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JP4976635B2 - 液晶化合物、媒体およびディスプレイ - Google Patents

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Description

【0001】
本発明は、液晶化合物に関し、特に、正の誘電異方性と高い光学異方性とを有する液晶媒体の成分として適するものに関する。さらに、本発明は、前記液晶媒体および電気光学的ディスプレイおよび投射システム、特に反射型ディスプレイ、LCoS(登録商標)ディスプレイおよび複屈折効果に基づく、OCBディスプレイなどのディスプレイに関する。
【0002】
OCB(optically compensated bend:光学的補償ベンド) ディスプレイは、複屈折効果に基づき、そしてベンド構造を有する液晶層を含んでいる。該ベンドセルは、piセルとしても知られ、非特許文献1によって電気的に調節可能な二分の一波長板について初めて提唱されたが、ディスプレイのOCBモードは、非特許文献2に記載され、T.Miyashitaらの論文、特に非特許文献3〜5、ならびに非特許文献6にその後記載されている。
【0003】
OCBセルは、ベンド配向を有する液晶セルおよび正のΔεを有する液晶媒体を含んでいる。 さらに、OCBディスプレイは、上記論文において報告されているように、1または2以上の複屈折光学リターデーション膜を含み、黒色状態におけるベンドセルによる光漏出を排除している。OCBディスプレイは、いくつかの利点を有していて、それは例えばねじれネマチック(TN)セルに基づく従来のディスプレイより広い視野角およびより短い切り換え時間である。
【0004】
上記論文は、OCB効果に基づく高度情報ディスプレイ素子に使用し得るために液晶相は、高い光学異方性値Δnおよび比較的高い誘電異方性値Δεを有していなければならず、そして好ましくは弾性係数の間の比率K33/K11および粘度について比較的低い値を、有すべきであることを示している。電気光学ディスプレイ素子におけるOCB効果は、複数の要求を満たさなければならないLC相を必要とする。ここで特に重要なのは、湿度、空気、および熱、赤外線、可視および紫外線領域の放射線などの物理的影響ならびに直流または交流の電場に対する化学的耐性である。さらに、工業的に利用可能なLC相には、適切な温度範囲における液晶メソフェーズ、比較的高い複屈折、正の誘電異方性および低い粘度を要する。
【0005】
LCoS(登録商標)(シリコン上の液晶)ディスプレイは、従来技術において知られており、Three-Five Systems Inc. (Tempe, Arizona, USA)から入手できる。LCoS(登録商標)マイクロディスプレイは、代表的には、シリコン背面およびカバーガラスによりはさまれた、ねじれネマティック構造を有する液晶層を含む、反射型ディスプレイである。シリコン背面は、画素の整列であり、これらの各々は同時に、導電体である鏡表面を有する。各々の画素は、電圧を印加することによりホメオトロピック配向に切り換えることができる、ねじれネマティック配向を有する活性液晶層により覆われた固定した鏡を含む。LCoS(登録商標)マイクロディスプレイは小さいものであり、代表的には1.0”より小さい対角線を有するが、これらは、1/4 VGA(78,000画素)からUXGA+(2,000,000画素を超える)までの高度な解像度を可能にする。
【0006】
画素のサイズが小さいため、LCoS(登録商標)ディスプレイはまた、典型的には約1ミクロンである、極めて薄いセル厚を有する。したがって、これらのディスプレイにおいて用いられる液晶相は、通常低いΔnを有するLC相を必要とする従来の反射タイプLCディスプレイとは対照的に、光学異方性Δnについて高い値を特に有さなければならない。同時に、UV光に対する高い信頼性も必須であるが、それは一般的なLCoS(登録商標)ディスプレイおよび投射ディスプレイのバックライトのためである。
【0007】
現在まで開示されている液晶メソフェーズを有する一連の化合物には、これらのすべての要求を満たす単一の化合物は含まれていない。したがって、一般的に、2〜25種、好ましくは3〜18種の化合物の混合物が、LC相として用いることができる物質を得るために製造される。しかし、理想的な相は、この方法においては容易に得ることができないが、その理由は、同時に高い複屈折および低い粘度を有する液晶材料が、現在まで用いることができなかったからである。
【0008】
OCBモードおよびLCoS(登録商標)ディスプレイは、マトリックスディスプレイとして動作させることができる。マトリックス液晶ディスプレイ(MLCディスプレイ)が知られている。個別の画素を個別に切り換えるために用いることができる非線形素子の例は、能動的素子(すなわちトランジスタ)である。これは、それ以来「アクティブマトリックス」と称され、2つのタイプの間で区別をすることができる:
1.基板としてのシリコンウエファー上のMOS(金属酸化物半導体)トランジスタ、
2.基板としてのガラス板上の薄膜トランジスタ(TFT)。
【0009】
タイプ1の場合において、用いられる電気光学的効果は、通常、動的散乱またはゲスト−ホスト効果である。基板材料としての単結晶シリコンの使用により、ディスプレイの大きさが制限されるが、その理由は、種々の部分表示をモジュラー集合させた場合においても、接合部分に問題が生じるからである。
【0010】
より有望なタイプ2の場合には好適であり、用いられる電気光学的効果は、通常TN効果である。2種の技術の間で区別がなされる:化合物半導体、例えばCdSeを含むTFT、または多結晶もしくは無定形シリコンを基材とするTFT、である。研究に対する努力が世界中で精力的になされているのは、後者の技術に関してである。
【0011】
TFTマトリックスは、前記ディスプレイの1枚のガラス板の内側に施され、一方他方のガラス板の内側は、透明な対向電極を担持している。画素電極の大きさと比較すると、TFTは極めて小さく、像に対する有害な効果は実質的に有さない。この技術は、全色コンパティブル画像ディスプレイにまで発展させることもでき、各フィルター素子が切り換え可能な画素に対して反対に位置するように、モザイク状の赤色、緑色および青色フィルター配列される。
【0012】
これまでに開示されているTFTディスプレイは、通常、透過光内に交差偏光板を備えたTNセルとして動作し、背面から照射される。しかし、OCBモードディスプレイの場合には、反射型ディスプレイは、非特許文献7においても提唱されている。
【0013】
MLCディスプレイの用語は、本明細書中では、集積非線型素子を備えたマトリックスディスプレイのすべてを包含し、すなわち、アクティブマトリックスに加えて、バリスターまたはダイオード(MIM=金属−絶縁体−金属)のような受動素子を含有するディスプレイも包含する。
【0014】
このタイプのMLCディスプレイは、TVアプリケーション用または自動車または航空機構築用の高度情報ディスプレイ用に特に適する。コントラストの角度依存性および応答時間に関連する問題に加えて、MLCディスプレイでは、液晶混合物の不適切な比抵抗値による問題が生じる(例えば、非特許文献8および9を参照)。
【0015】
比抵抗値の減少に伴って、MLCディスプレイのコントラストは悪化する。液晶混合物の比抵抗値は、一般的に、MLCディスプレイの内部表面との相互作用によって、MLCディスプレイの寿命全体を通じて減少するため、長い動作期間にわたり許容される抵抗値を有さなければならないディスプレイについて、高い(初期)抵抗値は極めて重要である。さらに、MLCディスプレイ、特に野外使用向けのものは、太陽光によるUV照射に曝露されるが、かかる状況は照射型ディスプレイおよびLCoS(登録商標)におけるバックライトの影響と同様なものである。液晶媒体の化合物、特にトラン誘導体は、高い光学異方性を達成するために用いられるが、強いUV照射の下において分解するおそれがあり、このこともまた媒体の比抵抗値の低下につながる。
【0016】
これまでに開示されているMLC−TNディスプレイの欠点は、これらのディスプレイにおける、比較的低いコントラスト、比較的高い視野角依存性およびグレーシェードを生成することの困難さに起因する。
したがって、MLCディスプレイ、特に照射型ディスプレイ、OCBディスプレイのような複屈折効果に基づくディスプレイ、および野外使用向けのTFT−ディスプレイであって、極めて高い比抵抗値および同時に広い動作温度範囲、短い応答時間および低いしきい値電圧を有し、これを利用することによって、種々のグレーシェードを生成することができるディスプレイに対する多大な要求が存在し続けている。さらに、同時に低い粘度、高い複屈折および比較的高い正の誘電異方性、高いUV安定性、を示すこれらの種類のディスプレイ用の液晶媒体に対する多大な要求も存在している。
【0017】
【非特許文献1】
ピー・ボスら(P. Bos et al.), "SID 83 Digest", p.30, 1983年 。
【非特許文献2】
ワイ・ヤマグチ、ティー・ミヤシタおよびティー・ウチダ(Y. Yamaguchi, T. Miyashita and T. Uchida), "SID 93 Digest", p.277, 1993年 。
【非特許文献3】
ティー・ミヤシタら(T. Miyashita et al.), "Proc. Eurodisplay", p.149 , 1993年 。
【非特許文献4】
ティー・ミヤシタら(T. Miyashita et al.), "Journal of Applied Physics" p.34, L177, 1995年 。
【非特許文献5】
ティー・ミヤシタら(T. Miyashita et al.), "SID 95 Digest", p.797, 1995年 。
【非特許文献6】
シー・エル・クオら(C.-L. Kuo et al.), "SID 94 Digest", p.927, 1994年 。
【非特許文献7】
ティー・ウチダ、ティー・イシナベおよびエム・スズキ(T. Uchida, T. Ishinabe and M. Suzuki), "SID 96 Digest", p.618, 1996年 。
【非特許文献8】
トガシ・エス、セキグチ・ケイ、タナベ・エイチ、ヤマモト・イー、ソリマチ・ケイ、タジマ・イー、ワタナベ・エイチ、シミズ・エイチ(TOGASHI, S., SEKIGUCHI, K., TANABE, H., YAMAMOTO, E., SORIMACHI, K., TAJIMA, E., WATANABE, H., SHIMIZU, H.), "Proc. Eurodisplay 84", 1984年9月: A210-288, ダブルステージダイオードリングによって調節されるマトリックスLCD(Matrix LCD Controlled by Double Stage Diode Rings), p.141以降、Paris。
【非特許文献9】
ストロマー・エム(STROMER, M.), "Proc. Eurodisplay 84", 1984年9月: テレビジョン液晶ディスプレイのマトリックスアドレシングのための薄膜トランジスタのデザイン(Design of Thin Film Transistors for Matrix Addressing of Television Liquid Crystal Displays), p.145以降、Paris。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、第一の目的として、高極性化合物であって、高い光学異方性、極めて高い透明点およびUV安定性を示し、したがってMLCディスプレイにおける液晶媒体の成分として特に好適な化合物を提供することを有する。
本発明の第二の目的は、上記欠点を少なくとも部分的に克服し、同時に、高い光学異方性および誘電異方性、高い透明点ならびに良好なUV安定性を有する液晶媒体にある。
【0019】
さらに本発明は第三の目的として、電気光学的液晶ディスプレイ、特にアクティブマトリックス型ディスプレイ、反射型ディスプレイおよび照射型ディスプレイ、LCoS(登録商標)またはOCBモードであって、上記欠点を有さないか、または上記欠点が低減されているものを提供することを有する。
本発明のさらなる目的は、高い誘電異方性および良好なUV安定性を有するコレステリック液晶媒体およびコレステリック液晶ディスプレイにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
ここに、第一の目的が、式Iの液晶化合物によって達成されることが見出された:
【化7】
Figure 0004976635
式中、
は、F、Cl、CHF、CF OCHFまたはOCFであり、そして
は、1〜20個のC原子を有するアルキルである。
【0021】
式Iの化合物は、以下を示す:
・高い複屈折値、
・極めて高い誘電異方性、
・極めて高い透明点、
・低い回転粘度、
・良好な低温安定性および
・高いUV安定性。
【0022】
さらに、本発明の第二の目的は、式Iの化合物を1種または2種以上含有する、誘電異方性が正である極性化合物の混合物をベースとする液晶媒体によって達成されることが見出された。
本発明による液晶媒体は、以下を示すことを特徴とする:
・高い複屈折値
・高い誘電異方性、
・広いネマチック相範囲、特に高い透明化温度、
・低い粘度、および
・高いUV安定性。
【0023】
したがって、本発明の液晶媒体は、野外における使用のための電気光学ディスプレイに特に適し、高いUV照射および広い動作温度範囲、特に、高い温度における動作を可能にする。さらに、強い照度光を有する、照射型ディスプレイのような、例えばLCoS(登録商標)モードのものは、本発明による液晶媒体を使用する利益を有する可能性があり、それは高いUV安定性に起因するより長期の寿命によるものである。さらに、本発明の液晶媒体を電気光学的ディスプレイに用いる場合には、反応時間の小さい値、低い駆動電圧、満足できるグレースケールパフォーマンス、広い視野角および高いコントラストを達成することが可能である。
【0024】
コレステリック液晶媒体であって、ネマチック成分として本発明の液晶媒体を含み、光学活性な成分として1種または2種以上のキラルドーパントを含むものは、本発明の他の目的である。本発明の液晶媒体の上記有利な特性、特に高い光学複屈折および良好なUV安定性も、コレステリックな用途における利点である。本発明のさらに他の目的は、コレステリック液晶ディスプレイ、特にSSCTディスプレイおよびPSCTディスプレイであって、上記コレステリック液晶媒体を含むものである。
【0025】
すなわち、本発明は、上記および下記に定義された式Iの化合物の液晶化合物に関する。
さらに本発明は、正の誘電異方性を有する極性化合物の混合物に基づく液晶媒体であって、1種または2種以上の上記または下記に定義された式Iの化合物を含有することを特徴とするものに関する。
【0026】
DE 199 19 348 A1、EP 0 439 089 A1およびWO 01/12751によって、一般式I
【化8】
Figure 0004976635
式中、RはH、1〜15個のC原子を有するアルキル基またはアルケニル基であり、それは置換されていてもよく、かつ1または2以上のCH基は、種々の基によって置換されていてもよく、LはHまたはFであり、そしてYはF、Cl、ハロゲン化アルキル、アルケニル、アルケニルオキシ、アルコキシアルキルまたはアルコキシである、が知られ、この式Iの化合物は、液晶混合物の共成分(co−component)として推奨されている。しかし、本発明による式Iの化合物は開示されていない。
【0027】
さらに、JP 09-030996には、フッ素化p−ターフェニル誘導体が記載されている。
以下において、式Iの化合物の好ましい誘導体である、同時に本発明による液晶媒体の好ましい成分であるものを示す。すなわち、本発明による好ましい液晶媒体は、下記に例示される好ましい式Iの化合物を1種または2種以上含有する。
【0028】
【発明の実施の形態】
好ましい式Iの化合物は、C原子を1〜8個有するアルキルである。特に好ましくは、Rは直鎖アルキル基であり、すなわちRはメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチルまたはオクチルであり、特にエチル、プロピルまたはブチルである。
さらなる好ましい式Iの化合物は、XがF、CHF、CF、OCHFまたはOCFであるものであり、特にF、OCHFまたはOCF、最も好ましくはOCHFまたはOCFであるものである。
【0029】
式Iaおよび/またはIbの化合物は、特に好ましい:
【化9】
Figure 0004976635
式中、alkylは1〜8個のC原子を有するアルキル基である。
【0030】
式Iの化合物は、当業者に公知の方法を用いることによって製造することができる。以下の反応スキームは、本発明の化合物の有利な合成法について説明するものである。
【化10】
Figure 0004976635
【0031】
以下に、好ましい本発明による液晶混合物を例示する。
高い光学異方性値であるΔn≧0.16、特にΔn≧0.17、また特にΔn≧0.18を有するものが好ましい。光学異方性値として、Δn≧0.19も本発明による混合物によって達成し得る。
【0032】
本発明による液晶媒体は、混合物さらに1種または2種以上の、式IIaのターフェニル混合物を含む:
【化11】
Figure 0004976635
式中、Rは、C原子を9個まで有するアルキル、アルコキシ、フルオロアルキル、アルケニルまたはオキサアルキルであり、そして
は、F、Cl、CF、OCF、OCHF、C原子を7個まで有するフルオロアルキルまたはフルオロアルコキシである。
【0033】
は、好ましくは1〜8個のC原子を有するアルキル基である。Xの好ましい意味は、F、CF、OCHFおよびOCFである。
【0034】
したがって、特に好ましい本発明による液晶媒体は、式IIa.1の誘導体を1種または2種以上含む:
【化12】
Figure 0004976635
式中、alkylは1〜8個のC原子を有するアルキル基である。
式IIaの成分、特に式IIa.1の成分を用いることによって、極めて高い誘電異方性Δε、特にΔε≧12.0、そして極めて高いε値(分子軸に平行な方向における誘電定数)を有する液晶混合物を得ることができる。
【0035】
さらに本発明の液晶混合物は、好ましくは式IIbのターフェニル化合物を1種または2種以上含む:
【化13】
Figure 0004976635
式中、Rは、C原子を9個まで有するアルキル、アルコキシ、フルオロアルキル、アルケニルまたはオキサアルキルであり、そして
は、F、Cl、CF、OCF、OCHF、C原子を7個まで有するフルオロアルキルまたはフルオロアルコキシであり、そして
およびYは、各々相互に独立してHまたはFである。
は、好ましくは1〜8個のC原子を有するアルキル基である。Xは特に好ましくはClである。
【0036】
したがって、本発明による特に好ましい液晶媒体は、1種または2種以上の式IIb.1の誘導体を含む:
【化14】
Figure 0004976635
式中、alkylは、1〜8個のC原子を有するアルキル基である。
式IIbの成分、特に式IIb.1の成分を用いることによって、極めて高い光学異方性Δn、特にΔn≧0.19、を有する液晶混合物を得ることができる。
【0037】
本発明の液晶混合物は、好ましくはさらに式III〜VIIIから選択される化合物を1種または2種以上含む:
【化15】
Figure 0004976635
【0038】
式中、Rは、C原子を9個まで有するアルキル、アルコキシ、フルオロアルキル、アルケニルまたはオキサアルキルであり、
は、CFO、Cまたは単結合であり、
は、CFO、CまたはCであり、
は、F、Cl、CF、OCF、OCHF、C原子を7個まで有するフルオロアルキルまたはフルオロアルコキシであり、
〜Y は、相互に独立してHまたはFであり、そして
rは、0または1である。
【0039】
式IIIの化合物は、好ましくは下記式から選択される:
【化16】
Figure 0004976635
式中、R 、X 、Y およびY は上記の意味を有し、Rは好ましくは1〜8個のC原子を有するn−アルキルまたは2〜7個のC原子を有するアルケニルであり、そしてXは好ましくはF、Cl、CF、OCFまたはOCHFであり、特にFまたはOCFである。
【0040】
特に好ましくは、本発明による液晶混合物は式IIIa1の化合物を1種または2種以上含む:
【化17】
Figure 0004976635
式中、alkenylはビニル、1E−プロペニル、1E−ブテニル、3E−ブテニルまたは3E−ペンテニルであり、好ましくは3E−ブテニル、3E−ペンテニルまたはビニルであり、特にビニルである。
【0041】
式IVの化合物は、好ましくは下記式から選択される:
【化18】
Figure 0004976635
【0042】
【化19】
Figure 0004976635
式中、RおよびXは上記の意味を有し、Rは好ましくは1〜8個のC原子を有するn−アルキルまたは2〜7個のC原子を有するアルケニルであり、そしてXは好ましくはF、Cl、CF、OCFまたはOCHFであり、特にFまたはOCFである。
特に好ましいのはIVa、IVbおよびIVcの化合物であり、特にXがFのものである。さらに、式IVfの化合物が好ましい。
【0043】
式VIの化合物は、好ましくは下記式から選択される:
【化20】
Figure 0004976635
式中、RおよびXは上記の意味を有し、Rは好ましくは1〜8個のC原子を有するn−アルキルまたは2〜7個のC原子を有するアルケニルであり、そしてXは好ましくはF、Cl、CF、OCFまたはOCHFであり、特にFまたはOCFである。
特に好ましいのはVIa、VIbおよびVIcの化合物である。
【0044】
式VIIの化合物は、好ましくは下記式から選択される:
【化21】
Figure 0004976635
【0045】
【化22】
Figure 0004976635
式中、RおよびXは上記の意味を有し、Rは好ましくは1〜8個のC原子を有するn−アルキルまたは2〜7個のC原子を有するアルケニルであり、そしてXは好ましくはF、Cl、CF、OCFまたはOCHFであり、特にFまたはOCFである。
特に好ましいのはVIIaおよびVIIbの化合物であり、特にXがFのものである。
【0046】
本発明による液晶混合物は、好ましくはさらに式IX〜XVIから選択される、1種または2種以上の四環式化合物を含む:
【化23】
Figure 0004976635
式中、RおよびXは上記の意味を有し、そしてY、Y、Y、YおよびYは相互に独立してHまたはFであり、ただし、式XVIにおいては、Y、YおよびYはFではなく、YおよびYは同時にHではない。したがって、式XVIは式Iの化合物を包含しない。Rは好ましくは1〜8個のC原子を有するn−アルキルまたは2〜7個のC原子を有するアルケニルである。Xは好ましくはF、Cl、CF、OCFまたはOCHFであり、特にFまたはOCFである。YおよびYは好ましくはHである。
【0047】
好ましい式IXの化合物は、式IXaの化合物である:
【化24】
Figure 0004976635
式中、RおよびXは上記の意味を有する。Xは好ましくはF、Cl、CF、OCFまたはOCHFであり、特にFまたはOCFである。
【0048】
本発明による液晶混合物は、好ましくは、1種または2種以上の、式XVII〜XIXから選択される化合物をさらに含む:
【化25】
Figure 0004976635
式中、R、Y、YおよびXは上記の意味を有し、そしてフェニレン環は、任意にFまたはClによって単置換または多置換されていてもよい。Rは好ましくは1〜8個のC原子を有するn−アルキルまたは2〜7個のC原子を有するアルケニルであり、Xは好ましくはF、Cl、CF、OCFまたはOCHFであり、特にFまたはClであり、そして少なくとも1つのフェニレン環はFによって置換されている。
【0049】
好ましい式XVIIの化合物は、式XVIIaの化合物である:
【化26】
Figure 0004976635
式中、XはFまたはClであり、特にFである。
好ましい式XVIIIの化合物は、YがFであり、そしてXがFまたはCl、特にFのものである。
【0050】
本発明による液晶混合物は、好ましくは、1種または2種以上の、式XX〜XXIIIから選択される化合物をさらに含む:
【化27】
Figure 0004976635
式中、RおよびRは相互に独立して、Rの上記意味の1つを有し、そしてYはHまたはFである。
【0051】
式XXの化合物において、RおよびRは好ましくは1〜8個のC原子を有するn−アルキルまたは2〜7個のC原子を有するアルケニルである。
式XXI、XXIIおよびXXIIIの化合物において、RおよびRは好ましくは1〜8個のC原子を有するn−アルキルである。
式XXIIIの化合物であって、YがFであるものは特に好ましい。
【0052】
本発明はさらに、電気光学ディスプレイ、好ましくはアクティブマトリックスアドレシングを有するディスプレイおよび/または反射型ディスプレイに関する。本発明によるディスプレイは、好ましくはOCB効果に基づき、照射型ディスプレイおよび/またはLCoS(登録商標)ディスプレイであり、誘電体として上記液晶媒体を含有することを特徴とする。
本発明による混合物は、本質的に一般式I、IIa、IIbおよびIII〜XXIIIなる群から選択される化合物を含む。
【0053】
本発明の好ましい態様は、以下を含有する混合物に関する:
・少なくとも2重量%、好ましくは少なくとも3重量%、最も好ましくは少なくとも4重量%、そして好ましくは20重量%まで、最も好ましくは15重量%までの、1種または2種以上の式Iの化合物。
・少なくとも10重量%、好ましくは少なくとも15重量%、そして好ましくは45重量%まで、最も好ましくは40重量%までの、1種または2種以上の式IIaの化合物。
・少なくとも3重量%、好ましくは少なくとも5重量%、そして好ましくは40重量%まで、最も好ましくは30重量%までの、1種または2種以上の式IIbの化合物。
【0054】
・少なくとも10重量%、好ましくは少なくとも15重量%、そして好ましくは75重量%まで、最も好ましくは60重量%までの、1種または2種以上の式IVの化合物、
特に、少なくとも8重量%、好ましくは少なくとも15重量%、そして好ましくは50重量%まで、最も好ましくは40重量%までの、1種または2種以上の式IVbおよび/またはIVcの化合物、および
少なくとも1重量%、好ましくは少なくとも3重量%、そして好ましくは20重量%まで、最も好ましくは15重量%までの、1種または2種以上の式IVaの化合物。
【0055】
・少なくとも1種の式Iaおよび/またはIbの化合物。
・少なくとも1種の式IIaの化合物であって、特にXがFであるもの、とりわけRが1〜8個までのC原子を有するアルキル。
・少なくとも1種の式IIbの化合物であって、特にXがClであるもの、とりわけRが1〜8個までのC原子を有するアルキル。
・少なくとも1種の式IVbおよび/またはIVcの化合物であって、特にXがFであるもの、とりわけRが1〜8個までのC原子を有するアルキル。
・少なくとも1種の式IVaの化合物であって、特にXがFであるもの、とりわけRが1〜8個までのC原子を有するアルキル。
【0056】
・少なくとも1種の式IIIa1の化合物であって、特にalkenylがビニルであるもの。
・少なくとも1種の式IXaの化合物であって、特にXがFであるもの。
・少なくとも1種の式XVIIaの化合物であって、特にXがF、OCFまたはOCHFであるもの。
・少なくとも1種の式XXIIIの化合物であって、特にYがFであるもの。
式IIa、IIbおよびIII〜XXIIIの化合物は、従来技術から知ることができるかまたは既知の方法によって製造することができる。
【0057】
式Iの化合物を用いることによって、本発明による高極性液晶混合物であって、同時に高い複屈折および高い透明点を有するものを得ることができる。加えて、式IIaの化合物を用いることによって、本発明による混合物における高い誘電異方性値を達成できる。さらに、本発明による液晶混合物であって式IIbの化合物を含むものは、極めて高い複屈折を示す。
【0058】
本発明による液晶混合物は、好ましくはネマチック相範囲として少なくとも75K、特に少なくとも90Kを有し、そして透明点としては70℃を越え、特に80℃を越え、とりわけ90℃を越える透明点を有する。
誘電異方性は好ましくは+8より大きく、極めて好ましくは少なくとも+10であり、最も好ましくは+11以上である。
【0059】
本発明による混合物は、多くの場合中程度の極性な成分をベースとし、該成分は開示した母核構造を有し、そして他の非シアノ成分をベースとしている。しかし、勿論該混合物は、既知のシアノ液晶成分をさらに含有することができ、該成分は好ましくは式XXIVのものである:
【化28】
Figure 0004976635
式中R、r、YおよびY は上記の意味を有し、そして
【化29】
Figure 0004976635
はトランス−1,4−シクロへキシレンまたは1,4−フェニレンであり、
極端に高い保持率(HR)値が必要でない場合、例えばTNまたはSTN用の場合である。結果として得られる混合物は、極めて広いネマチック相範囲を、極めて低い温度(野外使用向け)も含めて達成するために重要である。
【0060】
混合物は、好ましくは中位の極性のハロゲン化化合物をベースとするものであり、および/又は、本質的にシアノ化合物フリーである。
本発明による液晶混合物は、コレステリック液晶ディスプレイにおいて用いるための液晶媒体としても好適であり、特にSSCT(「表面安定コレステリック構造("surface stabilized cholesteric texture")」)ディスプレイおよびPSCT(「ポリマー安定コレステリック構造("polymer stabilized cholesteric texture")」)ディスプレイに好適であり、これは例えばWO 92/19695、US 5,384,067、US 5,453,863,、US 6,172,720またはUS 5,661,533に記載されている。コレステリック液晶ディスプレイは、典型的にはネマチック成分および光学活性成分からなるコレステリック液晶媒体を含み、そしてTNディスプレイおよびSTNディスプレイに比較して有意に高い螺旋ねじれ(helical twist)を示し、さらに円偏光に対する選択的な反射を示す。反射波長はコレステリック螺旋ピッチの、およびコレステリック液晶媒体の平均屈折率の産物として与えられる。
【0061】
この目的のために、本発明による液晶混合物に、1種または2種以上のキラルドーパントを添加するが、ねじれパワーおよびドーパントの濃度は、結果物である液晶媒体が、室温においてコレステリック相を有し、反射波長として好ましくは可視、電磁スペクトルUVまたはIRの範囲に存し、特に400〜800nmの範囲内に存するものを有するように選択される。好適なキラルドーパントは当業者に知られ、市販されているが、例えばノナン酸コレステリル(CN)、CB15、R/S−811、R/S−1011、R/S−2011、R/S−3011またはR/S−4011(Merck KGaA、Darmstadt)である。
【0062】
特に好適なのは、高いねじれパワーを有し、キラルな糖基を含むものであり、特にドーパントは、WO 98/00428に開示されているようなソルビトール誘導体を含むものである。2種または3種以上のドーパントを用いた場合には、ドーパントは同一または反対のねじれ方向(twist sense)を示すことができ、 同一または反対の前記ねじれの直線的温度相関を示すことができる。
【0063】
式IIa、IIbおよびIII〜XXIVの成分においては、R、R、R、およびRは、好ましくは炭素原子を1〜8個有する直鎖アルキル基または直鎖メトキシアルキルである。好ましいアルキル基は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチルおよびオクチルであり、特にエチル、プロピル、ブチルおよびペンチルである。好ましいメトキシアルキル基は、メトキシメチル、メトキシエチル、メトキシプロピル、メトキシブチル、メトキシペンチル、メトキシヘキシルおよびメトキシヘプチルである。
【0064】
「alkoxy」の用語には、C原子を1〜8個有する直鎖および分枝アルコキシ基を含む。直鎖アルコキシ基が好ましい。したがって、好ましいアルコキシ基はメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、ヘキソキシ、ヘプトキシおよびオクトキシである。
【0065】
「alkenyl」の用語には、C原子を2〜7個有する直鎖および分枝アルケニル基を含む。直鎖アルケニル基が好ましい。さらなる好ましいアルケニル基はC−C−1E−アルケニル、C−C−3E−アルケニル、C−C−4−アルケニル、C−C−5−アルケニルおよびC−6−アルケニルであり、特にC−C−1E−アルケニル、C−C−3E−アルケニルおよびC−C−4−アルケニルである。
【0066】
これらのうち、とりわけ好ましいアルケニル基はビニル、1E−プロペニル、1E−ブテニル、1E−ペンテニル、1E−ヘキセニル、1E−ヘプテニル、3−ブテニル、3E−ペンテニル、3E−ヘキセニル、3E−ヘプテニル、4−ペンテニル、4Z−ヘキセニル、4E−ヘキセニル、4Z−ヘプテニル、5−ヘキセニルおよび6−ヘプテニルである。5個までのC原子を有するアルケニル基は特に好ましい。
【0067】
前記および下記において、シクロヘキサン環を少なくとも1つ含有し、該シクロヘキサン環がトランス置換しているものは好ましい。
本発明による混合物の製造は、従来の方法によって行うことができる。一般に、より少量で用いられる成分の所望の量を主たる構成成分を構成する成分に溶解せしめるが、好ましくは温度を上げて行う。この温度が主構成成分の透明点を超えるように選択されれば、溶解工程の完了を極めて容易に確認することができる。 しかし、成分を適切な有機溶媒中、例えばアセトン、クロロホルムまたはエタノール中の成分の溶液を混合し、そして溶媒を、例えば蒸留によって除去することも可能である。
適切な添加剤を用いることによって、本発明による液晶媒体を改変し、これまでに開示されているあらゆる種類のMLCディスプレイに用いることを可能にすることができる。
【0068】
【実施例】
本明細書および以下の例においては、液晶化合物の構造を頭字語によって表し、化学式への変換は下記表Aおよび表B例によって行われる。すべての基C2n+1、C2m+1およびC2r+1は、直鎖アルキル基であり、−C2s−は直鎖アルケニル基であり、それぞれn、m、rおよびs個の炭素原子を有する。n、m、rおよびsは整数であり、相互に独立であり、好ましくは0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12である。表B中のコードは自明である。表Aにおいては、母核構造についての頭字語のみを示す。個々の場合において、母核構造の頭字語に続いて、ダッシュおよび置換基R、R、LおよびLのコードが以下のように続く:
【0069】
【表1】
Figure 0004976635
【0070】
好ましい混合物の成分は、表Aおよび表Bに見出される。
【化30】
Figure 0004976635
【0071】
【化31】
Figure 0004976635
【0072】
【化32】
Figure 0004976635
【0073】
【化33】
Figure 0004976635
【0074】
【化34】
Figure 0004976635
【0075】
【化35】
Figure 0004976635
【0076】
【化36】
Figure 0004976635
【0077】
【化37】
Figure 0004976635
【0078】
表C:
好ましいドーパントを表Cに示す。これらの1種または2種以上が、一般的に本発明による液晶媒体に添加される。
【化38】
Figure 0004976635
【0079】
【化39】
Figure 0004976635
【0080】
【化40】
Figure 0004976635
【0081】
表D
安定化剤であって、本発明による液晶混合物に添加してもよいものを以下に挙げる。
【化41】
Figure 0004976635
【0082】
【化42】
Figure 0004976635
【0083】
【化43】
Figure 0004976635
【0084】
【化44】
Figure 0004976635
【0085】
【化45】
Figure 0004976635
【0086】
本発明による混合物のうち、1種または2種以上の式Iの化合物以外に、2種、3種または4種以上の、表Bから選択される化合物を含むものは特に好ましい。
以下の例は、本発明の範囲を限定せずに、本発明を説明するためのものである。例においては、液晶物質の融点および透明点を摂氏度で示す。次の略号を用いる:C=液晶状態、N=ネマチック相、Sm=スメクチック相およびI=アイソトロピック相。これらの記号の間のデータは転移温度である。パーセンテージは重量による。
【0087】
次の略号を用いる:
Δnは、20℃および589nmにおいて測定した光学異方性を表す。
は、20℃および589nmにおいて測定した異常屈折率を表す。
Δεは、20℃において測定した誘電異方性を表す。
ε‖は、分子軸に平行な方向の誘電定数を表す。
cpは、透明点[℃]を表す。
γは、回転粘度[mPa s]を表す。
は、フレデリクスしきい値[V]を表す。
【0088】
THF テトラヒドロフラン
MTB tert−ブチル−メチル−エーテル
【0089】
例1:CPGU−3−OTの合成
1.1 ボロン酸(3)の合成
【化46】
Figure 0004976635
【0090】
THF100ml中の1.375molのMgを、THF350ml中の1−ブロモ−3−フルオロベンゼン(1)1.25molとグリニャール反応の条件下、沸騰加熱して反応せしめる。前記フルオロベンゼンを添加した後、該反応混合物を30分間還流せしめる。その後、THF300ml中のトリメチルホウ酸塩(2)1.375molを前記反応混合物に滴下添加する。1時間後、MTBを500ml添加し、次に濃塩酸200mlを、冷却しながら、最高20℃において滴下添加する。以下の精製操作を通常通り行う。
【0091】
1.2 3−フルオロ−4'−(トランス−4−プロピルシクロヘキシル)−ビフェニル(5)の合成
【化47】
Figure 0004976635
【0092】
0.004molのビス(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(II)塩酸塩および0.004molの水酸化ヒドラジンを、水80ml中のメタホウ酸ナトリウム塩八水和物0.100mol中に添加する。この混合物に、THF150ml中の1−ブロモ−4−(トランス−4−プロピル−シクロヘキシル)ベンゼン(4)0.200molを滴下添加する。5分間攪拌の後、THF50ml中のボロン酸(3)0.200molを滴下添加する。反応混合物を10時間還流し、室温(20℃)に冷却し、通常通りに精製操作に付した。
【0093】
1.3 ボロン酸(7)の合成
【化48】
Figure 0004976635
【0094】
THF60ml中の0.093molの化合物5を、THF100ml中のtert−ブチルカリウム塩0.093molに−80℃にて滴下添加する。さらに、−80℃にて、ブチルリチウム0.093mol(n−ヘキサン中の15%溶液)を滴下添加する。反応混合物を20分間攪拌する。その後、THF60ml中のトリメチルホウ酸塩0.093molを滴下添加する。反応混合物を室温(20℃)にした後、水200mlを添加し、半濃縮塩酸40mlによってpH2にし、その後に通常の精製操作を行う。
【0095】
1.4 CPGU−3−OT(9)の合成
【化49】
Figure 0004976635
【0096】
水30ml中のNaCO溶液0.040molを、上記臭素化合物(8)25mmol、ボロン酸(7)25mmol、2−プロパノール80ml、酢酸パラジウム(II)0.125mmolおよびトリフェニルホスフィン0.375mmolの混合物に添加する。反応混合物を、攪拌しながら6〜12時間還流せしめる。室温(20℃)に冷却した後、反応混合物を400mlの水に注ぐ。沈殿を真空濾過し、冷水およびエタノールによって洗浄する。得られたパウダーを再結晶せしめる。NMRおよびマススペクトル分析は、予期されたシグナルを示す。
【0097】
次の式IのRおよびXによって特定した化合物は、前記例と同様な操作によって製造することができる。
【表2】
Figure 0004976635
【0098】
例2
下記を含む液晶混合物が製造される:
【表3】
Figure 0004976635
【0099】
例3
下記を含む液晶混合物が製造される:
【表4】
Figure 0004976635
【0100】
例4
下記を含む液晶混合物が製造される:
【表5】
Figure 0004976635
【0101】
例5
下記を含む液晶混合物が製造される:
【表6】
Figure 0004976635
【0102】
例6
下記を含む液晶混合物が製造される:
【表7】
Figure 0004976635
【0103】
比較例
下記を含む液晶混合物が製造される:
【表8】
Figure 0004976635
そして、該混合物は、式Iの化合物(CPGU−n−OT)を含む例1〜5の混合物より有意に低い光学異方性を有する。
【0104】
【発明の効果】
本発明によれば、正の誘電異方性と高い光学異方性とを有する液晶媒体の成分として適切なものが提供される。さらに、本発明によれば、前記液晶媒体および電気光学的ディスプレイおよび投射システム、特に反射型ディスプレイ、LCoS(登録商標)ディスプレイおよび複屈折効果に基づく、OCBディスプレイなどのディスプレイが提供される。

Claims (22)

  1. 式Iで表される液晶化合物:
    Figure 0004976635
    式中、X、OCHFまたはOCFであり、そして
    は、1〜20個のC原子を有するアルキルである。
  2. が、OCFである、請求項1に記載の液晶化合物。
  3. が、OCHFである、請求項1に記載の液晶化合物。
  4. 正の誘電異方性を有する極性化合物の混合物をベースとする液晶媒体であって、式I:
    Figure 0004976635
    式中、X、OCHFまたはOCFであり、そして
    は、1〜20個のC原子を有するアルキルである、
    で表される1種または2種以上の化合物を含有することを特徴とする、前記液晶媒体。
  5. 式Iで表される化合物の1種または2種以上が、XがOCFの化合物である、請求項に記載の媒体。
  6. 式Iで表される化合物の1種または2種以上が、XがOCHFの化合物である、請求項またはに記載の媒体。
  7. 光学異方性として、Δn≧0.16を有することを特徴とする、請求項4〜6のいずれかに記載の媒体。
  8. 式IIa:
    Figure 0004976635
    式中、Rは、C原子を9個まで有するアルキル、アルコキシ、フルオロアルキル、アルケニルまたはオキサアルケニルであり、そして
    は、F、Cl、CF、OCF、OCHF、C原子を7個まで有するフルオロアルキルまたはフルオロアルコキシである、
    で表される1種または2種以上の化合物をさらに含むことを特徴とする、請求項4〜7のいずれかに記載の媒体。
  9. 式IIb:
    Figure 0004976635
    式中、Rは、C原子を9個まで有するアルキル、アルコキシ、フルオロアルキル、アルケニルまたはオキサアルケニルであり、
    は、F、Cl、CF、OCF、OCHF、C原子を7個まで有するフルオロアルキルまたはフルオロアルコキシであり、そして
    およびYは、各々相互に独立してHまたはFである、
    で表される1種または2種以上の化合物をさらに含むことを特徴とする、請求項4〜8のいずれかに記載の媒体。
  10. 式IV:
    Figure 0004976635
    式中、Rは、C原子を9個まで有するアルキル、アルコキシ、フルオロアルキル、アルケニルまたはオキサアルケニルであり、
    は、CFO、Cまたは単結合であり、
    は、F、Cl、CF、OCF、OCHF、C原子を7個まで有するフルオロアルキルまたはフルオロアルコキシであり、
    〜Yは、相互に独立してHまたはFであり、そして
    rは、0または1である、
    で表される1種または2種以上の化合物をさらに含むことを特徴とする、請求項4〜9いずれかに記載の媒体。
  11. 式III、IX、XVIIおよび/またはXXIII:
    Figure 0004976635
    、RおよびRは、C原子を9個まで有するアルキル、アルコキシ、フルオロアルキル、アルケニルまたはオキサアルケニルであり、
    は、F、Cl、CF、OCF、OCHF、C原子を7個まで有するフルオロアルキルまたはフルオロアルコキシであり、そして
    〜Yは、相互に独立してHまたはFであり、そして
    rは、0または1である、
    で表される1種または2種以上の化合物をさらに含むことを特徴とする、請求項4〜10のいずれかに記載の媒体。
  12. 1種または2種以上の式Iの化合物を、3〜20重量%含むことを特徴とする、請求項4〜11のいずれかに記載の媒体。
  13. 1種または2種以上の式IIaの化合物を、10〜40重量%含むことを特徴とする、請求項8〜12のいずれかに記載の媒体。
  14. 1種または2種以上の式IIbの化合物を、5〜30重量%含むことを特徴とする、請求項9〜13のいずれかに記載の媒体。
  15. コレステリック液晶媒体であって、ネマチック成分として請求項4〜14の何れかに記載の液晶媒体を含み、光学活性な成分として1種または2種以上のキラルドーパントを含むことを特徴とする、前記コレステリック液晶媒体。
  16. 請求項4〜15のいずれかに記載の媒体の、電気光学的液晶媒体における使用。
  17. 電気光学的液晶ディスプレイであって、請求項4〜15のいずれかに記載の媒体を含有することを特徴とする、前記電気光学的液晶ディスプレイ。
  18. 請求項17に記載の電気光学的液晶ディスプレイであって、アクティブマトリックスであることを特徴とする、前記電気光学的液晶ディスプレイ。
  19. 請求項17または18に記載の電気光学的液晶ディスプレイであって、反射型ディスプレイであることを特徴とする、前記電気光学的液晶ディスプレイ。
  20. 請求項17〜19のいずれかに記載の電気光学的液晶ディスプレイであって、照射型、LCoS(登録商標)またはOCBモードのディスプレイであることを特徴とする、前記電気光学的液晶ディスプレイ。
  21. 請求項15に記載のコレステリック液晶媒体を含む、コレステリック液晶ディスプレイ。
  22. SSCTディスプレイまたはPSCTディスプレイである、請求項21に記載のコレステリック液晶ディスプレイ。
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