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JP4968747B2 - Iii−v族化合物半導体素子 - Google Patents

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Description

本発明は、III−V族化合物半導体素子の改善に関し、特にヘテロ界面を形成するチャネル層とバリア層とを含むIII−V族化合物半導体素子の改善に関する。
GaN、AlGaN、InGaNなどに代表されるIII族窒化物半導体は、その材料的な優位性から、電子デバイスに用いられた場合に、高耐圧、高速動作、高耐熱性、低オン抵抗などの良好なデバイス特性が期待され得る。したがって、従来のSi材料に代わってIII族窒化物半導体を利用する電子デバイスの開発が進められている。特に電界効果型トランジスタ(FET)に関しては、例えばAlGaN/GaNのヘテロ接合界面近傍に高濃度の2次元電子ガスが形成されることにより、FET素子のオン抵抗をより低くすることができる。このように、ヘテロ接合界面を利用する種々のデバイス構造が、今までに提案されている。
図3は、III族窒化物半導体を利用した従来のヘテロ接合型電界効果トランジスタ(HFET)の一例を示す模式的断面図である(非特許文献1参照)。このHFETは平面型素子であり、一般にサファイア、Si、SiCなどからなる基板302上に順に積層されたバッファ層(あるいは核生成層)303、GaNチャネル層304、およびAlGaNバリア層305を含んでいる。AlGaNバリア層305上には、ソース電極306、ゲート電極307、およびドレイン電極308が形成されている。そして、ソース電極306とドレイン電極308との間において、バリア層305の表面とゲート電極307の表面が、SiNなどの絶縁膜からなる保護層309で覆われている。
電気情報通信学会、信学技報、ED2001−185、第7−12頁
上述のようなIII族窒化物半導体HFETを長時間動作させれば、そのHFET素子の初期状態に比べてオン抵抗が徐々に増大し、ソース・ドレイン電流が徐々に減少するという問題が生じる。
ソース・ドレイン間電圧を印加することによってチャネル領域におけるシートキャリア濃度が静状態よりも減少する所謂電流コラプスと呼ばれる現象は、III族窒化物半導体HFETではよく知られている。この現象を抑制するために、例えば保護層309(図3参照)などに電流コラプス抑制機能を持たせる工夫が行われることもある。しかし、そのような対策を講じてもなお、上述のドレイン電流が減少する問題は回避することが難しい。
この問題の原因を調べるために、本発明者は、特性の劣化したHFET素子についてSIMS(2次イオン質量分析)による解析を行なった。その結果、劣化したHFET素子の内部の半導体層、特にAlGaNバリア層表面側からヘテロ接合界面およびGaNチャネル層付近にかけて、水素原子の濃度が、劣化していない素子に比べて、高くなっていることがわかった。
また、水素原子は、素子表面を覆っている絶縁膜内部に、1020/cm3オーダの高いレベルの濃度で含まれていることもSIMS解析によって明らかになった。今回解析が行われた絶縁膜は高周波スパッタリング法で成膜されたものであったが、電子デバイスの製造プロセスでしばしば用いられる電子ビーム真空蒸着法やCVD(化学気相堆積)法などの他の成膜方法を用いても、成膜条件によっては1019〜1021/cm3オーダで絶縁膜中に水素原子が含まれることが十分にあり得る。なお、この1020/cm3オーダという濃度レベルは、AlGaNバリア層やGaNチャネル層のようなIII族窒化物結晶層中に本質的に含まれている水素原子の濃度(1018/cm3オーダ)よりも2桁程度高い。
これらのことから、半導体層に接触または近接する部位に水素原子が存在する状況でHFET素子が動作状態になれば、素子の基板方向に対して強い電界が発生し、高濃度の水素原子を含む絶縁膜から半導体素子内部方向への水素原子の移動または拡散が生じると推定される。この際に、絶縁層中で水素結合が切れたことなどによる欠陥が増大し、これらの欠陥に電荷が局在することによって、よく知られている電流コラプス現象と同様の原理で、AlGaNバリア層/GaNチャネル層のヘテロ界面近傍に生じている2次元電子ガス(以下、2DEG)の電子濃度が相対的に減少し、HFETの電流チャネルの抵抗成分が増大する。これが、ソース・ドレイン間の電流が減少するモデルではないかと推測される。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであって、長時間の動作中にオン抵抗が増大しないように改善されたIII−V族化合物半導体素子を提供することを目的とする。
本発明によるIII−V族化合物半導体素子は、基板と、この基板の上方に設けられたチャネル層と、このチャネル層上にヘテロ界面を形成するように設けられたバリア層と、このバリア層上に設けられた複数の電極と、これらの電極の少なくとも一部の領域を除いてバリア層の全表面を覆うように設けられた絶縁層と水素吸着層とが一体化された一体化層を含み、一体化層内へ一体化された水素吸着層に含まれる金属元素の濃度はその一体化層の上面側において高められており、一体化層内へ一体化された絶縁層はSi、Si 3 4 、SiO 2 、TiO 2 、ZrO 2 、HfO 2 、MgF 2 、CaF 2 、SrF 2 、BaF 2 、Al 2 3 、V 2 5 、Nb 2 5 、Ta 2 5 、AlON、およびZnOからなる群より選択された誘電体を含み、そして一体化層内へ一体化された水素吸着層はLi、Na、Mg、K、Ca、Sc、Ti、Rb、Sr、Y、Zr、Cs、Ba、La、Hf、Ta、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、およびErからなる群より選択された金属元素を含み、その選択された金属元素の酸化物、窒化物、またはフッ化物からなることを特徴としている。
ここで、チャネル層およびバリア層はIII−V族化合物半導体からなり、III族窒化物からなることが好ましい。また、一体化層内へ一体化された水素吸着層に含まれる金属元素は、絶縁層に含まれる金属元素に比べて、小さい水素化物生成熱を有することが好ましい。
本発明によれば、ヘテロ界面に接するチャネル層中の2DEG濃度の低下を防止することができ、長時間の動作中にオン抵抗が増大しないように改善されたIII−V族化合物半導体素子を提供することができる。
より具体的には、本発明によるIII−V族化合物半導体素子においては、半導体素子表面を覆う絶縁層水素吸着層が一体化された一体化層が配置されているので、そ一体化層の効果によって半導体素子内部方向への水素拡散が抑制され得る。したがって、例えばAlGaNバリア層とGaNチャネル層を含むHFET素子に本発明を適用した場合、それらバリア層とチャネル層とのヘテロ接合界面近傍に形成される2DEGが絶縁膜中の局在電荷により補償されることが抑制される。その結果、2DEG濃度の低下とそれに伴う電流チャネルの抵抗増大が回避されて、HFET素子の通電動作中のオン抵抗増大を抑制することができ、特性の安定したIII−V族化合物半導体素子を提供することが可能になる。
本発明に密接に関連する参考例におけるHFET素子を示す模式的断面図である。 本発明の実施例におけるHFET素子を示す模式的断面図である。 従来のHFET素子の一例を示す模式的断面図である。
本発明に密接に関連する参考形態によるIII−V族化合物半導体素子は、III族窒化物半導体からなるバリア層とチャネル層とを含んでいる。このバリア層上に直接にまたはコンタクト層を介してソース電極、ゲート電極、およびドレイン電極が設けられている。バリア層の表面のうちでこれらの電極が設けられていない領域の全てまたは一部が、絶縁層によって覆われている。そして絶縁層上には、その絶縁層内部の水素原子を吸着する金属元素を含む水素吸着層が設けられている。
この水素吸着層は、その水素を吸い寄せる力によって、絶縁層中に存在する水素が半導体層側へ移動または拡散することを抑制する。したがって、トランジスタが動作状態になって強い電界が発生しても、絶縁層内部の水素が固定されるので欠陥が増大することがなく、そしてAlGaNバリア層とGaNチャネル層界面近傍に形成されている2DEGの電子濃度が維持される。その結果、電流チャネルの抵抗増大が回避され、III−V族化合物半導体素子全体としてのオン抵抗を増大させることなく、素子特性を安定に保つことができる。
このようなIII−V族化合物半導体素子としては、電界効果トランジスタをはじめとして、電流の流れる経路に2DEGを利用する構造を内部に有するIII−V族化合物半導体素子の全てが含まれる。
本発明の一実施形態によるIII−V族化合物半導体素子においては、絶縁層と水素吸着層と、一体化された1つの一体化層として構成されてい。この場合では、その一体化層内において、水素原子を吸着する金属元素の濃度は、半導体層側にかけて低くされていることが好ましい。また、この場合には、水素を吸着する金属元素の濃度は、一体化層の表面側から半導体層側に近づくにつれて、グラデーション状に低くされていることが特に好ましい。このような構成によって、一体化層に含まれる水素原子は半導体層側と反対側に強く引付けられ、半導体層側への拡散が抑制される。
水素を吸着する金属元素は、一体化層内へ一体化された絶縁層を構成する金属元素に比べて、小さな水素化物生成熱を有する金属元素であることが望ましい。このように構成することによって、一体化層に含まれる水素原子は、半導体層側への拡散が抑制される。
より具体的には、一体化層内へ一体化された絶縁層は、Si、Si34、SiO2、TiO2、ZrO2、HfO2、MgF2、CaF2、SrF2、BaF2、Al23、V25、Nb25、Ta25、AlON、およびZnOからなる群より選択された誘電体を含む。絶縁層にSi34、SiO2、Al23、またはTa25を用いることは、プロセス上の問題、電流コラプス現象抑制の能力、半導体層との密着性などの観点から特に好ましい。
水素を吸着する金属元素は、Li、Na、Mg、K、Ca、Sc、Ti、Rb、Sr、Y、Zr、Cs、Ba、La、Hf、Ta、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、およびErからなる群より選択された金属元素であり、一体化層内へ一体化された水素吸着層はその選択された金属元素、またはその酸化物、またはその窒化物、またはそのフッ化物からなる。
また、本発明は、III−V族化合物半導体素子がBN、AlN、InN、GaN、もしくはTlN、またはこれらの混晶からなるIII族窒化物半導体素子である場合に特に効果的である。
さらに、本発明は、III−V族化合物導体素子がその構造内にp型導電層を含む場合に特に有効である。一般に、III族窒化物半導体に対するp型ドーパントとしては、Mgを用いることが多い。しかし、このp型III族窒化物層に水素原子が拡散すれば、ドーパントであるMgが水素原子によって補償され、アクセプタとして機能しなくなる。その結果、p型の電気的特性が損なわれ、p型層を含めることによって成立していた半導体素子の機能的特徴が阻害される。しかし、本発明を利用することによって、そのような事態を回避することができる。
以下、本発明のIII−V族化合物半導体素子に関して、III族窒化物半導体HFETを一例として説明する。なお、本発明において用いられるIII族窒化物半導体HFETは、BvAlwGaxInyTlzN(0≦v≦1、0≦w≦1、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、v+w+x+y+z=1)の式で表わされる窒化物半導体結晶を利用する。ここで、Bはホウ素、Alはアルミニウム、Gaはガリウム、Inはインジウム、Tlはタリウム、そしてNは窒素を表している。また、v、w、x、y、およびzは、III族元素におけるホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、およびタリウムのそれぞれの含有比率を表している。本願明細書では、以後において、例えばAlwGaxN(0<w<1、0<x<1、w+x=1)の式で表わされる窒化物半導体結晶からなる半導体層がAlGaN層と略記される。
参考例
図1は、本発明に密接に関連する参考例によるIII族窒化物半導体HFETを模式的断面図で示している。このHFET素子には、高抵抗Si基板102上に順次積層されたバッファ層103、厚さ1μmのi型GaNチャネル層104、および厚さ30nmのアンドープAlGaNバリア層105を含むエピタキシャルウェハが利用された。AlGaNバリア層105中のIII族元素におけるAl組成比は、25%に設定された。AlGaNバリア層105の表面上には、ソース電極106、ゲート電極107、ドレイン電極108が形成された。ソース電極106とドレイン電極108はHf/Al/Hf/Auの積層構造を有するオーミック電極であり、ゲート電極107はWNをベースとしたショットキー電極である。
これらの電極106、107、108の形成後に、厚さ150nmのSiO2絶縁保護層109が成膜された。この保護層109は、電流コラプス現象を抑制する役割をも担っている。さらに、保護層109の上面上には、厚さ10nmのHfO2水素吸着層110が成膜された。なお、ソース電極106、ゲート電極107、およびドレイン電極108に対する給電線の接続領域として、保護膜109および水素吸着層110のうちで、各電極の上面の少なくとも一部に開口が設けられた。
水素吸着層を構成する金属元素のHfは、絶縁層を構成するSiよりも水素化物生成熱が小さく、絶縁膜109に含まれる水素原子は水素吸着層110に強く引付けられ、半導体素子側への拡散が抑制される。したがって、AlGaNバリア層105とi型GaNチャネル層104のヘテロ接合界面近傍に形成される2DEGが、水素原子によって補償されることが抑制され得る。その結果、2DEG濃度の低下とそれに伴う電流チャネルの抵抗増大が回避され、HFET素子の通電動作中のオン抵抗増大を抑制することができる。
上述のような参考例によるHFET素子に対して、通電試験が実施された。この試験条件としては、150℃の高温下で、ゲート電圧として5Vを印加して、ドレイン電圧を300Vとする一定電圧駆動を行い、ソース・ドレイン間の動作電流がモニタされた。
その結果、本参考例のIII族窒化物半導体HFETでは、その一定電圧駆動が1000時間以上経過しても、ソース・ドレイン電流の値は初期値から数%以内の変動幅に収まり、長期間の安定駆動が可能であった。
(実施例)
図2は、本発明の実施例によるIII族窒化物半導体HFETを模式的断面図で示している。本実施例は参考例に比べて、SiO2絶縁層109とHfO2水素吸着層110とが一体化された一体化層209として形成されていることのみにおいて異なっている。この一体化層209は200nmの厚さを有し、ソース電極106、ゲート電極107、およびドレイン電極108の各電極上面の少なくとも一部領域に開口が設けられた。
一体化層209の内部では、水素を吸着する元素であるHfの含有濃度に勾配が設けられている。より具体的には、一体化層209内部でAlGaNバリア層105側においてHf濃度が低く、一体化層209の上面に近づくにつれてHf濃度が高くなっている。このようなHf濃度勾配を設けることによって、一体化層209に含まれる水素原子は、その一体化層209の上面側に強く引付けられて、半導体素子側への移動または拡散が抑制される。
すなわち、一体化層209内部に水素が欠損したことによる欠陥が生じることがなく、AlGaNバリア層105とi型GaNチャネル層104のヘテロ接合界面近傍に形成される2DEGが水素原子によって補償されることが抑制され得る。その結果、2DEG濃度の低下とそれに伴う電流チャネルの抵抗増大が回避され、HFET素子の通電動作中のオン抵抗増大を抑制することができる。
本実施例のHFET素子に対しても、参考例と同様の条件で通電試験が実施された。その結果、本実施例のIII族窒化物半導体HFET素子においても、1000時間以上の駆動中にソース・ドレイン電流の値は初期値から数%以内の変動幅に収まり、長期間の安定駆動が可能であることが確認された。
なお、上述のような構成のHFET素子は、周知である種々の窒化物半導体結晶成長方法を利用して作製し得ることが当業者に理解されよう。より具体的には、HFET素子に含まれる各半導体層は、MOCVD(有機金属化学気相堆積)法またはMBE(分子ビームエピタキシ)法によって積層され得る。ソース、ゲート、およびドレインの各電極に含まれる各金属層、さらには保護層の成膜には、電子ビーム(EB)真空蒸着法のほか、高周波スパッタリング法、各種化学気相成長(CVD)法などの一般的な薄膜の成膜法が利用され得る。
また、以上の実施例では半導体材料としてIII族窒化物半導体を利用したHFET素子が例示されたが、すでに推定モデルを説明したようにソース・ドレイン間電流減少の原因が素子上部の絶縁層から半導体層側への水素原子の移動または拡散に伴う絶縁層内部での欠陥増大にあると考えられるので、半導体材料としてはIII族窒化物半導体に限定されず、インジウム・ガリウム・アルミニウム・砒素系のIII−V族化合物半導体を利用したHFETにおいても本発明は効果を有し得る。例えば、GaAsチャネル層とAlGaAsバリア層とを含むIII−V族化合物半導体素子にも、本発明を好ましく適用することができる。
また、上述の実施例では半導体素子の種別としてHFET素子が説明されたが、上述のように水素原子の移動または拡散によって影響を受けるのは最終的に半導体層内部のへテロ界面近傍の2DEGであるから、この2DEGを内部に形成し得る構造を有する半導体素子であれば、本発明がその効果を示すことが明らかである。
また、上述の実施例では絶縁層の材料としてSiO2が例示され、水素吸着金属元素としてHfが例示されたが、これらの組合せの他にも、一体化層内へ一体化される絶縁層としてはSi、Si34、SiO2、TiO2、ZrO2、HfO2、MgF2、CaF2、SrF2、BaF2、Al23、V25、Nb25、Ta25、AlON、もしくはZnO、またはこれらのいくつかの混合物を利用することができる。そして、水素吸着金属元素としては、Li、Na、Mg、K、Ca、Sc、Ti、Rb、Sr、Y、Zr、Cs、Ba、La、Hf、Ta、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、もしくはEr、またはこれらのいくつかの化合物に関しても、本発明の効果が得られることが確認された。絶縁層を構成する金属元素と水素吸着金属元素との組合せについては、すでに説明したように、前者に比べて後者の水素化物生成熱が小さくなるように両者を選択することによって、本発明の効果を得ることができる。
上述の参考例における絶縁層に含まれる水素原子の濃度をSIMSによって測定したところ、最低でも1×1018/cm3という濃度で水素原子が絶縁層中に存在していることが分かった。
なお、以上で開示された本発明の実施形態および実施例は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
以上のような本発明によれば、長時間の動作中にオン抵抗が増大しないように改善されたIII−V族化合物半導体素子を提供することができる。そのようなIII−V族化合物半導体素子としては、電界効果トランジスタをはじめとして、電流の流れる経路に2DEGを利用する構造を内部に有する素子の全てが含まれ、素子動作時の半導体層内部への水素原子の拡散を抑制して、素子特性の変化を抑制することができる。
102,302 基板、103,303 バッファ層、104 i型GaNチャネル層、304 チャネル層、105 アンドープAlGaNバリア層、305 AlGaNバリア層、106,306 ソース電極、107,307 ゲート電極、108,308 ドレイン電極、109 絶縁層、110 水素吸着層、209 一体化層、309 保護層。

Claims (4)

  1. 基板と、
    前記基板の上方に設けられたチャネル層と、
    前記チャネル層上にヘテロ界面を形成するように設けられたバリア層と、
    前記バリア層上に設けられた複数の電極と、
    前記バリア層の上面において前記電極の領域の少なくとも一部を除く全面を覆うように設けられた絶縁層と水素吸着層とが一体化された一体化層を含み、
    前記一体化層内へ一体化された前記水素吸着層に含まれる金属元素の濃度は、その一体化層の上面側において高められており、
    前記一体化層内へ一体化された前記絶縁層は、Si、Si 3 4 、SiO 2 、TiO 2 、ZrO 2 、HfO 2 、MgF 2 、CaF 2 、SrF 2 、BaF 2 、Al 2 3 、V 2 5 、Nb 2 5 、Ta 2 5 、AlON、およびZnOからなる群より選択された誘電体を含み、
    前記一体化層内へ一体化された前記水素吸着層は、Li、Na、Mg、K、Ca、Sc、Ti、Rb、Sr、Y、Zr、Cs、Ba、La、Hf、Ta、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、およびErからなる群より選択された金属元素を含み、前記選択された金属元素の酸化物、窒化物、またはフッ化物からなることを特徴とするIII−V族化合物半導体素子。
  2. 前記チャネル層および前記バリア層はIII−V族化合物半導体からなることを特徴とする請求項1に記載のIII−V族化合物半導体素子。
  3. 前記チャネル層および前記バリア層はIII族窒化物からなることを特徴とする請求項2に記載のIII−V族化合物半導体素子。
  4. 前記一体化層内へ一体化された前記水素吸着層に含まれる金属元素は、前記一体化層内へ一体化された前記絶縁層に含まれる金属元素に比べて、小さい水素化物生成熱を有することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のIII−V族化合物半導体素子。
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