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JP4972785B2 - 内側継手管を備えた鋼管の施工用保護治具および鋼管の施工方法 - Google Patents

内側継手管を備えた鋼管の施工用保護治具および鋼管の施工方法 Download PDF

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Description

本発明は、鋼管(特に杭用途)における管軸方向の継手構造に用いる施工用保護治具、およびその保護治具を用いて鋼管を地中に埋設する施工方法に関する。
鋼管や、PHC、PRCもしくはSCに代表される鋼管コンクリート管は、従来、施工現場において、溶接やネジ等の機械的な継手構造によって接合されているが、これらの作業には熟練した作業者を要する為、施工期間や人件費の点でコストがかかる。
そこで、例えば、特許文献1には、第1鋼管(杭)の端部に係合部材を延設すると共に、第2鋼管(杭)の端部に被係合部材を延設し、係合部材と被係合部材とが当接して相対的に変形して第1鋼管(杭)と第2鋼管(杭)とが接続される鋼管(杭)の継手構造の技術が開示されている。また、特許文献2には、鋼管の接合端部に設けられた外側継手管と内側継手管とを、管軸方向に差し込むことにより鋼管を接続する鋼管継手構造において、外側継手管又は内側継手管の何れか一方に形成された複数の分割片と、圧縮荷重に対して抵抗する当接部と、内側継手管の外周面に形成された凸部と、当該凸部と係合して引張荷重に対し抵抗する外側継手管の内周面に形成された係合部とを設けた技術が開示されている。
これらの継手構造は、熟練した作業者が必要無い上に、継手部分の加工コストも大きくなり難い為、非常に有効な技術である。このように、対になった継手同士を差し込むことで接続する機械式継手を、本明細書では、差込式継手、差込式継手管もしくは差込式継手構造と呼ぶ。
しかし、特許文献1や特許文献2に開示された差込式継手構造は、この継手が取り付けられた鋼管を地中に埋設する際、特に、打撃工法や振動工法による施工時に、鋼管上端部(即ち継手そのもの)に掛ける打撃力により変形するおそれがある。
図14に、特許文献1に開示された差込式継手における、係合部材の変形例を模式的に断面図で示した。鋼管111に延設された係合部材112は、円周上に複数個にスリットで分割された分割片112a、112b、112c、112dからなり、その根元には鋼管111の内側方向に突出した当接部材113が設けられている。ここで、鋼管111を地中に埋設するのに係合部材112の上端部を打撃すると、全ての係合部材112が内側に倒れたり(図14(a)参照)、外側に倒れたり(図14(b)参照)、もしくは係合部材112のそれぞれが別々の側に倒れたりして、係合部材112が変形もしくは座屈してしまう。
そこで発明者等は、差込式継手管を備えた鋼管に対して、打撃工法や振動工法による施工が可能となる施工用保護治具を開発した。この施工用保護治具は特許文献3にて開示されており、打撃力が付与される上端部と、継手管の段部から上端までの高さ越えの高さの筒体と、継手管の段部に当接する下端部と、継手管の複数の分割片を固定する手段とを備えたことを特徴とし、施工時に、継手管に被せて使用する。
特開2003−003463号公報 特開2004−036329号公報 特開2005−248665号公報
しかしながら、特許文献3の場合、継手管の分割片を施工用保護治具で固定するのに継手管のネジ孔もしくは貫通孔を利用することから、当該ネジ孔もしくは貫通孔を破損する可能性があるという問題点があった。特に、振動工法において施工用保護治具と継手管との間で引張力を伝達する場合、この引張力の伝達箇所は、継手管の分割片と施工用保護治具とを固定しているボルトの軸、ならびに、継手管のネジ孔もしくは貫通孔である為、継手管のネジ孔もしくは貫通孔が破損する可能性がある。特に、鋼管を埋設したい場所が非常に固い場合には、継手管のネジ孔もしくは貫通孔が破損する可能性は、さらに高くなる。よって、埋設に振動工法を用いる場合や硬質場所での施工に対しては、施工用保護治具と継手管との一体化に継手管のネジ孔もしくは貫通孔を利用しないほうが望ましい。
本発明は、上記問題を解決する為になされたものであって、鋼管の差込式継手管を変形または損傷させることなく、鋼管を確実かつ容易に埋設することができる、内側継手管を備えた鋼管の施工用保護治具および鋼管の施工方法を提供する。
(1)上記問題を解決する為に、本発明に係る鋼管の継手管の施工用保護治具は、一方の端部が鋼管に接続されていて、圧縮力を前記鋼管に伝達するための段部と、前記鋼管と接続された端部から前記段部までの間に配置された、前記鋼管の板厚よりも板厚の厚い肉厚部と、を有し、外側継手管と対になって差込式継手構造を構成する内側継手管を備えた鋼管に対して使用する施工用保護治具であって、前記内側継手管の鋼管とは接続されていない側の端部から前記段差までの高さと前記肉厚部の高さとの和よりも高い高さを有する筒体を備え、前記筒体の内壁面には、前記内側継手管の段部に当接し、鋼管の施工時に与えられる打撃力を伝達するための当接部が設けられると共に、前記筒体の前記肉厚部と対向する位置には、前記鋼管の施工時に与えられる引張力を前記内側継手管に伝達するための引張力伝達手段とを備えたことを特徴とする。
(2)上記問題を解決する為に、本発明に係る鋼管の継手管の施工用保護治具は、一方の端部が鋼管に接続されていて、圧縮力を前記鋼管に伝達するための段部と、前記鋼管と接続された端部から前記段部までの間に配置された、前記鋼管の板厚よりも板厚の厚い肉厚部と、該肉厚部の外周面に設けられたに突起または溝と、を有し、外側継手管と対になって差込式継手構造を構成する内側継手管を備えた鋼管に対して使用する施工用保護治具であって、前記内側継手管の鋼管とは接続されていない側の端部から前記段差までの高さと前記肉厚部の高さとの和よりも高い高さを有する筒体を備え、前記筒体の内壁面には、前記内側継手管の段部に当接し、鋼管の施工時に与えられる打撃力を伝達するための当接部が設けられると共に、前記筒体の内壁面には、前記肉厚部に設けられた突起または溝と嵌合する溝または突起が設けられていて、前記筒体の下端部には、分割片と複数のスリットが設けられており、前記筒体の下端部を拡径させ、前記内側継手管へ装着することを特徴とする。
(3)上記(1)または(2)において、筒体の上部には、鋼管の施工時に打撃力もしく
は引張力が付与される上端部が設けられていることを特徴とする。
(4)上記(1)から(3)において、筒体の下端部には複数の分割片が設けられていることを特徴とする。
(5)上記(1)から(4)において、内側継手管の内周面にほぼ当接するように配置されたガイド管を備えることを特徴とする。
(6)上記(1)から(4)において、内側継手管の内周面にほぼ当接するように配置された複数のガイド板を備えることを特徴とする。
(7)上記問題を解決する為に、本発明に係る鋼管の継手管の施工用保護治具は、一方の端部が鋼管に接続されていて、圧縮力を前記鋼管に伝達するための段部と、前記鋼管と接続された端部から前記段部までの間に配置された、前記鋼管の板厚よりも板厚の厚い肉厚部と、該肉厚部に設けられたネジ孔と、を有し、外側継手管と対になって差込式継手構造を構成する内側継手管を備えた鋼管に対して使用する施工用保護治具であって、前記内側継手管の鋼管とは接続されていない側の端部から前記段差までの高さと前記肉厚部の高さとの和よりも高い高さを有する筒体を備え、前記筒体の内壁面には、前記内側継手管の段部に当接し、鋼管の施工時に与えられる打撃力を伝達するための当接部が設けられると共に、前記筒体の内壁面には、前記ネジ孔に対向する位置に貫通孔が設けられていることを特徴とする。
(8)上記(7)において、筒体の上部には、鋼管の施工時に打撃力もしくは引張力が付与される上端部が設けられていることを特徴とする。
(9)上記(7)から(8)において、筒体の下端部には複数の分割片が設けられていることを特徴とする。
(10)上記(7)から(9)において、内側継手管の内周面にほぼ当接するように配置されたガイド管を備えることを特徴とする。
(11)上記(7)から(9)において、内側継手管の内周面にほぼ当接するように配置された複数のガイド板を備えることを特徴とする。
12)上記問題を解決する為に、本発明に係る鋼管の施工方法は、内側継手管を備えた鋼管を地中に埋設する施工方法であって、上記(1)乃至(11)の何れか1つに記載の施工用保護治具を、前記内側継手管に装着する工程と、その後、前記鋼管を埋設するための打撃力を、前記施工用保護治具に付与する工程と、を有することを特徴とする。
13)上記問題を解決する為に、本発明に係る鋼管の施工方法は、内側継手管を備えた鋼管を地中に埋設する施工方法であって、上記(7)乃至(11)の何れか1つに記載の施工用保護治具を、前記内側継手管に装着する工程と、内側継手管に装着後、ボルトを、筒体の貫通孔を貫通させて前記内側継手管のネジ孔に螺合する工程と、ボルトを螺合後、前記鋼管を埋設するための打撃力を、前記施工用保護治具に付与する工程と、を有することを特徴とする。
なお、本発明において、鋼管とは、端部に前述の差込式継手構造を有する限り、鋼管コンクリート管、コンクリート管、中実の鋼管、中実の鋼管コンクリート管もしくは中実のコンクリート管等を含むものである。また、本発明において、筒(筒体を含む)とは、水平断面が円形だけで無く、水平断面形状が矩形やその他形状も含む。使用対象としている鋼管および内側継手管の水平断面形状に合わせた形状を、適宜選択する。
本発明の鋼管の継手管の施工用保護治具および鋼管の施工方法は、継手管の部材(特に差込式継手管の分割片)に圧縮力を伝達しないと共に、継手管のネジ孔もしくは貫通孔に引張力を伝達しない構成であるので、施工方法や施工条件に拘わらず、継手管の部材(特に、分割片ならびに分割片のネジ孔もしくは貫通孔)を変形や損傷させることなく、鋼管を埋設できる。
先ず、差込式継手管の説明をした後、実施の形態に基づき、本発明について詳細に説明する。
(1)鋼管の差込式継手構造の例:その1
図15は鋼管の差込式継手構造の一例を示すものであって、(a)は接合前の斜視図、(b)は接合後の縦断面図である。符号3の差込式継手構造は、内側継手管10と外側継手管20とが対になっており、鋼管1に取り付けられた内側継手管10に、鋼管2に取り付けられた外側継手管20を差し込むことで、鋼管1と鋼管2を連結するものである。
外側継手管20は、その外径が鋼管2の外径とほぼ等しく、鋼管2とは、基端部21(高さh21)の上端にて、溶接により接合されている。基端部21は、鋼管2の板厚よりも板厚が厚い肉厚部21a(高さh21a)を備えている。基端部21からさらに先端側には、所定の範囲で内径が拡径された凹部23が、内周面に形成されており、凹部23の先端側の縁部には係止部24が形成されている。また、凹部23には複数の貫通孔25が設けられている。
内側継手管10は、鋼管1の外径とほぼ等しい外径の同径部11(高さh11)を有する。この同径部11の下端に、鋼管1が溶接により接続されている。また同径部11は、鋼管1の板厚よりも板厚が厚い肉厚部11a(高さh11a)を備えている。
内側継手管10の同径部11の上端には段部12を介して、外側継手管20の内径とほぼ等しい外径の本体部18(高さh18)が設けられている。そして、本体部18は複数の分割片13を有している。これら分割片13は、周方向にほぼ等間隔で配置された段部12から先端に達する複数のスリット14により、本体部18を縮径させる機能を有している。
内側継手管10の各分割片13の外周面には、係合突部16が突設されており、係合突部16の下面16aは外周面と直交しており、かつ係合突部16の上部には傾斜面16bが設けられている。符号17は各分割片13の係合突部16の上方に設けたネジ孔で、このネジ孔17は外側継手管20に設けた貫通孔25の位置に対応して設けられている。
内側継手管10の係合突部16の下面16aから段部12までの高さは、外側継手管20の係止部24から先端26までの高さとほぼ等しく形成されている。
図15(b)の状態で、図15(a)に示すボルト30を貫通孔25に挿入しネジ孔17に螺合すれば、内側継手管10と外側継手管20は接合され、鋼管1、2が接合される。
接合された鋼管1、2においては、内側継手管10の段差12と外側継手管20の先端26が当接する。鋼管2に加わる圧縮力は、内側継手管10の段部12と外側継手管20の先端26を介して鋼管1に伝達され、引張力は、内側継手管10の係合突部16と外側継手管20の係止部24を介して鋼管2に伝達される。
(2)鋼管の差込式継手構造の例:その2
図16は鋼管の差込式継手構造の他の例を示すものであって、(a)は接合前の斜視図、(b)は接合後の縦断面図である。符号4は差込式継手構造であり、内側継手管50と外側継手管40とが対になっている。差込式継手構造4は、鋼管1に取り付けられた内側継手管50に、鋼管2に取り付けられた外側継手管40を差し込むことで、鋼管1と鋼管2を連結するものである。
外側継手管40は、その外径が鋼管2の外径とほぼ等しく、鋼管2とは、基端部41(高さh41)の上端にて、溶接により接合されている。基端部41は、鋼管2の板厚よりも板厚が厚い肉厚部41a(高さh41a)を備えている。
基端部41からさらに先端側には、内側継手管50の本体部52の外径よりも大きい内径の本体部48が、段部42を介して設けられている。本体部48は、複数の分割片43を有しており、この分割片43は、周方向でほぼ等間隔な複数のスリット44により、本体部48を拡径させる機能を有する。スリット44は段部42から先端に達するものである。
外側継手管40の各分割片43の内周面には、係合突部46が突設されており、係合突部46の上面46aは内周面と直交しており、かつ係合突部46の下部には傾斜面46bが設けられている。符号47は各分割片43の係合突部46より先端側に設けられた貫通孔である。
一方、内側継手管50は、鋼管1の外径とほぼ等しい外径の同径部51(高さh51)を有する。この同径部51の下端に、鋼管1が溶接により接続されている。また同径部51は、鋼管1の板厚よりも板厚が厚い肉厚部51a(高さh51a)を備えている。
内側継手管50の同径部51の上端には段部54を介して、外側継手管40の内径とほぼ等しい外径の本体部52(高さh52)が設けられている。そして、本体部52の外周面の軸方向のほぼ中央部から先端側に、係止突起53が形成されており、係止突起53の下部には係止部53aが形成されている。さらに、内側継手管50の係止部53aよりも同径部51の側には、外側継手管40の貫通孔47に対応して複数のネジ孔55が設けられている。なお、このネジ孔55を貫通孔とし、その内周面にナットを溶接により取付けてもよい。
外側継手管40の係合突部46の上面46aから段部42までの高さは、内側継手管50の係止部53aから先端56までの高さとほぼ等しく形成されている。
図16(b)の状態で、図示しないボルトを貫通孔47に挿入しネジ孔55に螺合すれば、内側継手管50と外側継手管40は接合され、鋼管1、2が接合される。
接合された鋼管1、2においては、外側継手管40の段部42に内側継手管50の先端56が当接する。鋼管2に加わる圧縮力は、外側継手管40の段部42と内側継手管50の先端56を介して鋼管1に伝達され、引張力は、外側継手管40の係合突部の上面46aと内側継手管50の係止部53aを介して鋼管2に伝達される。
(3)施工用保護治具の例:第1の実施の形態
施工用保護治具の一例について、第1の実施の形態として説明する。図1に、第1の実施の形態に係る施工用保護治具を、内側継手管に被せた例で模式的に示す。向かって左側が縦断面図、右側が側面図である。用いた内側継手管は、図15を用いて上記(1)で説明した分割片13を有した内側継手管10と、基本的に同一の構造であり、図15と同一の部分は同一の符号により示し、詳細な説明は省略する。
図1において、鋼管1に接合された内側継手管10は、同径部11、同径部11における肉厚部11a、段部12、本体部18、分割片13、スリット14、分割片13の外周面に設けられた係合突部16およびネジ孔17を有している。また、同径部11の高さをh11、肉厚部11aの高さをh11a、本体部18の高さをh18とする。
一方、施工用保護治具6は、内側継手管10の本体部18の高さh18と肉厚部11aの高さh11aとの和、即ちh18+h11a、よりも高い高さの筒体60からなる。筒体60の高さをh60とする。
筒体60の内壁面には、施工用保護治具6を内側継手管10に被せた際に、内側継手管10の段部12と当接する当接部61が設けられている。筒体60の内径は、場所により2種類の径を有する。即ち、当接部61より上端側は、内側継手管10の本体部18が進
入自在な内径となっている。一方、当接部61より下端側は、内側継手管10の同径部11が進入可能な内径となっている。
施工用保護治具6において、筒体60よりも上端側で高さh62の部分を上端部62と呼び、この上端部62に、施工の際、バイブロハンマや打撃ハンマ等の施工機器から、打撃力や引張力が付与される。本実施の形態の場合、バイブロハンマが把持可能なように、上端部62はつかみ代62aとなっている。
筒体60の下端部には、分割片66が設けられている。これら分割片66は、周方向にほぼ等間隔で配置された、下端から適当な長さの複数のスリット67により、筒体60の下端部を拡径させ、内側継手管10への装着を容易にする機能を有している。
本実施の形態においては、つかみ代62aを通じて上端部62に与えられた引張力を内側継手管10に伝達する引張力伝達手段として、筒体60の内壁面で、内側継手管10の肉厚部11aと対向する位置に、複数の貫通孔64aを設けた。この時、肉厚部11aには、内側継手管10に施工用保護治具6を被せた状態で貫通孔64aと対応する位置に、ネジ孔19aを設けておく。図1に示す状態で、貫通孔64aにボルト30を挿入してネジ孔19aに螺合すれば、内側継手管10と施工用保護治具6とは確実に接合される。
本実施の形態によれば、例えば、鋼管1を地中に埋設する場合にバイブロハンマから与えられる圧縮力は、まず、施工用保護治具6の筒体60の上端部62(より正確にはつかみ代62a)に付与され、そして、筒体60の当接部61から内側継手管10の段部12へ伝達されるので、分割片13とネジ孔17に圧縮力が作用せず、分割片13が変形(座屈等)したりネジ孔17が破損することはない。また、施工用保護治具6は、ボルト30により接合されているので、打撃時のリバウンド等により落下する危険もない。同時に、施工用保護治具が円周方向に回転してしまうことも無い。
一方、例えばバイブロハンマによる引張力といった、鋼管1を持ち上げる力は、施工用保護治具6の貫通孔64aからボルト30を介して、内側継手管10のネジ孔19aに伝達される。この為、分割片13のネジ孔17に引張力が作用せず、やはりネジ孔17が破損することはない。ここで、ネジ孔19aは、内側継手管10の肉厚部11aに設けられているので、ボルト30との接触面積が確保され、ボルト30からの引張力を効率良く内側継手管10に伝達することができると共に、最も頑強な箇所に設けられており、当該ネジ孔19aが破損する可能性を最小限にできる。
また、施工に際しては、施工用保護治具6が内側継手管10に対して傾斜したり水平方向に移動したりすることがないから、内側継手管10の損傷、例えば図14(a)と(b)に示した如く、分割片13が内側や外側に倒れたり、もしくは、ある分割片13は内側に、これと対角位置にある分割片13は外側に向かって倒れたりすることがない。
さらに、ボルト30を取り外せば、施工用保護治具6と内側継手管10との接合は容易に解ける。よって、ボルト30を取り外した後、施工用保護治具6を内側継手管10から軸方向に引き抜けば、分割片66が外側に撓んで拡径することもあり、施工用保護治具6は容易に取り外すことができる。
(4)施工用保護治具の例:第2の実施の形態
施工用保護治具の別の例について、第2の実施の形態として説明する。図2に、第2の実施の形態に係る施工用保護治具を、内側継手管に被せた例で模式的に示す。向かって左側が縦断面図、右側が側面図である。用いた内側継手管は、図15を用いて上記(1)で説明した分割片13を有した内側継手管10と、基本的に同一の構造であり、図15と同一の部分は同一の符号により示し、詳細な説明は省略する。また、第2の実施の形態に係る施工用保護治具についても、図1と同一の部分は同一の符号により示し、詳細な説明は省略する。
図2において、鋼管1に接合された内側継手管10は、高さh11の同径部11、高さh11aの肉厚部11a、段部12、高さh18の本体部18、分割片13、スリット14、分割片13の外周面に設けられた係合突部16、およびネジ孔17を有している。
一方、施工用保護治具6は、内側継手管10の本体部18の高さh18と肉厚部11aの高さh11aとの和、即ちh18+h11a、よりも高い高さh60の筒体60と、上端部62とからなる。筒体60の内壁面には、当接部61が設けられている。また、上端部62として、つかみ代62aが設けられている。さらに、筒体60の下端部には、分割片66と複数のスリット67が設けられており、筒体60の下端部を拡径させ、内側継手管10への装着を容易にする。
本実施の形態においては、この分割片66に、貫通孔65aが設けられている。一方、図2の場合、鋼管1に、内側継手管10に施工用保護治具6を被せた状態で貫通孔65aと対応する位置に、ネジ孔19cを設けておく。図2に示す状態で、貫通孔65aにボルト30を挿入してネジ孔19cに螺合すれば、内側継手管10と施工用保護治具6とは確実に接合される。なお、ネジ孔19cは、鋼管1ではなく、内側継手管10の肉厚部11aよりも鋼管寄りの箇所に設けても良い。また、ネジ孔19cを貫通孔とし、その内周面にナットを溶接により取付けてもよい。
さらに本実施の形態においては、つかみ代62aを通じて上端部62に与えられた引張力を内側継手管19に伝達する引張力伝達手段として、筒体60の内壁面で、内側継手管10の肉厚部11aと対向する位置に、断面矩形の突起64bを設けた。この時、内側継手管10の肉厚部11aには、内側継手管10に施工用保護治具6を被せた状態で当該突起64bと対応する位置に、凹溝19bを設けておく。内側継手管10に施工用保護治具6を被せた状態で、施工用保護治具6の突起64bは内側継手管10の凹溝19bに嵌合する。
本実施の形態によれば、例えば、鋼管1を地中に埋設する場合にバイブロハンマから与えられる圧縮力は、まず、施工用保護治具6の筒体60の上端部62(より正確にはつかみ代62a)に付与され、そして、筒体60の当接部61から内側継手管10の段部12へ伝達されるので、分割片13とネジ孔17に圧縮力が作用せず、分割片13が変形(座屈等)したりネジ孔17が破損することはない。また、ボルト30により接合されているので、打撃時のリバウンド等により、施工用保護治具6が落下する危険もない。同時に、施工用保護治具6が円周方向に回転してしまうことも無い。
一方、例えばバイブロハンマによる引張力といった、鋼管1を持ち上げる力は、施工用保護治具6の突起64bから、突起64bの上面と凹溝19bとの当接面を介して、内側継手管10に伝達される。この為、分割片13のネジ孔17に引張力が作用せず、やはりネジ孔17が破損することはない。ここで、凹溝19bは、内側継手管10の肉厚部11aに設けられているので、施工用保護治具6の突起64bとの接触面積が確保され、突起64bからの引張力を効率良く内側継手管10に伝達することができると共に、最も頑強な箇所に設けられており、当該凹溝19bが破損する可能性を最小限にできる。
また、施工に際しては、施工用保護治具6が内側継手管10に対して傾斜したり水平方向に移動したりすることがないから、内側継手管10の損傷、例えば図14(a)と(b)に示した如く、分割片13が内側や外側に倒れたり、もしくは、ある分割片13は内側に、これと対角位置にある分割片13は外側に向かって倒れたりすることがない。
さらに、ボルト30を取り外せば、施工用保護治具6と内側継手管10との接合は容易に解ける。よって、ボルト30を取り外した後、分割片66を外側に撓めて拡径させて、施工用保護治具6を内側継手管10から軸方向に引き抜けば、施工用保護治具6は容易に取り外すことができる。
(5)施工用保護治具の例:第3の実施の形態
上述した第1の実施の形態の別の例を、第3の実施の形態として説明する。図3に、第3の実施の形態に係る施工用保護治具を、模式的に示す。向かって左側が縦断面図、右側が側面図であって、(a)は内ガイド板式、(b)は内ガイド管式である。図示した内側継手管は、図15を用いて上記(1)で説明した分割片13を有した内側継手管10と、基本的に同一の構造であり、図15と同一の部分は同一の符号により示し、詳細な説明は省略する。また、第3の実施の形態に係る施工用保護治具についても、図1と同一の部分は同一の符号により示し、詳細な説明は省略する。
図3の(a)において、上端部62は、筒体60に接合された厚肉管または厚肉円盤からなる鏡板72と、鏡板72の上面に設置されたクッション枠74と、鏡板72の上面でクッション枠74内に載置されたクッション75とを備えている。さらに、鏡板72の下面には、内ガイド板73が、角120°で3枚放射状に設置されている。
そして、本体部18に筒体60を被せて当接部61が内側継手管10の段部12に当接した際、内ガイド板73の外側辺79が同径部11の内周面11cにほぼ当接するものである。なお、内ガイド板73の枚数は3枚以上であって、外側辺79が同径部11の内周
面11cの内径とほぼ同一の円周面を形成し、外側辺79が内周面11cにほぼ当接するように設置される。
よって、施工用保護治具6は、内ガイド板73によって同径部11の内周面11cに対して案内されて、筒体60の当接部61が内側継手管10の段部12に載置されるから、内側継手管10に対して容易に傾いたり半径方向に移動したりすることがない。この状態で、貫通孔64aにボルト30(図示せず)を挿入してネジ孔19aに螺合すれば、内側継手管10と施工用保護治具6とは確実に接合され、内側継手管10に対して円周方向にも拘束される。
打撃ハンマによって鏡板72を打撃すれば、鋼管1を埋設するための打撃力(即ち、圧縮力)は、施工用保護治具6の当接部61を介して段部12から内側継手管10に伝達されることになる。この際、クッション75があるので、打撃の衝撃力を緩和することができ、長期使用における施工用保護治具6の損傷を軽減できる。この時、本体部18に圧縮力や曲げ力が作用しないから、本体部18(特に、分割片13とネジ孔17)が変形することがない。
なお、クッション75が撤去されたクッション枠74を、バイブロ用の把持具としてもよい。この場合は、引張力が、ボルト30を介して貫通孔64aからネジ孔19aに付与されるが、上述した効果を同様に奏する。
一方、図3(b)は、図3(a)の内ガイド板73に代えて、筒状の内ガイド管76を設置した場合である。本体部18に筒体60を被せて設置した際、当接部61は内側継手管10の段部12に当接、内ガイド管76の外周面は同径部11の内周面11cに当接するものである。この状態で、貫通孔64aにボルト30(図示せず)を挿入してネジ孔19aに螺合する。従って、図3(b)の場合も、図3(a)と同様の作用と効果を奏する。
なお、ここで「ほぼ当接」とは、文字通り、内周面11cの内径と内ガイド板73の外側辺79が作る円周面の外径、もしくは、内周面11cの内径とガイド管76の外径が、同一であることに限定するものではなく、上述した施工用保護治具6を案内する機能を満足することができる程度の「隙間」を空けて、両者が対峙する場合を含むものである。
なお、本実施の形態では、第1の実施の形態の別の例としたが、それに代えて、上述(4)で説明した第2の実施の形態の別の例としても良い。この時、引張力は、突部64bと凹溝19bにより、施工用保護治具6から内側継手管10に伝達される。この場合も、第1の実施の形態の場合と同様の作用と効果を奏する。
(6)施工用保護治具の例:第4の実施の形態
上述した第2の実施の形態の別の例を、第4の実施の形態として説明する。図4に、第4の実施の形態に係る施工用保護治具を、内側継手管に被せた例で模式的に示す。向かって左側が縦断面図、右側が側面図である。用いた内側継手管は、図15を用いて上記(1)で説明した分割片13を有した内側継手管10と、基本的に同一の構造であり、図15と同一の部分は同一の符号により示し、詳細な説明は省略する。また、第4の実施の形態に係る施工用保護治具についても、図2と同一の部分は同一の符号により示し、詳細な説明は省略する。
本実施の形態においては、筒体60の内壁面で、かつ分割片13の先端部に対向する領域に張り出し部69を設けた。張り出し部69における内径は、内側継手管10の分割片13の先端部の外径とほぼ同じで、かつ本体部18の最大外径よりも小さい。その為、図4に示した内側継手管10に施工用保護治具6を被せた状態で、この張り出し部69の内壁面が、内側継手管10の分割片13の先端部にほぼ当設するようになっている。
当接部61と段部12に圧縮力が作用すると、分割片13の先端部には、段部12を軸とした内側継手管10の先端部が拡径する方向にモーメントが発生し、分割片13の先端部は、外側に張り出すように僅かであるが移動する。そこで本実施の形態によれば、上記(4)にて述べた第2の実施の形態の効果に加え、初めからほぼ当接している状態にあることで、施工中に分割片13が外側に張り出して、施工用保護治具6の内壁面に当たって破損することを防ぐことができる。
なお、ほぼ当接とは、文字通り張り出し部69の内壁面と分割片13の先端部とが接触している状態(もしくは、張り出し部69の内径と分割片13の先端の外径とが同一である状態)に限定するものではなく、施工用保護治具6を内側継手管10に被せ、当接部61が段部12に当設した際に、少量の「隙間」を空けて両者が対峙するものを含むものである。但し、例えば、施工の際の分割片13の外側への撓み量を少なくする為にも、上記「隙間」は最小であることが、より好ましい。
(7)施工用保護治具の例:第5の実施の形態
上述した第4の実施の形態の別の例を、第5の実施の形態として説明する。図5に、第5の実施の形態に係る施工用保護治具を、内側継手管に被せた例で模式的に示す。向かって左側が縦断面図、右側が側面図である。用いた内側継手管は、図15を用いて上記(1)で説明した分割片13を有した内側継手管10と、基本的に同一の構造であり、図15と同一の部分は同一の符号により示し、詳細な説明は省略する。また、第5の実施の形態に係る施工用保護治具についても、図4と同一の部分は同一の符号により示し、詳細な説明は省略する。
本実施の形態においては、施工用保護治具6の分割片66に貫通孔65aと鋼管1にネジ孔19cを設ける代わりに、分割片66の外周面にボルト支持台65bを設けた。このボルト支持台65bは、施工用保護治具6のスリット67を挟んだ、分割片66の端部の位置に、2個1組で設けられ、ほぼ中心には、ボルト軸を通す為の貫通孔が開けられている。ボルト支持台65bは金属製で、施工用保護治具6とは溶接にて固定されている。
図5に示すように、スリット67を挟んで組になっているボルト支持台65bの貫通孔にボルト30の軸を通し、ボルト頭のあるボルト支持台65bと対向する位置にあるボルト支持台65bの方からナット31で留める。この状態で、スリット67の幅を縮めるようにボルト30とナット31で締め付けると、分割片66は内側に撓む。すると、施工用保護治具6の下端部が縮径して鋼管1(または内側継手管10)と密着し、施工用保護治具6と鋼管1(または内側継手管10)とは一体化する。この機構により、施工用保護治具6の突起64bと内側継手管10の凹溝とが確実に嵌合すると共に、打撃時のリバウンド等により、施工用保護治具6が落下する危険が無くなる。また、施工用保護治具6の縮径した下端部の内周面と鋼管1(または内側継手管10)の外周面との当接部分で、施工用保護治具6の円周方向に対する摩擦力が発生する為、施工用保護治具6の円周方向の回転も抑制することができる。
なお、本実施の形態においては、ナット31で留める側のボルト支持台65bに、ナット31を溶接により取付けてもよい。
本実施の形態によれば、上記(4)にて述べた第2の実施の形態の効果と、上記(6)にて述べた第4の実施の形態の効果に加え、以下の効果がある。先ず、内側継手管10の同径部11、もしくは鋼管1にネジ孔19a、19cを開けなくて良いので、内側継手管10と鋼管1の耐力の低下が全く無く、加工コストも発生しない。一方、施工用保護治具6に、ボルト支持台65bを取り付けるコストが発生するが、従来技術で十分対応できる上、厳密な寸法精度も要求されない(上述したように、ボルト30とナット31で締め付けて分割片66が内側に撓めば、機能としては満足されている)ので、コスト上大きな負担にはならない。また、従来から行われているボルトとナットの締め付けで施工が済むので、施工コストも殆ど上昇しない。
(8)施工用保護治具の例:第6の実施の形態
上述した第4の実施の形態の別の例を、第6の実施の形態として説明する。図6(a)に、第6の実施の形態に係る施工用保護治具を、内側継手管に被せた例で模式的に示す。向かって左側が縦断面図、右側が側面図である。用いた内側継手管は、図15を用いて上記(1)で説明した分割片13を有した内側継手管10と、基本的に同一の構造であり、図15と同一の部分は同一の符号により示し、詳細な説明は省略する。また、第6の実施の形態に係る施工用保護治具についても、図4と同一の部分は同一の符号により示し、詳細な説明は省略する。
本実施の形態においては、施工用保護治具6の分割片66に貫通孔65aと鋼管1にネジ孔19cを設ける代わりに、分割片66の外周面を覆う締結用バンド65cを設けた。
締結用バンド65cは、施工用保護治具6の取り付ける箇所の外径よりも短い長さの金属製のバンド65eからなり、バンド65eの長手方向(即ち、取り付けた際には施工用保護治具6の円周方向)の両端に、それぞれボルト支持台65dが、設けられている。2
個のボルト支持台65dは、そのほぼ中心に、ボルト軸を通す為の貫通孔が開けられており、ベルト65eとは溶接にて固定されている。
図6に示すように、この締結用バンド65cを、施工用保護治具6の分割片66とスリット67のある領域に巻くと、2個のボルト支持台65dの間に隙間ができる。この隙間
を渡すように、2個のボルト支持台65dの貫通孔にボルト30の軸を通し、ボルト30
の頭と反対側のボルト支持台65dからナット31で留める。この状態で、締結用バンド65cの内径を縮めるようにボルト30とナット31で締め付けると、分割片66は内側に撓む。すると、施工用保護治具6の下端部が縮径して鋼管1(または内側継手管10)と密着し、施工用保護治具6と鋼管1(または内側継手管10)とは一体化する。この機構により、施工用保護治具6の突起64bと内側継手管10の凹溝19bとが確実に嵌合すると共に、打撃時のリバウンド等により、施工用保護治具6が落下する危険が無くなる。また、施工用保護治具6の縮径した下端部の内周面と鋼管1(または内側継手管10)の外周面との当接部分で、施工用保護治具6の円周方向に対する摩擦力が発生する為、施工用保護治具6の円周方向の回転も抑制することができる。
なお、本実施の形態においては、ナット31で留める側のボルト支持台65dに、ナット31を溶接により取付けてもよい。
また、図6(a)には、バンド65eが1本の場合を示したが、複数本で構成されてい
ても良い。2本の場合の上面図を図6(b)に、3本の場合の上面図を図6(c)に示す。施工用保護治具6の径や板厚、バンド65eの板厚、締結用バンド65c用金属の材質、加工コスト、もしくは施工の容易さ等を考慮して、適宜選択すれば良い。
本実施の形態によれば、上記(4)にて述べた第2の実施の形態の効果と、上記(6)にて述べた第4の実施の形態との効果に加え、以下の効果がある。先ず、内側継手管10の同径部11、もしくは鋼管1にネジ孔19a、19cを開けなくて良いので、内側継手管10と鋼管1の耐力の低下が全く無く、加工コストも発生しない。一方、締結用バンド65cの製作コストが発生するが、従来技術で十分対応できる上、厳密な寸法精度も要求されない(上述したように、ボルト30とナット31で締結用バンド65cの内径を縮めて、分割片66が内側に撓めば、機能としては十分である。)ので、コスト上大きな負担にはならない。また、従来から行われているボルトとナットの締め付けで施工が済むので、施工コストも殆ど上昇しない。
(9)施工用保護治具の例:第7の実施の形態
施工用保護治具の別の例について、第7の実施の形態として説明する。図7に、第7の実施の形態に係る施工用保護治具を、内側継手管に被せた例で模式的に示す。向かって左側が縦断面図、右側が側面図である。用いた内側継手管は、図15を用いて上記(1)で説明した分割片13を有した内側継手管10と、基本的に同一の構造であり、図15と同一の部分は同一の符号により示し、詳細な説明は省略する。また、第7の実施の形態に係る施工用保護治具についても、図1と同一の部分は同一の符号により示し、詳細な説明は省略する。
図7において、鋼管1に接合された内側継手管10は、高さh11の同径部11、高さh11aの肉厚部11a、段部12、高さh18の本体部18、分割片13、スリット14、分割片13の外周面に設けられた係合突部16、およびネジ孔17を有している。
一方、施工用保護治具6は、内側継手管10の本体部18の高さh18と肉厚部11aの高さh11aとの和、即ちh18+h11a、よりも高い高さh60の筒体60と、上端部62とからなる。筒体60の内壁面には、当接部61が設けられている。また、上端部62として、つかみ代62aが設けられている。さらに、筒体60の下端部には、分割片66と複数のスリット67が設けられており、筒体60の下端部を拡径させ、内側継手管10への装着を容易にする。
本実施の形態においては、つかみ代62aを通じて上端部62に与えられた引張力を内側継手管19に伝達する引張力伝達手段として、分割片13の外周面に設けられた係合突部16に嵌合するキー81が用いられている。筒体60の内壁面で係合突部16に対向する複数の個所(例えば、筒体60内壁面の周方向に4個所)に、それぞれキー81を収納するキー溝82が設けられており、筒体60には、キー溝82内に収納されているキー81を係合突部16に嵌合させて固定するキー設置手段83が設けられている。
そして、キー設置手段83は、筒体60を横に倒した状態で図8に示すように、キー溝82から筒体60の外壁面に貫通する貫通孔(ネジ山は無し)84と、貫通したネジ孔85aを有し、その貫通ネジ孔85aが貫通孔84に直結するように筒体60の外壁面に取り付けられたキー設置用ボックス85と、軸が貫通ネジ孔85aと貫通孔84に装入され、軸の先端がキー81に固定された六角ボルト86と、キー設置用ボックス8のネジ孔85aに螺合されて、六角ボルト86の頂部に当接する六角穴付きプラグ87と、六角ボルト86の首下部と筒体60の外壁面の間に設置されたコイルバネ88とから構成されている。
そして、このような施工用保護治具6を内側継手管10に接合する場合は、まず、図8(a)に示すように、キー81をキー溝82内に収納し、その状態で筒体60を内側継手管10に装着する(初期状態)。次に、図8(b)に示すように、六角レンチ(図示せず)等を用いて六角穴付きプラグ87を回転させて締め込み、それによって六角ボルト86を押し下げて、キー81を係合突部16に嵌合させ、その状態で保持・固定する。これによって、キー81を介して施工用保護治具6と内側継手管10が連結・一体化する(合体状態)。
ちなみに、上記において、六角穴付きプラグ87を回転させて締め込む際は、六角穴付きプラグ87が六角ボルト86に当接しているだけなので、六角ボルト86とキー81は回転しない。したがって、キー81が係合突部16に向かって姿勢を保ったまま降りていき、係合突部16に的確に嵌合することができる。また、施工中にキー81および六角ボルト86が振動などによりガタ付いたとしても、回転方向の力は六角穴付きプラグ87には伝わらないため、六角穴付きプラグ87が緩むことはなく、キー81の逸脱は生じない。
なお、内側継手管10先端の分割片13は可撓性を有しているので、キー81が係合突部16に嵌合した際に、分割片13が内側に撓んで内側継手管10の先端が縮径することを防止するために、分割片13の撓みを拘束する縮径拘束部材89を筒体60の内壁面に取り付けている。これによって、係合突部16にキー81を強く押し付けても内側継手管10の先端が縮径することがなく、施工用保護治具6に与えられた引張力をキー81が内側継手管19に確実に伝達することとなる。
本実施の形態によれば、例えば、鋼管1を地中に埋設する場合にバイブロハンマから与えられる圧縮力は、図8(c)に示すように、まず、施工用保護治具6の筒体60の上端部62(より正確にはつかみ代62a)に付与され、そして、筒体60の当接部61から内側継手管10の段部12へ伝達されるので、分割片13とネジ孔17に圧縮力が作用せず、分割片13が変形(座屈等)したりネジ孔17が破損することはない。また、キー81を介して一体化されているので、打撃時のリバウンド等により、施工用保護治具6が落下する危険もない。同時に、施工用保護治具6が円周方向に回転してしまうことも無い。
一方、例えばバイブロハンマによる引張力といった、鋼管1を持ち上げる力は、図8(d)に示すように、施工用保護治具6のキー溝82の側面から、キー81を介して、内側継手管10の係合突部16に伝達される。この為、分割片13のネジ孔17に引張力が作用せず、やはりネジ孔17が破損することはない。
また、施工に際しては、施工用保護治具6が内側継手管10に対して傾斜したり水平方向に移動したりすることがないから、内側継手管10の損傷、例えば図14(a)と(b)に示した如く、分割片13が内側や外側に倒れたり、もしくは、ある分割片13は内側に、これと対角位置にある分割片13は外側に向かって倒れたりすることがない。
さらに、六角穴付きプラグ87を緩めることで、収縮していたコイルバネ88の反力により、六角ボルト86とキー81が上昇して、キー81と係合突部16の嵌合が外れて、施工用保護治具6と内側継手管10との接合は容易に解ける。よって、六角穴付きプラグ87を緩めてキー81と係合突部16の嵌合を外した後、分割片66を外側に撓めて拡径させて、施工用保護治具6を内側継手管10から軸方向に引き抜けば、施工用保護治具6は容易に取り外すことができる。
なお、第1から第7の実施の形態において、筒体60の外面に吊索が係止自在な係止手段(たとえば、孔付きフランジ)、または吊索に連結された吊り金具が螺合する吊具用ネジ孔を設け、当該吊索を巻き上げることによって、施工用保護治具6に接合された鋼管1を吊り上げてもよい。このとき、鋼管1に係止手段等を設ける必要がなくなる。
なお、第1から第7の実施の形態において、内側継手管を上述(1)で説明した内側継手管10としたが、それに代えて、上述(2)で説明した内側継手管50としても良い。この時、分割片13と本体部18を本体部52に、ネジ孔17をネジ孔55に、同径部11を同径部51に、肉厚部11aを肉厚部51aに、および段部12を段部54に読み替える。この場合も、内側継手管10の場合と同様の作用と効果を奏する。
(10)鋼管の施工方法の例:第8の実施の形態
内側継手管10、外側継手管20、および施工用保持治具6の第2の実施の形態の組合せで、バイブロハンマ102を用いて施工する、本発明に係る鋼管を地中に埋設する施工方法の例を、第8の実施の形態として説明する。
接合対象である鋼管1および鋼管2の端部には、予め工場等において内側継手管10と外側継手管20が、それぞれ溶接により接合されており、これら鋼管1、2が工事現場に輸送されるものとする。また、施工用保持治具6も、予め工場などにおいて製作済みであり、施工用保持治具6が工事現場に輸送されるものとする。
図9は、鋼管を地中に埋設する施工方法の一例を説明する工程図である。図10は、図9の施工方法を、(a)から(e)までの順番を工程順として模式的に示した側面図である。具体的には、図10に対応した以下の(a)から(e)の順で施工が行われる。
(a)先ず、内側継手管10が上端(埋設時に地表に近くなる方の端)に接合されている鋼管1を、地上に載置しておく。そして、施工用保護治具6の外周面に設けた係止手段(図示しない)にワイヤロープ101を連結して施工用保護治具6を吊り上げ、さらに水平方向に移動させて、施工用保護治具6を内側継手管10に被せる。施工用保護治具6の貫通孔65aにボルト30を挿入して、ボルト30を内側継手管10のネジ孔19cに螺合し、施工用保護治具6と内側継手管を一体化させる(ステップS71)。
(b)次に、鋼管1を起立させて、かつ貫入位置に配置する(ステップS72)。
(c)その後、バイブロハンマ102でつかみ代62aを把持し、打撃力と引張力とを施工用保護治具6に加えることで、鋼管1を地中に貫入させる(ステップS73)。
(d)鋼管1が所定位置まで地中に貫入した時点で打撃と引張を停止し、ボルト30を取り外して、施工用保護治具6と内側継手管10との一体化を解く。そして、施工用保護治具6をワイヤロープ101によって引き上げ、施工用保護治具6を内側継手管10から取り外す(ステップS74)。
(e)施工用保護治具6を内側継手管10から取り外した後、鋼管2の下端に接合されている外側継手管20を、鋼管1に接合されている内側継手管10に差し込む。それから、貫通孔25にボルト30を挿入してネジ孔17に螺合することで、外側継手管20と内側継手管10とを接合する。これにより、鋼管1と鋼管2とが接合される(ステップS75)。
以上(a)から(e)を繰り返して、所定の鋼管数を(もしくは所定の深さまで)埋設する。この時、図示はしていないが鋼管2の上端には内側継手管10が設けられており、ステップS71に従って施工用保護治具6を接合し、その後、連結された鋼管1と鋼管2とをステップS73に従って地中に埋設する。
本施工方法によれば、施工用保護治具6は内側継手管10にネジ接合されるものではなく、ボルト30等で固定される為、施工用保護治具6を回転したり、管軸を鉛直方向に起立させたりする必要がない。また、施工用保護治具6の装着と分離が共に、ボルト30で済む為、作業が容易である。さらに、施工用保護治具6が内側継手管10(特に分割片13とネジ孔17)の変形を防止している為に、外側継手管20を取り付ける際には、内側継手管10と外側継手管20との接合は、容易かつ確実なものとなる。
(11)鋼管の施工方法の例:第9の実施の形態
内側継手管10、外側継手管20、および第2の実施の形態に係る施工用保持治具6の別の例の組合せで、打撃ハンマ103によって施工する、本発明に係る鋼管を地中に埋設する施工方法の他の例を、第9の実施の形態として説明する。
接合対象である鋼管1および鋼管2の端部には、予め工場等において内側継手管10と外側継手管20が、それぞれ溶接により接合されており、これら鋼管1、2が工事現場に輸送されるものとする。また、施工用保持治具6も、予め工場などにおいて製作済みであり、施工用保持治具6が工事現場に輸送されるものとする。
ここで、施工用保持治具6は、つかみ代62aが無い物を使用する。その一例を、図11に側面図として模式的に示す。向かって右側が側面図、左側が断面図を示している。筒体60の上には、何も設けずにおき、筒体60の先端面62bを上端部62として機能させる。施工時には、この先端面62bを打撃ハンマ103で打撃する。その他の部分は、第2の実施の形態に係る施工用保護治具6と基本的に同一の構造で、図2と同一の部分は同一の符号により示す。
なお、この図11に示した物に代えて、施工用保持治具6の第3の実施の形態を用いても良い。鋼管1の径や打撃ハンマ103の大きさ、付与する打撃力の大きさ等に合わせて、適宜選択すれば良い。
図12は、鋼管を地中に埋設する施工方法の一例を説明する工程図である。図13は、図12の施工方法を、(a)から(e)までの順番を工程順として模式的に示した側面図である。具体的には、図13に対応した以下の(a)から(e)の順で施工が行われる。(a)先ず、内側継手管10が上端(埋設時に地表に近くなる方の端)に接合されている鋼管1を、地上に載置しておく。そして、施工用保護治具6の外周面に設けた係止手段(図示しない)にワイヤロープ101を連結して施工用保護治具6を吊り上げ、さらに水平方向に移動させて、施工用保護治具6を内側継手管10に被せる。施工用保護治具6の貫通孔65aにボルト30を挿入して、ボルト30を内側継手管10のネジ孔19cに螺合し、施工用保護治具6と内側継手管を一体化させる(ステップS101)。
(b)次に、鋼管1を起立させて、かつ貫入位置に配置する(ステップS102)。
(c)その後、打撃ハンマ103で施工用保護治具6の先端面62bを打撃し、打撃力を施工用保護治具6に加えることで、鋼管1を地中に貫入させる(ステップS103)。
(d)鋼管1が所定位置まで地中に貫入した時点で打撃を停止し、ボルト30を取り外して、施工用保護治具6と内側継手管10との一体化を解く。そして、施工用保護治具6をワイヤロープ101によって引き上げ、施工用保護治具6を内側継手管10から取り外す(ステップS104)。
(e)施工用保護治具6を内側継手管10から取り外した後、鋼管2の下端に接合されている外側継手管20を、鋼管1に接合されている内側継手管10に差し込む。それから、貫通孔25にボルト30を挿入してネジ孔17に螺合することで、外側継手管20と内側継手管10とを接合する。これにより、鋼管1と鋼管2とが接合される(ステップS105)。
以上(a)から(e)を繰り返して、所定の鋼管数を(もしくは所定の深さまで)埋設する。この時、図示はしていないが鋼管2の上端には内側継手管10が設けられており、ステップS101に従って施工用保護治具6を接合し、その後、連結された鋼管1と鋼管2とをステップS103に従って地中に埋設する。
本施工方法によれば、上述の(10)の施工方法の例:その1と同様に、施工用保護治具6は内側継手管10にネジ接合されるものではないため、施工用保護治具6を回転したり、管軸を鉛直方向に起立させたりする必要がなくなる。また、施工用保護治具6の装着と分離が共に、ボルト30で済む為、作業が容易である。さらに、施工用保護治具6が内側継手管10(特に分割片13とネジ孔17)の変形を防止している為に、外側継手管20を取り付ける際には、内側継手管10と外側継手管20との接合は、容易かつ確実なものとなる。
なお、施工方法の第8と第9の実施の形態共に、内側継手管を上述(1)で説明した内側継手管10としたが、それに代えて、上述(2)で説明した内側継手管50としても良い。この時、分割片13と本体部18を本体部52に、ネジ孔17をネジ孔55に、同径部11を同径部51に、肉厚部11aを肉厚部51aに、段部12を段部54に、および係合突部16を係合突起53に読み替える。この場合も、内側継手管10の場合と同様の作用と効果を奏する。
本発明は、地面や地中に埋設される杭として用いられる鋼管に対してだけでなく、柱、杭柱兼用部材、梁、各種構造体の支持部材、もしくはパイルルーフ等の施工用支持部材等の用途の鋼管に対しても、広く使用することが可能である。
施工用保護治具の第1の実施の形態を模式的に示す縦断面図と側面図である。 施工用保護治具の第2の実施の形態を模式的に示す縦断面図と側面図である。 施工用保護治具の第3の実施の形態を模式的に示す縦断面図と側面図である。(a)は内ガイド板式、(b)は内ガイド管式を示す。 施工用保護治具の第4の実施の形態を模式的に示す縦断面図と側面図である。 施工用保護治具の第5の実施の形態を模式的に示す縦断面図と側面図である。 施工用保護治具の第6の実施の形態を模式的に示す縦断面図と側面図である。 施工用保護治具の第7の実施の形態を模式的に示す縦断面図と側面図である。 施工用保護治具の第7の実施の形態における装着状態の説明図である。 本発明に係る鋼管の施工方法の例を説明する工程の流れ図である。 図9の流れ図を、模式的に示した側面図である。(a)から(e)までの順番が工程順を示す。 打撃ハンマーで施工する場合の施工用保護治具の一例を、模式的に示す縦断面図と側面図である。 本発明に係る鋼管の施工方法の別の例を説明する工程の流れ図である。 図12の流れ図を、模式的に示した側面図である。(a)から(e)までの順番が工程順を示す。 差込式継手における係合部材の変形例を模式的に示す側面図である。(a)は全ての分割片が内側に倒れた場合で、(b)は全ての分割片が外側に倒れた場合を示す。 鋼管の差込式継手構造の一例を示した図である。(a)斜視図と(b)縦断面図である。 鋼管の差込式継手構造の別の例を示した図である。(a)斜視図と(b)縦断面図である。
符号の説明
1、2 鋼管
3、4 継手構造
6 施工用保護治具
10 内側継手管
11 同径部
11a 肉厚部
11c 内周面
12 段部
13 分割片
14 スリット
16 係合突部
16a 係合突部下面
16b 係合突部傾斜面
17 ネジ孔
18 本体部
19a ネジ孔
19b 凹溝
19c ネジ孔
20 外側継手管
21 基端部
21a 肉厚部
23 凹部
24 係止部
25 貫通孔
26 先端
30 ボルト
40 外側継手管
41 基端部
41a 肉厚部
42 段部
43 分割片
44 スリット
46 係合突部
46a 係合突部上面
46b 係合突部傾斜面
47 貫通孔
48 本体部
50 内側継手管
51 同径部
51a 肉厚部
52 本体部
53 係止突起
53a 係止部
54 段部
55 ネジ孔
56 先端
60 筒体
61 当接部
62 上端部
62a つかみ代
62b 先端面
64a 貫通孔
64b 突起
65a 貫通孔
65b ボルト支持台
65c 締結用バンド
65d ボルト支持台
65e バンド
66 分割片
67 スリット
69 張り出し部
72 鏡板
73 内ガイド板
74 クッション枠
75 クッション
76 内ガイド管
79 外側辺
81 キー
82 キー溝
83 キー設置手段
84 貫通孔
85 キー設置用ボックス
85a 貫通ネジ孔
86 六角ボルト
87 六角穴付きプラグ
88 コイルバネ
89 縮径拘束部材
101 ワイヤロープ
102 バイブロハンマ
103 打撃ハンマ
111 鋼管
112a、112b、112c、112d 分割片
113 当接部材

Claims (13)

  1. 一方の端部が鋼管に接続されていて、圧縮力を前記鋼管に伝達するための段部と、前記鋼管と接続された端部から前記段部までの間に配置された、前記鋼管の板厚よりも板厚の厚い肉厚部と、を有し、外側継手管と対になって差込式継手構造を構成する内側継手管を備えた鋼管に対して使用する施工用保護治具であって、
    前記内側継手管の鋼管とは接続されていない側の端部から前記段差までの高さと前記肉厚部の高さとの和よりも高い高さを有する筒体を備え、
    前記筒体の内壁面には、前記内側継手管の段部に当接し、鋼管の施工時に与えられる打撃力を伝達するための当接部が設けられると共に、
    前記筒体の前記肉厚部と対向する位置には、前記鋼管の施工時に与えられる引張力を前記内側継手管に伝達するための引張力伝達手段とを備えたことを特徴とする、内側継手管を備えた鋼管の施工用保護治具。
  2. 一方の端部が鋼管に接続されていて、圧縮力を前記鋼管に伝達するための段部と、前記鋼管と接続された端部から前記段部までの間に配置された、前記鋼管の板厚よりも板厚の厚い肉厚部と、該肉厚部の外周面に設けられたに突起または溝と、を有し、外側継手管と対になって差込式継手構造を構成する内側継手管を備えた鋼管に対して使用する施工用保護治具であって、
    前記内側継手管の鋼管とは接続されていない側の端部から前記段差までの高さと前記肉厚部の高さとの和よりも高い高さを有する筒体を備え、
    前記筒体の内壁面には、前記内側継手管の段部に当接し、鋼管の施工時に与えられる打撃力を伝達するための当接部が設けられると共に、
    前記筒体の内壁面には、前記肉厚部に設けられた突起または溝と嵌合する溝または突起が設けられていて、前記筒体の下端部には、分割片と複数のスリットが設けられており、前記筒体の下端部を拡径させ、前記内側継手管へ装着することを特徴とする、内側継手管を備えた鋼管の施工用保護治具。
  3. 筒体の上部には、鋼管の施工時に打撃力もしくは引張力が付与される上端部が設けられていることを特徴とする、請求項1または2の何れかに記載の内側継手管を備えた鋼管の施工用保護治具。
  4. 筒体の下端部には複数の分割片が設けられていることを特徴とする、請求項1乃至3の何れか1つに記載の内側継手管を備えた鋼管の施工用保護治具。
  5. 内側継手管の内周面にほぼ当接するように配置されたガイド管を備えることを特徴とする、請求項1及至4の何れか1つに記載の内側継手管を備えた鋼管の施工用保護治具。
  6. 内側継手管の内周面にほぼ当接するように配置された複数のガイド板を備えることを特徴とする、請求項1及至4の何れか1つに記載の内側継手管を備えた鋼管の施工用保護治具。
  7. 一方の端部が鋼管に接続されていて、圧縮力を前記鋼管に伝達するための段部と、前記鋼管と接続された端部から前記段部までの間に配置された、前記鋼管の板厚よりも板厚の厚い肉厚部と、該肉厚部に設けられたネジ孔と、を有し、外側継手管と対になって差込式継手構造を構成する内側継手管を備えた鋼管に対して使用する施工用保護治具であって、
    前記内側継手管の鋼管とは接続されていない側の端部から前記段差までの高さと前記肉厚部の高さとの和よりも高い高さを有する筒体を備え、
    前記筒体の内壁面には、前記内側継手管の段部に当接し、鋼管の施工時に与えられる打撃力を伝達するための当接部が設けられると共に、
    前記筒体の内壁面には、前記ネジ孔に対向する位置に貫通孔が設けられていることを特徴とする、内側継手管を備えた鋼管の施工用保護治具。
  8. 筒体の上部には、鋼管の施工時に打撃力もしくは引張力が付与される上端部が設けられていることを特徴とする、請求項7に記載の内側継手管を備えた鋼管の継手管の施工用保護治具。
  9. 筒体の下端部には複数の分割片が設けられていることを特徴とする、請求項7または8に記載の内側継手管を備えた鋼管の施工用保護治具。
  10. 内側継手管の内周面にほぼ当接するように配置されたガイド管を備えることを特徴とする、請求項7及至9の何れか1つに記載の内側継手管を備えた鋼管の施工用保護治具。
  11. 内側継手管の内周面にほぼ当接するように配置された複数のガイド板を備えることを特徴とする、請求項7及至9の何れか1つに記載の内側継手管を備えた鋼管の施工用保護治具。
  12. 内側継手管を備えた鋼管を地中に埋設する施工方法であって、
    請求項1及至11の何れか1つに記載の施工用保護治具を、前記内側継手管に装着する工程と、
    その後、前記鋼管を埋設するための打撃力を、前記施工用保護治具に付与する工程と、を有することを特徴とする鋼管の施工方法。
  13. 内側継手管を備えた鋼管を地中に埋設する施工方法であって、
    請求項7乃至11の何れか1つに記載の施工用保護治具を、前記内側継手管に装着する工程と、
    内側継手管に装着後、ボルトを、筒体の貫通孔を貫通させて前記内側継手管のネジ孔に螺合する工程と、
    ボルトを螺合後、前記鋼管を埋設するための打撃力を、前記施工用保護治具に付与する工程と、を有することを特徴とする鋼管の施工方法。
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