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JP5050720B2 - 警報装置およびその方法 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の周囲に存在する人や他の車両などを検知して、その存在を車両の運転者に報知する警報装置およびその方法に関する。
自動車等の車両の周囲に、歩行者、他の車両、そして障害物などが存在する場合に、その存在を車両の運転者に報知する装置が種々提案されており、例えば特許文献1に開示された装置がある。
この特許文献1に開示された装置の場合、車室内に設けられた複数のスピーカから、時間差や強度差を生じさせた警報音を出力することにより、警報音の音像を所定の位置に定位させ、対象物の存在とその位置を、車両の運転者に知らせるように構成されている。
特開2000−36998号公報
しかし、特許文献1に開示された装置の場合、警報音の出力により対象物の存在を知らせるように構成されているため、警報音に類似する環境音などが存在すると、警報音が聞き取り難くなることがあった。このような場合、意識して注意を向けていないと、警報音に気付くことが困難であり、車両の乗員が警報音に気付かないために、車両の周囲に存在する対象物を認識できないことや、認識が遅れることがあった。
よって、本発明は、自車両の周囲において対象物が検知された際に、検知された対象物の存在を注意喚起するために出力される警報音を、車両の乗員が確実に気付くことができるようにして、車両の乗員が、対象物の存在を認識できるようにすることを目的とする。
本発明は、対象物についての注意喚起の要否を判断し、注意喚起が必要と判断された場合に、注意喚起のための警報音と警報音の出力を予告するマーカー音を生成し、マーカー音の音像の位置を設定すると共に、マーカー音の音像の位置を始点として経時的に変化する警報音の音像の位置を設定し、設定された音像の位置に、まずマーカー音を出力した後に、警報音を出力する構成とした。
本発明によれば、自車両の周囲において検知された対象物についての注意を喚起するための警報音が出力される前に、警報音の出力を予告するマーカー音が出力される。マーカー音は、警報音とは特徴が異なり車両の運転者の意識を引きつけるので、その後に出力される警報音に運転者の意識を向けさせることができるので、検知された対象物の存在が運転者に認識されやすくする。
以下、本発明の好ましい実施形態を、添付図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係る警報装置の構成を示すブロック図である。
警報装置1は、対象物検知部10と、自己変位検知部20と、判断部30と、報知音生成部40と、変換部50と、出力部60とから構成される。
対象物検知部10は、自車両の周囲における他の車両、人、そして障害物などの対象物の存在を検知し、検知した対象物の変位を検知する。そして、対象物の位置、移動方向、そして移動速度などの対象物の変位を特定するための対象物情報を生成し、判断部30に出力する。
対象物の存在の検知は、従来公知の技術を用いて行うことができ、例えば、超音波センサ、レーザレーダ、スキャニングセンサ、マイクなどから入力される情報の処理により行われる。
自己変位検知部20は、アクセル、ウインカ、そして、ステアリングなどの操作や、自車両に搭載された加速度センサやGPS装置などからの出力をモニタリングし、移動方向、移動速度、ウインカによる指示方向、操舵角などの自車両の変位を特定するための動作情報を生成し、判断部30に出力する。
判断部30は、対象物情報や動作情報に基づいて、対象物の存在を自車両の運転者に注意喚起する必要があるか否かを判断する。
具体的には、対象物情報に基づいて所定時間経過後の対象物の位置を予測すると共に、動作情報に基づいて所定時間経過後の自車両の位置を予測し、自車両と対象物とが接近、若しくは衝突する可能性がある場合のように、対象物の存在が自車両の走行に好ましくない場合に、対象物の存在を自車両の運転者に注意喚起する必要があると判断する。
図1を参照して、報知音生成部40は、警報音生成部41と、マーカー音生成部42と、設定部43、出力タイミング設定部44とを備える。
警報音生成部41は、判断部30により注意喚起が必要であると判断された場合に、自車両の運転者に対象物の存在を注意喚起するための警報音を設定する。
マーカー音生成部42は、警報音とは異なる特徴の音を、警報音の出力を予告するマーカー音として設定する。
警報音やマーカー音として採用される音について説明する。
マーカー音は、警報音の出力と警報音が出力される位置とを自車両の運転者に予告して、運転者の意識をマーカー音の後に出力される警報音に向けさせるものである。よって、車両の走行音やオーディオ音などのような車両の運転中に受聴される音とは明らかに異なる音が、マーカー音として選択される。例えば、「ポーン」、「プーン」「ピー」などの出力時間の短い特定の周波数の音が挙げられる。
警報音は、自車両の運転者に、他の車両や歩行者などの対象物の存在を注意喚起するものであり、警報音に向けさせた運転者の意識を、仮想音源の移動で引き続き警報音に向けさせることができるように、出力時間が長い所定の周波数の連続音や断続音が採用される。
例えば、対象物が自動車である場合は、「ブーン」などの所定の長さの連続音や、「ピッピッピッ」などの断続音が、人である場合は、人の話し声や「テクテクテク」といった歩行音などが、警報音として挙げられる。
なお、警報音の種類は、ここに例示したものに限定されず、対象物の存在を自車両の運転者が認知できる音であれば種々の音が選択可能であり、例えば、CD、MD、ラジオなどから出力されるオーディオ音、ゲームや映画に用いられる効果音やエフェクト音なども警報音として採用可能である。
ここで、警報音やマーカー音は、車輌の運転者が、低い周波数の音の聞き取りが困難な高齢者であっても、警報音を確実に聞き取ることができるようにするために、例えば2000Hz〜3000Hzの周波数の音であることが好ましい。
また、緊急用車両に用いられる周波数の音は、一般に、注意を喚起させやすいので、パトカーなどの緊急用車両に用いられる周波数の音であって、混同を防ぐために出力周期を変更したものを警報音に採用することも可能である。
さらに、単一周波数の音に変調を与えたゆらぎのある音であっても良い。ゆらぎのある音は、注意を引きつけやすい音なので、自車両の運転者にマーカー音や警報音の出力を気付かせることができる。
ただし、自車両の運転者がマーカー音と警報音とを聞き分けることができる必要がある。よって、例えばマーカー音および警報音としてゆらぎのある音が採用された場合、異なる周波数のゆらぎのある音とすることで、マーカー音と警報音とが確実に区別できるようにしている。
設定部43は、マーカー音の音像を定位させる位置(以下、単に音像の位置という)を設定すると共に、マーカー音の音像の位置を始点として経時的に変位する警報音の音像の位置を設定して、対象物の位置からマーカー音が出力された後に、同じ位置から警報音が出力され、警報音が出力される位置が経時的に移動していると自車両の運転者が認識するようにする。
図2は、片側二車線の道路の左側車線を直進走行している自車両Vが、ウインカWを点滅させて右側車線へ移動しようとした際に、右側車線の後方を自車両Vと同じ方向に向けて走行する他車両Aが検知され、判断部30が他車両Aについての注意喚起が必要であると判断した場合を示す図である。
この場合、設定部43は、対象物情報を参照して他車両Aの現在位置Pを特定し、特定した現在位置Pを、マーカー音の音像の位置として設定すると共に、警報音の音像の始点位置として設定する。
そして、警報音の音像の位置が図中矢印Lに沿って経時的に移動するように、警報音の音像の位置の経時的な変位を設定して、自車両Vの運転者が、位置Pから聞こえた警報音が図中矢印Lで示す方向に移動していると感じるようにする。
ここで、警報音の音像の位置は、検知された対象物の経時的な変位に対応させて、例えば対象物の移動方向と同じ方向に経時的に移動させることや、さらに対象物の移動速度と同じ速度で移動させることが好ましい。
図3は、マーカー音と警報音の出力のさせ方を説明するために、「ポーン」という音がマーカー音として、「ブーン」という音が警報音として、それぞれ採用されている場合を例に挙げて説明する図である。
例えば、図3の(a)を参照して、警報音の音像の位置が、対象物である他車両Aの移動方向と同じ方向に、他車両Aの移動速度と同じ速度で移動するようにした場合、自車両Vの運転者は、警報音の音像の移動により、検知された他車両Aの位置とその移動方向および移動速度を感覚的に把握できる。
図1を参照して、出力タイミング設定部44は、警報音とマーカー音の出力タイミングを決定する。
図4の(a)、(c)は、マーカー音と警報音の出力タイミングと出力時間を説明する図であり、(b)、(d)は、「ポーン」という音がマーカー音として、「ブーン」という音が警報音として採用されている場合における、自車両の運転者が受聴するマーカー音と警報音の受聴イメージを説明する図である。
マーカー音は、警報音の出力を予告する報知音であるので、出力タイミング設定部44は、警報音がマーカー音に続けて連続的に出力されるように出力タイミングを設定する。
図4の(a)に示すように、出力タイミング設定部44は、警報音の出力の終了とほぼ同時にマーカー音の出力を開始するように出力タイミングを設定する。これにより、図4の(b)に示すように、自車両の運転者は、マーカー音が聞こえなくなる前に警報音を受聴する。よって、マーカー音に向けさせた運転者の意識を、そのまま警報音に移動させることができる。
なお、警報音やマーカー音の音像の所望の位置へ定位や、音像の位置の経時的な移動の制御は、車室内に設けたスピーカS毎に、出力される音の音圧や遅延時間を設定することで行われるが、詳細は前記した特許文献1に開示されているので、ここではその詳細な説明を省略する。
図1を参照して、変換部50は、報知音生成部40から入力される報知音やマーカー音のデータのアナログ変換を行った後、出力部60に出力する。
出力部60の増幅部61は、変換部50から入力される報知音やマーカー音のデータを増幅して、警報音とマーカー音とを受聴可能な音量に調整する。スピーカ62は、マーカー音を出力した後に警報音を出力する。
複数の対象物が検知された場合について説明する。
図5は、片側2車線の道路の左側を走行している自車両Vが、ウインカの操作によりウインカWを点滅させて、右側の車線に移動しようとした際に、右側車線を走行する他車両Aを検出し、さらに他車両Aの後方を走行するバイクBを検出した場合を示す図である。
この場合、他車両Aについての注意を喚起する警報音と、バイクBについての注意を喚起する警報音とが、それぞれ検知された他車両AとバイクBの位置から出力される。そして、図5の(b)に示すタイムチャートのように、他車両Aについての警報音の出力時期と、バイクBについての警報音の出力時期とが一部重なることになる。
ここで、各警報音の出力に先立って、自車両Vの運転者Dの注意を引きつけやすいマーカー音が必ず出力されるので、複数の対象物が検知された場合であっても、マーカー音により、先に出力された警報音と後に出力される警報音との区別ができる。よって、運転者Dは、各警報音により他車両AとバイクBの存在を感覚的に認識できると共に、連続する危険な状況を把握できる。
検知された対象物が人である場合について説明する。
図6は、縦列駐車をするために自車両Vを後退させようとした際に、自車両Vの移動方向に人Pを検知した場合を示す図である。
この場合、自車両Vの右斜め後方の位置P4に人Pが検知されているので、自車両Vの運転者Dは、自車両Vの右斜め後方の位置P4からマーカー音が出力された後に、同じ位置P4から警報音が出力され、警報音が出力される位置が経時的に図中矢印で示す方向に移動するように感じることになる。
よって、自車両Vの運転者Dは、自車両を後退させる際に死角となる位置に人などの対象物が存在するような場合であっても、その対象物の存在と位置を感覚的に認識することができる。
図7は、駐車スペースに駐車された自車両Vを後退させて、自車両Vを駐車スペースから出そうとした際に、自車両Vの近傍に人Pを検知した場合を示す図である。
この場合、自車両Vの右斜め後方の位置P5に、人Pが検出されているので、自車両Vの運転者Dは、自車両Vの右斜め後方の位置P5からマーカー音が出力された後に、同じ位置P5から警報音が出力され、警報音が出力される位置が経時的に図中矢印で示す方向に移動するように感じることになる。
よって、マーカー音により、警報音の出力と警報音が出力される位置を予告して、自車両Vの運転者Dの注意を引きつけた後に警報音が出力されるので、運転者Dが警報音に気付きやすくなる。また、警報音の出力される位置が図中矢印で示す方向に移動するように感じるので、運転者の注意を引き続き警報音に向けさせることができる。
ここで、歩行者が移動している場合、警報音の出力される位置が、歩行者の移動方向と同じ方向に同じ速度で移動するようにすると、運転者は歩行者の存在のみならず、その移動方向と移動速度とを感覚的に認識することができる。
警報装置1で行われる処理について説明をする。
図8は、警報装置で行われる処理の流れを示すフローチャートである。
ステップ100において、対象物検知部10が、自車両の周囲の所定範囲内に対象物が存在するか否かを確認する。ステップ101において対象物の存在が検知された場合、ステップ102において、自己変位検知部20は、アクセル、ウインカ、そしてステアリングなどの操作や、自車両に搭載された加速度センサやGPS装置などからの出力をモニタリングし、例えば、車両を後退させる場合、走行車線を変更する場合、右左折をする場合のように、自車両の挙動に大きな変化があるか、すなわち自車両の挙動を確認する。
ステップ103において、判断部30は、対象物の存在を自車両の運転者に注意喚起する必要があるか否かを判断する。例えば、自車両と対象物とが接触する可能性があるか否かを、確認された自車両の挙動や検知された対象物の挙動などに基づいて判断し、接触する可能性がある場合には、警報音の出力が必要であると判断する。
ステップ104において警報音の出力が必要であると判断された場合、ステップ105においてマーカー音の音像と警報音の音像の位置を設定し、ステップ106においてマーカー音と警報音のデータを取得すると共に、それぞれ設定された音像の位置に、まずマーカー音データを出力した後に、警報音データを出力する。
ここで、図8におけるステップ100が、発明における対象検知部および対象検知段階に相当し、ステップ102が、自己変位検知部に相当し、ステップ103が、判断部および判断段階に相当し、ステップ105が、設定部および設定段階に相当し、ステップ106が、出力部および出力段階に相当する。
以上の通り、本実施形態では、自車両の周囲において他の車両、人そして障害物などの対象物を検知すると共に、検知した対象物についての注意喚起の要否を判断し、注意喚起が必要と判断された場合に、注意喚起のための警報音と警報音の出力を予告するマーカー音を生成し、マーカー音の音像の位置を設定すると共にマーカー音の音像の位置を始点として経時的に変位する警報音の音像の位置を設定し、それぞれ設定された音像の位置に、まずマーカー音を出力した後に警報音を出力する構成とした。
よって、警報音の出力を予告するマーカー音の出力の後に、自車両の周囲において検知された対象物についての注意を喚起するための警報音が出力される。ここで、マーカー音の音像の位置と警報音の音像の始点位置とは、それぞれ同じであるので、自車両の運転者は、マーカー音とこれに続いて出力される警報音とが同じ位置から出力されているように感じることになる。また、警報音の音像の位置は経時的に変位するので、自車両の運転者は、警報音が出力される位置が経時的に移動しているように感じることになる。
これにより、自車両の運転者がマーカー音に意識を向けたあとに、マーカー音と同じ位置から警報音が出力されるので、自車両の運転者は警報音に気付きやすくなる。さらに、警報音が出力される位置が経時的に移動するように感じるので、自車両の運転者の意識を、引き続き警報音に向けさせることができるようになる。したがって、自車両の周囲において検知された対象物の存在が、自車両の運転者に認識されやすくなる。
さらに、車線変更などの自車両の変位を検知し、自車両の変位と対象物の移動などの変位とに基づいて、対象物についての注意喚起の要否を判断する構成としたので、対象物についての注意喚起の要否の判断をより適切に行うことができる。
特に、自車両の変位に基づいて予測した所定時間経過後の自車両の位置と、対象物の変位に基づいて予測した所定時間経過後の対象物の位置とに基づいて、自車両と対象物とが接触するか否かを確認して、対象物についての注意喚起の要否を判断する構成とすると、対象物についての注意喚起の要否の判断をより適切に行うことができる。
また、検知された対象物の位置をマーカー音の音像の位置として設定する構成としたので、自車両の運転者は、マーカー音とこれに続いて同じ位置から出力される警報音とにより、検知された対象物の位置を感覚的に認識することができる。
さらに、警報音は、マーカー音に続けて連続的に出力される構成としたので、マーカー音の出力の後に途切れることなく警報音が出力される。よって、マーカー音が引きつけた運転者の意識を警報音に向けさせて、警報音の出力に気付きやすくすることができる。
また、警報音は、単一周波数の音に変調を与えたゆらぎのある音である構成としたので、受聴者の注意を引きつけやすいゆらぎのある音により、運転者が、マーカー音や警報音の出力に気付きやすくなる。
さらに、警報音の音像の位置が、対象物の変位方向と同じ方向に変位する構成としたので、対象物が移動している場合、自車両の運転者は、検知された対象物の位置とその移動方向を警報音により把握できる。
また、警報音の音像が定位される位置が、対象物の移動速度と同じ速度で変位する構成としたので、警報音を受聴した運転者は、位置と移動方向に加えて、移動速度を感覚的に把握することができる。
上記した実施形態にかかる警報装置では、図4の(a)、(b)に示すように、警報音は、マーカー音に続けて連続的に出力される構成としたが、図4の(c)、(d)に示すように、マーカー音の出力の後、所定時間経過した後に警報音が出力されるようにしても良い。
図4の(c)を参照して、マーカー音の出力の後、所定時間tをあけた後に警報音を出力すると、図4の(d)を参照して、自車両の運転者は、マーカー音が受聴できなくなった後、しばらくしてから警報音を受聴することになる。すなわち、マーカー音の受聴と警報音の受聴との間に、意図的に無音区間を作ることができるので、自車両の運転者は、音が一瞬途切れる無音区間により、マーカー音と警報音とを確実に区別して受聴することができる。
また、上記した実施形態にかかる警報装置では、図2に示すように、警報音の音像の位置を、自車両Vの運転者Dの側方に向かって経時的に変位させて、自車両Vの運転者Dが、自車両Vの側方に向けて警報音が移動するように感じるようにしているが、警報音の音像の位置を、自車両Vに向かって経時的に変位させるようにしても良い。この場合、運転者は、自車両Vに向けて移動する他車両などの対象物の存在と、対象物との接触の危険性を警報音により感覚的に認識することができる。
さらに、上記した実施形態にかかる警報装置では、図3の(a)を参照して、警報音の音像が定位される位置が、対象物である他車両Aの移動速度と同じ速度で、他車両Aの移動方向と同じ方向に移動するようにしたが、図3の(b)に示すように、対象物の移動速度よりも速い速度で、対象物の移動方向と同じ方向に移動するようにしても良い。
この場合、他車両Aよりも先に、警報音が自車両Vの側方に到達することになるので、自車両Vの運転者は、他車両Aの接近を早めに認識することができる。
さらに、図3の(c)に示すように、警報音の音像の位置が、自車両Vの側方の所定位置に向けて経時的に変位するようにすると共に、所定位置に到達すると、他車両Aの現在位置に戻って、再び自車両Vの側方の所定位置に向けて経時的に変位するようにしても良い。
この場合、自車両Vの運転者は、警報音が繰り返し出力されているように感じることになる。すなわち、警報音を繰り返し受聴したのと同じになるので、警報の認知が向上する。なお、所定位置は自車両Vの側方の位置のみならす、自車両Vの位置としても良い。
さらに、警報音の音像の位置が、対象物の移動速度と同じ速度で移動すると共に、対象物が所定位置に到達した時以降、警報音がフェードアウトするようにしても良い。
図9は、検出された対象物が自車両Vの横を通り過ぎようとしている他車両Aであり、警報音が聞こえてくる位置が、他車両Aの移動方向と同じ方向に、同じ移動速度で移動する場合を示す図である。
この図の場合、他車両Aが自車両Vの横を通り過ぎた後は、自車両Vの運転者Dは、自車両Vを追い越した他車両Aを、その走行音や目視で認識できるので、警報音の出力で注意を喚起する必要はない。よって、図9の(b)に示すように、警報音の音圧を調整して、他車両Aが自車両Vの横を通り過ぎた後の警報音がフェードアウトするようにすると、運転者の注意を引き付ける警報音が聞こえなくなり、警報音が聞こえなくなった後は他車両Aの走行音を運転者は受聴することになる。
よって、運転者の注意を引きつける警報音が聞こえなくなることで、運転者の意識を自車両Vの運転に戻すことができるので、運転者を運転に集中させることができる。
上記した実施形態にかかる警報装置では、図10の(a)に示すように、警報音の出力を予告するマーカー音が1回のみ出力される場合を例に挙げて説明をしたが、マーカー音を複数回出力するようにしても良い。
例えば、マーカー音を2回出力する構成とする場合、図10の(b)に示すように、マーカー音の音像の位置を、検出された対象物の範囲内の異なる位置に設定する。
この場合、自車両の運転者は、マーカー音が出力される位置が転位したように感じて、意識がマーカー音に引きつけられるので、マーカー音の後に出力される警報音に気付きやすくなる。
また、マーカー音を1回のみ出力する場合に比べて、マーカー音の出力に運転者が気付きやすくなるので、マーカー音の出力の後に出力される警報音を聞き漏らす可能性が減少する。
さらに、上記した実施形態にかかる警報装置では、自車両と対象物とが衝突する可能性がある場合のように、対象物の存在が自車両にとって好ましくない場合に、対象物の存在を自車両の運転者に注意喚起する必要があると判断する構成としたが、消防車などの緊急車両を検出した際に、注意喚起する必要があると判断するようにしても良い。この場合、例えば、緊急用車両のサイレンに採用される特定周波数の音を図示しないマイクを介して取得した場合を条件として、注意喚起が必要であると判断する。
実施形態に係る警報装置の構成図である。 マーカー音と警報音の出力を説明する図である。 マーカー音と警報音の出力を説明する図である。 マーカー音と警報音の出力タイミングを説明する図である。 マーカー音と警報音の出力を説明する図である。 マーカー音と警報音の出力を説明する図である。 マーカー音と警報音の出力を説明する図である。 実施形態に係る警報装置における処理を説明するフローチャートである。 マーカー音と警報音の出力を説明する図である。 マーカー音の出力を説明する図である。
符号の説明
1 警報装置
10 対象物検知部
20 自己変位検知部
30 判断部
40 報知音生成部
41 警報音生成部
42 マーカー音生成部
43 設定部
44 出力タイミング設定部
50 変換部
60 出力部

Claims (10)

  1. 自車両の周囲において対象物を検知する対象物検知部と、
    前記対象物についての注意喚起の要否を判断する判断部と、
    注意喚起が必要と判断された場合に、注意喚起のための警報音を生成する警報音生成部と、
    前記警報音の出力を予告するマーカー音を生成するマーカー音生成部と、
    前記マーカー音の音像の位置を設定すると共に、前記マーカー音の音像の位置を始点として経時的に変位する警報音の音像の位置を設定する設定部と、
    それぞれ前記設定部で設定された音像の位置に、まず前記マーカー音を出力した後に、前記警報音を出力する出力部とを備え、
    前記警報音の音像の位置は、前記対象物の移動速度よりも早い速度で変位する
    ことを特徴とする警報装置。
  2. 自車両の変位を検知する自己変位検知部をさらに備え、
    前記判断部は、自車両の変位と前記対象物の変位とに基づいて、前記対象物についての注意喚起の要否を判断する
    ことを特徴とする請求項1に記載の警報装置。
  3. 前記設定部は、検知された対象物の位置を前記マーカー音の音像の位置として設定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の警報装置。
  4. 前記マーカー音は少なくとも2回出力されると共に、各マーカー音の音像の位置は所定距離離間した異なる位置に設定される
    ことを特徴とする請求項1に記載の警報装置。
  5. 前記警報音は、前記マーカー音に続けて出力される
    ことを特徴とする請求項1に記載の警報装置。
  6. 前記警報音は、前記マーカー音の出力の後、所定時間経過した後に出力される
    ことを特徴とする請求項1に記載の警報装置。
  7. 前記警報音は、単一周波数の音に変調を与えたゆらぎのある音である
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項のうちの何れか一項に記載の警報装置。
  8. 前記警報音の音像の位置は、前記対象物の変位方向と同じ方向に変位する
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項のうちの何れか一項に記載の警報装置。
  9. 前記警報音の音像の位置は、所定位置に向けて変位すると共に、前記所定位置に到達すると前記対象物の現在の位置に戻って再び前記所定位置に向けて変位する
    ことを特徴とする請求項に記載の警報装置。
  10. 自車両の周囲における対象物の存在を報知する方法であって、
    自車両の周囲において対象物を検知する対象物検知段階と、
    前記対象物についての注意喚起の要否を判断する判断段階と、
    注意喚起が必要と判断された場合に、注意喚起のための警報音を生成する警報音生成段階と、
    前記警報音の出力を予告するマーカー音を生成するマーカー音生成段階と、
    前記マーカー音の音像の位置を設定すると共に、前記マーカー音の音像の位置を始点として経時的に変化する警報音の音像の位置を設定する設定段階と、
    それぞれ前記設定段階で設定された音像位置に、まずマーカー音を出力した後に、前記警報音を出力する出力段階とを備え、
    前記警報音の音像の位置は、前記対象物の移動速度よりも早い速度で変位する
    を備えることを特徴とする方法。
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