JP4975917B2 - 光走査方法、光走査モジュール、光走査装置、画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光走査方法、光走査モジュール、光走査装置、画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の光走査装置は、光ビームを走査する偏向器としてポリゴンミラーやガルバノミラーが用いられているが、より高解像度な画像と高速プリントを達成するにはこの回転をさらに高速にしなければならず、軸受の耐久性や風損による発熱、騒音が課題となり、高速走査に限界がある。
【0003】
これに対し、近年、シリコンマイクロマシニングを利用した光偏向器の研究がすすめられており、特許第2722314号や第3011144号に開示されるように、シリコン基板で可動ミラーとそれを軸支するトーションバーを一体形成した方式が提案されている。この方式によれば共振を利用して往復振動させるので高速動作が可能で、かつ単結晶シリコンのトーションバーは劣化がないので、高速走査に優れる光偏向器を得ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のシリコン基板で可動ミラーとそれを軸支するトーションバーを一体形成した光偏向器においては、共振を利用して振幅をかせいでいるため、従来のポリゴンミラーやガルバノミラーと比べ印加する電力が極めて小さく騒音が小さいという利点がある。反面、偏向された光ビームで平面上を走査する場合、走査線の両端で折り返されるため、走査線の両端での走査速度は0となり、走査線の中央で最も速度が速くなるというように走査速度の変化が大きく、従来のポリゴンミラーを用いた光走査装置のように走査レンズによって被走査面上において等速に走査されるように補正することは困難である。
【0005】
ところで、最大振れ角θ0は後述するように共振周波数fdとは相反する関係にあり、記録速度が速くなるに従って最大振れ角θ0は小さくなり、現実的には最大振れ角θ0は10°以下となる。
【0006】
走査速度は可動ミラーの振れ角が大きくなるに従って加速度的に低下するので、最大振れ角θ0に対して画像記録に用いる振れ角θsを限定し速度変化が比較的小さい範囲で使うこともできるが、これに伴って画像記録領域も縮小してしまうため、最大振れ角θ0に対する画像記録に用いる振れ角θsの比、いわゆる有効走査期間率θs/θ0が小さくなるという問題があった。
【0007】
本発明は、上記の点に鑑みなされたものであり、有効走査期間率を拡大して効率よく画像記録が行えるとともに、最大振れ角を小さく抑えることで印加する電力を低減でき電力消費が少なくて済む光走査方法、光走査モジュール、光走査装置、画像形成装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の目的を達成するために、発光源に供給する画素情報の周期を、各画素の主走査位置に対応させて変化させ、画素情報の周期の変化に応じて発光源の発光出力を可変する。これにより、有効走査期間率を拡大して効率よく画像記録が行えるとともに、画素周波数を変化させた際の発光時間の差をビーム強度で補って1画素あたりの露光エネルギーを均一化できる。
【0010】
また、本発明は、検出手段で得た検出信号を基準として所定時間経過後に出力変調区間を設定し、出力変調区間に発光源の発光出力を主走査位置に対応させて可変する出力可変手段を有することにより、画素周波数を変化させた際の発光時間の差をビーム強度で補って1画素あたりの露光エネルギーを均一化できるので、濃度むらのない高品位な画像形成が行え、画像品質を向上することができ、複数の光走査モジュールを継ぎ合わせて光走査装置を構成する際にモジュール数が少なくて済み電力消費が少なくて済む。
【0011】
また、本発明は、可動ミラーの変位を検出する検出手段を備え、検出手段で得た検出信号を基準として所定時間経過後に周波数変調区間を設定し、周波数変調区間に発光源を発光する周波数を変化させ、また、検出手段で得た検出信号を基準として周波数変調区間を開始するタイミングを可変としたことにより、画像記録領域の端部が画素周波数可変の領域を越えてしまうことがないので、画像歪みを生じない高品位な画像形成が行え、また、複数の光走査モジュールを継ぎ合わせて光走査装置を構成する際には隣接するモジュールとの走査線の継ぎ目で画像歪みを生じさせずに合わせることができる。
【0012】
また、本発明では、可動ミラー駆動手段は、少なくとも画像書き込み以外の期間では可動ミラーに与える回転振動力を低減、または停止することにより、待機時に無駄に電力を消費することがなく、騒音も小さすることができる。
【0013】
また、本発明では、可動ミラー駆動手段は、検出手段においてあらかじめ設定された検出信号値が得られるよう可動ミラーの振幅を可変することにより、画像記録時毎に環境条件等が変わることがあっても一定の最大振れ角を得るための最小限の回動力で済むので、無駄に電力を消費することを防止できる。
【0014】
また、本発明では、可動ミラー駆動手段は、検出手段においてあらかじめ定められた検出信号値が得られるまで可動ミラーの振幅を徐々に増加して起動することにより、過剰に回動力が加わるのを防止でき可動ミラーの故障を未然に防ぐことができる。
【0015】
また、本発明では、発光源は、検出手段においてあらかじめ設定された検出信号値が得られるまで画像書き込みを禁止することにより、発光源からの光ビームが走査拡散されている時以外は光走査装置から放出されないので、可動ミラーの故障があっても人体への光ビームの被曝を未然に防ぐことができる。
【0016】
また、本発明では、可動ミラー駆動手段は、所定の制限時間内に検出手段において、あらかじめ設定された検出信号値が得られなかった場合には、可動ミラーの駆動を中断することにより、可動ミラーが故障しているにもかかわらず過剰に回動力が加えられることでの発熱が生じないようにすることで、周辺回路等の焼損を未然に防ぐことができる。
【0017】
また、本発明は、光走査モジュールを複数備え、主光走査方向を一致させて配列したことにより、画像記録幅を複数の光走査モジュール分の画像記録幅に拡大することができ、様々な記録幅の画像を形成できる。
【0018】
また、本発明は、光走査装置を備え、像担持体に画像領域を主走査方向に分割して静電像を形成し、静電像をトナーで顕像化し、出力紙に転写することにより、省電力かつ低騒音な画像形成装置を提供することができる。
【0019】
また、本発明は、発光源からの光ビームを往復振動する可動ミラーで偏向走査する光走査装置を備え、発光源に供給する画素情報の周期を、各画素の主走査位置に対応して変化させ、画素情報の周期の変化に応じて発光源の発光出力を可変して、画像書き込みを行う、また、可動ミラーの振動変位を検出し、検出で得た検出信号を基準として周波数変調区間を設定し、周波数変調区間において、画素情報に応じて発光源を発光する周波数を基準周波数から段階的に可変しつつ、画像書き込みを行う、また、発光源を発光する基準周波数を、可動ミラーの共振周波数に対応させて選択し、画像書き込みを行うことにより、有効走査期間率を拡大して効率よく画像記録が行えるとともに、最大振れ角を小さく抑えることで印加する電力を低減でき電力消費が少なくて済む。
【発明の実施の形態】
図1は、光走査装置に配備される本発明の光走査モジュールの一実施例の分解斜視図を示す。同図中、ミラー基板102はシリコン基板をエッチングにより裏側を四角にくり貫いて所定厚さに枠部と天板部とを残し、天板部には可動ミラー100及びそれを軸支するトーションバー101をその周囲を貫通して形成する。
【0020】
可動ミラー100の中央部には金属被膜を蒸着するなどしてミラー面を形成し、トーションバーを挟んでミラーの両端縁部は櫛歯状凹凸を持つ平面形状となし、可動電極104を形成する。シリコン基板102裏側の中空部は可動ミラーの揺動空間をなす。電極基板120は可動ミラー100の揺動空間として中央部を貫通され、上記可動ミラー100の縁部形状の櫛歯状凹凸に合わせて互い違いに凹凸が重なり合う櫛歯状凹凸を持つ側面とされ、上記可動電極104の両端縁部に対向する固定電極121を形成し、ミラー基板102の上面に接合される。なお、実施例では駆動電圧を低減するために櫛歯形状とすることで対向する電極の面積を拡大している。
【0021】
電極基板120の上面には2枚のシリコン基板105,103を貼り合せて構成した対向ミラー基板が接合される。第1の基板105は結晶面方位<110>から約9°のスライス角度を傾けたウエハを用い、エッチングにより基板面より26.3°傾けた傾斜面を形成し、金属被膜を蒸着して反射面106となす。第2の基板103は結晶面方位<111>から約9°のスライス角度を傾けたウエハを用い、エッチングにより基板面より9°傾けた傾斜面を形成し、金属被膜を蒸着して反射面122となす。また、図2の断面図に示すように、第2の基板103には光ビームが通過する開口部103−1を反射面122と隣接して貫通し、この開口部を挟み屋根状に144.7°の角度をなす反射面106と122とを対で配備した構成となす。
【0022】
プリズム116には光ビームの入射面116−2、射出面116−4、可動ミラー100それぞれに光ビームを反射する反射面116−1および接合面116−3とが形成され、上記第2の基板103上面に接合される。図2に示すように、開口部103−1から可動ミラー100に所定の角度(例えば20°)で入射した光ビームは上記反射面106で反射され、再度、可動ミラー100で反射され、反射面122との間で複数回反射を繰り返して副走査方向に反射点を往復して移動しながら再び開口部103−1を通ってプリズム116に入射し、射出面116−4から射出される。このように複数回反射を繰り返すことで、可動ミラー100の小さい振れ角で大きな走査角が得られるようにしている。例えば、可動ミラー100での総反射回数N(例えばN=5)、振れ角αとすると走査角θはθ=2Nαとなる。
【0023】
上記可動ミラー100は一方の側面の固定電極121に電圧を印加すると対向する可動電極104との間に静電引力が発生し、トーションバー101をねじって水平な状態から静電引力とねじり力が釣り合う状態まで傾き、電圧を解除するとトーションバーの復元により水平な状態に戻り、もう一方の側面の固定電極に電圧を印加すると反転方向に可動ミラー100が傾くというように固定電極121への電圧印加を周期的に切り換えることにより可動ミラー100を往復振動することができる。
【0024】
なお、この電圧を印加する周波数を可動ミラーの固有振動数に近づけると共振状態となり、静電引力による変位以上に増幅され振れ角は著しく拡大する。実施例では記録速度に合うように可動ミラー100の固有振動数を設定する。つまり、可動ミラー100の厚さ、トーションバー101の太さと長さを決定している。一般に、最大振れ角θ0は可動ミラー100を支えるトーションバー101の弾性係数G、断面2次モーメントI、長さLで決定されるばね定数Kと、静電引力によって与えられるトルクTとにより、次式で表される。
【0025】
θ0=T/K、
ここで、K=G・I/L
また、可動ミラーの共振周波数fdは慣性モーメントJとすると次式で表される。
【0026】
fd=(K/J)1/2
共振を利用することで印加電圧は微小で済み発熱も少ないが、記録速度が速くなるに従ってトーションバー101の剛性が高まり振れ角がとれなくなってしまう。このため、上記したように反射面106,122の対向ミラーを設けることで走査角を拡大し、記録速度によらず必要十分な走査角が得られるようにしている。
【0027】
支持フレーム107は焼結金属等で成形され、絶縁材を介してリード端子115が挿入されてなる。支持フレーム107には上記したミラー基板102を実装する接合面107−1、カップリングレンズ110を位置決め接着するV溝107−2、接合面107−1と垂直に形成したLDチップ108の実装面107−3、LDの背面光を受光するモニタPDチップ109の実装面107−4が形成される。
【0028】
円筒の上下をカットした形状のカップリングレンズ110は第1面を軸対称の非球面、第2面を副走査方向に曲率を有するシリンダ面となす。V溝107−2はカップリングレンズ110の円筒外周面が当接した際、光軸がLDチップ108の発光点に合うように幅と角度が設定され、光軸方向の調整によって発散光束を矢印Xで示す主走査方向には略平行光束とし、矢印Yで示す副走査方向には可動ミラー面で集束する集束光束となし接着固定する。なお、上記カット面はシリンダ面の母線と平行に形成され母線が水平になるように光軸回りの位置決めがなされる。
【0029】
プリズム116の入射面116−2にはカップリングレンズからの光ビームを所定の径に整形するアパーチャマスクが膜形成され、プリズム内を通過して可動ミラー100で走査された光ビームは射出面116−4より上方に放出される。
【0030】
カバー111は板金にてキャップ状に成形され、光ビームの射出開口にはガラス板112が内側より接合されてなり、上記支持フレーム107の外周に設けられた段部107−6にはめ込まれてLDチップ108、ミラー基板102等を気密状態に保護する。LDチップ108、モニタPDチップ109、上記した固定電極121は各々リード端子115の支持フレーム107上側に突出した先端との間でワイヤーボンディングにより各々接続がなされる。
【0031】
図3に、本発明の光走査装置の断面図、図4(A),(B)にその外観図、透視図を示す。上記構成による光走査モジュール200は、LDの駆動回路、可動ミラーの駆動回路を構成する電子部品が実装されるプリント基板201上に主走査方向に配列して複数個(実施例では3個)実装される。実装の際、上記支持フレーム107の底面は下側に突出したリード端子115をスルーホールに挿通してプリント基板201に当接され、スルーホールのクリアランス内でプリント基板201上における複数の光走査モジュール200間の位置合わせを行って仮止めし、他の電子部品と同様ハンダ付けされ一括して固定される。
【0032】
複数の光走査モジュール200を支持したプリント基板201はハウジング202の下側開口を塞ぐように当接され、ハウジング202に一体で設けられた一対のスナップ爪202−1間に抱え込んで保持する。プリント基板201にはこのスナップ爪202−1の幅に係合する切り欠きが設けられ、主走査方向の位置決めがなされると同時に、スナップ爪202−1に形成した鈎型の係止部206を基板エッジに係合して副走査方向が固定される。また、係止部206は撓ませて係合を解除することで突起205が基板上端を押し下げ、容易に取り外すこともできる。
ハウジング202内部には結像手段を構成する第1の走査レンズ203を主走査方向に配列して接合する位置決め面、第2の走査レンズ204を保持する位置決め部および同期ミラー208の保持部が形成される。本実施例では各光走査モジュール200の第2の走査レンズ204は樹脂にて一体的に形成し、また、同期ミラー208も高輝アルミ板で互いに連結して形成しており、光ビームを射出する開口に外側よりはめ込まれ奥側に突き当てて取り付けられる。開口の中央部には突起202−3が形成され、第2の走査レンズ204の中央部に設けられた凹部204−1、同期ミラー中央部208に設けられた凹部208−1を係合して主走査方向を位置決めされ、副走査方向には開口の一端に押し付けられて位置決めされる。
【0033】
また、第1の走査レンズ203には各々主走査の中央部底面に位置決め用の突起203−1を形成しており、ハウジング202に均等間隔で配備された係合孔202−2に装着し、主走査方向の相対位置が維持されるようにすると同時に、光軸方向の一端に突き当て同中央部に各々の高さが同一平面となるよう配備された接着面に副走査方向の底面を当接して位置決めされる。
【0034】
同期検知センサ209はPINフォトダイオードが用いられ、隣接する光走査モジュール200で共用する中間位置と両端位置に配置され、各光走査モジュール200の走査開始側と走査終端側とでビームが検出できるようにプリント基板201上に実装される。同期ミラー208は隣接する光走査モジュール200の走査開始側と走査終端側との反射面が向かい合うよう「く」字状に成形され、各々光ビームを反射し、共通の同期検知センサ209に導くことができるようにしている。
【0035】
また、コネクタ210は全ての光走査モジュール200への電源供給やデータ信号などのやり取りを一括して行う。ハウジング202の両側面には後述する感光体ドラムを保持するカートリッジにドラム220と同心に設けられた円筒面215に合わせて突き当て面を有する位置決め部材211が取り付けられる。位置決め部材は211は突起部212にねじ固定された後、L字状に設けた座面を装置本体のフレームに設けられたピン213にスプリング214を介して配備されるので、上記カートリッジに常に押し付けられた状態で保持され、複数の光走査モジュール200の感光体ドラムに対する位置決めを一括して確実におこなうことができる。
【0036】
図5は、本発明の光走査装置をカラーレーザプリンタに適用した一実施例の構造図を示す。
【0037】
各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)毎に光走査装置520とプロセスカートリッジ500とが個別に位置決めされ、用紙の搬送方向に沿って直列に配備される。用紙は給紙トレイ506から給紙コロ507により供給され、レジストローラ対508により印字のタイミングに合わせて送り出され、搬送ベルト511に載って矢印方向に搬送される。各色画像は用紙が各感光体ドラム(像担持体)501を通過する際にトナーが静電引力によって転写され順次色重ねがなされて、定着ローラ509で定着され、排紙ローラ512により排紙トレイ510に排出される。 なお、各色プロセスカートリッジはトナー色が異なるのみで構成は同一である。感光体ドラム501の周囲には感光体を高圧に帯電する帯電ローラ502、光走査装置520により記録された静電潜像に帯電したトナーを付着して顕像化する現像ローラ503、トナーを備蓄するトナーホッパ504、用紙に転写された後の残トナーを掻き取り備蓄するクリーニングケース505が配備される。
【0038】
光走査装置520は上記したように複数の光走査モジュール200の走査線をつなぎ合わせて1ラインが構成され、総ドット数Lを分割し各々画像始端から1〜L1、L1+1〜L2、L2+1〜Lドットを割り当てて印字するが、本実施例ではこの割り当てるドット数L1,L2を各色で異なるようにすることで、同一ラインを走査する各色の走査線の継ぎ目が重ならないようにしている。
【0039】
図6は、LD(半導体レーザ)及び可動ミラーの駆動制御回路の一実施例のブロック図を示す。同図中、周波数設定部307で可動ミラー302の共振振動数に合わせて走査周波数fdが可変され、電圧制御部308から電極駆動部309,310を通して各固定電極305,306に位相が1/2周期ずれるようにパルス状の電圧が印加され、これによって可動ミラー302が共振振動する。
【0040】
本実施例では、可動ミラー302は走査角θ0を起点として−θ0に達するまでの往期間の内、θs〜−θsの期間(0<θs<θ0)において画像記録を行い、走査角−θ0から+θ0の復期間には画像記録を停止する。言い換えれば、走査周波数fdの1周期毎に画像記録を行う。ちなみにθ0=5°、θs/θ0=0.7としている。LD301は固定電極305への電圧が解除された時点から点灯され、同期検知センサ303にて光ビームを検出して同期検知信号を発生し、この同期検知信号を基準として記録開始のタイミングを取る。画像記録の待機時においては電力消費を抑えるため固定電極305,306への印加電圧を低下、または0として可動ミラー302の振幅(振れ角)を低下させ、この期間、同期検知信号は発生していない。
【0041】
電源投入時または記録開始時には、同期検知センサ303から同期検知信号が得られるまで、電圧制御部308から固定電極305,306に印加する電圧を徐々に増加して静電引力を徐々に上昇させることで、可動ミラー302の振幅を徐々に増大させる。そして、同期検知信号のレベルが所定値に達した時点で固定電極305,306に印加する電圧の増加を停止する。
【0042】
ところで、同期検知は振れ角がθ0となる近傍でなされるが、−θ0となる近傍にも終端検知センサ304を配備されており、終端検知センサ304で走査終端の光ビームを検出し、この終端検知信号と同期検知センサ303の同期検知信号との時間差、つまり走査時間を演算部316で演算して、これが所定の時間差となるよう固定電極305への印加電圧を増減し、環境温度変化等による共振周波数のずれに伴う振幅の変動を補正している。なお、終端検知センサ304を配備しなくても同期検知センサ303での検出信号だけでも検出が可能である。当然、別に光検出センサを配備してもよい。
【0043】
この走査時間の検出は、振幅(可動ミラーの最大変位)を検出するための代用特性をみているにすぎず、別の特性でみても一向に構わない。例えば、図7は走査速度検出機構の他の実施例を示す。可動ミラー601の裏側にコイル602をパターン形成し、トーションバー605から配線を引き出している。トーションバー605を挟んで可動ミラー601の外側に永久磁石603、604をN極とS極を対向して配備すると、可動ミラー601が傾いた際にコイル602に電流が流れるので、この電流を検出する。
【0044】
図6に戻って説明するに、書込制御部311では、これらの設定が完了したのち記録領域でのLD301の点灯を許可するようにシーケンス制御すると同時に、印可電圧があらかじめ設けられた制限値を越えても同期検知センサ303及び終端検知センサ304の検出信号が得られない場合や、走査時間が所定値に達しない場合にはエラー信号を出力して、固定電極305,306への電圧印加を中止し、光走査装置520の外部に必要以上に光ビームが放出されるのを防止する。本実施例では3つの光走査モジュール200を有するので、全ての光走査モジュール200でこの条件がクリアされなければ印字動作を開始しない。
【0045】
図8は、可動ミラーの待機時または電源投入時から電圧制御部308及び書込制御部311が実行する可動ミラー起動ルーチンの一実施例のフローチャートを示す。同図中、ステップS10で電圧制御部308は固定電極305,306への印加電圧を微小電圧dVだけ上昇させ、ステップS12で同期検知センサ303及び終端検知センサ304の検出信号から演算された走査時間を演算部316から読み込む。
【0046】
次に、ステップS14で走査時間が所定の基準値に達しているか否かを判別する。走査時間が所定の基準値に達してない場合にはステップS16に進んで印加電圧のアップ数をカウントアップし、ステップS18で上記アップ数が印加電圧の制限値に相当する所定値以下であるか否かを判別する。ステップS18でアップ数が所定値以下の場合はステップS10に進んで固定電極305,306への印加電圧を微小電圧dVだけ上昇させる。
【0047】
一方、ステップS14で走査時間が所定の基準値に達している場合にはステップS20に進んで、書き込み許可信号を発生し、記録領域でのLD301の点灯を許可すると共に光走査モジュール200に通知し、この処理を終了する。
【0048】
また、ステップS18でアップ数が所定値以上で固定電極305,306への印加電圧が制限値に達している場合は、ステップS22に進んで固定電極305,306への電圧の印加を停止させ、ステップS24でLD301の電源を遮断し、ステップS26でエラー信号を発生して他の光走査モジュール200に通知し、この処理を終了する。これによって、環境状況等に応じ可動ミラーの振幅が均等になるように、また、急激な電圧印加により破損が生じないようソフトスタートがなされる。
【0049】
可動ミラー302は共振振動されるため、図9に示すようにsin波状に振れ角θが変化する。つまり、画像中央で走査速度が速く、周辺で走査速度が遅くなる。これは次式で表される。なお、fdは走査周波数である。
【0050】
θ=θ0・sin2πfd・t
−1/4fd<t<1/4fd
一方、被走査面である感光体ドラム面では均一間隔で主走査ドットを印字する必要があり、上記した走査レンズ203、204の結像特性は単位走査角あたりの走査距離dH/dθがsin−1θ/θ0に比例するように、つまり、画像中央で小さく周辺に行くに従って加速度的に大きくなるように光線の向きを補正しなければならない。さらに、可動ミラー302の振れ角が大きくなると理想的なsin波振動からずれ、対向面に近づくにつれて空気抵抗による振幅への影響をうけ易くなる。
【0051】
しかしながら、最大振れ角θ0に対する有効振れ角θaの比が大きくなるにつれ周辺での走査速度dH/dtの減速に対抗して補正量を著しく増大させなければならないので、走査レンズ中央部から周辺部にかけて結像点を遠ざけるためのレンズ強度(屈折力)の変化率が大きくなり、レンズ自体、肉厚差の大きい湾曲形状となって比較的自由度の高い樹脂成形でも加工が困難となるうえ、ビームスポット径が周辺で太くなり一走査内でのばらつきが大きくなる。図10にθa/θ0に対する等速性補正量の関係を示す。
【0052】
そこで、本実施例では走査レンズ203,204での補正量を適度に抑え、残った分をLD301の変調周波数である画素クロックの周波数(画素周波数)を主走査に沿って段階的に可変して各ドットの印字位置(位相)とパルス幅を可変して補正する。これによれば、例えば走査レンズ203,204での補正分をdH/dθがθに比例する量として、走査レンズ203,204をいわゆるf・θレンズとすることもでき、走査レンズと画素クロックとの補正量の配分はいかようにも可能である。
【0053】
画素クロックは、図6に示すメモリ312にあらかじめ記憶された周波数可変データを、同期検知信号をトリガとして書込制御部311の制御で順次読み出すことにより、周辺から画像中央に向って周波数が低周波数flから高周波数fhまで単調に増加し、画像中央から周辺に向って周波数が低周波数flまで減少するように可変される。この画素クロックの周波数変化の様子を図11に示す。これによって、図12(A)に示す画像中央における画素クロックに対し、周辺における画素クロックは図12(B)に示すようにパルス幅が長くなる。図12(A)の画素クロックの立ち上がりタイミングに対し、図12(A)の画素クロックの立ち上がりタイミングが遅れているのは、画素クロックのパルス幅が画像中央から周辺に向って徐々に長くなるためである。ここでは、画像中央に対して周波数可変量を対称に設定しているが、周波数可変データは画像中央から左右各々で個別に与えられるので非対称であってもよい。
【0054】
可動ミラー302を用いた走査では、図9に示すように画像中央で走査速度が速く周辺で走査速度が遅くなるが、本実施例では、画素クロックの周波数を図11に示すように画像中央で高周波数fh(パルス幅は短い)とし周辺で低周波数fl(パルス幅は長い)とすることによって相殺し、画像中央から周辺の全域で走査速度が略同一することができる。
【0055】
図6で上記画素周波数の可変方法について説明する。パルス幅形成部313は与えられた周波数可変データとして与えられる分周比Mに基づいて、基準クロック信号f0をM分周した分周クロック(周波数f0/M)をカウントして、kクロック(kは任意の整数)分の長さのパルスを形成する。これを繰り返し行って、図11に示すように、主走査に沿って段階的に周期が変化するPLL基準信号fa(周波数k・f0/M)として出力する。
【0056】
PLL回路314ではPLL基準信号faと画素クロックfkとの位相を比較し、位相差がある場合には画素クロックfkの周波数を変更して書込制御部311及びパルス幅形成部313及びLD駆動部315に供給する。書込制御部311は同期検知センサ303から同期検知信号が供給されると、低周波数flのPLL基準信号faのカウントを開始し、そのカウント値に応じたアドレスを発生してメモリ312から周波数可変データの読み出しを行う。この結果、メモリ312から読み出される周波数可変データはn0カウントから図11に示すように変更される。nsカウントで書込制御部311は画像データを画素クロックに同期してシリアルに読み出しLD駆動部315に与える。
【0057】
ここで、画素クロックfkの周期は、k・(基準クロックf0/分周比M)によって与えられる。画素クロックの変更領域Zは画像記録領域Sに対して、前後に100画素程度ずつ大きめに設定され、それに応じて低周波数flも画像記録領域Sの端部の画素クロックfkの周波数より低く設定されており、同期検知から画像記録開始までのカウント値nsを可変することで画像の記録領域Sをシフトできるようにしている。
【0058】
また、上記分周比Mに一律に補正数を付加することで、低周波数flから高周波数fhまでの周波数幅fh−flを維持したまま、低周波数fl,高周波数fhの周波数をシフトすることができ、可動ミラー302の共振周波数のばらつきや走査レンズ203,204の形状誤差に伴う画像記録幅の変化を各画素の周期(1/fk)を一様に可変することで部分的な歪みを生じることなく補正できるようにしている。この際、各画素の積算時間、つまり各画素でのクロックカウント値をkとすると、T=Σ(k/fk)も変化するが、上記同期検知から画素クロック変更を開始するまでのカウント値n0を変更し、周波数可変データの画像中央位置と可動ミラー302がミラー基板102に対して平行になる時間とが常に一致するように設定する。
【0059】
ところで、感光体ドラムを露光するエネルギーEはビーム強度Pとして、P/fkであらわされるため、上記した画素クロックの周波数変化の元になる周波数可変データをD/Aコンバータ317に与え、さらに電圧電流変換回路318を介してLD駆動部315に供給することにより、LDの駆動電流を可変しビーム強度についても主走査に沿って段階的に可変している。本実施例では画像中央でのビーム強度が高く、周辺で低くなるよう可変する。
【0060】
上記したLD、可動ミラー302の駆動制御は光走査装置を構成する各光走査モジュール200毎に個別に行っているが、可動ミラー302の駆動については隣接する光走査モジュール200で走査周波数fdの1/2周期位相がずれるように駆動し、画像を記録するタイミングを走査上流側に配置する光走査モジュールの記録開始から走査周波数fdの1/2周期ずつ遅らせて順次記録を開始することで、走査上流側に配置する光走査モジュールの記録終端と同時に記録が開始されるようにしている。
【0061】
なお、上記実施例では静電引力を発生させ可動ミラーを駆動する方式を示したが、可動ミラーにコイルを形成してトーションバーと交差する方向に磁力線が通るように配備しコイルに電圧を印加して電磁力を発生させ駆動するガルバノミラーであっても、トーションバーに圧電素子を結合し圧電素子に電圧を印加して直接可動ミラーを変位を発生させ駆動する方式等々であっても同様の構成で実施できる。
【0062】
図13は、ガルバノミラーの一実施例の分解斜視図を示す。同図中、回転軸902が形成される保持部材903には、表面にミラー901、裏側にコイル904を接合され、ヨーク907には板ばね905で同一線上に軸受906が配備され、回転軸902は軸受906に回動可能に支持される。
【0063】
上記ヨーク907はベース部材910に支持され、ベース部材910の接合面910−1にはマグネット909が各極の方向を合わせて接合される。これによりコイル904は、内側にマグネット909、外側にヨーク907がいずれにも接触しないように配置される。矢印で示した磁力線に対して、コイル904に一端から電流Iを入力すると電磁力が発生してミラー901は一定方向に傾く。この電流の極性を切り換えることによりミラー901は往復振動する。
【0064】
なお、本実施例では光走査装置を3つの光走査モジュールにて構成したが、この数はいくつであってもよく、画像形成装置の記録幅に合わせて数を増減して対応することができる。
【0065】
図14は、本発明の光走査モジュールの他の実施例の分解斜視図を示す。同図中、2枚のシリコン基板からなるミラー基板1103のうち上側のシリコン基板はエッチングによりその周囲を貫通して可動ミラー1100及びそれを軸持するトーションバー1101を形成され、この上側のシリコン基板に絶縁層を挟んで貼合わされる下側のシリコン基板はエッチングにより内側をくり貫いて枠状に残し、可動ミラーの揺動空間を形成している。
【0066】
トーションバー1101を挟んだ可動ミラー1100の両端縁部は櫛歯状凹凸を持つ平面形状となし金属被膜が蒸着されて可動電極1102が形成され、可動ミラー1100の上面は金属被膜が蒸着されミラー面が形成され、更に上記可動電極1102と対向する枠部は櫛歯状凹凸を持つ平面形状となし金属被膜が蒸着されて上記櫛歯状の可動電極1102と噛み合い対向する固定電極1104が形成されている。
【0067】
可動ミラー1100は、固定電極1104の一方に電圧を印加すると対向する可動電極1102との間で静電力を生じ、トーションバー1101をねじって回動され、2つの固定電極1104に交互に電圧を印加することで可動ミラー1100は往復振動する。ここで、印加電圧の周波数を可動ミラー1100の共振周波数に近づけると励振され振幅を拡大することができる。なお、可動電極1102,固定電極1104を櫛歯状としているのは、これにより外周長をできるだけ長くして電極の面積をかせぎ、低電圧でより大きい静電トルクが得られるように配慮しているためである。
【0068】
支持基体1105には焼結金属等で台座部1110を一体成形し、台座部1110には絶縁材を介して複数の端子1108が貫通して保持される。ミラー基板1103は台座部1110に接合され、固定電極1104はワイヤーボンディングにより各端子1108の上端と結線される。端子1108の下端は回路基板に実装した際にスルーホールに挿入され半田づけされて電気的接続が行われると同時に、固定がなされる。
【0069】
支持基体1105の対向する2辺にはV字状の切り欠き1109が形成されている。製造時に図示しない調整装置のクランプ機構は両側より切り欠き1109を挟み込んで支持基体1105を2次元移動させ、副走査方向の移動と傾きを隣接する光走査モジュールとの走査線が一直線状になるよう位置決めでき、その上でハンダ付けすることができる。
【0070】
台座部1110の外縁には、光ビームが通過する窓1107が形成された箱蓋状のカバー1106が、不活性ガス中で装着され封止される。なお、不活性ガスとして粘性抵抗の低いガスを選択する、あるいは減圧状態とすることで、可動ミラー1100をより低負荷で回動することができる。
【0071】
図15は、上記光走査モジュールの他の実施例を適応した光走査装置の透視図を示す。同図中、光走査モジュール1201,1202,1203は、半導体レーザの駆動回路および可動ミラーの駆動回路が設けられる回路基板1204上に走査方向を合わせて均等間隔に配列され、各々主走査方向の両側にセンサー1211が配置される。光走査モジュール1201,1202,1203それぞれの中間位置のセンサー1211は隣接する光走査モジュール1201,1202と、1202,1203とで共用しており、走査終端側と走査開始側との検出信号を時系列に発生させる。
【0072】
半導体レーザ1205、カップリングレンズ1206、および走査光学系を構成する第1レンズ1207、第2レンズ1208は、可動ミラー1100の回転軸を含む副走査断面上に各々光軸が一致するように図示しないハウジングに配置され固定される。なお、第2レンズ1208は箱型リブとともに隣接する第2レンズを一体的に形成している。
【0073】
半導体レーザ1205は、発光源とモニタ用フォトダイオードがパッケージングされる汎用の素子を用いており、そのリード端子はフレキシブルケーブル1212により回路基板1204に結線される。
【0074】
各半導体レーザ1205から射出した光ビームは、第1面を軸対称の非球面、第2面を副走査方向に曲率を有するシリンダ面となすカップリングレンズ1206により主走査方向には略平行光束に、かつ副走査方向には可動ミラー面で集束する集束光束とされ、ミラー法線に対して副走査方向に傾けて光走査モジュール1201,1202,1203に入射され、偏向走査されて射出される。射出された光ビームは上記走査光学系により被走査面上に結像され、画像記録がなされる。
【0075】
第2レンズ1208の直前には高輝アルミ板で成形加工した同期ミラー1210が配備されている。同期ミラー1210は走査領域を制約する開口の両側にて「く」字状に折り曲げ各反射面を形成しており、走査開始側および走査終端側の各々光ビームを反射する。この反射光をセンサー1211にて検出する。なお、同期ミラー1210は第2レンズと同様、隣接する同期ミラーを一体形成している。
【0076】
この実施例では図14に示す構成の光走査モジュールを複数配列することで隣接する走査領域を繋ぎ合わせ、1ラインのデータを分割して画像記録を行なうことができる。各半導体レーザ1205には、走査開始側に配置されるセンサー1211の検出信号により可動ミラーの角度変位を検出してから所定時間経過後に、画素周波数が一走査内で時間とともに変化した変調信号が書込制御部より与えられる。
【0077】
なお、LD301が請求項記載の発光源に対応し、固定電極305,306,周波数設定部307,電圧制御部308,電極駆動部309,310が可動ミラー駆動手段に対応し、同期検知センサ303が検出手段に対応し、書込制御部311,メモリ312,パルス幅形成部313,PLL回路314が周波数可変手段に対応し、メモリ312,D/Aコンバータ317,電圧電流変換回路318が出力可変手段に対応する。
【0078】
【発明の効果】
上述の如く、本発明は、発光源に供給する画素情報の周期を、各画素の主走査位置に対応させて変化させ、画素情報の周期の変化に応じて発光源の発光出力を可変する。これにより、有効走査期間率を拡大して効率よく画像記録が行えるとともに、画素周波数を変化させた際の発光時間の差をビーム強度で補って1画素あたりの露光エネルギーを均一化できる。
【0080】
また、本発明は、検出手段で得た検出信号を基準として所定時間経過後に出力変調区間を設定し、出力変調区間に発光源の発光出力を主走査位置に対応させて可変する出力可変手段を有することにより、画素周波数を変化させた際の発光時間の差をビーム強度で補って1画素あたりの露光エネルギーを均一化できるので、濃度むらのない高品位な画像形成が行え、画像品質を向上することができ、複数の光走査モジュールを継ぎ合わせて光走査装置を構成する際にモジュール数が少なくて済み電力消費が少なくて済む。
【0081】
また、本発明は、可動ミラーの変位を検出する検出手段を備え、検出手段で得た検出信号を基準として所定時間経過後に周波数変調区間を設定し、周波数変調区間に発光源を発光する周波数を変化させ、また、検出手段で得た検出信号を基準として周波数変調区間を開始するタイミングを可変としたことにより、画像記録領域の端部が画素周波数可変の領域を越えてしまうことがないので、画像歪みを生じない高品位な画像形成が行え、また、複数の光走査モジュールを継ぎ合わせて光走査装置を構成する際には隣接するモジュールとの走査線の継ぎ目で画像歪みを生じさせずに合わせることができる。
【0082】
また、本発明では、可動ミラー駆動手段は、少なくとも画像書き込み以外の期間では可動ミラーに与える回転振動力を低減、または停止することにより、待機時に無駄に電力を消費することがなく、騒音も小さすることができる。
【0083】
また、本発明では、可動ミラー駆動手段は、検出手段においてあらかじめ設定された検出信号値が得られるよう可動ミラーの振幅を可変することにより、画像記録時毎に環境条件等が変わることがあっても一定の最大振れ角を得るための最小限の回動力で済むので、無駄に電力を消費することを防止できる。
【0084】
また、本発明では、可動ミラー駆動手段は、検出手段においてあらかじめ定められた検出信号値が得られるまで可動ミラーの振幅を徐々に増加して起動することにより、過剰に回動力が加わるのを防止でき可動ミラーの故障を未然に防ぐことができる。
【0085】
また、本発明では、発光源は、検出手段においてあらかじめ設定された検出信号値が得られるまで画像書き込みを禁止することにより、発光源からの光ビームが走査拡散されている時以外は光走査装置から放出されないので、可動ミラーの故障があっても人体への光ビームの被曝を未然に防ぐことができる。
【0086】
また、本発明では、可動ミラー駆動手段は、所定の制限時間内に検出手段において、あらかじめ設定された検出信号値が得られなかった場合には、可動ミラーの駆動を中断することにより、可動ミラーが故障しているにもかかわらず過剰に回動力が加えられることでの発熱が生じないようにすることで、周辺回路等の焼損を未然に防ぐことができる。
【0087】
また、本発明は、光走査モジュールを複数備え、主光走査方向を一致させて配列したことにより、画像記録幅を複数の光走査モジュール分の画像記録幅に拡大することができ、様々な記録幅の画像を形成できる。
【0088】
また、本発明は、光走査装置を備え、像担持体に画像領域を主走査方向に分割して静電像を形成し、静電像をトナーで顕像化し、出力紙に転写することにより、省電力かつ低騒音な画像形成装置を提供することができる。
【0089】
また、本発明は、発光源からの光ビームを往復振動する可動ミラーで偏向走査する光走査装置を備え、発光源に供給する画素情報の周期を、各画素の主走査位置に対応して変化させ、画素情報の周期の変化に応じて発光源の発光出力を可変して、画像書き込みを行う、また、可動ミラーの振動変位を検出し、検出で得た検出信号を基準として周波数変調区間を設定し、周波数変調区間において、画素情報に応じて発光源を発光する周波数を基準周波数から段階的に可変しつつ、画像書き込みを行う、また、発光源を発光する基準周波数を、可動ミラーの共振周波数に対応させて選択し、画像書き込みを行うことにより、有効走査期間率を拡大して効率よく画像記録が行えるとともに、最大振れ角を小さく抑えることで印加する電力を低減でき電力消費が少なくて済む。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光走査モジュールの一実施例の分解斜視図である。
【図2】本発明の光走査モジュールの一部の断面である。
【図3】本発明の光走査装置の断面図である。
【図4】本発明の光走査装置の外観図、透視図である。
【図5】本発明の光走査装置をカラーレーザプリンタに適用した一実施例の構造図である。
【図6】LD(半導体レーザ)及び可動ミラーの駆動制御回路の一実施例のブロック図である。
【図7】走査速度検出機構の他の実施例を示す図である。
【図8】可動ミラー起動ルーチンの一実施例のフローチャートである。
【図9】可動ミラーの振れ角θの変化を示す図である。
【図10】θa/θ0に対する等速性補正量の関係を示す図である。
【図11】画素クロックの周波数変化の様子を示す図である。
【図12】画像中央と周辺における画素クロックの波形を示す図である。
【図13】ガルバノミラーの一実施例の分解斜視図である。
【図14】本発明の光走査モジュールの他の実施例の分解斜視図である。
【図15】光走査モジュールの他の実施例を適応した光走査装置の透視図である。
【符号の説明】
307 周波数設定部
301 LD
302 可動ミラー
309,310 電極駆動部
308 電圧制御部
305,306 固定電極
303 同期検知センサ
311 書込制御部
312 メモリ
313 パルス幅形成部
314 PLL回路
315 LD駆動部
Claims (12)
- 発光源で発光した光ビームを反射する可動ミラーと、前記可動ミラーを往復振動させる可動ミラー駆動手段とを有する光走査モジュールであって、
前記発光源に供給する画素情報の周期を、各画素の主走査位置に対応させて変化させ、
前記画素情報の周期の変化に応じて前記発光源の発光出力を可変し、
前記可動ミラーの変位を検出する検出手段を備え、
前記検出手段で得た検出信号を基準として所定時間経過後に周波数変調区間を設定し、前記周波数変調区間に前記発光源を発光する周波数を変化させることを特徴とする光走査モジュール。 - 請求項1に記載の光走査モジュールにおいて、
前記検出手段で得た検出信号を基準として所定時間経過後に出力変調区間を設定し、前記出力変調区間に前記発光源の発光出力を主走査位置に対応させて可変する出力可変手段を
有することを特徴とする光走査モジュール。 - 請求項1又は2に記載の光走査モジュールにおいて、
前記検出手段で得た検出信号を基準として周波数変調区間を開始するタイミングを可変としたことを特徴とする光走査モジュール。 - 請求項1乃至3のいずれかに記載の光走査モジュールにおいて、
前記可動ミラー駆動手段は、少なくとも画像書き込み以外の期間では前記可動ミラーに与える回転振動力を低減、または停止することを特徴とする光走査モジュール。 - 請求項1乃至3のいずれかに記載の光走査モジュールにおいて、
前記可動ミラー駆動手段は、前記検出手段においてあらかじめ設定された検出信号値が得られるよう前記可動ミラーの振幅を可変することを特徴とする光走査モジュール。 - 請求項4または5に記載の光走査モジュールにおいて、
前記可動ミラー駆動手段は、前記検出手段においてあらかじめ定められた検出信号値が得られるまで前記可動ミラーの振幅を徐々に増加して起動することを特徴とする光走査モジュール。 - 請求項4または5に記載の光走査モジュールにおいて、
前記発光源は、前記検出手段においてあらかじめ設定された検出信号値が得られるまで画像書き込みを禁止することを特徴とする光走査モジュール。 - 請求項4または5に記載の光走査モジュールにおいて、
前記可動ミラー駆動手段は、所定の制限時間内に前記検出手段において、あらかじめ設定された検出信号値が得られなかった場合には、前記可動ミラーの駆動を中断することを特徴とする光走査モジュール。 - 請求項1乃至3のいずれかに記載の光走査モジュールを複数備え、
主光走査方向を一致させて配列したことを特徴とする光走査装置。 - 請求項9に記載の光走査装置を備え、
像担持体に画像領域を主走査方向に分割して静電像を形成し、
前記静電像をトナーで顕像化し、出力紙に転写することを特徴とする画像形成装置。 - 発光源からの光ビームを往復振動する可動ミラーで偏向走査する光走査装置を備え、
前記発光源に供給する画素情報の周期を、各画素の主走査位置に対応して変化させ、
前記画素情報の周期の変化に応じて前記発光源の発光出力を可変し、
前記可動ミラーの振動変位を検出し、
前記検出で得た検出信号を基準として周波数変調区間を設定し、前記周波数変調区間において、画素情報に応じて前記発光源を発光する周波数を基準周波数から段階的に可変しつつ、画像書き込みを行うことを特徴とする光走査方法。 - 請求項11に記載の光走査モジュールにおいて、
前記発光源を発光する基準周波数を、前記可動ミラーの共振周波数に対応させて選択し、画像書き込みを行うことを特徴とする光走査方法。
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