タイマー83を起動させ、破壊時間キー77を無くすこともできる。
また、本実施の形態では、破壊時間タイマー83は、繰り返し起動信号が入力されるごとに新たな破壊時間タイマーを起動することとしたが、繰り返し起動信号が入力されるごとに既にある破壊時間タイマーをリセット(reset)し、あらたな時間の計測を始める様にすることもできる。
図8は、繰り返し起動信号が入力されるごとに既にある破壊時間タイマーをリセットし、あらたな時間の計測を始める様にした場合のタイマー表示部62の例である。図8(A)は、造影剤の投与を行ってから、最初の8回分の計測番号が有する経過時間情報を表示したタイマー表示部62の例である。計測番号#01の最上段に位置する投与時間タイマー82は、T1=00′00″00となり、その後、順次0.25秒ごとに更新された経過時間情報が存在する。また、破壊時間タイマーは、起動されていないので、空欄のままとされる。
図8(B)は、フラッシュを行った際に、タイマー表示部62に表示される経過時間情報の例である。計測番号#246において、フラッシュが起動され、第1の破壊時間タイマー23は、T2=00′00″00となり、その後、順次0.25秒ごとに更新される計測番号#の欄ごとに経過時間情報が表示される。なお、投与時間タイマー82は、フラッシュが起動されたか否かに関わらず、計測番号#の更新と共に0.25秒ずつ継続してタイムアップを行う。
図8(C)は、再度フラッシュを行った際に、タイマー表示部62に表示される経過時間情報の例である。計測番号#328において、フラッシュが再起動され、第1の破壊時間タイマー23は、T2=00′00″00となり、その後、順次0.25秒ごとに更新される計測番号#の欄に経過時間情報が表示される。なお、第2の破壊時間タイマー33は、用いられず第1の破壊時間タイマー23のみが用いられる。
また、本実施の形態では、投与時間タイマー82、破壊時間タイマー83およびは、手動により起動されることとしたが、別途制御部108に起動情報発生手段を設け、起動情報発生手段に内蔵されるソフトウェアプログラムにより起動信号を自動的に発生させたり、あるいは被検体1に装着されたリード(lead)端子から検出される心電波形に同期して、起動信号を発生させたりすることもできる。例えば、ソフトウェアプログラムにより、起動信号を自動的に発生させる場合には、オペレータにより設定された所定の周期で繰り返し起動信号を発生させることもできる。この同期により、血流の流れのより細かな時間変化に同期させたフラッシュの起動を行うことができる。
また、図9は、制御部108に起動情報発生手段91を設けた例である。起動情報発生手段91は、被検体1に装着されたリード端子から心電波形を検出する心電計92と、ケーブル(cable)により接続され、心電波形に同期したフラッシュ起動信号を発生する。このフラッシュ起動信号は、フラッシュ起動部81に送信され、フラッシュを起動する。
超音波撮像装置の全体構成を示すブロック図である。 実施の形態の制御部の構成を示すブロック図である。 実施の形態の入力部を示す外観図である。 実施の形態の表示部を示す外観図である。 実施の形態の制御部の動作を示すフローチャートである。 実施の形態のタイマー表示部を示す説明図である(その1)。 実施の形態のTICの変化を示す説明図である。 実施の形態のタイマー表示部を示す説明図である(その2)。 制御部に起動情報発生手段を含む構成のブロック図である。
符号の説明
1 被検体
12 造影剤破壊手段
23 第1の破壊時間タイマー
33 第2の破壊時間タイマー
61 画像表示部
62 タイマー表示部
70 キーボード
72 患者指定部
73 計測入力部
74 造影モード入力部
75 投与時間キー
76 フラッシュキー
77 破壊時間キー
81 フラッシュ起動部
82 投与時間タイマー
83 破壊時間タイマー
84 画像取得制御部
91 起動情報発生手段
92 心電計
101 探触子部
102 送受信部
103 画像処理部
104 シネメモリ部
105 画像表示制御部
106 表示部
107 入力部
108 制御部

Claims (12)

  1. 超音波が照射される被検体の撮像領域おける断層画像を表示する超音波撮像装置であって、
    前記被検体にした造影剤の投与からの造影剤投与経過時間と、前記投与の後にした前記撮像領域に位置する造影剤の破壊からの造影剤破壊経過時間とを表示する表示部を備えることを特徴とする超音波撮像装置。
  2. 前記造影剤投与経過時間を計測する投与時間計測手段と、
    前記被検体にした造影剤の投与の後に、前記撮像領域に位置する造影剤を破壊させる造影剤破壊手段と、
    前記造影剤破壊経過時間を計測する破壊時間計測手段とを備えることを特徴とする請求項1に記載の超音波撮像装置。
  3. 前記破壊時間計測手段は、前記投与の後に前記破壊を繰り返し行う際に、繰り返し行われる前記破壊ごとの経過時間を計測する複数の計測手段を備えることを特徴とする請求項2に記載の超音波撮像装置。
  4. 前記破壊時間計測手段は、前記投与の後で前記破壊を繰り返し行う際に、繰り返し行われる前記破壊ごとに経過時間をリセットし、経過時間を計測し直すことを特徴とする請求項2に記載の超音波撮像装置。
  5. 前記超音波撮像装置は、前記投与時間計測手段、前記造影剤破壊手段および前記破壊時間計測手段を起動する起動情報の入力を行う入力部を備えることを特徴とする請求項2ないし4のいずれか一つに記載の超音波撮像装置。
  6. 前記入力部は、前記起動情報を入力する専用キーを備えることを特徴とする請求項5に記載の超音波撮像装置。
  7. 前記入力部は、前記造影剤破壊手段または前記破壊時間計測手段の起動情報の入力に連動して、前記破壊時間計測手段または前記造影剤破壊手段の起動情報を発生することを特徴とする請求項5または6に記載の超音波撮像装置。
  8. 前記超音波撮像装置は、前記造影剤破壊手段を起動する起動情報を、予め設定されたタイミングで自動的に発生する起動情報発生手段を備えることを特徴とする請求項2ないし7のいずれか一つに記載の超音波撮像装置。
  9. 前記起動情報発生手段は、前記被検体のECG信号に同期して、前記起動情報を発生することを特徴とする請求項8に記載の超音波撮像装置。
  10. 前記表示部は、前記破壊時間計測手段の中に繰り返し行われる前記破壊ごとの経過時間を計測する複数の計測手段が存在する際に、最後の破壊に対応する前記計測手段の経過時間情報のみを表示することを特徴とする請求項2ないし9のいずれか一つに記載の超音波撮像装置。
  11. 前記表示部は、前記破壊時間計測手段の中に繰り返し行われる前記破壊ごとの経過時間を計測する複数の計測手段が存在する際に、前記経過時間を時間軸とする前記計測手段ごとタイムインテンシティカーブを表示することを特徴とする請求項10に記載の超音波撮像装置。
  12. 前記超音波撮像装置は、前記投与時間計測手段および前記破壊時間計測手段が有する経過時間情報を保存するメモリを備えることを特徴とする請求項2ないし11のいずれか一つに記載の超音波撮像装置。
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