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JP4913531B2 - 感光性組成物、感光性フィルム、感光性積層体、永久パターン形成方法、及びプリント基板 - Google Patents

感光性組成物、感光性フィルム、感光性積層体、永久パターン形成方法、及びプリント基板 Download PDF

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JP4913531B2 JP2006282316A JP2006282316A JP4913531B2 JP 4913531 B2 JP4913531 B2 JP 4913531B2 JP 2006282316 A JP2006282316 A JP 2006282316A JP 2006282316 A JP2006282316 A JP 2006282316A JP 4913531 B2 JP4913531 B2 JP 4913531B2
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Description

本発明は、高精細な永久パターンを効率よく形成可能な感光性組成物、感光性フィルム、感光性積層体、前記感光性積層体を用いた永久パターン形成方法、及び前記永久パターン形成方法により永久パターンが形成されるプリント基板に関する。
従来より、ソルダーレジストパターンなどの永久パターンを形成するに際して、支持体上に感光性組成物を塗布、乾燥することにより感光層を形成させた感光性フィルムが用いられている。
前記永久パターンの製造方法としては、例えば、前記永久パターンが形成される銅張積層板等の基体上に、前記感光性フィルムを積層させて積層体を形成し、該積層体における前記感光層に対して露光を行い、該露光後、前記感光層を現像してパターンを形成させ、その後硬化処理等を行うことにより前記永久パターンが形成される。
前記感光性組成物においては、得られるレジストパターンを、強酸溶液中に浸漬したり、低温下と高温下との間で所定時間ずつ何度も移し換えた場合であっても、クラックやハガレが生じない程度の耐クラック性が要求される。
このため、前記耐クラック性の向上を目的として、ε−カプロラクタム変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPCA)を重合性化合物に用いたソルダーレジスト用の感光性組成物が提案されている(特許文献1〜4参照)。
しかし、前記提案のように、DPCAを用いただけでは、低感度となってしまったり、用いる光重合開始剤によっては、生保存性が悪くなる問題があった。
一方、高感度な光重合開始剤としてオキシム誘導体を用いた、ソルダーレジスト用の感光性組成物が提案されている(特許文献5〜6参照)。
しかし、前記提案では、重合性化合物に変性品でないジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)を用いているため、重合性基の共有結合間距離が短く、前記感光性組成物によりフィルムを形成した場合に、露光ベーク後の伸びが悪い問題があった。
また、上記いずれの提案においても、解像度が十分でなく、特に、前記感光性組成物によりフィルムを形成した場合に、ラミネート後経時の解像度が極めて悪くなり易い問題があった。
したがって、高感度及び高解像度で、生保存性、露光ベーク後の伸び、及びラミネート後経時の解像度のいずれもが良好であり、高精細な永久パターンを効率よく形成可能な感光性組成物、感光性フィルム、前記感光性フィルムを用いたパターン形成方法、及び該永久パターン形成方法により永久パターンが形成されるプリント基板は未だ提供されておらず、更なる改良開発が望まれているのが現状である。
特開昭61−56344号公報 特開平1−253729号公報 特開2004−85738号公報 特開2004−189976号公報 特開2003−280193号公報 特開2005−182004号公報
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであり、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、高感度及び高解像度で、生保存性、露光ベーク後の伸び、及びラミネート後経時の解像度のいずれもが良好であり、高精細な永久パターンを効率よく形成可能な感光性組成物、感光性フィルム、感光性積層体、前記感光性積層体を用いたパターン形成方法、及び該永久パターン形成方法により永久パターンが形成されるプリント基板を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> バインダー、重合性化合物、光重合開始剤、及び熱架橋剤を含み、
前記重合性化合物が下記一般式(I)〜(III)のいずれかで表されるモノマーを含み、かつ前記光重合開始剤がオキシム誘導体を含むことを特徴とする感光性組成物。
ただし、前記一般式(I)〜(III)中、A〜Aは同一であってもよいし、異なっていてもよく、少なくとも1つは下記一般式(i)で表され、該一般式(i)で表される基以外は、水素原子又は下記一般式(ii)を表す。
ただし、前記一般式(i)及び一般式(ii)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Xは下記一般式(iii)〜(v)のいずれかを表し、nは1又は2の整数を表す。
ただし、前記一般式(iii)〜(v)中、Yは分岐していてもよいアルキレン基を表し、mは2〜6の整数を表す。
<2> 一般式(i)のXが、一般式(iv)で表される前記<1>に記載の感光性組成物である。
<3> オキシム誘導体が、下記一般式(IV)及び下記一般式(V)のいずれかで表される部分構造を有するか、又は下記一般式(VI)で表される化合物である前記<1>から<2>のいずれかに記載の感光性組成物である。
ただし、前記一般式(IV)及び一般式(V)中、Arは、芳香族基及び複素環基のいずれかを表す。Yは水素原子及び一価の置換基のいずれかを表し、Yは脂肪族基、芳香族基、複素環基、COY、CO、及びCONYのいずれかを表す。Y、Y、及びYは、脂肪族基、芳香族基、及び複素環基のいずれかを表す。mは1以上の整数を表す。
ただし、前記一般式(VI)中、Rは、置換基を有してもよい、アシル基、アルコキシカルボニル基、及びアリールオキシカルボニル基のいずれかを表す。mは、0以上の整数を表す。Rは、置換基を表し、mが2以上の場合、該Rは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。Arは、芳香族環及び複素芳香族環のいずれかを表す。Aは、4、5、6、及び7員環のいずれかを表し、これらの環は、それぞれへテロ原子を含んでもよい。
<4> 一般式(IV)及び(V)におけるArが、フェニル基及びナフチル基のいずれかを有する前記<3>に記載の感光性組成物である。
<5> 一般式(IV)及び(V)におけるArが、ナフチル基である前記<3>から<4>のいずれかに記載の感光性組成物である。
<6> バインダーがアルカリ可溶性である前記<1>から<5>のいずれかに記載の感光性組成物である。
<7> バインダーが、酸性基とエチレン性不飽和結合とを側鎖に有する高分子化合物を含む前記<1>から<6>のいずれかに記載の感光性組成物である。
<8> バインダーが、高分子化合物の酸性基の一部に環状エーテル基を含有する重合性化合物を触媒共存下で付加させたもの、及び高分子化合物の環状エーテル基の一部又は全部にカルボキシル基を含有する重合性化合物を触媒共存下で付加させたもののいずれかから選択された高分子化合物であり、前記触媒が酸性化合物及び中性化合物のいずれかから選択される前記<7>に記載の感光性組成物である。
<9> バインダーが、酸性基と、ヘテロ環を含んでもよい芳香族基と、エチレン性不飽和結合とを側鎖に有する高分子化合物を含む<1>から<8>のいずれかに記載の感光性組成物である。
<10> 高分子化合物が、エチレン性不飽和結合を0.5〜3.0meq/g含有する前記<1>から<9>のいずれかに記載の感光性組成物である。
<11> 高分子化合物が、側鎖にカルボキシル基を有し、前記カルボキシル基の高分子化合物における含有量が1.0〜4.0meq/gである前記<1>から<10>のいずれかに記載の感光性組成物である。
<12> 高分子化合物の質量平均分子量が10,000以上100,000未満である<1>から<11>のいずれかに記載の感光性組成物である。
<13> 高分子化合物が、下記一般式(A−1)で表される構造単位を20mol%以上含有する<1>から<12>のいずれかに記載の感光性組成物である。
ただし、前記一般式(A−1)中、R、R、及びRは水素原子又は1価の有機基を表す。Lは有機基を表し、なくてもよい。Arはヘテロ環を含んでもよい芳香族基を表す。
<14> 熱架橋剤が、エポキシ化合物、オキセタン化合物、ポリイソシアネート化合物、ポリイソシアネート化合物にブロック剤を反応させて得られる化合物、及びメラミン誘導体から選択される少なくとも1種である前記<1>から<13>のいずれかに記載の感光性組成物である。
<15> 熱架橋剤がアルカリ不溶性である前記<14>に記載の感光性組成物である。
<16> 増感剤を含む<1>から<15>のいずれかに記載の感光性組成物である。
<17> 増感剤がヘテロ縮環系化合物を含む前記<16>に記載の感光性組成物である。
<18> ヘテロ縮環系化合物がチオキサントン化合物である前記<17>に記載の感光性組成物である。
<19> 前記<1>から<18>のいずれかに記載の感光性組成物からなる感光層を支持体上に有してなることを特徴とする感光性フィルムである。
<20> 支持体が、合成樹脂を含み、かつ透明である前記<19>に記載の感光性フィルムである。
<21> 支持体が長尺状である前記<19>から<20>のいずれかに記載の感光性フィルムである。
<22> 長尺状であり、ロール状に巻かれてなる前記<19>から<21>のいずれかに記載の感光性フィルムである。
<23> 感光性フィルムにおける感光層上に保護フィルムを有する前記<19>から<22>のいずれかに記載の感光性フィルムである。
<24> 前記<1>から<18>のいずれかに記載の感光性組成物からなる感光層を基体上に有してなることを特徴とする感光性積層体である。
<25> 感光層が、前記<19>から<23>のいずれかに記載の感光性フィルムにより形成された前記<24>に記載の感光性積層体である。
<26> 感光層の厚みが1〜100μmである前記<24>から<25>のいずれかに記載の感光性積層体である。
<27> 前記<24>から<26>のいずれかに記載の感光性積層体における感光層に対して露光を行うことを含むことを特徴とする永久パターン形成方法
<28> 露光が、フォトマスクを用いずに行なわれる前記<27>に記載の永久パターン形成方法である。
<29> 露光が、露光光と感光層とを相対的に移動させながら行われる前記<27>から<28>のいずれかに記載の永久パターン形成方法である。
<30> 露光が、光照射手段、及び光変調手段を少なくとも備えた露光ヘッドと、前記感光層との少なくとも何れかを移動させつつ、前記感光層に対して、前記光照射手段から出射された光を前記光変調手段によりパターン情報に応じて変調しながら前記露光ヘッドから照射して行なわれる前記<28>から<29>のいずれかに記載の永久パターン形成方法である。
<31> 光変調手段が、n個の描素部の中から連続的に配置された任意のn個未満の前記描素部をパターン情報に応じて制御可能である前記<30>に記載の永久パターン形成方法である。
<32> 光変調手段が、空間光変調素子である前記<30>から<31>のいずれかに記載の永久パターン形成方法である。
<33> 空間光変調素子が、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)である前記<32>に記載の永久パターン形成方法である。
<34> 露光が、アパーチャアレイを通して行われる前記<30>から<33>のいずれかに記載の永久パターン形成方法である。
<35> 光照射手段が、2以上の光を合成して照射可能である前記<30>から<34>のいずれかに記載の永久パターン形成方法である。
<36> 光照射手段が、複数のレーザと、マルチモード光ファイバと、該複数のレーザからそれぞれ照射されたレーザビームを集光して前記マルチモード光ファイバに結合させる集合光学系とを備える前記<30>から<35>のいずれかに記載の永久パターン形成方法である。
<37> 露光が、350〜420nmの波長のレーザ光を用いて行われる前記<27>から<36>のいずれかに記載の永久パターン形成方法である。
<38> 露光が行われた後、感光層の現像を行う前記<27>から<37>のいずれかに記載の永久パターン形成方法である。
<39> 前記<27>から<38>のいずれかに記載のパターン形成方法により形成されることを特徴とする永久パターンである。
<40> 保護膜、層間絶縁膜、及びソルダーレジストパターンの少なくともいずれかである前記<39>に記載のパターンである。
<41> 前記<27>から<38>のいずれかに記載の永久パターン形成方法により、永久パターンが形成されることを特徴とするプリント基板である。
本発明の感光性組成物、パターン形成材料、及び感光性積層体は、バインダー、重合性化合物、光重合開始剤、及び熱架橋剤を含み、前記重合性化合物が前記所定の一般式で表されるモノマーを含み、かつ前記光重合開始剤がオキシム誘導体を含む。このため、高感度及び高解像度で、生保存性、露光ベーク後の伸び、及びラミネート後経時の解像度のいずれもが良好であり、高精細な永久パターンを効率よく形成できる。
本発明のパターン形成方法は、本発明の前記感光性積層体を用いたため、高感度及び高解像度で、生保存性、露光ベーク後の伸び、及びラミネート後経時の解像度のいずれもが良好であり、高精細な永久パターンを形成できる。特に、フォトマスクを使用しないで直接パターン化を行うことにより、高生産に永久パターンを形成できる。
本発明によると、従来における問題を解決することができ、高感度及び高解像度で、生保存性、露光ベーク後の伸び、及びラミネート後経時の解像度のいずれもが良好であり、高精細な永久パターンを効率よく形成可能な感光性組成物、感光性フィルム、感光性積層体、前記感光性積層体を用いたパターン形成方法、及び該永久パターン形成方法により永久パターンが形成されるプリント基板を提供することができる。
(感光性組成物)
本発明の感光性組成物は、バインダー、重合性化合物、光重合開始剤、及び熱架橋剤を少なくとも含み、好ましくは、増感剤を含み、更に必要に応じ、着色顔料、体質顔料、熱硬化剤(熱架橋剤の硬化促進剤)、界面活性剤などのその他の成分を含む。なお、本明細書において、「(メタ)アクリロイル」とは、アクロイルとメタアクリロイルを総称する用語であり、他の類似の表現についても同様である。
<重合性化合物>
前記重合性化合物は、下記一般式(I)〜(III)のいずれかで表されるモノマーを含む。なお、本発明において「重合性化合物」とは、バインダーに含まれ得る重合性化合物は包含しないものとする。
ただし、前記一般式(I)〜(III)中、A〜Aは同一であってもよいし、異なっていてもよく、少なくとも1つは下記一般式(i)で表され、該一般式(i)で表される基以外は、水素原子又は下記一般式(ii)を表す。
ただし、前記一般式(i)及び一般式(ii)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Xは下記一般式(iii)〜(v)のいずれかを表し、nは1又は2の整数を表す。
ただし、前記一般式(iii)〜(v)中、Yは分岐していてもよいアルキレン基を表し、mは2〜6の整数を表す。
前記一般式(i)で表されるモノマーの中では、高感度である観点からは、Xが一般式(iv)で表されるモノマーが好ましい。
前記一般式(I)で表されるモノマーの合成方法としては、例えば、ジペンタエリスリトールにε−カプロラクトンを反応させ、次いで(メタ)アクリル酸を反応させて得る方法などが挙げられる。
前記ジペンタエリスリトールとε−カプロラクトンとの反応mol比は、特に制限はないが、例えば、前記ジペンタエリスリトール1molに対し、前記ε−カプロラクトンが、2〜12molの範囲であることが好ましく、6〜12molの範囲であることがより好ましい。前記ジペンタエリスリトール1molに対し、前記ε−カプロラクトンが、2mol未満であると、得られるレジスト像の耐クラック性が悪化することがあり、12molを超えると、低感度となることがある。
前記一般式(I)で表されるモノマーの市販品としては、例えば、日本化薬社製KAYARADシリーズの、DPCA−20、DPCA−30、DPCA−60、DPCA−120、DPEA−12、などが挙げられる。前記市販品の中でも、前記Xが一般式(iv)で表されるモノマーとして、DPEA−12、DPCA−30が好適に挙げられる。
前記一般式(II)で表されるモノマーの市販品としては、例えば、日本化薬社製KAYARADシリーズの、T−1420、RP−1040、などが挙げられる。
前記一般式(III)で表されるモノマーの市販品としては、例えば、日本化薬社製KAYARADシリーズの、D−330、GPO−303、TMPTA、THE−330、TPA−320、TPA−330、PET−30、などが挙げられる。
−その他の重合性化合物−
前記重合性化合物としては、前記一般式(I)〜(III)のいずれかで表されるモノマーの他に、その他の重合性化合物を併用してもよい。
前記その他の重合性化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、分子中に少なくとも1個の付加重合可能な基を有し、沸点が常圧で100℃以上である化合物が好ましく、例えば、(メタ)アクリル基を有するモノマーから選択される少なくとも1種が好適に挙げられる。
前記(メタ)アクリル基を有するモノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の単官能アクリレートや単官能メタクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールペンタ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)シアヌレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンやグリセリン、ビスフェノール等の多官能アルコールに、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加反応した後で(メタ)アクリレート化したもの、特公昭48−41708号、特公昭50−6034号、特開昭51−37193号等の各公報に記載されているウレタンアクリレート類;特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号等の各公報に記載されているポリエステルアクリレート類;エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能アクリレートやメタクリレートなどが挙げられる。これらの中でも、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールペンタ(メタ)アクリレートが特に好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記重合性化合物の前記感光性組成物固形分中の固形分含有量は、5〜50質量%が好ましく、10〜40質量%がより好ましい。該固形分含有量が5質量%未満であると、現像性の悪化、露光感度の低下などの問題を生ずることがあり、50質量%を超えると、感光層の粘着性が強くなりすぎることがある。
<光重合開始剤>
前記光重合開始剤としては、オキシム誘導体を含む。前記オキシム誘導体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、少なくとも芳香族基を有する化合物であることが好ましく、下記一般式(IV)及び下記一般式(V)のいずれかで表される部分構造を有する化合物であることがより好ましい。前記オキシム誘導体は、2種以上を併用してもよい。
ただし、前記一般式(IV)及び一般式(V)中、Arは、芳香族基及び複素環基のいずれかを表す。Yは水素原子及び一価の置換基のいずれかを表し、Yは脂肪族基、芳香族基、複素環基、COY、CO、及びCONYのいずれかを表す。Y、Y、及びYは、脂肪族基、芳香族基、及び複素環基のいずれかを表す。mは1以上の整数を表す。
前記Yとしては、水素原子、脂肪族基、及び芳香族基のいずれかであることが好ましい。
前記Yとしては、脂肪族基、−CO−(脂肪族基)、−CO−(芳香族基)、−CO−(複素環基)、−CO−(脂肪族基)、−CO−(芳香族基)、及び−CO−(複素環基)のいずれかであることが好ましい。
前記Y及びYとしては、脂肪族基及び芳香族基のいずれかであることが好ましい。
前記オキシム誘導体としては、前記一般式(IV)及び前記一般式(V)で表される構造が、連結基を介して複数結合してなる化合物であってもよい。
なお、前記一般式(IV)及び前記一般式(V)中、前記脂肪族基は、それぞれ置換基を有していてもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基を表し、前記芳香族基は、それぞれ置換基を有していてもよいアリール基、複素環(ヘテロ環)基を表し、前記1価の置換基としては、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアミノ基、アルコキシカルボニル基、水酸基、エーテル基、チオール基、チオエーテル基、シリル基、ニトロ基、シアノ基、それぞれ置換基を有していてもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基を表す。
前記芳香族基としては、1個から3個のベンゼン環が縮合環を形成したもの、ベンゼン環と5員不飽和環が縮合環を形成したものを挙げることができ、具体例としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、インデニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基を挙げることができ、中でも、フェニル基及びナフチル基のいずれかを有する基が好ましく、ナフチル基を有する基が特に好ましい。
また、これらの芳香族基は置換基を有していてもよく、そのような置換基としては、水素原子を除く一価の非金属原子団からなる基が挙げられる。例えば、後述のアルキル基、置換アルキル基、又は置換アルキル基における置換基として示したものなどを挙げることができる。
また、前記複素環(ヘテロ環)基としては、ピロール環基、フラン環基、チオフェン環基、ベンゾピロール環基、ベンゾフラン環基、ベンゾチオフェン環基、ピラゾール環基、イソキサゾール環基、イソチアゾール環基、インダゾール環基、ベンゾイソキサゾール環基、ベンゾイソチアゾール環基、イミダゾール環基、オキサゾール環基、チアゾール環基、ベンズイミダゾール環基、ベンズオキサゾール環基、ベンゾチアゾール環基、ピリジン環基、キノリン環基、イソキノリン環基、ピリダジン環基、ピリミジン環基、ピラジン環基、フタラジン環基、キナゾリン環基、キノキサリン環基、アシリジン環基、フェナントリジン環基、カルバゾール環基、プリン環基、ピラン環基、ピペリジン環基、ピペラジン環基、モルホリン環基、インドール環基、インドリジン環基、クロメン環基、シンノリン環基、アクリジン環基、フェノチアジン環基、テトラゾール環基、トリアジン環基等が挙げられ、中でも、フラン環基、チオフェン環基、イミダゾール環基、チアゾール環基、ベンゾチアゾール環基、ピリジン環基、インドール環基、アクリジン環基が特に好ましい。
また、これらの複素環基は置換基を有していてもよく、そのような置換基としては、水素原子を除く1価の非金属原子団からなる基が挙げられる。例えば、後述のアルキル基、置換アルキル基、又は置換アルキル基における置換基として示したものを挙げることができる。
前記1価の置換基としては、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアミノ基、アルコキシカルボニル基、水酸基、エーテル基、チオール基、チオエーテル基、シリル基、ニトロ基、シアノ基、それぞれ置換基を有していてもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基が好ましい。
また、前記非金属原子からなる1価の置換基としては、それぞれ置換基を有していてもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基が好ましい。
前記置換基を有していてもよいアルキル基としては、炭素原子数が1から20までの直鎖状、分岐状、及び環状のアルキル基が挙げられ、その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、2−ノルボルニル基を挙げられる。これらの中では、炭素原子数1から12までの直鎖状、炭素原子数3から12までの分岐状、並びに炭素原子数5から10までの環状のアルキル基がより好ましい。
前記置換基を有していてもよいアルキル基の置換基としては、水素原子を除く一価の非金属原子からなる置換基が挙げられ、好ましい例としては、ハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルジチオ基、アリールジチオ基、アミノ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、N,N−ジアルキルカルバモイルオキシ基、N,N−ジアリールカルバモイルオキシ基、N−アルキル−N−アリールカルバモイルオキシ基、アルキルスルホキシ基、アリールスルホキシ基、アシルチオ基、アシルアミノ基、N−アルキルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基、ウレイド基、N’−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアルキルウレイド基、N’−アリールウレイド基、N’,N’−ジアリールウレイド基、N’−アルキル−N’−アリールウレイド基、N−アルキルウレイド基、N−アリールウレイド基、N’−アルキル−N−アルキルウレイド基、N’−アルキル−N−アリールウレイド基、N’,N’−ジアルキル−N−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアルキル−N−アリールウレイド基、N’−アリール−N−アルキルウレイド基、N’−アリール−N−アリールウレイド基、N’,N’−ジアリール−N−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアリール−N−アリールウレイド基、N’−アルキル−N’−アリール−N−アルキルウレイド基、N’−アルキル−N’−アリール−N−アリールウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N,N−ジアリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホ基(−SOH)及びその共役塩基基(スルホナト基と称す)、アルコキシスルホニル基、アリーロキシスルホニル基、スルフィナモイル基、N−アルキルスルフィナモイル基、N,N−ジアルキルスルフィイナモイル基、N−アリールスルフィナモイル基、N,N−ジアリールスルフィナモイル基、N−アルキル−N−アリールスルフィナモイル基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N,N−ジアリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、ホスホノ基(−PO)およびその共役塩基基(ホスホナト基と称す)、ジアルキルホスホノ基(−PO(alkyl))「alkyl=アルキル基、以下同」、ジアリールホスホノ基(−PO(aryl))「aryl=アリール基、以下同」、アルキルアリールホスホノ基(−PO(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスホノ基(−PO(alkyl))及びその共役塩基基(アルキルホスホナト基と称す)、モノアリールホスホノ基(−POH(aryl))及びその共役塩基基(アリールホスホナト基と称す)、ホスホノオキシ基(−OPO)及びその共役塩基基(ホスホナトオキシ基と称す)、ジアルキルホスホノオキシ基(−OPOH(alkyl))、ジアリールホスホノオキシ基(−OPO3(aryl))、アルキルアリールホスホノオキシ基(−OPO(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスホノオキシ基(−OPOH(alkyl))及びその共役塩基基(アルキルホスホナトオキシ基と称す)、モノアリールホスホノオキシ基(−OPOH(aryl))及びその共役塩基基(アリールホスホナトオキシ基と称す)、シアノ基、ニトロ基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロ環基、シリル基等が挙げられる。
これらの置換基におけるアルキル基の具体例としては、前述のアルキル基が挙げられ、前記置換基におけるアリール基の具体例としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、クロロメチルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、フェノキシフェニル基、アセトキシフェニル基、ベンゾイロキシフェニル基、メチルチオフェニル基、フェニルチオフェニル基、メチルアミノフェニル基、ジメチルアミノフェニル基、アセチルアミノフェニル基、カルボキシフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、エトキシフェニルカルボニル基、フェノキシカルボニルフェニル基、N−フェニルカルバモイルフェニル基、シアノフェニル基、スルホフェニル基、スルホナトフェニル基、ホスホノフェニル基、ホスホナトフェニル基等が挙げられる。
また、前記置換基におけるアルケニル基の例としては、ビニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、シンナミル基、2−クロロ−1−エテニル基等が挙げられ、前記置換基におけるアルキニル基の例としては、エチニル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、トリメチルシリルエチニル基等が挙げられる。
前記置換基におけるヘテロ環基としては、例えば、ピリジル基、ピペリジニル基、などが挙げられる。
前記置換基におけるシリル基としてはトリメチルシリル基等が挙げられる。
前記置換基にはアシル基(R01CO−)を含んでいてもよく、該アシル基としては、該R01が、例えば、水素原子、上記のアルキル基、アリール基のものなどが挙げられる。
アシル基(R01CO−)のR01としては、水素原子、並びに前記アルキル基、アリール基が挙げられる。これらの置換基の内、更により好ましいものとしては、ハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、アシルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、アシルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、スルホ基、スルホナト基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、ホスホノ基、ホスホナト基、ジアルキルホスホノ基、ジアリールホスホノ基、モノアルキルホスホノ基、アルキルホスホナト基、モノアリールホスホノ基、アリールホスホナト基、ホスホノオキシ基、ホスホナトオキシ基、アリール基、アルケニル基が挙げられる。
一方、置換アルキル基におけるアルキレン基としては、前述の炭素数1から20までのアルキル基上の水素原子のいずれか1つを除し、2価の有機残基としたものを挙げることができ、好ましくは炭素原子数1から12までの直鎖状、炭素原子数3から12までの分岐状ならびに炭素原子数5から10までの環状のアルキレン基が挙げられる。このような置換基とアルキレン基を組み合わせることで得られる置換アルキル基の、好ましい具体例としては、クロロメチル基、ブロモメチル基、2−クロロエチル基、トリフルオロメチル基、メトキシメチル基、イソプロポキシメチル基、ブトキシメチル基、s−ブトキシブチル基、メトキシエトキシエチル基、アリルオキシメチル基、フェノキシメチル基、メチルチオメチル基、トリルチオメチル基、ピリジルメチル基、テトラメチルピペリジニルメチル基、N−アセチルテトラメチルピペリジニルメチル基、トリメチルシリルメチル基、メトキシエチル基、エチルアミノエチル基、ジエチルアミノプロピル基、モルホリノプロピル基、アセチルオキシメチル基、ベンゾイルオキシメチル基、N−シクロヘキシルカルバモイルオキシエチル基、N−フェニルカルバモイルオキシエチル基、アセチルアミノエチル基、N−メチルベンゾイルアミノプロピル基、2−オキソエチル基、2−オキソプロピル基、カルボキシプロピル基、メトキシカルボニルエチル基、アリルオキシカルボニルブチル基、クロロフェノキシカルボニルメチル基、カルバモイルメチル基、N−メチルカルバモイルエチル基、N,N−ジプロピルカルバモイルメチル基、N−(メトキシフェニル)カルバモイルエチル基、N−メチル−N−(スルホフェニル)カルバモイルメチル基、スルホブチル基、スルホナトブチル基、スルファモイルブチル基、N−エチルスルファモイルメチル基、N,N−ジプロピルスルファモイルプロピル基、N−トリルスルファモイルプロピル基、N−メチル−N−(ホスホノフェニル)スルファモイルオクチル基、ホスホノブチル基、ホスホナトヘキシル基、ジエチルホスホノブチル基、ジフェニルホスホノプロピル基、メチルホスホノブチル基、メチルホスホナトブチル基、トリルホスホノヘキシル基、トリルホスホナトヘキシル基、ホスホノオキシプロピル基、ホスホナトオキシブチル基、ベンジル基、フェネチル基、α−メチルベンジル基、1−メチル−1−フェニルエチル基、p−メチルベンジル基、シンナミル基、アリル基、1−プロペニルメチル基、2−ブテニル基、2−メチルアリル基、2−メチルプロペニルメチル基、2−プロピニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基等が挙げられる。
前記アリール基としては、1個から3個のベンゼン環が縮合環を形成したもの、ベンゼン環と5員不飽和環が縮合環を形成したものを挙げることができ、具体例としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、インデニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基が挙げられ、これらの中では、フェニル基、ナフチル基がより好ましい。
前記置換アリール基としては、前述のアリール基の環形成炭素原子上に置換基として、水素原子を除く一価の非金属原子団からなる基を有するものが用いられる。好ましい置換基の例としては前述のアルキル基、置換アルキル基、ならびに、先に置換アルキル基における置換基として示したものを挙げられる。
前記置換アリール基の好ましい具体例としては、ビフェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基、クロロメチルフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル基、メトキシエトキシフェニル基、アリルオキシフェニル基、フェノキシフェニル基、メチルチオフェニル基、トリルチオフェニル基、エチルアミノフェニル基、ジエチルアミノフェニル基、モルホリノフェニル基、アセチルオキシフェニル基、ベンゾイルオキシフェニル基、N−シクロヘキシルカルバモイルオキシフェニル基、N−フェニルカルバモイルオキシフェニル基、アセチルアミノフェニル基、N−メチルベンゾイルアミノフェニル基、カルボキシフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、アリルオキシカルボニルフェニル基、クロロフェノキシカルボニルフェニル基、カルバモイルフェニル基、N−メチルカルバモイルフェニル基、N,N−ジプロピルカルバモイルフェニル基、N−(メトキシフェニル)カルバモイルフェニル基、N−メチル−N−(スルホフェニル)カルバモイルフェニル基、スルホフェニル基、スルホナトフェニル基、スルファモイルフェニル基、N−エチルスルファモイルフェニル基、N,N−ジプロピルスルファモイルフェニル基、N−トリルスルファモイルフェニル基、N−メチル−N−(ホスホノフェニル)スルファモイルフェニル基、ホスホノフェニル基、ホスホナトフェニル基、ジエチルホスホノフェニル基、ジフェニルホスホノフェニル基、メチルホスホノフェニル基、メチルホスホナトフェニル基、トリルホスホノフェニル基、トリルホスホナトフェニル基、アリルフェニル基、1−プロペニルメチルフェニル基、2−ブテニルフェニル基、2−メチルアリルフェニル基、2−メチルプロペニルフェニル基、2−プロピニルフェニル基、2−ブチニルフェニル基、3−ブチニルフェニル基等が挙げられる。
前記アルケニル基、前記置換アルケニル基、前記アルキニル基、及び前記置換アルキニル基(−C(R02)=C(R03)(R04)、及び−C≡C(R05))としては、R02、R03、R04、R05が一価の非金属原子からなる基のものが使用できる。
02、R03、R04、R05としては、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、及び置換アリール基が好ましく、これらの具体例としては、前述の例として示したものを挙げることができる。これらの中でも、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1から10までの直鎖状、分岐状、環状のアルキル基がより好ましい。
具体的には、ビニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、1−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、1−オクテニル基、1−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−1−ブテニル基、2−フェニル−1−エテニル基、2−クロロ−1−エテニル基、エチニル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、フェニルエチニル基等が挙げられる。
ヘテロ環基としては、置換アルキル基の置換基として例示したピリジル基等が挙げられる。
上記置換オキシ基(R06O−)としては、R06が水素原子を除く一価の非金属原子からなる基であるものを用いることができる。好ましい置換オキシ基としては、アルコキシ基、アリーロキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、N,N−ジアルキルカルバモイルオキシ基、N,N−ジアリールカルバモイルオキシ基、N−アルキル−N−アリールカルバモイルオキシ基、アルキルスルホキシ基、アリールスルホキシ基、ホスホノオキシ基、ホスホナトオキシ基が挙げられる。これらにおけるアルキル基、ならびにアリール基としては前述のアルキル基、置換アルキル基ならびに、アリール基、置換アリール基として示したものを挙げることができる。また、アシルオキシ基におけるアシル基(R07CO−)としては、R07が、先の例として挙げたアルキル基、置換アルキル基、アリール基、並びに置換アリール基のものが挙げられる。これらの置換基の中では、アルコキシ基、アリーロキシ基、アシルオキシ基、アリールスルホキシ基がより好ましい。好ましい置換オキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ドデシルオキシ基、ベンジルオキシ基、アリルオキシ基、フェネチルオキシ基、カルボキシエチルオキシ基、メトキシカルボニルエチルオキシ基、エトキシカルボニルエチルオキシ基、メトキシエトキシ基、フェノキシエトキシ基、メトキシエトキシエトキシ基、エトキシエトキシエトキシ基、モルホリノエトキシ基、モルホリノプロピルオキシ基、アリロキシエトキシエトキシ基、フェノキシ基、トリルオキシ基、キシリルオキシ基、メシチルオキシ基、メシチルオキシ基、クメニルオキシ基、メトキシフェニルオキシ基、エトキシフェニルオキシ基、クロロフェニルオキシ基、ブロモフェニルオキシ基、アセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、ナフチルオキシ基、フェニルスルホニルオキシ基、ホスホノオキシ基、ホスホナトオキシ基等が挙げられる。
アミド基も含む置換アミノ基(R08NH−、(R09)(R010)N−)としては、R08、R09、R010が水素原子を除く一価の非金属原子団からなる基のものを使用できる。なおR09とR010とは結合して環を形成してもよい。置換アミノ基の好ましい例としては、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、アシルアミノ基、N−アルキルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基、ウレイド基、N’−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアルキルウレイド基、N’−アリールウレイド基、N’,N’−ジアリールウレイド基、N’−アルキル−N’−アリールウレイド基、N−アルキルウレイド基、N−アリールウレイド基、N’−アルキル−N−アルキルウレイド基、N’−アルキル−N−アリールウレイド基、N’,N’−ジアルキル−N−アルキルウレイド基、N’−アルキル−N’−アリールウレイド基、N’,N’−ジアルキル−N−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアルキル−N’−アリールウレイド基、N’−アリール−N−アルキルウレイド基、N’−アリール−N−アリールウレイド基、N’,N’−ジアリール−N−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアリール−N−アリールウレイド基、N’−アルキル−N’−アリール−N−アルキルウレイド基、N’−アルキル−N’−アリール−N−アリールウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アリーロキシカルボニルアミノ基が挙げられる。これらにおけるアルキル基、アリール基としては前述のアルキル基、置換アルキル基、並びにアリール基、置換アリール基として示したものが挙げられ、アシルアミノ基、N−アルキルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基おけるアシル基(R07CO−)のR07は前述のとおりである。これらの内、より好ましいものとしては、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、アシルアミノ基が挙げられる。好ましい置換アミノ基の具体例としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、モルホリノ基、ピペリジノ基、ピロリジノ基、フェニルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、アセチルアミノ基等が挙げられる。
置換スルホニル基(R011−SO2−)としては、R011が一価の非金属原子団からなる基のものを使用できる。より好ましい例としては、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基を挙げることができる。これらにおけるアルキル基、アリール基としては前述のアルキル基、置換アルキル基、ならびにアリール基、置換アリール基として示したものが挙げられる。このような、置換スルホニル基の具体例としては、ブチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、クロロフェニルスルホニル基等が挙げられる。
スルホナト基(−SO )は前述のとおり、スルホ基(−SOH)の共役塩基陰イオン基を意味し、通常は対陽イオンとともに使用されるのが好ましい。このような対陽イオンとしては、一般に知られるもの、すなわち、種々のオニウム類(アンモニウム類、スルホニウム類、ホスホニウム類、ヨードニウム類、アジニウム類等)、ならびに金属イオン類(Na、K、Ca2+、Zn2+等)が挙げられる。
置換カルボニル基(R013−CO−)としては、R013が一価の非金属原子からなる基のものを使用できる。置換カルボニル基の好ましい例としては、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N,N−ジアリールカルバモイル基、N−アルキル−N’−アリールカルバモイル基が挙げられる。これらにおけるアルキル基、アリール基としては前述のアルキル基、置換アルキル基、ならびにアリール基、置換アリール基として示したものを挙げることができる。これらの内、より好ましい置換カルボニル基としては、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基が挙げられ、さらにより好ましいものとしては、ホルミル基、アシル基、アルコキシカルボニル基ならびにアリーロキシカルボニル基が挙げられる。好ましい置換カルボニル基の具体例としては、ホルミル基、アセチル基、ベンゾイル基、カルボキシル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、ジメチルアミノフェニルエテニルカルボニル基、メトキシカルボニルメトキシカルボニル基、N−メチルカルバモイル基、N−フェニルカルバモイル基、N,N−ジエチルカルバモイル基、モルホリノカルボニル基等が挙げられる。
置換スルフィニル基(R014−SO−)としてはR014が一価の非金属原子団からなる基のものを使用できる。好ましい例としては、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、スルフィナモイル基、N−アルキルスルフィナモイル基、N,N−ジアルキルスルフィナモイル基、N−アリールスルフィナモイル基、N,N−ジアリールスルフィナモイル基、N−アルキル−N−アリールスルフィナモイル基が挙げられる。これらにおけるアルキル基、アリール基としては前述のアルキル基、置換アルキル基、ならびにアリール基、置換アリール基として示したものを挙げることができる。これらの内、より好ましい例としてはアルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基が挙げられる。このような置換スルフィニル基の具体例としては、ヘキシルスルフィニル基、ベンジルスルフィニル基、トリルスルフィニル基等が挙げられる。
置換ホスホノ基とはホスホノ基上の水酸基の一つもしくは二つが他の有機オキソ基によって置換されたものを意味し、好ましい例としては、前述のジアルキルホスホノ基、ジアリールホスホノ基、アルキルアリールホスホノ基、モノアルキルホスホノ基、モノアリールホスホノ基が挙げられる。これらの中ではジアルキルホスホノ基、ならびにジアリールホスホノ基がより好ましい。このような具体例としては、ジエチルホスホノ基、ジブチルホスホノ基、ジフェニルホスホノ基等が挙げられる。
ホスホナト基(−PO 、−PO)とは前述のとおり、ホスホノ基(−PO)の、酸第一解離もしくは、酸第二解離に由来する共役塩基陰イオン基を意味する。通常は対陽イオンと共に使用されるのが好ましい。このような対陽イオンとしては、一般に知られるもの、すなわち、種々のオニウム類(アンモニウム類、スルホニウム類、ホスホニウム類、ヨードニウム類、アジニウム類等)、ならびに金属イオン類(Na、K、Ca2+、Zn2+等)が挙げられる。
置換ホスホナト基とは前述の置換ホスホノ基の内、水酸基を一つ有機オキソ基に置換したものの共役塩基陰イオン基であり、具体例としては、前述のモノアルキルホスホノ基(−POH(alkyl))、モノアリールホスホノ基(−POH(aryl))の共役塩基が挙げられる。
前記オキシム誘導体のその他の具体的な例としては、例えば、特開2001−233842号公報、特表2004−534797号公報、及び特表2002−519732号公報等に開示された化合物、並びに下記構造式で表される化合物などが挙げられる。
上記構造式中、Rは、n−C、n−C17、カンファー、及びp−CHのいずれかを表す。
上記構造式中、Rは、n−C、及びp−CHのいずれかを表す。
前記オキシム化合物としては、下記一般式(VI)で表されるオキシム化合物も好適に用いられる。
ただし、前記一般式(VI)中、Rは、置換基を有してもよい、アシル基、アルコキシカルボニル基、及びアリールオキシカルボニル基のいずれかを表す。mは、0以上の整数を表す。Rは、置換基を表し、mが2以上の場合、該Rは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。Arは、芳香族環及び複素芳香族環のいずれかを表す。Aは、4、5、6、及び7員環のいずれかを表し、これらの環は、それぞれへテロ原子を含んでもよい。
前記一般式(VI)で表されるオキシム化合物の中でも、下記一般式(VII)で表される化合物がより好ましく、下記一般式(VIII)及び(IX)のいずれかで表される化合物が特に好ましい。
ただし、前記一般式(VII)中、R、R、m、及びArは、一般式(VI)におけるのと同じ意を表す。Xは、O、及びSのいずれかを表す。Aは、5及び6員環のいずれかを表す。
ただし、前記一般式(VIII)及び一般式(IX)中、Rは、置換基を有してもよい、アルキル基を表す。lは、0〜6のいずれかの整数を表す。Rは、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、スルホニル基、及びアシルオキシ基のいずれかを表し、lが2以上の場合、該Rは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。X及びAは、一般式(VII)と同じ意を表す。
前記一般式(VI)及び(VII)中、前記Rで表されるアシル基としては、脂肪族、芳香族、及び複素環のいずれでもよく、更に置換基を有してもよい。
前記脂肪族のアシル基としては、例えば、アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、ヘキサノイル基、デカノイル基、フェノキシアセチル基、クロロアセチル基、などが挙げられる。前記芳香族のアシル基としては、例えば、ベンゾイル基、ナフトイル基、メトキシベンゾイル基、ニトロベンゾイル基、などが挙げられる。前記複素環のアシル基としては、例えば、フラノイル基、チオフェノイル基、などが挙げられる。前記置換基としては、例えば、アルコキシ基、アリールオキシ基、及びハロゲン原子のいずれかが好ましい。
前記アシル基としては、総炭素原子数2〜30のものが好ましく、総炭素原子数2〜20のものがより好ましく、総炭素原子数2〜16のものが特に好ましい。このようなアシル基としては、例えば、アセチル基、プロパノイル基、メチルプロパノイル基、ブタノイル基、ピバロイル基、ヘキサノイル基、シクロヘキサンカルボニル基、オクタノイル基、デカノイル基、ドデカノイル基、オクタデカノイル基、ベンジルカルボニル基、フェノキシアセチル基、2エチルヘキサノイル基、クロロアセチル基、ベンゾイル基、パラメトキシベンゾイル基、2,5−ジブトキシベンゾイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基、ピリジルカルボニル基、フラノイル基、チオフェノイル基、メタクリロイル基、アクリロイル基、などが挙げられる。
前記一般式(VI)及び(VII)中、前記Rで表されるアルキルオキシカルボニル基としては、置換基を有していてもよく、総炭素原子数が2〜30のアルコキシカルボニル基が好ましく、総炭素原子数2〜20のものがより好ましく、総炭素原子数2〜16のものが特に好ましい。このようなアルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニルブトキシカルボニル基、イソブチルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基、エトキシエトキシカルボニル基、などが挙げられる。
前記一般式(VI)及び(VII)中、前記Rで表されるアリールオキシカルボニル基としては、置換基を有していてもよく、総炭素原子数7〜30のアルコキシカルボニル基が好ましく、総炭素原子数7〜20のものがより好ましく、総炭素原子数7〜16のものが特に好ましい。この様なアリールオキシカルボニル基としては、例えば、フェノキシカルボニル基、2−ナフトキシカルボニル基、パラメトキシフェノキシカルボニル基、2,5−ジエトキシフェノキシカルボニル基、パラクロロフェノキシカルボニル基、パラニトロフェノキシカルボニル基、パラシアノフェノキシカルボニル基、などが挙げられる。
前記一般式(VI)及び(VII)中、Rで表される置換基としては、特に制限はなく、例えば、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、スルホニル基、アシルオキシ基、ニトロ基、アシルアミノ基、などが挙げられる。これらの中でも、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、スルホニル基、及びアシルオキシ基のいずれかが好ましい。
ここで、前記一般式(VI)で表されるオキシム化合物の具体例としては、下記構造式(1)〜(54)で表される化合物が挙げられるが、本発明においては、これらに限定されるものではない。
ただし、前記構造式(1)〜(54)中、Meは、メチル基を表す。Phは、フェニル基を表す。Acは、アセチル基を表す。
前記一般式(I)〜(III)で表されるモノマーと前記オキシム誘導体との含有量比は、例えば質量比で、1:1〜100:1が好ましく、2:1〜50:1がより好ましく、5:1〜30:1が特に好ましい。
−その他の光重合開始剤−
前記光重合開始剤としては、その他の光重合開始剤として、前記オキシム誘導体の他に、公知の光重合開始剤の中から適宜選択して併用してもよい。この併用してもよい光重合開始剤は、例えば、紫外線領域から可視の光線に対して感光性を有するものが好ましく、光励起された増感剤と何らかの作用を生じ、活性ラジカルを生成する活性剤であってもよく、モノマーの種類に応じてカチオン重合を開始させるような開始剤であってもよい。
また、前記併用してもよい光重合開始剤は、波長約300〜800nmの範囲内に少なくとも約50の分子吸光係数を有する成分を少なくとも1種含有していることが好ましい。なお、前記波長は330〜500nmがより好ましい。
前記併用しても良い光重合開始剤としては、例えば、ハロゲン化炭化水素誘導体(例えば、トリアジン骨格を有するもの、オキサジアゾール骨格を有するもの等)、ヘキサアリールビイミダゾール、有機過酸化物、チオ化合物、ケトン化合物(ベンジルメチルケタール系化合物、α−ヒドロキシアルキルフェノン系化合物、α-アミノアルキルフェノン系化合物など)、芳香族オニウム塩、メタロセン類などが挙げられる。これらの中でも、感光層の感度、保存性、及び感光層とプリント配線板形成用基板との密着性等の観点から、ホスフィンオキシド化合物、ケトン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール系化合物が好ましい。前記併用してもよい光重合開始剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記感光性組成物における光重合開始剤の含有量は、0.1〜25質量%が好ましく、0.5〜20質量%がより好ましく、0.5〜15質量%が更に好ましく、1〜10質量部が特に好ましい。
<増感剤>
前記感光性組成物より形成される感光層への露光における露光感度や感光波長を調整する目的で、前記光重合開始剤に加えて、増感剤を添加することが可能である。
前記増感剤は、後述する光照射手段としての可視光線や紫外光レーザ及び可視光レーザなどにより適宜選択することができる。
前記増感剤は、活性エネルギー線により励起状態となり、他の物質(例えば、ラジカル発生剤、酸発生剤等)と相互作用(例えば、エネルギー移動、電子移動等)することにより、ラジカルや酸等の有用基を発生することが可能である。
前記光重合開始剤と前記増感剤との組合せとしては、例えば、特開2001−305734号公報に記載の電子移動型開始系[(1)電子供与型開始剤及び増感色素、(2)電子受容型開始剤及び増感色素、(3)電子供与型開始剤、増感色素及び電子受容型開始剤(三元開始系)]などの組合せが挙げられる。
前記増感剤としては、特に制限はなく、公知の増感剤の中から適宜選択することができるが、例えば、公知の多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、キサンテン類(例えば、フルオレセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えば、インドカルボシアニン、チアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、アクリドン類(例えば、アクリドン、クロロアクリドン、N−メチルアクリドン、N−ブチルアクリドン、N−ブチル−クロロアクリドン(例えば、2−クロロ−10−ブチルアクリドン等)など)、クマリン類(例えば、3−(2−ベンゾフロイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2−ベンゾフロイル)−7−(1−ピロリジニル)クマリン、3−ベンゾイル−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2−メトキシベンゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(4−ジメチルアミノベンゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3,3’−カルボニルビス(5,7−ジ−n−プロポキシクマリン)、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、3−ベンゾイル−7−メトキシクマリン、3−(2−フロイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(4−ジエチルアミノシンナモイル)−7−ジエチルアミノクマリン、7−メトキシ−3−(3−ピリジルカルボニル)クマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジプロポキシクマリン、特開平5−19475号、特開平7−271028号、特開2002−363206号、特開2002−363207号、特開2002−363208号、特開2002−363209号等の各公報に記載のクマリン化合物など)、及びチオキサントン化合物(チオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、1−クロロ−4−プロピルオキシチオキサントン、QuantacureQTX等)などがあげられ、が挙げられ、これらの中でも、芳香族環や複素環が縮環した化合物(縮環系化合物)、並びに、少なくとも2つの芳香族炭化水素環及び芳香族複素環のいずれかで置換されたアミン系化合物が好ましい。
前記縮環系化合物の中でも、ヘテロ縮環系ケトン化合物(アクリドン系化合物、チオキサントン系化合物、クマリン系化合物等)、及びアクリジン系化合物がより好ましい。前記ヘテロ縮環系ケトン化合物の中でも、アクリドン化合物及びチオキサントン化合物が特に好ましい。
前記少なくとも2つの芳香族炭化水素環及び芳香族複素環のいずれかで置換されたアミン系化合物は、330〜450nmの波長域の光に対して吸収極大を有する増感剤であることが好ましく、例えば、ジ置換アミノベンゾフェノン系化合物、ベンゼン環上のアミノ基に対し、パラ位の炭素原子に複素環基を置換基として有するジ置換アミノ−ベンゼン系化合物、ベンゼン環上のアミノ基に対し、パラ位の炭素原子にスルホニルイミノ基を含む置換基を有するジ置換アミノ−ベンゼン系化合物、及びカルボスチリル骨格を形成したジ置換アミノ−ベンゼン系化合物、並びに、少なくとも2個の芳香族環が窒素原子に結合した構造を有する化合物等のジ置換アミノ−ベンゼンを部分構造として有する化合物が挙げられる。
前記増感剤は、1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
前記増感剤の配合量は、前記感光性組成物全固形分中0.01〜4質量%が好ましく、0.02〜2質量%がより好ましく、0.05〜1質量%が特に好ましい。
前記含有量が、0.01質量%未満となると、感度が低下することがあり、4質量%を超えると、パターンの形状が悪化することがある。
<バインダー>
前記バインダーとしては、アルカリ可溶性、すなわちアルカリ性水溶液により膨潤あるいは溶解する化合物が好ましい。
前記バインダーは、酸性基とエチレン性不飽和結合を側鎖に含む高分子化合物が好ましい。酸性基としては、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基等があげられるが、原料入手の点からカルボキシル基が好ましい。
また、前記バインダーとしては、分子内に少なくとも1つの重合可能な二重結合、例えば、(メタ)アクリレート基又は(メタ)アクリルアミド基等のアクリル基、カルボン酸のビニルエステル、ビニルエーテル、アリルエーテル等の各種重合性二重結合を用いることができる。より具体的には、酸性基としてカルボキシル基を含有するアクリル樹脂に、環状エーテル基含有重合性化合物、たとえばグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、桂皮酸等の不飽和脂肪酸のグリシジルエステルや、脂環式エポキシ基(たとえば同一分子中にシクロヘキセンオキシド等のエポキシ基)と(メタ)アクリロイル基を有する化合物等のエポキシ基含有の重合性化合物を付加させて得られる化合物などが挙げられる。また、酸性基及び水酸基を含有するアクリル樹脂に、イソシアナートエチル(メタ)アクリレート等のイソシアネート基含有の重合性化合物を付加させて得られる化合物、無水物基を含有するアクリル樹脂に、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基を含有する重合性化合物を付加させて得られる化合物なども挙げられる。また、グリシジルメタクリレートなどの環状エーテル基含有重合性化合物と(メタ)アクリロイルアルキルエステルなどのビニルモノマーを共重合し、側鎖のエポキシ基に(メタ)アクリル酸を付加させて得られる化合物なども挙げられる。
これらの例は、特許2763775号公報、特開平3−172301号公報、特開2000−232264号公報に記載のものや、AGORシリーズ、ORGAシリーズ(いずれも大阪有機化学工業社製)、などが挙げられる。
これらの中で、前記バインダーが、高分子化合物の酸性基の一部に環状エーテル基(たとえばエポキシ基、オキセタン基を部分構造に有する基)含有重合性化合物を付加させたもの、および高分子化合物の環状エーテル基の一部または全部にカルボキシル基含有重合性化合物を付加させたもののいずれかから選択された高分子化合物であることが、さらに好ましい。この際、酸性基と環状エーテル基を有する化合物との付加反応は触媒存在下で実施するのが好ましく、特に、その触媒が酸性化合物および中性化合物から選択されるものであることが好ましい。
その中でも、感光性組成物の経時での現像安定性の点から、バインダーは側鎖に、カルボキシル基とヘテロ環を含んでもよい芳香族基及び側鎖にエチレン性不飽和結合を含む高分子化合物が好ましい。
−ヘテロ環を含んでもよい芳香族基−
前記ヘテロ環を含んでもよい芳香族基(以下、単に「芳香族基」と称することもある。)としては、例えば、ベンゼン環、2個から3個のベンゼン環が縮合環を形成したもの、ベンゼン環と5員不飽和環が縮合環を形成したものをなどが挙げられる。
前記芳香族基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、インデニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基、ベンゾピロール環基、ベンゾフラン環基、ベンゾチオフェン環基、ピラゾール環基、イソキサゾール環基、イソチアゾール環基、インダゾール環基、ベンゾイソキサゾール環基、ベンゾイソチアゾール環基、イミダゾール環基、オキサゾール環基、チアゾール環基、ベンズイミダゾール環基、ベンズオキサゾール環基、ベンゾチアゾール環基、ピリジン環基、キノリン環基、イソキノリン環基、ピリダジン環基、ピリミジン環基、ピラジン環基、フタラジン環基、キナゾリン環基、キノキサリン環基、アシリジン環基、フェナントリジン環基、カルバゾール環基、プリン環基、ピラン環基、ピペリジン環基、ピペラジン環基、インドール環基、インドリジン環基、クロメン環基、シンノリン環基、アクリジン環基、フェノチアジン環基、テトラゾール環基、トリアジン環基などが挙げられる。これらの中では、炭化水素芳香族基が好ましく、フェニル基、ナフチル基がより好ましい。
前記芳香族基は、置換基を有していてもよく、前記置換基としては、例えば、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアミノ基、アルコキシカルボニル基、水酸基、エーテル基、チオール基、チオエーテル基、シリル基、ニトロ基、シアノ基、それぞれ置換基を有してもよい、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、などが挙げられる。
前記アルキル基としては、例えば、炭素原子数が1から20までの直鎖状のアルキル基、分岐状のアルキル基、環状のアルキル基などが挙げられる。
前記アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、2−ノルボルニル基などが挙げられる。これらの中では、炭素原子数1から12までの直鎖状のアルキル基、炭素原子数3から12までの分岐状のアルキル基、炭素原子数5から10までの環状のアルキル基が好ましい。
前記アルキル基が有してもよい置換基としては、例えば、水素原子を除く一価の非金属原子団からなる基が挙げられる。このような置換基としては、例えば、ハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルジチオ基、アリールジチオ基、アミノ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、N,N−ジアルキルカルバモイルオキシ基、N,N−ジアリールカルバモイルオキシ基、N−アルキル−N−アリールカルバモイルオキシ基、アルキルスルホキシ基、アリールスルホキシ基、アシルチオ基、アシルアミノ基、N−アルキルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基、ウレイド基、N’−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアルキルウレイド基、N’−アリールウレイド基、N’,N’−ジアリールウレイド基、N’−アルキル−N’−アリールウレイド基、N−アルキルウレイド基、N−アリールウレイド基、N’−アルキル−N−アルキルウレイド基、N’−アルキル−N−アリールウレイド基、N’,N’−ジアルキル−N−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアルキル−N−アリールウレイド基、N’−アリール−N−アルキルウレイド基、N’−アリール−N−アリールウレイド基、N’,N’−ジアリール−N−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアリール−N−アリールウレイド基、N’−アルキル−N’−アリール−N−アルキルウレイド基、N’−アルキル−N’−アリール−N−アリールウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N,N−ジアリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホ基(−SOH)及びその共役塩基基(スルホナト基と称す)、アルコキシスルホニル基、アリーロキシスルホニル基、スルフィナモイル基、N−アルキルスルフィナモイル基、N,N−ジアルキルスルフィイナモイル基、N−アリールスルフィナモイル基、N,N−ジアリールスルフィナモイル基、N−アルキル−N−アリールスルフィナモイル基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N,N−ジアリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、ホスホノ基(−PO)及びその共役塩基基(ホスホナト基と称す)、ジアルキルホスホノ基(−PO(alkyl))(以下、「alkyl」はアルキル基を意味する。)、ジアリールホスホノ基(−PO(aryl))(以下、「aryl」はアリール基を意味する。)、アルキルアリールホスホノ基(−PO(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスホノ基(−PO(alkyl))及びその共役塩基基(アルキルホスホナト基と称す)、モノアリールホスホノ基(−POH(aryl))及びその共役塩基基(アリールホスホナト基と称す)、ホスホノオキシ基(−OPO)及びその共役塩基基(ホスホナトオキシ基と称す)、ジアルキルホスホノオキシ基(−OPOH(alkyl))、ジアリールホスホノオキシ基(−OPO(aryl))、アルキルアリールホスホノオキシ基(−OPO(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスホノオキシ基(−OPOH(alkyl))及びその共役塩基基(アルキルホスホナトオキシ基と称す)、モノアリールホスホノオキシ基(−OPOH(aryl))及びその共役塩基(アリールホスホナトオキシ基と称す)、シアノ基、ニトロ基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロ環基、シリル基などが挙げられる。
これら置換基におけるアルキル基の具体例としては、前述のアルキル基が挙げられる。
前記置換基におけるアリール基の具体例としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、クロロメチルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、フェノキシフェニル基、アセトキシフェニル基、ベンゾイロキシフェニル基、メチルチオフェニル基、フェニルチオフェニル基、メチルアミノフェニル基、ジメチルアミノフェニル基、アセチルアミノフェニル基、カルボキシフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、エトキシフェニルカルボニル基、フェノキシカルボニルフェニル基、N−フェニルカルバモイルフェニル基、シアノフェニル基、スルホフェニル基、スルホナトフェニル基、ホスホノフェニル基、ホスホナトフェニル基などが挙げられる。
前記置換基におけるアルケニル基の具体例としては、ビニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、シンナミル基、2−クロロ−1−エテニル基などが挙げられる。
前記置換基におけるアルキニル基の具体例としては、エチニル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、トリメチルシリルエチニル基などが挙げられる。
前記置換基におけるアシル基(R01CO−)のR01としては、水素原子、前述のアルキル基、アリール基などが挙げられる。
これらの置換基の中でも、ハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、アシルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、アシルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、スルホ基、スルホナト基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、ホスホノ基、ホスホナト基、ジアルキルホスホノ基、ジアリールホスホノ基、モノアルキルホスホノ基、アルキルホスホナト基、モノアリールホスホノ基、アリールホスホナト基、ホスホノオキシ基、ホスホナトオキシ基、アリール基、アルケニル基などが好ましい。
また、前記置換基におけるヘテロ環基としては、例えば、ピリジル基、ピペリジニル基などが挙げられ、前記置換基におけるシリル基としてはトリメチルシリル基などが挙げられる。
一方、前記アルキル基における、アルキレン基としては、例えば、前述の炭素数1から20までのアルキル基上の水素原子のいずれか1つを除し、2価の有機残基としたものが挙げられ、例えば、炭素原子数1から12までの直鎖状のアルキレン基、炭素原子数3から12までの分岐状のアルキレン基、炭素原子数5から10までの環状のアルキレン基などが好ましい。
このような置換基とアルキレン基を組み合わせることで得られる置換アルキル基の、好ましい具体例としては、クロロメチル基、ブロモメチル基、2−クロロエチル基、トリフルオロメチル基、メトキシメチル基、イソプロポキシメチル基、ブトキシメチル基、s−ブトキシブチル基、メトキシエトキシエチル基、アリルオキシメチル基、フェノキシメチル基、メチルチオメチル基、トリルチオメチル基、ピリジルメチル基、テトラメチルピペリジニルメチル基、N−アセチルテトラメチルピペリジニルメチル基、トリメチルシリルメチル基、メトキシエチル基、エチルアミノエチル基、ジエチルアミノプロピル基、モルホリノプロピル基、アセチルオキシメチル基、ベンゾイルオキシメチル基、N−シクロヘキシルカルバモイルオキシエチル基、N−フェニルカルバモイルオキシエチル基、アセチルアミノエチル基、N−メチルベンゾイルアミノプロピル基、2−オキソエチル基、2−オキソプロピル基、カルボキシプロピル基、メトキシカルボニルエチル基、アリルオキシカルボニルブチル基、クロロフェノキシカルボニルメチル基、カルバモイルメチル基、N−メチルカルバモイルエチル基、N,N−ジプロピルカルバモイルメチル基、N−(メトキシフェニル)カルバモイルエチル基、N−メチル−N−(スルホフェニル)カルバモイルメチル基、スルホブチル基、スルホナトブチル基、スルファモイルブチル基、N−エチルスルファモイルメチル基、N,N−ジプロピルスルファモイルプロピル基、N−トリルスルファモイルプロピル基、N−メチル−N−(ホスホノフェニル)スルファモイルオクチル基、ホスホノブチル基、ホスホナトヘキシル基、ジエチルホスホノブチル基、ジフェニルホスホノプロピル基、メチルホスホノブチル基、メチルホスホナトブチル基、トリルホスホノヘキシル基、トリルホスホナトヘキシル基、ホスホノオキシプロピル基、ホスホナトオキシブチル基、ベンジル基、フェネチル基、α−メチルベンジル基、1−メチル−1−フェニルエチル基、p−メチルベンジル基、シンナミル基、アリル基、1−プロペニルメチル基、2−ブテニル基、2−メチルアリル基、2−メチルプロペニルメチル基、2−プロピニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基などが挙げられる。
前記アリール基としては、例えば、ベンゼン環、2個から3個のベンゼン環が縮合環を形成したもの、ベンゼン環と5員不飽和環が縮合環を形成したものなどが挙げられる。
前記アリール基の具体例としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、インデニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基などが挙げられる。これらの中では、フェニル基、ナフチル基が好ましい。
前記アルキル基は置換基を有してもよく、このような置換基を有するアリール基(以下、「置換アリール基」と称することもある。)としては、例えば、前述のアリール基の環形成炭素原子上に置換基として、水素原子以外の一価の非金属原子団からなる基を有するものが挙げられる。
前記アリール基が有してもよい置換基としては、例えば、前述のアルキル基、置換アルキル基、前記アルキル基が有してもよい置換基として示したものが好ましい。
前記置換アリール基の好ましい具体例としては、ビフェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基、クロロメチルフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル基、メトキシエトキシフェニル基、アリルオキシフェニル基、フェノキシフェニル基、メチルチオフェニル基、トリルチオフェニル基、エチルアミノフェニル基、ジエチルアミノフェニル基、モルホリノフェニル基、アセチルオキシフェニル基、ベンゾイルオキシフェニル基、N−シクロヘキシルカルバモイルオキシフェニル基、N−フェニルカルバモイルオキシフェニル基、アセチルアミノフェニル基、N−メチルベンゾイルアミノフェニル基、カルボキシフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、アリルオキシカルボニルフェニル基、クロロフェノキシカルボニルフェニル基、カルバモイルフェニル基、N−メチルカルバモイルフェニル基、N,N−ジプロピルカルバモイルフェニル基、N−(メトキシフェニル)カルバモイルフェニル基、N−メチル−N−(スルホフェニル)カルバモイルフェニル基、スルホフェニル基、スルホナトフェニル基、スルファモイルフェニル基、N−エチルスルファモイルフェニル基、N,N−ジプロピルスルファモイルフェニル基、N−トリルスルファモイルフェニル基、N−メチル−N−(ホスホノフェニル)スルファモイルフェニル基、ホスホノフェニル基、ホスホナトフェニル基、ジエチルホスホノフェニル基、ジフェニルホスホノフェニル基、メチルホスホノフェニル基、メチルホスホナトフェニル基、トリルホスホノフェニル基、トリルホスホナトフェニル基、アリルフェニル基、1−プロペニルメチルフェニル基、2−ブテニルフェニル基、2−メチルアリルフェニル基、2−メチルプロペニルフェニル基、2−プロピニルフェニル基、2−ブチニルフェニル基、3−ブチニルフェニル基などが挙げられる。
前記アルケニル基(−C(R02)=C(R03)(R04))及びアルキニル基(−C≡C(R05))としては、例えば、R02、R03、R04、及びR05が一価の非金属原子団からなる基のものが挙げられる。
前記R02、R03、R04、R05としては、例えば、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基などが挙げられる。これらの具体例としては、前述の例として示したものを挙げることができる。これらの中でも、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1から10までの直鎖状のアルキル基、分岐状のアルキル基、環状のアルキル基が好ましい。
前記アルケニル基及びアルキニル基の好ましい具体例としては、ビニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、1−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、1−オクテニル基、1−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−1−ブテニル基、2−フェニル−1−エテニル基、2−クロロ−1−エテニル基、エチニル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、フェニルエチニル基などが挙げられる。
前記ヘテロ環基としては、例えば、置換アルキル基の置換基として例示したピリジル基などが挙げられる。
前記オキシ基(R06O−)としては、R06が水素原子を除く一価の非金属原子団からなる基であるものが挙げられる。
このようなオキシ基としては、例えば、アルコキシ基、アリーロキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、N,N−ジアルキルカルバモイルオキシ基、N,N−ジアリールカルバモイルオキシ基、N−アルキル−N−アリールカルバモイルオキシ基、アルキルスルホキシ基、アリールスルホキシ基、ホスホノオキシ基、ホスホナトオキシ基などが好ましい。
これらにおけるアルキル基及びアリール基としては、前述のアルキル基、置換アルキル基、アリール基、及び置換アリール基として示したものを挙げることができる。また、アシルオキシ基におけるアシル基(R07CO−)としては、R07が、先の例として挙げたアルキル基、置換アルキル基、アリール基ならびに置換アリール基のものを挙げることができる。これらの置換基の中では、アルコキシ基、アリーロキシ基、アシルオキシ基、アリールスルホキシ基がより好ましい。
好ましいオキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ドデシルオキシ基、ベンジルオキシ基、アリルオキシ基、フェネチルオキシ基、カルボキシエチルオキシ基、メトキシカルボニルエチルオキシ基、エトキシカルボニルエチルオキシ基、メトキシエトキシ基、フェノキシエトキシ基、メトキシエトキシエトキシ基、エトキシエトキシエトキシ基、モルホリノエトキシ基、モルホリノプロピルオキシ基、アリロキシエトキシエトキシ基、フェノキシ基、トリルオキシ基、キシリルオキシ基、メシチルオキシ基、メシチルオキシ基、クメニルオキシ基、メトキシフェニルオキシ基、エトキシフェニルオキシ基、クロロフェニルオキシ基、ブロモフェニルオキシ基、アセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、ナフチルオキシ基、フェニルスルホニルオキシ基、ホスホノオキシ基、ホスホナトオキシ基などが挙げられる。
アミド基を含んでもよいアミノ基(R08NH−、(R09)(R010)N−)としては、例えば、R08、R09、及びR010が水素原子を除く一価の非金属原子団からなる基のものが挙げられる。なお、R09とR010とは結合して環を形成してもよい。
前記アミノ基としては、例えば、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、アシルアミノ基、N−アルキルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基、ウレイド基、N’−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアルキルウレイド基、N’−アリールウレイド基、N’,N’−ジアリールウレイド基、N’−アルキル−N’−アリールウレイド基、N−アルキルウレイド基、N−アリールウレイド基、N’−アルキル−N−アルキルウレイド基、N’−アルキル−N−アリールウレイド基、N’,N’−ジアルキル−N−アルキルウレイド基、N’−アルキル−N’−アリールウレイド基、N’,N’−ジアルキル−N−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアルキル−N’−アリールウレイド基、N’−アリール−N−アルキルウレイド基、N’−アリール−N−アリールウレイド基、N’,N’−ジアリール−N−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアリール−N−アリールウレイド基、N’−アルキル−N’−アリール−N−アルキルウレイド基、N’−アルキル−N’−アリール−N−アリールウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アリーロキシカルボニルアミノ基などが挙げられる。これらにおけるアルキル基及びアリール基としては、前述のアルキル基、置換アルキル基、アリール基、及び置換アリール基として示したものが挙げられる。また、アシルアミノ基、N−アルキルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基おけるアシル基(R07CO−)のR07は前述の通りである。これらのうち、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、アシルアミノ基がより好ましい。
好ましいアミノ基の具体例としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、モルホリノ基、ピペリジノ基、ピロリジノ基、フェニルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、アセチルアミノ基などが挙げられる。
前記スルホニル基(R011−SO−)としては、例えば、R011が一価の非金属原子団からなる基のものが挙げられる。
このようなスルホニル基としては、例えば、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基などが好ましい。これらにおけるアルキル基及びアリール基としては、前述のアルキル基、置換アルキル基、アリール基、及び置換アリール基として示したものが挙げられる。
前記スルホニル基の具体例としては、ブチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、クロロフェニルスルホニル基などが挙げられる。
前記スルホナト基(−SO−)は、前述のとおり、スルホ基(−SOH)の共役塩基陰イオン基を意味し、通常は対陽イオンとともに使用されるのが好ましい。
このような対陽イオンとしては、一般に知られるものを適宜選択して用いることができ、例えば、オニウム類(例えば、アンモニウム類、スルホニウム類、ホスホニウム類、ヨードニウム類、アジニウム類等)、金属イオン類(例えば、Na、K、Ca2+、Zn2+等)が挙げられる。
前記カルボニル基(R013−CO−)としては、例えば、R013が一価の非金属原子団からなる基のものが挙げられる。
このようなカルボニル基としては、例えば、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N,N−ジアリールカルバモイル基、N−アルキル−N’−アリールカルバモイル基などが挙げられる。これらにおけるアルキル基及びアリール基としては、前述のアルキル基、置換アルキル基、アリール基、及び置換アリール基として示したものが挙げられる。
前記カルボニル基としては、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基が好ましく、ホルミル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基がより好ましい。
前記カルボニル基の具体例としては、ホルミル基、アセチル基、ベンゾイル基、カルボキシル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、ジメチルアミノフェニルエテニルカルボニル基、メトキシカルボニルメトキシカルボニル基、N−メチルカルバモイル基、N−フェニルカルバモイル基、N,N−ジエチルカルバモイル基、モルホリノカルボニル基などが好適に挙げられる。
前記スルフィニル基(R014−SO−)としては、R014が一価の非金属原子団からなる基のものが挙げられる。
このようなスルフィニル基としては、例えば、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、スルフィナモイル基、N−アルキルスルフィナモイル基、N,N−ジアルキルスルフィナモイル基、N−アリールスルフィナモイル基、N,N−ジアリールスルフィナモイル基、N−アルキル−N−アリールスルフィナモイル基などが挙げられる。これらにおけるアルキル基及びアリール基としては、前述のアルキル基、置換アルキル基、アリール基、及び置換アリール基として示したものが挙げられる。これらの中でも、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基が好ましい。
前記置換スルフィニル基の具体例としては、ヘキシルスルフィニル基、ベンジルスルフィニル基、トリルスルフィニル基などが好適に挙げられる。
前記ホスホノ基とは、ホスホノ基上の水酸基の一つ乃至二つが他の有機オキソ基によって置換されたものを意味し、例えば、前述のジアルキルホスホノ基、ジアリールホスホノ基、アルキルアリールホスホノ基、モノアルキルホスホノ基、モノアリールホスホノ基などが好ましい。これらの中では、ジアルキルホスホノ基、ジアリールホスホノ基がより好ましい。
前記ホスホノ基のより好ましい具体例としては、ジエチルホスホノ基、ジブチルホスホノ基、ジフェニルホスホノ基などが挙げられる。
前記ホスホナト基(−PO−、−POH−)とは、前述のとおり、ホスホノ基(−PO)の、酸第一解離、又は酸第二解離に由来する共役塩基陰イオン基を意味する。通常は対陽イオンと共に使用されるのが好ましい。このような対陽イオンとしては、一般に知られるものを適宜選択することができ、例えば、種々のオニウム類(アンモニウム類、スルホニウム類、ホスホニウム類、ヨードニウム類、アジニウム類等)、金属イオン類(Na、K、Ca2+、Zn2+等)が挙げられる。
前記ホスホナト基は、ホスホノ基の内、水酸基を一つ有機オキソ基に置換したものの共役塩基陰イオン基であってもよく、このような具体例としては、前述のモノアルキルホスホノ基(−POH(alkyl))、モノアリールホスホノ基(−POH(aryl))の共役塩基が挙げられる。
前記芳香族基は、芳香族基を含有するラジカル重合性化合物1種以上と、必要に応じて共重合成分として他のラジカル重合性化合物1種以上とを通常のラジカル重合法によって製造することできる。
前記ラジカル重合法としては、例えば、一般的に懸濁重合法あるいは溶液重合法などが挙げられる。
前記芳香族基を含有するラジカル重合性化合物としては、例えば、一般式(A−I)で表される化合物、一般式(A−II)で表される化合物が好ましい。
ただし、前記一般式(A−I)中、R、R、及びRは水素原子又は1価の有機基を表す。Lは有機基を表し、なくてもよい。Arはヘテロ環を含んでもよい芳香族基を表す。
ただし、前記一般式(A−II)中、R、R、及びR3、並びに、Arは前記一般式(A−I)と同じ意を表す。
前記Lの有機基としては、例えば、非金属原子からなる多価の有機基であり、1から60個までの炭素原子、0個から10個までの窒素原子、0個から50個までの酸素原子、1個から100個までの水素原子、及び0個から20個までの硫黄原子から成り立つものが挙げられる。
より具体的には、前記Lの有機基としては、下記の構造単位が組み合わさって構成されるもの、多価ナフタレン、多価アントラセンなどを挙げることができる。
前記Lの連結基は置換基を有してもよく、前記置換基としては、前述のハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホナト基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、置換オキシ基、置換スルホニル基、置換カルボニル基、置換スルフィニル基、スルホ基、ホスホノ基、ホスホナト基、シリル基、ヘテロ環基が挙げられる。
前記一般式(A−I)で表される化合物、及び一般式(A−II)で表される化合物においては、一般式(A−I)の方が感度の点で好ましい。また、前記構造式(A−I)のうち、連結基を有しているものが安定性の点で好ましく、前記Lの有機基としては、炭素数1〜4のアルキレン基が非画像部の除去性(現像性)の点で好ましい。
前記一般式(A−I)で表される化合物は、下記一般式(A−1)の構造単位を含む化合物となる。また、前記一般式(A−II)で表される化合物は、下記一般式(A−2)の構造単位を含む化合物となる。この内、前記一般式(A−1)の構造単位の方が、保存安定性の点で好ましい。
ただし、前記一般式(A−1)中、R、R、及びRは水素原子又は1価の有機基を表す。Lは有機基を表し、なくてもよい。Arはヘテロ環を含んでもよい芳香族基を表す。
ただし、前記一般式(A−1)及び一般式(A−2)中、R、R、及びR、並びに、Arは前記一般式(A−I)及び一般式(A−II)と同じ意を表す。
前記一般式(A−1)及び一般式(A−2)において、R及びRは水素原子、Rはメチル基である事が、非画像部の除去性(現像性)の点で好ましい。
また、前記一般式(A−1)のLは、炭素数1〜4のアルキレン基が非画像部の除去性(現像性)の点で好ましい。
前記一般式(A−I)で表される化合物又は一般式(A−II)で表される化合物としては、特に制限はないが、例えば、以下の例示化合物(1)〜(30)が挙げられる。
前記例示化合物(1)〜(30)の中でも、(5)、(6)、(11)、(14)、及び(28)が好ましく、これらの中でも、(5)及び(6)が保存安定性及び現像性の点でより好ましい。
前記ヘテロ環を含んでもよい芳香族基の前記バインダーにおける含有量は、特に制限はないが、高分子化合物の全構造単位を100mol%とした場合に、前記構造式(I)で表される構造単位を20mol%以上含有することが好ましく、30〜45mol%含有することがより好ましい。前記含有量が20mol未満であると、保存安定性が低くなることがあり、45mol%を超えると現像性が低下することがある。
−エチレン性不飽和結合−
前記エチレン性不飽和結合としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、下記一般式(A−3)〜(A−5)で表されるものが好ましい。
ただし、前記一般式(A−3)〜(A−5)中、R〜R11は、それぞれ独立して1価の有機基を表す。X及びYは、それぞれ独立して、酸素原子、硫黄原子、又は−N−Rを表す。Zは、酸素原子、硫黄原子、−N−R、又はフェニレン基を表す。Rは、水素原子、又は1価の有機基を表す。
前記一般式(A−3)において、Rとしては、それぞれ独立して、例えば、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基などが好ましく、水素原子、メチル基がラジカル反応性が高いことからより好ましい。
前記R及びRとしては、それぞれ独立して、例えば、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルアミノ基、置換基を有してもよいアリールアミノ基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基などが挙げられ、水素原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基が、ラジカル反応性が高いことからより好ましい。
前記Rとしては、例えば、置換基を有してもよいアルキル基などが好ましく、水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基がラジカル反応性が高いことからより好ましい。
ここで、導入しうる前記置換基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基、アリーロキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基などが挙げられる。
前記一般式(A−4)において、R〜Rとしては、例えば、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ジアルキルアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルアミノ基、置換基を有してもよいアリールアミノ基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基などが好ましく、水素原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基がより好ましい。
導入しうる前記置換基としては、前記一般式(A−3)において挙げたものが例示される。
前記一般式(A−5)において、Rとしては、例えば、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基などが好ましく、水素原子、メチル基がラジカル反応性が高いことからより好ましい。
前記R10、R11としては、それぞれ独立して、例えば、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ジアルキルアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルアミノ基、置換基を有してもよいアリールアミノ基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基などが好ましく、水素原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基がラジカル反応性が高いことからより好ましい。
ここで、導入しうる前記置換基としては、一般式(A−3)において挙げたものが例示される。
前記Zとしては、酸素原子、硫黄原子、−NR13−、又は置換基を有してもよいフェニレン基を表す。R13は、置換基を有してもよいアルキル基などを表し、水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基がラジカル反応性が高いことから好ましい。
前記一般式(A−3)〜(A−5)で表される側鎖エチレン性不飽和結合の中でも、一般式(A−3)のものが、重合反応性が高く感度が高くなり、より好ましい。
前記エチレン性不飽和結合の前記高分子化合物における含有量は、特に制限はないが、0.5〜3.0meq/gが好ましく、1.0〜3.0meq/gがより好ましく、1.5〜2.8meq/gが特に好ましい。前記含有量が0.5meq/g未満であると、硬化反応量が少ないため低感度となることがあり、3.0meq/gより多いと、保存安定性が劣化することがある。
ここで、前記含有量(meq/g)は、例えば、ヨウ素価滴定により測定することができる。
前記一般式(A−3)で表されエチレン性不飽和結合を側鎖に導入する方法としては、特に制限はないが、例えば、側鎖にカルボキシル基を含有する高分子化合物とエチレン性不飽和結合及びエポキシ基を有する化合物を付加反応させることで得ることができる。
前記側鎖にカルボキシル基を含有する高分子化合物は、例えば、カルボキシル基を含有するラジカル重合性化合物1種以上と、必要に応じて共重合成分として他のラジカル重合性化合物1種以上とを通常のラジカル重合法によって製造することでき、前記ラジカル重合法としては、例えば、懸濁重合法、溶液重合法などが挙げられる。
前記エチレン性不飽和結合及びエポキシ基を有する化合物としては、これらを有すれば特に制限はないが、例えば、下記一般式(A−6)で表される化合物及び一般式(A−7)で表される化合物が好ましい。特に、一般式(A−6)で表される化合物を使用するほうが、高感度化の点で好ましい。
ただし、前記一般式(A−6)中、Rは水素原子又はメチル基を表す。Lは有機基を表す。
ただし、前記一般式(A−7)中、Rは水素原子又はメチル基を表す。Lは有機基を表す。Wは4〜7員環の脂肪族炭化水素基を表す。
前記一般式(A−6)で表される化合物及び一般式(A−7)で表される化合物の中でも、一般式(A−6)で表される化合物が好ましく、前記一般式(A−7)においても、Lが炭素数1〜4のアルキレン基のものがより好ましい。
前記一般式(A−6)で表される化合物又は一般式(A−7)で表される化合物としては、特に制限はないが、例えば、以下の例示化合物(31)〜(40)が挙げられる。
前記カルボキシル基を含有するラジカル重合性化合物しては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、インクロトン酸、マレイン酸、p−カルボキシルスチレンなどがあり、特に好ましいものは、アクリル酸、メタクリル酸などが挙げられる。
前記側鎖への導入反応としては、例えば、トリエチルアミン、ベンジルメチルアミン等の3級アミン、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩、ピリジン、トリフェニルフォスフィンなどを触媒として有機溶剤中、反応温度50〜150℃で数時間〜数十時間反応させることにより行うことができる。
前記側鎖にエチレン性不飽和結合を有する構造単位としては、特に制限はないが、例えば、下記一般式(A−8)で表される構造、一般式(A−9)で表される構造、及びこれらの混合により表されるものが好ましい。
ただし、前記一般式(A−8)及び一般式(A−9)中、Ra〜Rcは水素原子又は1価の有機基を表す。Rは水素原子又はメチル基を表す。Lは連結基を有してもよい有機基を表す。
前記一般式(A−8)で表される構造乃至一般式(A−9)で表される構造の高分子化合物における含有量は、20mol%以上が好ましく、20〜50mol%がより好ましく、25〜45mol%が特に好ましい。前記含有量が20mol%未満では、硬化反応量が少ないため低感度となることがあり、50mol%より多いと、保存安定性が劣化することがある。
−カルボキシル基−
本発明の高分子化合物においては、非画像部除去性などの諸性能を向上させるために、カルボキシル基を有していてもよい。
前記カルボキシル基は、酸基を有するラジカル重合性化合物を共重合させることにより、前記高分子化合物に付与することができる。
このようなラジカル重合性が有する酸基としては、例えば、カルボン酸、スルホン酸、リン酸基などが挙げられ、カルボン酸が特に好ましい。
前記カルボキシル基を有するラジカル重合性化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、インクロトン酸、マレイン酸、p−カルボキシルスチレンなどが挙げられ、これらの中でも、アクリル酸、メタクリル酸、p−カルボキシルスチレンが好ましい。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記カルボキシル基のバインダーにおける含有量は、1.0〜4.0meq/gであり、1.5〜3.0meq/gが好ましい。前記含有量が1.0meq/g未満では現像性が不十分となることがあり、4.0meq/gを越えるとアルカリ水現像による画像強度ダメージを受けやすくなることがある。
本発明の高分子化合物は、画像強度などの諸性能を向上する目的で、前述のラジカル重合性化合物の他に、更に他のラジカル重合性化合物を共重合させることが好ましい。
前記他のラジカル重合性化合物としては、例えば、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、スチレン類などから選ばれるラジカル重合性化合物などが挙げられる。
具体的には、アルキルアクリレート等のアクリル酸エステル類、アリールアクリレート、アルキルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類、アリールメタクリレート、スチレン、アルキルスチレン等のスチレン類、アルコキシスチレン、ハロゲンスチレンなどが挙げられる。
前記アクリル酸エステル類としては、アルキル基の炭素原子数は1〜20のものが好ましく、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸エチルへキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−t−オクチル、クロルエチルアクリレート、2,2−ジメチルヒドロキシプロピルアクリレート、5−ヒドロキシペンチルアクリレート、トリメチロールプロパンモノアクリレート、ペンタエリスリトールモノアクリレート、グリシジルアクリレート、ベンジルアクリレート、メトキシベンジルアクリレート、フルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレートなどが挙げられる。
前記アリールアクリレートとしては、例えば、フェニルアクリレートなどが挙げられる。
前記メタクリル酸エステル類としては、アルキル基の炭素原子は1〜20のものが好ましく、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、アミルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、クロルベンジルメタクリレート、オクチルメタクリレー卜、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、5−ヒドロキシペンチルメタクリレート、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、トリメチロールプロパンモノメタクリレート、ペンタエリスリトールモノメタクリレート、グリシジルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレートなどが挙げられる。
前記アリールメタクリレートとしては、例えば、フェニルメタクリレート、クレジルメタクリレート、ナフチルメタクリレートなどが挙げられる。
前記スチレン類としては、例えば、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヘキシルスチレン、シクロへキシルスチレン、デシルスチレン、ベンジルスチレン、クロルメチルスチレン、トリフルオルメチルスチレン、エトキシメチルスチレン、アセトキシメチルスチレンなどが挙げられる。
前記アルコキシスチレンとしては、例えば、メトキシスチレン、4−メトキシ−3−メチルスチレン、ジメトキシスチレンなどが挙げられる。
前記ハロゲンスチレンとしては、例えばクロルスチレン、ジクロルスチレン、トリクロルスチレン、テトラクロルスチレン、ペンタクロルスチレン、ブロムスチレン、ジブロムスチレン、ヨードスチレン、フルオルスチレン、トリフルオルスチレン、2−ブロム−4−トリフルオルメチルスチレン、4−フルオル−3−トリフルオルメチルスチレンなどが挙げられる。
これらのラジカル重合性化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の高分子化合物を合成する際に用いられる溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレンジクロリド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチルなどが挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明の高分子化合物の分子量は、質量平均分子量で、3,000〜100,000が好ましく、5,000〜80,000がより好ましく、10,000〜50,000が特に好ましい。前記質量平均分子量が3,000を下回ると硬化膜強度が不足することがあり、100,000を超えると現像性が低下する傾向にある。
また、本発明の高分子化合物中には、未反応の単量体を含んでいてもよい。この場合、前記単量体の前記高分子化合物における含有量は、15質量%以下が好ましい。
本発明に係る高分子化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。また、他の高分子化合物を混合して用いてもよい。この場合、前記他の高分子化合物の前記本発明の高分子化合物における含有量は、50質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましい。
前記バインダーの前記感光性組成物中の固形分含有量は、5〜80質量%が好ましく、10〜70質量%がより好ましい。
<熱架橋剤>
前記熱架橋剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記感光性組成物を用いて形成される感光層の硬化後の膜強度を改良するために、現像性等に悪影響を与えない範囲で、例えば、1分子内に少なくとも2つのオキシラン基を有するエポキシ化合物、1分子内に少なくとも2つのオキセタニル基を有するオキセタン化合物を用いることができる。前記熱架橋剤は、金メッキ耐性の観点から、アルカリ不溶性であることが好ましい。
前記1分子中に少なくとも2つのオキシラン基を有するエポキシ化合物としては、例えば、ビキシレノール型もしくはビフェノール型エポキシ樹脂(「YX4000ジャパンエポキシレジン社製」等)又はこれらの混合物、イソシアヌレート骨格等を有する複素環式エポキシ樹脂(「TEPIC;日産化学工業(株)製」、「アラルダイトPT810;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製」等)、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾ−ルノボラック型エポキシ樹脂、ハロゲン化エポキシ樹脂(例えば低臭素化エポキシ樹脂、高ハロゲン化エポキシ樹脂、臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂など)、アリル基含有ビスフェノールA型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂、ジフェニルジメタノール型エポキシ樹脂、フェノールビフェニレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(「HP−7200,HP−7200H;大日本インキ化学工業(株)製」等)、グリシジルアミン型エポキシ樹脂(ジアミノジフェニルメタン型エポキシ樹脂、ジグリシジルアニリン、トリグリシジルアミノフェノール等)、グリジジルエステル型エポキシ樹脂(フタル酸ジグリシジルエステル、アジピン酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ダイマー酸ジグリシジルエステル等)ヒダントイン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ジシクロペンタジエンジエポキシド、「GT−300、GT−400、ZEHPE3150;ダイセル化学工業製」等、)、イミド型脂環式エポキシ樹脂、トリヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂、グリシジルフタレート樹脂、テトラグリシジルキシレノイルエタン樹脂、ナフタレン基含有エポキシ樹脂(ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、4官能ナフタレン型エポキシ樹脂、市販品としては「ESN−190,ESN−360;新日鉄化学(株)製」、「HP−4032,EXA−4750,EXA−4700;大日本インキ化学工業(株)製」等)、フェノール化合物とジビニルベンゼンやジシクロペンタジエン等のジオレフィン化合物との付加反応によって得られるポリフェノール化合物と、エピクロルヒドリンとの反応物、4−ビニルシクロヘキセン−1−オキサイドの開環重合物を過酢酸等でエポキシ化したもの、線状含リン構造を有するエポキシ樹脂、環状含リン構造を有するエポキシ樹脂、α−メチルスチルベン型液晶エポキシ樹脂、ジベンゾイルオキシベンゼン型液晶エポキシ樹脂、アゾフェニル型液晶エポキシ樹脂、アゾメチンフェニル型液晶エポキシ樹脂、ビナフチル型液晶エポキシ樹脂、アジン型エポキシ樹脂、グリシジルメタアクリレート共重合系エポキシ樹脂(「CP−50S,CP−50M;日本油脂(株)製」等)、シクロヘキシルマレイミドとグリシジルメタアクリレートとの共重合エポキシ樹脂、ビス(グリシジルオキシフェニル)フルオレン型エポキシ樹脂、ビス(グリシジルオキシフェニル)アダマンタン型エポキシ樹脂などが挙げられるが、これらに限られるものではない。これらのエポキシ樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、1分子中に少なくとも2つのオキシラン基を有する前記エポキシ化合物以外に、β位にアルキル基を有するエポキシ基を少なくとも1分子中に2つ含むエポキシ化合物を用いることが出来、β位がアルキル基で置換されたエポキシ基(より具体的には、β−アルキル置換グリシジル基など)を含む化合物が特に好ましい。
前記β位にアルキル基を有するエポキシ基を少なくとも含むエポキシ化合物は、1分子中に含まれる2個以上のエポキシ基のすべてがβ−アルキル置換グリシジル基であってもよく、少なくとも1個のエポキシ基がβ−アルキル置換グリシジル基であってもよい。
前記β−アルキル置換グリシジル基としては、特に制限は無く、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、β−メチルグリシジル基、β−エチルグリシジル基、β−プロピルグリシジル基、β−ブチルグリシジル基、などが挙げられ、これらの中でも、前記感光性樹脂組成物の保存安定性を向上させる観点、及び合成の容易性の観点から、β−メチルグリシジル基が好ましい。
前記β位にアルキル基を有するエポキシ基を含むエポキシ化合物としては、例えば、多価フェノール化合物とβ−アルキルエピハロヒドリンとから誘導されたエポキシ化合物が好ましい。
前記β−アルキルエピハロヒドリンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、β−メチルエピクロロヒドリン、β−メチルエピブロモヒドリン、β−メチルエピフロロヒドリン等のβ−メチルエピハロヒドリン;β−エチルエピクロロヒドリン、β−エチルエピブロモヒドリン、β−エチルエピフロロヒドリン等のβ−エチルエピハロヒドリン;β−プロピルエピクロロヒドリン、β−プロピルエピブロモヒドリン、β−プロピルエピフロロヒドリン等のβ−プロピルエピハロヒドリン;β−ブチルエピクロロヒドリン、β−ブチルエピブロモヒドリン、β−ブチルエピフロロヒドリン等のβ−ブチルエピハロヒドリン;などが挙げられる。これらの中でも、前記多価フェノールとの反応性及び流動性の観点から、β−メチルエピハロヒドリンが好ましい。
前記多価フェノール化合物としては、1分子中に2以上の芳香族性水酸基を含有する化合物であれば、特に制限は無く、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のビスフェノール化合物、ビフェノール、テトラメチルビフェノール等のビフェノール化合物、ジヒドロキシナフタレン、ビナフトール等のナフトール化合物、フェノール−ホルムアルデヒド重縮合物等のフェノールノボラック樹脂、クレゾール−ホルムアルデヒド重縮合物等の炭素数1〜10のモノアルキル置換フェノール−ホルムアルデヒド重縮合物、キシレノール−ホルムアルデヒド重縮合物等の炭素数1〜10のジアルキル置換フェノール−ホルムアルデヒド重縮合物、ビスフェノールA−ホルムアルデヒド重縮合物等のビスフェノール化合物−ホルムアルデヒド重縮合物、フェノールと炭素数1〜10のモノアルキル置換フェノールとホルムアルデヒドとの共重縮合物、フェノール化合物とジビニルベンゼンの重付加物などが挙げられる。これらの中でも、例えば、流動性及び保存安定性を向上させる目的で選択する場合には、前記ビスフェノール化合物が好ましい。
前記β位にアルキル基を有するエポキシ基を含むエポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールAのジ−β−アルキルグリシジルエーテル、ビスフェノールFのジ−β−アルキルグリシジルエーテル、ビスフェノールSのジ−β−アルキルグリシジルエーテル等のビスフェノール化合物のジ−β−アルキルグリシジルエーテル;ビフェノールのジ−β−アルキルグリシジルエーテル、テトラメチルビフェノールのジ−β−アルキルグリシジルエーテル等のビフェノール化合物のジ−β−アルキルグリシジルエーテル;ジヒドロキシナフタレンのジ−β−アルキルグリシジルエーテル、ビナフトールのジ−β−アルキルグリシジルエーテル等のナフトール化合物のβ−アルキルグリシジルエーテル;フェノール−ホルムアルデヒド重縮合物のポリ−β−アルキルグリシジルエーテル;クレゾール−ホルムアルデヒド重縮合物のポリ−β−アルキルグリシジルエーテル等の炭素数1〜10のモノアルキル置換フェノール−ホルムアルデヒド重縮合物のポリ−β−アルキルグリシジルエーテル;キシレノール−ホルムアルデヒド重縮合物のポリ−β−アルキルグリシジルエーテル等の炭素数1〜10のジアルキル置換フェノール−ホルムアルデヒド重縮合物のポリ−β−アルキルグリシジルエーテル;ビスフェノールA−ホルムアルデヒド重縮合物のポリ−β−アルキルグリシジルエーテル等のビスフェノール化合物−ホルムアルデヒド重縮合物のポリ−β−アルキルグリシジルエーテル;フェノール化合物とジビニルベンゼンの重付加物のポリ−β−アルキルグリシジルエーテル;などが挙げられる。
これらの中でも、下記一般式(D−1)で表されるビスフェノール化合物、及びこれとエピクロロヒドリンなどから得られる重合体から誘導されるβ−アルキルグリシジルエーテル、及び下記一般式(D−2)で表されるフェノール化合物−ホルムアルデヒド重縮合物のポリ−β−アルキルグリシジルエーテルが好ましい。
ただし、前記一般式(D−1)中、Rは水素原子及び炭素数1〜6のアルキル基のいずれかを表し、nは0〜20の整数を表す。
ただし、前記一般式(D−2)中、Rは水素原子及び炭素数1〜6のアルキル基のいずれかを表し、R”は水素原子、及びCHのいずれかを表し、nは0〜20の整数を表す。
これらβ位にアルキル基を有するエポキシ基を含むエポキシ化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また1分子中に少なくとも2つのオキシラン基を有するエポキシ化合物、及びβ位にアルキル基を有するエポキシ基を含むエポキシ化合物を併用することも可能である。
前記オキセタン化合物としては、例えば、ビス[(3−メチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エーテル、ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エーテル、1,4−ビス[(3−メチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、(3−メチル−3−オキセタニル)メチルアクリレート、(3−エチル−3−オキセタニル)メチルアクリレート、(3−メチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレート、(3−エチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレート又はこれらのオリゴマーあるいは共重合体等の多官能オキセタン類の他、オキセタン基を有する化合物と、ノボラック樹脂、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)、カルド型ビスフェノール類、カリックスアレーン類、カリックスレゾルシンアレーン類、シルセスキオキサン等の水酸基を有する樹脂など、とのエーテル化合物が挙げられ、この他、オキセタン環を有する不飽和モノマーとアルキル(メタ)アクリレートとの共重合体なども挙げられる。
また、前記エポキシ化合物や前記オキセタン化合物の熱硬化を促進するため、例えば、アミン化合物(例えば、ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン等)、4級アンモニウム塩化合物(例えば、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド等)、ブロックイソシアネート化合物(例えば、ジメチルアミン等)、イミダゾール誘導体二環式アミジン化合物及びその塩(例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等)、リン化合物(例えば、トリフェニルホスフィン等)、グアナミン化合物(例えば、メラミン、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等)、S−トリアジン誘導体(例えば、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン、2−ビニル−2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物等)などを用いることができる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。なお、前記エポキシ樹脂化合物や前記オキセタン化合物の硬化触媒、あるいは、これらとカルボキシル基の反応を促進することができるものであれば、特に制限はなく、上記以外の熱硬化を促進可能な化合物を用いてもよい。
前記エポキシ化合物、前記オキセタン化合物、及びこれらとカルボン酸との熱硬化を促進可能な化合物の前記感光性組成物固形分中の固形分含有量は、通常0.01〜15質量%である。
また、前記熱架橋剤としては、特開平5−9407号公報記載のポリイソシアネート化合物を用いることができ、該ポリイソシアネート化合物は、少なくとも2つのイソシアネート基を含む脂肪族、環式脂肪族又は芳香族基置換脂肪族化合物から誘導されていてもよい。具体的には、2官能イソシアネート(例えば、1,3−フェニレンジイソシアネートと1,4−フェニレンジイソシアネートとの混合物、2,4−及び2,6−トルエンジイソシアネート、1,3−及び1,4−キシリレンジイソシアネート、ビス(4−イソシアネート−フェニル)メタン、ビス(4−イソシアネートシクロヘキシル)メタン、イソフォロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等)、該2官能イソシアネートと、トリメチロールプロパン、ペンタリスルトール、グリセリン等との多官能アルコール;該多官能アルコールのアルキレンオキサイド付加体と、前記2官能イソシアネートとの付加体;ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート及びその誘導体等の環式三量体;などが挙げられる。
更に、本発明の感光性組成物の保存性を向上させることを目的として、前記ポリイソシアネート及びその誘導体のイソシアネート基にブロック剤を反応させて得られる化合物を用いてもよい。
前記イソシアネート基ブロック剤としては、アルコール類(例えば、イソプロパノール、tert−ブタノール等)、ラクタム類(例えば、ε−カプロラクタム等)、フェノール類(例えば、フェノール、クレゾール、p−tert−ブチルフェノール、p−sec−ブチルフェノール、p−sec−アミルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール等)、複素環式ヒドロキシル化合物(例えば、3−ヒドロキシピリジン、8−ヒドロキシキノリン等)、活性メチレン化合物(例えば、ジアルキルマロネート、メチルエチルケトキシム、アセチルアセトン、アルキルアセトアセテートオキシム、アセトオキシム、シクロヘキサノンオキシム等)などが挙げられる。これらの他、特開平6−295060号公報記載の分子内に少なくとも1つの重合可能な二重結合及び少なくとも1つのブロックイソシアネート基のいずれかを有する化合物などを用いることができる。
また、前記熱架橋剤として、メラミン誘導体を用いることができる。該メラミン誘導体としては、例えば、メチロールメラミン、アルキル化メチロールメラミン(メチロール基を、メチル、エチル、ブチルなどでエーテル化した化合物)などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、保存安定性が良好で、感光層の表面硬度あるいは硬化膜の膜強度自体の向上に有効である点で、アルキル化メチロールメラミンが好ましく、ヘキサメチル化メチロールメラミンが特に好ましい。
また、前記熱架橋剤の熱硬化を促進するため、例えば、アミン化合物(例えば、ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン等)、4級アンモニウム塩化合物(例えば、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド等)、ブロックイソシアネート化合物(例えば、ジメチルアミン等)、イミダゾール誘導体二環式アミジン化合物及びその塩(例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等)、リン化合物(例えば、トリフェニルホスフィン等)、グアナミン化合物(例えば、メラミン、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等)、S−トリアジン誘導体(例えば、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン、2−ビニル−2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物等)などを用いることができる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。なお、前記熱架橋剤の硬化触媒、あるいは、これらとカルボキシル基の反応を促進することができるものであれば、特に制限はなく、上記以外の熱硬化を促進可能な化合物を用いてもよい。
前記熱架橋剤、及びこれらとカルボン酸との熱硬化を促進可能な化合物の前記感光性組成物中の固形分含有量は、0.01〜15質量%が好ましい。
前記熱架橋剤の前記感光性組成物固形分中の固形分含有量は、1〜50質量%が好ましく、3〜30質量%がより好ましい。該固形分含有量が1質量%未満であると、硬化膜の膜強度の向上が認められず、50質量%を超えると、現像性の低下や露光感度の低下を生ずることがある。
<その他の成分>
前記その他の成分としては、例えば、重合禁止剤、可塑剤、着色剤(着色顔料あるいは染料)、体質顔料、などが挙げられ、更に基体表面への密着促進剤及びその他の助剤類(例えば、導電性粒子、充填剤、消泡剤、難燃剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、表面張力調整剤、連鎖移動剤など)を併用してもよい。これらの成分を適宜含有させることにより、目的とする感光性組成物あるいは後述する感光性フィルムの安定性、写真性、膜物性などの性質を調整することができる。
−重合禁止剤−
前記重合禁止剤は、前記重合性化合物の熱的な重合又は経時的な重合を防止するために添加してもよい。
前記重合禁止剤としては、例えば、4−メトキシフェノール、ハイドロキノン、アルキルまたはアリール置換ハイドロキノン、t−ブチルカテコール、ピロガロール、2−ヒドロキシベンゾフェノン、4−メトキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、塩化第一銅、フェノチアジン、クロラニル、ナフチルアミン、β−ナフトール、2,6−ジ−t−ブチル−4−クレゾール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、ピリジン、ニトロベンゼン、ジニトロベンゼン、ピクリン酸、4−トルイジン、メチレンブルー、銅と有機キレート剤反応物、サリチル酸メチル、及びフェノチアジン、ニトロソ化合物、ニトロソ化合物とAlとのキレート等が挙げられる。
前記熱重合禁止剤の含有量は、前記重合性化合物に対して0.001〜5質量%が好ましく、0.005〜2質量%がより好ましく、0.01〜1質量%が特に好ましい。該含有量が、0.001質量%未満であると、保存時の安定性が低下することがあり、5質量%を超えると、活性エネルギー線に対する感度が低下することがある。
−着色顔料−
前記着色顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ビクトリア・ピュアーブルーBO(C.I.42595)、オーラミン(C.I.41000)、ファット・ブラックHB(C.I.26150)、モノライト・エローGT(C.I.ピグメント・エロー12)、パーマネント・エローGR(C.I.ピグメント・エロー17)、パーマネント・エローHR(C.I.ピグメント・エロー83)、C.I.ピグメント・エロー110、C.I.ピグメント・エロー154、C.I.ピグメント・エロー185、パーマネント・カーミンFBB(C.I.ピグメント・レッド146)、ホスターバームレッドESB(C.I.ピグメント・バイオレット19)、パーマネント・ルビーFBH(C.I.ピグメント・レッド11)ファステル・ピンクBスプラ(C.I.ピグメント・レッド81)モナストラル・ファースト・ブルー(C.I.ピグメント・ブルー15)、モノライト・ファースト・ブラックB(C.I.ピグメント・ブラック1)、カーボン、C.I.ピグメント・レッド97、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド149、C.I.ピグメント・レッド168、C.I.ピグメント・レッド177、C.I.ピグメント・レッド180、C.I.ピグメント・レッド192、C.I.ピグメント・レッド215、C.I.ピグメント・グリーン7、C.I.ピグメント・グリーン36、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3、C.I.ピグメント・ブルー15:4、C.I.ピグメント・ブルー15:6、C.I.ピグメント・ブルー22、C.I.ピグメント・ブルー60、C.I.ピグメント・ブルー64などが挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、必要に応じて、公知の染料の中から、適宜選択した染料を使用することができる。
前記着色顔料の前記感光性組成物固形分中の固形分含有量は、永久パターン形成の際の感光層の露光感度、解像性などを考慮して決めることができ、前記着色顔料の種類により異なるが、一般的には0.05〜10質量%が好ましく、0.1〜5質量%がより好ましい。
−体質顔料−
前記感光性組成物には、必要に応じて、永久パターンの表面硬度の向上、あるいは線膨張係数を低く抑えること、あるいは、硬化膜自体の誘電率や誘電正接を低く抑えることを目的として、無機顔料や有機微粒子を添加することができる。
前記無機顔料としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、カオリン、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、酸化ケイ素粉、微粉状酸化ケイ素、気相法シリカ、無定形シリカ、結晶性シリカ、溶融シリカ、球状シリカ、タルク、クレー、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、マイカなどが挙げられる。
前記無機顔料の平均粒径は、10μm未満が好ましく、3μm以下がより好ましい。該平均粒径が10μm以上であると、光錯乱により解像度が劣化することがある。
前記有機微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、架橋ポリスチレン樹脂などが挙げられる。また、平均粒径1〜5μm、吸油量100〜200m/g程度のシリカ、架橋樹脂からなる球状多孔質微粒子などを用いることができる。
前記体質顔料の添加量は、5〜60質量%が好ましい。該添加量が5質量%未満であると、十分に線膨張係数を低下させることができないことがあり、60質量%を超えると、感光層表面に硬化膜を形成した場合に、該硬化膜の膜質が脆くなり、永久パターンを用いて配線を形成する場合において、配線の保護膜としての機能が損なわれることがある。
−密着促進剤−
各層間の密着性、又は感光層と基体との密着性を向上させるために、各層に公知のいわゆる密着促進剤を用いることができる。
前記密着促進剤としては、例えば、特開平5−11439号公報、特開平5−341532号公報、及び特開平6−43638号公報などに記載の密着促進剤が好適挙げられる。具体的には、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンズオキサゾール、2−メルカプトベンズチアゾール、3−モルホリノメチル−1−フェニル−トリアゾール−2−チオン、3−モルホリノメチル−5−フェニル−オキサジアゾール−2−チオン、5−アミノ−3−モルホリノメチル−チアジアゾール−2−チオン、及び2−メルカプト−5−メチルチオ−チアジアゾール、トリアゾール、テトラゾール、ベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、アミノ基含有ベンゾトリアゾール、シランカップリング剤などが挙げられる。
前記密着促進剤の含有量は、前記感光性組成物中の全成分に対して0.001〜20質量%が好ましく、0.01〜10質量%がより好ましく、0.1〜5質量%が特に好ましい。
(感光性フィルム)
前記感光性フィルムは、本発明の感光性組成物からなる感光層を支持体上に有してなり、好ましくは保護フィルムを有してなり、更に必要に応じて、クッション層、酸素遮断層(PC層)などのその他の層を有してなる。
前記感光性フィルムの形態は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記支持体上に、前記感光層、前記保護膜フィルムをこの順に有してなる形態、前記支持体上に、前記PC層、前記感光層、前記保護フィルムをこの順に有してなる形態、前記支持体上に、前記クッション層、前記PC層、前記感光層、前記保護フィルムをこの順に有してなる形態などが挙げられる。なお、前記感光層は、単層であってもよいし、複数層であってもよい。
<支持体>
前記支持体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記感光層を剥離可能であり、かつ光の透過性が良好であるのが好ましく、更に表面の平滑性が良好であるのがより好ましい。
前記支持体は、合成樹脂製で、かつ透明であるものが好ましく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、三酢酸セルロース、二酢酸セルロース、ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル、ポリ(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリスチレン、セロファン、ポリ塩化ビニリデン共重合体、ポリアミド、ポリイミド、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリトリフルオロエチレン、セルロース系フィルム、ナイロンフィルム等の各種のプラスチックフィルムが挙げられ、これらの中でも、ポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、前記支持体としては、例えば、特開平4−208940号公報、特開平5−80503号公報、特開平5−173320号公報、特開平5−72724号公報などに記載の支持体を用いることもできる。
前記支持体の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、4〜300μmが好ましく、5〜175μmがより好ましい。
前記支持体の形状は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、長尺状が好ましい。前記長尺状の支持体の長さは、特に制限はなく、例えば、10〜20,000mの長さのものが挙げられる。
<感光層>
前記感光層は、本発明の感光性組成物を用いて形成される。
また、前記感光層を露光し現像する場合において、該感光層の露光する部分の厚みを該露光及び現像後において変化させない前記露光に用いる光の最小エネルギーは、0.1〜500mJ/cmであることが好ましく、0.2〜200mJ/cmであることがより好ましく、0.5〜100mJ/cmであることが更に好ましく、1〜50mJ/cmであることが特に好ましい。
前記最小エネルギーが、0.1mJ/cm未満であると、処理工程にてカブリが発生することがあり、500mJ/cmを超えると、露光に必要な時間が長くなり、処理スピードが遅くなることがある。
ここで、「該感光層の露光する部分の厚みを該露光及び現像後において変化させない前記露光に用いる光の最小エネルギー」とは、いわゆる現像感度であり、例えば、前記感光層を露光したときの前記露光に用いた光のエネルギー量(露光量)と、前記露光に続く前記現像処理により生成した前記硬化層の厚みとの関係を示すグラフ(感度曲線)から求めることができる。
前記硬化層の厚みは、前記露光量が増えるに従い増加していき、その後、前記露光前の前記感光層の厚みと略同一かつ略一定となる。前記現像感度は、前記硬化層の厚みが略一定となったときの最小露光量を読み取ることにより求められる値である。
ここで、前記硬化層の厚みと前記露光前の前記感光層の厚みとが±1μm以内であるとき、前記硬化層の厚みが露光及び現像により変化していないとみなす。
前記硬化層及び前記露光前の前記感光層の厚みの測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、膜厚測定装置、表面粗さ測定機(例えば、サーフコム1400D(東京精密社製))などを用いて測定する方法が挙げられる。
前記感光層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、1〜100μmが好ましく、2〜50μmがより好ましく、4〜30μmが特に好ましい。
<保護フィルム>
前記保護フィルムは、前記感光層の汚れや損傷を防止し、保護する機能を有する。
前記保護フィルムの前記感光性フィルムにおいて設けられる箇所は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、通常、前記感光層上に設けられる。
前記保護フィルムとしては、例えば、前記支持体に使用されるもの、シリコーン紙、ポリエチレン、ポリプロピレンがラミネートされた紙、ポリオレフィン又はポリテトラフルオルエチレンシート、などが挙げられ、これらの中でも、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムが好ましい。
前記保護フィルムの厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、5〜100μmが好ましく、8〜30μmがより好ましい。
前記保護フィルムを用いる場合、前記感光層及び前記支持体の接着力Aと、前記感光層及び保護フィルムの接着力Bとが、接着力A>接着力Bの関係であることが好ましい。
前記支持体と保護フィルムとの組合せ(支持体/保護フィルム)としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート/ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレン、ポリ塩化ビニル/セロフアン、ポリイミド/ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンテレフタレートなどが挙げられる。また、支持体及び保護フィルムの少なくともいずれかを表面処理することにより、上述のような接着力の関係を満たすことができる。前記支持体の表面処理は、前記感光層との接着力を高めるために施されてもよく、例えば、下塗層の塗設、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線照射処理、高周波照射処理、グロー放電照射処理、活性プラズマ照射処理、レーザ光線照射処理などを挙げることができる。
また、前記支持体と前記保護フィルムとの静摩擦係数は、0.3〜1.4が好ましく、0.5〜1.2がより好ましい。
前記静摩擦係数が、0.3未満であると、滑り過ぎるため、ロール状にした場合に巻ズレが発生することがあり、1.4を超えると、良好なロール状に巻くことが困難となることがある。
前記感光性フィルムは、例えば、円筒状の巻芯に巻き取って、長尺状でロール状に巻かれて保管されるのが好ましい。前記長尺状の感光性フィルムの長さは、特に制限はなく、例えば、10〜20,000mの範囲から適宜選択することができる。また、ユーザーが使いやすいようにスリット加工し、100〜1,000mの範囲の長尺体をロール状にしてもよい。なお、この場合には、前記支持体が一番外側になるように巻き取られるのが好ましい。また、前記ロール状の感光性フィルムをシート状にスリットしてもよい。保管の際、端面の保護、エッジフュージョンを防止する観点から、端面にはセパレーター(特に防湿性のもの、乾燥剤入りのもの)を設置するのが好ましく、また梱包も透湿性の低い素材を用いるのが好ましい。
前記保護フィルムは、前記保護フィルムと前記感光層との接着性を調整するために表面処理してもよい。前記表面処理は、例えば、前記保護フィルムの表面に、ポリオルガノシロキサン、弗素化ポリオレフィン、ポリフルオロエチレン、ポリビニルアルコール等のポリマーからなる下塗層を形成させる。該下塗層の形成は、前記ポリマーの塗布液を前記保護フィルムの表面に塗布した後、30〜150℃で1〜30分間乾燥させることにより形成させることができる。前記乾燥の温度は、50〜120℃が特に好ましい。
また、前記感光層、前記支持体、前記保護フィルムの他に、クッション層、酸素遮断層(PC層)、剥離層、接着層、光吸収層、表面保護層などの層を有してもよい。
前記クッション層は、常温ではタック性が無く、真空・加熱条件で積層した場合に溶融し、流動する層である。
前記PC層は、通常ポリビニルアルコールを主成分として形成された0.5〜5μm程度の被膜である。
〔感光性フィルムの製造方法〕
前記感光性フィルムは、例えば、次のようにして製造することができる。
まず、前記感光性組成物に含まれる材料を、水又は溶剤に溶解、乳化又は分散させて、感光性フィルム用の感光性樹脂組成物溶液を調製する。
前記溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、n−ヘキサノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジイソブチルケトンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−n−アミル、硫酸メチル、プロピオン酸エチル、フタル酸ジメチル、安息香酸エチル、及びメトキシプロピルアセテートなどのエステル類;トルエン、キシレン、ベンゼン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;四塩化炭素、トリクロロエチレン、クロロホルム、1,1,1−トリクロロエタン、塩化メチレン、モノクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノールなどのエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホオキサイド、スルホランなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、公知の界面活性剤を添加してもよい。
次に、前記支持体上に前記感光性樹脂組成物溶液を塗布し、乾燥させて感光層を形成し、感光性フィルムを製造することができる。
前記感光性組成物溶液の塗布方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法、スリットコート法、エクストルージョンコート法、カーテンコート法、ダイコート法、グラビアコート法、ワイヤーバーコート法、ナイフコート法等の各種の塗布方法が挙げられる。
前記乾燥の条件としては、各成分、溶媒の種類、使用割合等によっても異なるが、通常60〜110℃の温度で30秒間〜15分間程度である。
前記感光性フィルムは、例えば、円筒状の巻芯に巻き取って、長尺状でロール状に巻かれて保管されるのが好ましい。
前記長尺状の感光性フィルムの長さは、特に制限はなく、例えば、10〜20,000mの範囲から適宜選択することができる。また、ユーザーが使いやすいようにスリット加工し、100〜1,000mの範囲の長尺体をロール状にしてもよい。なお、この場合には、前記支持体が一番外側になるように巻き取られるのが好ましい。また、前記ロール状の感光性フィルムをシート状にスリットしてもよい。保管の際、端面の保護、エッジフュージョンを防止する観点から、端面にはセパレーター(特に防湿性のもの、乾燥剤入りのもの)を設置するのが好ましく、また梱包も透湿性の低い素材を用いるのが好ましい。
(感光性積層体)
本発明の感光性積層体は、基体上に、前記本発明の感光性組成物からなる感光層を少なくとも有し、目的に応じて適宜選択されるその他の層を積層してなる。
<基体>
前記基体は、感光層が形成される被処理基体、又は本発明の感光性フィルムの少なくとも感光層が転写される被転写体となるもので、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、表面平滑性の高いものから凸凹のある表面を持つものまで任意に選択できる。板状の基体が好ましく、いわゆる基板が使用される。具体的には、公知のプリント配線用の基板(プリント基板)、ガラス板(ソーダガラス板など)、合成樹脂性のフィルム、紙、金属板などが挙げられる。
〔感光性積層体の製造方法〕
前記感光性積層体の製造方法として、第1の態様として、前記感光性組成物を前記基体の表面に塗布し乾燥する方法が挙げられ、第2の態様として、本発明の感光性フィルムにおける少なくとも感光層を加熱及び加圧の少なくともいずれかを行いながら転写して積層する方法が挙げられる。
前記第1の態様の感光性積層体の製造方法は、前記基体上に、前記感光性組成物を塗布及び乾燥して感光層を形成する。
前記塗布及び乾燥の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記基体の表面に、前記感光性組成物を、水又は溶剤に溶解、乳化又は分散させて感光性組成物溶液を調製し、該溶液を直接塗布し、乾燥させることにより積層する方法が挙げられる。
前記感光性組成物溶液の溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記感光性フィルムに用いたものと同じ溶剤が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、公知の界面活性剤を添加してもよい。
前記塗布方法及び乾燥条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記感光性フィルムに用いたものと同じ方法及び条件で行う。
前記第2の態様の感光性積層体の製造方法は、前記基体の表面に本発明の感光性フィルムを加熱及び加圧の少なくともいずれかを行いながら積層する。なお、前記感光性フィルムが前記保護フィルムを有する場合には、該保護フィルムを剥離し、前記基体に前記感光層が重なるようにして積層するのが好ましい。
前記加熱温度は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、15〜180℃が好ましく、60〜140℃がより好ましい。
前記加圧の圧力は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.1〜1.0MPaが好ましく、0.2〜0.8MPaがより好ましい。
前記加熱の少なくともいずれかを行う装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ラミネーター(例えば、大成ラミネータ社製 VP−II、ニチゴーモートン(株)製 VP130)などが好適に挙げられる。
本発明の感光性組成物、パターン形成材料、及び前記感光性積層体は、高感度及び高解像度で、生保存性、露光ベーク後の伸び、及びラミネート後経時の解像度のいずれもが良好であり、高精細な永久パターンを形成可能であるため、保護膜、層間絶縁膜、ソルダーレジスト等の各種永久パターンの形成、カラーフィルタ、柱材、リブ材、スペーサー、隔壁等の液晶構造部材の製造、ホログラム、マイクロマシン、プルーフの製造などに好適に用いることができ、特に、プリント基板の永久パターン形成用に好適に用いることができる。
特に、本発明の感光性フィルムは、該フィルムの厚みが均一であるため、永久パターンの形成に際し、永久パターン(保護膜、層間絶縁膜、ソルダーレジストなど)を薄層化しても、高加速度試験(HAST)においてイオンマイグレーションの発生がなく、耐熱性、耐湿性に優れた高精細な永久パターンが得られるため、基材への積層がより精細に行われる。
(パターン形成装置及び永久パターン形成方法)
本発明のパターン形成装置は、本発明の前記感光性積層体を備えており、光照射手段と光変調手段とを少なくとも有する。
本発明の永久パターン形成方法は、露光工程を少なくとも含み、適宜選択した現像工程等のその他の工程を含む。
なお、本発明の前記パターン形成装置は、本発明の前記永久パターン形成方法の説明を通じて明らかにする。
[露光工程]
前記露光工程は、本発明の感光層に対し、露光を行う工程である。本発明の前記感光層、及び基体の材料については上述の通りである。
前記露光の対象としては、前記感光層である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、上述のように、基体上に感光性組成物を加熱及び加圧の少なくともいずれかを行いながら積層して形成した感光性積層体における感光層に対して行われることが好ましい。
前記露光としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、デジタル露光、アナログ露光等が挙げられるが、これらの中でもデジタル露光が好ましい。
前記アナログ露光としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、所定のパターンを有するフォトマスクを介して、(超)高圧水銀灯、キセノンランプ、ハロゲンランプなどで露光を行なう方法が挙げられる。
前記デジタル露光としては、前記フォトマスクを用いずに行なうのであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、光照射手段及び光変調手段を少なくとも備えた露光ヘッドと、前記感光層の少なくともいずれかを移動させつつ、前記感光層に対して、前記光照射手段から出射した光を前記光変調手段によりパターン情報に応じて変調しながら前記露光ヘッドから照射して行なうことが好ましい。
前記デジタル露光で用いる光源としては、紫外から近赤外線を発する光源であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(超)高圧水銀灯、キセノン灯、カーボンアーク灯、ハロゲンランプ、及び複写機用などの蛍光管、またはレーザ光等の公知光源が用いられるが、これらの中でも(超)高圧水銀灯、レーザ光が好ましく、レーザ光がより好ましい。
(超)高圧水銀灯とは、石英ガラスチューブなどに水銀を封入した放電灯であり、水銀の蒸気圧を高く設定して発光効率を高めたものである。輝線スペクトルのうち、NDフィルターなどを用いて1波長のみの輝線スペクトルを用いてもよく、複数の輝線スペクトルを有する光線を用いてもよい。
前記レーザ光の「レーザ」は、Light Amplification by Stimulated Emission of Radiation(誘導放出による光の増幅)の頭字語である。前記レーザ光を発する装置としては、反転分布を持った物質中で起きる誘導放出の現象を利用し、光波の増幅、発振によって干渉性と指向性が一層強い単色光を作り出す発振器及び増幅器が好適に挙げられる。
前記レーザ光の励起媒質としては、結晶、ガラス、液体、色素、気体などがあり、これらの媒質から固体レーザ、液体レーザ、気体レーザ、半導体レーザなどの公知のレーザを用いることができる。
具体的には、ガスレーザとして、Arイオンレーザ(364nm、351nm)、Krイオンレーザ(356nm、351nm)、He−Cdレーザ(325nm)が挙げられ、固体レーザとして、YAGレーザ、YVOレーザ(1,064nm)、YAGレーザ又はYVOレーザの、2倍波(532nm)、3倍波(355nm)、4倍波(266nm)、導波型波長変換素子とAlGaAs又はInGaAs半導体との組み合わせ(380〜400nm)、導波型波長変換素子とAlGaInP又はAlGaAs半導体tとの組み合わせ(300〜350nm)、AlGaInN(350〜470nm)などが挙げられる。これらの中で好適なレーザ光としては、コストの面でAlGaInN半導体レーザ(市販InGaN系半導体レーザ375nm又は405nm)が、生産性の面で高出力な355nmレーザが挙げられる。
前記レーザ光の波長は、例えば、200〜1,500nmが好ましく、300〜800nmがより好ましく、330〜500nmが更に好ましく、350〜420nmが特に好ましい。
−光変調手段−
前記光変調手段としては、n個の描素部を有し、前記パターン情報に応じて前記描素部を制御する方法が、代表的な方法として挙げられる。具体的には、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)や、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)タイプの空間光変調素子(SLM;Spatial Light Modulator)、電気光学効果により透過光を変調する光学素子(PLZT素子)、液晶光シャッタ(FLC)などが挙げられ、これらの中でもDMDが好適に挙げられる。
前記DMDを用いた場合、光源からの光は、適切な光学系によって前記DMD上に照射され、前記DMDに二次元に並んだ各ミラーからの反射光が、別の光学系などを経て、感光層上に、二次元に並んだ光点の像を形成する。このままでは光点と光点の間は露光されないが、前記二次元に並んだ光点の像を、二次元の並び方向に対して、やや傾いた方向に移動させると、最初の列の光点と光点の間を、後方の列の光点が露光することにより、感光層の全面を露光することができる。前記DMDは、各ミラーの角度を制御し、前記光点をON-OFF制御することで、画像パターンを形成することができる。このような前記DMDを有す露光ヘッドを並べて用いることで色々な幅の基板に対応することができる。
前記DMDでは、前記光点の輝度は、ONかOFFの2階調しかないが、ミラー階調型空間変調素子を用いると、256階調の露光を行なうことができる。
また、前記光変調手段は、形成するパターン情報に基づいて制御信号を生成するパターン信号生成手段を有することが好ましい。この場合、前記光変調手段は、前記パターン信号生成手段が生成した制御信号に応じて光を変調させる。
前記制御信号としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、デジタル信号が好適に挙げられる。
一方、前記光変調手段の、別の代表的な方法として、ポリゴンミラーを用いる方法が挙げられる。ここで、ポリゴンミラー(polygon mirror)とは、周囲に一連の平面反射面を持った回転部材のことである。前記ポリゴンミラーでは、感光層上に光源からの光を反射して照射するが、反射光の光点は、該平面鏡の回転によって走査される。この走査方向に対して直角に基板を移動させることで、基板上の感光層の全面を露光することができる。そして、光源からの光の強度を適切な方法でON−OFF、又は中間調に制御することで、画像パターンを形成することができる。この際、光源からの光を複数本とすることで、走査時間を短縮することができる。
本発明の光変調手段としては、その他にも、特開平5−150175公報に記載のポリゴンミラーを用いて描画する例、特表2004−523101公報(国際公開第2002/039793号パンフレット)に記載の、下部レイヤの画像の一部を視覚的に取得し、ポリゴンミラーを用いた装置で上部レイヤの位置を下部レイヤ位置に揃えて露光する例、特開2004−56080公報に記載のDMD有する露光する例、特表2002−523905公報に記載のポリゴンミラー備えた露光装置、特開2001−255661公報に記載のポリゴンミラー備えた露光装置、特開2003−50469公報に記載のDMD、LD、多重露光の組み合わせ例、特開2003−156853公報に記載の基板の部位により露光量を変える露光方法の例、特開2005−43576公報に記載の位置ずれ調整を行なう露光方法の例等が挙げられる。
−光照射手段−
前記光照射手段、すなわち光の照射方法としては、特に制限はなく、前述の露光光源を目的に応じて適宜選択することができるが、これらの光源からの光を2以上合成して照射することが好適であり、2以上の光を合成したレーザ光(合波レーザ光)を照射することが特に好適に挙げられる。
前記合波レーザ光の照射方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、複数のレーザ光源と、マルチモード光ファイバと、該複数のレーザ光源から照射されるレーザ光を集光して前記マルチモード光ファイバに結合させる集合光学系とにより合波レーザ光を構成して照射する方法が好適に挙げられる。
前記レーザ光のビーム径は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、濃色離隔壁の解像度の観点から、ガウシアンビームの1/e2値で5〜30μmが好ましく、7〜20μmがより好ましい。
本発明では、レーザ光を画像データに応じて空間光変調することが好ましい。したがって、この目的のため空間光変調素子である前記DMDを用いることが好ましい。
前記光変調手段、及び前記光照射手段を有している露光装置としては、例えば、特開2005−222039号公報、特開2005−258431号公報、特開2006−30966号公報などに記載されている装置を用いることができるが、本発明における露光装置はこれに限定されるものではない。
[現像工程]
前記現像としては、前記感光層の未露光部分を除去することにより行われる。
前記未硬化領域の除去方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、現像液を用いて除去する方法などが挙げられる。
前記現像液としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アルカリ性水溶液、水系現像液、有機溶剤などが挙げられ、これらの中でも、弱アルカリ性の水溶液が好ましい。該弱アルカリ水溶液の塩基成分としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、硼砂などが挙げられる。
前記弱アルカリ性の水溶液のpHは、例えば、約8〜12が好ましく、約9〜11がより好ましい。前記弱アルカリ性の水溶液としては、例えば、0.1〜5質量%の炭酸ナトリウム水溶液又は炭酸カリウム水溶液などが挙げられる。
前記現像液の温度は、前記感光層の現像性に合わせて適宜選択することができるが、例えば、約25〜40℃が好ましい。
前記現像液は、界面活性剤、消泡剤、有機塩基(例えば、エチレンジアミン、エタノールアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロキサイド、ジエチレントリアミン、トリエチレンペンタミン、モルホリン、トリエタノールアミン等)や、現像を促進させるため有機溶剤(例えば、アルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、アミド類、ラクトン類等)などと併用してもよい。また、前記現像液は、水又はアルカリ水溶液と有機溶剤を混合した水系現像液であってもよく、有機溶剤単独であってもよい。
[硬化処理工程]
前記硬化処理工程は、前記現像工程が行われた後、形成されたパターンにおける感光層に対して硬化処理を行う工程である。
前記硬化処理工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、全面露光処理、全面加熱処理などが好適に挙げられる。
前記全面露光処理の方法としては、例えば、前記現像後に、前記永久パターンが形成された前記積層体上の全面を露光する方法が挙げられる。該全面露光により、前記感光層を形成する感光性組成物中の樹脂の硬化が促進され、前記永久パターンの表面が硬化される。
前記全面露光を行う装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、超高圧水銀灯などのUV露光機が好適に挙げられる。
前記全面加熱処理の方法としては、前記現像の後に、前記永久パターンが形成された前記積層体上の全面を加熱する方法が挙げられる。該全面加熱により、前記永久パターンの表面の膜強度が高められる。
前記全面加熱における加熱温度は、120〜250℃が好ましく、120〜200℃がより好ましい。該加熱温度が120℃未満であると、加熱処理による膜強度の向上が得られないことがあり、250℃を超えると、前記感光性組成物中の樹脂の分解が生じ、膜質が弱く脆くなることがある。
前記全面加熱における加熱時間は、10〜120分が好ましく、15〜60分がより好ましい。
前記全面加熱を行う装置としては、特に制限はなく、公知の装置の中から、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ドライオーブン、ホットプレート、IRヒーターなどが挙げられる。
−保護膜、層間絶縁膜、ソルダーレジスト永久パターン形成方法−
前記パターンの形成方法が、保護膜、層間絶縁膜、及びソルダーレジストパターンの少なくともいずれかを形成する永久パターン形成方法である場合には、プリント基板上に前記永久パターン形成方法により、永久パターンを形成し、更に、以下のように半田付けを行うことができる。
即ち、前記現像により、前記永久パターンである硬化層が形成され、前記プリント配線板の表面に金属層が露出される。該プリント配線板の表面に露出した金属層の部位に対して金メッキを行った後、半田付けを行う。そして、半田付けを行った部位に、半導体や部品などを実装する。このとき、前記硬化層による永久パターンが、保護膜あるいは絶縁膜(層間絶縁膜)、ソルダーレジストとしての機能を発揮し、外部からの衝撃や隣同士の電極の導通が防止される。
前記パターン形成装置及び永久パターン形成方法においては、前記永久パターン形成方法により形成される永久パターンが、前記保護膜又は前記層間絶縁膜であると、配線を外部からの衝撃や曲げから保護することができ、特に、前記層間絶縁膜である場合には、例えば、多層配線基板やビルドアップ配線基板などへの半導体や部品の高密度実装に有用である。
本発明の前記永久パターン形成方法は、本発明の前記感光性積層体を用いるため、保護膜、層間絶縁膜、及びソルダーレジストパターン等の各種永久パターン形成用、カラーフィルタ、柱材、リブ材、スペーサー、隔壁等の液晶構造部材の製造、ホログラム、マイクロマシン、プルーフなどの製造に好適に使用することができ、特に、プリント基板の永久パターン形成に好適に使用することができる。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(合成例1)
−バインダー1の合成−
1,000mL三口フラスコに1−メトキシ−2−プロパノール159gを入れ、窒素気流下、85℃まで加熱した。これに、ベンジルメタクリレート63.4g、メタクリル酸72.3g、V−601(和光純薬(株)製)4.15gの1−メトキシ−2−プロパノール159g溶液を、2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に5時間加熱して反応させた。次いで、加熱を止め、ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(30/70mol%比)の共重合体を得た。
次に、前記共重合体溶液の内、120.0gを300mL三口フラスコに移し、グリシジルメタクリレート16.6g、p−メトキシフェノール0.16gを加え、撹拌し溶解させた。溶解後、トリフェニルホスフィン2.4gを加え、100℃に加熱し、付加反応を行った。グリシジルメタクリレートが消失したことを、ガスクロマトグラフィーで確認し、加熱を止めた。1−メトキシ−2−プロパノールを加え、固形分50質量%の下記構造式で表されるバインダー1の溶液を調製した。
得られたバインダー1の質量平均分子量(Mw)を、ポリスチレンを標準物質としたゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)により測定した結果、15,000であった。
また、水酸化ナトリウムを用いた滴定から、固形分あたりの酸価は、2.2meq/gであった。
更に、ヨウ素価滴定により求めた固形分あたりのエチレン性不飽和結合の含有量(C=C価)は、2.1meq/gであった。
*1は下記構造式(a)で表される構造、及び下記構造式(b)で表される構造の混合を表す。
(実施例1)
−感光性組成物の調製−
各成分を下記の量で配合して、感光性組成物溶液を調製した。
〔感光性組成物溶液の各成分量〕
・合成例1で得られたバインダー1(前記1−メトキシ−2−プロパノール溶液中に固形分質量50質量%)・・・70.66質量部
・DPCA―120(前記一般式(I)で表されるε−カプロラクタム変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、日本化薬製KAYARADシリーズ)・・・17.3質量部
・下記式I−1で表される光重合開始剤(オキシム誘導体)・・・1.04質量部
・下記式S−1で表される増感剤(チオキサントン系化合物)・・・0.06質量部
・ビスフェノールA系エポキシ化合物とビスフェノールF系エポキシ化合物との混合物(東都化成社製、エポトートZX−1059、エポキシ等量165g/eq.(アルカリ不溶性の熱架橋剤))・・・9.43質量部
・熱硬化促進剤(ジシアンジアミド)・・・0.46質量部
・フッ素系界面活性剤(メガファックF−176,大日本インキ化学工業(株)製、30質量%2−ブタノン溶液)・・・0.06質量部
・硫酸バリウム分散液(堺化学工業(株)製、B−30)・・・83質量部
・メチルエチルケトン・・・22.0質量部
なお、前記硫酸バリウム分散液は、硫酸バリウム(堺化学工業(株)製、B30)30質量部、C.I.ピグメント・ブルー15:3を0.2質量部、C.I.ピグメント・イエロー185を0.05質量部、メチルエチルケトン40.55質量部、及びバインダー1を32.36質量部を予め混合した後、モーターミルM−200(アイガー社製)で、直径1.0mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sにて3.5時間分散して調製した。
−感光性フィルムの製造−
得られた感光性組成物溶液を、前記支持体としての厚み16μm(東レ(株)製、16FB50)、幅300mm、長さ200mのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム上に、バーコーターで塗布し、80℃熱風循環式乾燥機中で乾燥して、厚み30μmの感光層を形成した。次いで、該感光層の上に、保護フィルムとして、膜厚20μm、幅310mm、長さ210mのポリプロピレンフイルム(王子製紙(株)製、E−200)をラミネーションにより積層し、前記感光性フィルムを製造した。
−感光性積層体の調製−
前記基体として、プリント基板、すなわち配線形成済みの銅張積層板(スルーホールなし、銅厚み12μm)の表面に化学研磨処理を施して調製した。該銅張積層板上に、前記感光性フィルムの感光層が前記銅張積層板に接するようにして前記感光性フィルムにおける保護フィルムを剥がしながら、真空ラミネーター(ニチゴーモートン(株)製、VP130)を用いて積層させ、前記銅張積層板と、前記感光層と、前記ポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)とがこの順に積層された感光性積層体を調製した。
圧着条件は、真空引きの時間40秒、圧着温度70℃、圧着圧力0.2MPa、加圧時間10秒とした。
前記感光性フィルム及び前記感光性積層体について、フィルム露光ベーク後の伸び、最短現像時間、感度、生保存性、解像度、及びラミネート後1日経時での解像度の評価を、それぞれ以下の方法により行った。結果を表2に示す。
<フィルム露光ベーク後の伸びの評価>
前記基体として、6mmφのスルーホール貫通穴を施した銅張積層板(銅厚み12μm)の表面に化学研磨処理を施して調製した。該銅張積層板上に、前記感光性フィルムの感光層が前記銅張積層板に接するようにして前記感光性フィルムにおける保護フィルムを剥がしながら、ラミネーター(大成ラミネータ製、MODEL−8B−720−PH)を用いて積層させ、前記銅張積層板と、前記感光層と、前記ポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)とがこの順に積層された感光性積層体を調製し、オーク製作所製の露光装置(HMW532D)を用いて200mJ/cmで露光し、前記支持体を剥がした後、170℃で1時間加熱して評価サンプルとした。この評価サンプルのスルーホール部に2mm径の針を押し込み、破れるまでに押し込まれる長さを測定した。
<最短現像時間の評価>
前記感光性積層体から前記支持体を剥がし取り、銅張積層板上の前記感光層の全面に30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液を0.15MPaの圧力にてスプレーし、炭酸ナトリウム水溶液のスプレー開始から前記銅張積層板上の前記感光層が溶解除去されるまでに要した時間を測定し、これを最短現像時間とした。
<感度の評価>
前記調製した感光性積層体における感光層に対し、前記光照射手段としての405nmのレーザ光源を有する特開2006−30966号公報に記載のパターン形成装置を用いて、0.1mJ/cmから21/2倍間隔で100mJ/cmまでの光エネルギー量の異なる光を照射して2重露光し、前記感光層の一部の領域を硬化させた。室温にて10分間静置した後、銅張積層板上の感光層の全面に、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液をスプレー圧0.15MPaにて前記最短現像時間の2倍の時間スプレーし、未硬化の領域を溶解除去して、残った硬化領域の厚みを測定した。次いで、光の照射量と、硬化層の厚さとの関係をプロットして感度曲線を得た。該感度曲線から、硬化領域の厚みが露光前の感光層と同じ30μmとなった時の光エネルギー量を、感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量とした。
<生保存性の評価>
前記感光性積層体を24℃60%RH下で、防湿袋(黒色ポリエチレン製の筒状袋、膜厚:80μm、水蒸気透過率:25g/m・24hr以下)に密閉してから、40℃で3日間保存した後において、前記最短現像時間の評価におけるのと同様な方法により前記最短現像時間を測定し、前記最短現像時間の評価で得られた値をt、前記3日間保存した後における前記最短現像時間の値をtとし、t/tの値を算出した。得られた値が1に近い程、生保存性に優れることを意味する。
<解像度の評価>
前記最短現像時間の評価方法と同じ方法及び条件で前記感光性積層体を作製し、室温(23℃、55%RH)にて10分間静置した。得られた感光性積層体の感光層上から、前記パターン形成装置を用いて、ライン/スペース=1/1でライン幅10〜100μmまで1μm刻みで各線幅の露光を行う。この際の露光量は、前記感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量である。室温にて10分間静置した後、銅張積層板上の感光層の全面に30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液をスプレー圧0.15MPaにて前記最短現像時間の2倍の時間スプレーし、未硬化領域を溶解除去する。この様にして得られた硬化樹脂パターン付き銅張積層板の表面を光学顕微鏡で観察し、硬化樹脂パターンのラインにツマリ、ヨレ等の異常が無く、かつスペース形成可能な最小のライン幅を測定し、これを解像度とした。該解像度は数値が小さいほど良好である。
<ラミネート後1日経時での解像度の評価>
前記感光性積層体の調製後、暗所にて24時間放置した後に、前記解像度を測定した。
(実施例2)
実施例1において、DPCA―120を、表1に示すように、DPCA−60(前記一般式(I)で表されるε−カプロラクタム変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、日本化薬製KAYARADシリーズ)に代えた以外は、同様に、フィルム露光ベーク後の伸び、最短現像時間、感度、生保存性、解像度、及びラミネート後1日経時での解像度の評価を行った。結果を表2に示す。
(実施例3)
実施例1において、DPCA―120を、表1に示すように、DPCA−30(前記一般式(I)で表されるε−カプロラクタム変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、日本化薬製KAYARADシリーズ)に代えた以外は、同様に、フィルム露光ベーク後の伸び、最短現像時間、感度、生保存性、解像度、及びラミネート後1日経時での解像度の評価を行った。結果を表2に示す。
(実施例4)
実施例1において、DPCA―120を、表1に示すように、DPEA−12(前記一般式(I)で表されるモノマー、日本化薬製KAYARADシリーズ)に代えた以外は、同様に、フィルム露光ベーク後の伸び、最短現像時間、感度、生保存性、解像度、及びラミネート後1日経時での解像度の評価を行った。結果を表2に示す。
(実施例5)
実施例1において、DPCA―120を、表1に示すように、RP−1040(前記一般式(III)で表されるモノマー、日本化薬製KAYARADシリーズ)に代えた以外は、同様に、フィルム露光ベーク後の伸び、最短現像時間、感度、生保存性、解像度、及びラミネート後1日経時での解像度の評価を行った。結果を表2に示す。
(実施例6)
実施例1において、DPCA―120を、表1に示すように、TPA−330(前記一般式(II)で表されるモノマー、日本化薬製KAYARADシリーズ)に代えた以外は、同様に、フィルム露光ベーク後の伸び、最短現像時間、感度、生保存性、解像度、及びラミネート後1日経時での解像度の評価を行った。結果を表2に示す。
(実施例7)
実施例1において、前記式I−1で表される光重合開始剤を、表1に示すように、下記式I−2で表される光重合開始剤に代えた以外は、同様に、フィルム露光ベーク後の伸び、最短現像時間、感度、生保存性、解像度、及びラミネート後1日経時での解像度の評価を行った。結果を表2に示す。
(実施例8)
実施例1において、表1に示すように、DPCA―120を8.7質量部と、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)(日本化薬社製、kayaradシリーズ)8.7質量部とを、併用した以外は、同様に、フィルム露光ベーク後の伸び、最短現像時間、感度、生保存性、解像度、及びラミネート後1日経時での解像度の評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例1)
実施例1において、前記I−1で表される光重合開始剤を、表1に示すように、イルガキュア369(チバスペシャルティケミカルズ社製)に代えた以外は、同様に、フィルム露光ベーク後の伸び、最短現像時間、感度、生保存性、解像度、及びラミネート後1日経時での解像度の評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例2)
実施例1において、前記I−1で表される光重合開始剤を、表1に示すように、イルガキュア819(チバスペシャルティケミカルズ社製)に代えた以外は、同様に、フィルム露光ベーク後の伸び、最短現像時間、感度、生保存性、解像度、及びラミネート後1日経時での解像度の評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例3)
実施例1において、DPCA―120を、表1に示すように、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)(日本化薬社製、kayaradシリーズ)に代えた以外は、同様に、フィルム露光ベーク後の伸び、最短現像時間、感度、生保存性、解像度、及びラミネート後1日経時での解像度の評価を行った。結果を表2に示す。
表2の結果から、重合性化合物が前記一般式(I)〜(III)のいずれかで表されるモノマーを含み、かつ前記光重合開始剤がオキシム誘導体を含む感光性組成物を使用した実施例1〜8では、露光ベーク後のフィルムの伸び、最短現像時間、感度、生保存性、解像度、及びラミネート1日経時での解像度のいずれもが良好であることが判った。特に、前記一般式(I)で表されるモノマーにおいて、Xが一般式(iv)で表されるモノマーを含む実施例3及び実施例4では、更に高感度であることが判った。
本発明の感光性組成物、感光性フィルム、及び感光性積層体は、高感度及び高解像度で、生保存性、露光ベーク後の伸び、及びラミネート後経時の解像度のいずれもが良好であり、高精細な永久パターンを形成可能であるため、保護膜、層間絶縁膜、及びソルダーレジストパターン等の各種永久パターンの形成、カラーフィルタ、柱材、リブ材、スペーサー、隔壁などの液晶構造部材の製造、ホログラム、マイクロマシン、プルーフの製造などに好適に用いることができ、特に、プリント基板の永久パターン形成用に好適に用いることができる。
本発明の永久パターン形成方法は、本発明の前記感光性積層体を用いるため、保護膜、層間絶縁膜、及びソルダーレジストパターン等の各種永久パターン形成用、カラーフィルタ、柱材、リブ材、スペーサー、隔壁などの液晶構造部材の製造、ホログラム、マイクロマシン、プルーフの製造などに好適に用いることができ、特に、プリント基板の永久パターン形成に好適に用いることができる。

Claims (11)

  1. バインダー、重合性化合物、光重合開始剤、及び熱架橋剤を含み、
    前記重合性化合物が下記一般式(I)〜(III)のいずれかで表されるモノマーを含み、かつ前記光重合開始剤が下記一般式(VI)で表されるオキシム誘導体を含むことを特徴とする感光性組成物。
    ただし、前記一般式(I)〜(III)中、A〜Aは同一であってもよいし、異なっていてもよく、少なくとも1つは下記一般式(i)で表され、該一般式(i)で表される基以外は、水素原子又は下記一般式(ii)を表す。
    ただし、前記一般式(i)及び一般式(ii)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Xは下記一般式(iii)〜(v)のいずれかを表し、nは1又は2の整数を表す。
    ただし、前記一般式(iii)〜(v)中、Yは分岐していてもよいアルキレン基を表し、mは2〜6の整数を表す。
    ただし、前記一般式(VI)中、R は、置換基を有してもよい、アシル基、アルコキシカルボニル基、及びアリールオキシカルボニル基のいずれかを表す。mは、0以上の整数を表す。R は、置換基を表し、mが2以上の場合、該R は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。Arは、芳香族環及び複素芳香族環のいずれかを表す。Aは、4、5、6、及び7員環のいずれかを表し、これらの環は、それぞれへテロ原子を含んでもよい。
  2. 一般式(i)のXが、一般式(iv)で表される請求項1に記載の感光性組成物。
  3. 一般式(VI)で表されるオキシム誘導体が、下記一般式(VII)で表される化合物である請求項1から2のいずれかに記載の感光性組成物。
    ただし、前記一般式(VII)中、R 、R 、m、及びArは、一般式(VI)と同じ意を表す。Xは、O、及びSのいずれかを表す。Aは、5及び6員環のいずれかを表す。
  4. 一般式(VII)で表されるオキシム誘導体が、下記一般式(VIII)で表される化合物、及び下記一般式(IX)で表される化合物のいずれかである請求項3に記載の感光性組成物。
    ただし、前記一般式(VIII)及び一般式(IX)中、R は、置換基を有してもよい、アルキル基を表す。lは、0〜6のいずれかの整数を表す。R は、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、スルホニル基、及びアシルオキシ基のいずれかを表し、lが2以上の場合、該R は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。X及びAは、一般式(VII)と同じ意を表す。
  5. バインダーが、酸性基と、ヘテロ環を含んでもよい芳香族基と、エチレン性不飽和結合とを側鎖に有する高分子化合物を含む請求項1から4のいずれかに記載の感光性組成物。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の感光性組成物からなる感光層を支持体上に有してなることを特徴とする感光性フィルム。
  7. 請求項1から5のいずれかに記載の感光性組成物からなる感光層を基体上に有してなることを特徴とする感光性積層体。
  8. 感光層が、請求項6に記載の感光性フィルムにより形成された請求項7に記載の感光性積層体。
  9. 請求項7から8のいずれかに記載の感光性積層体における感光層に対して露光を行うことを含むことを特徴とする永久パターン形成方法。
  10. 露光が、350〜420nmの波長のレーザ光を用いて行われる請求項9に記載の永久パターン形成方法。
  11. 請求項9から10のいずれかに記載の永久パターン形成方法により永久パターンが形成されることを特徴とするプリント基板。
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