JP4963971B2 - ヒートポンプ式設備機器 - Google Patents
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Description
また、吸入ガスの過熱により圧縮機電動機の冷却が不十分となり信頼性を損なう不具合もあった。
また、油分離器を設けずに冷媒回路を構成した場合には、圧縮機から冷媒と共に吐出された潤滑油が、高圧側熱交換器や低圧側熱交換器に滞留して熱交換効率を低下させたり、圧縮機内部の潤滑油量が減少し信頼性を損なうなどの不具合があった。
また、油分離器で分離された潤滑油が、利用に供される被加熱流体(水や空気)を加熱するため、潤滑油の有効利用にも役立つ。
図1はこの発明の実施の形態1に係るヒートポンプ式設備機器の全体構成を示す構成図である。図1に示すように、このヒートポンプ式設備機器は、圧縮機1、油分離器(オイルセパレータ)2、高圧側熱交換器3、絞り装置(膨張弁など)4、低圧側熱交換器5が、冷媒配管6を介して順次接続された冷媒回路を備えている。また、高圧側熱交換器2には、上記冷媒回路の冷媒と熱交換されて使用に供される被加熱流体(水、空気など)が流れる被加熱流体配管7が接続されている。そして、被加熱流体配管7の途中(ここでは高圧側熱交換器3への入力側の途中)に、被加熱流体を加熱する潤滑油用熱交換器8が配置されている。
また、油分離器2で分離された潤滑油が、潤滑油用熱交換器8で被加熱流体と熱交換して冷却された後、返油回路10を通って圧縮機1に戻る。このため、圧縮機1の吸入ガスが過熱膨張することがなく、過熱による効率低下や信頼性低下を防止することができる。
しかも、油分離器2で分離された潤滑油は、被加熱流体と熱交換してそれを加熱するのに利用されているため、熱を無駄にすることなく、エネルギー効率にも優れている。
また、絞り機構11としては、油分離器2から圧縮機に返油する油の量をコントロールする機能を有するいわゆるキャピラリーチューブや、電子式膨張弁などを用いることができる。電子式膨張弁は、運転条件により、変化する油の吐き出し量に応じた絞り開度を設定できる利点がある。
また、潤滑油用熱交換器8には、いわゆるプレート式熱交換器、或いは2重管式熱交換器、若しくは被過熱流体の流れる配管と油の流れる配管を密着させて熱交換させるタイプのものなどが利用できる。
図2はこの発明の実施の形態2に係るヒートポンプ式設備機器の全体構成を示す構成図である。図2に示すように、このヒートポンプ式設備機器は、圧縮機1、油分離器(オイルセパレータ)2、高圧側熱交換器3、絞り装置(膨張弁など)4、低圧側熱交換器5が、冷媒配管6を介して順次接続された冷媒回路を備えている。また、高圧側熱交換器2には、上記冷媒回路の冷媒と熱交換される被加熱流体(実施の形態2では単に流体と呼ぶ)が流れる被加熱流体配管(実施の形態2では単に流体配管と呼ぶ)7が接続されている。そして、上記冷媒回路の絞り装置4と低圧側熱交換器5との間には、潤滑油用熱交換器8が配置されている。さらに、油分離器2で分離された潤滑油を潤滑油用熱交換器8に通し、潤滑油用熱交換器8でそこを通る冷媒と熱交換させてから圧縮機1の吸入管1Aに返油する返油回路10が設けられている。なお、返油回路10の潤滑油用熱交換器8と圧縮機1との間には、キャピラリーチューブ11が設けられている。
また、油分離器2で分離された潤滑油が、絞り装置4により冷却された冷媒と潤滑油用熱交換器8で熱交換して冷却された後、返油回路10を通って圧縮機1に戻る。このため、圧縮機1の吸入ガスが過熱膨張することがなく、過熱による効率低下や信頼性低下を防止することができる。
以上の実施の形態1、2では、潤滑油を圧縮機1の吸入管1Aに戻すようにしたものであるが、ここでは、圧縮機1をスクロール圧縮機とし、油分離器2で分離された潤滑油をスクロール圧縮機の圧縮機構部に直接返油する場合について説明する。そこでまず、実施の形態3で使用するスクロール圧縮機について簡単に説明する。
また、26は密閉容器21の壁面の圧縮室25のガス吸入部に対向した位置に形成される吸入ポート、27は固定スクロール23に形成され、最内周側の圧縮室25から密閉容器21内へ圧縮された高圧ガスを吐出する吐出口、28は圧縮室25に連通する油インジェクションポートである。なお、密閉容器21内へ吐出された高圧ガスは図示していない吐出管から密閉容器21の外へ送り出される。
実施の形態3の構成によれば、冷却された潤滑油が、返油回路10を介してスクロール圧縮機20の圧縮室25に直接注入されるため、圧縮室25のシール性が高まり圧縮効率をアップすることができる。
圧縮室25へ供給する潤滑油が少なすぎると、圧縮室25の微少な隙間を油でシールする事ができず、内部漏れが大きくなり効率が低下する。一方、圧縮室25へ供給する潤滑油が多すぎると、油を圧縮し異常昇圧を来たすという不具合も考えられる。しかしながら、図5に示した形態では、返油回路10を2つに分岐させて圧縮機1へ戻しているため、圧縮室25へ流入する潤滑油の量を調整でき、上記のような不具合が生じない適正な設定が可能となる。
図6はこの発明の実施の形態4に係るヒートポンプ式設備機器の全体構成を示す構成図である。図6に示すように、このヒートポンプ式設備機器は、圧縮機1、油分離器(オイルセパレータ)2、高圧側熱交換器3、絞り装置(膨張弁など)4、低圧側熱交換器5が、冷媒配管6を介して順次接続された冷媒回路を備えている。また、ここでも、油分離器2で分離された潤滑油を圧縮機1に返油する返油回路10が設けられている。そして、返油回路10を通る潤滑油と、室内へ送られて暖房に供される空気との間で熱交換を行うように配置された潤滑油用熱交換器8が、高圧側熱交換器3と直列に配置されている。さらに、潤滑油用熱交換器8と高圧側熱交換器3には、それぞれ対応する送風ファン14が設けられている。
加えて、潤滑油用熱交換器8でも、そこを流れる高温の潤滑油が、送風ファン14を介して室内へ送られる空気と熱交換を行った後、圧縮機1に冷却される。この作用により、潤滑油用熱交換器8で潤滑油と熱交換された被加熱空気は、暖房用の温風となって室内へ供給される。
これらにより、実施の形態4のヒートポンプ式設備機器は、きわめて効率の良い暖房機として使用することができる。
一方、油分離器2で分離された潤滑油は、潤滑油用熱交換器8での被加熱空気との熱交換によって冷却された後、返油回路10を通って圧縮機1に戻る。このため、圧縮機1の吸入ガスが過熱膨張することがなく、過熱による効率低下や信頼性低下を防止することができる。
Claims (4)
- 圧縮機、高圧側熱交換器、絞り装置、低圧側熱交換器が冷媒配管を介して順次接続された冷媒回路を備えたヒートポンプ式設備機器であって、
前記冷媒回路の前記圧縮機と前記高圧側熱交換器との間に配置されて、前記圧縮機から吐出された冷媒ガス中に含まれる潤滑油を分離する油分離器と、
前記油分離器で分離された潤滑油を前記圧縮機に返す返油回路と、
前記返油回路の途中に設けられ、前記返油回路を通る潤滑油と利用に供される被加熱流体との間で熱交換を行う潤滑油用熱交換器とを備え、
潤滑油用熱交換器で前記潤滑油と熱交換した前記被加熱流体を、前記高圧側熱交換器に導入して、前記圧縮機から吐出したガス冷媒との間で熱交換するようにしたものであり、
前記圧縮機がスクロール式圧縮機であって、前記返油回路は該スクロール式圧縮機の圧縮機構部に設けられた油インジェクションポートに接続されており、
前記潤滑油用熱交換器から前記圧縮機までの前記返油回路を分岐して、前記スクロール式圧縮機の前記油インジェクションポートと冷媒ガス吸入ポートとに接続し、分岐した各返油回路にそれぞれ絞り機構を設けたことを特徴とするヒートポンプ式設備機器。 - 前記高圧側熱交換器に接続されて、前記高圧側熱交換器を通る冷媒と熱交換される前記被加熱流体が流れる被加熱流体配管を備え、
前記潤滑油用熱交換器が、前記返油回路を通る潤滑油と、前記被加熱流体配管を通る前記被加熱流体との間で熱交換を行うように配置されていることを特徴とする請求項1記載のヒートポンプ式設備機器。 - 圧縮機、高圧側熱交換器、絞り装置、低圧側熱交換器が冷媒配管を介して順次接続された冷媒回路を備えたヒートポンプ式設備機器であって、
前記冷媒回路の前記圧縮機と前記高圧側熱交換器との間に配置されて、前記圧縮機から吐出された冷媒ガス中に含まれる潤滑油を分離する油分離器と、
前記油分離器で分離された潤滑油を前記圧縮機に返す返油回路と、
前記返油回路の途中に設けられ、前記返油回路を通る潤滑油と、前記絞り装置と前記低圧側熱交換器との間にある冷媒との間で熱交換を行う潤滑油用熱交換器とを備え、
前記圧縮機がスクロール式圧縮機であり、前記潤滑油用熱交換器から前記圧縮機までの前記返油回路を分岐して、該スクロール式圧縮機の圧縮機構部に設けられた油インジェクションポートと冷媒ガス吸入ポートとに接続し、分岐した各返油回路にそれぞれ絞り機構を設けたことを特徴とするヒートポンプ式設備機器。 - 前記高圧側熱交換器に接続されて、前記高圧側熱交換器を通る冷媒と熱交換される流体が流れる流体配管を備えたことを特徴とする請求項3記載のヒートポンプ式設備機器。
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