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JP4508929B2 - 絶縁膜用感光性樹脂組成物 - Google Patents

絶縁膜用感光性樹脂組成物 Download PDF

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Description

本発明は、回路基板作成のためのソルダーレジスト、メッキレジスト、エッチングレジスト、並びに半導体素子を搭載する配線基板の多層化用の絶縁膜、感光性接着剤に適した絶縁用樹脂組成物に関するものであり、また、絶縁用樹脂組成物を用いて形成された積層体に関するものである。
近年の電子機器の小型化、高性能化に伴って、そこに使用されるプリント配線板も高密度化されてきている。したがって、プリント配線板に用いられる絶縁材料の加工性も微細加工が要求される。絶縁材料の微細加工の有効な手段に露光、現像によってパターニングする方法が知られており、そこには感光性樹脂組成物が用いられてきたが、高感度化、基板に対する密着性、耐信頼性、耐クラック性、保存安定性等の多くの諸特性が要求されるようになってきている。
従来の感光性樹脂組成物からなる絶縁材料は、10〜50μmの膜厚で50μm以下の小径穴を開口できる解像性を有するようにするために大量の光重合開始剤及び増感剤を添加し、感度を上げることで達成してきた。パターン形成には光反応性樹脂と光重合開始剤との反応による光硬化作用が利用されており、硬化させるための露光波長として主に水銀灯の線スペクトルの一つであるi線(365nm)が使用されている。このi線は感光性樹脂組成物そのもの自身や着色剤により吸収され光硬化度の低下が発生する。しかも、厚膜であればその吸収量は増大する。そのため、露光された部分で膜厚方向に対する架橋密度の差が発生し、塗膜表面で十分光硬化しても、樹脂底面では光硬化し難く、また、露光部分と未露光部分における架橋密度の差をつけるのが著しく困難なためにパターン寸法安定性、現像マージン、パターン密着性、パターンのエッジ形状が悪化し、高解像度で現像できる感光性絶縁材料を得ることが困難であった。
更に、近年絶縁材料、特にソルダーレジスト製造分野においては、タクトタイムを低減させ生産性効率をあげるために、露光工程においては、露光時間が短い、すなわち、低露光量で光硬化する感光性樹脂組成物が求められている。また、絶縁膜層の加熱硬化及び実装時の加熱工程によって、膜中に残留している光重合開始剤が分解ガスとして放出され、乾燥炉やクリーンルームの汚染や物性試験において実装信頼性の低下といった問題も発生している。そのため、分解揮発性が少なく少量で効果が発現できる開始剤系が求められている。
特開2003-280193号公報 特開2002-323762号公報 特開2005-77451号公報
特許文献1には、オキシム系のラジカル発生基とチオキサントン骨格を有する開始剤による高感度化が開示されている。しかし、実際に使用する開始剤の量は樹脂に対し1.0%以上と依然多く、露光量も200mJを必要としている。また、特許文献2には高感度光重合開始剤として感光性樹脂組成物にオキシムエステル系の光重合開始剤を用いた高感度化の例が開示されているが、厚膜レジストの場合、まだ満足すべき水準には達していない。また、特許文献3は同様の開始剤を用いているが、適用される分野がカラーレジスト特にブラック系であり、その配合量は2〜30重量部と樹脂に対する配合量が多量であり、絶縁膜に適用した場合、絶縁抵抗や耐電圧といった電気特性の悪化や耐湿信頼性の低下といった問題があった。
本発明の目的は、上記問題を解決し、低添加量、低露光量で物性が発現し、解像性、耐信頼性及び耐ニッケル金メッキ性を損なわず、常温での保存安定性に優れる樹脂組成物及びこれを用いた積層体を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、感光性樹脂組成物の光重合開始剤に特定の化学構造を持つo−アシルオキシム系光重合開始剤を用いることにより、低添加量、低露光量で物性が発現し、従来の解像性、耐信頼性及び耐ニッケル金メッキ性を損なわず、更に常温での保存安定性に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、(A)ジオ−ル化合物と多価カルボン酸類とを反応させて得られ、重量平均分子量が2,000〜40,000、酸価が50〜200mgKOH/gであるカルボキシル基含有樹脂、(B)光重合可能なエチレン性不飽和結合を一分子中に少なくとも1つ以上含む不飽和化合物、(C)エポキシ化合物、及び(D)光重合開始剤を主成分とする樹脂組成物において、(A)成分と(B)成分の合計100重量部に対して、(C)成分が10〜40重量部、(D)成分が0.01〜2.0重量部含有され、且つ、(D)成分の光重合開始剤として下記一般式(I)で表される化合物を含有することを特徴とする絶縁膜用感光性樹脂組成物である。
Figure 0004508929
但し、一般式(I)において、R1は、フェニル基(炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基若しくはハロゲン原子で置換されていてもよい)、炭素数1〜20のアルキル基(1個以上の水酸基で置換されていてもよく、アルキル鎖の中間に1個以上の酸素原子を有していてもよい)、炭素数5〜8のシクロアルキル基、炭素数2〜20のアルカノイル基又はベンゾイル基(炭素数が1〜6のアルキル基若しくはフェニル基で置換されてもよい)を示し;
2は、炭素数2〜12のアルカノイル基(1以上のハロゲン原子若しくはシアノ基で置換されていてもよい)、その二重結合がカルボニル基と共役していない炭素数4〜6のアルケノイル基、ベンゾイル基(炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子若しくはシアノ基で置換されていてもよい)、炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基又はフェノキシカルボニル基(1以上の炭素数1〜6のアルキル基若しくはハロゲン原子で置換されていてもよい)を示し;
3、R4、R5、R6、R7、R8、R9及びR10 は、相互に独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基、ベンゾイル基、炭素数2〜12のアルカノイル基、炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基(アルコキシル基を構成するアルキル基の炭素数が2以上の場合、アルキル基は1個以上の水酸基で置換されていてもよく、アルキル鎖の中間に1個以上の酸素原子を有していてもよい)又はフェノキシカルボニル基を示す。
ここで、一般式(I)で表される化合物としては、下記一般式(II)で表される化合物が例示される。
Figure 0004508929
また、本発明は剥離可能な支持基材上に絶縁樹脂層が設けられた積層体において、絶縁樹脂層が上記絶縁膜用感光性樹脂組成物から構成されていることを特徴とする積層体である。ここで、絶縁樹脂層がアルカリ水溶液による現像が可能であること、又は、絶縁樹脂層の膜厚が10〜100μmであることはより望ましい積層体を与える。
以下、本発明を更に説明する。
本発明の絶縁膜用感光性樹脂組成物は、ジオ−ル化合物と多価カルボン酸類とを反応させて得られ、重量平均分子量が2,000〜40,000、好ましくは3,000〜30,000、酸価が50〜200mgKOH/gであるカルボキシル基含有樹脂(以下、(A)成分)、光重合可能なエチレン性不飽和結合を一分子中に少なくとも1つ以上含む不飽和化合物(以下、(B)成分)、エポキシ化合物(以下、(C)成分)及び光重合開始剤(以下、(D)成分)を主成分とする。
(A)成分はジオール化合物と多価カルボン酸を反応させて得られる。ジオール化合物としては、重合反応時の分子量増加の観点から、分子中の2つのヒドロキシル基と多価カルボン酸類、好ましくは酸二無水物中の2つの酸無水物基との反応性が等しくなる例えば、対称な分子構造を有するものが好ましい。
ジオール化合物の好ましい具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、水添ビスフェノールA、ビス(4-ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、9,9-ビス(4-ヒドロキフェニル)フルオレン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)ジメチルシラン、4,4'-ビフェノール等が挙げられる。また、これらジオール化合物から誘導した各種ジグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との付加化合物、脂環系エポキシと(メタ)アクリル酸との付加物、前述のビスフェノール類とエチレンオキシドあるいはプロピレンオキシドとの付加物等が好ましく挙げられる。特に、(メタ)アクリル酸付加物は多価カルボン酸類との反応後に同一分子中に重合性不飽和結合とアルカリ可溶性カルボキシル基を持つために、露光感度の向上と高解像度化に対して好ましい。
好ましい(A)成分としては、下記一般式(III)で表される樹脂が挙げられる。
Figure 0004508929
(但し、Arは2価の芳香族基であり、RはH又はメチル基であり、互いに同じであっても異なっていてもよく、Oは芳香族環に直接結合しており、Zは1種又は2種以上の多価カルボン酸の残基を示し、mは0〜3であり、nは1〜20である。)
カルボキシル基含有樹脂の中でも、優れた耐熱性を発現させるために、単位構造中にフルオレン骨格を有する樹脂(以下、フルオレン骨格含有樹脂という)が好ましく、カルボキシル基含有樹脂中30重量%以上、好ましくは50重量%以上用いることが絶縁膜用樹脂組成物の耐熱性発現に効果がある。
フルオレン骨格含有樹脂として特に好ましいのは、下記一般式(3)で表されるフルオレンエポキシ(メタ)アクリレートを多価カルボン酸又はその無水物と反応させて得られるフルオレン骨格を有する樹脂である。このビスフェノールフルオレン型エポキシ(メタ)アクリレートを多価カルボン酸又はその酸無水物と反応させることにより、上記一般式(III)において、Arがフルオレン骨格であるアルカリ可溶性のフルオレン骨格含有樹脂を得ることができる。なお、これらの一般式で表される樹脂は、多量体や未反応物又は中間体を含むことがある。
Figure 0004508929
(但し、R1〜R2は水素又はメチル基、R3〜R10は水素、炭素数1〜5のアルキル基又はハロゲンであり、互いに同じであっても異なっていてもよい。)
ジオール化合物と反応させる多価カルボン酸類としては、多価カルボン酸、その酸無水物、酸塩化物等が挙げられるが、酸無水物が好ましい。多価カルボン酸としては、マレイン酸、コハク酸、イタコン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、クロレンド酸、メチルテトラヒドロフタル酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ビフェニルテトラカルボン酸、ビフェニルエーテルテトラカルボン酸等を挙げることができるが、少なくとも一部はテトラカルボン酸又は酸二無水物であることが好ましい。これらはその1種のみを単独で用いることができるほか、2種以上を併用することもできる。
エポキシ(メタ)アクリレート等のジオール化合物と多価カルボン酸類との反応は公知の方法で行うことができる。
(A)成分である樹脂は、上記のようにして得られるが、酸価が50〜200mgKOH/gである必要がある。酸価の調整は使用する多価カルボン酸類の量を調整して、一部のOH基を残すとか、使用する多価カルボン酸類の種類の一部又は全部を二塩基酸や四塩基酸にして遊離のカルボキシル基の量を調整する方法とかがある。酸価が上記範囲にないと、良好なアルカリ現像性が得られないなどの問題が生じる。
(B)成分である不飽和化合物としては、下記アクリレート類等が好ましく挙げられる。
アクリレート類としては、例えばポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート等の水酸基を有するものや、例えばアリル(メタ)アクリレート、ブトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラフロオロプロピル(メタ)アクリレート、ジブロモプロピル(メタ)アクリレート等の脂肪族(メタ)アクリレート類や、例えばシクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等の脂環式変性(メタ)アクリレート類、その他芳香族(メタ)アクリレート類、リン含有(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
また、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、テトラブロモビスフェノールAジ(メタ)アクリレート等の二官能化合物や、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ウレタントリ(メタ)アクリレート等の三官能以上の化合物が挙げられる。
そして、エチレン性不飽和結合を有する上記の単官能化合物、二官能化合物及び三官能以上の化合物に関して、そのカプロラクトン、プロピレンオキサイド、エチレンオキサイド変性物等も同様に使用可能である。また、他の重合性モノマー、例えばビニルアセテート、ビニルカプロラクタム、ビニルピロリドン、スチレン等のビニル化合物等の単官能化合物も必要により使用することができる。これらの単官能化合物、二官能化合物及び三官能以上の化合物並びにその変性物については、その1種のみを単独で使用できることはもちろん、2種以上を併用して使用することもできる。
特に、本発明の絶縁用樹脂組成物として、アルカリ可溶性に加えて優れた光硬化性、すなわち高感度化が要求される場合には、重合可能な二重結合を1分子中に2つ(二官能)以上、より好ましくは3つ(三官能)以上有する樹脂又はモノマーを配合することがよい。しかし、(B)成分は(A)成分に該当する樹脂を含まない。そして、遊離のカルボキシル基を含まないか、酸価が5mgKOH/g以下であることが望ましい。(B)成分の不飽和化合物使用量は、(A)成分の樹脂100重量部に対して10〜200重量部の範囲にあることが好ましい。
(C)成分のエポキシ化合物(エポキシ樹脂ともいう)は、公知の多官能エポキシ化合物(樹脂ともいう)を使用することもできる。具体的には、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート、ジグリシジルイソシアヌレート等の多官能エポキシ樹脂を使用することが出来る。
(C)成分としてのエポキシ化合物の使用量は、マトリックス樹脂をアルカリ可溶性とする場合には、このアルカリ可溶性の性質が維持される範囲内で配合するのがよく、上記(A)成分と(B)成分の合計100重量部に対して10〜40重量部の範囲で配合するのがよい。
(D)成分の光重合開始剤としては、前記一般式(I)で表される化合物を必須成分として含有し、紫外線光等の照射によりラジカル種を発生し、光重合性の化合物に付加してラジカル重合を開始させ、組成物を硬化させる。なお、一般式(I)で表される化合物は、特許文献2や3で公知である。かかる化合物の製造には、その類似の化合物を教える特許文献2等に記載の製法が参照される。
一般式(I)で表される光重合開始開始剤の中では、上記式(II)で表される化合物が好ましい。
(D)成分としては、一般式(I)で表される光重合開始剤と共に、他の光重合開始剤及び増感剤を1種以上併用することができる。前記他の光重合開始剤及び増感剤としては例えば、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p-ジメチルアセトフェノン、p-ジメチルアミノプロピオフェノン、ジクロロアセトフェノン、トリクロロアセトフェノン、p-tert-ブチルアセトフェノン等のアセトフェノン類、ベンゾフェノン、2-クロロベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、等のベンゾインエーテル類、2-(o-クロロフェニル)-4,5-フェニルビイミダゾール、2-(o-クロロフェニル)-4,5-ジ(m-メトキシフェニル)ビイミダゾール、2-(o-フルオロフェニル)-4,5-ジフェニルビイミダゾール、2-(o-メトキシフェニル)-4,5-ジフェニルビイミダゾール、2,4,5-トリアリールビイミダゾール等のビイミダゾール系化合物類、2-トリクロロメチル−5−スチリル−1,3,4−オキサジアゾール、2-トリクロロメチル-5-(p-シアノスチリル)-1,3,4-オキサジアゾール、2-トリクロロメチル-5-(p-メトキシスチリル)-1,3,4-オキサジアゾール等のハロメチルチアゾール化合物類、2,4,6-トリス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-メチル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-フェニル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-(4-クロロフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-(4-メトキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-(4-メトキシナフチル)-4,6-ビス(トリクロロRメチル)-1,3,5-トリアジン、2-(4-メトキシスチリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-(3,4,5-トリメトキシスチリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-(4-メチルチオスチリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン等のハロメチル-S-トリアジン系化合物類、1,2-オクタンジオン,1-[4-(フェニルチオ)フェニル]-,2-(O-ベンゾイルオキシム)、1-(4-フェニルスルファニルフェニル)ブタン-1,2-ジオン-2-オキシム-O-ベンゾアート、1-(4-メチルスルファニルフェニル)ブタン-1,2-ジオン-2-オキシム-O-アセタート、1-(4-メチルスルファニルフェニル)ブタン-1−オンオキシム-O-アセタート等、上記式(I)を含まない範疇でのO-アシルオキシム系化合物類、ベンジルジメチルケタール、チオキサンソン、2-クロロチオキサンソン、2,4-ジエチルチオキサンソン、2-メチルチオキサンソン、2-イソプロピルチオキサンソン等のイオウ化合物、2-エチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2-ベンズアントラキノン、2,3-ジフェニルアントラキノン等のアントラキノン類、アゾビスイソブチルニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、クメンパーオキシド等の有機過酸化物、2-メルカプトベンゾイミダゾール、2-メルカプトベンゾオキサゾール、2-メルカプトベンゾチアゾール等のチオール化合物等が挙げられるが、開始剤及び増感剤の構造中にエポキシ樹脂の硬化促進効果のあるアミン類を含有するものは保存安定性が低下するので併用すべきではない。
これらの光重合開始剤及び増感剤は、その1種のみを単独で使用できるほか、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
(D)成分の光重合開始剤の使用量は、(A)、(B)の各成分の合計100重量部を基準として0.01〜2重量部であり、好ましくは0.1〜1.0重量部である。(D)成分の配合割合が0.01重量部未満の場合には、光重合の速度が遅くなって、感度が低下し、一方、2重量部を超える場合には、感度が強すぎて、パターン線幅がパターンマスクに対して太った状態になり、マスクに対して忠実な線幅が再現できず解像度が低下する。あるいは、パターンエッジがぎざつきシャープにならないといった問題が生じる恐れがある。(D)成分の光重合開始剤は、必須成分として一般式(I)で表される光重合開始剤を含むが、その量は他の(D)成分を加えない場合であっても、単独で光重合開始剤として有効に作用する量以上であることがよく、その量は(A)、(B)の各成分の合計100重量部を基準として0.005〜1.5重量部であり、好ましくは0.01〜0.1重量部である。
他の樹脂成分として、耐衝撃性、加工時のメッキ金属との密着性等の改良のため公知のゴム成分を添加することもできる。ゴム成分の中でもカルボキシル基を有する架橋弾性重合体が好ましく、具体的には、カルボキシル基を有する架橋アクリルゴム、カルボキシル基を有する架橋NBR、カルボキシル基を有する架橋MBS等が挙げられる。ゴム成分を使用する場合には一次粒子径が0.1μm以下の平均粒子径を有するものを樹脂成分100重量部に対して3〜10重量部の範囲で好ましく用いられる。
また、本発明の絶縁膜用樹脂組成物には、硬化物の低熱膨張化、弾性率や吸湿性の改善等を目的に、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、窒化ホウ素等の無機フィラーの1種又は2種以上を配合してもよい。更に、本発明の絶縁膜用樹脂組成物には、必要に応じて、エポキシ樹脂硬化促進剤、重合禁止剤、可塑剤、レベリング剤、消泡剤等の他の添加剤を配合することもできる。
本発明の絶縁膜用樹脂組成物は、必要に応じて溶剤を配合してその粘度を調整することもできる。溶剤としては、上記樹脂組成物の樹脂成分を溶解し、かつ、樹脂及び添加剤と反応しないものである必要があり、これらの条件を満たせば特に制限されるものではない。
本発明の絶縁膜用樹脂組成物の使用方法は、1)溶剤を加えてワニスとして調製した後、これを目的対象物に塗布して絶縁樹脂層を形成して使用する方法や、2)絶縁膜用樹脂組成物を予め後に剥離除去される支持基材上に塗布し、溶剤を除去した(ドライフィルム)積層体を形成して使用する方法が挙げられる。
ワニスとして使用する場合は、例えばワニス状に調製した樹脂組成物をスピンコート、カーテンコート等の手段により基板上に塗布し、乾燥、露光、現像により、パターンを形成した後、熱硬化する方法が挙げられる。
また、予め積層体を形成して使用する場合には、本発明の絶縁用樹脂組成物を支持基材上に均一に塗布し、熱風乾燥などにより溶剤を乾燥後、必要に応じて保護フィルムをかけて巻きとる方法が例示される。乾燥温度は、不飽和化合物の熱安定性と生産性を考えて80〜120℃が好ましい。また、乾燥時の塗膜表面の皮張り現象、発泡を防ぐために多段階で昇温するのが望ましい。乾燥後の樹脂層には、有機溶剤が残存することが多いが、その含有量は15重量%以下、好ましくは10重量%以下にすることが望ましい。ここでいう含有量は乾燥後の樹脂層重量を100重量%として、再び200℃にて30分間乾燥した後を絶対乾燥重量としたときの減少した重量%である。これが15重量%を越えるとコ−ルドフロ−が生じやすくなる。
樹脂組成物を塗布する支持基材(フィルム)としては、活性光を透過する透明なものが望ましい。このような活性光を透過する支持層としては、公知のポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、光学用ポリプロピレンフィルム、セルロース誘導体フィルムなどが挙げられる。これらのフィルムの厚みは薄い方が画像形成性、経済性の面で有利だが、強度を維持する必要等から10〜30μmのものが一般的である。また、本発明の積層体においては、支持基材とは接しない方の絶縁樹脂層表面に、必要に応じて保護フィルムを積層することができる。この保護フィルムは、支持フィルムよりも絶縁用樹脂層との密着力が十分に小さく、容易に剥離できることが望ましい。このようなフィルムとしては、例えばポリエチレンフィルムがある。
いずれの使用方法であっても、乾燥後の絶縁樹脂層の厚みは、用途によって異なるが、回路基板用には5〜100μm、好ましくは10〜60μmである。5μm以下では電気絶縁性が不十分であり、耐電圧値の低下や耐湿時バイアステストでのマイグレーションの問題等が発生するので好ましくない。100μm以上の膜厚では底部の硬化が不十分で形成されるパターンが逆テーパー状となり、パターン部分へのメッキ液の染込みや密着性不足による剥離の問題が発生し好ましくない。なお、特許文献3にみられるカラーフィルター用途においては色純度の再現性やパターニング形状の問題からこれより薄い膜厚が採用される。樹脂層の厚みが薄いほど解像度は向上し、樹脂層の厚みと同等以下のヴィア並びに微細なラインを形成することができる。例えば、30μm膜厚のとき、30μmのヴィア、20μmのライン&スペースを形成可能である。また、5μmでは20μmの孤立ライン、孤立ドットも形成可能である。
本発明の樹脂組成物は一般的な絶縁材料として使用することが可能であり、特にビルドアップ基板用層間絶縁樹脂及び最外層絶縁樹脂、ソルダーレジスト、メッキレジストで使用される。
本発明の積層体を用いた回路基板の作成、マルチチップモジュールの作成は公知の技術により行われるが、以下に回路基板の作成を例にその工程を簡単に述べる。
保護フィルムがある場合は、まず保護フィルムを剥離した後、絶縁樹脂層を基板表面に真空ラミネーター又はホットロールラミネーターなどにより加熱圧着し積層する。この時の加熱温度は70〜120℃、好ましくは80〜110℃である。70℃を下回ると基板との密着性に劣り、120℃を越えるとサイドエッジから絶縁樹脂層がはみ出して膜厚精度が損なわれる。次に、マスクを通して活性光により画像露光する。続いて、支持基材を剥離しアルカリ水溶液を用いて絶縁樹脂層の未露光部を現像除去する。アルカリ水溶液としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム、ジエタノ−ルアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド等の水溶液を用いることができる。これらの現像液は樹脂層の特性に合わせて選択されるが、界面活性剤との併用も可能である。そして、熱により重合又は硬化(両者を合わせて硬化ということがある)を完結させ永久絶縁膜等の絶縁樹脂とする。このときの硬化温度は160〜200℃の範囲が好ましい。
更に、ビルドアップ基板用絶縁層を形成する場合、上記により絶縁層にパターニングした後、公知の手段により無電解銅メッキを施し、必要により電解銅メッキを行い、導体層を形成する。なお、電解銅メッキ後は、アニール処理することが好ましい。導体層を選択的にエッチング除去することで回路を形成した後、再び絶縁層を積層する工程から繰り返せば、多層の回路基板を形成できる。
本発明の絶縁用樹脂組成物は低添加量、低露光量で物性が発現し、解像性、耐信頼性及び耐ニッケル金メッキ性を損なわず、常温での保存安定性に優れる樹脂組成物及びこれを用いた積層体を提供することができるものであり、工業的利用価値は極めて高い。
以下、合成例、実施例、比較例により、本発明を更に詳細に説明する。
なお、以下の合成例における樹脂の評価は、断りのない限り以下の通りである。
[固形分濃度] 樹脂溶液の約1g強を、ガラスフィルターW0(g)に含浸させて秤量W1(g)し、160℃にて2時間加熱した後の重量W2(g)から次式により求めた。
固形分濃度(重量%)=100x(W2−W0)/(W1−W0
[酸価] 樹脂溶液を、ジオキサン−エタノール等容混合溶液にいれ、フェノールフタレインを指示薬として1/10N−KOHエタノ−ル(50%)水溶液で滴定して求めた。
[分子量] テトラヒドロフランを展開溶媒としてRI(屈折率)検出器を備えたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求めた。示した分子量は、未反応原料を除いたカルボキシル基含有共重合体部分のポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)である。
また、合成例で使用する略号は次のとおりである。
FHPA:フルオレン型エポキシ樹脂とアクリル酸との等当量反応物(新日鐵化学社製のASF-400;式IVにおいて、R1〜R10がいずれも水素原子である化合物であり、酸価1.28mgKOH/g、エポキシ当量21300)
BPDA:ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
THPA:テトラヒドロ無水フタル酸
SA:無水コハク酸
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
TPP:トリフェニルフォスフィン
BHT:2,6-ジターシャルブチル-P-クレゾール
合成例1
還留冷却器付き500ml四つ口フラスコ中に、ビスフェノールフルオレン型エポキシ樹脂75.0g(新日鐵化学社製ESF−300、エポキシ当量257)と、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド130mg、テトラエチルベンジルンモニウムブロマイド270mg、2,6−ジイソブチルフェノ−ル29mgと、アクリル酸21.0g、PGMEA17.0gを仕込み、乾燥空気を20ml/分の速度で吹き込みながら100〜105℃で16時間加熱下に撹拌して反応させた。得られた樹脂を更に79gのPGMEAで希釈して固形分濃度50重量%の淡黄色透明なジヒドロキシプロピルアクリレ−ト樹脂溶液(FHPA溶液:固形分換算で酸価1.28mgKOH/g、エポキシ当量21300)を得た。
合成例2
還留冷却器付き300ml四つ口フラスコ中に合成例1で得られたFHPA溶液96.0gと、BPDA14.4g、PGMEA2.5g及びTPP 0.182g、BHT 0.015gを仕込み、120〜125℃に加熱下に2時間撹拌し、更に60〜62℃にて8時間の加熱撹拌を行って、カルボキシル基含有樹脂溶液A-1を合成した。得られた樹脂溶液の固形分は56.5wt%、酸価(固形分換算)は90.3mgKOH/g、GPC分析によるカルボキシル基含有樹脂の面積は90%、重量平均分子量(Mw)は15000であった。
合成例3
還留冷却器付き300ml四つ口フラスコ中に合成例1で得られたFHPA溶液96.0gと、BPDA10.8g、THPA5.6g、PGMEA1.64g及びTPP 0.182g、BHT 0.015gを仕込み、120〜125℃に加熱下に2時間撹拌し、更に60〜62℃にて8時間の加熱撹拌を行って、カルボキシル基含有樹脂溶液A-2を合成した。得られた樹脂溶液の固形分は56.5wt%、酸価(固形分換算)は88.1mgKOH/g、GPC分析によるカルボキシル基含有樹脂の面積は96%、Mwは5400であった。
合成例4
還流冷却器付き500mL四つ口フラスコ中に合成例1で得られたFHPA溶液238.0gと、SA 9.81g、BPDA 28.8g、TPP 0.456g、BHT 0.0365g及びPGMEA 10.36gを仕込み、窒素雰囲気下、120〜125℃のオイルバス中で1時間、加熱、攪拌し、その後75〜80℃のオイルバス中で6時間攪拌した。得られた樹脂溶液A-3の固形分は55wt%、酸価(樹脂固形分換算)は112.2mgKOH/g、カルボキシル基含有樹脂の面積は91%、Mwは2800であった。
合成例5
還流冷却器付き500mL四つ口フラスコ中に合成例1で得られたFHPA溶液238.0gと、SA 14.9g、BPDA 21.3g、TPP 0.456g、BHT 0.0365g及びPGMEA8.4gを仕込み、合成例4に従い、カルボキシル基含有樹脂溶液A-4を得た。得られた樹脂の固形分は55.4wt%、酸価(樹脂固形分換算)は120.0mgKOH/g、カルボキシル基含有樹脂の面積は90%、Mwは2400であった。
合成例2及び3で得られたカルボキシル基含有樹脂溶液A-1及びA-2をそれぞれ樹脂成分換算で30重量部(合計60重量部)、不飽和化合物としてトリメチロールプロパントリアクリレート(日本化薬株式会社製TMPTA)12重量部、ゴム成分として架橋ゴム(JSR株式会社製XER−91−MEK分散体15%溶液)固形分換算7重量部、光重合開始剤として一般式(II)で表される化合物0.1重量部、エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製エピコート834)を26重量部、その他添加剤として着色剤0.8重量部、シランカップリング剤0.5重量部、界面活性剤0.3重量部、と酢酸エチル100重量部とを混合し、翼端の周速0.5m/秒の攪拌翼を使用して1時間、溶解若しくは分散させて樹脂組成物溶液を調製した後、穴径1μmのフィルターを用いて加圧ろ過して樹脂組成物溶液を調製した。
上記のように調製した樹脂組成物溶液をダイコーターにより厚み19μm、幅600mmのポリエステルフィルムに塗布し、80〜120℃の温度範囲で設定した連続4段乾燥炉中で乾燥し、膜厚35μmの絶縁樹脂層を得た。その乾燥塗膜上に厚さ40μmのポリプロピレン製保護フィルムをラミネートし、ドライフィルム積層体を作製した。
市販の0.8mm厚のガラスエポキシ基板上の導体回路パターンを黒化処理した後、上記ドライフィルム積層体から保護フィルムを剥がし、真空引き時間10秒、圧力4hPa以下、加熱温度80℃、転写圧力0.5MPa、加圧時間20秒で真空ラミネートし、導体回路パターン上にポリエステルフィルム付き30μm厚の絶縁樹脂層を形成して、感光性樹脂ラミネート基板を得た。次に、この絶縁樹脂層上にバイアホールパターンを設けたネガ型マスクを介して超高圧水銀ランプ(ハイテック社製、照度11mJ/cm2、I線基準)で30mJ/cm2の条件で紫外線照射による露光を行った後、ポリエステルフィルムを剥離して、1.2%テトラメチルアンモニウムヒドリド溶液を現像液として使用し、28℃で揺動しながら導体回路パターンが露出するまで1分間の現像の後、3.0kg/cm2の圧力で純水リンスを30秒間行い、直径35μmのバイアホールを形成した。引き続き、空気雰囲気下で180℃、90分の条件で熱硬化させ絶縁膜が硬化された導体回路テストピース(多層配線プリント板)を得た。
上記に示した現像条件で次に示す評価を行なった。
(感度評価)
上記感光性樹脂ラミネート基板を使用し、ネガマスクとしてStouffer Graphic Arts社製21段ステップタブレットを使用して露光した基板を上記現像条件により、現像し、残存塗膜の段数を目視判定した。
(解像性評価)
10〜100μmのバイアホールパターンを設けたネガ型マスクで露光された基板を上記現像条件により、現像し、最小のビア径を測定した。また、導体回路パターン上に絶縁樹脂層をラミネートした後、25℃で7日間保存し、同様の条件により解像性を評価した。光重合開始剤に式(II)の化合物を使用した実施例1では、35μmのビアを形成することができた。また、7日保存後も同様の解像度で現像ができた。
(加熱重量減少率)
上記感光性樹脂ラミネート基板を使用し、露光後の重量W1(g)及び180℃、90分熱硬化後の重量W2(g)から次式により重量減少率を測定した。
加熱重量減少率=100x(W1−W2)/W1
(PCT耐性試験)
導体回路テストピースを使用して、121℃、相対湿度100%、2気圧の条件下で192時間の耐湿信頼性試験を行い、塗膜の状態を以下の基準で目視判定した。
◎:全く変化が見られない。
○:ほとんど変化が見られない。
△:わずかに変化している
×:塗膜に膨れや膨潤脱落等顕著な変化が見られる。
(ハンダ耐熱性試験)
導体回路テストピースを使用してJIS C-6481の試験方法に従い、260℃の半田浴槽に30秒浸漬させ、セロハンテープによるピーリングテストを1サイクルとし、これを1〜3回繰り返した後の塗膜の状態を目視で観察して以下の基準により評価した。結果を表1にまとめた。
◎:3サイクル繰り返しても塗膜に異常なし。
○:3サイクル繰り返した後、僅かに塗膜に変化が認められる。
△:2サイクル繰り返した後、塗膜に変化が認められる。
×:1サイクル繰り返した後、塗膜に変化が認められる。
(無電解金メッキ性試験)
導体回路テストピースを使用して、無電解ニッケル金メッキ(メルテックス(株)社製金メッキ液)を行った後、セロハンテープによるピーリングテスト後の塗膜の状態を目視で観察して以下の基準により評価した。結果を表1にまとめた。
◎:塗膜に異常なし。
○:僅かに塗膜に変化が認められる。
△:明らかに塗膜に変化が認められる。
×:塗膜に膨れ、膨潤脱離等の変化が認められる。
光重合開始剤として上記一般式(II)で表される化合物0.01重量部を使用した以外は実施例1と同様に試験を行った。
光重合開始剤として一般式(II)で表される化合物1.0重量部を使用した以外は実施例1と同様に試験を行った。
不飽和化合物としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬株式会社製KAYARAD DPHA)6重量部、DPCA-60(日本化薬株式会社製KAYARAD DPCA-60)6重量部を使用した以外は実施例1と同様に試験を行った。
合成例4で得られたカルボキシル基含有樹脂溶液A-3を樹脂成分換算で60重量部使用し、現像液に1%Na2CO3水溶液を使用した以外は実施例1と同様に試験を行った。
合成例5で得られたカルボキシル基含有樹脂溶液A-4を樹脂成分換算で60重量部使用し、現像液に1%Na2CO3水溶液を使用した以外は実施例1と同様に試験を行った。
比較例1〜2
光重合開始剤として一般式(II)で表される化合物0.005重量部又は5.0重量部を使用した以外は実施例1と同様に試験を行った。
比較例3
光重合開始剤として2-(4-メトキシスチリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン(表中ではSTR-Aと表記)を使用した以外は実施例1と同様に試験を行った。
比較例4
比較例3と同様にして樹脂を配合した後、露光を300mJで行った以外は実施例1と同様に試験を行った。
比較例5
光重合開始剤として2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モノフォリノプロパン-1(Ciba Specialty Chemicals Co. Ltd.製イルガキュアー907)を2重量部使用した以外は実施例1と同様に試験を行った。
比較例6
光重合開始剤として2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モノフォリノプロパン-1(Ciba Specialty Chemicals Co. Ltd.製イルガキュアー907)を2重量部、増感剤(保土ヶ谷化学工業製EABF)を0.04重量部使用した以外は実施例1と同様に試験を行った。
比較例7
比較例5と同様にして樹脂を配合した後、露光を1000mJで行った以外は実施例1と同様に試験を行った。
比較例8
比較例6と同様にして樹脂を配合した後、露光を500mJで行った以外は実施例1と同様に試験を行った。
比較例9
光重合開始剤として2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モノフォリノプロパン-1(Ciba Specialty Chemicals Co. Ltd.製イルガキュアー907)を2重量部、増感剤(保土ヶ谷化学工業製EABF)を0.04重量部使用した以外は実施例5と同様に試験を行った。
比較例10
光重合開始剤として2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モノフォリノプロパン-1(Ciba Specialty Chemicals Co. Ltd.製イルガキュアー907)を2重量部、増感剤(保土ヶ谷化学工業製EABF)を0.04重量部使用した以外は実施例6と同様に試験を行った。
配合組成(重量部)及び測定結果を表1にまとめる。
Figure 0004508929
実施例1〜6は良好な感度、解像性、保存安定性、信頼性を示したのに対し、比較例1は感度が3段と低く膜厚の減少が見られた。比較例2は解像度の悪化が見られ50μmまでのビアホールまでしか解像できなかった。また、耐湿信頼性の低下がみられた。比較例3はパターンが残らなかった。比較例4では実施例1と同様のパターンを残すのに300mJの露光量を必要とし、耐ニッケル金メッキ性においても不具合が見られた。比較例5及び6ではパターンが残らなかった。比較例7では実施例1と同様のパターンを残すのに1000mJの露光量を必要とし、比較例8では実施例1と同様のパターンを残すのに500mJの露光量を必要とした。また、増感剤を使用した比較例8では保存安定性に劣化が見られた。比較例7、8共に加熱重量減少率が大きくなり、脱ガス成分が発生していることを確認した。比較例9及び10ではパターンが残らなかった。

Claims (5)

  1. (A)ジオ−ル化合物と多価カルボン酸類とを反応させて得られ、重量平均分子量が2,000〜40,000、酸価が50〜200mgKOH/gであるカルボキシル基含有樹脂、
    (B)光重合可能なエチレン性不飽和結合を一分子中に少なくとも1つ以上含む不飽和化合物、
    (C)エポキシ化合物、及び
    (D)光重合開始剤、
    を主成分とする樹脂組成物において、(A)成分と(B)成分の合計100重量部に対して、(C)成分が10〜40重量部、(D)成分が0.01〜2.0重量部含有され、且つ、(D)成分の光重合開始剤として下記一般式(I)で表される化合物を含有することを特徴とする絶縁膜用感光性樹脂組成物。
    Figure 0004508929
    但し、一般式(I)において、R1は、フェニル基(炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基若しくはハロゲン原子で置換されていてもよい)、炭素数1〜20のアルキル基(1個以上の水酸基で置換されていてもよく、アルキル鎖の中間に1個以上の酸素原子を有していてもよい)、炭素数5〜8のシクロアルキル基、炭素数2〜20のアルカノイル基又はベンゾイル基(炭素数が1〜6のアルキル基若しくはフェニル基で置換されてもよい)を示し;
    2は、炭素数2〜12のアルカノイル基(1以上のハロゲン原子若しくはシアノ基で置換されていてもよい)、その二重結合がカルボニル基と共役していない炭素数4〜6のアルケノイル基、ベンゾイル基(炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子若しくはシアノ基で置換されていてもよい)、炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基又はフェノキシカルボニル基(1以上の炭素数1〜6のアルキル基若しくはハロゲン原子で置換されていてもよい)を示し;
    3、R4、R5、R6、R7、R8、R9及びR10 は、相互に独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基、ベンゾイル基、炭素数2〜12のアルカノイル基、炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基(アルコキシル基を構成するアルキル基の炭素数が2以上の場合、アルキル基は1個以上の水酸基で置換されていてもよく、アルキル鎖の中間に1個以上の酸素原子を有していてもよい)又はフェノキシカルボニル基を示す。
  2. 一般式(I)で表される化合物が下記一般式(II)で表される化合物である請求項1に記載の絶縁膜用感光性樹脂組成物。
    Figure 0004508929
  3. 剥離可能な支持基材上に絶縁樹脂層が設けられた積層体において、絶縁樹脂層が請求項1又は2記載の絶縁膜用感光性樹脂組成物から構成されていることを特徴とする積層体。
  4. 絶縁樹脂層がアルカリ水溶液による現像が可能なものである請求項3記載の積層体。
  5. 絶縁樹脂層の膜厚が10〜100μmである請求項3又は4記載の積層体。
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