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JP4989028B2 - 燃料電池 - Google Patents

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JP4989028B2 JP2005007157A JP2005007157A JP4989028B2 JP 4989028 B2 JP4989028 B2 JP 4989028B2 JP 2005007157 A JP2005007157 A JP 2005007157A JP 2005007157 A JP2005007157 A JP 2005007157A JP 4989028 B2 JP4989028 B2 JP 4989028B2
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Description

本発明は、電解質をアノード電極とカソード電極とで挟んで構成される電解質・電極接合体とセパレータとが交互に積層される燃料電池に関する。
通常、固体電解質型燃料電池(SOFC)は、電解質に酸化物イオン導電体、例えば、安定化ジルコニアを用いており、この電解質の両側にアノード電極及びカソード電極を配設した電解質・電極接合体(単セル)を、セパレータ(バイポーラ板)によって挟持している。この燃料電池は、通常、電解質・電極接合体とセパレータとが所定数だけ積層された燃料電池スタックとして使用されている。
この種の燃料電池において、カソード電極に酸化剤ガス、例えば、主に酸素を含有するガスあるいは空気(以下、酸素含有ガスともいう)が供給されると、前記カソード電極と電解質との界面でこの酸化剤ガス中の酸素がイオン化(O2-)され、酸素イオンが電解質を通ってアノード電極側に移動する。
アノード電極には、燃料ガス、例えば、主に水素を含有するガス(以下、水素含有ガスともいう)やCOが供給されているために、このアノード電極において、酸素イオン及び水素(又はCO)が反応して水(又はCO2)が生成される。その間に生じた電子は外部回路に取り出され、直流の電気エネルギとして利用される。
燃料電池スタックでは、例えば、電解質・電極接合体の積層方向に延在する燃料ガスマニホールドを設け、この燃料ガスマニホールドから各電解質・電極接合体のアノード電極に連なる燃料ガス供給通路に燃料ガスが供給されている。一方、各電解質・電極接合体のカソード電極には、同様に酸化剤ガス供給通路を介して酸化剤ガスが供給されている。このため、燃料ガス供給通路と酸化剤ガス供給通路とは、燃料ガスと酸化剤ガスとの混合やガス漏れ等を阻止するために、シール部材を介して気密に遮断する必要がある。さらに、シール部材としては、電気絶縁性を有するとともに、高温での使用(作動温度が800℃程度)に際して熱的に安定であることが望まれている。
そこで、特許文献1には、集電板あるいはセパレータ間に発電用セルを挟み、ガスシールを施して形成される平板型の固体電解質型燃料電池が開示されている。具体的には、図25に示すように、発電用セル1が集電板(又はセパレータ)2a、2bに挟持されており、前記発電用セル1は、セラミック薄膜3の両面に正極4aと負極4bとが設けられている。集電板2aには、正極4aに空気を供給する空気供給用溝5aが形成されるとともに、集電板2bには、負極4bに燃料ガスを供給する燃料ガス供給用溝5bが形成されている。
集電板2a、2bの外端部に位置してガラス質の第1シール部材6aが介装される一方、前記第1シール部材6aの内方には、セラミック薄膜3の外端部と前記集電板2bとの間に位置してガラス質の第2シール部材6bが介装されている。第1及び第2シール部材6a、6bは、高温で溶融されるとともに、圧力Pが付与されることにより、ガスシールが形成されている。
特開平8−7902号公報(図1)
しかしながら、上記の特許文献1では、単電池毎に2個所のガスシールである第1及び第2シール部材6a、6bはガラス質であるため、運転中にガラス成分が飛散や揮発したり、起動停止を繰り返すことでガラス質にマイクロクラックが発生し、シール部材が劣化してしまう。これにより、経済的ではないという問題が指摘されるとともに、第1及び第2シール部材6a、6bを設けるスペースが拡大し、コンパクトに構成することができないという問題がある。
本発明はこの種の問題を解決するものであり、簡単且つコンパクトな構成で、所望のシール性を確実に維持することが可能な燃料電池を提供することを目的とする。
本発明は、電解質をアノード電極とカソード電極とで挟んで構成される電解質・電極接合体とセパレータとが交互に積層される燃料電池である。そして、セパレータは、互いに積層される第1及び第2部材を備え、前記第1部材には、円筒部が一体的に設けられる一方、前記第2部材には、前記円筒部が挿入される開口部が設けられ、前記円筒部の内面に沿って、前記アノード電極に向かって燃料ガスを供給する燃料ガス通路又は前記カソード電極に向かって酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス通路が形成されるとともに、電解質・電極接合体を一方のセパレータと他方のセパレータとで挟持、前記一方のセパレータの前記円筒部を、前記他方のセパレータの前記開口部に挿入してかしめ処理することにより、結合部位を形成している。
また、一方のセパレータの第1部材と他方のセパレータの第2部材との間には、結合部位に対応して絶縁部材が介装されることが好ましい。
また、第1部材は、単一のプレートで構成され、前記プレートの一方の面には、燃料ガス通路を形成する第1突起部が設けられるとともに、セパレータの他方の面には、酸化剤ガス通路を形成する第2突起部が設けられ、第2部材は、前記プレートの一方の面又は他方の面に接合され、燃料ガス供給部から燃料ガス通路に連通する燃料ガス供給通路が形成される通路部材で構成されることが好ましい。
さらに、第1及び第2部材は、互いに積層される第1及び第2プレートで構成され、前記第1及び第2プレート間には、燃料ガス通路及び酸化剤ガス通路が形成されるとともに、前記燃料ガス通路は、セパレータの一方の面に向かうアノード電極に燃料ガスを供給し、前記酸化剤ガス通路は、前記セパレータの他方の面に向かうカソード電極に酸化剤ガスを供給することが好ましい。
さらにまた、セパレータは、互いに積層される第1及び第2プレートと、前記第1及び第2プレート間に配設される第3プレートとを備え、第1及び第2部材は、前記第1〜第3プレートの任意の2つで構成されるとともに、前記第1プレートと前記アノード電極との間には、燃料ガス通路が形成され、且つ前記第2プレートとカソード電極との間には、酸化剤ガス通路が形成され、前記燃料ガス通路と前記酸化剤ガス通路とは、第3プレートにより仕切られることが好ましい。
本発明では、一方のセパレータと他方のセパレータとは、第1及び第2部材が互いに塑性変形されることにより、所定の重合部を気密に保持することができる。このため、高温での絶縁性及びシール性を維持するためのガラス質シール部材が不要になる。これにより、シール部材の飛散や揮発を防止し、重合部位におけるシールの信頼性及び耐久性が良好に向上する。
しかも、所定の重合部には、シール性を高めるために荷重を付与する必要がない。従って、荷重によるセパレータの損傷(劣化)や電解質・電極接合体の損傷等を阻止することができる。また、重合部位には、余分な応力が発生することがなく、所望のシール性を維持するとともに、信頼性の向上が図られる。さらにまた、荷重を付与するための荷重機構が不要になり、燃料電池全体の軽量化及び熱容量の削減が容易に図られる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る燃料電池10が矢印A方向に複数積層された燃料電池スタック12の概略斜視説明図である。
燃料電池10は、固体電解質型燃料電池であり、設置用の他、車載用等の種々の用途に用いられている。燃料電池10は、図2及び図3に示すように、例えば、安定化ジルコニア等の酸化物イオン導電体で構成される電解質(電解質板)20の両面に、カソード電極22及びアノード電極24が設けられた電解質・電極接合体26を備える。電解質・電極接合体26は、円板状に形成される。
燃料電池10は、一組のセパレータ28間に電解質・電極接合体26を挟んで構成される。セパレータ28は、第1及び第2プレート30、32と、前記第1及び第2プレート30、32間に配設される第3プレート34とを備える。第1〜第3プレート30、32及び34は、例えば、ステンレス合金等の板金で構成され、前記第3プレート34の両面に、前記第1プレート30と前記第2プレート32とが、例えば、ろう付けにより接合される。第1〜第3プレート30、32及び34の任意の2つが第1及び第2部材を構成する。
図2に示すように、第1プレート30は、積層方向(矢印A方向)に沿って燃料ガスを供給するための燃料ガス供給連通孔36が形成される第1小径端部(第1部材に相当)38を備える。第1小径端部38には、燃料ガス供給連通孔36を囲繞して矢印A方向に突出するかしめ用第1円筒部39が設けられる。この第1小径端部38には、幅狭な橋架部40を介して比較的大径な第1円板部42が一体的に設けられる。第1円板部42は、電解質・電極接合体26のアノード電極24と略同一寸法に設定されている。
第1円板部42のアノード電極24に接触する面には、多数の第1凸部44が外周縁部近傍から中心部にわたって設けられるとともに、前記第1円板部42の外周縁部には、略リング状凸部46が設けられる。第1凸部44及び略リング状凸部46は、集電部を構成する。
第1円板部42の中央には、アノード電極24の略中央部に向かって燃料ガスを供給するための燃料ガス導入口48が形成される。なお、第1凸部44は、略リング状凸部46と同一平面内に複数の凹部を形成することによって構成してもよい。
第2プレート32は、積層方向(矢印A方向)に沿って酸化剤ガスを供給するための酸化剤ガス供給連通孔50が形成される第2小径端部(第2部材に相当)52を備える。この第2小径端部52には、幅狭な橋架部54を介して比較的大径な第2円板部56が一体的に設けられる。
第2円板部56は、電解質・電極接合体26のカソード電極22に接する面に、図4に示すように、複数の第2凸部58が面内全面にわたって形成される。第2凸部58は、集電部を構成する。第2円板部56の中央部には、酸化剤ガスをカソード電極22の略中央部に向かって供給するための酸化剤ガス導入口60が形成される。
第3プレート34は、図2に示すように、燃料ガス供給連通孔36が形成される第3小径端部(第2部材に相当)62と、酸化剤ガス供給連通孔50が形成される第4小径端部(第1部材に相当)64とを備える。第4小径端部64には、酸化剤ガス供給連通孔50を囲繞して矢印A方向に突出するかしめ用第2円筒部65が設けられる。第3及び第4小径端部62、64は、幅狭な橋架部66、68を介して比較的大径な第3円板部70と一体的に構成される。第3円板部70は、第1及び第2円板部42、56と同一直径に設定される。
図2及び図5に示すように、第3プレート34の第1プレート30に向かう面において、第3小径端部62には、燃料ガス供給連通孔36に連通する凹部74が形成される。
第3小径端部62、橋架部66及び第3円板部70の外周縁部には、突起部75aが設けられることにより、燃料ガス供給連通孔36から前記第3小径端部62、前記橋架部66及び前記第3円板部70の面内には、後述するように燃料ガス通路76が形成される。第3円板部70の面内には、複数の第3凸部78が形成される。
図6に示すように、第3プレート34の第2プレート32に接する面において、第4小径端部64には、酸化剤ガス供給連通孔50に連通する凹部82が形成される。
第4小径端部64、橋架部68及び第3円板部70の外周縁部には、突起部75bが設けられることにより、酸化剤ガス供給連通孔50から前記第4小径端部64、前記橋架部68及び前記第3円板部70の面内には、後述するように酸化剤ガス通路84が形成される。
第1プレート30が第3プレート34の一方の面にろう付けされることにより、第1及び第3プレート30、34間には、燃料ガス供給連通孔36に連通する燃料ガス通路76が設けられる。第1プレート30の橋架部40と第3プレート34の橋架部66とが接合されて燃料ガス通路部材が構成されるとともに、この燃料ガス通路部材内には、燃料ガス通路76を構成する燃料ガス分配通路76aが形成される(図7参照)。
燃料ガス通路76は、第1及び第3円板部42、70間に該第1円板部42を挟んでアノード電極24の電極面を覆い、且つ燃料ガスが供給されることにより前記第1円板部42を前記アノード電極24に圧接可能な燃料ガス圧力室86を構成する(図7及び図8参照)。
第2プレート32が第3プレート34にろう付けされることにより、第2及び第3プレート32、34間には、酸化剤ガス供給連通孔50に連通する酸化剤ガス通路84が形成される(図8参照)。第2プレート32の橋架部54と第3プレート34の橋架部68とが接合されて酸化剤ガス通路部材が構成されるとともに、この酸化剤ガス通路部材内には、酸化剤ガス通路84を構成する酸化剤ガス分配通路84aが形成される。
この酸化剤ガス通路84は、第2及び第3円板部56、70間に該第2円板部56を挟んでカソード電極22の電極面を覆い、且つ酸化剤ガスが供給されることにより前記第2円板部56を前記カソード電極22に圧接可能な酸化剤ガス圧力室88を構成する(図7及び図8参照)。
図7に示すように、第3小径端部62の両面には、燃料ガス供給連通孔36を囲繞してリング状の絶縁部材87a、87bが設けられる。絶縁部材87aは、一方のセパレータ28を構成する第1プレート30の第1小径端部38と、他方のセパレータ28を構成する第3プレート34の第3小径端部62の下面との間に配設される。絶縁部材87bは、第3小径端部62の上面に配設されるとともに、第1円筒部39がかしめ処理(後述する)されることにより、結合部位89aが形成される。結合部位89aは、絶縁部材87a、87bを介装して第3小径端部62を気密に保持する。
図8に示すように、第2小径端部52の両面には、酸化剤ガス供給連通孔50を囲繞してリング状の絶縁部材87c、87dが設けられる。絶縁部材87cは、一方のセパレータ28を構成する第3プレート34の第4小径端部64と、他方のセパレータ28を構成する第2プレート32の第2小径端部52の下面との間に配設される。絶縁部材87dは、第2小径端部52の上面に配設されるとともに、第2円筒部65がかしめ処理(後述する)されることにより、結合部位89bが形成される。結合部位89bは、絶縁部材87c、87dを介装して第2小径端部52を保持する。絶縁部材87a〜87dは、例えば、薄板状のマイカで構成される。
図1に示すように、燃料電池スタック12は、複数の燃料電池10の積層方向両端にエンドプレート90a、90bを配置する。エンドプレート90aもしくはエンドプレート90bは、締付ボルト98と電気的に絶縁される。エンドプレート90aには、燃料電池10の燃料ガス供給連通孔36に連通する第1配管92と、酸化剤ガス供給連通孔50に連通する第2配管94とが接続される。
エンドプレート90a、90bには、燃料ガス供給連通孔36の上下両側及び酸化剤ガス供給連通孔50の上下両側にボルト孔96が形成される。各ボルト孔96に締付ボルト98が挿入され、各締付ボルト98の先端にナット99が螺合することによって、燃料電池スタック12が締め付け保持される。
このように構成される燃料電池スタック12の動作について、以下に説明する。
図2に示すように、燃料電池10を組み付ける際には、先ず、セパレータ28を構成する第1プレート30が第3プレート34の一方の面に接合されるとともに、第2プレート32が前記第3プレート34の他方の面に接合される。このため、セパレータ28内には、第3プレート34に仕切られて燃料ガス供給連通孔36に連通する燃料ガス通路76と、酸化剤ガス供給連通孔50に連通する酸化剤ガス通路84とが独立して形成される(図3、図7〜図9参照)。
次いで、セパレータ28と電解質・電極接合体26とが交互に積層されるとともに、一方のセパレータ28と他方のセパレータ28とは、互いに塑性変形されて結合部位89a、89bが形成される。具体的には、図10に示すように、先ず、セパレータ28a(一方のセパレータ28)では、第3プレート34の第3小径端部62に、燃料ガス供給連通孔36の周囲に位置して絶縁部材87bが配置される。
上記のセパレータ28aには、図11に示すように、セパレータ28b(他方のセパレータ28)が積層される。このセパレータ28bでは、第1プレート30の第1小径端部38に、燃料ガス供給連通孔36の周囲に位置して絶縁部材87aが配置されるとともに、第3プレート34の第3小径端部62に、前記燃料ガス供給連通孔36の周囲に位置して絶縁部材87bが配置される。その際、セパレータ28bの第1円筒部39は、セパレータ28aの燃料ガス供給連通孔36内に挿入される。
そこで、図12に示すように、セパレータ28bの第1円筒部39と、セパレータ28aの第3小径端部62とにかしめ処理が施され、結合部位89aが形成される。この結合部位89aでは、第3小径端部62の両面に絶縁部材87a、87bを介装して第1小径端部38が密着しており、セパレータ28a、28b間が気密に保持される。すなわち、燃料ガス供給連通孔36は、酸化剤ガス圧力室88から気密に遮蔽されて燃料ガス分配通路76aにのみ連通することができる。
一方、結合部位89bでは、図示しないが、上記の結合部位89aと同様に、第2円筒部65にかしめ処理が施されることにより、第2小径端部52の両面に絶縁部材87c、87dを介装して第4小径端部64が密着している。このため、酸化剤ガス供給連通孔50は、燃料ガス圧力室86から気密に遮蔽されて酸化剤ガス分配通路84aにのみ連通することができる。
上記のようにして、所定数のセパレータ28a、28bがかしめ処理されることにより、各燃料電池10同士が連結される。そして、燃料電池10の積層方向両端には、エンドプレート90a、90bが配置されるとともに、前記エンドプレート90aもしくは前記エンドプレート90bは、締付ボルト98と電気的に絶縁される。エンドプレート90a、90bの各ボルト孔96には、締付ボルト98が挿入され、前記締付ボルト98の先端にナット99が螺合することによって、燃料電池スタック12が構成される(図1参照)。
このような構成において、エンドプレート90aに接続されている第1配管92から燃料ガス供給連通孔36には、燃料ガス(例えば、都市ガスを改質した水素含有ガス)が供給されるとともに、前記エンドプレート90aに接続されている第2配管94から酸化剤ガス供給連通孔50には、酸化剤ガスである酸素含有ガス(以下、空気ともいう)が供給される。
燃料ガス供給連通孔36に供給された燃料ガスは、図7に示すように、積層方向(矢印A方向)に移動しながら、各燃料電池10を構成するセパレータ28内の燃料ガス通路76に供給される。燃料ガスは、燃料ガス通路76に沿って第1及び第3円板部42、70間に形成された燃料ガス圧力室86に導入される。このため、この燃料ガスは、燃料ガス圧力室86に設けられている複数の第3凸部78間を移動し、第1円板部42の中央部に形成される燃料ガス導入口48に導入される。
燃料ガス導入口48は、各電解質・電極接合体26のアノード電極24の中心位置に対応して設けられている。従って、燃料ガスは、図9に示すように、燃料ガス導入口48からアノード電極24に供給され、このアノード電極24内を中心部から外周部に向かって流動する。
一方、酸化剤ガス供給連通孔50に供給される空気は、図8に示すように、セパレータ28内の酸化剤ガス通路84を移動し、第2及び第3円板部56、70間の酸化剤ガス圧力室88に供給される。さらに、空気は、第2円板部56の中心位置に設けられる酸化剤ガス導入口60に導入される。
酸化剤ガス導入口60は、各電解質・電極接合体26のカソード電極22の中心位置に対応して設けられている。これにより、空気は、図9に示すように、酸化剤ガス導入口60からカソード電極22に供給され、このカソード電極22の中心部から外周部に向かって流動する。
従って、各電解質・電極接合体26では、アノード電極24の中心部から外周部に向かって燃料ガスが供給されるとともに、カソード電極22の中心部から外周部に向かって空気が供給され、発電が行われる。そして、発電に使用された燃料ガス及び空気は、排ガスとして第1〜第3円板部42、56及び70の外周部から排気される。
この場合、第1の実施形態では、図7に示すように、一方のセパレータ28と他方のセパレータ28とには、第1円筒部39がかしめ処理されることにより、所定の重合部である結合部位89aが一体的に形成される。この結合部位89aは、絶縁部材87a、87bを介装して第3小径端部62を気密に保持する。同様に、図8に示すように、一方のセパレータ28と他方のセパレータ28とには、第2円筒部65がかしめ処理されることにより、所定の重合部である結合部位89bが一体的に形成される。この結合部位89bは、絶縁部材87c、87dを介装して第4小径端部を気密に保持する。
このため、結合部位89a、89bには、ガラスシール部材が不要になり、前記シール部材の劣化によるシール性の低下を惹起することがない。これにより、第1の実施形態では、簡単且つコンパクトな構成で、所望のシール性を確実に維持することが可能になるという効果が得られる。
さらに、耐熱性及び柔軟性を兼ね備えたガラス質のシール部材を用いる必要がない。従って、シール部材の飛散や揮発を防止し、結合部位89a、89bにおけるシールの信頼性及び耐久性が良好に向上するとともに、絶縁部材87a〜87dは、絶縁機能を有していればよく、材料の選択範囲が拡大して容易に耐熱性を向上させることができる。
しかも、結合部位89a、89bには、シール性を高めるために荷重を付与する必要がない。これにより、荷重によるセパレータ28の損傷(劣化)や電解質・電極接合体26の損傷等を阻止することが可能になる。また、結合部位89a、89bには、余分な応力が発生することがなく、所望のシール性を維持するとともに、信頼性の向上が図られる。さらにまた、荷重を付与するための荷重機構が不要になり、燃料電池スタック12全体の軽量化及び熱容量の削減が容易に図られる。
図13は、本発明の第2の実施形態に係る燃料電池110が、矢印A方向に複数積層された燃料電池スタック112の概略斜視説明図であり、図14は、前記燃料電池110の分解斜視図である。なお、第1の実施形態に係る燃料電池100及び燃料電池スタック102と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。また、以下に示す第3及び第4の実施形態においても同様に、その詳細な説明は省略する。
燃料電池110は、図14及び図15に示すように、一組のセパレータ114間に4個の電解質・電極接合体26を挟んで構成される。セパレータ114は、第1プレート116、一対の第2プレート118a、118b及び第3プレート120を備える。第1〜第3プレート116、118a、118b及び120は、例えば、ステンレス合金等の板金で構成され、前記第3プレート120の両面には、前記第1プレート116と前記第2プレート118a、118bとが、例えば、ろう付けにより接合される。
第1プレート116は、燃料ガス供給連通孔36が形成される第1小径端部38を備え、この第1小径端部38には、幅狭な4つの橋架部40aを介して比較的大径な4つの第1円板部42aが一体的に設けられる。第1小径端部38には、燃料ガス供給連通孔36を囲繞して矢印A方向に突出するかしめ用第1円筒部39が設けられる。
第2プレート118a、118bは、それぞれ酸化剤ガス供給連通孔50が形成される第2小径端部52を備える。各第2小径端部52には、幅狭なそれぞれ2つの橋架部54a、54bを介して比較的大径なそれぞれ2つの第2円板部56a、56bが一体的に設けられる。
第3プレート120は、燃料ガス供給連通孔36が形成される第3小径端部62と、それぞれ酸化剤ガス供給連通孔50が形成される2つの第4小径端部64とを備える。第3小径端部62には、幅狭な4つの橋架部66aを介して比較的大径な4つの第3円板部70aが一体的に設けられる。
2つの第4小径端部64には、それぞれ2つの幅狭な橋架部68aを介して4つの第3円板部70aが一体的に設けられる。各第4小径端部64には、酸化剤ガス供給連通孔50を囲繞して矢印A方向に突出するかしめ用第2円筒部65が設けられる。
各第3円板部70aには、燃料ガス通路76が形成されるとともに、各燃料ガス通路76は、それぞれ第1プレート116の各第1円板部42aを挟んでアノード電極24の電極面を覆う燃料ガス圧力室86を構成する。
図13に示すように、燃料電池スタック112は、複数の燃料電池110の積層方向両端にそれぞれ4枚のエンドプレート122a、122bを配置する。燃料ガス供給連通孔36に対応してプレート124が配設され、このプレート124には、前記燃料ガス供給連通孔36に燃料ガスを供給するための管体126が接続される。各酸化剤ガス供給連通孔50に対応して2枚のプレート128が配設されるとともに、各プレート128には、前記酸化剤ガス供給連通孔50に空気を供給するための管体130が接続される。
このように構成される第2の実施形態では、管体126を介して燃料電池スタック112内の燃料ガス供給連通孔36に燃料ガスが供給されるとともに、各管体130を介して前記燃料電池スタック112内の酸化剤ガス供給連通孔50に空気が供給される。
燃料ガス供給連通孔36に供給された燃料ガスは、図15に示すように、積層方向に移動しながら、各燃料電池110を構成するセパレータ114内の4つの燃料ガス通路76に供給される。燃料ガスは、各燃料ガス通路76に沿って第1及び第3円板部42a、70a間に形成された各燃料ガス圧力室86に導入され、それぞれの燃料ガス導入口48から各電解質・電極接合体26のアノード電極24の中心位置に対応して供給される。
一方、2つの酸化剤ガス供給連通孔50に供給された空気は、セパレータ114内の酸化剤ガス通路84を移動し、第2及び第3円板部56a、56bと70a、70aとの間に形成された酸化剤ガス圧力室88に供給される。さらに、空気は、第2円板部56a、56bの中心位置に設けられる酸化剤ガス導入口60から各電解質・電極接合体26のカソード電極22の中心位置に対応して供給される。
この場合、一方のセパレータ114と他方のセパレータ114とは、第1の実施形態と同様に、第1及び第2円筒部39、65がかしめ処理されることにより、所定の重合部が形成される。このため、第2の実施形態では、簡単且つコンパクトな構成で、所望のシール性を確実に維持することが可能になるとともに、荷重によるセパレータ114の損傷(劣化)や電解質・電極接合体26の損傷等を阻止できる等、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
図16は、本発明の第3の実施形態に係る燃料電池140が、矢印A方向に複数積層された燃料電池スタック142の概略斜視説明図である。
燃料電池140は、図17及び図18に示すように、一対のセパレータ144間に複数、例えば、8個の電解質・電極接合体26を挟んで構成される。セパレータ144は、例えば、ステンレス合金等の板金で構成される1枚の金属プレートやカーボンプレート等(第1部材)で構成される。セパレータ144は、中央部に燃料ガス供給連通孔36を形成する第1小径端部146を有する。
第1小径端部146から外方に等角度間隔ずつ離間して放射状に延在する複数の第1橋架部148を介して比較的大径な円板部150が一体的に設けられる。円板部150は、電解質・電極接合体26と略同一寸法に設定されている。隣り合う円板部150は、スリット149を介して互いに分離される。
各円板部150のアノード電極24に接触する面150aには、前記アノード電極24の電極面に沿って燃料ガスを供給するための燃料ガス通路151を形成する第1突起部152が設けられる。各円板部150のカソード電極22に接触する面150bには、前記カソード電極22の電極面に沿って空気を供給するための酸化剤ガス通路84を形成する第2突起部154が設けられる。
図19に示すように、第1突起部152と第2突起部154は、互いに相反する方向に延在するように突出している。第1突起部152は、リング状突起を構成するとともに、第2突起部154は、山状突起を構成する。山状突起である第2突起部154は、リング状突起である第1突起部152に囲繞されるように配置されている。
図17〜図19に示すように、円板部150には、燃料ガス通路151に燃料ガスを供給するための燃料ガス導入口48が形成される。燃料ガス導入口48の位置は、燃料ガスが均一に分布するように決められ、例えば、円板部150の略中心に対応して設定される。
セパレータ144のカソード電極22に対向する面には、通路部材(第2部材)156が、例えば、ろう付けやレーザ溶接等により固着される。通路部材156は、図17に示すように、中央部に燃料ガス供給連通孔36を形成する第2小径端部158を備える。第2小径端部158には、燃料ガス供給連通孔36を囲繞して矢印A方向に突出する第1円筒部39が設けられる。第1円筒部39は、通路部材156が接合されるセパレータ144から離間する方向に突出する。
この第2小径端部158から放射状に8本の第2橋架部160が延在するとともに、各第2橋架部160は、セパレータ144の第1橋架部148から円板部150の燃料ガス導入口48まで固着される。
通路部材156の接合面において、第2小径端部158には、燃料ガス供給連通孔36に連通する凹部164が形成される。第1及び第2橋架部148、160間には、燃料ガス供給連通孔36から凹部164を介して燃料ガス通路151に連通する燃料ガス供給通路166が形成される。
図19に示すように、酸化剤ガス通路84は、電解質・電極接合体26の内側周端部と円板部150の内側周端部との間から矢印A方向に空気を供給する酸化剤ガス供給連通孔50に連通する。この酸化剤ガス供給連通孔50は、各円板部150の内方と第1橋架部148との間に位置して積層方向に延在している。
第1小径端部146の両面には、燃料ガス供給連通孔36を囲繞してリング状の絶縁部材87a、87bが設けられる。第1円筒部39がかしめ処理されることにより結合部位89aが形成されるとともに、前記結合部位89aは、絶縁部材87a、87bを介装して第1小径端部146を気密に保持する。燃料電池140には、円板部150の外方に位置して排ガス通路168が形成される。
図16に示すように、燃料電池スタック142は、複数の燃料電池140の積層方向両端にエンドプレート170a、170bを配置する。エンドプレート170aは、略円板状を有しており、中心部に対応して円柱状凸部176が膨出形成されるとともに、前記凸部176の中央部に孔部178が形成される。
エンドプレート170aには、凸部176を中心にして同一仮想円周上に孔部180とねじ孔182とが、交互に且つ所定の角度間隔ずつ離間して設けられる。孔部180は、酸化剤ガス供給連通孔50に連通するとともに、ねじ孔182には、燃料電池スタック142を締め付け固定する図示しない締め付けボルトが螺合する。
このように構成される燃料電池スタック142の動作について、以下に説明する。
燃料電池140を組み付ける際には、先ず、図17に示すように、セパレータ144のカソード電極22に向かう面に通路部材156が接合される。このため、セパレータ144と通路部材156との間には、燃料ガス供給連通孔36に連通する燃料ガス供給通路166が形成されるとともに、前記燃料ガス供給通路166が燃料ガス導入口48から燃料ガス通路151に連通する(図19参照)。
次いで、セパレータ144と電解質・電極接合体26とが交互に積層されるとともに、一方のセパレータ144と他方のセパレータ144とは、絶縁部材87a、87bを介装して互いに塑性変形された結合部位89aが形成される。これにより、燃料電池140が得られ、前記燃料電池140が矢印A方向に複数積層された状態で、積層方向両端にエンドプレート170a、170bが配置される。そして、エンドプレート170a、170bが、図示しない締付ボルトにより積層方向に締め付けられる。
次に、燃料電池スタック142では、図16に示すように、燃料ガスが燃料電池スタック142の孔部178から燃料ガス供給連通孔36に供給される。この燃料ガスは、積層方向(矢印A方向)に移動しながら各燃料電池140を構成するセパレータ144内の燃料ガス供給通路166に導入される(図19参照)。
燃料ガスは、第1及び第2橋架部148、160間を燃料ガス供給通路166に沿って移動し、円板部150に形成された燃料ガス導入口48から燃料ガス通路151に導入される。このため、燃料ガスは、燃料ガス導入口48からアノード電極24の略中心に供給され、燃料ガス通路151に沿って該アノード電極24の外周部に向かって移動する。
一方、空気は、図16に示すように、孔部180を通って各燃料電池140の略中央側に設けられている酸化剤ガス供給連通孔50に供給される。この空気は、電解質・電極接合体26の内側周端部と円板部150の内側周端部との間から矢印B方向に流入し、酸化剤ガス通路84に送られる(図18参照)。図19に示すように、酸化剤ガス通路84では、電解質・電極接合体26のカソード電極22の内側周端部(セパレータ28の中央部)側から外側周端部(セパレータ28の外側周端部側)に向かって空気が流動する。
従って、電解質・電極接合体26では、アノード電極24の電極面の中心側から周端部側に向かって燃料ガスが供給されるとともに、カソード電極22の電極面の一方向(矢印B方向)に向かって空気が供給される。その際、酸化物イオンが電解質20を通ってアノード電極24に移動し、化学反応により発電が行われる。
なお、各電解質・電極接合体26の外周部に排出される排ガスは、排ガス通路168を介して積層方向に移動した後、外部に排出される。
この場合、第3の実施形態では、一方のセパレータ144と他方のセパレータ144とは、第1円筒部39がかしめ処理されることにより、所定の重合部が形成される。このため、所望のシール性を確実に維持することが可能になるとともに信頼性の向上が図られ、荷重によるセパレータ144の損傷(劣化)や電解質・電極接合体26の損傷等を阻止できる等、第1及び第2の実施形態と同様の効果が得られる。
図20は、本発明の第4の実施形態に係る燃料電池200が、矢印A方向に複数積層された燃料電池スタック202の概略斜視説明図である。
燃料電池スタック202は、外周湾曲円板状の複数の燃料電池200を矢印A方向に積層するとともに、その積層方向両端には、エンドプレート204a、204bが配置され、複数本、例えば、8本の締め付け用ボルト206及びナット208を介して一体的に締め付け保持されている。燃料電池スタック202の中心部には、円形の燃料ガス供給連通孔36がエンドプレート204aを底部として矢印A方向に形成される。燃料ガス供給連通孔36の周囲には、複数、例えば、4つの排ガス通路210が、エンドプレート204bを底部として矢印A方向に形成される。
図21及び図22に示すように、燃料電池200は、一対のセパレータ212間に複数、例えば、16個の電解質・電極接合体26を挟んで構成される。セパレータ212の面内には、このセパレータ212の中心部である燃料ガス供給連通孔36と同心円上に8個の電解質・電極接合体26が配列される内周側配列層P1と、この内周側配列層P1の外周に8個の電解質・電極接合体26が配列される外周側配列層P2とが設けられる(図21参照)。
セパレータ212は、互いに積層される複数枚、例えば、2枚のプレート(第1及び第2部材)214、216を備える。プレート214、216は、例えば、ステンレス合金等の板金で構成されており、それぞれ湾曲外周部214a、216aが設けられている。
図23に示すように、プレート214の中央部両面には、燃料ガス供給連通孔36を囲繞してリング状の絶縁部材87a、87bが設けられる。プレート216の中央側には、第1円筒部39が設けられており、この第1円筒部39がかしめ処理されることによって結合部位89aが形成される。
プレート214には、燃料ガス供給連通孔36に対して放射状に外側突起部218aが設けられるとともに、前記外側突起部218aを介して前記燃料ガス供給連通孔36に連通する燃料ガス通路76が形成される。
外側突起部218aの先端側周囲には、それぞれ3個の酸化剤ガス導入口60がプレート214を貫通して形成される。プレート214には、内周側配列層P1及び外周側配列層P2に沿って配列される各電解質・電極接合体26に向かって突出し、各電解質・電極接合体26に接する第1ボス部220が膨出成形される。
図21及び図23に示すように、プレート214の湾曲外周部214aの内方近傍には、この湾曲外周部214aと同一形状を有しプレート216から離間する方向に向かって突出して第1周回凸部222aが成形される。プレート214には、この第1周回凸部222aを挟んで両側に互いに対向して(あるいは、互いに位置をずらして)、外周突起部224a及び内周突起部226aがそれぞれ所定の間隔離間して複数ずつ設けられる。
プレート216には、外側突起部218aに対向しプレート214に向かって突出する外側突起部218bが設けられる。プレート214、216では、燃料ガス供給連通孔36に連通する燃料ガス通路76が形成される。プレート216には、内周側配列層P1及び外周側配列層P2に沿って配列される各電解質・電極接合体26に向かって突出し、各電解質・電極接合体26に接する第2ボス部228が膨出成形される。第2ボス部228は、第1ボス部220よりも径方向及び高さ方向の各寸法が小さく設定されている。プレート216には、燃料ガス通路76に連通する燃料ガス導入口48が貫通形成される。
プレート216には、内周側配列層P1及び外周側配列層P2に沿って、それぞれ8個の電解質・電極接合体26を位置決め配置するための位置決め突起部230が設けられる。位置決め突起部230は、各電解質・電極接合体26を周回する位置に対応して3個以上、第4の実施形態では、例えば、3個ずつ設けられるとともに、前記電解質・電極接合体26が前記位置決め突起部230間に非接触状態で収容可能な位置に設定される。位置決め突起部230は、第2ボス部228よりも高さ方向の寸法が大きく設定される(図23参照)。
図21及び図23に示すように、プレート216の湾曲外周部216aの内方近傍には、この湾曲外周部216aと同一形状を有しプレート214から離間する方向に向かって突出して第2周回凸部222bが成形される。プレート216には、この第2周回凸部222bを挟んで両側に互いに対向して(あるいは、互いに位置をずらして)、外周突起部224bが所定の間隔離間して複数ずつ形成される。
プレート214とプレート216との間には、燃料ガス通路76が形成されるとともに、外側突起部218a、218bの外方に対応して酸化剤ガス通路84が形成される(図23及び図24参照)。この酸化剤ガス通路84は、プレート214に形成された酸化剤ガス導入口60に連通する。
一方のセパレータ212を構成するプレート214と他方のセパレータ212を構成するプレート216とにより、電解質・電極接合体26が挟持される。具体的には、電解質・電極接合体26を挟んで互いに対向するプレート214、216には、第1ボス部220及び第2ボス部228が膨出成形されており、前記第1ボス部220と前記第2ボス部228とによって前記電解質・電極接合体26が挟持される。
図24に示すように、電解質・電極接合体26と一方のセパレータ212を構成するプレート216との間には、燃料ガス通路76から燃料ガス導入口48を介して連通する燃料ガス供給流路232が形成される。電解質・電極接合体26と他方のセパレータ212を構成するプレート214との間には、酸化剤ガス通路84から酸化剤ガス導入口60を介して連通する酸化剤ガス供給流路234が形成される。燃料ガス供給流路232及び酸化剤ガス供給流路234は、第2ボス部228及び第1ボス部220の各高さ寸法に応じて開口寸法が設定されている。燃料ガスの流量が酸化剤ガスの流量よりも少ないために、第2ボス部228が第1ボス部220よりも小さな寸法に設定されている。
図23に示すように、燃料ガス通路76は、同一のセパレータ212を構成するプレート214、216間に形成された燃料ガス供給連通孔36に連通する。酸化剤ガス通路84は、燃料ガス通路76と同一面上に形成されており、同一のセパレータ212を構成するプレート214、216の第1及び第2周回凸部222a、222b間を介して外部に開放されている。
各セパレータ212は、積層方向に沿って第1及び第2ボス部220、228が電解質・電極接合体26を挟持することにより、集電体として機能するとともに、プレート214、216の外側突起部218a、218bが互いに接触することにより、各燃料電池200が矢印A方向に沿って直列的に接続されている。
このように構成される燃料電池スタック202の動作について、以下に説明する。
燃料電池200を組み付ける際には、先ず、プレート214、216が接合されてセパレータ212が構成されるとともに、前記プレート214、216間には、同一面上に位置して燃料ガス通路76と酸化剤ガス通路84とが形成される。さらに、燃料ガス通路76が燃料ガス供給連通孔36に連通する一方、酸化剤ガス通路84がそれぞれの湾曲外周部214a、216a間から外部に開放されている。
次いで、セパレータ212間に電解質・電極接合体26が挟持されるとともに、一方のセパレータ212を構成するプレート214と他方のセパレータ212を構成するプレート216とは、絶縁部材87a、87bを介装して互いに塑性変形された結合部位89aが形成される。
図21及び図22に示すように、各セパレータ212は、互いに対向する面、すなわち、プレート214、216間に内周側配列層P1に対応して8個の電解質・電極接合体26が配置されるとともに、外周側配列層P2に沿って8個の電解質・電極接合体26が配置される。
その際、各電解質・電極接合体26の配置位置には、それぞれ3個の位置決め突起部230が設けられており、3個の前記位置決め突起部230間に前記電解質・電極接合体26が収容される。位置決め突起部230内には、互いに近接する方向に向かって突出して第1及び第2ボス部220、228が形成されており、前記第1及び第2ボス部220、228によって電解質・電極接合体26が挟持される。
このため、図24に示すように、電解質・電極接合体26のカソード電極22とプレート214との間には、酸化剤ガス導入口60を介して酸化剤ガス通路84に連通する酸化剤ガス供給流路234が形成される。一方、電解質・電極接合体26のアノード電極24とプレート216との間には、燃料ガス導入口48を介して燃料ガス通路76に連通する燃料ガス供給流路232が形成される。さらに、セパレータ212間には、反応後の燃料ガス及び酸化剤ガスを混合して排ガス通路210に導くための排出通路236が形成される。
上記のように組み付けられた燃料電池200が矢印A方向に積層されて、燃料電池スタック202が組み立てられる(図20参照)。
そこで、燃料電池スタック202を構成する燃料ガス供給連通孔36に燃料ガスが供給されるとともに、前記燃料電池スタック202の外周部側から加圧された空気が供給される。燃料ガス供給連通孔36に供給された燃料ガスは、積層方向(矢印A方向)に移動しながら、各燃料電池200を構成するセパレータ212内の燃料ガス通路76に導入される(図23参照)。
図22に示すように、燃料ガスは、外側突起部218a、218bに沿って移動し、それぞれの先端部から燃料ガス導入口48を介して燃料ガス供給流路232に導入される。燃料ガス導入口48は、各電解質・電極接合体26のアノード電極24の中心位置に対応して設けられており、燃料ガス供給流路232に導入された燃料ガスは、前記アノード電極24の中心部から外周に向かって流動する(図24参照)。
一方、各燃料電池200の外周側から供給される空気は、各セパレータ212のプレート214、216間に形成されている酸化剤ガス通路84に供給される。この酸化剤ガス通路84に供給された空気は、酸化剤ガス導入口60から酸化剤ガス供給流路234に導入され、電解質・電極接合体26のカソード電極22の中心部から外周に沿って流動する(図22及び図24参照)。
従って、各電解質・電極接合体26では、アノード電極24の中心部から外周に向かって燃料ガスが供給されるとともに、カソード電極22の中心部から外周に向かって空気が供給される。その際、酸素イオンが電解質20を通ってアノード電極24に移動し、化学反応により発電が行われる。
各電解質・電極接合体26の外周に移動した反応後の燃料ガス及び空気(排ガス)は、セパレータ212間に形成される排出通路236を介して前記セパレータ212の中心部側に移動する。セパレータ212の中心部近傍には、排ガスマニホールドを構成する4つの排ガス通路210が形成されており、排ガスがこの排ガス通路210から外部に排出される。
この場合、第4の実施形態では、一方のセパレータ212を構成するプレート214と他方のセパレータ212を構成するプレート216とは、第1円筒部39がかしめ処理されることにより、所定の重合部が形成される。このため、所望のシール性を確実に維持することが可能になるとともに信頼性の向上が図られ、荷重によるセパレータ212の損傷(劣化)や電解質・電極接合体26の損傷等を阻止できる等、第1乃至第3の実施形態と同様の効果が得られる。
本発明の第1の実施形態に係る燃料電池が複数積層された燃料電池スタックの概略斜視説明図である。 前記燃料電池の分解斜視図である。 前記燃料電池のガス流れ状態を示す一部分解斜視説明図ある。 前記燃料電池のセパレータを構成する第2プレートの正面説明図である。 前記セパレータを構成する第3プレートの一方の面の一部省略説明図である。 前記第3プレートの他方の面の一部省略説明図である。 前記燃料電池の燃料ガス供給連通孔近傍の拡大断面図である。 前記燃料電池の酸化剤ガス供給連通孔近傍の拡大断面図である。 前記燃料電池の動作を説明する概略断面説明図である。 前記セパレータにかしめ処理する際の説明図である。 前記セパレータにかしめ処理する際の説明図である。 前記セパレータにかしめ処理する際の説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る燃料電池が複数積層された燃料電池スタックの概略斜視説明図である。 前記燃料電池の分解斜視図である。 前記燃料電池のガス流れ状態を示す一部分解斜視説明図である。 本発明の第3の実施形態に係る燃料電池が複数積層された燃料電池スタックの概略斜視説明図である。 前記燃料電池の分解斜視図である。 前記燃料電池のガス流れ状態を示す一部分解斜視説明図である。 前記燃料電池の動作を説明する概略断面説明図である。 本発明の第4の実施形態に係る燃料電池が複数積層された燃料電池スタックの概略斜視説明図である。 前記燃料電池の分解斜視図である。 前記燃料電池のガス流れ状態を示す一部分解斜視説明図である。 前記燃料電池の断面説明図である。 前記燃料電池の動作を説明する概略断面説明図である。 特許文献1の固体電解質燃料電池の概略斜視説明図である。
符号の説明
10、100、110、140、200…燃料電池
12、102、112、142、202…燃料電池スタック
20…電解質 22…カソード電極
24…アノード電極 26…電解質・電極接合体
28、28a、28b、114、144、212…セパレータ
30、32、34、116、118a、118b、120、128、214、216…プレート
36…燃料ガス供給連通孔
38、52、62、64、146、158…小径端部
39、65…円筒部
40、40a、54、54a、54b、66、66a、68、68a、148、160…橋架部
42、42a、56、56a、56b、70、70a、150…円板部
44、58、78、176…凸部 46…略リング状凸部
48…燃料ガス導入口 50…酸化剤ガス供給連通孔
60…酸化剤ガス導入口 76、151…燃料ガス通路
76a…燃料ガス分配通路 84…酸化剤ガス通路
84a…酸化剤ガス分配通路 86…燃料ガス圧力室
87a〜87d…絶縁部材 88…酸化剤ガス圧力室
89a、89b…結合部位 156…通路部材
168…排ガス通路 218a、218b…外側突起部
232…燃料ガス供給流路 234…酸化剤ガス供給流路

Claims (5)

  1. 電解質をアノード電極とカソード電極とで挟んで構成される電解質・電極接合体とセパレータとが交互に積層される燃料電池であって、
    前記セパレータは、互いに積層される第1及び第2部材を備え、
    前記第1部材には、円筒部が一体的に設けられる一方、前記第2部材には、前記円筒部が挿入される開口部が設けられ、前記円筒部の内面に沿って、前記アノード電極に向かって燃料ガスを供給する燃料ガス通路又は前記カソード電極に向かって酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス通路が形成されるとともに、
    前記電解質・電極接合体を一方のセパレータと他方のセパレータとで挟持、前記一方のセパレータの前記円筒部を、前記他方のセパレータの前記開口部に挿入してかしめ処理することにより、結合部位を形成することを特徴とする燃料電池。
  2. 請求項1記載の燃料電池において、前記一方のセパレータの前記第1部材と前記他方のセパレータの前記第2部材との間には、前記結合部位に対応して絶縁部材が介装されることを特徴とする燃料電池。
  3. 請求項記載の燃料電池において、前記第1部材は、単一のプレートで構成され、
    前記プレートの一方の面には、前記燃料ガス通路を形成する第1突起部が設けられるとともに、
    前記プレートの他方の面には、前記酸化剤ガス通路を形成する第2突起部が設けられ、
    前記第2部材は、前記プレートの一方の面又は他方の面に接合され、燃料ガス供給部から前記燃料ガス通路に連通する燃料ガス供給通路が形成される通路部材で構成されることを特徴とする燃料電池。
  4. 請求項記載の燃料電池において、前記第1部1プレートにより、また、前記第2部材が第2プレートにより構成され、
    前記第1及び第2プレート間には、前記燃料ガス通路及び前記酸化剤ガス通路が形成されるとともに、
    前記燃料ガス通路は、前記セパレータの一方の面に向かう前記アノード電極に前記燃料ガスを供給し、前記酸化剤ガス通路は、前記セパレータの他方の面に向かう前記カソード電極に前記酸化剤ガスを供給することを特徴とする燃料電池。
  5. 請求項記載の燃料電池において、前記セパレータは、互いに積層される第1及び第2プレートと、
    前記第1及び第2プレート間に配設される第3プレートと、
    を備え、
    前記第1部前記第1〜第3プレートの任意いずれか1つにより、また、前記第2部材が前記第1〜第3プレートのうち前記第1部材を構成するもの以外の任意の1つにより構成されるとともに、
    前記第1プレートと前記アノード電極との間には、前記燃料ガス通路が形成され、且つ前記第2プレートと前記カソード電極との間には、前記酸化剤ガス通路が形成され、前記燃料ガス通路と前記酸化剤ガス通路とは、前記第3プレートにより仕切られることを特徴とする燃料電池。
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