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JP4981618B2 - 配線回路基板 - Google Patents

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Description

本発明は、グランド導体層を有する配線回路基板に関する。
配線回路基板は、例えば、絶縁層の一面に信号伝送線が形成され、他面にグランド導体層が形成された構造を有する。配線回路基板上には種々の回路素子が実装される。信号伝送線を通して高周波デジタル信号が伝送される場合には、回路素子の入出力インピーダンスと信号伝送線の特性インピーダンスとを整合させる必要がある。
そこで、グランド導体層に規則的な開口部を形成し、信号伝送線とグランド導体層とが対向する領域の面積を調整することにより、信号伝送線の特性インピーダンスを調整することが提案されている(例えば特許文献1)。
特開2006−31545号公報
しかしながら、上記の配線回路基板においては、高周波デジタル信号の伝送時に、信号伝送線から発生する電磁波等のノイズが、グランド導体層の開口部を介して外部へ放射されることがある。その場合、他の電子機器の誤動作または故障等が発生することがある。
本発明の目的は、高周波信号の伝送時におけるノイズの放射が抑制された配線回路基板を提供することである。
(1)本発明に係る配線回路基板は、絶縁材料からなる第1の絶縁層と、第1の絶縁層の一面に形成された信号伝送線と、第1の絶縁層の他面に形成され、第1の絶縁層を挟んで信号伝送線と対向する領域に開口部を有するグランド導体層と、開口部を覆うように形成されたシールド導体層と、開口部を埋めるようにシールド導体層上に形成される第2の絶縁層とを備えるものである。
この配線回路基板においては、グランド導体層が、第1の絶縁層を挟んで信号伝送線と対向する領域に開口部を有する。それにより、信号伝送線とグランド導体層との間の静電容量を減少させることができ、信号伝送線の特性インピーダンスを高くすることができる。
さらに、開口部を覆うようにシールド導体層が形成されているので、高周波デジタル信号の伝送時に、信号伝送線から発生する電磁波等のノイズが、グランド導体層の開口部を通して外部に放射されることが抑制される。したがって、他の電子機器の誤作動および故障等の発生を防止することができる。
また、開口部を埋めるようにシールド導体層上に第2の絶縁層が形成されるので、信号伝送線とグランド導体層との間の静電容量を十分に減少させることができる。それにより、信号伝送線の特性インピーダンスを十分に高くすることができる。
(2)シールド導体層は、グランド導体層に電気的に接続されてもよい。この場合、シールド導体層の電位を安定に維持することができる。それにより、シールド導体層から二次的にノイズが発生することが防止される。その結果、配線回路基板の外部にノイズが放射されることが十分に抑制される。
(3)シールド導体層は、開口部を挟むように開口部の両側でグランド導体層に接触してもよい。
この場合、グランド導体層の一面側において、シールド導体層により開口部が取り囲まれる。それにより、開口部を通した外部へのノイズの放射を十分に抑制しつつ、シールド導体層から二次的にノイズが発生することを防止することができる。その結果、配線回路基板の外部にノイズが放射されることが十分に抑制される。
)開口部における第2の絶縁層の厚みはグランド導体層の厚みよりも大きくてもよい。
この場合、信号伝送線とシールド導体層との間の静電容量を小さくすることができる。それにより、信号伝送線の特性インピーダンスを高くすることができる。
)開口部における第2の絶縁層の厚みとグランド導体層の厚みとの差は2μm以上であってもよい。
この場合、信号伝送線とシールド導体層との間の静電容量を十分に小さくすることができる。それにより、信号伝送線の特性インピーダンスを十分に高くすることができる。
)グランド導体層は、第1の絶縁層を挟んで信号伝送線と対向する領域に開口部を複数有し、シールド導体層は、複数の開口部を覆うように形成されてもよい。
この場合、グランド導体層の開口部の数を調整することにより、信号伝送線とグランド導体層との間の静電容量を容易に調整することができる。それにより、信号伝送線の特性インピーダンスを容易に調整することができる。
また、複数の開口部を覆うようにシールド導体層が形成されているので、高周波デジタル信号の伝送時に、信号伝送線から発生する電磁波等のノイズが、グランド導体層の複数の開口部を通して外部に放射されることが確実に抑制される。したがって、他の電子機器の誤作動または故障等が発生することが十分に防止される。
本発明によれば、高周波デジタル信号の伝送時に、信号伝送線から発生する電磁波等のノイズが、グランド導体層の開口部を通して外部に放射されることが抑制される。したがって、他の電子機器の誤作動および故障等の発生を防止することができる。
以下、本発明の一実施の形態に係る配線回路基板について図面を参照しながら説明する。
(1)配線回路基板の構成
図1は、本実施の形態に係る配線回路基板の構成を示す模式的断面図である。
図1に示すように、本実施の形態に係る配線回路基板100においては、例えばポリイミドからなるベース絶縁層1の上面に例えば銅からなる信号伝送線2が形成されている。信号伝送線2は、種々の回路素子(図示せず)に接続される。
信号伝送線2を覆うように、ベース絶縁層1上に接着材層3を介して例えばポリイミドからなるカバー絶縁層4が形成されている。カバー絶縁層4上に、信号面シールド層5がめっき、スパッタリング、印刷または塗布によって形成されている。信号面シールド層5は、銅、クロム、ニッケル、チタン、アルミニウム、金もしくは銀等の金属、またはこれら金属の複合材料からなる。信号面シールド層5上に、例えばエポキシ樹脂からなる保護層6が形成されている。
ベース絶縁層1の下面には、例えば銅からなるグランド導体層7が形成されている。ベース絶縁層1を挟んで信号伝送線2と対向するグランド導体層7の領域にはメッシュ部70が形成されている。メッシュ部70の詳細については後述する。
グランド導体層7のメッシュ部70の領域を覆うように、例えばエポキシ樹脂からなるグランド面絶縁層8が形成されている。また、グランド面絶縁層8を覆いかつグランド面絶縁層8の外側でグランド導体層7と接触するように、グランド面シールド層9がめっき、スパッタリング、印刷または塗布によって形成されている。グランド面シールド層9は、銅、クロム、ニッケル、チタン、アルミニウム、金もしくは銀等の金属、またはこれら金属の複合材料からなる。グランド面シールド層9を覆うようにグランド導体層7上にソルダーレジスト層10が形成されている。
ベース絶縁層1の厚みは例えば5μm以上60μm以下であり、好ましくは10μm以上50μm以下である。信号伝送線2の厚みは例えば8μm以上35μm以下であり、好ましくは10μm以上25μm以下である。信号伝送線2の幅は例えば15μm以上200μm以下であり、好ましくは30μm以上150μm以下である。
接着材層3の厚みは例えば9μm以上50μm以下であり、好ましくは11μm以上40μm以下である。カバー絶縁層4の厚みは5μm以上60μm以下であり、好ましくは10μm以上50μm以下である。信号面シールド層5の厚みは例えば0.05μm以上50μm以下であり、好ましくは0.1μm以上30μm以下である。保護層6の厚みは2μm以上40μm以下であり、好ましくは4μm以上30μm以下である。
グランド導体層7の厚みは例えば8μm以上35μm以下であり、好ましくは10μm以上25μm以下である。グランド面絶縁層8とグランド面シールド層9との間のグランド面絶縁層8の厚みtは例えば2μm以上40μm以下であり、好ましくは、4μm以上30μm以下である。グランド面シールド層9の厚みは例えば0.05μm以上50μm以下であり、好ましくは0.1μm以上30μm以下である。ソルダーレジスト層10の厚みは例えば2μm以上40μm以下であり、好ましくは4μm以上30μm以下である。
グランド導体層7のメッシュ部70の詳細について説明する。図2は、メッシュ部70の形状、およびメッシュ部70と信号伝送線2との位置関係について説明するための模式的平面図である。
図2に示すように、メッシュ部70は、信号伝送線2に対向する領域において信号伝送線2より幅広に設けられている。メッシュ部70は、信号伝送線2に沿うように設けられたメッシュ線70a、およびそのメッシュ線70aに交差するように設けられた複数のメッシュ線70b,70cを有する。
複数のメッシュ線70bは、メッシュ線70aに対して所定の角度(例えば60°)をなすように等間隔で平行に設けられている。複数のメッシュ線70cは、メッシュ線70aに関して複数のメッシュ線70bに対称に設けられている。本実施の形態では、メッシュ線70a,70b,70cが、複数の正三角形状の開口部7aを形成する。
このように、信号伝送線2に対向するグランド導体層7の領域に、複数の開口部7aが形成されることにより、信号伝送線2とグランド導体層7とが対向する面積が減少する。それにより、信号伝送線2とグランド導体層7との間の静電容量が減少し、信号伝送線2の特性インピーダンスが高くなる。したがって、信号伝送線2が接続される回路素子の入出力インピーダンスが高い場合においても、回路素子の入出力インピーダンスと信号伝送線2の特性インピーダンスとを整合させることが可能となる。
なお、開口部7aにおけるグランド面絶縁層8の厚みは、グランド導体層7の厚みよりも大きく形成される。メッシュ部70により信号伝送線2のインピーダンスを確実に高くするためには、グランド導体層7とグランド面シールド層9との間のグランド面絶縁層8の厚みt(図1)が2μm以上であることが好ましい。一方、厚みtが40μmよりも大きいと、ソルダーレジスト層10を形成することが困難となる。したがって、厚みtは、2μm以上40μm以下であることが好ましく、4μm以上30μm以下であることがより好ましい。
メッシュ線70a,70b,70cの幅は例えば30μm以上200μm以下であり、好ましくは50μm以上150μm以下である。正三角形状の開口部7aの一辺の長さは例えば100μm以上1500μm以下であり、好ましくは300μm以上1000μm以下である。また、メッシュ部70の全体の面積に対する複数の開口部7aの面積の割合(以下、開口率と呼ぶ)は例えば30%以上90%以下であり、好ましくは40%以上80%以下である。
なお、正三角形状の開口部7aの代わりに、直角三角形等の他の三角形状の開口部を形成してもよい。また、四角形状または円形状等の三角形状以外の開口部を形成してもよい。
(2)本実施の形態の効果
本実施の形態に係る配線回路基板100においては、グランド導体層7のメッシュ部70を覆うように、グランド面絶縁層8を介してグランド面シールド層9が形成されている。この場合、高周波デジタル信号の伝送時に、信号伝送線2から発生する電磁波等のノイズが、グランド導体層7のメッシュ部70を通して外部に放射されることが抑制される。
また、グランド面シールド層9がメッシュ部70の両側でグランド導体層7に接触しているので、グランド面シールド層9の電位を安定に維持することができる。そのため、外部へのノイズの放射を十分に抑制しつつ、グランド面シールド層9から二次的にノイズが発生することが防止される。
これらにより、配線回路基板100からのノイズの放射を十分に抑制することができる。したがって、他の電子機器の誤作動および故障等の発生を十分に防止することができる。
(3)実施例および比較例
(3−1)実施例
本実施例では、図1に示した構成を有する配線回路基板100を作製し、ノイズの放射量を調べた。
ベース絶縁層1の厚みを25μmとし、信号伝送線2の厚みを12μmとし、接着剤層3の厚みを15μmとし、カバー絶縁層4の厚みを25μmとし、信号面シールド層5の厚みを20μmとし、保護層6の厚みを15μmとした。
また、グランド導体層7の厚みを12μmとし、グランド面絶縁層8の厚みを20μmとし、グランド面シールド層9の厚みを20μmとし、ソルダーレジスト層10の厚みを15μmとした。
また、信号伝送ライン2の幅を90μmとし、グランド導体層7のメッシュ部70の幅を1000μmとし、メッシュ線70a,70b,70c(図2)の幅を50μmとし、開口部7a(図2)の一辺の長さを500μmとし、メッシュ部70の開口率を70%とした。
(3−2)比較例
比較例では、図3の構成を有する配線回路基板を作製し、ノイズの放出量を調べた。
図3は、比較例の配線回路基板の構成を示す断面図である。比較例の配線回路基板が実施例の配線回路基板100と異なるのは、次の点である。図3に示すように、配線回路基板150においては、グランド導体層7の一面(下面)を覆うようにグランド面絶縁層8aおよびソルダーレジスト層10aが積層して設けられる。図1のグランド面シールド層9は、設けられない。
なお、グランド面絶縁層8aおよびソルダーレジスト層10aの厚みは、実施例の配線回路基板100のグランド面絶縁層8およびソルダーレジスト層10の厚みと同じである。
(3−3)評価
図4は、ノイズの放射量の測定方法について説明するための模式図である。図4において、配線回路基板100,150の面Aは、グランド導体層7が設けられる側の面であり、図1および図3における配線回路基板100,150の下面である。配線回路基板100,150の面Bは、信号伝送線7が設けられる側の面であり、図1および図3における配線回路基板100,150の上面である。
図4に示すように、面Aが上方に向くように配線回路基板100,150を配置し、その上方に、スペクトラムアナライザ20に接続されたノイズ測定用ループアンテナ21を固定した。その状態で、配線回路基板100,150の信号伝送線2(図1および図3)に高周波デジタル信号を付与し、面A側から放射されるノイズをノイズ測定用ループアンテナ21により検出し、スペクトラムアナライザにより測定した。
その結果、実施例では、5〜10dBμA/mのノイズが測定された。一方、比較例では、15〜25dBμA/mのノイズが測定された。
したがって、グランド導体層7のメッシュ部70を覆うようにグランド面シールド層9を設けることにより、外部に放射されるノイズが低減されることがわかった。
(4)他の実施の形態
(4−1)
図5は、本発明の他の実施の形態に係る配線回路基板の構成を示す模式的断面図である。
図5に示す配線回路基板110が図1の配線回路基板100と異なるのは、ベース絶縁層1を挟んで信号伝送線2と対向するグランド導体層7の領域に、メッシュ部70の代えて開口部71が形成されている点である。開口部71は信号伝送線2よりも幅広に形成される。開口部71の幅は例えば30μm以上200μm以下であり、好ましくは50μm以上150μm以下である。
この配線回路基板110においては、グランド導体層7の開口部71を覆うように、グランド面絶縁層8を介してグランド面シールド層9が形成されている。それにより、高周波信号の伝送時に、信号伝送線2から発生する電磁波等のノイズが、グランド導体層7の開口部71を通して外部に放射されることが抑制される。したがって、他の電子機器の誤作動および故障等の発生が防止される。
(4−2)
信号面シールド層5およびグランド面シールド層9は、複数の金属層からなる多層構造であってもよい。また、銀粉または銅粉等の導電性粒子を樹脂中に分散させた導電性ペーストを塗布することによって信号面シールド層5およびグランド面信号層8を形成してもよい。
ベース絶縁層1およびカバー絶縁層4の材料は、ポリイミドに限らず、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルニトリル、ポリエーテルスルフォン等の他の絶縁材料を用いてもよい。
信号伝送線2およびグランド導体層7の材料は、銅に限らず、銅合金、金、アルミニウム等の他の金属材料を用いてもよい。
保護層6およびグランド面絶縁層8の材料は、エポキシ樹脂に限らず、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、アクリル樹脂等の他の樹脂材料を用いてもよい。また、熱硬化性樹脂および熱可塑性樹脂のどちらを用いてもよい。
(5)請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
上記実施の形態では、ベース絶縁層が第1の絶縁層の例であり、グランド面シールド層9がシールド導体層の例であり、グランド面絶縁層8が第2の絶縁層の例である。
請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることもできる。
本発明は、電子機器の種々の配線回路基板に有効に利用することができる。
本実施の形態に係る配線回路基板の構成を示す模式的断面図である。 グランド導体層のメッシュ部の詳細について説明するための模式的平面図である。 比較例に用いる配線回路基板の構成を示す模式的断面図である。 ノイズの放射量の測定方法を示す模式図である。 本発明の他の実施の形態に係る配線回路基板の構成を示す模式的断面図である。
符号の説明
1 ベース絶縁層
2 信号伝送線
3 接着材層
5 信号面シールド層
6 保護層
7 グランド導体層
7a 開口部
8 グランド面絶縁層
9 グランド面シールド層
10 ソルダーレジスト層
70 メッシュ部

Claims (6)

  1. 絶縁材料からなる第1の絶縁層と、
    前記第1の絶縁層の一面に形成された信号伝送線と、
    前記第1の絶縁層の他面に形成され、前記第1の絶縁層を挟んで前記信号伝送線と対向する領域に開口部を有するグランド導体層と、
    前記開口部を覆うように形成されたシールド導体層と
    前記開口部を埋めるように前記シールド導体層上に形成される第2の絶縁層とを備えることを特徴とする配線回路基板。
  2. 前記シールド導体層は、前記グランド導体層に電気的に接続されることを特徴とする請求項1記載の配線回路基板。
  3. 前記シールド導体層は、前記開口部を挟むように前記開口部の両側で前記グランド導体層に接触することを特徴とする請求項2記載の配線回路基板。
  4. 前記開口部における前記第2の絶縁層の厚みは前記グランド導体層の厚みよりも大きいことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の配線回路基板。
  5. 前記開口部における前記第2の絶縁層の厚みと前記グランド導体層の厚みとの差は2μm以上であることを特徴とする請求項記載の配線回路基板。
  6. 前記グランド導体層は、前記第1の絶縁層を挟んで前記信号伝送線と対向する領域に前記開口部を複数有し、
    前記シールド導体層は、前記複数の開口部を覆うように形成されることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の配線回路基板。
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